JP5614467B2 - 光干渉器 - Google Patents

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Description

この発明は、波長が多重化された双方向通信の終端装置に用いられ、発光素子から出力される光と、受光素子へと入力される光との合分波を行う光干渉器に関する。
加入者側から局側への光伝送(上り通信)と、局側から加入者側への光伝送(下り通信)とを1本の光ファイバで行う光加入者系通信システム(以下、加入者系システムとも称する。)においては、上り通信及び下り通信に異なる波長の光を用いることがある。この場合、局側及び加入者側の双方で、波長の異なる光を合分波する光素子(以下、光合分波素子とも称する。)が必要となる。
光合分波素子は、発光素子及び受光素子と空間光学的に光軸合わせされて、GE−PON(Gigabit Ethernet(登録商標)−Passive Optical Network)等の加入者系システムの加入者側終端装置(ONU:Optical Network Unit)や、局側終端装置(OLT:Optical Line Terminal)に用いられる。
この光軸合わせの手間を軽減するために、光導波路により構成された光合分波素子が開発されている(例えば、特許文献1〜5参照)。この光合分波素子では、光の伝搬経路を、予め作りこまれた光導波路内に限定するので、光合分波素子にレンズやミラー等が不要となる。さらに、光軸合わせの際、予め光合分波素子に作成された基準マークをもとにして、発光素子及び受光素子を、光導波路の入出射端に位置合わせすればよい。そのため、光軸合わせの手間が大幅に省かれる。
近年、シリコン(Si)を材料とするコアと、Siとの屈折率差が大きな酸化シリコン(SiO)を材料とするクラッドとで光導波路(以下、Si光導波路とも称する。)を構成した光合分波素子が報告されている(例えば、非特許文献1〜3参照)。
Photonics Technology Letters vol.18,No.22,p.2392,2006年11月 Photonics Technology Letters vol.20,No.23,p.1968,2008年12月 Optics Express vol.18,No.23,p.23891,2010年11月
米国特許4860294号明細書 米国特許5764826号明細書 米国特許5960135号明細書 米国特許7072541号明細書 特開平8−163028号公報 特開2012−48049号公報
Si光導波路は、コアの屈折率がクラッドの屈折率よりも非常に大きいので、光の閉じ込めが強い。このため、光を1μm程度の小さい曲率半径で曲げる曲線状光導波路を実現することができる。また、Si電子デバイスの加工技術を利用して製造できるために、きわめて微細なサブミクロンの断面構造を実現できる。これらのことから、Si光導波路を用いることで光合分波素子を小型化することができる。
発明者は、マッハツェンダ干渉器型の光合分波素子で、アーム光導波路にコアの幅を変えた位相調整領域を設ける技術を提案している。そして、この位相調整領域により、素子の温度変動や、コアの寸法誤差等の物理量の変動を補償する(例えば、特許文献6参照)。
しかし、特許文献6の技術では、位相調整領域とアーム光導波路との接続部で幅が不連続(階段状)に変化するため、階段の角部において不可避的に光の回折が生じ、伝搬光の強度ロスの一因となりうる。
従来、この損失を抑制するために、アーム光導波路と位相調整領域の間にコアの幅が徐々に変化するテーパ状光導波路を設けて、角部が生じないようにしていた。しかし、この技術では、伝搬光にテーパ状光導波路の有無による位相差が生じないように、両方のアーム光導波路に同数且つ同形のテーパ状光導波路を設ける必要があった。そのため、位相調整領域の個数が両アーム光導波路で違う場合には、一方のアーム光導波路に、ダミーのテーパ状光導波路を設ける必要があり、このダミーのテーパ状光導波路に由来する伝搬光の損失が生じていた。
この発明は、このような技術的背景でなされた。従って、この発明の目的は、位相調整領域による物理量補償と、位相調整領域及びアーム光導波路の接続部での回折に由来する伝搬光のロスの低減とを両立した光干渉器を得ることにある。
発明者は、鋭意検討の結果、光干渉器を構成するアーム光導波路に、角部が生じないように形状を最適化した位相調整領域を設けることにより、上述の目的を達成できることに想到した。
従って、この発明の光干渉器は、基板の主面側に設けられたクラッドとコアとで構成された光導波路を有している。そして、光導波路は、2個の光カプラと、2個の光カプラの間に並列に設けられ、2個の光カプラを接続する第1及び第2アーム光導波路と、一方の光カプラに設けられた第1ポートと、他方の光カプラに設けられた第2及び第3ポートとを備える。
そして、第1及び第2アーム光導波路の一方又は双方に第1〜第g位相調整領域(gは1以上の整数)が設けられる。ここで、第p位相調整領域(ただしpは1〜gの整数)の等価屈折率が、光伝搬方向に沿った長さxを変数とする関数n(x)で表され、第p位相調整領域の光伝搬方向に沿った幾何学的長さをLとするとき、
第p位相調整領域の光路長Sが、下記式(1)で与えられる。
そして、第p位相調整領域において、光伝搬方向に直交し且つ主面に平行な長さを幅Wd (x)とするとき、Wd (0)が、第p位相調整領域が設けられた第1又は第2アーム光導波路のx=0に対応する位置の幅に等しく、且つ、Wd (L )が、第p位相調整領域が設けられた第1又は第2アーム光導波路のx=L に対応する位置の幅に等しく構成されている。
また、x=0及びx=L において、第p位相調整領域の接線と、第p位相調整領域が設けられた第1又は第2アーム光導波路の接線とのなす角度の鋭角側が20°以内に構成されている。
さらに、n (x)に含まれる係数の個数の全てのpについての総和がKであり、第1ポートから1以上の成分光を含む入力光が入力された場合を考える。
この場合に、所定の物理量が補償されて、物理量の変動によらず、第2及び第3ポートから一定の分配比で出力される成分光である物理量補償光の数をV(Vは0以上の整数)とし、独立して、干渉次数を選択することができる成分光である次数選択光の数をW(Wは正の整数)とする。
このとき、K,V及びWが、下記式(2)〜(4)の関係を満たす。
Figure 0005614467
0≦V≦K−1・・・(2)
1≦W≦K ・・・(3)
V+W≦K ・・・(4)
さらに、上述の光干渉器において、所定の物理量が、(a)成分光の波長、(b)素子温度、(c)主面に垂直に測った長さであるコアの厚み、(d)光伝搬方向に垂直で、主面に平行な長さであるコアの幅、及び、(e)成分光の偏波よりなる群から選ばれた1以上の物理量である。
ここで、「光路長S」とは、式(1)に示すように、例えば、第p位相調整領域のような光導波路の幾何学的な長さLを、ある波長λの光に関する光導波路の等価屈折率nで補正した光学的な長さである。等価屈折率nが定数の場合、光路長をSはn×Lで与えられる。また、等価屈折率がX方向の長さxの関数n(x)与えられる場合、光路長Sは、式(1)の積分で与えられる。以降、「光路長」と記載しない長さ(幅、厚み、高さ等)は、単に、幾何学的な長さを示す。
この発明の光干渉器は、角部が生じないように形状を最適化した位相調整領域を備えているので、これらの設定に応じて、種々の物理量の補償を行いつつ、回折によるロスを低減することができる。
この発明の光干渉器の構造を示す模式図である。 光導波路の等価屈折率と、幅との関係を示す特性図である。 物理量δの変化に応じた等価屈折率nの変化量(dn/dδ)と、等価屈折率との関係を示す特性図である。 (A)〜(C)は、位相調整領域が取り得る幾つかの態様を例示する拡大平面図である。 アーム部にg個の位相調整領域を備える光干渉器の構造を模式的に示す模式図である。 実施形態1の光干渉器の構造を概略的に示す平面図である。 (A)〜(C)は、それぞれ図6をA−A線、B−B線、及びC−C線に沿って切断した端面図である。
以下、図面を参照して、この発明の実施形態について説明する。なお、各図では構成要素の形状、大きさ及び配置関係を、この発明が理解できる程度に概略的に示している。また、以下の各実施形態は、この発明の一好適例であり、各構成要素の材質や数値的条件なども、好適な場合の例示に過ぎない。従って、この発明は、以下の各実施形態に何ら限定されない。また、各図において、共通する構成要素には同符号を付し、その説明を省略することもある。
[発明の概要]
図1を参照して、この発明の概要を説明する。図1は、この発明の光干渉器の構造を示す模式図である。なお、図1では、発明の理解に資するために、光干渉器を簡略的に描いている。つまり、基板及びクラッドの図示を省略するとともに、コアを単なる曲線で、及び各構成要素を単純化した図形で、それぞれ描いている。
まず、図1を参照して、以下の説明で用いる光干渉器10の方向及び寸法を定義する。図1に示したような右手系の直交座標系を考え、X方向を図が描かれた紙面の左から右に向かう方向とし、長さ方向とも称する。また、Z方向を図が描かれた紙面の裏面から表面に向かう方向とし、高さ方向又は厚み方向とも称する。また、Y方向を図が描かれた紙面の下方から上方に向かう方向とし、幅方向とも称する。そして、X方向に沿って測った幾何学的長さを「長さ」とも称し、Y方向に沿って測った幾何学的長さを「幅」とも称し、Z方向に沿って測った幾何学的長さを「高さ」又は「厚さ」とも称する。ここでは、入力光INの光伝搬方向をX方向とする。また、所定の構造体の光伝搬方向に垂直な断面のことを「横断面」と称する。また、この例では、不図示の基板の主面は、XY平面(紙面)に平行に延在する。
(構造)
続いて、光干渉器10の構造を簡単に説明する。光干渉器10は、基板の主面側に設けられたクラッドとコアとで構成された光導波路を備える。そして、この光導波路は、2個の光カプラ16及び18と、第1及び第2アーム光導波路20a及び20bと、2個の位相調整領域22及び22とを備える。なお、基板、コア、及びクラッドについては後述する。光干渉器10には、波長λの第1成分光Cが入力光INとして入力され、所定の強度比で分配されて出力光OUT1及びOUT2として出力される。
第1及び第2アーム光導波路20a及び20bはチャネル型光導波路である。第1及び第2アーム光導波路20a及び20bは2個の光カプラ16及び18の間に並列に設けられ、2個の光カプラ16及び18を接続している。以降、第1及び第2アーム光導波路20a及び20bの両者を示す場合には、「アーム部20」とも称する。
第1及び第2アーム光導波路20a及び20bの一方又は双方には、この例では、合計2個の位相調整領域22及び22が設けられている。詳細には、第1アーム光導波路20aに位相調整領域22が設けられ、第2アーム光導波路20bに位相調整領域22が設けられる。以降、これらの位相調整領域22及び22を、それぞれ第1位相調整領域22及び第2位相調整領域22とも称する。
また、第1位相調整領域22を除く第1アーム光導波路20aの領域部分を非調整領域21aと称する。同様に、第2位相調整領域22を除く第2アーム光導波路20bの領域部分を非調整領域21bと称する。これらの非調整領域21a及び21bは光路長が等しく構成されている。これは、2個の位相調整領域22及び22以外のアーム部20で、伝搬光に不所望な位相差が生じるのを防ぐためである。よって、光干渉器10では、入力光INの波長分離のために必要な位相差を、2個の位相調整領域22及び22の光路長を異ならせることで、生み出している。
第1位相調整領域22は全長Lであり、この例では、x=L/2を対称軸として線対称な第1及び第2サブ領域221:1及び221:2を含む。より詳細には、第1サブ領域221:1は、x=0からL/2までの範囲で、幅Wd(x)がWd(0)からWd(L/2)(>Wd(0))まで、x方向に対して対称的に増加する。ここで、Wd(0)は、非調整領域21aの幅である。同様に、x=L/2からLまでの範囲で、幅Wd(x)がWd(L/2)からWd(L)まで、x方向に対して対称的に減少する。ここで、Wd(L)は、非調整領域21aの幅である。なお、x=0は、第1位相調整領域22の光入力端のX方向の位置である。また、x=Lは、第1位相調整領域22の光出力端のX方向の位置である。
つまり、第1位相調整領域22は、Wd(0)=Wd(L)であり、且つ、x=L/2において、第1及び第2サブ領域221:1及び221:2の幅はWd(L/2)で等しい。また、x=0及びLにおける非調整領域21aの接線と、第1及び第2サブ領域221:1及び221:2の接線のなす角度の鋭角側は、それぞれ、20°以内であるのが良い。同様に、x=L/2での第1及び第2サブ領域221:1及び221:2の接線のなす角度の鋭角側も20°以内であるのが良い。
このように、非調整領域21aと第1位相調整領域22との接続部における接線のなす角度、及び第1及び第2サブ領域221:1及び221:2の接続部における接線のなす角度をそれぞれ20°以内とすることにより、これらの接続部での光の回折によるロスを実用上十分に低減することができる。
次に第1位相調整領域22の光路長について、説明する。まず、以下の説明で用いる変数を定義する。入力光INが、互いに波長の異なるJ(Jは1以上の整数)の成分光で構成されている場合、その中の任意の1の成分光を第b成分光C(bは1〜Jの整数)と称し、その波長をλとする。また、アーム部20に合計g個の位相調整領域が設けられている場合、その中の任意の1個の位相調整領域を第p位相調整領域22と称する。
そして、第b成分光Cに関する第p位相調整領域22の等価屈折率をnbp(x)とする。また、第p位相調整領域22の、第b成分光Cに関する光路長をSbpとする。
この場合、上述の式(1)より、第1成分光Cに関する第1位相調整領域22の光路長S11は、下記式(2)で与えられる。
Figure 0005614467
なお、式(2)では、第1及び第2サブ領域221:1及び221:2の形状が等しいので、一方のサブ領域221:1又は221:2で求めた値を2倍して光路長S11を求めた。
第2位相調整領域22は全長Lであり、この例では、x=L/2を対称軸として線対称な第1及び第2サブ領域222:1及び222:2を含む。より詳細には、第1サブ領域222:1は、x=0からL/2までの範囲で、幅Wd(x)がWd(0)からWd(L/2)(<Wd(0))まで、x方向に対して対称的に減少する。ここで、Wd(0)は、非調整領域21bの幅である。同様に、第2サブ領域222:2は、x=L/2からLまでの範囲で、幅Wd(x)がWd(L/2)からWd(L)まで、x方向に対して対称的に増加する。ここで、Wd(L)は、非調整領域21bの幅である。
つまり、第2位相調整領域22は、Wd(0)=Wd(L)であり、且つ、x=L/2において、第1及び第2サブ領域222:1及び222:2の幅はWd(L/2)で等しい。また、x=0及びLにおける非調整領域21bの接線と、第1及び第2サブ領域222:1及び222:2の接線のなす角度の鋭角側は、それぞれ、20°以内であるのが良い。同様に、x=L/2での第1及び第2サブ領域222:1及び222:2の接線のなす角度の鋭角側も20°以内であるのが良い。これにより、第1位相調整領域22の場合と同様に、角部での伝搬光の回折によるロスを低減することができる。
また、上述の式(1)より、第1成分光Cに関する第2位相調整領域22の光路長S12は、下記式(3)で与えられる。
Figure 0005614467
なお、式(3)では、第1及び第2サブ領域222:1及び222:2の形状が等しいので、一方のサブ領域222:1又は222:2で求めた値を2倍して光路長S12を求めた。
一方の光カプラ16には光入出力用の第1ポートPが備えられ、他方の光カプラ18には光入出力用の第2及び第3ポートP及びPが備えられる。この例では、光カプラ16の第1ポートPから入力光INが入力され、光カプラ18の第2及び第3ポートP及びPから、後述する干渉次数に応じた分配比で出力光OUT1及びOUT2が出力される。ここで、「分配比」とは、ある波長の入力光INが第2及び第3ポートP及びPに分配されて出力される際の、出力光OUT1及びOUT2の強度比のことである。
光入力側の光カプラ16としては、任意の1入力2出力、又は2入力2出力のカプラを用いることができる。光カプラ16用の1入力2出力のカプラとしては、例えば、Y分岐導波路等を用いることができる。光出力側の光カプラ18には、任意の2入力2出力のカプラを用いることができる。2入力2出力のカプラとしては、例えば、多モード干渉(MMI:Multi Mode Interference)カプラや、方向性結合器を用いることができる。
(n11(x)及びn12(x)について)
第1及び第2位相調整領域22及び22は、幅Wd(x)及びWd(x)がxについて線形に変化する。ところで、図2に示すように、光導波路の等価屈折率nは、光導波路の幅Wdに対して僅かに上に凸の傾向を示す。図2は、光導波路の等価屈折率と、幅との関係を示す特性図であり、横軸が光導波路の幅(任意単位)を示し、縦軸が光導波路の等価屈折率を示す。図2によれば、幅の範囲が充分に狭い場合には、等価屈折率は、幅に対して線形とみなすことができる。
この場合、対称形の2個の第1及び第2サブ領域221:1及び221:2を備える第1位相調整領域22の等価屈折率n11(x)は、下記の式(4)及び(5)で表すことができる。
第1サブ領域(0≦x≦L/2):n11:1(x)=Ax+B・・・(4)
第2サブ領域(L/2≦x≦L):n11:2(x)=A(L−x)+B・・・(5)
ここで、n11:1(x)は、第1サブ領域221:1での等価屈折率を与える関数であり、n11:2(x)は、第2サブ領域221:2での等価屈折率を与える関数である。また、Aは実数であり、第1及び第2サブ領域221:1及び221:2の拡幅の度合いに対応する。また、Bは実数であり、n11:1(0)及びn11:2(L)に対応する。ここで、n11:1(0)とn11:2(L)は、非調整領域21aの等価屈折率nに等しい。Aは、第1及び第2サブ領域221:1及び221:2の形状から求まる既知の量である。また、nは、シミュレーション等により求まる既知の量である。
同様に、第2位相調整領域22の等価屈折率n12(x)は、下記の式(6)及び(7)で表すことができる。
第1サブ領域(0≦x≦L/2):n12:1(x)=Ax+B・・・(6)
第2サブ領域(L/2≦x≦L):n12:2(x)=A(L−x)+B・・・(7)
ここで、n12:1(x)は、第1サブ領域222:1での等価屈折率を与える関数であり、n12:2(x)は、第2サブ領域222:2での等価屈折率を与える関数である。また、Aは実数であり、第1及び第2サブ領域222:1及び222:2の幅の減少の度合いに対応する。また、Bは実数であり、x=0又はx=Lにおける等価屈折率、つまり非調整領域21bの等価屈折率nに等しい。
また、この例では、コアの幅を変えて等価屈折率を調整したチャネル型光導波路を第1及び第2位相調整領域22及び22とした例を示した。しかし、コアの周囲のクラッドの屈折率を変えることで等価屈折率を調整した光導波路の部分領域を、第1及び第2位相調整領域22及び22としても良い。具体的には、クラッドの材料を変更した光導波路の部分領域を第1及び第2位相調整領域22及び22としても良い。
(物理量補償の原理)
次に、光干渉器10による物理量補償の原理について説明する。理解を容易にするために、光干渉器10への入力光INが、波長λの第1成分光Cのみを含むとする。
まず、「物理量」を定義する。「物理量」とは、光導波路の等価屈折率を変化させる変数となる量である。一般に、物理量が変動すると、それに応じて光導波路の等価屈折率が変動し、その結果、光干渉器10の波長選択特性が変動し、出力光OUT1及びOUT2の分配比が不所望に変動する。また、「物理量補償」とは、次に示す5種類の物理量の中から選択された1種類以上の変動によらず、出力光OUT1及びOUT2の分配比を一定に保つことを意味する。以降、このように入力光INに含まれる成分光の中で所定の物理量が補償されて出力される成分光を物理量補償光とも称する。
物理量1: 入力光INに含まれる成分光の波長
物理量2: 素子温度
物理量3: コアの厚み
物理量4: コアの幅
物理量5: 成分光の偏波
物理量補償の原理は、概略的には、等価屈折率の物理量依存性(例えば、温度依存性)が違う複数の位相調整領域を設けて、物理量変動由来(例えば、温度変動由来)の伝搬光の不所望な位相差を相殺することである。その結果、出力光の分配比を、物理量変動(例えば、温度変動)によらず一定にすることができる。以降、上述した5種類の物理量をδと総称する。また、2種類以上の物理量を説明する場合には、δ,δ,・・のように区別する。
光干渉器10で第1成分光Cの物理量補償を行うためには、物理量補償のための条件だけでなく、第1成分光Cの光干渉器10からの出力態様を決定する干渉条件を満足する必要がある。以下、それぞれの条件について説明する。
(干渉条件)
第1成分光Cを光干渉器10の所望のポートから出力させるためには、下記式(8)の干渉条件が成り立つ必要があることが知られている。なお、左辺がS11とS12の差で表現されるのは、第1及び第2位相調整領域22及び22が、それぞれ異なるアーム光導波路20a及び20bに設けられることによる。
11−S12=mλ・・・(8)
ここで、mは、第1成分光Cに関する干渉次数(正の実数)であり、第1成分光Cが両アーム光導波路20a及び20bを伝搬する過程で生じる位相差に関する。より詳細には、この位相差は、干渉次数mに2πを乗じた値である。
つまり、干渉次数mが、「1/2×奇数」の場合には、第1成分光Cに与えられる位相差は「πの奇数倍」となる。この場合、第1成分光Cは、第2ポートPから、出力光OUT1として出力される。また、干渉次数mが「1/2×偶数」の場合には、位相差は「πの偶数倍」となる。この場合、第1成分光Cは、第3ポートPから、出力光OUT2として出力される。
なお、干渉次数mは設計に応じて所望の値を選択でき、これにより第1成分光Cの分配比を任意に変化させることができる。つまり、「Int」を0以上の整数、xを0〜1の実数とするとき、干渉次数mを「Int+x」とすれば、第2及び第3ポートから任意の強度比で第1成分光Cを出力させることができる。例えば、x=0.5とすれば、位相差は「πの半整数倍」となり、光干渉器10は、第1成分光Cを第2及び第3ポートP及びPに等分配する3dBカプラとして機能する。
また、以降、このように、入力光INに含まれる成分光の中で、独立に干渉次数を選択可能な成分光を次数選択光とも称し、その数をWとする。
式(2)〜式(7)を用いて式(8)を変形すると、干渉条件式は、下記式(9)となる。
×(L−L)+(A/4)×L −(A/4)×L =mλ・・・(9)
(物理量補償条件)
物理量補償を行い、第1成分光Cの分配比を物理量変動によらず一定に保つためには、下記式(10)の第1成分光Cに関する物理量補償条件式(以下、単に補償条件式とも称する。)が成り立つ必要がある。詳細には、第1成分光Cの出力特性を物理量変動に無依存とするには、物理量をΔδだけ微小変化させたときに(Δm/Δδ)=0、且つ(Δλ/Δδ)=0が成立する必要がある。ここで、Δmは、物理量がΔδだけ微小変化したときの干渉次数mの変化量である。また、Δλは、物理量がΔδだけ微小変化したときの波長λの変化量である。
この条件より、物理量δを補償するための補償条件式は、下記式(10)となる。
ΔS11−ΔS12=0・・・(10)
ここでΔS11は、物理量δがΔδだけ微小変化したときの第1位相調整領域22の第1成分光Cに関する光路長S11の変化量であり、下記式(11)で与えられる。式(11)で、Δn11(x)は、物理量δがΔδだけ微小変化したときの第1位相調整領域22の等価屈折率n11(x)の変化量である。
Figure 0005614467
また、式(10)において、ΔS12は、物理量δがΔδだけ微小変化したときの第2位相調整領域22の光路長S12の第1成分光Cに関する変化量であり、下記式(12)で与えられる。式(12)で、Δn12(x)は、物理量δがΔδだけ微小変化したときの第2位相調整領域22の等価屈折率n12(x)の変化量である。
Figure 0005614467
次に、図3を参照して、Δn11(x)及びΔn12(x)がxの1次関数となることについて説明する。図3は、物理量δの変化に応じた等価屈折率nの変化量(dn/dδ)と、等価屈折率との関係を示す特性図である。図3の横軸は光導波路の等価屈折率n(無次元)であり、縦軸は、物理量δの変化量についての等価屈折率の変化量(dn/dδ)(任意単位)である。
図3の曲線Iは物理量δが光導波路のコアの厚みである場合の(dn/dδ)であり、曲線IIは物理量δが光導波路のコアの幅である場合の(dn/dδ)であり、曲線IIIは、物理量δが偏波の違いの場合に対応し、TE波とTM波の等価屈折率差を等価屈折率に対して表している。曲線I〜IIIは、上述のΔn11(x)及びΔn12(x)に対応する。
なお、図3の各曲線は、SiO製のクラッドと、厚みが220nmのSi製のコアとを備える光導波路に波長が1.55μmの光を伝搬させる条件で有限要素法により求めた。
曲線I〜IIIより明らかなように、(dn/dδ)と等価屈折率nとは良好な線形性を示す。なお、図には示していないが、他の物理量(温度及び成分光の波長)も、等価屈折率との間に線形性が成り立つ。ところで、図2で説明したように、光導波路の幅の範囲が十分に小さければ、等価屈折率nと光導波路の幅とは、線形とみなせる。よって、線形性が成り立つ光導波路の幅の範囲では、図3の(dn/dδ)、つまりΔn11(x)及びΔn12(x)と、光導波路の幅との間でも線形性が成り立つ。
よって、Δn11(x)は、下記の式(13)及び(14)で表すことができる。
0≦x≦L/2 :Δn11:1(x)=Cx+ΔB・・・(13)
/2≦x≦L :Δn11:2(x)=C(L−x)+ΔB・・・(14)
ここで、Cは実数である。また、ΔBは実数であり、物理量δの変化量当たりのB(式(4)及び式(5))の変化量、つまり非調整領域21aの等価屈折率nの変化量Δnに対応する。
同様に、Δn12(x)は、下記の式(15)及び(16)で表すことができる。
0≦x≦L/2 :Δn12:1(x)=Cx+ΔB・・・(15)
/2≦x≦L :Δn12:2(x)=C(L−x)+ΔB・・・(16)
ここで、Cは実数である。また、ΔBは実数であり、物理量δの変化量当たりのB(式(6)及び式(7))の変化量、つまり非調整領域21bの等価屈折率nの変化量Δnに対応する。
なお、C及びCは、図3に示すようなシミュレーション等から求まる既知の量である。また、Δnも、シミュレーション等から求まる既知の量である。
式(11)〜式(16)を用いて式(10)を変形すると、補償条件式は下記式(17)となる。
Δn×(L−L)+(C/4)×L −(C/4)×L =0・・・(17)
よって、式(17)の補償条件式と、上記式(9)の干渉条件式とからL及びLを求めることができる。
及びLを求めるに当たり、第2位相調整領域22の幅Wd(x)が変化せず、非調整領域21bの幅と等しいと仮定する。つまり、第2位相調整領域22の等価屈折率n(x)が、非調整領域21bの等価屈折率nで与えられる定数であると仮定する。この場合、式(7)のAは0(ゼロ)となり、式(15)のCも0(ゼロ)となる。その結果、式(9)及び式(17)は簡単化され、下記式(18)及び式(19)が得られる。
干渉条件式:n×(L−L)+(A/4)×L =mλ・・・(18)
補償条件式:Δn×(L−L)+(C/4)×L =0・・・(19)
式(18)及び式(19)から、第1及び第2位相調整領域22及び22の長さL及びLを求めることができる。
(具体例)
具体例として、式(18)及び式(19)に従う第1及び第2位相調整領域22及び22を備え、物理量として「コアの幅の変動」を補償する光干渉器10について考える。まず、光導波路を構成するコアをSi製とし、クラッドはSiO製とした。そして、非調整領域21a及び21bと第2位相調整領域22を構成するチャネル型光導波路の横断面を幅400nm及び高さ220nmの矩形状とし、第1位相調整領域22の最大幅であるWd(L/2)を600nmとした。また、第1成分光Cの波長λを1.55μmとし、干渉次数mを25とした。
このとき、有限要素法を用いたシミュレーションより、n=2.312、コア幅の変化量当たりのnの変化量Δn=2.676×10−3nm−1、A=1.572×10−3及びC=−9.23×10−6が得られる。これらの値を式(18)及び式(19)に代入すると、L=40.59μm及びL=26.59μmと求められる。
及びLをこの値に設定することにより、波長λが1.55μmの第1成分光Cを、コアの幅の変動に依らず、一定の分配比で出力する光干渉器10を得ることができる。
(位相調整領域の態様)
続いて、図4を参照して、位相調整領域の種々の態様について説明する。図4(A)〜(C)は、位相調整領域が取り得る幾つかの態様を例示する拡大平面図である。なお、図4(A)〜(C)においては、基板及びクラッドの図示を省略している。
図1では位相調整領域22及び22は、第1及び第2サブ領域が線対称であり、且つ、等価屈折率n(x)及びn(x)がxの一次関数である場合について説明した。しかし、位相調整領域22は、図1に示した態様以外にも種々の態様を取ることができる。
ただ、図4(A)〜(C)に示すように、位相調整領域22は、光伝搬方向に平行に延在する中心軸Cに対して線対称であることが好ましい。位相調整領域22の形状を中心軸Cに対して線対称とすれば、等価屈折率n(x)の計算にこの対称性が利用でき、計算の手間を大幅に削減できる。また、伝搬モードの変換ロスも低減することができる。
以下、図4に従って順番に説明する。
図4(A)は、位相調整領域22−1が、第1及び第2サブ領域22p:1及び22p:2を備える例である。第1及び第2サブ領域22p:1及び22p:2は、幅がWd(Lp:1)で等しい端部同士で接続されている。
第1サブ領域22p:1は、長さがLp:1であり、非調整領域21a又は21bから、X方向に対称的に幅が広がるチャネル型光導波路である。この平面形状から明らかなように、第1サブ領域22p:1の等価屈折率np:1(x)は、下記式(20)のようなxの1次関数で与えられる。なお、式(20)で、Ap:1は、X方向に関する拡幅の度合いに対応する。Bp:1は上述のように、非調整領域21a又は21bの等価屈折率nである。
p:1(x)=Ap:1x+Bp:1・・・(20)
式(20)から明らかなように、第1サブ領域22p:1の等価屈折率np:1(x)はAp:1及びBp:1の調整可能な2個の係数を含んでいる。
同様に、第2サブ領域22p:2は、長さがLp:2(≠Lp:1)であり、非調整領域21a又は21bから、X方向に沿って対称的に幅が狭まるチャネル型光導波路である。この平面形状から明らかなように、第2サブ領域22p:2の等価屈折率np:2(x)は、下記式(21)のようなxの1次関数で与えられる。なお、式(21)で、Ap:2は、X方向に沿った拡幅の度合いに対応する。Bp:2は上述のように、非調整領域21a又は21bの等価屈折率nである。
p:2(x)=Ap:2(Lp:2−x)+Bp:2・・・(21)
ここで、第1及び第2サブ領域22p:1及び22p:2の形状が異なることから、Ap:1≠Ap:2である。また、Bp:1及びBp:2は、非調整領域21a又は21bの等価屈折率nであることから、Bp:1=Bp:2である。
すなわち、図4(A)の位相調整領域22−1は、3個の係数Ap:1,Ap:2及びnを持つ等価屈折率n(x)で表され、係数の数(3個)に応じて、次数選択光と物理量補償光とを生成することができる。なお、この点については後述する。
図4(B)は、位相調整領域22−2が、複雑な形状の第1及び第2サブ領域22p:1及び22p:2を備える例である。第1及び第2サブ領域22p:1及び22p:2は、幅がWd(Lp:1)で等しい端部同士で接続されている。
第1サブ領域22p:1は、長さがLp:1であり、非調整領域21a又は21bから、中心軸Cに対して対称を保ちながら、x方向に沿って複雑な平面形状で幅が広がるチャネル型光導波路である。この平面形状から明らかなように、第1サブ領域22p:1の等価屈折率np:1(x)は、1次関数以外のxの関数で表される。この例では、np:1(x)は、下記式(22)に示すように、4個の係数D〜Dを含む最大次数が3であるxの1変数多項式で表されるとする。なお、D〜Dは何れも実数である。
p:1(x)=D+D×x+D×x+D×x・・・(22)
〜Dまでの4個の係数を調整することにより、等価屈折率np:1(x)を変更することができる。ところで、等価屈折率np:1(x)と、第1サブ領域22p:1の幅とは比例しているので、係数D〜Dを調整することとは、第1サブ領域22p:1の形状を変更することに相当する。
第2サブ領域22p:2の等価屈折率np:2(x)は、この例では、例えば、下記式(23)に示すような、4個の係数E〜Eを含むxの指数関数の和で表されるとする。
p:2(x)=Eexp(E×x)+Eexp(E×x)・・・(23)
すなわち、図4(B)の位相調整領域22−2は、D〜Dと、E〜Eの合計8個の係数を持つ等価屈折率n(x)で表され、係数の数(8個)に応じて、次数選択光と物理量補償光とを生成することができる。なお、この点については後述する。
図4(C)は、位相調整領域22−3が3個のサブ領域を備える例である。詳細には、位相調整領域22−3は、この順で直列された、第1,第3及び第2サブ領域22p:1,22p:3及び22p:2を備え、それぞれが、中心軸Cに対して対称形である。
ここで、第1及び第2サブ領域22p:1及び22p:2としては、図4(A)及び(B)で説明したような、xの1次関数や、1次関数以外のxの関数などに従う、任意の等価屈折率n(x)を用いることができる。また、第1及び第3サブ領域22p:1及び22p:3の接続部における幅は、Wd(Lp:1)で互いに等しい。同様に、第3及び第2サブ領域22p:3及び22p:2の接続部における幅は、Wd(Lp:1+Lp:3)で互いに等しい。
第1及び第2サブ領域22p:1及び22p:2の間に位置する第3サブ領域22p:3は、非調整領域21a又は21bとコア幅が異なるチャネル型光導波路であり、上述の特許文献6に示された従来型の位相調整領域である。図4(C)では、第3サブ領域22p:3と非調整領域21a又は21bとを従来のテーパ状光導波路ではなく、この発明の第1及び第2サブ領域22p:1及び22p:2で接続している。これにより、第3サブ領域22p:3に代表される従来型の位相調整領域を、より一層効果的に活用することができる。
(位相調整領域数と物理量補償できる波長数との関係)
次に、主に、図5を参照して、次数選択光の数と、物理量補償光の数と、位相調整領域の数との関係について説明する。図5は、アーム部20にg個の位相調整領域22〜22を備える光干渉器20の構造を模式的に示す模式図である。図5においては、図1と同様の簡略化を行っている。
まず以下の説明で用いる変数を定義する。第b成分光Cの干渉次数をmとする。また、第p位相調整領域22に含まれる係数の数をβ(22)と称する(βは1以上の整数)。このとき、合計g個の位相調整領域22〜22に含まれる係数の合計数K(Kは2以上の整数)は、下記式(24)で与えられる。ここで、「係数」とは、例えば、式(20)のAp:1とBp:1、式(21)のAp:2とBp:2、式(22)のD〜D、及び式(23)のE〜E等である。
Figure 0005614467
また、入力光INに含まれる第1〜第J成分光の中で、物理量補償光の数をV(Vは0以上の整数)とする。また、第1〜第J成分光の中で、次数選択光の数をW(Wは正の整数)とする。ここで、独立に干渉次数mを選択できるとは、第b成分光Cが第2及び第3ポートP及びPから出力される際の分配比を、mに応じて自由に設定できることを意味する。
この場合に、K,V及びWの間には、下記式(25)〜(27)の関係が成り立つ。
0≦V≦K−1・・・(25)
1≦W≦K・・ ・(26)
V+W≦K ・・・(27)
まず、式(27)について説明する。この式は、物理量補償光と次数選択光の個数の和(V+W)が係数の数K以下であることを示している。この式の意味を、まず、V+W=Kの場合について説明し、次いで、V+W<Kの場合について説明する。
(V+W=Kの場合について)
次数選択光の数がWのとき、各次数選択光が下記式(B)の干渉条件式(式(8)に対応)を満たす必要があるため、合計Wの干渉条件式が必要となる。
Figure 0005614467
つまり、Jの成分光の中でWを次数選択光とする場合には、各次数選択光に対応する指標bにおいて、式(B)を成り立たせる必要がある。例えば、全ての成分光C〜Cを次数選択光とする場合には、Jの成分光全てで式(B)が成り立つ必要がある。なお、式(B)の左辺には、第b成分光Cに関する各位相調整領域22〜22の等価屈折率npb(x)を介して、K個の係数が含まれる。
物理量補償光の数がVのとき、各物理量補償光が下記式(C)の補償条件式(式(10)に対応)を満たす必要があるため、合計V本の補償条件式が必要となる。
Figure 0005614467
つまり、Jの成分光の中でVを物理量補償光とする場合には、各物理量補償光に対応する指標bにおいて、式(C)を成り立たせる必要がある。詳細には、上述した5種の物理量中から所望の物理量を補償した物理量補償光を得るためには、所望の物理量δについて、式(C)が成り立つ必要がある。つまり、全ての成分光C〜Cを物理量補償光とする場合には、Jの成分光全てで式(C)が成り立つ必要がある。なお、式(C)の左辺には、第b成分光Cに関する各位相調整領域22〜22の等価屈折率npb(x)を介して、K個の係数が含まれる。
このように、Vの成分光で物理量補償を行い、且つWの成分光で干渉次数の選択を行うためには、式(B)と式(C)とを合わせて、合計(V+W)本の連立方程式を解く必要がある。
これらの式を一意に解くには、(V+W)個の係数が必要である。ところで、式(B)と式(C)が含む係数の個数Kは(V+W)であるので、この連立方程式を解くことができる。これにより、K個の係数が一意に定まり、各位相調整領域22〜22の形状が定まる。その結果、入力光INに含まれるVの成分光の物理量を補償し、Wの成分光で干渉次数を独立に選択できる光干渉器20が得られる。
なお、式(25)の「V=0」との条件は、物理量の補償を全く行わない場合に対応する。式(25)の「V≦K−1」との条件は、光干渉器20に(V+W)の成分光を伝搬させるためには、少なくとも1の成分光については、独立に干渉条件が満たされる必要がある。つまり、(V+W)の成分光は、1以上(W≧1)の次数選択光を含む必要がある。このことより、式(25)の「V≦K−1」との条件が導かれる。
式(26)の「1≦W」との条件は、上述の(V+W)の成分光が1以上の次数選択光を含む必要があるとの技術的要請から導かれる。式(26)の「W≦K」との条件は、上述の(V+W)の成分光が物理量補償光を含まない場合(0≦V)を勘案して導かれる。
なお、上述の式(25)〜(27)が成立する限り、Vの物理量補償光と、Wの次数選択光の選択にはなんら制限はなく、第1〜第J成分光C〜Cからそれぞれ独立して選択可能である。つまり、同じ第b成分光Cについて、温度変動と、偏波変動等の複数の物理量補償を行うことも可能である。ただこの場合、温度変動用の補償条件式と、偏波変動用の補償条件式とが必要となる。また、同じ第b成分光Cを、物理量補償光及び次数選択光としても良い。また、物理量補償と干渉次数の選択の両者を行わない成分光が存在しても良い。
なお、入力光INの成分光数Jが物理量補償光数Vより多い場合(J>V)には、物理量補償光ではない(J−V)の成分光は、物理量補償されずに、各々の干渉条件に従って、第2及び第3ポートP及びPから出力される。
また、Wの次数選択光は、独立して自由に選択された干渉次数mに応じた分配比で第2及び第3ポートP及びPから出力される。しかし、次数選択光ではない(J−W)の成分光(以下、従属選択光とも称する。)が、光干渉器20を伝搬するためには、何らかの形で干渉条件を満たす必要がある。以下、従属選択光が、次数選択光に従属する形で干渉条件を満たすことについて説明する。
ここで、従属選択光に対応する成分光を第e成分光C(eは、次数選択光に対応する成分光のbを除く、1〜Jの整数)とし、その波長と干渉次数とをそれぞれλ及びmとする。以降、第e成分光Cを、従属選択光Cとも称する。
同様に、所定の次数選択光に対応する成分光を第f成分光C(fは、次数選択光に対応する成分光のb)とし、その波長と干渉次数とをそれぞれλ及びmとする。以降、第f成分光Cを、次数選択光Cとも称する。
この場合、上述のように、次数選択光Cは、下記式(B−f)の干渉条件を満足する。同様に、従属選択光Cも、下記式(B−e)の干渉条件を満足する必要がある。
Figure 0005614467
ここで、従属選択光Cのmが、次数選択光Cのmを用いて、下記式(28)と表されるとする。
me=(mf+Int)・・・(28)
この場合、従属選択光Cの干渉条件式(B-e)は、下記式(B-e-2)となる。さらに、式(B-e-2)は、式(B-f)を用いて、下記式(B-e-3)となる。さらに、式(B-e-3)は、式(B-e-4)となる。
Figure 0005614467
つまり、式(28)が成り立つときに、従属選択光Cが式(B−e−4)に従う波長λであれば、次数選択光Cの干渉条件(B-f)に従属する形で、従属選択光Cでも干渉条件が満足される。
(V+W<Kの場合について)
次に、式(27)において「V+W<K」の場合、つまり、係数の数Kよりも、物理量補償光の数Vと次数選択光の数Wの和が小さい場合について説明する。理解の容易さを考えて、まず具体例で説明し、次いで一般化する。
具体例として、5個の係数A〜Aを含み、等価屈折率がn(x)=A+Ax+A+A+Aで与えられる第1位相調整領域22により、第1〜第4成分光C〜Cを含む入力光INで、物理量補償光と次数選択光とを以下の(1)〜(3)のように設定したとする。
(1)物理量補償光:第1及び第2成分光C及びC
(2)物理量補償光+次数選択光:第3成分光C
(3)次数選択光:第4成分光C
この場合、係数K=5、物理量補償光数V=3、及び次数選択光数W=2である。これは、第1位相調整領域22が、第1〜第3成分光C〜Cに関する補償条件式(C)と、第3及び第4成分光C及びCに関する干渉条件式(B)を満たすことを意味する。
このように4成分光C〜C用に設定された光干渉器20に、仮に第2及び第3成分光C及びCのみが入力された場合を考える。これは、V+W<Kの場合に対応する。
この場合には、光干渉器20は、上記(1)〜(3)のように設計されているので、入力光INの成分光数が減少したとしても、第2成分光Cでは物理量補償がなされ、第3成分光Cでは物理量補償と次数の選択がなされる。このように、V+W<Kの場合であっても、予め設定された成分光が入力される場合には、光干渉器20は設計通りに動作する。
次に、この具体例をより一般化して説明する。式(27)で「V+W<K」の場合とは、左辺がK個の係数を含む上記式(B)及び式(C)の中から、K未満の式を選択することに相当する。
係数が5個(K=5)であり、入力光INが第2及び第3成分光C及びCである上の例で言えば、物理量補償条件式として2個の式が成り立ち、1個の干渉条件式が成り立つことを意味する。
これらの3式は、K(=5)個の係数に対して、式数(V+W=3)が少ない。このような場合には、連立方程式の解である5個の係数は一意には定まらず、不定解となる。つまり、係数の値の様々な組み合わせに関して連立方程式が満たされる。
つまり、V+W<Kでも、係数Kを適当に設計することにより、Vの物理量補償光で物理量補償を行い、Wの次数選択光で干渉次数の選択を行うことができる。
(変形例)
なお、図5に示す例では、第1アーム光導波路20aに位相調整領域22〜22p−1を設け、第2アーム光導波路20bに位相調整領域22〜22を設けた場合について説明した。しかし、位相調整領域22〜22の配置態様には特に制限はない。設計に応じて好適な個数を、第1及び第2アーム光導波路20a及び20bに配置すればよい。例えば、第1及び第2アーム光導波路20a及び20bの何れか一方のみに、全ての位相調整領域22〜22を設けても良い。
また、この実施形態では、横断面構造が互いに等しく構成された第1及び第2アーム光導波路20a及び20b中に、g個の位相調整領域22〜22を設ける場合について説明した。しかし、横断面構造が互いに異なる第1及び第2アーム光導波路20a及び20bを用いることで、両アーム光導波路20a及び20b自体を位相調整領域22としても良い。すなわち、位相調整領域22を、両アーム光導波路20a及び20bの位相調整領域22〜22g−1を除いた領域としてもよい。なお、両アーム光導波路20a及び20bを位相調整領域22とする場合には、両アーム光導波路20a及び20bの光路長は0(ゼロ)と考える。
[実施形態1]
以下、図6及び図7を参照して、実施形態1の光干渉器について説明する。この光干渉器は、上述の光干渉器10の具体例である。つまり、この光干渉器は、GE−PONで用いられる波長λが1.55μmの第1成分光Cを物理量補償光及び次数選択光とする場合に対応する。なお、この第1成分光Cは、映像信号を加入者側に送信する際の下り信号に用いられる。
図6は、光干渉器の構造を概略的に示す平面図である。図7(A)は、図2のA−A線に沿って切断した切断端面図であり、図7(B)は、図6のB−B線に沿って切断した切断端面図であり、図7(C)は、図6のC−C線に沿って切断した切断端面図である。なお、図6においては、コア13は、クラッド12に覆われているため直接目視できないが、強調するために実線で描いている。また、図6及び図7において、図1と同様の構成要素には同符号を付して、重複する説明を省略する場合もある。
(構造)
図6及び図7を参照すると、光干渉器30は、基板8に設けられたクラッド12と、コア13とで構成された光導波路14を有している。この例では、光導波路14はSi光導波路である。すなわち、コア13を屈折率が約3.47のSiとし、クラッド12を屈折率が約1.45のSiOとする。なお、基板8,コア13及びクラッド12については後述する。
光干渉器30は、光導波路14で構成され、上述の光干渉器10であるマッハツェンダ干渉器MZと、任意的な構成として入力部24及び出力部26を備えている。
マッハツェンダ干渉器MZは、光カプラ16として第1方向性結合器と、光カプラ18として第2方向性結合器と、第1及び第2方向性結合器を接続するアーム部20とを備える。以下、この実施形態においては、「光カプラ16」を「第1方向性結合器16」と、「光カプラ18」を「第2方向性結合器18」ともそれぞれ称する。
アーム部20は、第1及び第2アーム光導波路20a及び20bを備える。第1アーム光導波路20aは、第1位相調整領域22及び非調整領域21aを備えている。同様に、第2アーム光導波路20bは、第2位相調整領域22及び非調整領域21bを備える。
ここで、非調整領域21aとは、第1アーム光導波路20aから、第1位相調整領域22を除いた部分領域を示す。同様に、非調整領域21bとは、第2アーム光導波路20bから、第2位相調整領域22を除いた部分領域を示す。両非調整領域21a及び21bは、横断面形状及び光路長が等しく形成されたチャネル型光導波路である。
より詳細には、図7(B)を参照すると、これらの非調整領域21a及び21bの横断面形状は幅Wdが約400nmで、高さが約220nmの矩形状である。この横断面形状は、寸法も含めて、入力部24及び出力部26を構成する光導波路24a,24b,26a及び26bでも同様である。
光導波路24aと24bの光路長、光導波路26aと26bの光路長、及び、非調整領域21aと21bの光路長をそれぞれ等しくすることにより、これらの領域を伝搬する過程で、第1成分光Cに位相差は生じない。
図7(A)を参照すると、第1位相調整領域22は第1アーム光導波路20aに設けられ、(具体例)で説明した寸法の第1及び第2サブ領域221:1及び221:2に分割されている。
図7(C)を参照すると、第2位相調整領域22は第2アーム光導波路20bに設けられ、2個のサブ領域222:1及び222:2に分割されている。(具体例)で説明したように、第2位相調整領域22は、非調整領域21bと等しい幅Wdに形成されている。
このように、2個の位相調整領域22及び22と、非調整領域21a及び21bと、入力部24及び出力部26を構成するコア13の高さ及び幅は約200〜500nmの範囲に収まっている。コア13の高さ及び幅をこの範囲の値にすることで、光導波路14を高さ方向及び幅方向の両方向に関してシングルモード光導波路とすることができる。
なお、各位相調整領域22及び22を構成するサブ領域の個数も、2個には限定されず、設計に応じて4個以上の偶数個としてもよい。
また、この例では、クラッド12をSiOとした場合を例示した。しかし、クラッド12を構成する材料は、SiOに限定されず、コア13の屈折率の71.4%以下の材料を用いることできる。この条件の屈折率の材料をクラッド12に用いることで、コア13とクラッド12との屈折率差を大きくでき、光導波路14内に光を強く閉じ込めることができる。その結果、例えば、曲率半径が1μm程度の湾曲光導波路を形成できる等、光干渉器10を小型化することができる。また、クラッド12の材料としては、SiOαγ(ただし、α及びγは、2≧α≧0かつ4/3≧γ≧0)を用いても良い。
第1方向性結合器16は、第1光導波路16aと第2光導波路16bとを備えている。第1及び第2光導波路16a及び16bは、立体形状が等しい直線状に形成されている。第1及び第2光導波路16a及び16bは、光結合可能な距離を隔てて互いに平行に配置されている。第1光導波路16aの一端は第1ポートPであり、入力部24の光導波路24aに接続されている。第1光導波路16aの他端は第1アーム光導波路20aに接続されている。第2光導波路16bの一端は第4ポートPであり、入力部24の光導波路24bに接続されている。第2光導波路16bの他端は第2アーム光導波路20bに接続されている。この第4ポートPは光が入出力されないポート、言わばダミーポートであり、この実施形態では光干渉器30の動作に何ら関係しない。
第2方向性結合器18は第1方向性結合器16と等しく構成されている。すなわち、第2方向性結合器18は、第3光導波路18aと第4光導波路18bとを備えている。第3及び第4光導波路18a及び18bは、第1及び第2光導波路16a及び16bとそれぞれ立体形状が等しい。また、第3及び第4光導波路18a及び18bは、第1及び第2光導波路16a及び16b間の距離と等しい距離を隔てて互いに平行に配置されている。第3光導波路18aの一端は第2ポートPであり、出力部26の光導波路26aに接続されている。第3光導波路18aの他端は第1アーム光導波路20aに接続されている。第4光導波路18bの一端は第3ポートPであり、出力部26の光導波路26bに接続されている。第4光導波路18bの他端は第2アーム光導波路20bに接続されている。
コア13は、基板8の主面8a側に設けられたクラッド12中に設けられている。クラッド12は、主面8a上に一様な厚みで延在する層状体である。より詳細には、クラッド12は、コア13の上面と下面及び両側面とを覆っている。
また、基板8の主面8aから測ったクラッド12の厚みは、例えば、約3μmとする。光導波路14を伝搬する光の基板8への不所望な結合を防ぐためには、コア13と基板8との間に1μm以上の厚みのクラッド12を介在させることが好ましい。この例では、主面8aとコア13の下面との間に、約1.5μmのクラッド12を介在させている。基板8は、例えば、Siを材料とする。
このように、光干渉器30によれば、従来のテーパ状光導波路を用いることなく、第1成分光Cを物理量補償して、物理量に依存しない一定の分配比で出力することができる。つまり、テーパ状光導波路に由来する光のロスを抑えつつ、物理量変動の補償を行うことができる。
なお、この実施形態では、光干渉器30が波長λ=1.55μmの第1成分光Cのみを扱う場合を例示した。しかし、光干渉器30は、GE−PONシステムで用いられる波長1.49μm光や、波長1.33μm光の温度補償を行うこともできる。また、光干渉器30は、下り波長として1.577μm光を用い、上り波長として1.27μm光を用いる次世代の10G(10 Gbit/s)−PONシステムにも応用できる。
続いて、光干渉器30の製造方法について簡単に説明する。光干渉器30は、Si基板上にSiO層とSi層とがこの順序で積層されたSOI(Si On Insulator)基板を利用して作成される。すなわち、最上層のSi層を利用してコア13を形成し、BOX(Buried−OXide)層であるSiO層をクラッド12の下層に利用する。より詳細には、最上層のSi層を従来公知のドライエッチング法等でパターニングしてコア13を作成する。そして、このコア13を埋め込むように、CVD(Chemical Vapor Deposition)法等で、クラッド12の上層に対応するSiO層を形成する。これにより、光導波路14を備える光干渉器30を得る。
8 基板
8a 主面
10,20,30 光干渉器
12 クラッド
13 コア
14,24a,24b,26a,26b 光導波路
16 光カプラ(第1方向性結合器)
16a 第1光導波路
16b 第2光導波路
18 光カプラ(第2方向性結合器)
18a 第3光導波路
18b 第4光導波路
20 アーム部
20a 第1アーム光導波路
20b 第2アーム光導波路
21a,21b 非調整領域
22〜22 位相調整領域(第1〜第g位相調整領域)
221:1〜22g:1 第1サブ領域
222:1〜22g:2 第2サブ領域
24 入力部
26 出力部

Claims (3)

  1. 基板の主面側に設けられたクラッドとコアとで構成された光導波路を有し、
    該光導波路が、
    2個の光カプラと、
    2個の該光カプラの間に並列に設けられ、2個の該光カプラを接続する第1及び第2アーム光導波路と、
    一方の前記光カプラに設けられた第1ポートと、
    他方の前記光カプラに設けられた第2及び第3ポートと、
    前記第1及び第2アーム光導波路の一方又は双方に設けられる第1〜第g位相調整領域(gは1以上の整数)とを備え、
    前記第p位相調整領域(ただしpは1〜gの整数)の等価屈折率が、光伝搬方向に沿った長さxを変数とする関数n(x)で表され、
    前記第p位相調整領域の光伝搬方向に沿った幾何学的長さをLとするとき、
    前記第p位相調整領域の光路長Sが、下記式(1)で与えられ
    前記第p位相調整領域において、光伝搬方向に直交し且つ前記主面に平行な長さを幅Wd (x)とするとき、
    Wd (0)が、前記第p位相調整領域が設けられた第1又は第2アーム光導波路のx=0に対応する位置の幅に等しく、且つ、Wd (L )が、前記第p位相調整領域が設けられた第1又は第2アーム光導波路のx=L に対応する位置の幅に等しく、
    x=0及びx=L において、前記第p位相調整領域の接線と、該第p位相調整領域が設けられた前記第1又は第2アーム光導波路の接線とのなす角度の鋭角側が20°以内であり、
    前記n (x)に含まれる係数の個数の全てのpについての総和がKであるとき、
    前記第1ポートから1以上の成分光を含む入力光が入力されたときに、
    所定の物理量が補償されて、該物理量の変動によらず、前記第2及び第3ポートから一定の分配比で出力される成分光である物理量補償光の数をV(Vは0以上の整数)とし、
    独立して、干渉次数を選択することができる成分光である次数選択光の数をW(Wは正の整数)とするとき、
    K,V及びWが、下記式(2)〜(4)の関係を満たすことを特徴とする光干渉器。
    Figure 0005614467
    0≦V≦K−1・・・(2)
    1≦W≦K ・・・(3)
    V+W≦K ・・・(4)
  2. 基板の主面側に設けられたクラッドとコアとで構成された光導波路を有し、
    該光導波路が、
    2個の光カプラと、
    2個の該光カプラの間に並列に設けられ、2個の該光カプラを接続する第1及び第2アーム光導波路と、
    一方の前記光カプラに設けられた第1ポートと、
    他方の前記光カプラに設けられた第2及び第3ポートと、
    前記第1及び第2アーム光導波路の一方又は双方に設けられる第1〜第g位相調整領域(gは1以上の整数)とを備え、
    前記第p位相調整領域(ただしpは1〜gの整数)の等価屈折率が、光伝搬方向に沿った長さxを変数とする関数n(x)で表され、
    前記第p位相調整領域の光伝搬方向に沿った幾何学的長さをLとするとき、
    前記第p位相調整領域の光路長Sが、下記式(1)で与えられ
    前記第p位相調整領域において、光伝搬方向に直交し且つ前記主面に平行な長さを幅Wd (x)とするとき、
    Wd (0)が、前記第p位相調整領域が設けられた第1又は第2アーム光導波路のx=0に対応する位置の幅に等しく、且つ、Wd (L )が、前記第p位相調整領域が設けられた第1又は第2アーム光導波路のx=L に対応する位置の幅に等しく、
    x=0及びx=L において、前記第p位相調整領域の接線と、該第p位相調整領域が設けられた前記第1又は第2アーム光導波路の接線とのなす角度の鋭角側が20°以内であり、
    前記n (x)に含まれる係数の個数の全てのpについての総和がKであるとき、
    前記第1ポートから1以上の成分光を含む入力光が入力されたときに、
    所定の物理量が補償されて、該物理量の変動によらず、前記第2及び第3ポートから一定の分配比で出力される成分光である物理量補償光の数をV(Vは0以上の整数)とし、
    独立して、干渉次数を選択することができる成分光である次数選択光の数をW(Wは正の整数)とするとき、
    K,V及びWが、下記式(2)〜(4)の関係を満たし、
    所定の前記物理量が、(a)前記成分光の波長、(b)素子温度、(c)前記主面に垂直に測った長さであるコアの厚み、(d)前記光伝搬方向に垂直で、前記主面に平行な長さであるコアの幅、及び、(e)前記成分光の偏波よりなる群から選ばれた1以上の物理量であることを特徴とする光干渉器。
    Figure 0005614467
    0≦V≦K−1・・・(2)
    1≦W≦K ・・・(3)
    V+W≦K ・・・(4)
  3. 前記第p位相調整領域が、
    0≦x≦Lp:1の範囲(ただし、0<L:1<L)の第1サブ領域と、Lp:1≦x≦Lの範囲の第2サブ領域とを備え、
    前記第1及び第2サブ領域における等価屈折率が、それぞれxを変数とする関数np:1(x)及び関数np:2(x)で表され、
    第1及び第2サブ領域が、x=Lp:1において等しい幅であり、x=L p:1 において、前記第1サブ領域の接線と、前記第2サブ領域の接線のなす角度の鋭角側が20°以内であることを特徴とする請求項1又は2に記載の光干渉器。
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