JP5615577B2 - 電気自動車の挙動変化の把握支援装置、挙動変化の把握支援方法、車両点検装置及び車両点検方法 - Google Patents
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Description
電気自動車1は、電動モータ11で駆動走行する充電池式電気自動車であり、運転席に設けられるアクセルペダル12の運転者による操作量(踏込ストローク又は踏込角度)をアクセル操作量検出手段13が検出し、その検出データ信号に基づき、トルク指令設定手段14が電動モータ11の駆動トルクを規定するトルク指令を設定する。なお、該トルク指令は、アクセルペダル12の操作量に基づくものであるが、アクセルペダル操作量以外に、車両走行速度、ハンドル操作量、走行駆動輪のスリップ状況、補機部品による負荷状況等の副次的要素に基づく微調整又は補正が適宜なされている。
車両点検装置2は、ガソリンエンジン等の内燃機関に比べて固有のトルク変動が小さい電動モータ11に、内燃機関と同等レベルあるいはそれ以上の大きなトルク変動を生じさせるようにして、上述した補機部品17、駆動系部品18、補機駆動装置19等を故意に加振し、これらの車両各部における変形、摩耗、傷付きその他の不具合が、車両運転中の異常振動(異常音を含む。以下同じ。)として表れるようにするものである。そのうえで、上記車両各部の振動をモニターすることにより、不具合を検出し、それを運転者に通報する。車両点検装置2は、図1に示すように、トルク変動発生手段21、不具合検出手段22及び通報手段23を備えてなり、当日の車両運転開始時に起動し、その後の一定時間に亘って作動し続けるように設定されている。
トルク変動発生手段21は、振動波形合成手段であり、電動モータ11の駆動トルクにおいてモータ固有のトルク変動以外のトルク変動を付加的に生じさせて、当該トルク変動によって上記車両各部を強制的に回転振動させる。具体的には、トルク変動発生手段21が、アクセル操作量に応じてトルク指令設定手段14が設定するトルク指令(図2(a))を受けて、これに高周波の振動波形(図2(b))を合成し、大きなトルク変動を生じる変動トルク指令(図2(c))を設定し、該変動トルク指令をモータ制御部15に供給する。
不具合検出手段22は、電気自動車1の運転中に車両各部で生じる振動を監視し、その振動に基づき車両各部で発生している不具合を自動的に検出するものであり、上記車両各部に配設されて振動(音を含む。以下同じ。)を検出可能な振動センサ22a,22b,22cを備えてなる。不具合検出手段22は、トルク変動発生手段21によるトルク変動の発生時に、各振動センサからのセンサ信号をサンプリングして分析を行い、その分析データに基づいて不具合の発生有無(異常振動の有無)を判定し、不具合が発生していると判定される場合に不具合内容を特定し、その不具合内容を記憶する。なお、ここでは、説明の簡略のため、振動センサを22a,22b,22cの3個のみを表示するが、更に多数設けても良いことは勿論である。
通報手段23は、不具合検出手段22による不具合検出がなされたときに、その旨を運転者等に通報する表示装置又は音声出力装置である。通報手段23としては、専用の装置を採用するほか、電気自動車1に搭載されている計器パネル、ナビゲーション装置やAV機器等の表示パネルやスピーカを利用することもできる。また、通報手段23は、不具合が発生した旨のみならず、不具合内容を通報させても良いし、あるいは不具合発生のみを通報させて、車両点検装置2に接続される外部装置から不具合内容を出力させるようにしても良い。その他、通報手段23として警告灯を配設し、何れの警告灯を点灯させるかによって、あるいは警告灯の点滅の仕方によって不具合内容を知らせることもできる。
上記実施形態では、当日の運転開始後に車両点検装置2を起動することとしたが、これ以外の運転状態に該当するときに起動させることとしても良いし、累積走行距離が3000km増加する毎とか、前回の点検実施時から3000km走行後とか、走行履歴や点検履歴が所定条件に該当するときに起動するようにしても良い。あるいは、それに代えて、もしくは加えて、運転者(点検者)が手動操作で起動させることができるスイッチを設けておくこととしても良い。
Claims (15)
- 電気自動車を駆動する電動モータの駆動トルクにおいて、前記電動モータが本来的に発生するトルク変動に対して内燃機関に類するトルク変動を付加的に生じさせることにより、運転者が前記電気自動車の運転中における車両の挙動変化を把握し易い状態にするトルク変動発生手段を備えることを特徴とする電気自動車の挙動変化の把握支援装置。
- 前記トルク変動発生手段が、アクセル操作量に応じたトルク指令に高周波の振動波形を合成した変動トルク指令を設定することにより、前記電動モータが本来的に発生するトルク変動に対して内燃機関に類するトルク変動を付加的に生じさせることを特徴とする請求項1記載の電気自動車の挙動変化の把握支援装置。
- 前記トルク変動発生手段が、前記電動モータのコイル巻線を短絡することにより、前記電動モータが本来的に発生するトルク変動以外の内燃機関に類するトルク変動を生じさせることを特徴とする請求項1記載の電気自動車の挙動変化の把握支援装置。
- 電気自動車を駆動する電動モータの駆動トルクにおいて、前記電動モータが本来的に発生するトルク変動に対して内燃機関に類するトルク変動を付加的に生じさせることにより、運転者が電気自動車の運転中における車両の挙動変化を把握し易い状態にすることを特徴とする電気自動車の挙動変化の把握支援方法。
- 電気自動車を駆動する電動モータの駆動トルクにおいて、前記電動モータが本来的に発生するトルク変動に対して内燃機関に類するトルク変動を付加的に生じさせることにより、車両各部を加振し、該車両各部の不具合が車両運転中の異常振動(異音を含む。)として表れるようにするトルク変動発生手段を備えることを特徴とする電気自動車の車両点検装置。
- 前記トルク変動発生手段が、アクセル操作量に応じたトルク指令に高周波の振動波形を合成した変動トルク指令を設定することにより、前記電動モータが本来的に発生するトルク変動に対して内燃機関に類するトルク変動を付加的に生じさせることを特徴とする請求項5記載の電気自動車の車両点検装置。
- 前記トルク変動発生手段が、前記電動モータのコイル巻線を短絡することにより、前記電動モータが本来的に発生するトルク変動以外の内燃機関に類するトルク変動を生じさせることを特徴とする請求項5記載の電気自動車の車両点検装置。
- 前記電気自動車の車両各部に配設される振動センサを備えることにより、前記トルク変動発生手段によるトルク変動の付加的発生時に、前記振動センサからのセンサ信号に基づき車両各部の不具合を検出する不具合検出手段を備えることを特徴とする請求項5乃至7の何れかに記載の電気自動車の車両点検装置。
- 前記不具合検出手段による不具合検出がなされたときに、その旨を通報する通報手段を備えることを特徴とする請求項8記載の電気自動車の車両点検装置。
- 前記電気自動車の運転状態、走行履歴、点検履歴又はこれらの複合が所定条件に該当するときに起動することを特徴とする請求項5乃至9の何れかに記載の電気自動車の車両点検装置。
- 前記トルク変動発生手段は、前記付加的に生じさせるトルク変動の波形を変化させられることを特徴とする請求項5乃至10の何れかに記載の電気自動車の車両点検装置。
- 前記トルク変動発生手段は、前記付加的に生じさせるトルク変動の周波数及び/又は振幅を変化させられることを特徴とする請求項11記載の電気自動車の車両点検装置。
- 前記トルク変動発生手段は、前記付加的に生じさせるトルク変動の周波数を前記電動モータの回転数に応じて変化させられることを特徴とする請求項12記載の電気自動車の車両点検装置。
- 前記トルク変動発生手段は、前記電動モータの回転軸に対して、前記付加的に生じさせるトルク変動の位相を変化させられることを特徴とする請求項5乃至10の何れかに記載の電気自動車の車両点検装置。
- 電気自動車を駆動する電動モータの駆動トルクにおいて、前記電動モータが本来的に発生するトルク変動に対して内燃機関に類するトルク変動を付加的に生じさせることにより、車両各部を加振し、該車両各部の不具合が車両運転中の異常振動(異音を含む。)として表れるようにすることを特徴とする前記電気自動車の車両点検方法。
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