JP2015001626A - 光波長合分波回路 - Google Patents

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啓光 陣内
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Abstract

【課題】マッハツェンダ干渉回路とアレイ導波路回折格子とから構成される光波長合分波回路に関して、透過帯域の平坦性と広い透過帯域を実現し、損失の増大を抑制する。
【解決手段】光波長合分波回路は、第1の入出力導波路105と、所定の光路長差を有する第1のアーム導波路107と第2のアーム導波路108、及び後段光カプラ109を備えるマッハツェンダ干渉回路と、後段光カプラ109に接続された第1のスラブ導波路101、所定の光路長差を有する導波路からなるアレイ導波路102及び第2のスラブ導波路103を備え、マッハツェンダ干渉回路の透過ピークの周期と同一のチャネル間隔を有するアレイ導波路回折格子と、第2のスラブ導波路103に接続された少なくとも2本以上の第2の入出力導波路104と、を含み、第2のスラブ導波路103と前記第2の入出力導波路104とを接続する接続部110が2次モード以上を励起する形状である。
【選択図】図1

Description

本発明は、光波長合分波回路に関する。さらに詳しくは、マッハツェンダ干渉回路とアレイ導波路回折格子とから構成される光波長合分波回路に関する。
光通信システムの進展に伴い、リング網やメッシュ網など、多地点を接続しフレキシブルに通信路を切り替えるシステムが構築されている。このような高度なネットワークでは、光信号が電気信号に変換されることなく光信号のまま多地点を通過するため、光波長合分波回路としては、透過スペクトルが広帯域で、高い平坦性を有し、かつ低損失であることが求められている。
また、このような要求を満たす光波長合分波回路として、マッハツェンダ干渉回路(MZI)とアレイ導波路回折格子(AWG)を組み合わせたマッハツェンダ干渉回路同期型アレイ導波路回折格子(MZI同期型AWG)の光波長合分波回路が提案されている(例えば、特許文献1を参照。)。
図21は、従来型のMZI同期型AWGの光波長合分波回路300の構成を示す平面図である。図21に示すように、従来の光波長合分波回路300のAWGは、第1のスラブ導波路301と、複数本の導波路を有するアレイ導波路302と第2のスラブ導波路303と、第2の入出力導波路304で構成されている。AWGと同期するMZIは、前段光カプラ306、AWGのチャネル間隔と透過ピークの周期が同一になるように光路長が異なる第1のアーム導波路307及び第2のアーム導波路308、及び後段光カプラ309を備える。
また、従来型のMZI同期型AWGの光波長合分波回路300にあっては、第2のスラブ導波路303と第2の入出力導波路304との間に導波路となる直線テーパ形状の接続部310を配設していた。図22は、接続部310となる直線テーパ形状周辺を示した概略図である。
特開平8−69021号公報
しかしながら、前述したように、従来型のMZI同期型AWGの光波長合分波回路では、第2の入出力導波路304と第2のスラブ導波路303の接続部分310には直線テーパ導波路が設けられているため、より広い透過帯域を実現しようとすると、透過帯域の平坦性が崩れ、損失も増大するという問題があった。
本発明は、前記の課題に鑑みてなされたものであり、マッハツェンダ干渉回路とアレイ導波路回折格子とから構成される光波長合分波回路に関して、広い透過帯域を実現するとともに、透過帯域の平坦性の喪失やそれによる損失の増大を抑制することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明の光波長合分波回路は、第1の入出力導波路と、前記第1の入出力導波路に接続された前段光カプラ、前記前段光カプラに接続され所定の光路長差を有する第1のアーム導波路及び第2のアーム導波路、及び前記第1のアーム導波路及び前記第2のアーム導波路に接続された後段光カプラを備えるマッハツェンダ干渉回路と、前記後段光カプラに接続された第1のスラブ導波路、前記スラブ導波路に接続され所定の光路長差を有する導波路からなるアレイ導波路及び前記アレイ導波路に接続された第2のスラブ導波路を備え、前記マッハツェンダ干渉回路の透過ピークの周期と同一のチャネル間隔を有するアレイ導波路回折格子と、前記第2のスラブ導波路に接続された少なくとも2本以上の第2の入出力導波路と、を含み、前記第2のスラブ導波路と前記第2の入出力導波路とを接続する接続部が2次モード以上を励起する形状であることを特徴とする。
本発明の光波長合分波回路は、前述した本発明において、前記接続部の形状は、前記第2のスラブ導波路との接続位置からの長さをY、前記第2の入出力導波路との接続位置における幅をW、前記第2のスラブ導波路との接続位置における幅をW、前記第2のスラブ導波路との接続位置からの距離yの位置における幅をwとすると、正実数γ及び正実数εを用いて、下記式(1)で表される一般化スーパー楕円関数形状であってもよい。接続部の形状を式(1)で表される一般化スーパー楕円関数形状とすることにより、広い透過帯域の実現や、透過帯域の平坦性の喪失やそれによる損失の増大の抑制を効率よく実現することができる。
Figure 2015001626
本発明の光波長合分波回路は、前述した本発明において、前記接続部の形状は、前記第2の入出力導波路との接続位置における幅をW、前記第2のスラブ導波路との接続位置から前記第2の入出力導波路との接続位置までの長さをY、Aを係数、前記第2のスラブ導波路との接続位置からの長さyの位置における幅をwとすると、下記式(2)で表されるパラボラ形状であってもよい。接続部の形状を式(2)で表されるパラボラ形状とすることにより、広い透過帯域の実現や、透過帯域の平坦性の喪失やそれによる損失の増大の抑制を効率よく実現することができる。
Figure 2015001626
なお、式(2)中、0≧y≧−Yであり、A>0である。
本発明の光波長合分波回路は、前述した本発明において、前記接続部の形状は、前記第2のスラブ導波路との接続位置からの長さをYとし、前記第2のスラブ導波路との接続位置の幅Wが、前記第2の入出力導波路との接続位置まで一定であるマルチモード伝搬可能な定幅導波路形状であってもよい。接続部の形状をマルチモード伝搬可能な定幅導波路形状とすることにより、広い透過帯域の実現や、透過帯域の平坦性の喪失やそれによる損失の増大の抑制を効率よく実現することができる。
本発明の光波長合分波回路は、前述した本発明において、前記接続部の形状は、前記第2のスラブ導波路との接続位置からの長さをY、前記第2の入出力導波路との接続位置における幅をW、前記第2のスラブ導波路との接続位置における幅をW、指数関数の形状を与えるパラメータa、任意の長さyにおける指数関数テーパの幅をwとすると、下記式(3)で表される指数関数テーパ形状であってもよい。接続部の形状を式(3)で表される指数関数テーパ形状とすることにより、広い透過帯域の実現や、透過帯域の平坦性の喪失やそれによる損失の増大の抑制を効率よく実現することができる。
Figure 2015001626
なお、式(3)中、aは高次モードの励起を調整することができる指数関数の形状を与えるパラメータである。aはW、W、が固定されていても、高次モードの励起率を変化させることができる。
本発明の光波長合分波回路は、前述した本発明において、前記接続部の形状は、パラボラ形状を有するパラボラ形状部と、前記パラボラ形状部と繋がり、幅が前記第2のスラブ導波路との接続位置における幅から一定とされる、マルチモード伝搬可能な導波路となる幅一定部からなり、前記パラボラ形状部の長さをY、前記幅一定部の長さをY、前記パラボラ形状部と前記第2の入出力導波路との接続位置における幅をW、前記幅一定部と前記第2のスラブ導波路との接続位置における幅をW、前記パラボラ形状部における任意の長さyにおける前記パラボラ形状部の幅をwとすると、下記式(4)で表される形状であってもよい。接続部の形状を式(4)で表されるパラボラ形状を有するパラボラ形状部と、マルチモード伝搬可能な導波路となる幅一定部からなる形状(パラボラ形状部と幅一定部と接続した形状)とすることにより、広い透過帯域の実現や、透過帯域の平坦性の喪失やそれによる損失の増大の抑制を効率よく実現することができる。
Figure 2015001626
本発明の光波長合分波回路は、前述した本発明において、前記接続部の形状は、前記第2の入出力導波路の中心線を延長した線に対して非対称な形状であってもよい。接続部の形状を前記第2の入出力導波路の中心線を延長した線に対して非対称な形状とすることにより、奇モードの励起を促すことになり、また、その奇モードによって生じる非対称な位相分布により、作製誤差によって生じた、アレイ導波路における位相誤差分布を相殺することで、透過帯域の平坦性をより安定的に実現可能とすることができる。
本発明の光波長合分波回路は、前述した本発明において、前記第1のアーム導波路及び前記第2のアーム導波路の少なくとも一方と、前記第1のスラブ導波路に温度補償材料が充填された溝が形成されていてもよい。第1のスラブ導波路に溝を形成し温度補償材料を充填することによってAWGの透過波長温度依存性の補償を行い、MZIの第1のアーム導波路及び第2のアーム導波路の少なくとも一方に溝を形成し温度補償材料を充填することによってMZIの透過波長温度依存性の補償を行う、アサーマル機能を備えた光波長合分波回路となる。
本発明の光波長合分波回路は、マッハツェンダ干渉回路とアレイ導波路回折格子とから構成され、第2のスラブ導波路と第2の入出力導波路とを接続する接続部が2次モード以上を励起する形状であるため、広い透過帯域を実現することができるとともに、透過帯域の平坦性の喪失やそれによる損失の増大を抑制することが可能な光波長合分波回路とすることができる。
実施形態1に係る光波長合分波回路を示した平面図である。 実施形態1に係る光波長合分波回路における第2のスラブ導波路と第2の入出力導波路との接続部周辺の部分拡大図である。 接続部の形状である一般化スーパー楕円関数形状を示した説明図である。 方向性結合器終端における周期的な光フィールド分布を模式的に表した図である。 従来型の光波長合分波回路における方向性結合器終端での周期的な光フィールド分布(点線)及び直線テーパ形状接続部310の接続界面に励起される光フィールド分布(実線)を模式的に表した図である。 実施形態1の光波長合分波回路の入出力導波路における光フィールド分布を示した図である。 実施形態1の光波長合分波回路における方向性結合器終端での周期的な光フィールド分布(点線)及び一般化スーパー楕円関数形状接続部110の接続界面に励起される光フィールド分布(実線)を模式的に表した図である。 DC Pitchについての説明図である。 従来型の光波長合分波回路における透過スペクトル方向性結合器のピッチ依存性を示した図である。 従来型の光波長合分波回路における3dBバンド幅とDipの方向性結合器のピッチ依存性を示した図である。 実施形態1の光波長合分波回路における透過スペクトル2次モード励起率依存性を示した図である。 実施形態1の光波長合分波回路における3dBバンド幅とDipの2次モード励起率依存性を示した図である。 接続部の形状であるパラボラ形状を示した説明図である。 接続部の形状であるマルチモード伝搬可能な導波路形状を示した説明図である。 接続部の形状である指数関数テーパ形状を示した説明図である。 接続部の形状であるパラボラ形状部と幅一定部と接続した形状を示した説明図である。 実施形態2に係る光波長合分波回路を示した平面図である。 図17のA−A断面図である。 図17のB−B断面図である。 本発明に係る光波長合分波回路が備える接続部の他の形状を示した説明図である。 従来型のMZI同期型AWGの光波長合分波回路の構成を示す平面図である。 接続部となる直線テーパ形状周辺を示した概略図である。
以下、添付の図面を参照して本発明の実施形態を説明する。以下に説明する実施形態は本発明の実施の一形態であり、本発明は、以下の実施形態に制限されるものではない。なお、本明細書及び図面において符号が同じ構成要素は、相互に同一のものを示すものとする。
(実施形態1)
図1は、実施形態1に係る光波長合分波回路100の平面図である。実施形態1に係る光波長合分波回路100は、石英系ガラス等から構成されるマッハツェンダ干渉回路とアレイ導波路回折格子とから構成されている。具体的には、第1の入出力導波路105と、第1の入出力導波路105に接続された前段光カプラ106と、前段光カプラ106に接続され所定の光路長差を有する第1のアーム導波路107及び第2のアーム導波路108と、第1のアーム導波路107及び第2のアーム導波路108に接続された後段光カプラ109を備えたマッハツェンダ干渉回路と、方向性結合器である後段光カプラに接続された第1のスラブ導波路101、スラブ導波路に接続され所定の光路長差を有する導波路からなるアレイ導波路102、及びアレイ導波路102に接続された第2のスラブ導波路103を備え、マッハツェンダ干渉回路の透過ピークの周期と同一のチャネル間隔を有するアレイ導波路回折格子と、第2のスラブ導波路103に接続された少なくとも2本以上の第2の入出力導波路104と、を基本構成として含んでいる。
図2は、実施形態1に係る光波長合分波回路100における第2のスラブ導波路103と第2の入出力導波路104との接続部110周辺の部分拡大図である。実施形態1に係る光波長合分波回路100は、第2のスラブ導波路103と第2の入出力導波路104とを接続する接続部110が、第2のスラブ導波路103との接続位置113、及び第2の入出力導波路104との接続位置114を介して配設されている。接続部110は、第2のスラブ導波路103と第2の入出力導波路104との間に、第2のスラブ導波路103、第2の入出力導波路104を接続するために設けられる導波路となる。
実施形態1の光波長合分波回路100は、第2のスラブ導波路103と第2の入出力導波路104とを接続する接続部110が2次モード以上を励起する形状である。接続部110として、例えば、図3に示した一般化スーパー楕円関数形状を採用することができる。
図3は、接続部110の形状である一般化スーパー楕円関数形状を示した説明図である。図3に示すように、実施形態1に係る光波長合分波回路100で、第2のスラブ導波路103と第2の入出力導波路104との間に配設される接続部110を一般化スーパー楕円関数形状とした場合にあっては、接続部110は、第2のスラブ導波路103との接続位置113からの長さをY、第2の入出力導波路104との接続位置114における幅をW、第2のスラブ導波路103との接続位置113における幅をW、第2のスラブ導波路103との接続位置113からの距離yの位置における幅をwとすると、正実数γ及び正実数εを用いて、下記式(5)で表されるものである。
Figure 2015001626
なお、図3にあっては、第2のスラブ導波路103から離れる方向をy軸、接続部110の幅方向をx軸とし、接続部110と第2のスラブ導波路103との接続位置113をy=0としている。また、図3に示す一般化スーパー楕円関数形状からなる接続部110は、y軸(第2の入出力導波路104の中心線を延長した線)に対して対称な形状を有している。なお、図3では、γ及びεについて、γ=1.6、ε=1.7を適用している。
後段光カプラ109である方向性結合器における2つの導波路間で光フィールド分布の中心位置が変化すると、第1のスラブ導波路101への光波の入射位置が変化し、各アレイ導波路までの光路長が変化する。これにより、アレイ導波路102の隣接導波路間の光路長差が変化しなくても、光波長分波回路全体での光路長差が変化し、第2のスラブ導波路103の終端で集光する光の位置が変化する。したがって、第2のスラブ導波路103の終端で集光する光波の位置は、マッハツェンダ干渉回路の第1のアーム導波路107と第2のアーム導波路108の光路長差により調整できる。すなわち、ある波長範囲において、後段光カプラ109である方向性結合器の終端で発生する光フィールド分布の中心位置変化と、第2のスラブ導波路103の終端で集光する光の位置変化が同期するように設定できる(マッハツェンダ干渉回路同期型アレイ導波路回折格子)。
図1に示すような、マッハツェンダ干渉回路(MZI)とアレイ導波路回折格子(AWG)を組み合わせたマッハツェンダ干渉回路同期型アレイ導波路回折格子(MZI同期型AWG)の光波長合分波回路100にあって、入射光は、MZIにおける後段光カプラ109である方向性結合器において、近接して配置された2つの導波路間で干渉し、その位相差、即ち、波長に応じて2つの導波路の間でパワーが分配される。そのため、後段光カプラ109である方向性結合器が第1のスラブ導波路101に接続する終端で集光する光波の位置が、その位相差、即ち、波長に応じて2つの導波路の間で周期的に変化することになる。
また、MZI同期型AWGは、MZIの第1のアーム導波路107及び第2のアーム導波路108の光路長差を、MZIの透過ピークの周期とAWGのチャネル間隔とが一致するように、さらに、MZIとAWGの透過周波数の中心値が一致するように調整する。このように調整すると、後段光カプラ109である方向性結合器終端で発生する光フィールド分布の中心位置変化と、第2のスラブ導波路103の終端で集光する光の位置変化が同期する。
図4は、方向性結合器終端における周期的な光フィールド分布を模式的に表した図である。図4の横軸方向は、方向性結合器終端と第1のスラブ導波路101との接続部での光フィールド分布の幅方向の位置を表す。図4(a)は左側の導波路に100%出力される場合、図4(b)は左右の導波路に50%ずつ出力される場合、図4(c)は右側の導波路に100%出力される場合、をそれぞれ示している。なお。図4中、一点鎖線は方向性結合器の中心部分を表す。
方向性結合器の終端で発生する光フィールド分布の中心位置変化と第2のスラブ導波路103の終端で集光する光の位置変化とは同期しているため、第2の入出力導波路104の透過スペクトルは、光波長合分波回路100の第2のスラブ導波路103と第2の入出力導波路104との接続界面に励起される光フィールド分布と、後段光カプラ109と第1のスラブ導波路101との接続界面に励起される光フィールド分布のパワーオーバーラップ積分となる。したがって、波長に応じて周期的に変化する方向性結合器終端の光フィールド分布と第2の入出力導波路104終端の光フィールド分布のミスマッチを小さくできれば、広い透過帯域で、平坦性が高く、低損失の光波長合分波回路100を実現することができることになる。
従来型の光波長合分波回路300(以下、単に「従来型の光波長合分波回路300」とする場合もある。)は、第2のスラブ導波路103と第2の入出力導波路104との接続部110の形状として直線テーパ形状を採用している(図21)。図5は、従来型の光波長合分波回路300における、直線テーパ形状接続部310に励起される光フィールド分布(実線)と第2のスラブ導波路303の終端で集光する光フィールド分布(点線)を示している。図5の横軸方向は、第2のスラブ導波路303と第2の入出力導波路304との接続部310での幅方向の位置を表す。図5(a)は第1のアーム導波路307に100%出力される場合、図5(b)は第1及び第2のアーム導波路に50%ずつ出力される場合、図5(c)は第2のアーム導波路308に100%出力される場合、をそれぞれ示している。
従来型の光波長合分波回路300では、第2のスラブ導波路303に接続する第2の入出力導波路304の接続部310は直線テーパ形状(図22参照)であり、基底モードの光フィールド分布(実線)となり、図5に示すように、第2のスラブ導波路303の終端で集光する光フィールド分布(点線)との重なりは小さくなる。このような従来型の光波長合分波回路300では、広い透過帯域で平坦性が高く、かつ低損失の光波長合分波回路とすることは困難である。
図6は、実施形態1の光波長合分波回路100の入出力導波路における光フィールド分布を示した図である。実施形態1の光波長合分波回路100は、第2のスラブ導波路103と第2の入出力導波路104との接続部110の形状が、2次モード以上が励起できる形状である一般化スーパー楕円関数形状であるため、図6に示すように、入出力導波路終端における光フィールド分布は、基底モードと2次モードが合わさった双峰性の分布となる。
図7は、実施形態1の光波長合分波回路100における第2のスラブ導波路103の終端で集光する周期的な光フィールド分布(点線)及び一般化スーパー楕円関数形状接続部110の接続界面に励起される光フィールド分布(実線)を模式的に表した図である。図7の横軸方向は、第2のスラブ導波路103と第2の入出力導波路104との接続部110での幅方向の位置を表す。図7(a)は方向性結合器の左側の導波路に100%出力される場合、図7(b)は左右の導波路に50%ずつ出力される場合、図7(c)は右側の導波路に100%出力される場合、をそれぞれ示している。実施形態1の光波長合分波回路100にあっては、第2のスラブ導波路103と第2の入出力導波路104との接続部110の形状として一般化スーパー楕円関数形状を採用することにより、第2のスラブ導波路103の末端で周期的に変化する光フィールド分布の変化に対しても、図7に示すように、図5に示した従来型の光波長合分波回路300の結果と比較しても、第2のスラブ導波路103の終端で集光する光フィールド分布とのオーバーラップ部分(重なり部分)が大きくなる。よって、広い透過帯域で、平坦性が高く、低損失が実現できる光波長合分波回路となる。図7(a)、図7(b)及び図7(c)において、重なっている部分が透過パワーに対応する。重なりが多い程、透過パワーが大きくなる。一方、図7(a)、図7(b)及び図7(c)で重なり部分の変化が少ないほど、透過帯域が平坦になる。
次に、方向性結合器の終端で発生する光フィールド分布の中心位置変化と第2のスラブ導波路103の終端で集光する光の位置変化とは同期しているため、オーバーラップ積分から導出される透過スペクトルを方向性結合器の終端で発生する光フィールド分布を変化させて計算を行った。方向性結合器の2本の導波路901、902の中心間距離(DC Pitch:DCピッチ)を大きくし透過帯域を広げた場合の透過スペクトルと3dBバンド幅とDip(窪み)のDCピッチ依存性を確認した結果について説明する。図8は、DCピッチについての説明図であり、図8に示すように、「DC Pitch(DCピッチ)」とは、任意の2本の導波路901、902の中心間距離を指すものである。
図9は、従来型の光波長合分波回路300における透過スペクトルの方向性結合器のピッチ依存性を示した図である。図9の横軸は相対的な波長を表し、縦軸は損失を表す。図10は、従来型の光波長合分波回路300における3dBバンド幅とDipの方向性結合器のピッチ依存性を示した図である。図10の横軸は図8でいうDCピッチを表し、左縦軸は3dBバンド幅を表し、右縦軸は図9におけるスペクトル中央のDip(窪み)量を表す。図9及び図10において、「standard」とは、相対的なDCピッチに対して、いずれかの特定の幅とした基準値をいう。
図9及び図10は、従来型の光波長合分波回路300について、方向性結合器の2本の導波路901、902のDCピッチを大きくして、透過帯域を広げた場合の透過スペクトルと3dBバンド幅とDipのDCピッチ依存性を示している。図9及び図10に示すように、従来型の光波長合分波回路300にあって、方向性結合器のDCピッチをStandardから広げることによって3dBバンド幅が広がり広帯域になるが、それと同時にDip量が大きくなってしまい平坦性が失われる。
一方、図11は、実施形態1の光波長合分波回路100における透過スペクトル2次モード励起率依存性を示した図である。図12は、実施形態1の光波長合分波回路100における3dBバンド幅とDipの2次モード励起率依存性を示した図である。
図11及び図12は、実施形態1に係る光波長合分波回路100について、DCピッチを大きくするとともに、Dipが0.5dB程度になるように第2の入出力導波路の接続部110の2次モードの励起率を調整した結果を示したものである。
実施形態1の光波長合分波回路100のように、接続部110として2次元モードを励起する一般化スーパー楕円関数形状を備える場合には、DCピッチを大きくするとともに2次モードの励起率を増やすと、帯域(3dBバンド幅)が広がり、Dipはほとんど変化しないことになる。すなわち、帯域を8GHz増大させても、平坦性は低下せず、損失も抑制できることがわかる。前述したように、従来型の光波長合分波回路300では帯域を拡げると平坦性が損なわれ、損失の増大が避けられなかった。実施形態1の光波長合分波回路100では、帯域を広げても、高い平坦性と低損失が実現できることが分かる。
なお、実施形態1に係る光波長合分波回路100を構成する接続部110としては、式(1)で表される前述した一般化スーパー楕円関数形状のほか、以下のパラボラ形状、マルチモード伝搬可能な導波路形状、指数関数テーパ形状、パラボラ形状を有するパラボラ形状部115と、マルチモード伝搬可能な導波路となる幅一定部116からなる形状等を2次モード以上が励起できる形状として採用することができる。これらの形状は、一般化スーパー楕円関数形状と同様に、2次モード以上が励起できる接続部110となる。
なお、図13から図17にあっては、図3と同様、第2のスラブ導波路103から離れる方向をy軸、接続部110の幅方向をx軸とし、接続部110と第2のスラブ導波路103との接続位置113をy=0としている。また、図3に示す一般化スーパー楕円関数形状からなる接続部110は、y軸(第2の入出力導波路104の中心線を延長した線)に対して対称な形状を有している。
(パラボラ形状)
図13は、接続部110の形状であるパラボラ形状を示した説明図である。図13に示すように、実施形態1に係る光波長合分波回路100で、接続部110をパラボラ形状とした場合にあっては、接続部110の形状は、第2の入出力導波路104との接続位置114における幅をW、第2のスラブ導波路103との接続位置113から第2の入出力導波路との接続位置114までの長さをY、Aを係数、第2のスラブ導波路との接続位置113からの長さyの位置における幅をwとすると、下記式(6)で表されることになる。
Figure 2015001626
なお、式(6)中、0≧y≧−Yであり、A>0である。
(マルチモード伝搬可能な定幅導波路形状)
図14は、接続部110の形状であるマルチモード伝搬可能な定幅導波路形状を示した説明図である。図14に示すように、実施形態1に係る光波長合分波回路100で、接続部110をマルチモード伝搬可能な定幅導波路形状とした場合にあっては、接続部110の形状は、第2のスラブ導波路103との接続位置113からの長さをYとし、第2のスラブ導波路103との接続位置113の幅Wが、第2の入出力導波路104との接続位置114まで一定な形状となる。なお、図14中、Wは、第2の入出力導波路104との接続位置114における第2の入出力導波路104の幅である。
(指数関数テーパ形状)
図15は、接続部110の形状である指数関数テーパ形状を示した説明図である。図15に示すように、実施形態1に係る光波長合分波回路100で、接続部110を指数関数テーパ形状とした場合にあっては、接続部110の形状は、第2のスラブ導波路103との接続位置113からの長さをY、第2の入出力導波路104との接続位置114における幅をW、第2のスラブ導波路103との接続位置113における幅をW、指数関数の形状を与えるパラメータa、任意の長さyにおける指数関数テーパの幅をwとすると、下記式(7)で表されることになる。
Figure 2015001626
なお、式(7)中、aは高次モードの励起を調整することができる指数関数の形状を与えるパラメータである。
(パラボラ形状部と幅一定部と接続した形状)
図16は、接続部110の形状であるパラボラ形状部115と幅一定部116と接続した形状を示した説明図である。図16に示すように、実施形態1に係る光波長合分波回路100で、接続部110をパラボラ形状部115と幅一定部116と接続した形状とした場合にあっては、接続部110の形状は、パラボラ形状を有するパラボラ形状部115と、パラボラ形状部115と繋がり、幅が第2のスラブ導波路103との接続位置113における幅から一定とされる、マルチモード伝搬可能な導波路となる幅一定部116からなる。パラボラ形状部115の長さをY、幅一定部116の長さをY、パラボラ形状部115と第2の入出力導波路104との接続位置114における幅をW、幅一定部116と第2のスラブ導波路103との接続位置113における幅をW、パラボラ形状部115における任意の長さyにおけるパラボラ形状部115の幅をwとすると、下記式(8)で表されることになる。
Figure 2015001626
以上説明した実施形態1に係る光波長合分波回路100は、マッハツェンダ干渉回路とアレイ導波路回折格子とから構成され、第2のスラブ導波路103と第2の入出力導波路104とを接続する接続部110が2次モード以上を励起する形状であるため、広い透過帯域を実現することができる。さらに、透過帯域の平坦性の喪失やそれによる損失の増大を抑制することが可能な光波長合分波回路100とすることができる。
(実施形態2)
本発明の実施形態2について図面を用いて説明する。図17は、実施形態2に係る光波長合分波回路100を示した平面図、図18は、図17のA−A断面図、図19は、図17のB−B断面図、をそれぞれ示す。
図17は、図1に示した光波長合分波回路100に対して、第1のスラブ導波路101、及び第1のアーム導波路107に温度補償材料117が充填された溝111、112が形成されている構成となっている。実施形態2の光波長合分波回路100では、図1で提案された光波長合分波回路100の透過波長の温度依存性を補償するために、第1のスラブ導波路101に溝111を形成し、温度補償材料117を充填することによってAWGの透過波長温度依存性の補償を行う。MZIの第1のアーム導波路107及び第2のアーム導波路108の少なくとも一方(実施形態2では第1のアーム導波路107)に溝112を形成し、溝112に温度補償材料117を充填することによってMZIの透過波長温度依存性の補償を行うようにしているものである。
図18は、第1のスラブ導波路101に形成された溝111周辺の断面図を示したものである。溝111はシリコン基板121上の導波路コア122及びクラッド123の一部を取り除くように形成されており、導波路コア122を分断している。また、図19は、第1のアーム導波路107に形成された溝112周辺の断面図を示したものである。前記した第1のスラブ導波路101と同様に、溝112はシリコン基板121上の導波路コア122及びクラッド123の一部を取り除くように形成されており、導波路コア122を分断している。形成された溝111、112に対して温度補償材料117が充填されている。
AWGやMZIは、合分波される光の透過波長に温度依存性を有する。これは、AWG等を構成する石英系ガラス導波路の実効屈折率が温度依存性を有するからである。透過波長の温度依存性を低減したAWGやMZI(温度無依存AWG(MZI)、あるいはアサーマルAWG(MZI))は、AWG等の内部の各光経路、例えば、AWGであればスラブ導波路等において、光波の進行軸に交差するように溝111、112を形成し、その溝111、112に温度補償材料117(導波路の実効屈折率の温度係数とは異なる屈折率温度係数を有する材料のこと。以下同じ。)を挿入することによって実現される。以下、アレイ導波路回折格子(AWG)を例に挙げて説明する。
アレイ導波路回折格子(AWG)の中心波長λは、アレイ導波路の実効屈折率をn、隣接するアレイ導波路との所定の光路長差をΔL、回折次数をmとすると、下記式(9)で表されることになる。
Figure 2015001626
一方、アレイ導波路回折格子の実効屈折率nは温度依存性を持つため、中心波長λは0.011nm/℃程度変化してしまう。光通信システムは−5〜65℃の範囲の環境温度で使用されることが多い。この場合、例えば0.8nm程度の中心波長の変化が発生してしまい、伝送信号の劣化など大きな問題となる。このため、図1のような光波長合分波回路100ではヒータまたはペルチェ素子を用いて回路の温度を一定に保ち中心波長を安定させるが、数Wの電力が必要になることや複雑なパッケージ構造が必要となる。そこで、図17等に示すように、アレイ導波路の実効屈折率と逆の温度依存性を持った温度補償材料117を、第1のスラブ導波路101に形成された溝111に充填することによって、中心波長λ0の変化を補償することが可能である。
ここで、第1のスラブ導波路101の実効屈折率をn、温度補償材料117の屈折率をn、対応するアレイ導波路102の経路上に配置された温度補償材料117を充填する溝幅の隣接アレイ導波路との差をΔLgrとすると、中心波長λは、下記式(10)で表されることになる。
Figure 2015001626
実施形態2に係る光波長合分波回路100は、中心波長λが式(10)で表されることにより、第1のスラブ導波路101での光路長差の温度変化が、形成される溝111に充填された温度補償材料117の光路長差の温度変化によって相殺され、透過中心波長の温度依存性が補償される。
以上、アレイ導波路回折格子(AWG)を例に挙げて説明したが、マッハツェンダ干渉回路(MZI)の中心波長も、アレイ導波路回折格子と同等の温度依存性を持つため、前記した説明と同様にして、温度補償材料117を溝112に充填することによって中心波長の変化を補償することが可能となる。
なお、図17等に示した構成では、第1のスラブ導波路101、及び第1のアーム導波路107に温度補償材料117が充填された溝111、112が形成されている態様を示している。一方、実施形態2に係る光波長合分波回路100にあっては、第1のスラブ導波路101に溝111を形成することに加えて、第1のアーム導波路107及び第2のアーム導波路108の少なくとも一方に溝112が形成されていればよい。例えば、図17等に示した構成のほか、第1のスラブ導波路101に温度補償材料117を充填した溝111を形成することに加えて、第2のアーム導波路108に温度補償材料117が充填された溝112が形成される構成が含まれる。また、第1のスラブ導波路101に温度補償材料117を充填した溝111を形成し、かつ、第1のアーム導波路107及び第2のアーム導波路108の両方に温度補償材料117が充填された溝112が形成される構成も、実施形態2に係る光波長合分波回路に含まれるものである。
また、第1のスラブ導波路101や第1のアーム導波路107等に形成される溝111、112は、いずれも光波の進行軸に交差するように形成されることになる。溝111、112は、単数であってもよいが、図17等に示すように、複数の溝111、112が形成されていてもよい。複数の溝111、112を形成することにより、単数の溝111、112を形成した場合より、放射損失をより低減することができる。また、溝111、112の断面形状も、例えば、断面V字状、断面凹状等の任意の形状を採用することができる。
溝111、112に充填される温度補償材料117としては、具体的には、従来公知の光学樹脂を使用することができる。例えば、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂等の光学樹脂を使用することができる。このような光学樹脂は、光部品材料として長期信頼性に優れるという点で好ましい。
後段光カプラ109としては、方向性結合器を使用してもよいが、後段光カプラ109の形状としては、図示しないマルチモードカプラとしてもよい。後段光カプラ109としてマルチモードカプラを適用することにより、方向性結合器と比較して、導波路の幅に作製誤差が生じた場合においても、その分岐比が影響されにくいため、より作製トレランスに優れた光波長合分波回路100を実現することができる。
マルチモードカプラとしては、例えば、2入力2出力の構成で分岐比が50%/50%のものを使用することができる。入力数、出力数及び分岐比はこれらに限定されず、任意に決定することができる。
以上説明した実施形態2に係る光波長合分波回路100では、前述した実施形態1に係る光波長合分波回路100の奏する効果に加えて、第1のスラブ導波路101に溝111を形成し温度補償材料117を充填することによって、AWGの透過波長温度依存性が補償される。MZIの第1のアーム導波路107及び第2のアーム導波路108の少なくとも一方に溝112を形成し、温度補償材料117を充填することによって、MZIの透過波長温度依存性が補償され、アサーマル機能を備えることとなる。
(実施形態の変形)
なお、本発明は、以下に示す実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に記載するような変更等は、本発明の範囲に含まれるものである。
例えば、前述した実施形態にあっては、第2のスラブ導波路103と第2の入出力導波路104とを接続する接続部110の形状については、第2の入出力導波路104の中心線を延長した線(図3等のy軸)に関して対称として説明した。
一方、接続部110の形状は、第2の入出力導波路104の中心線を延長した線に関して非対称であってもよい。以下、第2の入出力導波路104の中心線を延長した線に関して非対称とした接続部110について、前記した一般化スーパー楕円関数形状の場合を例に挙げて説明する。
図20は、本発明に係る光波長合分波回路100が備える接続部110の他の形状を示した説明図である。図20は、図3に示した一般化スーパー楕円関数形状にあって、第2の入出力導波路104の中心線を延長した線に対して非対称としたものである。図20に示した形状は、具体的には、第2のスラブ導波路103との接続位置113からの長さをY、第2の入出力導波路104の幅拡大開始部の幅をW、第2のスラブ導波路103との接続位置113の幅WE1+WE2であり、第2のスラブ導波路103との接続位置114からの距離yの位置における一方の側での幅wは、正実数γおよび正実数εを用いて、下記式(11)で表すことができる。
Figure 2015001626
また、他方の側での幅wは、正実数γおよび正実数εを用いて、下記式(12)で表すことができる。
Figure 2015001626
そして、γ≠γ、WE1≠WE2、ε≠εの3条件のうち少なくとも1つ以上の条件を満足する。
このように、接続部110が第2の入出力導波路104の中心線を延長した線(光波の進行方向軸となる。)に対して非対称な形状を有することで、奇モード(特に1次モード)の励起を促すことになる。その奇モードによって生じる非対称な位相分布により、作製誤差によって生じた、アレイ導波路における位相誤差分布を相殺することで、透過帯域の平坦性をより安定的に実現可能とすることができる。
なお、図20には、式(11)及び式(12)におけるγ及びεについて、具体的数値を載せて示している。図20において、Y=150μm、W=4.5μm、WE1=8.4μm、WE2=7.6μm、γ=0.3、γ=0.7、ε=ε=2.5としている。また、接続部110については、第2の入出力導波路104側の幅4.5μm、第2のスラブ導波路103側の幅16.0μm、接続部110の長さ150μmとした場合におけるγ及びεを示している。
前記した式(11)及び式(12)におけるε、εやγ、γのそれぞれについては、例えば、εは2.0〜3.5、εは2.0〜3.5とすることが好ましい。また、例えば、γは0.5〜1.0、γは0.5〜1.0とすることが好ましい。
また、第2の入出力導波路104の中心線を延長した線に対して非対称とした接続部110の形状については、前記した説明では、一般化スーパー楕円関数形状の場合を例に挙げて説明した。一方、第2の入出力導波路104の中心線を延長した線に対して非対称とした接続部110の形状については、一般化スーパー楕円関数形状だけでなく、第2のスラブ導波路103と第2の入出力導波路104とを接続する接続部110が2次モード以上を励起する形状である、実施形態1で挙げた形状、例えば、パラボラ形状、マルチモード伝搬可能な導波路形状、指数関数テーパ形状、パラボラ形状を有するパラボラ形状部115と、マルチモード伝搬可能な導波路となる幅一定部116からなる形状等の全てについて適用可能である。
そして、接続部110の形状について実施形態1で挙げた2次モード以上を励起する形状として、第2の入出力導波路104の中心線を延長した線に対して非対称とすることにより、前記した一般化スーパー楕円関数形状の場合と同様な効果、すなわち、奇モード(特に1次モード)の励起を促すことになる。その奇モードによって生じる非対称な位相分布により、作製誤差によって生じた、アレイ導波路における位相誤差分布を相殺することで、透過帯域の平坦性をより安定的に実現可能とすることができるという効果を奏する光波長合分波回路100となる。
本発明は、アレイ導波路回折格子とマッハツェンダ干渉回路とから構成される光波長合分波回路について、透過スペクトルが広帯域で、高い平坦性を有し、かつ低損失な光合分波回路等として、電気通信産業分野やエレクトロニクス産業分野で利用することができ、産業上の利用可能性は高い。
100 光波長合分波回路
101 第1のスラブ導波路
102 アレイ導波路
103 第2のスラブ導波路
104 第2の入出力導波路
105 第1の入出力導波路
106 前段光カプラ
107 第1のアーム導波路
108 第2のアーム導波路
109 後段光カプラ
110 接続部
111 溝
112 溝
113 接続位置
114 接続位置
115 パラボラ形状部
116 幅一定部
117 温度補償材料
121 シリコン基板
122 導波路コア
123 クラッド
300 従来型の光波長合分波回路
301 第1のスラブ導波路
302 アレイ導波路
303 第2のスラブ導波路
304 第2の入出力導波路
305 第1の入出力導波路
306 前段光カプラ
307 第1のアーム導波路
308 第2のアーム導波路
309 後段光カプラ
310 接続部
901、902 導波路
上記の目的を達成するために、本発明の光波長合分波回路は、第1の入出力導波路と、前記第1の入出力導波路に接続された前段光カプラ、前記前段光カプラに接続され所定の光路長差を有する第1のアーム導波路及び第2のアーム導波路、及び前記第1のアーム導波路及び前記第2のアーム導波路に接続された後段光カプラを備えるマッハツェンダ干渉回路と、前記後段光カプラに接続された第1のスラブ導波路、前記スラブ導波路に接続され所定の光路長差を有する導波路からなるアレイ導波路及び前記アレイ導波路に接続された第2のスラブ導波路を備え、前記マッハツェンダ干渉回路の透過ピークの周期と同一のチャネル間隔を有し、前記マッハツェンダ干渉回路と透過周波数の中心値が一致するアレイ導波路回折格子と、前記第2のスラブ導波路に接続された少なくとも2本以上の第2の入出力導波路と、を含み、前記第2のスラブ導波路と前記第2の入出力導波路とを接続する接続部が2次モード以上を励起する形状であることを特徴とする。

Claims (8)

  1. 第1の入出力導波路と、
    前記第1の入出力導波路に接続された前段光カプラ、前記前段光カプラに接続され所定の光路長差を有する第1のアーム導波路及び第2のアーム導波路、及び前記第1のアーム導波路及び前記第2のアーム導波路に接続された後段光カプラを備えるマッハツェンダ干渉回路と、
    前記後段光カプラに接続された第1のスラブ導波路、前記スラブ導波路に接続され所定の光路長差を有する導波路からなるアレイ導波路及び前記アレイ導波路に接続された第2のスラブ導波路を備え、前記マッハツェンダ干渉回路の透過ピークの周期と同一のチャネル間隔を有するアレイ導波路回折格子と、
    前記第2のスラブ導波路に接続された少なくとも2本以上の第2の入出力導波路と、
    を含み、
    前記第2のスラブ導波路と前記第2の入出力導波路とを接続する接続部が2次モード以上を励起する形状であることを特徴とする光波長合分波回路。
  2. 前記接続部の形状は、前記第2のスラブ導波路との接続位置からの長さをY、前記第2の入出力導波路との接続位置における幅をW、前記第2のスラブ導波路との接続位置における幅をW、前記第2のスラブ導波路との接続位置からの距離yの位置における幅をwとすると、正実数γ及び正実数εを用いて、下記式(1)で表される一般化スーパー楕円関数形状であることを特徴とする請求項1に記載の光波長合分波回路。
    Figure 2015001626
  3. 前記接続部の形状は、前記第2の入出力導波路との接続位置における幅をW、前記第2のスラブ導波路との接続位置から前記第2の入出力導波路との接続位置までの長さをY、Aを係数、前記第2のスラブ導波路との接続位置からの長さyの位置における幅をwとすると、下記式(2)で表されるパラボラ形状であることを特徴とする請求項1に記載の光波長合分波回路。
    Figure 2015001626
    なお、式(2)中、0≧y≧−Yであり、A>0である。
  4. 前記接続部の形状は、前記第2のスラブ導波路との接続位置からの長さをYとし、前記第2のスラブ導波路との接続位置の幅Wが、前記第2の入出力導波路との接続位置まで一定であるマルチモード伝搬可能な定幅導波路形状であることを特徴とする請求項1に記載の光波長合分波回路。
  5. 前記接続部の形状は、前記第2のスラブ導波路との接続位置からの長さをY、前記第2の入出力導波路との接続位置における幅をW、前記第2のスラブ導波路との接続位置における幅をW、指数関数の形状を与えるパラメータa、任意の長さyにおける指数関数テーパの幅をwとすると、下記式(3)で表される指数関数テーパ形状であることを特徴とする請求項1に記載の光波長合分波回路。
    Figure 2015001626
    式(3)中、aは高次モードの励起を調整することができる指数関数の形状を与えるパラメータである。
  6. 前記接続部の形状は、パラボラ形状を有するパラボラ形状部と、前記パラボラ形状部と繋がり、幅が前記第2のスラブ導波路との接続位置における幅から一定とされる、マルチモード伝搬可能な導波路となる幅一定部からなり、
    前記パラボラ形状部の長さをY、前記幅一定部の長さをY、前記パラボラ形状部と前記第2の入出力導波路との接続位置における幅をW、前記幅一定部と前記第2のスラブ導波路との接続位置における幅をW、前記パラボラ形状部における任意の長さyにおける前記パラボラ形状部の幅をwとすると、下記式(4)で表される形状となることを特徴とする請求項1に記載の光波長合分波回路。
    Figure 2015001626
  7. 前記接続部の形状は、前記第2の入出力導波路の中心線を延長した線に対して非対称な形状であることを特徴とする請求項2乃至6のいずれかに記載の光波長合分波回路。
  8. 前記第1のアーム導波路及び前記第2のアーム導波路の少なくとも一方と、前記第1のスラブ導波路に温度補償材料が充填された溝が形成されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の光波長合分波回路
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