JP5501563B2 - 亜鉛を含まない又は実質的に含まないゴム組成物 - Google Patents

亜鉛を含まない又は実質的に含まないゴム組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP5501563B2
JP5501563B2 JP2007523018A JP2007523018A JP5501563B2 JP 5501563 B2 JP5501563 B2 JP 5501563B2 JP 2007523018 A JP2007523018 A JP 2007523018A JP 2007523018 A JP2007523018 A JP 2007523018A JP 5501563 B2 JP5501563 B2 JP 5501563B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
phr
composition
zinc
symbols
carbon black
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2007523018A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008508378A (ja
JP2008508378A5 (ja
Inventor
ステファニー カンボン
ディディエール ヴァスール
Original Assignee
コンパニー ゼネラール デ エタブリッスマン ミシュラン
ミシュラン ルシェルシュ エ テクニーク ソシエテ アノニム
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority claimed from FR0408425A external-priority patent/FR2873707B1/fr
Application filed by コンパニー ゼネラール デ エタブリッスマン ミシュラン, ミシュラン ルシェルシュ エ テクニーク ソシエテ アノニム filed Critical コンパニー ゼネラール デ エタブリッスマン ミシュラン
Publication of JP2008508378A publication Critical patent/JP2008508378A/ja
Publication of JP2008508378A5 publication Critical patent/JP2008508378A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5501563B2 publication Critical patent/JP5501563B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08KUse of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
    • C08K5/00Use of organic ingredients
    • C08K5/54Silicon-containing compounds
    • C08K5/548Silicon-containing compounds containing sulfur
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60CVEHICLE TYRES; TYRE INFLATION; TYRE CHANGING; CONNECTING VALVES TO INFLATABLE ELASTIC BODIES IN GENERAL; DEVICES OR ARRANGEMENTS RELATED TO TYRES
    • B60C1/00Tyres characterised by the chemical composition or the physical arrangement or mixture of the composition
    • B60C1/0016Compositions of the tread
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/80Technologies aiming to reduce greenhouse gasses emissions common to all road transportation technologies
    • Y02T10/86Optimisation of rolling resistance, e.g. weight reduction 

Description

発明の詳細な説明
本発明は、シリカなどの無機充填剤で強化されたジエンゴム組成物に関し、これは特にタイヤ又はタイヤのための半仕上げ製品、例えばトレッドの製造に用いることができる。
硫黄によるジエンエラストマーの加硫は、ゴム産業、特にタイヤ産業に広く用いられている。硫黄に加え、種々の加硫促進剤、及びさらに1種以上の加硫賦活剤、より詳細には酸化亜鉛(ZnO)などの亜鉛誘導体、ステアリン酸亜鉛などの脂肪酸亜鉛の塩を含む比較的複雑な加硫システムが、ジエンエラストマーを加硫するのに用いられている。
タイヤ製造者の一つの中期的な目的は、特に水及び水生生物に対するこれらの化合物の公知な環境影響のため、亜鉛又はその誘導体をそれらのゴム調合物から除去することである(1996年12月9日の欧州指令書67/548/CEによる分類R50)。
しかし、特にシリカなどの無機充填剤で強化されたゴム組成物から酸化亜鉛を除去すると、未硬化状態のゴム組成物の加工特性(又は“加工可能性”)に非常に悪影響を及ぼし、工業的観点から有害であるスコーチ時間の減少が起こる。いわゆる“スコーチ”現象は、内部ミキサーでのゴム組成物の調製中に、未熟な加硫、未硬化状態の非常に高い粘性、及び結局は実質的に工業的に使えない且つ加工できないゴム組成物を急速に生じることが想起される。
亜鉛を除去する問題に対応して、実際には酸化亜鉛を、別の金属酸化物、例えばMgO、又はそれとは別に元素周期表のIIA、IVA、VA、VIA、VIIA又はVIIIA群に属する遷移金属、特にコバルト又はニッケルの塩又は酸化物に置き換えることが提案された(米国特許第6,506,827号明細書及び国際出願WO 2003/054081参照)。
そのような解決策は、それらが無機充填剤で強化されたゴム組成物の要求を満たさないという事実とは別に、少なくともそれらの一部が、環境保護の観点から実際に長期間許容できず、金属を別の金属に置き換えることが提案される限り、同様に結局はタイヤの磨耗くずが環境中に分散され、特にトレッドのそれは、主に破損、加速及びコーナリングフォースによって種々のタイプの摩擦を必然的に生じる。
ここで、本出願人は、亜鉛を別の金属に置き換えること無く、及びゴム組成物をそれらの工業的処理中の未熟なスコーチの問題から保護したまま、シリカなどの無機充填剤で強化されたゴム調合物から亜鉛を全体的に除去すること(又は無視できる量で亜鉛を使用すること)を可能にする新規解決策を見出した。
従って、本発明の第一の目的は、特にタイヤの製造に用いることのできるゴム組成物であって、亜鉛を含まないか又は0.5phr(phr=エラストマー100部分当たりの質量部)よりも少ない亜鉛を含み、且つ少なくとも:
・ジエンエラストマー;
・強化用充填剤としての無機充填剤;
・任意に5phrよりも少ない量のカーボンブラック;
・式(I)のシランポリスルフィド:
Figure 0005501563
(式中、
・記号R1及びR2は、同一でも異なっていてもよく、それぞれ、1〜6個の炭素原子及びフェニル基を有する直鎖又は分枝のアルキルから選択される1価の炭化水素基を表す;
・記号R3は、同一でも異なっていてもよく、それぞれ、水素、又は1〜4個の炭素原子を有する直鎖又は分枝のアルキル及び2〜8個の炭素原子を有する直鎖又は分枝のアルコキシアルキルから選択される1価の炭化水素基を表す;
・記号Zは、同一でも異なっていてもよく、1〜18個の炭素原子を含む2価の結合基である;
・xは2以上の整数又は分数である。)
を含むことを特徴とする組成物に関する。
式(I)のカップリング剤及び非常に低い量又はゼロの量のカーボンブラックの組み合わせ使用は、予期せずに、本発明の組成物に亜鉛の不存在(又は実質的な不存在)を完全に克服することを可能にする。
本発明の主題はまた、亜鉛を含まないか又は0.5phrよりも少ない亜鉛を含有し、及び未硬化状態で向上した加工可能性を有するジエンエラストマー及び強化用無機充填剤に基づくゴム組成物を調製するための方法であって、強化用充填剤としての少なくとも1種の無機充填剤、式(I)のシランポリスルフィド及び0〜5phrのカーボンブラックを、少なくとも1種のジエンエラストマーに混練することによって組み込むことを特徴とする方法でもある。
本発明の別の主題は、完成品又は半仕上げ製品の製造のための本発明の組成物の使用であり、及び本発明のゴム組成物を含むこれらの完成品及び半仕上げ製品自体でもあり、これらの物品又は半仕上げ製品は、自動車のための全ての“接地接触システム”(又は“サスペンションシステム”)、例えばタイヤや、タイヤ、車輪、ゴムスプリング、エラストマー系ジョイント及び他のサスペンションのための内部安全支持体、及び防振部品を意図する。
本発明の非常に詳細な主題は、これらのタイヤを意図するタイヤ又は半仕上げゴム製品の製造のための本発明のゴム組成物の使用であり、これらの半仕上げ製品は、トレッド、例えばこれらのトレッドの真下に位置することを意図する基層、冠層、側壁、カーカス層、ビーズ、プロテクター、インナーチューブ及びチューブレスタイヤのための気密な内部ゴムからなる群から特に選択される。
本発明の組成物は、乗用車、ヴァン、4×4車両(4つの動輪を有する)、2輪車、“大型車両”(すわなち、電車、バス、道路輸送機(ローリー、トラクター、トレイラー)、オフロード用車両)、航空機、又は建設、農業又は作業用機械に備えることを意図するタイヤのためのトレッドの製造に特に適する。
本発明の別の主題は、本発明のゴム組成物を含む、自動車のためのこれらの接地接触システム、ゴム製のこれらのタイヤ及び半仕上げ製品自体、特にトレッドである。本発明の主題は、特に新しいタイヤの製造又はすりきれたタイヤの再処理のためのそのようなトレッドの使用である。
本発明は、自動車のためのこれらの接地接触システム、タイヤ及び未硬化状態(すなわち、硬化する前)及び硬化状態(すなわち、架橋又は加硫後)の両方のトレッドにも関する。
本発明及びその利点は、以下の詳細な記載及び実施例を考慮して容易に理解される。
I. 用いた測定及び試験
ゴム組成物を、硬化する前及び後で、以下に示すように特徴づける。
I-1. ムーニー可塑性
例えば仏国標準NF T 43-005(1980年11月)に記載されている振動稠度計を用いる。ムーニー可塑性は、以下の原理に従って測定した。未加工の組成物(すなわち、硬化前)を100℃に加熱した円筒筐体で成形する。1分の予熱後、回転子を試験片内において2rpmで回転させ、及びこの運動を保持するのに用いたトルクを4分の回転後に測定する。ムーニー可塑性(ML 1+4)は、“ムーニー単位”で表す(MU、1MU=0.83ニュートン.メートル)。
I-2. スコーチ時間
測定は、130℃において仏国標準NF T 43-005に従って行う。時間関数としての稠度インデックスの評価は、ゴム組成物のスコーチ時間を決定することを可能にし、上記標準に従ってパラメーターT5(大きい回転子の場合)によって評価され、分で表され、及びこのインデックスのために測定される最小値より5単位の稠度インデックス(MUで表す)の増加を得るのに必要な時間であると定義される。
I-3. ショアーA硬度
硬化後のショアーA硬度を、ASTM標準D 2240-86に従って評価する。
I-4. 引張試験
これらの引張試験は、弾性応力及び破損点特性を決定することを可能にする。特に明記しない限り、これらは1988年9月の仏国標準NF T 46-002に従って行う。10%伸長(M10)、100%伸張(M100)及び300%伸長(M300)における公称割線係数(又は見掛け応力、MPa)を、二次伸長(すなわち、測定値自体として与えられた伸長の量に対する調整サイクル後)で測定する。
破壊応力(MPa)及び破損点伸長(%)も測定する。全てのこれらの引張測定は、通常の温度条件(23±2℃)及び湿度(50±5%の相対湿度)で行い、仏国標準NF T 40-101(1979年12月)に従う。
I.5 動的特性
動的特性ΔG*及びtan(δ)maxを粘弾性分析器(Metravib VA4000)で測定し、ASTM標準D 5992-96に従う。加硫した組成物のサンプル(4mmの厚み及び400mm2の断面積の円筒試験片)を、交代性の単一の正弦関数剪断応力に、10Hzの周波数、通常の温度条件(23℃)で、標準ASTM D 1349-99に従い、又は場合によって異なる温度で付し、その応答を記録する。走査は、0.1〜45%(外向きサイクル)、続いて45%〜0.1%(戻りサイクル)の変形振幅で行う。用いた結果は、複雑な動的剪断係数(G*)及び損失ファクターtan(δ)である。戻りサイクルでは、観察されるtan(δ)の最大値が示され、表示される(tan(δ)max、0.1〜45%変形の値の間の複素弾性率(ΔG*)におけるずれ(ペイン効果))。
II. 本発明の詳細な記載
本出願では、亜鉛又は亜鉛誘導体を“実質的に含まない”組成物とは、極端に無視できる量の亜鉛又は亜鉛誘導体を含む組成物を意味すると理解され、すなわち、その中の亜鉛の質量が0.5phrよりも少なく、好ましくは0.3phrよりも少ないようなものである。さらに好ましくは、本発明の組成物は亜鉛(又は亜鉛の誘導体)を含まず(すなわち、全体的に含まない)、言い換えればその中の亜鉛の量が0に等しい(0phr)。
従って、本発明の組成物は、少なくとも:(i)(少なくとも1種の)ジエンエラストマー、(ii)強化用充填剤としての(少なくとも1種の)無機充填剤、(iii)強化用無機充填剤及び前記ジエンエラストマー間の結合を提供する(少なくとも1種の)カップリング剤、及び(iv)0〜5phrのカーボンブラックに基づく。
“基づく”組成物という表現は、本出願では用いられる種々の成分の混合物及び/又は反応生成物を含む組成物を意味すると理解され、これらの基本成分(例えば、カップリング剤及び無機充填剤)の一部は、該組成物の製造の異なる段階中、特にそれらの加硫(硬化)中に、少なくとも一部が一緒に反応しやすいか、又は反応するように意図されている。
特に明記しないかぎり、本記載で示される割合は質量%である。
II-1. ジエンエラストマー
“ジエン”タイプのエラストマー又はゴム(該2つの用語は同義である)は、一般的には少なくとも一部がジエンモノマー(共役している又はしていない炭素-炭素二重結合を有するモノマー)から生じるエラストマー(すなわち、ホモポリマー又はコポリマー)を意味すると理解される。
公知の手法では、ジエンエラストマーは2つのカテゴリー:“本質的に不飽和”とされるもの及び“本質的に飽和”とされるものに分類される。“本質的に不飽和”なジエンエラストマーは、15%(モル%)よりも多いジエン由来の要素又は単位(共役ジエン)の含有率を有する少なくとも一部が共役ジエンモノマーから生じるジエンエラストマーを意味すると理解される;従って、例えば、EPDMタイプのジエン及びα-オレフィンのブチルゴム又はコポリマーなどのジエンエラストマーは、この定義内には含まれず、及び対照的に“本質的に飽和”なジエンエラストマー(常に15%よりも低いジエン由来の単位の低い又は非常に低い含有率)と記載され得る。“本質的に不飽和”なジエンエラストマーのカテゴリー内では、“高度に不飽和”なジエンエラストマーが、50%よりも多いジエン由来の単位(共役ジエン)の含有率を有するジエンエラストマーを特に意味すると理解される。
与えられたこれらの定義により、以下のものが本発明の組成物に用いることのできるジエンエラストマーによって意味されることがより詳細に理解される:
(a)・4〜12個の炭素原子を有する共役ジエンモノマーの重合によって得られる任意のホモポリマー;
(b)・8〜20個の炭素原子を有する1種以上の共役ジエンの共重合、又は8〜20個の炭素原子を有する1種以上の共役ジエン及び1種以上のビニル芳香族化合物の共重合によって得られる任意のコポリマー;
(c)・エチレン、3〜6個の炭素原子を有するα-オレフィン、及び6〜12個の炭素原子を有する非共役ジエンモノマーの共重合によって得られる3成分コポリマー、例えば、エチレン、プロピレン、及び上記のタイプの非共役ジエンモノマー、例えば特に1,4-ヘキサジエン、エチリデンノルボルネン又はジシクロペンタジエンから得られるエラストマー;
(d)・イソブテン及びイソプレン(ブチルゴム)のコポリマー、及びさらにハロゲン化、特に塩素化又は臭素化されているこのタイプのコポリマー。
それを任意のタイプのジエンエラストマーに適用するが、タイヤ産業の当業者は、本発明が好ましくは本質的に不飽和なジエンエラストマー、特に上記のタイプ(a)又は(b)のものに用いられることを理解できる。
好適な共役ジエンは、特に、1,3-ブタジエン、2-メチル-1,3-ブタジエン、2,3-ジ(C1-C5アルキル)-1,3-ブタジエン、例えば、2,3-ジメチル-1,3-ブタジエン、2,3-ジエチル-1,3-ブタジエン、2-メチル-3-エチル-1,3-ブタジエン、2-メチル-3-イソプロピル-1,3-ブタジエン、アリール-1,3-ブタジエン、1,3-ペンタジエン及び2,4-ヘキサジエンである。好適なビニル芳香族化合物は、例えば、スチレン、オルト-、メタ-及びパラ-メチルスチレン、市販の混合物“ビニルトルエン”、パラ-tert. ブチルスチレン、メトキシスチレン、クロロスチレン、ビニルメシチレン、ジビニルベンゼン及びビニルナフタレンである。
該コポリマーは、99質量%〜20質量%のジエン単位及び1質量%〜80質量%のビニル芳香族単位を含み得る。エラストマーは、任意の微細構造を有し得、これは用いられる重合条件、特に修飾化剤及び/又はランダム化剤の存在又は不存在、及び用いられる修飾化剤及び/又はランダム化剤の量の関数である。エラストマーは、例えばブロック、ランダム、序列又は微細序列エラストマーでもよく、分散的又は溶解的に調製してもよい。これらは、カップリング及び/又はスター化又は官能化剤でカップリング及び/又はスター化又はそれとは別に官能化されてもよい。
好ましいのは、ポリブタジエン、特に4%〜80%の1,2-単位含有率を有するもの、又は80%よりも多いシス-1,4含有率を有するもの、ポリイソプレン、ブタジエン/スチレンコポリマー、特に5質量%〜50質量%、さらに特に20%〜40%のスチレン含有率、4%〜65%のブタジエンフラクションの1,2-結合含有率、及び20%〜80%のトランス-1,4結合含有率を有するもの、ブタジエン/イソプレンコポリマー、特に5質量%〜90質量%のイソプレン含有率及び-40℃〜-80℃のガラス転移温度(“Tg”-ASTM D3418-82に基づいて測定)を有するもの、イソプレン/スチレンコポリマー、特に5質量%〜50質量%のスチレン含有率及び-25℃〜-50℃のTgを有するものである。ブタジエン/スチレン/イソプレンコポリマーの場合、好適なものは、特に5質量%〜50質量%、さらに特に10%〜40%のスチレン含有率、15質量%〜60質量%、さらに特に20%〜50%のイソプレン含有率、5質量%〜50質量%、さらに特に20%〜40%のブタジエン含有率、4%〜85%のブタジエンフラクションの1,2-単位含有率、6%〜80%のブタジエンフラクションのトランス1,4-単位含有率、5%〜70%のイソプレンフラクションの1,2-プラス3,4-単位含有率、及び10%〜50%のイソプレンフラクションのトランス-1,4単位含有率、及びさらに一般的には-20℃〜-70℃のTgを有する任意のブタジエン/スチレン/イソプレンコポリマーを有するものである。
要約すれば、特に好ましくは、本発明の組成物のジエンエラストマーが、ポリブタジエン(BR)、合成ポリイソプレン(IR)、天然ゴム(NR)、ブタジエンコポリマー、イソプレンコポリマー(IIR以外のもの)及びこれらのエラストマーの混合物からなる(高度に不飽和な)ジエンエラストマーの群から選択される。そのようなコポリマーは、さらに好ましくは、ブタジエン/スチレンコポリマー(SBR)、イソプレン/ブタジエンコポリマー(BIR)、イソプレン/スチレンコポリマー(SIR)、イソプレン/ブタジエン/スチレンコポリマー(SBIR)及びそのようなコポリマーの混合物からなる群から選択される。
本発明の組成物は、好ましくは乗用車のタイヤのためのトレッドを特に意図する。そのような場合、ジエンエラストマーは好ましくは、SBRコポリマー、特に溶液で調製されたSBR、好ましくはポリブタジエンとの混合物で用いられ;さらに好ましくは、SBRは20質量%〜30質量%のスチレン含有率、15%〜65%のブタジエンフラクションのビニル結合含有率、15%〜75%のトランス-1,4結合含有率及び-20℃〜-55℃のTgを有し、前記ポリブタジエンは90%よりも多いシス-1,4結合を有する。
大型車両のためのタイヤの場合、ジエンエラストマーは、好ましくはイソプレンエラストマー、すなわち、イソプレンホモポリマー又はコポリマー、言い換えれば天然ゴム(NR)、合成ポリイソプレン(IR)、種々のイソプレンコポリマー又はこれらのエラストマーの混合物からなる群から選択されるジエンエラストマーである。イソプレンコポリマーの中で特に挙げられるのは、イソブテン/イソプレンコポリマー(ブチルゴム-IIR)、イソプレン/スチレンコポリマー(SIR)、イソプレン/ブタジエンコポリマー(BIR)又はイソプレン/ブタジエン/スチレンコポリマー(SBIR)である。このイソプレンエラストマーは、好ましくは天然ゴム又は合成シス-1,4ポリイソプレンであり、これらの合成ポリイソプレンでは、好ましくは90%よりも多く、さらに好ましくは98%よりも多いシス-1,4結合含有率(モル%)を有するポリイソプレンが用いられる。大型車両のためのそのようなタイヤでは、ジエンエラストマーはまた、その全体又は部分的に、別の非常に不飽和なエラストマー、例えば、SBRエラストマーから構成してもよい。
本発明のトレッドの組成物は、単一のジエンエラストマー又は数種のジエンエラストマーの混合物を含んでもよく、該ジエンエラストマーは、場合によってジエンエラストマー以外の任意のタイプの合成エラストマー、又はさらにエラストマー以外のポリマー、例えば熱可塑性ポリマーと関連して用いられる。
II-2. 強化用無機充填剤
“強化用無機充填剤”は、周知の習慣で、その色及びその由来(天然又は合成)がどうであろうと、任意の無機又は鉱物充填剤を意味するとここでは理解され、また、カーボンブラックとは対照的に、“白い”充填剤、“透明な”充填剤又はそれとは別に“黒くない”充填剤としても呼ばれ、それ自体で、中間結合剤以外の方法を用いずに、タイヤトレッドの製造を意図するゴム組成物を強化することができ、言い換えれば、その強化機能において、特にトレッドのための従来のタイヤグレードのカーボンブラックに取って代わることができる。そのような充填剤は、一般的には周知の習慣で、その表面のヒドロキシル(-OH)基の存在によって特徴付けられる。
好ましくは、強化用無機充填剤は、シリカ又はアルミナを含むタイプの充填剤、又はこれら2種のタイプの充填剤の混合物である。
用いられるシリカ(SiO2)は、当業者に周知の任意の強化用シリカ、特に共に450m2/g、好ましくは30〜400m2/gよりも少ないBET表面積及びCTAB比表面積を有する任意の沈降又はヒュームドシリカでもよい。高分散性沈降シリカ(“HDS”と呼ばれる)が、特に本発明を低い転がり抵抗を有するタイヤの製造に用いるときに好ましく、該シリカの例として挙げられ得るのは、DegussaのシリカUltrasil 7000、RhodiaのシリカZeosil 1165 MP、1135 MP及び1115 MP、PPGのシリカHi-Sil EZ150G、HuberのシリカZeopol 8715、8745又は8755、及び国際出願WO 03/016387号明細書に記載されているような高い比表面積のシリカである。
好ましく用いられる強化用アルミナ(Al2O3)は、30〜400m2/g、さらに好ましくは60〜250m2/gのBET表面積、及びせいぜい500nm程度、さらに好ましくはせいぜい200nm程度の平均粒子サイズを有する高分散性アルミナである。そのような強化用アルミナの非限定的な例は、特にアルミナ“Baikalox A125”又は“CR125”(Baikowskiから)、“APA-100RDX”(Condea)、“Aluminoxid C”(Degussa)又は“AKP-G015”(Sumitomo Chemicals)である。
本発明のゴム組成物に用いることのできる無機充填剤の他の例として挙げられ得るのは、さらに水酸化(酸化)アルミニウム、アルミノケイ酸塩、酸化チタン、炭化ケイ素又は窒化ケイ素、国際出願WO 99/28376号(又は米国特許第6,610,261号明細書)、WO 00/73372号(又は米国特許第6,747,087号明細書)、WO 02/053634号(又は米国特許第2004-0030017号明細書)、WO 2004/003067号及びWO 2004/056915号明細書などに記載されている全ての強化用タイプである。
本発明のトレッドが、低い転がり抵抗のタイヤのために意図されるとき、用いられる強化用無機充填剤は、特にそれがシリカの場合、好ましくは60〜350m2/gのBET表面積を有する。本発明の一つ有利な実施態様は、130〜300m2/gの範囲内の大きなBET表面積を有する強化用無機充填剤、特にシリカを用いることからなり、これはそのような充填剤の高い強化用能力が認識されているためである。本発明の別の好ましい実施態様では、130m2/gよりも少なく、好ましくは60〜130m2/gのBET表面積を有する強化用無機充填剤、特にシリカが用いられ得る(例えば国際出願WO 03/002648号明細書又は米国特許第2005-0016651号明細書、及び国際出願WO 03/002649号明細書又は米国特許第2005-0016650号明細書を参照、これらはさらに0.5〜1.5phrの減少した量の亜鉛を低い比表面積のシリカと組み合わせて用いることを教示している)。
強化用無機充填剤が存在する物理的状態は重要でなく、粉末、微小ビーズ、顆粒、ボール又は任意の他の適切な高密度形状のいずれの形態でもよい。もちろん、“強化用無機充填剤”は、異なる強化用無機充填剤、特に上記の高分散性シリカ及び/又はアルミナを含む充填剤の混合物を意味するとも理解される。
当業者は、用いられる無機充填剤の性質及び該タイヤ、例えばオートバイのタイヤ、乗用車のタイヤ又はそれとは別にヴァン又は大型車などの実用車のタイヤのタイプに応じて、強化用無機充填剤の量を適応することができる。好ましくは、強化用無機充填のこの量は、20〜200phr、さらに好ましくは30〜150phrで選択される。さらに好ましくは、特に本発明の組成物がタイヤトレッドを意図しているとき、強化用無機充填剤の量は、50phrよりも多く、例えば60〜140phr、特に70〜130phrから選択される。
本明細書では、BET表面積は、“The Journal of the American Chemical Society” Vol. 60, 309頁, 1938年2月に記載されているBrunauer-Emmett-Tellerの方法を用いるガス吸着による周知の手法、より正確には1996年12月の仏国標準NF ISO 9277[複数点容積測定法(5点)-ガス:窒素-脱気:160℃で1時間-相対圧力の範囲p/po:0.05〜0.17]に基づいて決定される。CTAB表面積は、1987年11月の仏国標準NF T 45-007(方法B)に基づいて決定される外表面積である。
最後に、当業者は、異なる性質、特に有機の強化用充填剤を、本節に記載されている強化用無機充填剤と同等の充填剤として用いることができるのは、この強化用充填剤は、シリカなどの無機層で被覆するか、又はそれとは別にその表面に機能部位、特にヒドロキシル部位を含むときであり、充填剤及びエラストマーの間に結合を確立するためのカップリング剤の使用を必要とすることを理解するだろう。
II-3. カップリング剤
“カップリング剤”は、周知の習慣で、無機充填剤及びジエンエラストマーの間の十分な化学的及び/又は物理的結合を確立することのできる試薬を意味すると理解されることがここで想起され;少なくとも二官能性のそのようなカップリング剤は、例えば簡易化した一般式“Y-A-X”を有する:
式中、
・Yは、物理的及び/又は化学的に無機充填剤と結合することのできる官能基(“Y”官能基)を表し、このような結合は、例えば、カップリング剤のケイ素原子と無機充填剤の表面ヒドロキシル(OH)基(例えば、シリカの場合は表面のシラノール)との間に確立することができる。
・Xは、例えば硫黄原子によって、物理的及び/又は化学的にエラストマーと結合することのできる官能基(“X”官能基)を表す。
・Aは、YとXとをつなぐことを可能とする基を表す。
カップリング剤、特にシリカ/ジエンエラストマーカップリング剤は、非常に多くの文献に記載されており、最も公知なものは、“Y”官能基としてのアルコキシル基(すなわち、“アルコキシシラン”で定義) 及び、“X”官能基としての、ジエンエラストマーと反応することのできる官能基、例えばポリスルフィド官能基などを有する二官能性有機シランである。
公知のアルコキシシランポリスルフィド化合物の中で特に挙げられるべきものは、式[(C2H5O)3Si(CH2)3S2]2のビス(3-トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド(TESPTに省略)、特にDegussaから名称Si69(又は、カーボンブラックにおいて50質量%で支持されるときは、X50S)で販売されており、4に近いxの平均値を有するポリスルフィドSxの市販の混合物の形態のものである。
TESPTは、非常に長期間公知であり、依然として今日でも、シリカなどの強化用無機充填剤で強化されたゴム組成物に対し、スコーチ、ヒステリシス及び強化能力に対する抵抗に関して最も優れた妥協を提供する製品として考えられている。従って、当該カップリング剤は、当業者にとって、タイヤを低い転がり抵抗のシリカで充填し、提供されるエネルギー節約のために時々“グリーンタイヤ”(又は“エネルギー節約グリーンタイヤ”)と呼ばれる。
このTESPTカップリング剤は、亜鉛を含まない又は事実上含まない本発明の組成物に好適でなく、本発明は、後者が特に上記式(I)の特別なシランポリスルフィドの使用を必要とすることを明らかにした。
式(I)のそのような化合物は公知であり、及び特に国際出願WO 2004/033548号明細書(又は米国特許第2004-0129360号明細書)に、シリカなどの無機充填剤が充填されているゴム組成物におけるカップリング剤として記載されており、タイヤの最上級の強化構成(又は“ベルト”)を意図する。
ジエンエラストマー及び強化用無機充填剤の間に結合を与えることを明らかに理解することができ、それは1分子当たり:
・第一に、“X”官能基としての、ジエンエラストマーとの安定な結合を形成することのできるポリスルフィド官能基(Sx);
・第二に、“Y”官能基としての、ケイ素原子当たり一つ及び一つのみの(-OR3)基-(≡Si-OR3)官能基-後者の表面ヒドロキシル基によって強化用無機充填剤上にそれをグラフトすることができる;
・分子の中心おけるポリスルフィド基の間に結合を与える2つの結合Z、及び分子の各末端を固定する2つの(≡Si-OR3)官能基、
を含む。
1〜18個の炭素原子を含むZ基は、特にアルキレン鎖、飽和シクロアルキレン基、アリーレン基又はこれらの基の少なくとも2つの組み合わせから形成される二価の基を表す。これらは、好ましくはC1-C18アルキレン及びC6-C12アリーレンの中から選択され;これらは特にS、O及びNの中から選択される1種以上のヘテロ原子によって置換又は中断されていてもよい。
上記式(I)では、好ましくは以下の特徴が満たされる:
・記号R1及びR2は、メチル、エチル、n-プロピル及びイソプロピルの中から選択される;
・記号R3は、水素、メチル、エチル、n-プロピル及びイソプロピルの中から選択される;
・記号Zは、C1-C8アルキレンの中から選択される。
さらに好ましくは、
・記号R1及びR2は、メチル及びエチルの中から選択される;
・記号R3は、水素、メチル及びエチルの中から選択される;
・記号Zは、C1-C4アルキレン、特にメチレン、エチレン又はプロピレン、特にプロピレン-(CH2)3-の中から選択される。
式(I)のポリスルフィドの好ましい例として挙げられるのは、特に以下の特別な式(II)のモノヒドロキシシランポリスルフィドである:
Figure 0005501563
そのようなシランは、例えば、その合成と共に特許出願WO 02/30939号明細書(又は米国特許第6,774,255号明細書)及びWO 02/31041号明細書(又は米国特許第2004-0051210号明細書)、及びさらに上記の国際出願WO 2004/033548号明細書(又は米国特許第2004-0129360号明細書)に記載されている。
式(I)のシランポリスルフィドの他の例としてさらに挙げられ得るのは、ビス-モノアルコキシジメチルシリルプロピルポリスルフィド及びこれらのポリスルフィドの混合物、特に以下の特別な式(III)、(IV)又は(V)のものである:
Figure 0005501563
上記式(I)〜(V)では、当該シランポリスルフィドの合成方法が、1種類のみのポリスルフィドを生じ得る場合、そのときの数xは好ましくは2〜8の整数である。
ポリスルフィドは、好ましくはジスルフィド(x=2)、トリスルフィド(x=3)、テトラスルフィド(x=4)、ペンタスルフィド(x=5)、ヘキサスルフィド(x=6)及びこれらのポリスルフィドの混合物、特にジスルフィド、トリスルフィド及びテトラスルフィドの中から選択される。
さらに好ましくは、ビス-モノヒドロキシジメチルシリルプロピル(又はビス-プロピルジメチルシラノール)(式II)又はビス-モノエトキシジメチルシリルプロピル(式IV)のジスルフィド、トリスルフィド、テトラスルフィド、及びこれらのポリスルフィドの混合物が特に選択される。
当業者は、合成方法が、それぞれ異なる数の硫黄原子(典型的にはS2〜S8)を有するポリスルフィド基の混合物を生じるとき、この数xは一般的に分数であり、その平均値は採用される合成方法及びこの合成の特定の条件によって変化し得る。そのような場合、合成されたポリスルフィドは、実際に好ましくは2〜8、さらに好ましくは2〜6、さらに好ましくは2〜4の“x”の平均値(モル)を中心としたポリスルフィドの分布から形成される。
特に好ましい実施態様では、特定の構造式(VI)を有する一般式(II)のモノヒドロキシジメチルシリルプロピルテトラスルフィド(S4)が用いられる:
Figure 0005501563
別の特に好ましい実施態様では、特定の構造式(VII)を有する一般式(II)のモノヒドロキシジメチルシリルプロピルジスルフィド(S2)を用いることができる:
Figure 0005501563
別の特別な実施態様では、特定の構造式(VIII)(Et=エチル)を有する上記一般式(IV)のモノエトキシジメチルシリルプロピルテトラスルフィド(S4)(略して“MESPT”)、上記TESPTのモノエトキシル化同族体を用いることができる:
Figure 0005501563
別の特別な実施態様では、特定の構造式(IX)を有する一般式(IV)のモノエトキシジメチルシリルプロピルジスルフィド(S2)(略して“MESPD”)を用いることができる。
Figure 0005501563
上記式(I)〜(IX)のシランポリスルフィド化合物はよく知られており、及び先行技術文献、例えば欧州特許第680997号明細書(又は米国特許第5,650,457号明細書)、欧州特許第1043357号明細書(又はカナダ特許第2303559号明細書)、仏国特許第2823215号明細書(又は国際出願WO 02/83782号明細書)、又は上記の国際出願WO 02/30939号、WO 02/31041号及びWO 2004/033548号明細書に記載されている。
当業者は、本発明の特定の実施態様の関数として、式(I)のポリスルフィド含有量、特に用いられる強化用無機充填剤の量を調節することができ、好ましい量は、強化用無機充填剤の量と比較して2〜20質量%を表し;15質量%よりも低い量、特に10質量%よりも低い量が、より特別に好ましい。
上記の量を考慮すると、一般的なシランポリスルフィドの含有量は、好ましくは2〜15phrである。上記の最小量以下では、危険性の影響が不適切であり、一方で上記の最大量以上では、一般的にさらなる向上は観察されず、組成物コストが上昇する;これらの種々の理由のため、この含有量はさらに好ましくは2〜12phrである。
II-4. カーボンブラック
本発明のゴム組成物は、5よりも少なく、好ましくは4よりも少ないphrのカーボンブラック、さらに好ましくは3よりも少ないphrのカーボンブラック(特に0.05〜3phr)を含むという他の本質的な特徴を有し;それは全体的にカーボンブラックを含まなくてもよい(すなわち、ゼロphr)。
好適なカーボンブラックは、ゴム組成物に黒色の着色を提供することのできる全てのカーボンブラック、特にHAF、ISAF及びSAFタイプのブラックであり、これらは当業者にとって周知であり、従来からタイヤに用いられている。後者で挙げられ得るのは、これらのタイヤのトレッドに用いられるシリーズ(ASTMグレード)100、200又は300の補強用カーボンブラック(例えばN115、N134、N234、N326、N330、N339、N347、N375)であるが、非補強用タイプ(それらの構造が弱いため)のより高いシリーズ400〜700(例えばブラックN660、N683、N772)のものも挙げられ得る。“インキブラック”と呼ばれる非強化用ブラックも、一例として用いることができる。
カーボンブラックは、市場で入手可能なために分離して用いてもよく、又は任意の他の形態、例えば用いられるゴム製造用添加剤の一部のための支持物として用いてもよい。
II-5. 種々の添加剤
本発明のトレッドのゴム組成物は、タイヤ、特にトレッドの製造を意図するエラストマー組成物に通常用いられる従来の添加剤、例えば、可塑化剤又は増量オイル、後者は事実上芳香族又は非芳香族であり、顔料、抗オゾンワックスなどの保護剤、化学オゾン劣化防止剤、抗酸化剤、耐疲労剤、強化用樹脂、メチレン受容体(例えばノボラックフェノール樹脂)又は供与体(例えばHMT又はH3M)、例えば国際出願WO 02/10269(又は米国特許第2003-0212185号明細書)に記載されているもの、硫黄又は硫黄及び/又は過酸化物及び/又はビスマレイミド供与体のいずれかに基づく架橋システム、加硫促進剤及び加硫賦活剤の全て又は一部を含み、もちろん亜鉛系賦活剤は除く。
好ましくは、これらの組成物は、他の好ましい非芳香族又は非常にわずかな芳香族の可塑化剤として、ナフテンオイル、パラフィンオイル、MESオイル、TDAEオイル、好ましくは30℃よりも高いTgを有する炭化水素可塑性樹脂、及びそのような化合物の混合物の中から選択される少なくとも1種の化合物を含む。そのような好ましい可塑剤の総量は、好ましくは15〜45phr、さらに好ましくは20〜40phrである。
これらの炭化水素可塑性樹脂(名称“樹脂”が固体化合物として定義されることによって留保されることが想起される)で挙げられるのは、特にアルファ-ピネン、ベータ-ピネン、ジペンテン、C5フラクションのホモポリマー又はコポリマー、例えばC5フラクション/スチレンコポリマーの樹脂であり、これらは単独又はMES又はTDAEオイルなどの可塑性オイルと組み合わせて用いることができる。
前述の強化用充填剤(すなわち、妥当な場合には強化用無機充填剤及びカーボンブラック)にさらに加えられ得るのは、意図される用途に依存して、例えば着色側壁又はタイヤトレッドに用いることのできるクレイ、ベントナイト、タルク、チョーク、カオリンの粒子などの不活性充填剤(非強化用)である。
これらの組成物はまた、カップリング剤に加え、ゴムマトリックス内における無機充填剤の分散を向上させ、及び該組成物の粘度を減少させるために、カップリング賦活剤、強化用無機充填剤を被覆するための試薬(例えば単一のY官能基を含む)又はさらに一般的な適切な加工助剤を周知の習慣で含み、未硬化状態で作用するそれらの能力を向上させてもよく、これらの試薬は、例えばアルキルアルコキシシラン(特にアルキルトリエトキシシラン)などの加水分解性シラン、ポリオール、ポリエーテル(例えばポリエチレングリコール)、第一級、第二級又は第三級アミン(例えばトリアルカノールアミン)、水酸化POS又は加水分解性POS、例えばα,ω-ジヒドロキシポリ有機シロキサン(特にα,ω-ジヒドロキシポリジメチルシロキサン)、及び脂肪酸、例えばステアリン酸である。
II-6. ゴム組成物の製造
本発明の主題はまた、亜鉛を含まない又は実質的に含まず(すなわち、0.5phrよりも少ない亜鉛を含む)、及び未硬化状態で向上した加工可能性を有するジエンエラストマー及び強化用無機充填剤に基づくゴム組成物を調製するための方法でもあり、該方法は、強化用充填剤としての少なくとも1種の無機充填剤、上記式(I)のシランポリスルフィド及び0〜5phrのカーボンブラックを、少なくとも1種のジエンエラストマーに混練することによって組み込むことを特徴とする。
本発明のゴム組成物は、当業者によく知られている一般的な手順:最大温度130℃〜200℃、好ましくは145℃〜185℃の高温で熱機械的作業又は混練する第一段階(時々“非生産”段階と呼ぶ)、続いて典型的に120℃よりも低く、例えば60℃〜100℃より低い温度で機械的作業(時々“生産”段階と呼ぶ)をする第二段階に基づく2種の連続する調製段階を用いて好適なミキサーで製造され、その最終段階中に架橋又は加硫システムが組み込まれる。
本発明の好ましい実施態様では、加硫システムを除く本発明の組成物の全ての基本成分、すなわち強化用無機充填剤、式(I)のカップリング剤及びカーボンブラックは、第一段階、いわゆる非生産段階中にジエンエラストマーに混練することによって本質的に組み込まれ、すなわち、少なくともこれらの異なる基本成分をミキサーに入れ、及び1つ以上の段階で130℃〜200℃、好ましくは145℃〜185℃の最大温度が達成されるまで熱機械的に混練する。
例えば、第一段階(非生産段階)を単一の熱機械的工程で行い、その間に加硫システムを除く全ての必要成分、任意の追加の被覆剤又は加工剤及び種々の他の添加剤を好適なミキサー、例えば従来の内部ミキサーに入れる。この非生産段階における混練の全持続時間は、好ましくは1〜15分である。第一非生産段階中にそのようにして得られた混合物を冷却した後、続いて加硫システムを低温で、一般的にはオープンミルなどの外部ミキサーにおいて組み込む;続いて、全組成物を数分間、例えば2〜15分混合する(生産段階)。
適切な加硫システムは、好ましくは硫黄及び促進剤に基づく。硫黄の存在下でジエンエラストマーのための加硫促進剤として作用し得る任意の化合物を用いてよく、特に2-メルカプトベンゾチアジルジスルフィド(略して“MBTS”)、N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアジルスルフェンアミド(略して“CBS”)、N,N-ジシクロヘキシル-2-ベンゾチアジルスルフェンアミド(“DCBS”)、N-tert. ブチル-2-ベンゾチアジルスルフェンアミド(“TBBS”)、N-tert. ブチル-2-ベンゾチアジルスルフェンアミド(“TBSI”)及びこれらの化合物の混合物からなる群の中から選択される。好ましくは、スルフェンイミドタイプの第一級促進剤が用いられる。
この加硫システムに加えられ、第一非生産段階中及び/又は生産段階中に組み込まれるのは、種々の公知な第二級促進剤又は加硫促進剤であり、亜鉛及びZnOなどの亜鉛誘導体、たとえばステアリン酸などの脂肪酸、グアニジン誘導体(特にジフェニルグアニジン)などは除く。硫黄の量は好ましくは0.5〜3.0phrであり、及び第一級促進剤の量は好ましくは0.5〜5.0phrである。
続いて、そのようにして得られた最終組成物を、特に実験室におけるキャラクタリゼーションのために、例えばフィルム又はシートの形態にカレンダーにかけるか、又はそれとは別に、例えば乗用車のためのタイヤトレッドとして用いることのできるゴム輪郭成分の形態に押出す。
加硫(又は硬化)は、周知の習慣で、一般的には130℃〜200℃の温度で、例えば5〜90分間、特に硬化時間、採用された加硫システム及び当該組成物の加硫動力学に依存して変化し得る十分な時間行う。
要約すれば、実質的に亜鉛を含まないか又は亜鉛を含まず、且つ向上した加工可能性を有する、ジエンエラストマー及び強化用無機充填剤に基づくゴム組成物を調製するための本発明の方法は、以下の好ましい特徴的な工程:
・ミキサー内において:
・強化用無機充填剤;
・カップリング剤としてのシランポリスルフィド;
・任意にカーボンブラック、
を、1つ以上の段階で、130℃〜200℃の最大温度が達成されるまで全混合物を熱可塑的に混練することによってジエンエラストマーに組み込む工程;
・全混合物を100℃よりも低い温度まで冷却する工程;
・続いて、
・亜鉛を含まないか、又は最終組成物における亜鉛の量が0.5phrよりも少ないような加硫システム:
を組み込む工程;
・120℃よりも低い最大温度が達成されるまで全混合物を混練する工程;
・そのようにして得られたゴム組成物を押出又はカレンダーにかける工程、
を含み、及び任意のカーボンブラックの量が5phrよりも少なく、且つシランポリスルフィドが上記の式(I)を満たすことを特徴とする。
本発明のこの方法では、好ましくは少なくとも1種、さらに好ましくは全ての以下の特徴が満たされる:
・該組成物における亜鉛の量が0.3phrよりも少ない;
・強化用無機充填剤の量が20〜200phr、さらに好ましくは30〜150phr;
・カップリング剤の量が2〜15phr;
・最大熱機械的混練温度が145℃〜185℃;
・強化用無機充填剤がシリカ又はアルミナ含有充填剤;
・カーボンブラックの量が4phrよりも少なく、好ましくは3phrよりも少ない;
・ジエンエラストマーがブタジエン/スチレンコポリマー(SBR)であり、好ましくはポリブタジエン(BR)との混合物で用いられる。
さらに好ましくは、この方法では、少なくとも1種、さらに好ましくは全ての以下の特徴が満たされる:
・組成物における亜鉛の量がゼロ(すなわち、0phr);
・無機充填剤の量が50phrよりも多く、特に60〜140phr、例えば70〜130phrの範囲内;
・強化用無機充填剤がシリカ;
・カーボンブラックの量が0.05〜3phr、さらに好ましくは0.1〜2phr;
・シランポリスルフィドがポリスルフィド、特にビス-ヒドロキシシリルプロピル又はビス-(C1-C4)アルコキシシリルプロピルのジスルフィド又はテトラスルフィド;
・SBRが溶液で調製されたSBRであり、且つBRが90%よりも多くのシス-1,4結合を有する。
III. 本発明の実施例
III-1. 組成物の調製
以下の試験の手順は以下である:充填剤(シリカ及び任意にカーボンブラック)、カップリング剤、ジエンエラストマー、及び種々の他の成分を、加硫システムを除いて連続的に内部ミキサーの容量の70%が充填されるまで入れ、最初のタンクの温度は約60℃である。続いて、熱機械的作業(非生産段階)を1段階において全体で約3〜4分の持続時間で、165℃の最大“滴下”温度が得られるまで行う。そのようにして得られた混合物を回収し、冷却し、及び続いて加硫システム(硫黄及びスルフェンアミドタイプの第一級促進剤)を、好適な時間(例えば5〜12分)全てを混合すること(生産段階)によって30℃で外部ミキサー(ホモフィニッシャー)において組み込む。
そのようにして得られた組成物を、続いてゴムのプレート(2〜3mmの厚み)又は薄いシートの形態のいずれかにカレンダーがけして、それらの物理的又は機械的特性を測定するか、又はトレッドの形態に押出す。
以下の試験では、1つの特に好ましい実施態様に関して、カーボンブラックを0.1〜2phrの量で用いる。
III-2. 試験
この第一試験では、公知のSBR及びBRジエンエラストマーに基づき且つシリカで強化されている、乗用車タイプの自動車のための放射状カーカスタイヤのトレッドの製造に用いることのできる5種の組成物を比較する。
これら5種の組成物は、以下に示すように、カップリング剤の性質、亜鉛酸化物の存在又は不存在及び用いられるカーボンブラックの量を除いて同一である:
・組成物C-1:TESPTシラン;1.5phrのZnO;5phrのカーボンブラック;
・組成物C-2:TESPTシラン;ZnOを用いない;5phrのカーボンブラック;
・組成物C-3:TESPTシラン;ZnOを用いない;1phrのカーボンブラック;
・組成物C-4:単官能基シラン;ZnOを用いない;5phrのカーボンブラック;
・組成物C-5:単官能基シラン;ZnOを用いない;1phrのカーボンブラック。
組成物C-1は、いわゆる低エネルギー消費の“グリーン”タイヤに用いられる参照を構成する;それは、従来の手法で、加硫賦活剤としての酸化亜鉛(約1.2phrの金属Znは1.5phrのZnO誘導体に対応する)、従来量の5phrのカーボンブラック及び以下の構造式(Et=エチル)のカップリング剤としてのTESPTシランを用いる:
Figure 0005501563
組成物C-5は、亜鉛(又は亜鉛誘導体)を(全体的に)含まず、5phrよりも少ないカーボンブラック及び式(I)の単官能基シランを組み込んでいるため、本発明に基づく唯一のものである。さらに正確には、この単官能基シランは、前述の式(VI)の好ましいシランである:
Figure 0005501563
それを、上記出願WO 02/30939号及びWO 02/31041号明細書に示されているような周知の習慣で調製し、続いてTESPT対照と比較して実質的に同等なある量の表面被覆度のシリカを組み込んだ。言い換えれば、2種のカップリング剤を、ここでは実質的に等モル量のケイ素で用い、すなわち、組成物に関わらず、シリカ及びその表面のヒドロキシル基と反応性である同モル数のY官能基(ここではY=Si(OEt)3、又は場合によってY=Si(OH)(CH3)2)を用いる。
表1及び2は、連続的に異なる組成(表1では異なる生成物の量をphrで表した)の調合物、及び165℃で15分間硬化する前及び後のそれらの特性(表2)を示している。
表2を見ると、まず、硬化後の特性は、全ての組成物で、ショアー硬度、引張係数及びM300/M100係数比、破損点特性に関して実質的に同一であり、さらに組成物C-5では向上したヒステリシス特性を有し、これは最も低いtan(δ)max値及び特にΔG*を有し、全ての明確な指標は、特に転がり抵抗に関して、タイヤトレッドにおける本発明のC-5の組成物の優れた潜在性を証明していることに注目すべきである。
しかし、硬化前の特性は、本発明の全利点を明白に証明する:
・まず、組成物C-2からのZnOの除去は、参照組成物C-1と比べて、スコーチ時間の非常に有意な降下(50%)を生じ、T5は12分から6分になることに注目すべきである;そのような減少は、当業者によって工業的観点から有害であると考えられる;
・単純にカーボンブラックの量を5phrから1phrに減少させても、パラメーターT5に有意な効果は見られない(組成物C-2と組成物C-3を比較);
・さらに、従来のTESPTカップリング剤を単官能基シランと置き換えても同じである(組成物C-2と組成物C-4を比較);
・予期せずに、単官能基シラン及び非常に少量のカーボンブラックを組み合わせて含む本発明の組成物C-5のみが、出発対照組成物C-1と同等に、ZnOの不存在下で、工業的観点から許容できるスコーチに対する抵抗(T5>10分)を得ることを可能にする。
B)試験2
この第二試験では、公知のSBR及びBRジエンエラストマーに基づき且つシリカで強化されている5種の他の組成物を比較する。
これら5種の組成物は、以下に示すように、カップリング剤の性質、亜鉛酸化物の存在又は不存在及び用いられるカーボンブラックの量を除いて同一である:
・組成物C-6:TESPTシラン;1.5phrのZnO;5phrのカーボンブラック;
・組成物C-7:TESPTシラン;ZnOを用いない;5phrのカーボンブラック;
・組成物C-8:TESPTシラン;ZnOを用いない;3phrのカーボンブラック;
・組成物C-4:単官能基シラン;ZnOを用いない;3phrのカーボンブラック;
・組成物C-5:単官能基シラン;ZnOを用いない;0.3phrのカーボンブラック。
組成物C-6は、従来の手法で加硫賦活剤としての酸化亜鉛(1.2phrのZnは1.5phrのZnOに対応する)、従来量の5phrのカーボンブラック及びカップリング剤としてのTESPTを用いて、参照(“グリーン”タイヤ)を構成する。
組成物C-9及びC-10のみが本発明に基づき、亜鉛(又は亜鉛誘導体)を(全体的に)含まず、5phrよりも少ないカーボンブラック及び式(I)の単官能基シランを組み込んでいる。さらに正確には、この単官能基シランは、前述の式(VIII)(Et=エチル)の好ましいシランである:
Figure 0005501563
それを、上記出願WO 02/83782号明細書に示されているような周知の習慣で調製し、続いてTESPT対照と比較して実質的に同等なある量の表面被覆度のシリカを組み込んだ。言い換えれば、2種のカップリング剤を、ここでは実質的に等モル量のケイ素で用い、すなわち、組成物に関わらず、シリカ及びその表面のヒドロキシル基と反応性である同モル数のY官能基(ここではY=Si(OEt)3、又は場合によってY=Si(OH)(CH3)2)を用いる。
表3及び4は、連続的に異なる組成(表3では異なる生成物の量をphrで表した)の調合物、及び165℃で15分間硬化する前及び後のそれらの特性(表3)を示している。
表4を見ると、まず、硬化後の特性は、全ての組成物で、ショアー硬度、引張係数及びM300/M100係数比、破損点特性に関して類似しており、さらに組成物C-9及びC-10では向上したヒステリシス特性を有し、これは最も低いtan(δ)max値及び特にΔG*を有し、全ての明確な指標は、特に転がり抵抗に関して、タイヤトレッドにおける本発明のC-5の組成物の優れた潜在性を証明していることに注目すべきである。
しかし、硬化前の特性は、本発明の利点を再び証明及び確認する:
・まず、組成物C-7からのZnOの除去は、参照組成物C-6と比べて、スコーチ時間の有害な降下50%を生じ、T5は14分から7分になることに注目すべきである;
・単純にカーボンブラックの量を5phrから1phrに減少させても、パラメーターT5に有意な効果は見られない(組成物C-7と組成物C-8を比較);
・予期せずに、単官能基シラン及び非常に少量のカーボンブラック(それぞれ3phr及び0.3phr)を組み合わせて含む本発明の組成物C-9及びC-10のみが、出発対照組成物C-6と同等に、ZnOの不存在下で、工業的観点から許容できるか、又はさらに組成物C-10のカーボンブラックが非常に少量(0.3phr)の場合に改善されるスコーチに対する抵抗(T5>10分)を得ることを可能にする。
要約すれば、上記比較試験は、単純にTESPTを式(I)の単官能基シランと置き換えるか、又は単純にカーボンブラックの量を非常に低いレベルまで減らすと、加硫システムから亜鉛又は酸化亜鉛が除去されるため、加工の問題(スコーチ時間の減少)を克服するための十分な解決策を構築しないことを明らかに説明している。
式(I)のカップリング剤と非常に少量のカーボンブラック(0〜5phr)との組み合わせ使用のみが、別の金属と置換すること無く、ゴム組成物から亜鉛又は任意の亜鉛誘導体を全体的に除去し、及び後者の未硬化状態における加工可能性を保持することを可能にする。
本発明は、特に有利にはタイヤのためのトレッドの製造を意図するゴム組成物に適用することができ、特にその場合、これらのトレッドは乗用車、オートバイ又は大型車タイプの産業車両のためのタイヤを意図する。
表1
Figure 0005501563
(1)10質量%(6.9phr)のMESオイルで増量されているSBR(乾燥SBRを表す)(又は全体が75.9phrの増量SBR);25%のスチレン、58%の1,2-ポリブタジエン単位及び23%のトランス-1,4-ポリブタジエン単位(Tg=-24℃);
(2)4.3%の1-2;2.7%のトランス;93%のシス1-4(Tg=-106℃)を有するBR;
(3)シリカタイプ“HDS”(Rhodiaの“Zeosil 1165MP”-BET及びCTAB:約160m2/g);
(4)TESPTカップリング剤(Degussaの“Si69”);
(5)式(VI)の単官能基シラン;
(6)MESオイル(Exxon MobilのFlexon 683);
(7)高いTg(73℃)の可塑性炭化水素樹脂(DRTのポリリモネン樹脂“Dercolyte L120”);
(8)N-1,3-ジメチルブチル-N-フェニルパラフェニレンジアミンン(FlexsysのSantoflex 6-PPD);
(9)ジフェニルグアニジン(FlexsysのPerkacit DPG);
(10)カーボンブラックN234;
(11)N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアジルスルフェンアミド(FlexsysのSantocure CBS)。







表2
Figure 0005501563
表3
Figure 0005501563
(1)10質量%(6.9phr)のMESオイルで増量されているSBR(乾燥SBRを表す)(又は全体が75.9phrの増量SBR);25%のスチレン、58%の1,2-ポリブタジエン単位及び23%のトランス-1,4-ポリブタジエン単位(Tg=-24℃);
(2)4.3%の1-2;2.7%のトランス;93%のシス1-4(Tg=-106℃)を有するBR;
(3)シリカタイプ“HDS”(Rhodiaの“Zeosil 1165MP”-BET及びCTAB:約160m2/g);
(4)TESPTカップリング剤(Degussaの“Si69”);
(5)式(VI)の単官能基シラン;
(6)MESオイル(Exxon MobilのFlexon 683);
(7)高いTg(73℃)の可塑性炭化水素樹脂(DRTのポリリモネン樹脂“Dercolyte L120”);
(8)N-1,3-ジメチルブチル-N-フェニルパラフェニレンジアミンン(FlexsysのSantoflex 6-PPD);
(9)ジフェニルグアニジン(FlexsysのPerkacit DPG);
(10)カーボンブラックN234;
(11)N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアジルスルフェンアミド(FlexsysのSantocure CBS)。
表4
Figure 0005501563

Claims (6)

  1. 亜鉛を含まないか又は0.5phr(phr=エラストマー100部分当たりの質量部)よりも少ない亜鉛を含有するゴム組成物であって、
    ・ジエンエラストマー;
    ・強化用無機充填剤;
    ・任意に、5phrよりも少ない量のカーボンブラック;
    ・式(I)のシランポリスルフィド:
    を含む、組成物。
    Figure 0005501563
    (式中、
    ・記号R1及びR2が、メチル、エチル、n-プロピル及びイソプロピルから選択される;
    ・記号R3が、水素であり;
    ・記号Zが、C1-C8アルキレンから選択される;
    ・xは2以上の整数又は分数である。)
  2. 以下の特徴を満たす、請求項1記載の組成物。
    ・記号R1及びR2が、メチル及びエチルから選択される;
    ・記号R3が、水素であり;
    ・記号Zが、C1-C4アルキレンから選択される。
  3. シランポリスルフィドが、ビス-モノヒドロキシジメチルシリルプロピルポリスルフィド及びこれらのポリスルフィドの混合物から選択される、請求項1記載の組成物。
  4. ジエンエラストマーが、ポリブタジエン、合成ポリイソプレン、天然ゴム、ブタジエンコポリマー、イソプレンコポリマー及びこれらのエラストマーの混合物からなる群から選択される、請求項1記載の組成物。
  5. 亜鉛を含まないか又は0.5phrよりも少ない亜鉛を含有し、及び未硬化状態において向上した加工可能性を有する、ジエンエラストマー及び強化用無機充填剤に基づくゴム組成物を調製するための方法であって、少なくとも1種のジエンエラストマーに、強化用充填剤としての少なくとも1種の無機充填剤、0〜5phrのカーボンブラック及び式(I)のシランポリスルフィドを混練することによって組み込むことを特徴とする、方法。
    Figure 0005501563
    (式中、
    ・記号R1及びR2が、メチル、エチル、n-プロピル及びイソプロピルから選択される;
    ・記号R3が、水素であり;
    ・記号Zが、C1-C8アルキレンから選択される;
    ・xは2以上の整数又は分数である。)
  6. 請求項1記載のゴム組成物を含む、タイヤトレッド。
JP2007523018A 2004-07-29 2005-07-28 亜鉛を含まない又は実質的に含まないゴム組成物 Active JP5501563B2 (ja)

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
FR0408425A FR2873707B1 (fr) 2004-07-29 2004-07-29 Composition de caoutchouc depourvue de zinc
FR04/08425 2004-07-29
FR04/12837 2004-12-03
FR0412837 2004-12-03
PCT/EP2005/008181 WO2006013056A1 (fr) 2004-07-29 2005-07-28 Composition de caoutchouc depourvue ou pratiquement depourvue de zinc

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2008508378A JP2008508378A (ja) 2008-03-21
JP2008508378A5 JP2008508378A5 (ja) 2008-09-11
JP5501563B2 true JP5501563B2 (ja) 2014-05-21

Family

ID=35220548

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007523018A Active JP5501563B2 (ja) 2004-07-29 2005-07-28 亜鉛を含まない又は実質的に含まないゴム組成物

Country Status (6)

Country Link
US (1) US9303148B2 (ja)
EP (1) EP1773938B1 (ja)
JP (1) JP5501563B2 (ja)
AT (1) ATE506405T1 (ja)
DE (1) DE602005027575D1 (ja)
WO (1) WO2006013056A1 (ja)

Families Citing this family (22)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9303148B2 (en) * 2004-07-29 2016-04-05 Compagnie Generale Des Etablissements Rubber composition devoid of or practically devoid of zinc
FR2925508B1 (fr) * 2007-12-21 2010-01-15 Michelin Soc Tech Composition de caoutchouc a tres faible taux de zinc
WO2009107151A1 (en) * 2008-02-25 2009-09-03 Pirelli Tyre S.P.A. Tire and crosslinkable elastomeric composition
FR2940290B1 (fr) * 2008-12-22 2010-12-31 Michelin Soc Tech Agent de couplage mercaptosilane bloque
FR2940302B1 (fr) 2008-12-22 2012-07-27 Michelin Soc Tech Composition de caoutchouc comportant un agent de couplage mercaptosilane bloque
FR2945815B1 (fr) * 2009-05-20 2011-07-01 Michelin Soc Tech Composition de caoutchouc comportant un agent de couplage organosilane
FR2947552B1 (fr) * 2009-05-20 2011-08-26 Michelin Soc Tech Agent de couplage organosilane
US20120083559A1 (en) * 2010-09-30 2012-04-05 Nicola Costantini Pneumatic tire with thread
US20120157568A1 (en) * 2010-12-21 2012-06-21 Paul Harry Sandstrom Silica reinforced rubber composition with combination of functionalized elastomer, liquid polymer and resin and tire with tread thereof
JP5637950B2 (ja) * 2011-07-22 2014-12-10 四国化成工業株式会社 ゴム・カーボンブラック用カップリング剤及びそれを含むタイヤ用ゴム組成物
FR2984896B1 (fr) * 2011-12-21 2014-10-24 Michelin Soc Tech Pneumatique comprenant une composition essentiellement depourvue de derive guanidique et comprenant une amine primaire
DE102012107607A1 (de) 2012-08-20 2014-02-20 Continental Reifen Deutschland Gmbh Kautschukmischung
FR3021971B1 (fr) * 2014-06-05 2016-06-03 Michelin & Cie Pneumatique a faible resistance au roulement
US9650503B2 (en) * 2015-06-24 2017-05-16 The Goodyear Tire & Rubber Company Tire with tread for low temperature performance and wet traction
US20160376428A1 (en) * 2015-06-24 2016-12-29 The Goodyear Tire & Rubber Company Tire with tread for combination of low temperature performance and for wet traction
FR3053345B1 (fr) * 2016-06-30 2018-07-06 Compagnie Generale Des Etablissements Michelin Composition de caoutchouc comprenant un agent de couplage polysulfure de monohydroxysilane
FR3059331A1 (fr) * 2016-11-28 2018-06-01 Compagnie Generale Des Etablissements Michelin Bande de roulement pour pneumatique
FR3060565A1 (fr) 2016-12-16 2018-06-22 Michelin & Cie Polysulfure d'alcoxysilane
CN107674260B (zh) * 2017-11-02 2019-09-24 山东兴鸿源轮胎有限公司 一种无氧化锌的轮胎胎面胶
FR3075085B1 (fr) * 2017-12-18 2020-11-20 Michelin & Cie Procede de fabrication a haute temperature d'une composition de caoutchouc
US10947368B2 (en) 2019-03-04 2021-03-16 The Goodyear Tire & Rubber Company Pneumatic tire
US11440350B2 (en) 2020-05-13 2022-09-13 The Goodyear Tire & Rubber Company Pneumatic tire

Family Cites Families (23)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB921810A (en) * 1961-02-15 1963-03-27 Pittsburgh Plate Glass Co Improvements in and relating to vulcanizates
KR100195665B1 (ko) * 1990-07-24 1999-06-15 에인혼 해롤드 타이어 카커스용 조성물
US5126501A (en) * 1991-01-23 1992-06-30 General Tire, Inc. Elastomeric compositions and tire belt structure
DE4415658A1 (de) 1994-05-04 1995-11-09 Bayer Ag Schwefelhaltige Organosiliciumverbindungen enthaltende Kautschukmischungen
BR9810559A (pt) * 1997-07-07 2000-08-15 Michelin & Cie Composição de borracha de pneumático, branca, clara ou colorida, desprovida de negro de fumo, pneumático de cor ou artigo de borracha de um tal pneumático, processo para proteger contra o envelhecimento foto-oxidante uma composição de borracha, e, utilização de um sistema foto-oxidante
JP3714095B2 (ja) * 2000-03-08 2005-11-09 住友化学株式会社 ゴム組成物及び加硫ゴム組成物
JP4041734B2 (ja) * 2000-10-13 2008-01-30 ソシエテ ド テクノロジー ミシュラン カップリング剤として多官能性オルガノシランを含むゴム組成物
US6579930B2 (en) * 2001-02-01 2003-06-17 The Goodyear Tire & Rubber Company Tire with minimal-marking tread and skid steering, fixed axle, tire/wheel or vehicular track assembly where said tire or track has a minimal-marking tread
US7378465B2 (en) * 2001-04-04 2008-05-27 Bridgestone Corporation Tire components having improved modulus
FR2823215B1 (fr) * 2001-04-10 2005-04-08 Michelin Soc Tech Pneumatique et bande de roulement de pneumatique comportant a titre d'agent de couplage un tetrasulfure de bis-alkoxysilane
ATE465208T1 (de) * 2001-06-28 2010-05-15 Michelin Soc Tech Reifenlauffläche verstärkt durch kieselsäure mit niedriger spezifischer oberfläche
JP4536375B2 (ja) 2001-06-28 2010-09-01 ソシエテ ド テクノロジー ミシュラン 極めて低い比表面積のシリカで強化されたタイヤトレッド
BR0116890A (pt) * 2001-12-21 2004-06-22 Pirelli Pneu para rodas de veìculos, banda de rodagem de pneu para rodas de veìculos, composição elastomérica, e, produto manufaturado elastomérico reticulado
US7071251B2 (en) * 2002-09-17 2006-07-04 The Goodyear Tire & Rubber Company Tire with component comprised of rubber composite of styrene/butadiene elastomer containing pendent silanol and/or siloxy groups
AU2003271695A1 (en) 2002-10-11 2004-05-04 Michelin Recherche Et Technique S.A. Tyre belt based on an inorganic filler and a polysulphide silane
AU2003285912A1 (en) * 2002-11-07 2004-06-03 Exxonmobil Chemical Patents Inc. Elastomeric blend for air barriers comprising grafted resin components
FR2857972B1 (fr) * 2003-07-21 2006-02-03 Michelin Soc Tech Bande de roulement pour pneumatique.
DE602004006014T2 (de) * 2003-10-30 2007-12-20 Société de Technologie Michelin Lauffläche mit durch ein spezifisches gemisch bedeckten profilelementen
EP1761569B1 (en) * 2004-04-27 2009-11-11 Bridgestone Corporation Method of producing a tire composition having improved silica reinforcement
US9303148B2 (en) * 2004-07-29 2016-04-05 Compagnie Generale Des Etablissements Rubber composition devoid of or practically devoid of zinc
US7836928B2 (en) * 2004-10-26 2010-11-23 Bridgestone Corporation Method of producing a tire composition having improved silica reinforcement
FR2910902B1 (fr) * 2006-12-28 2010-09-10 Michelin Soc Tech Composition de caoutchouc a tres faible taux de zinc
FR2925508B1 (fr) * 2007-12-21 2010-01-15 Michelin Soc Tech Composition de caoutchouc a tres faible taux de zinc

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008508378A (ja) 2008-03-21
US9303148B2 (en) 2016-04-05
EP1773938B1 (fr) 2011-04-20
WO2006013056A1 (fr) 2006-02-09
US20090131572A1 (en) 2009-05-21
ATE506405T1 (de) 2011-05-15
DE602005027575D1 (de) 2011-06-01
EP1773938A1 (fr) 2007-04-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5501563B2 (ja) 亜鉛を含まない又は実質的に含まないゴム組成物
US7834074B2 (en) Plasticizing system for rubber composition
RU2542228C2 (ru) Каучуковая композиция, содержащая блокированный меркаптосилан в качестве связывающего агента
US7135517B2 (en) Rubber composition based on diene elastomer and a reinforcing silicon nitride
JP5974076B2 (ja) アゾシランカップリング剤を含むゴムタイヤ組成物
JP5014794B2 (ja) 空気入りタイヤ用トレッド
JP5615714B2 (ja) ヒドロキシシラン被覆剤を含むタイヤ用ゴム組成物
JP5101299B2 (ja) タイヤトレッド
JP4739199B2 (ja) タイヤトレッド
JP5782383B2 (ja) ブロックトメルカプトシランカップリング剤を含有するゴム配合物
JP6000505B2 (ja) 亜鉛含量の非常に低いゴム組成物
JP5702803B2 (ja) ランタニド塩を含む外部用ゴム混合物を有する物品、特に空気タイヤ
CN102428133B (zh) 包含有机硅烷偶联剂的橡胶组合物
JP6190383B2 (ja) ブロックトメルカプトシランカップリング剤を含むゴム組成物
US20140371345A1 (en) Rubber tire composition comprising an azo-silane coupling agent
JP5650746B2 (ja) チアゾールを含むゴム組成物
US20130053504A1 (en) Rubber Composition Comprising a Thiazoline
EP3996918A1 (en) A laminate
US9187620B2 (en) Rubber composition comprising a thiadiazole

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080725

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080725

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120220

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120227

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20120515

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20120522

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20120801

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120827

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130225

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20130523

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20130530

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130826

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140210

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140312

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5501563

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360