JP5613890B2 - アテローム性動脈硬化症の治療のためのペプチドに基づいた免疫治療、及び酸化した低密度リポ蛋白質に対する免疫応答の測定のためのペプチドベースのアッセーの開発 - Google Patents

アテローム性動脈硬化症の治療のためのペプチドに基づいた免疫治療、及び酸化した低密度リポ蛋白質に対する免疫応答の測定のためのペプチドベースのアッセーの開発 Download PDF

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Description

本発明は、新規ペプチド、特にアテローム性動脈硬化症の治療のための免疫治療に使用
されるペプチド、及び酸化低密度リポ蛋白質に対する免疫応答の測定,及びアテローム性
動脈硬化症の存在または不存在の診断のためのペプチドベースのELISAの開発に関す
る。
特に、本発明は下記のものを含む:
l)表1に列挙した、天然型または変性したペプチドを単独でまたは組み合わせて、好ま
しくは適当な担体及び助剤と共に、虚血性の予防及び治療用のための免疫療法としてまた
は抗アテローム性動脈硬化症「ワクチン」として使用すること
2)心疾患
3)虚血性心疾患の進展の危険の増加または減少に関する抗体の検出用のELISAにお
ける該ペプチドの使用。
アテローム性動脈硬化症は大動脈または中動脈の最も内側の層(内膜)の肥厚を引き起
こす慢性病である。これは血流を減少させ、罹患した血管によって供給される器官中の虚
血及び組織破壊を引き起こしうる。アテローム性動脈硬化症は心筋梗塞、脳卒中及び周辺
の動脈疾患を含む心疾患の主な原因である。それは西欧諸国における主な死因であり、2
0年以内に全世界の主要な死因になることが予測される。
この疾病は、主に低密度リポ蛋白質(LDL)であるリポタンパク質の血管の細胞外マ
トリックスへの蓄積によって始まる。これらのLDL粒子は凝集し、酸化的変性を進行さ
せる。酸化LDLは毒性であり、血管損傷を引き起こす。アテローム性動脈硬化症は、多
くの点で炎症と繊維化を含むこの傷に対する反応を表す。
1989年には、パリンスキ(Palinski)及びその同僚が、ヒトにおける酸化LDLに
対する循環する自己抗体を確認した。この観察により、アテローム性動脈硬化症が酸化し
たリポタンパク質に対する免疫応答によって引き起こされる自己免疫疾患であることが提
案された。この時に、いくつかの研究所は、酸化LDLに対する抗体価と心疾患との関係
を探索し始めた。しかしながら、これらの研究から出現した臨床像は明白と言うにはほど
遠いものであった。酸化LDLの多くの異なるエピトープに対する抗体は存在していたが
、これらのエピトープの構造は未知であった。従って、「酸化LDL抗体」の語は、1つ
の特異抗体よりはむしろ、異なる抗体の未知の混合物を意味するものであった。T細胞に
依存しないIgM抗体は、T細胞に依存するIgG抗体より頻度が高かった。
酸化LDLに対する抗体は、心疾患を有する患者にも、健全なコントロールにも存在し
た。いくつかの初期の研究には酸化LDL抗体価と心疾患との関連を報告したものもある
が、そのような関連を見いだせないものもあった。これらの研究の主な弱点は、抗体価の
測定に使用されるELISA試験がリガンドとして酸化LDL粒子を使用していたことで
ある。LDLの組成は個体が異なれば異なり、酸化の変性の程度は制御するのも評価する
のも困難であり、酸化LDL粒子中の異なるエピトープに対する抗体のレベルを測定する
ことはできない。ある程度までは技術的な問題により、それまでのところ利用可能な技術
を使用して、酸化LDLに対する抗体反応の役割を評価することは困難であった。しかし
ながら、完全な酸化LDL粒子を使用する場合、よく定義され複製可能なワクチンのコン
ポーネントを作成することは可能ではなかった。
血管壁の酸化LDLに対する自己免疫応答がアテローム性動脈硬化症の進展に重要な役
割を果たす可能性を調査する別の方法は、それ自身の酸化LDLに対して動物を免疫感作
することである。このアプローチの背後にある考えは、酸化LDLに対する自己免疫応答
が古典的免疫技術を用いて強化されると、血管炎症の増加及びアテローム性動脈硬化症の
進行をもたらすことである。この仮説をテストするために、ウサギを同族の酸化LDLで
免疫し、次に、3か月間、この動物に高コレステロール食を与えて、アテローム性動脈硬
化症を引き起こした。
しかしながら、もとの仮説とは対照的に、酸化LDLによる免疫感作は、アテローム性
動脈硬化症を約50%縮小する保護効果を有していた。より積極的なプラークの進展を生
じさせる血管バルーンインジュリーと高コレステロール食を組み合わせた後続の研究でも
、同様の結果が得られた。我々の研究と平行して、他のいくつかの研究所は同様の観察を
報告した。利用可能なデータをともに採用すると、アテローム性動脈硬化症の進展に対し
て保護を行う、酸化LDLに対する自己免疫を含む免疫応答が存在することが明白に実証
された。
これらの観察は、さらに人におけるアテローム性動脈硬化症をベースとする心疾患の治
療のための免疫治療あるいは「ワクチン」の開発の可能性を示唆する。これを行う1つの
アプローチは、個体を、自己のLDLで、例えば銅により酸化した後、免疫感作すること
であろう。しかしながら、このアプローチは、酸化LDLにおけるどの構造が防御免疫を
引き起こす原因であるか、また酸化LDLがさらに逆の免疫応答を生じさせるエピトープ
を含んでいるかどうかが知られていないという事実によって複雑になる。
酸化LDL中のエピトープの同定は、いくつかの観点から重要である:
まず、これらのエピトープのうちの1つあるいはいくつかのものは、酸化LDLで免疫
感作した動物中で観察される抗アテローム発生免疫応答を活性化する原因となると考えら
れる。従って、これらのエピトープを含むペプチドは、ヒトの免疫治療あるいは「アテロ
ーム性動脈硬化症ワクチン」の開発の可能性を表わすかもしれない。さらに、それらは、
ヒトにおいて進展したアテローム性動脈硬化症の治療のために使用することができる。
第2に、同定されたエピトープを含むペプチドは、酸化LDLの特定の構造に対する抗
体を検出することができるELISAを開発するために使用することができる。そのよう
なELISAは、現在利用可能な、抗原として酸化LDL粒子を使用するものより正確で
且つ信頼できるであろう。さらに、それは、心疾患に関連した、酸化LDLの中の異なる
エピトープに対する免疫応答の分析を可能にするであろう。
米国特許第5,972,890号は、アテローム性動脈硬化症を分析するためのペプチ
ドの使用に関する。該米国特許に示されている技術は、原理として放射物理学的診断の形
式である。ペプチド配列は放射能で標識され、血流に注射される。このペプチド配列がア
ポリポタンパクBの中にある配列と同一である場合は、アポリポタンパクBについて存在
しているレセプターが存在する組織に結合するであろう。血管では、これは上記全てのア
テローム性動脈硬化のプラークである。その後、血管壁の放射能の濃度は、例えば、ガン
マカメラによって測定することができる。従って、この技術は、放射標識されたペプチド
配列がアテローム性動脈硬化のプラークに存在する正常な組織レセプターに結合するであ
ろうという事実に基づいた放射物理学的方法であり、これは外部放射能分析を使用して検
出される。これは、アテローム性動脈硬化のプラークを識別する直接分析方法である。そ
れは、患者に放射性化合物が投与されることを必要とする。
本発明の技術は全く異なる法則及び方法に基づく。請求項1によると、本発明は、アポ
リポタンパクBのペプチド配列に対する免疫反応を分析する方法、並びに心疾患に対する
免疫用のアポリポタンパクBの断片に関する。そのような免疫反応は、進展したアテロー
ム性動脈硬化症の個体中で増加していることが示された。本発明の技術は、ポリマーウェ
ルの底にペプチド配列を結合させることに基づく。血液サンプルが添加されると、該ペプ
チドはこれらの配列に特異的な抗体を結合させるであろう。その後、結合した抗体の量を
免疫学的方法/技術を用いて調べる。従って、前記米国特許の技術とは対照的に、これは
、アテローム性動脈硬化のプラークを識別し局在化させる直接の測定方法でなく、アテロ
ーム性動脈硬化症の進展の高度な共変を示す免疫学的応答を調べるものである。
このように、本発明の基本原理は、前述の特許のものとは全く異なる。後者が、アテロ
ーム性動脈硬化の組織の中にあるリポタンパク質の正常なレセプターへのペプチド配列の
結合に依存するのに対し、前者は、ペプチド配列に対する免疫反応の検出及びこれらのペ
プチド配列の抗体の測定に基づいている。
公表された研究(パリンスキ他(Palinski et al)、1995年、そしてジョージ他(
George et al)、1998)により、酸化LDLに対する免疫感作により、アテローム性
動脈硬化症の進展が縮小されることを示された。これは、一般に酸化LDLに対する免疫
反応が保護する効果があることを示すであろう。しかしながら、ここに与えられた結果は
、驚くべきことに、これが必ずしもそうとは限らないことを示した。例えば、ペプチド#
10、45、154、199及び240の混合物を用いた免疫感作は、アテローム性動脈
硬化症の進展を増加させた。他のペプチド配列、例えばペプチド配列#1、及び30〜3
4を用いた免疫感作は、アテローム性動脈硬化症の進展に対する総合的な効果を欠いてい
る。これらの結果は驚くべきである。その酸化LDLに対する免疫反応は、酸化LDLの
中のどの構造に向けられるかに依存して、アテローム性動脈硬化症の進展を保護し、該進
展に寄与し、または全く効果を奏しないからである。これらの発見は、免疫反応を保護す
ることを活性化することを分離した免疫方法を開発することを可能にする。さらに、それ
らは、使用される粒子がアテローム発生の免疫反応を生じさせる構造を高レベルで含んで
いる場合、完全な酸化LDLを使用する免疫感作が不利益な効果を奏するかもしれないこ
とを示す。
国際公開WO99/08109号は、血清と血漿中の酸化LDLの存在を測定するため
の、酸化LDLの粒子に結合するマウスのモノクローナル抗体のパネルの使用に関する。
従って、これは、酸化LDLに対する抗体を測定する方法が示されている本発明とは全く
異なる。
米国特許第4,970,144号は、ペプチド配列を用いた免疫感作によって抗体を調
製する方法に関し、該抗体は、ELISAを使用したアポリポタンパクの測定のために使
用することができる。従って、これはこのように本発明と全く異なるものである。
米国特許第5,861,276号はアポリポタンパクの正常型の組換え抗体を記載する
。この抗体は、血漿及び血清中の正常なアポリポタンパクBの存在を調べ、循環中の正常
なLDLの粒子の量を低下させることにより、アテローム性動脈硬化症を治療するために
使用される。
本発明において、抗体の使用は、アテローム性動脈硬化症の治療のために記述されてい
る。しかしながら、米国特許第5,861,276号とは異なり、これらの抗体は、LD
Lの正常な粒子ではなく酸化LDLの粒子中に存在する構造を指向する。その効果は、そ
れがアテローム性動脈硬化症の進展を生じさせると予測される酸化LDLであるというこ
とである。酸化LDLに特有の構造を指向する抗体の使用は、該米国特許には記載されて
いない。
発明の要約
血管壁におけるリポタンパク質、主としてLDLの酸化は、アテローム性動脈硬化症の
進展において重要な要素であると考えられる。LDLの酸化中に生じた生成物は、血管細
胞にとって有毒であり、炎症を引き起こし、プラーク形成を開始する。酸化LDL中のエ
ピトープは免疫系によって認識され、抗体産生を生じさせる。動物実験により、これらの
免疫応答のうちのいくつかがアテローム性動脈硬化症に対する保護効果を持っていること
が示された。抗体は、通常、ペプチドに基づいた構造をほとんど排他的に指向する。LD
L、アポリポタンパクB中に存在する唯一の蛋白質の完全な配列をカバーするポリペプチ
ドライブラリーを使用して、ヒトにおいて抗体産生を生じさせる酸化LDL中のエピトー
プが同定された。これらのペプチドエピトープは酸化LDLと心疾患に対する免疫応答の
関連を研究し、かつ虚血性心疾患の予防及び治療のための免疫療法または抗アテローム性
動脈硬化症「ワクチン」を開発するためのELISAを開発するために使用することがで
きる。
発明の詳細な説明
本発明は、ヒトを含む哺乳類の虚血性心疾患に対する免疫感作または治療のためのアポ
リポタンパク質B断片であって、虚血性心疾患に対する免疫源としてのまたは治療的な性
質を有し、及び/または虚血性心疾患の進展の危険の増加または減少に関する抗体の存在
または不存在を分析するアポリポタンパク質B断片に関する。
酸化LDL中のエピトープの分子特性は、ヒトにおいて抗体依存性の免疫応答を生じさ
ることが実証された。使用されたアプローチは、免疫応答が5−6のアミノ酸長のペプチ
ド配列を殆ど排他的に指向するという事実の利点を利用する。LDLは唯一の蛋白質、4
563アミノ酸長のアポリポタンパクBのみを含む。酸化の間、アポリポタンパクBは断
片化され、アルデヒド付加物が正に帯電したアミノ酸、特にリジンに結合する。これは、
アポリポタンパクBの三次元構造のために通常は露出していないペプチド配列が免疫細胞
にアクセス可能になるか、及び/またはその通常露出しているペプチド配列がアルデヒド
とのハプテン化により免疫原性となることを意味する。
これにより、下記のペプチド、天然型またはMDA誘導体が、免疫反応を生じるような
効果を有することが調べられた。これらのペプチドは:

FLDTVYGNCSTHFTVKTRKG
PQCSTHILQWLKRVHANPLL
VISIPRLQAEARSEILAHWS

KLVKEALKESQLPTVMDFRK
LKFVTQAEGAKQTEATMTFK
DGSLRHKFLDSNIKFSHVEK
KGTYGLSCQRDPNTGRLNGE
RLNGESNLRFNSSYLQGTNQ
SLTSTSDLQSGIIKNTASLK
TASLKYENYELTLKSDTNGK
DMTFSKQNALLRSEYQADYE
MKVKIIRTIDQMQNSELQWP

IALDDAKINFNEKLSQLQTY
KTTKQSFDLSVKAQYKKNKH

EEEMLENVSLVCPKDATRFK
GSTSHHLVSRKSISAALEHK
IENIDFNKSGSSTASWIQNV
IREVTQRLNGEIQALELPQK
EVDVLTKYSQPEDSLIPFFE

HTFLIYITELLKKLQSTTVM
LLDIANYLMEQIQDDCTGDE
CTGDEDYTYKIKRVIGNMGQ
GNMGQTMEQLTPELKSSILK
SSILKCVQSTKPSLMIQKAA
IQKAAIQALRKMEPKDKDQE
RLNGESNLRFNSSYLQGTNQ
SLNSHGLELNADILGTDKIN
WIQNVDTKYQIRIQIQEKLQ
TYISDWWTLAAKNLTDFAEQ
EATLQRIYSLWEHSTKNHLQ

ALLVPPETEEAKQVLFLDTV
IEIGLEGKGFEPTLEALFGK
SGASMKLTTNGRFREHNAKF
NLIGDFEVAEKINAFRAKVH
GHSVLTAKGMALFGEGKAEF
FKSSVITLNTNAELFNQSDI
FPDLGQEVALNANTKNQKIR、並びに非抗体産生ペプチド
ATRFKHLRKYTYNYQAQSSS
またはこれらのペプチドの一またはそれ以上の活性部位である。
本発明は以下の組成物、方法等に関する事項に対して適応可能である。
本発明は、前記断片/ペプチドの1種類またはそれ以上の治療有効量を、所望により1
種類またはそれ以上の薬理学的に無害の充填剤及び/または助剤との組み合わせで含有す
る医薬組成物にも関する。
前記医薬組成物は、前記断片/ペプチドがカチオン化ウシ血清アルブミンに結合して存
在し、助剤として水酸化アルミニウムが使用され得る。
前記組成物は注射用組成物として存在し得る。
本発明は、前記断片/ペプチドの1種類またはそれ以上を含む、虚血性心疾患に対する
ヒトを含むほ乳類の免疫感作のためのワクチンにも関する。
本発明は、1種類又はそれ以上の前記天然型及び/またはMDA変性配列に対する精製
されたまたは遺伝子組換えで生産された抗体の治療有効量を含む虚血性心疾患に対するヒ
トを含むほ乳類の免疫感作のためのワクチンにも関する。
前記ワクチンは、前記免疫感作のための断片/ペプチドがカチオン化ウシ血清アルブミ
ンに結合して存在し、助剤として水酸化アルミニウムが使用され得る。
本発明は、天然型またはMDAもしくはヒドロキシノネナル誘導体型の1種類またはそ
れ以上の前記断片及び/またはペプチドの治療有効量をアテローム性動脈硬化症に罹患し
た、または虚血性心疾患が進展する危険性に面したヒトを含むほ乳類に投与する、アテロ
ーム性動脈硬化症に罹患した、または虚血性心疾患が進展する危険性に面したヒトを含む
ほ乳類の予防的治療または治療方法にも関する。
この治療方法において、病態は、高齢者における、酸化LDLが炎症、細胞毒性及びプ
ラーク破壊の危険性に寄与していると考えられる不安定なアテロームプラーク、並びに冠
動脈心疾患の1またはそれ以上であり得る。
本発明は、天然型またはMDA変性配列に対する精製されたまたは遺伝子組換えで生産
された抗体の治療有効量を投与して受動免疫を起こす、アテローム性動脈硬化症に罹患し
た、または虚血性心疾患が進展する危険性に面したヒトを含むほ乳類の予防的治療または
治療方法にも関する。
MDA変性ペプチド1−100に対するIgG抗体の抗体反応を示すグラフ。 MDA変性ペプチド101−200に対するIgG抗体の抗体反応を示すグラフ。 MDA変性ペプチド201−302に対するIgG抗体の抗体反応を示すグラフ。 MDA変性ペプチド1−100に対するIgM抗体の抗体反応を示すグラフ。 MDA変性ペプチド101−200に対するIgM抗体の抗体反応を示すグラフ。 MDA変性ペプチド201−302に対するIgM抗体の抗体反応を示すグラフ。
材料及び方法
LDL酸化の結果免疫原性になるアポリポプロテインBの部分を調べるために、ヒトア
ポリポプロテインBの全配列をカバーする20アミノ酸の長さのペプチドからなるポリペ
プチドライブラリーを形成した。これらのペプチドは、全ての配列をカバーするために破
断点で5アミノ酸の重複を有するように製造した。ペプチドは、そのままの状態で、また
はリン脂質リポソーム挿入した後、銅に接触させて酸化した後またはLDL酸化中に生じ
得るアミノ酸の異なる変性を模したマロンジアルデヒド(MDA)変性の後に使用した。
ペプチド
ヒトアポリポプロテインBの全アミノ酸配列に相当する302ペプチドを合成し(ユー
ロ−ダイアグノスティカ アクチボラゲット、マルモ、 スウェーデン及びケイアイ ロ
ス ペターソン エイエス(KI Ross Petersen AS)、 ホーホルム(Horholm)、デンマ
ーク)、ELISAで使用した。各合成ペプチドのフラクションを、0.5MのMDA(
シグマ−アルドリッチ スウェーデン アクチボラゲット(Sigma-Aldrich Sweden AB)
、ストックホルム、スウェーデン)で37℃で3時間、そしてリポソームの存在下で、0
.5MのMDAにより37℃で3時間または5μMのCuCl(シグマ)により37℃
で18時間変性させた。MDAで変性させたペプチドはいくつかの変更をした1mMのE
DTAを含むPBSで、4℃で18時間透析した。これらのペプチドの変性を、ペプチド
の分離に適する変性ポリアクリルアミドゲル(バイオ−ラッド ラボラトリーズ(Bio-Ra
d Laboratories)、ハーキュリーズ(Hercules)、カリフォルニア(CA))で試験した。
ペプチドは、該タンパク質のN末端から出発して、1−302の番号を付された。
他のアルデヒドをヒドロキシノネナル等の誘導体の製造に使用することもできる。
リポソーム
クロロホルム中、モル比9:1の卵ホスファチジルコリン(EPC)(シグマ)及びホ
スファチジルセリン(PS)(シグマ)と3mM濃度のリン脂質(PL)の混合物を、ガ
ラス容器中、緩やかなアルゴン流の下で蒸発させた。その後、該容器を3時間真空下に置
いた。滅菌濾過した10mMのHEPES緩衝液pH7.4中、0.10mMペプチド(
5ml)、145mMのNaCl及び0.003%のアジ化ナトリウムを含有する溶液を
EPC/PS乾燥フィルムに添加し、50℃で15分間インキュベートした。この混合物
を室温で約5分間穏やかにボルテックスミキサーで混合し、その後、氷冷浴中に入れ、1
分間の間隙をおいて7.5アンプリチュードミクロンで3分間で3回超音波処理した(ソ
ニープレップ(Sonyprep)150 MSE サンヨー(Sanyo)、タムロ−メドラブ(Tam
ro-Medlab)、スウェーデン)。天然のまたは0.5MのMDAにより37℃で3時間も
しくは5mMのCuClにより37℃で18時間変性したPLペプチド混合物を、アル
ミホイルで封をしたガラスバイアルに4℃、アルゴン下で保存し、1週間以内に使用した
。このMDA変性混合物を、貯蔵前に、いくつかの変化を加えた1mMのEDTAを含有
するPBSで、4℃で18時間透析した。該混合物の変性を、ペプチドの分離に適する変
性ポリアクリルアミドゲル(バイオ−ラッド ラボラトリーズ エイエス(Bio-Rad Labo
ratories AB)、サンドバイバーグ(Sundbyberg)、スウェーデン)で試験した。
血漿サンプル
心疾患の患者(AHP)10人及び健常な血液ドナー(NHP)50人(女性25人、
男性25人)からの血漿サンプルを集めプールした。二つのプールを分割し、−80℃で
貯蔵した。
ELISA
リポソームの存在下または不存在下でPBS、pH7.4(20μg/ml)で希釈し
た天然のまたは変性した合成ペプチドを、マイクロタイタープレートウェル(ヌンク マ
キシソープ(Nunc Maxisorp)、ヌンク(Nunc)、ロスキルド(Roskilde)、デンマーク
)に吸着させ、4℃で一晩インキュベートした。参考用として、ペプチドの一つ(P6)
を、各プレートに流した。0.05%Tween−20を含有するPBS(PBS−T)
で洗浄した後、コーティングされたプレートを、TBS中のスーパーブロック(SuperBlo
ck)(ピアース(Pierce)、ロックフォード(Rockford)、イリノイ(IL))で室温で5
分間ブロックし、続いて、TBS−0.05%Tween−20(TBS−T)で希釈さ
れたプールされたヒト血漿、AHPまたはNHPを室温で2時間、その後4℃で一晩イン
キュベートした。すすいだ後、該ペプチドに対する自己抗体の付着を、TBS−Tで適当
に希釈したビオチニル化ウサギ抗ヒトIgGまたはIgM抗体(ダコ エイ/エス(Dako
A/S)、グロストラップ(Glostrup)、デンマーク)を用いることにより検出した。さら
に室温で2時間インキュベートした後、プレートを洗浄し、結合したビオチニル化抗体を
アルカリホスファターゼ結合ストレプトアビジン(シグマ)で検出し、室温で2時間イン
キュベートした。着色反応を、ホスファターゼ基質キット(ピアース)を用いて展開し、
室温で1時間インキュベートした後、405nmの吸収を測定した。異なるペプチドの吸
収値をP6の吸収値で分け、比較した。
アポリポプロテインBの配列は、添付図面の配列番号1〜37に示されている。AHP
及びNHPのいずれも、大量の異なるペプチドに対する抗体を含んでいた。天然及び変性
ペプチドの両方に対する抗体が同定された。通常、MDA変性ペプチドに対する抗体力価
は、対応する天然型ペプチドのものより高いか等しい。天然型、MDA変性、銅酸化ペプ
チドを比較すると、高い相関度を示し、MDA変性ペプチドを用いた場合にもっとも高い
抗体力価が検出された。リポソームに組み込まれたペプチドを使用すると、抗体レベルは
増加しなかった。IgMサブクラスの抗体は、IgGサブタイプの抗体に比べてはるかに
一般的である。
最も高い抗体レベルが検出されたペプチドは、一般的な特性により6グループに分ける
ことができた(表1):
(A)MDA変性ペプチドに対する高レベルのIgG抗体(n=3)
(B)高レベルのIgM抗体であるが、天然型及びMDA変性ペプチドに差はなかった(
n=9)
(C)高レベルのIgG抗体であるが、天然型及びMDA変性ペプチドに差はなかった(
n=2)
(D)MDA変性ペプチドに対する高レベルのIgG抗体、AHP−プールに比べて、N
HP−プールにおいて少なくとも2倍高い(n=5)
(E)MDA変性ペプチドに対する高いレベルのIgM抗体、AHP−プールに比べて、
NHP−プールにおいて少なくとも2倍高い(n=11)
(F)高レベルのIgG抗体であるが、無傷の及びMDA変性ペプチドの差はなく、AH
Pプール中の抗体はNHPプールと比較して少なくとも2倍である(n=7)
(G)IgGまたはIgM抗体がない
表1
A. 高レベルIgG、MDA−差
P 11. FLDTVYGNCSTHFTVKTRKG
P 25. PQCSTHILQWLKRVHANPLL
P 74. VISIPRLQAEARSEILAHWS

B. 高レベルIgM、 MDA−差なし
P 40. KLVKEALKESQLPTVMDFRK
P 68. LKFVTQAEGAKQTEATMTFK
P 94. DGSLRHKFLDSNIKFSHVEK
P 99. KGTYGLSCQRDPNTGRLNGE
P 100. RLNGESNLRFNSSYLQGTNQ
P 102. SLTSTSDLQSGIIKNTASLK
P 103. TASLKYENYELTLKSDTNGK
P 105. DMTFSKQNALLRSEYQADYE
P 177. MKVKIIRTIDQMQNSELQWP

C. 高レベルIgG、 MDA 差なし
P 143. IALDDAKINFNEKLSQLQTY
P 210. KTTKQSFDLSVKAQYKKNKH

D. NHS/AHP、 IgG−ak > 2、 MDA−差
P 1. EEEMLENVSLVCPKDATRFK
P 129. GSTSHHLVSRKSISAALEHK
P 148. IENIDFNKSGSSTASWIQNV
P 162. IREVTQRLNGEIQALELPQK
P 252. EVDVLTKYSQPEDSLIPFFE

E. NHS/AHP、 IgM−ak > 2、 MDA−差
P 301. HTFLIYITELLKKLQSTTVM
P 30. LLDIANYLMEQIQDDCTGDE
P 31. CTGDEDYTYKIKRVIGNMGQ
P 32. GNMGQTMEQLTPELKSSILK
P 33. SSILKCVQSTKPSLMIQKAA
P 34. IQKAAIQALRKMEPKDKDQE
P 100. RLNGESNLRFNSSYLQGTNQ
P 107. SLNSHGLELNADILGTDKIN
P 149. WIQNVDTKYQIRIQIQEKLQ
P 169. TYISDWWTLAAKNLTDFAEQ
P 236. EATLQRIYSLWEHSTKNHLQ

F. NHS/AHP、 IgG−ak < 0.5、 MDA−差なし
P 10. ALLVPPETEEAKQVLFLDTV
P 45. IEIGLEGKGFEPTLEALFGK
P 111. SGASMKLTTNGRFREHNAKF
P 154. NLIGDFEVAEKINAFRAKVH
P 199. GHSVLTAKGMALFGEGKAEF
P 222. FKSSVITLNTNAELFNQSDI
P 240. FPDLGQEVALNANTKNQKIR

G.
P 2. ATRFKHLRKYTYNYQAQSSS
これらの38のペプチド配列の全ては、アテローム動脈硬化症及び虚血性心疾患の進展
に重要な役割を果たす免疫応答の標的を表す。従って、これらのペプチドは、アポリポプ
ロテインBにおけるMDA変性アミノ酸の定められた配列に対する抗体レベルと心疾患の
進展のリスクとの関連を決定するELISAの開発に使用され得る。
これらのペプチドは、酸化LDLで免疫した実験動物に見られる保護免疫の可能なメデ
ィエータをも表し、アテローム動脈硬化症に対する免疫療法またはワクチンのさらなる開
発における試験のために使用され得る。
このように、ヒトアポリポプロテインBにおける38の異なる配列が、ヒトにおいて免
疫応答を著しく上昇させることが確認された。これらのエピトープは、酸化LDLに対す
る抗体としてあらかじめ記載されたものを表すと考えられる。殆どの免疫応答は、ペプチ
ド配列を指向し、アポリポプロテインBはLDLにおける唯一のタンパク質であるので、
このプロジェクトで用いられる試みは、酸化LDL粒に対する本質的に全ての抗体につい
ての特異的なエピトープを同定することができるであろう。カルジオリピンに対する抗体
を含むリン脂質特異的抗体ファミリーが酸化LDLと反応するが、これらの抗体の特異性
及び役割は完全に特徴的であり続けることが記載されている。
多くの場合、MDA変性ペプチドに対する抗体力価は、対応する天然型ペプチドのもの
より高い。MDA変性ペプチドに対する抗体が検出された場合、それはほぼ常に天然型配
列に対する抗体の存在と関連する。これに対する説明としては、アポリポプロテインBに
おいてMDA変性アミノ酸(LDL酸化の結果生じるMDA変性)に対する免疫応答が天
然型の配列に対する許容性の破壊を導くことが考えられる。他の配列については、MDA
変性と天然型配列に対する抗体力価に差はない。これは、免疫応答が天然型配列に対する
ものを指向していることを提案する。免疫系に通常さらされているタンパク質のアミノ酸
配列に対する免疫応答はない。天然型LDL粒において、アポリポプロテインBの大部分
はLDLのリン脂質層に隠れているので、免疫系にアクセスできない。LDLの酸化の間
に、アポリポプロテインBのアミノ酸鎖は断片化され、三次元構造に変化が生じる。これ
により、通常は免疫応答にアクセス不可能なペプチド配列が露出し、これらの配列に対す
る抗体が生成すると考えられ、これが天然型のアポリポプロテインBに対する抗体の存在
が見られることを説明するであろう。さもなければ、真の免疫応答は、MDA変性配列に
対するものであるが、天然型の配列と交差反応性を有し、結合に差がないほど大きいこと
が示されるであろう。
表2
78人の被験者(後天的に進展した心筋梗塞、26の健常対照群(healthy controls)
及び26の疾病はないが高リスクの個体)における異なるペプチドと内膜/中膜の厚さと
して評価した頸動脈におけるアテローム動脈硬化症との相関

Figure 0005613890
+,r>0.2<0.3,p=<0.05;++,r>0.3<0.4,p=0.01;
+++,r>0.4,p=<0.001,灰色,心筋梗塞に罹患した群で顕著に増加した
ペプチド抗体レベル
酸化LDL中の特定のエピトープに対する免疫反応と心疾患の進展の存在及び/または
危険性との関係を調べるために、これらのペプチド(天然型またはMDA変性型)に基づ
いたELISAを使用し得る可能性を、予備的研究として調べた。この研究は、マルモ
ダイエット キャンサー スタディ(Malmo Diet Cancer study)(人口ベースの研究)
に参加した被験者について行われ、1989年と1993年の間に30,000以上の個
体を募集した。表1に列挙した38のペプチドのうちの24のペプチドに対する抗体レベ
ルを、継続期間に急性心筋梗塞が進展した26人の被験者、年齢、性及び喫煙の有無を合
わせた26の健常者対照群の基線の血漿サンプルについて調べた。年齢、性及び喫煙の有
無を合わせた、LDLコレステロール値が5.0 mmol/l以上の群も、心疾患が進
展していない高リスクグループ中の抗体レベルを研究するために含めた。
分析された24のペプチドのうちの19のペプチドについては、MDA変性ペプチドに
対するIgM抗体レベルと、総頚動脈の超音波調査によって評価されるような頚動脈(内
膜/中膜厚さ)中のアテローム性動脈硬化症の程度の間に著しい相関性が確認された。即
ち、より高い抗体レベルはより増大したアテローム性動脈硬化症となる(表2)。これら
のペプチドの多くに、天然のペプチドに対する抗体のレベルと頚動脈の内膜/中膜厚さと
の著しい相関性が存在した。4つのペプチドだけが、IgG抗体と頚動脈の内膜/中膜厚
さとの著しい相関性を示した。これらの観察は、アテローム性動脈硬化症が進展した患者
の確認に、MDA変性ペプチド(単独で、あるいは組み合わせて)を使用するELISA
を使用し得ることを示唆する。
試験したペプチドのうちの4つは、アテローム性動脈硬化症が進展した存在に関連する
だけでなく、その後心筋梗塞を罹患した患者群においても著しく上昇した(表2)。これ
らのペプチドのうちの1つ(ペプチド240)のデータを図7に示す。これらの観察は、
さらに、ペプチドベースのELISAが心筋梗塞が進展する危険が増加している患者を確
認するのにも使用し得ることを示す。
また、後に心筋梗塞に罹患した群においても、天然型のペプチド103、162及び1
99、及びMDA変性ペプチド102に対するIgG抗体レベルの著しい増加があった。
しかしながら、これらのペプチドに対するIgG抗体は、頚動脈中のアテローム性動脈硬
化症の存在にはそれほど関係していなかった。
特に興味深い観察は、健常者対照群及び高リスクグループ(5.0 mmol/lより
高いLDLコレステロール)において、心筋梗塞が進展したグループよりも著しく高いレ
ベルのIgM抗体が存在したMDA変性ペプチド210に対する抗体に見られた。従って
、MDA変性ペプチド210に対する抗体は、心疾患が進展する危険性が減少した個体の
ためのマーカーを表わし得る。
天然型及びMDA変性アポB−100ペプチド配列による免疫感作が実験動物にアテロ
ーム性動脈硬化症の抑制をもたらすことが示された(ノーディン フレドリクソン(Nord
in Fredrikson)、(ソダーバーグ他)(Soderberg et al)、シュー他(Chyu et al))
。これらのアテロームの防御免疫応答が作動するメカニズムはまだ完全には解明されてい
ない。しかしながら、考えられる可能性は、これらのペプチド配列に対して生成された抗
体によってアテロームの保護効果が媒介されるということである。これらの抗体は、例え
ばマクロファージFc受容体による酸化的に損傷したLDL粒子の除去を促進するであろ
う。
マクロファージスカベンジャー受容体は、広範囲の酸化的損傷を伴うLDLのみを認識
する。最近の研究により、循環する酸化LDLの存在が確認された(10,11)。これ
らの粒子は、最小の酸化的損傷のみを有しており、スカベンジャー受容体によって認識さ
れない。循環する酸化LDL粒子への抗体の結合は、それらが血管組織に蓄積する前に、
循環からそれらが取り除かれるのを助ける(12)。
いくつかの研究は、アテローム性動脈硬化症からの保護における抗体用の役割を支持し
た。B細胞の再構成は、脾臓が摘出されたアポ E nullマウス(13)におけるア
テローム性動脈硬化症の進展及びRAG−1マウスにおける頚動脈の傷の後の新内膜形成
を抑制した(我々の研究所からの出版されていない観察)。さらに、免疫グロブリンを繰
り返し注射することによりアポ E nullマウス中のアテローム性動脈硬化症が縮小
されることが示された(6)。
上記で論じたように、アポB−100の中のMDA変性ペプチド配列に対する抗体は、
合成ペプチドを用いた能動免疫感作により生じ得る。この方法は、抗体産生の完全な効果
が得られるまでに、2〜3週間を要する。
いくつかの状況においては、より迅速な効果が必要であり得る。一例として、酸化LD
Lが炎症に寄与している不安定なアテローム性動脈硬化のプラークが挙げられる。これら
の状況下では、天然型及びMDA変性配列に対する精製された、または遺伝子組み換えに
より生産された抗体の注入による受動免疫法が、より速い効果を奏し得る。
精製された、または遺伝子組み換えにより生産された抗体の注入による受動免疫法が有
効である別の状況として、高齢の個体における冠動脈疾患が挙げられる。我々の研究によ
り、人が高齢となるに従ってアポ Bペプチド配列に対する抗体の減少が生じ、これが酸
化LDLの血漿レベルの増加に関係していることが示された(ノーディン フレドリクソ
ン、ヘドラブ他(Hedblad et al))。このことは、酸化LDLにおいて、抗原に対する
抗体産生を担う免疫細胞の老化を示唆し得る。また、循環からの酸化的に損傷したLDL
粒子の不完全なクリアランスに帰するかもしれない。従って、これらの患者は、アポ B
−100ペプチド配列による能動免疫法からよりも、精製された、または遺伝子組み換え
により生産された抗体の注入による受動免疫法により、さらに利益を受け得る。
下記で使用される合成の天然型ペプチド(ユーロ−ダイアグノスティカ アクチボラゲ
ット(Euro-Diagnostica AB)、マルモ(Malmo)、スウェーデン)は、最初にスクリーニ
ングされたポリペプチドライブラリーからのペプチド1、2及び301であった。ペプチ
ド1(アミノ酸配列: EEEMLENVSLVCPKDATRFK、n=10)及びペ
プチド301(アミノ酸配列: HTFLIYITELLKKLQSTTVM、n=10
)は、各々天然型ペプチドよりも、MDA変性ペプチドに対する高いIgGまたはIgM
抗体応答を有することが見出された。また、両方の力価は健常者において、より高い値で
あった。これらのペプチドは、これらのペプチドに対する抗体反応がアテローム性動脈硬
化症に対して保護するかもしれないという仮定に基づいて選択された。
ペプチド2(アミノ酸配列: ATRFKHLRKYTYNYQAQSSS、n=10
)は、初期の抗体スクリーニングにおいて抗体反応を誘起しなかったので、コントロール
ペプチドとして選択された。ミョウバンを投与したマウスをコントロール(n=9)に供
した。
アポ E(−/−)マウスに、6−7週齢で皮下に一次免疫を受けさせ、3週間後に腹
腔内ブースターを行った。マウスに、免疫感作の開始からの高コレステロール食を与え、
25週齢で屠殺するまで継続した。屠殺時に、4グループのマウス中の体重に著しい違い
はなかった。また、市販のキット(シグマ)を使用して測定された血清コレステロールに
統計的な有意差はなかった。それらの平均血清コレステロール値はすべて715mg/d
lより高かった。
アテローム性動脈硬化のプラークによって覆われた下行大動脈の領域をオイルレッドO
染色の後のen face調製で測定した。コントロール群と比較すると、ペプチド番号
2及び301で免疫したマウスにおいては、アテローム性動脈硬化の病巣が実質的に減少
した(図2)。ペプチド番号1による免疫感作は、コントロール群と比較して、アテロー
ム性動脈硬化症の顕著な減少を生じなかった。下行大動脈とは対照的に、大動脈根中のア
テローム性動脈硬化症の病巣は4つの実験群で異なることはなかった(図3)。
大動脈洞プラークの大きさあるいはその脂質含量については、4つのグループで差はな
かった(表A)。4グループのマウスにおいて、大動脈弓中の平均プラークサイズに違い
はなかった。しかしながら、オイルレッドO染色による胸部及び腹部の下行大動脈のプラ
ークサイズのen face評価は、コントロールグループとペプチド番号1のグループ
が大動脈に同様の量のアテローム性動脈硬化のプラークを有するのに対し、ペプチド番号
2及び9のグループが大動脈に著しく縮小されたアテローム性動脈硬化の病巣を有してい
ることを明らかにした(表A)。ペプチド免疫感作は大動脈洞あるいは大動脈弓のプラー
クサイズに影響しなかったが、下行大動脈のプラークを縮小したという観察は興味深く、
ペプチド免疫感作が新しいプラーク形成を縮小するかもしれないがプラークの進行に影響
しないことを示唆する。
さらに、ペプチド免疫がアテローム性動脈硬化のプラークの表現型を調整するかどうか
試験した。凍結切片の形態の大動脈洞プラークを単球/マクロファージ抗体(MOMA−
2、セロテック(Serotec))で免疫組織化学的に染色した。
en face観察による発見と一致して、ペプチド番号2は、マクロファージの浸潤
を実質的に減少させた(図1)。三色染色により、ペプチド番号2のグループからの大動
脈洞プラークにおいて、平均40.0±7.7%のコラーゲン含量が明らかになった;ミ
ョウバンコントロールグループ、ペプチド番号1番のグループ、ペプチド番号9のグルー
プの平均コラーゲン含量は、それぞれ32.3±5.3%、35.6±8.5%及び29
.4±9.6%であった。
各グループにおいて免疫感作したペプチドに対する抗体反応が測定された。免疫感作後
の抗体価はペプチド番号1の群で6.1±3.1倍、ペプチド番号2のグループで2.4
±1.0倍、ペプチド番号9のグループで1.8±0.6倍であったのに対し、ミョウバ
ングループはペプチド番号1に対して3.9±2.7倍の増加、ペプチド番号2に対し2
.0±0.5倍の増加、ペプチド番号9に対して2.0±0.9倍の増加であった。免疫
グループとミョウバン処理グループの両方で免疫ペプチドに対する抗体価が並列的に増加
したことは驚くべきことである。このことは、下記の可能性を意味するであろう:
(1)体液の免疫応答(細胞の免疫応答のような)以外のメカニズムは、アテローム性動
脈硬化症を調整することに関与し得る;あるいは、(2)この抗体の増加は経時的コレス
テロール過剰血症に対するバイ−ストランダー(by-stander)反応であった。
なぜペプチド免疫感作がアテローム性動脈硬化症を縮小したかを説明し、及び/または
プラーク表現型を調整する明瞭な推定メカニズムはないが、この発明の新規性は免疫原と
してLDLのペプチドを使用すること及び免疫修飾手段としてのその実現可能性の点にあ
る。このペプチドベースの免疫手段はアテローム性動脈硬化のプラークを調節する。抗原
として同族のoxLDLあるいは天然型のLDLを使用した免疫感作により、プラークサ
イズが縮小されることが示されたが1−3、同族のヒトLDLの有用性、生産、感染及び
安全性の点から、このアプローチを臨床に適用するのは魅力に欠ける。我々の最終結果は
、健常者におけるより高いIgMまたはIgG抗体反応を有するペプチドを使用する免疫
感作が、進行したアテローム性動脈硬化のプラークの進展から、実験動物を保護するかも
しれないという我々の初期の仮説と異なるが、ペプチドベースの免疫療法が実現可能であ
ることはここで実証される。
免疫ペプチド番号2を使用する免疫感作が下行大動脈における新しいアテローム性動脈
硬化症の進展及びマクロファージ潜入の減少及びプラーク中のより高いコラーゲン含有量
から動物を保護したことを見いだしたのは、そのペプチドが初期のヒトスクリーニングで
はなんの抗体応答をも与えなかったので、驚くべきことである。これは、(a)ペプチド
番号2がヒトの免疫系に露出されていないアポ−B−100蛋白質構造の一部であるから
かもしれない。従って、抗体は健康なヒトの血清プールから生成されず検知されなかった
;(b)また、それはペプチド番号2のアミノ酸配列が、マウスにとっては外来であり、
マウスは、新しいアテローム性動脈硬化症の形成を調整するこのペプチド及びその表現形
に対する免疫応答を進展させないためであるとも考えられる。
プラークサイズが大動脈枝の異なる部分で評価される場合、プラークサイズに対する同
族のLDL免疫の効果が変動した。例えば、アメリ他(Ameli et al)は、高コレステロ
ール血症のウサギにおいて、天然型のLDLによる免疫感作により大動脈のプラーク形成
が縮小されることを示し、フレイギャング(Freigang et al)は、プラークサイズの縮
小を大動脈ではなく大動脈洞で示した。彼らの発見と本発明の発見を合わせると、ペプチ
ド免疫がプラークサイズだけでなくプラークの組成をも調整することが推測された。プラ
ークを縮小する効果は、下行大動脈でのみ観察された。アポ E(−/−)マウスは単一
の動物の中の発展の様々な段階で、特に高コレステロール食を供給された時、アテローム
性動脈硬化症を進展させることが知られている。若い動物におけるアテローム性動脈硬化
症の初期の外観は大動脈洞にあり6,7、また15週後の高脂、高コレステロール食によ
る大動脈洞の疾病は進行したプラークであった。これに対し、アテローム性動脈硬化症の
初期段階は下行大動脈にあった。下行大動脈中のプラーク成熟及び進展の一時的な進行
が、大動脈洞のそれと比べて遅いので、免疫感作が下行大動脈中の疾病の大きさを縮小し
たが、大動脈洞中の疾病はしないという発見は、免疫感作がアテローム性動脈硬化症組成
の初期の段階に影響することを示唆する。高齢の、そして血清コレステロールの値が超生
理学的である動物は、コレステロール過剰血の悪影響によって免疫感作のプラーク縮小効
果が打ち消される可能性がある。さらに、大動脈洞プラークが早く成熟し、25週齢で屠
殺された場合、プラークサイズになんらかの差異を検出するには遅すぎる。病巣の大きさ
は大動脈洞プラーク中では調整されないが、ペプチド免疫感作によりプラークの組成は調
整された。本発明の実験計画は、下行大動脈の進展の初期の段階のプラークの組成を検討
することを妨げた。
実験結果は、アテローム性動脈硬化症を防ぐ新規なアプローチのための、あるいは重篤
な高脂血症の場合でも順調にプラーク表現型を調整するための免疫源として、LDL関連
アポ B−100のペプチド配列を使用する実現可能性を強調する。このペプチドベース
の免疫感作の手法は、同族のLDLの絶縁及び単離及び調製の必要性及びそれに付随する
汚染の危険性を排除できるので、抗原として同族のoxLDLまたは天然型LDLを使用
するよりも有利である。ペプチド番号2及び301による免疫感作のプラーク縮小効果は
、下行大動脈でのみ見られた。これらの発見は、他の治療の介在も大動脈弓よりも下行大
動脈で高い効果を示すという過去の報告とも矛盾せず、おそらく疾病が下行大動脈より大
動脈の根及び大動脈弓でより急速に進展するので14〜17、介在14、15、16、1
8、19のためのより小さな機会を作り出すと考えられる。下行大動脈中のプラーク成熟
及び進展の一時的な進行が、大動脈洞及び大動脈弓でのそれと比べて遅いので、免疫感作
が下行大動脈中で病巣サイズを縮小するが、大動脈洞中及び大動脈弓ではしないという発
見は、免疫感作がアテローム性動脈硬化症組成の初期の段階を優先的に防ぐことを示唆す
る。高齢の、そして血清コレステロールの値が超生理学的である動物は、コレステロール
過剰血の悪影響によって免疫感作のプラーク縮小効果が打ち消される可能性がある。病巣
サイズは大動脈洞か大動脈弓で調整されなかったが、ペプチド番号2による免疫感作は、
縮小されたマクロファージ浸潤及び増加したコラーゲン量の、より安定したプラーク表現
型を生じさせる好ましい方向にプラークの組成を調整しなかった。要約すると、マウスモ
デル中のアテローム性動脈硬化症の抑制のための新規なペプチドベースの免疫調節アプロ
ーチが実証される。
要約すると、新規なペプチドベースの免疫調節アプローチが、アテローム性動脈硬化の
プラークを調整することが実証される。我々のモデル中のアテローム性動脈硬化症組成の
変化は中程度でしかなかったが、このペプチドベースの免疫感作はアテローム性動脈硬化
症の研究、予防または治療において、代替ツールを提供し得る。
方法
ペプチドの調製
ペプチドは、イムジェクト(Imject)(登録商標)スーパーキャリヤ(SuperCarrier)
(登録商標)EDCキット(ピアース、ロックフォード、イリノイ)を用い、製造者の指
示に従い、小さな変更を加えて製造した。結合バッファー500μl中のペプチド1gを
200μlの脱イオン水中の2mgの担体と混合した。その後、この混合物を1mgの結
合試薬(EDC,1−エチル−3−[3−ジメチルアミノプロピル]カルボジイミドHC
l)と共に室温で2時間インキュベートした。その後、0.083Mリン酸ナトリウム、
0.9Mの塩化ナトリウムpH7.2溶液で4℃で一晩透析した。この透析結合物を、I
mject乾燥配合生成バッファーで希釈し、最終容量を1.5mlとした。免疫アジュ
バントとしてミョウバンを用い、容量比1:1でペプチド結合物と混合した。各免疫感作
におけるペプチドの量は、注射一回あたり33μg/100μlであった。
動物プロトコル
ジャクソン ラボラトリーズ(Jackson Laboratories)(バー ハーバー(Bar Habor
)、メイン(Me))からのアポE(−/−)マウスに、6〜7週齢で皮下投与による第一回
の免疫感作を行い、続いて3週後に腹腔内ブースターを行った。免疫感作開始時からマウ
スに高コレステロール食を与え、25週齢で屠殺するまで続けた。2週間後、屠殺時に血
液サンプルを集めた。ミョウバンを投与したマウスをコントロールとした。実験プロトコ
ルは、セダーズ−シナイ メディカル センターの動物管理使用委員会(Institutional
Animal Care and Use Committee)に認可された。全てのマウスを米国認定動物管理研究
所(American Association of Accreditation of Laboratories Animal Care)に委託し
た動物施設内に入れ、12時間の昼夜サイクルで飼育し、水及び餌を制限せずに与えた。
屠殺時にマウスにエンフルレンの吸入による麻酔をかけた。屠殺前に血漿をレトロオービ
タルブリード(retro-orbital bleeding)により採取した。
組織採取及び分割
アテローム動脈硬化の形成に対するペプチド免疫感作の効果を評価するために、大動脈
洞、大動脈弓及び下行胸部及び腹部大動脈のプラークの大きさを評価した。心臓及び大動
脈枝(tree)に生理学的な圧力で規定の食塩水をかけた後、心臓及び近位の大動脈を取り
出し、OCT化合物(ティシュー−テック(Tissue-Tek))に埋め込み、冷凍した。連続
的な6μmの厚切片を少なくとも2つの大動脈弁の外観から集め、大動脈洞プラーク評価
用の大動脈弁の一片を消失させた。典型的には、連続する3つの切片が1枚のスライド上
に置き、合計25−30枚のスライドを一匹のマウスから集めた。また、スライド五枚目
毎に染色のためにグループ分けした。また、左鎮骨下動脈までの上行大動脈及び大動脈弓
も同様に切片にし、処理した。胸部及び腹部の下行大動脈を、オイルレッドO染色の後に
プラークの組成のen face評価のために別々に処理した。
胸部及び腹部下行大動脈のen face調製物
8g/mlの水中濃度の鶏卵アルブミン(シグマ)を、グリセリンと1:1で混合した
。アジ化ナトリウムを添加し、アジ化ナトリウムの最終濃度を0.2%とした。胸部及び
腹部の大動脈から周辺の組織及び脂肪を除去して清浄にした後、左側の腎臓部の動脈から
鎮骨下動脈までの大動脈切片を、ヒストチョイス(Histochoice)(アムレスコ(Amresco
))内で一晩定着させるために注意深く除去した。その後、大動脈は注意深く縦に開き、
卵アルブミン溶液新たに被覆されたスライド上にルミナールと共にサイドアップで置いた
。アルブミン溶液が乾燥したら、大動脈をオイルレッドOで染色し、コンピューター補助
組織学でアテローム性動脈硬化症の範囲を評価した。
免疫組織化学と組織学
大動脈洞からの切片を、標準のプロトコルを使用して、MOMA−2抗体(セロテック
)で免疫組織化学的に染色した。コラーゲンの量及びプラークの大きさ及び脂質含有量に
ついてのオイルレッドO染色を評価するためのトリクロム染色を、標準の染色プロトコル
を用いて行った。コンピューター補助形態分析を、前記のように組織構造を評価するため
に行った
抗体力価測定
ペプチド免疫感作の後の抗体応答を測定するために、ELISAを開発した。免疫化した
ペプチドに対する抗体力価を、ブースターの2週間後、屠殺時に集めた血液を使用して測
定した。3つのペプチドに対する抗体応答を、同じタイミングのミョウバングループにお
いて測定した。PBS pH 7.4(20μg/ml)で希釈した天然型の合成ペプチ
ドを、マイクロタイタープレートウェル(ヌンク マキシソープ、ヌンク、ロスキルド、
デンマーク)に吸着させ、4℃で一晩インキュベートした。0.050%のTween−
20を含有するPBSで洗浄した後、コーティングしたプレートを、TBS中のスーパー
ブロック(ピアース)で室温で5分間ブロックし、その後、室温で2時間、TBS−0.
05%Tween−20(TBS−T)中、1/50に希釈したマウス血清を室温で2時
間、その後4℃で一晩インキュベートした。すすいだ後、ペプチドを指向する抗体の付着
物を、TBS−Tの中で適切に薄められた、該ペプチドを指向する抗体の付着物を、TB
S−Tで適切に希釈したビオチニル化ウサギ抗マウスIg抗体(ダコ エイ/エス(Dako
A/S),グロストラップ(Glostrup)、デンマーク)を使用して検出した。さらに2時間
インキュベートした後、該プレートを洗浄し、結合したビオチニル化抗体をアルカリフォ
スファターゼ結合ストレプトアビジン(シグマ)によって検出し、室温で2時間でインキ
ュベートした。ホスファターゼ基質キット(ピアース)を用いて着色反応を展開した。4
05nmにおける吸光度を、室温で1時間のインキュベートの後に測定した。バックグラ
ンドを差し引いた後、平均値を計算した。
当然ながら、他のアッセーモデル、例えば、放射性免疫測定のような抗体を検出するイ
ムノアッセー、ウェスタンブロッティング及びサザンブロッティング、並びにペプチドに
結合した抗体の検出、酵素電極、及び他の分析方法も同様に利用できる。
統計
データは平均値±Std.として示される。使用される統計方法は、本文、表または図
に挙げた。P<0.05の時、統計的に有意であるとした。
表A 大動脈洞のプラークサイズ及びその脂質含有量、大動脈弓プラークサイズ及び下
行大動脈中のプラークの比率
Figure 0005613890
*ミョウバングループとの有意差。統計分析にはANOVA、続いてターキー−クラマ
ー(Tukey-Kramer)試験を使用した。
アポEノックアウトマウスのアテローム性動脈硬化症におけるアポリポプロテインB−
100ペプチド配列の免疫感作の効果のデータを表Bに示す。
表B
アポEノックアウトマウスにおけるアテローム性動脈硬化症のアポリポプロテインB−1
00ペプチド配列による免疫感作の効果
複数のペプチド配列の混合物を用いた免疫感作

大動脈におけるアテローム性動脈硬化症に対する効果
1. ペプチド配列 143 及び210 −64.6%
2. ペプチド配列 11, 25 及び74 −59.6%
3. ペプチド配列 129, 148 及び167 −56.8%
4. ペプチド配列 99, 100, 102, 103 及び105 −40.1%
5. ペプチド配列 30, 31, 32, 33 及び34 +6.6%
6. ペプチド配列 10, 45, 154, 199 及び240 +17.8%
単一ペプチド配列を用いた免疫感作

1. ペプチド配列 2 −67.7%
2. ペプチド配列 210 −57.9%
3. ペプチド配列 301 −55.2%
4. ペプチド配列 45 −47.4%
5. ペプチド配列 74 −31.0%
6. ペプチド配列 1 −15.4%
7. ペプチド配列 240 0%
ペプチドの投与は、通常、皮下注射、静脈注射、筋肉注射あるいは腹腔内注射のような
注射によって行われる。第一の免疫の投与量は、体重、年齢及び他の身体的医学的条件に
依存して、患者一人当たり1〜100mgであり得る。特別な状況下では、1種類または
それ以上のペプチドを含有する溶液をカテーテルによって冠状動脈の血管に局所投与する
ことも可能である。血流への吸収を可能にするには認めるために特別の注意を払わなけれ
ばならないが、経口投与も同様に考慮され得る。注射剤は、本発明の断片またはペプチド
の一種類またはそれ以上を0.5〜99.5重量%を含有し得る。
ペプチドは通常、陽イオン化したウシ血清アルブミンに結合して、またアジュバントと
して水酸化アルミニウムを使用して投与される。当該分野で知られている他のアジュバン
トも同様に使用することができる。
ペプチドの投与のための溶液はEDTAまたは酸化防止剤を含まない。
ペプチドは、アテローム性動脈硬化症に既に罹患している患者に治療剤として使用されて
もよい。従って、本発明の断片またはペプチドの一種類またはそれ以上を加えるために、
いかなる適切な投与経路を使用してもよい。
初期の研究は、ペプチドのどのタイプの酸化変性がヒトの血漿中で抗体によって認識さ
れるに至るかを決定することに焦点を絞っていた。これらの研究は、ペプチド1−5及び
297−302を使用して行われた。LDLの酸化中に、リン脂質及びコレステロールエ
ステル中のポリ不飽和脂肪酸は、悪玉アルデヒド(MDA)のような高度に反応性のブレ
ークダウン生成物の生成にいたる過酸化を進行させる。その後、MDAは、それらを高度
に免疫原性にするアポ B−100の中のリジン及びヒスチジン残基との共有結合付加物
を形成し得る。LDLの酸化は、さらに、免疫系には通常アクセス可能でないペプチド配
列を露呈させるアポ B−100の分割に至る。天然型のペプチドが使用された実験にお
いて、MDA変性の後、あるいはリン脂質リポソーム中への進入及びそれに続く銅の酸化
またはMDA変性の後、IgM抗体が、天然型のMDA及びリポソーム酸化ペプチドに対
して同定され、抗体力価はMDA−ペプチド>MDA変性リポソームペプチド>リポソー
ム酸化ペプチド>天然型ペプチドであった。特異性試験は、MDA変性ペプチドへの抗体
の結合が、MDA−LDLと銅酸化LDLの両方と競合することを示した。
その後、我々は、健常者対照群由来のプールされた血漿、及び抗原として、天然型及び
MDA変性ペプチドを用いて、完全なペプチドライブラリーのスクリーニングを行った。
アポ B−100中の多く部位に対する抗体が同定された。バックグラウンドコントロー
ルの吸光度の2倍を陽性力価として切り落とし、完全なアポ B−100配列を構成する
302個のペプチドのうちの102個に対する抗体を検出した。IgM結合は、IgG結
合より本質的に豊富であった。一般に、結合はMDA変性ペプチド配列の方が対応する天
然型ペプチド配列よりも高かったが、両者には著しい相関性があった。天然型及びMDA
変性配列の両方への結合は、MDA変性LDL及び銅酸化LDLの添加により競合するが
、天然型のLDLによってはされない。これらの観察は、アポB−100中のMDA変性
ペプチド配列に対する免疫応答が、天然型の配列に対して交差反応性となることを示唆す
る。天然型のLDLが天然型のアポ B−100ペプチド配列に結合する抗体に競合でき
ないことは興味深いことであるが、これらの配列は単にLDL酸化の結果生じるアポ B
−100の蛋白質分解の後に露出されるようになることを示し得る。分子の親水性と疎水
性の部分のいずれも抗体により認識された。アポ B−100ペプチドライブラリーの第
二のスクリーニングは、冠動脈疾患(CHD、急性心筋梗塞(AMI)及び不安定狭心症
; n=10)の臨床上の兆候のある患者からのプールされた血漿を使用して行われた。
プールされたCHD血漿中の抗体は同じ配列に結合し、健常者対照群血漿中の抗体と全く
同じ分布であった。しかしながら、CHDの患者からの血漿と比較し、コントロールの血
漿ではいくつかのペプチド(#1、30〜34、100、107、148、149、16
2、169、236、252及び301)の抗体力価は少なくとも2倍高く、少数のペプ
チド(#10、45、111、154、199、222及び240)に対する力価はコン
トロールと比較して、CHD患者からの血漿において高かった。その後、我々は、アポB
−100中のMDA変性ペプチド配列に対する抗体レベルがCHDの進展の危険性を予測
するかどうか調査する予想臨床研究を実施した。我々は、枝分かれケースコントロールデ
ザイン(nested case control design)を用いて、冠動脈疾患(CHDによる、AMIあ
るいは死)を有する78人の患者及びマルモ ダイエット キャンサー スタディからの
149人のコントロールを選択した。症例にもコントロール個体にもMIまたは脳卒中の
病歴はなかった。封入から急性冠動脈疾患の平均期間は2.8年(0.1〜5.9年の範
囲)であった。抗体レベルを酸化防止剤を補充した基線血漿サンプル中で測定した。基線
における超音波検査法によって評価される頚動脈の内膜−中膜厚さ(IMT)を用いて、
我々はさらに抗体レベルと既存の血管疾病の程度の関連性を調べた。我々は、初期のスク
リーニング研究で、8つのMDA変性ペプチド配列を研究し、高い血漿抗体レベル(74
、102及び210)及び/またはコントロールとCHDの血漿プールの著しい差(32
、45、129、162及び240)を関連づけた。コントロールは、MDAペプチド7
4に対するより高いIgMレベルを有することが見いだされ(0.258、範囲0〜1.
123の吸光度単位対0.178、範囲0〜0.732の吸光度単位、p<0.05)、
さもなければ症例とコントロールの間の抗体レベルの差はなかった。MDAペプチド10
2、129及び162(それぞれr=0.233、0.232及び0.234、p<0.
05)に対する、IMTとIgMの間の関連が症例において見られ、IMTとMDAペプ
チド45(r=0.18、p<0.05)との関連がコントロールにおいて見られた。M
DAペプチド129の抗体と総及びLDLコレステロール(r=0.19及びr=0.1
9、p<0.01)間で弱い相関性が見られた。さもなければ、ペプチド抗体レベルは、
総血漿コレステロール、LDLコレステロール、HDLコレステロールあるいは血漿トリ
グリセリドと何の関連も示さなかった。異なるペプチドに対する抗体のレベルに強い共変
動(r値の範囲0.6〜0.9)があった。唯一の例外は、他のペプチドに対する抗体に
関連して、弱いか全くなかったMDAペプチド74に対する抗体であった。
MDAペプチド74以外のすべての配列に対する抗体は、症例において年齢と逆の相関
を示したが(−0.38〜−0.58の範囲のr値、p<0.010.001)、コント
ロールではそうではなかった。酸化LDLの血漿レベルは対照的に、年齢につれて増加し
た。この関連もコントロールより症例においてより強かった。MDA変性ペプチド配列に
対する免疫応答と心疾患の間の関連が異なる年齢グループにおいて異なっていたかを調査
するために、平均年齢(61才)の上か下かで、症例及びコントロールについてサブグル
ープ分析を実施した。より若い年齢群の症例については、コントロールと比較してペプチ
ド32及び45に対する抗体レベルが上昇し、ペプチド74に対する抗体レベルが減少し
た。しかし、より高齢の年齢グループでは差は見い出されなかった。ペプチド74を除く
すべてのMDAペプチド配列に対する抗体は、より若い年齢グループの中ではIMTに著
しく関連していたが、より高齢のグループでは関連しなかった(表)。
これらの研究により、ヒトの抗体によって認識されるアポ B−100の中の多くのM
DA変性配列が同定された。LDL酸化の結果アポ B−100のMDA変性が生じるこ
とは、これらの抗体が前記の酸化LDL自己抗体のファミリーに属することを示す。この
概念は、MDA変性アポ B−100ペプチドに結合する抗体が酸化LDLの添加により
競合されるという観察によっても支持される。ホーッコ(Horkko)らによって識別された
、酸化したリン脂質と共に、これらのMDA変性ペプチド配列は、酸化LDLの中の大多
数の抗原構造を構成すると考えられる。酸化LDL抗リン脂質抗体と同様に、MDA変性
アポ B−100配列に対する抗体はIgM型であった。これは、さらに、後者の抗体が
T 15天然型抗体のファミリーに属していることを提案し得る。T 15抗体は、初期
の細菌感染に対するT細胞非依存性防御において、またアポトーシス細胞の除去において
重要な役割を果たす。ここに記載したMDAペプチド抗体が同様の機能を有するか調べる
ことが残されている。多くの天然型アポ B−100配列に対する抗体も同定されている
。しかしながら、天然型及びMDA変性された配列の抗体間の共変は、これらの抗体がL
DL酸化に応じて形成されることをも提案する。さらに、MDA変性ペプチド配列が、対
応する天然型の配列と交差反応することも可能である。天然型のアポ B−100配列に
対する抗体がさらに天然型のLDL粒子に結合する場合、これはLDLの代謝にも重要な
影響があると考えられる。しかしながら、天然型のLDLが、天然型のアポ B−100
に結合する抗体と競合しないという発見、及び天然型アポB−100の配列に対する抗体
とLDLコレステロール値に関連がないことは、そのような減少の存在に反する。
MDA変性ペプチド配列に対する抗体は、症例においては年齢とともに次第に減少した
が、コントロールにおいてはそうではなかった。MDAペプチド74を除き、MDAペプ
チドに対するIgM抗体は、より若い年齢グループ(62才未満)では頚動脈のIMTに
関係していたが、より高齢のグループの中ではしていなかった。これらの発見は、50才
と70才の間に、免疫系とアテローム性動脈硬化の血管壁の相互作用の著しい変化がおき
ることを提案する。1つの可能性は、より若い個体では、アテローム性動脈硬化の疾病プ
ロセスが、免疫細胞のより顕著な関与のある、より活発な段階にあるということである。
別の可能性は、より高齢の患者におけるMDA変性ペプチド配列に対する抗体レベルの減
少が、アテローム性動脈硬化症に関与する免疫細胞の老化を反映するということである。
免疫老化(immunosenescence)により免疫細胞の機能が害されることが、高齢者における
伝染及び癌への感受性の増加に寄与することが提案されている。興味深いことに、免疫老
化は酸化のストレスへの関与を示す酸化防止剤によって抑制される。酸化LDLの中のエ
ピトープに相互作用する免疫細胞は酸化ストレスに特に露出されるであろう。酸化LDL
が非常に若い年齢で動脈の中に既にあるので、これらの免疫応答は、数十年間の間連続的
に挑戦されており、これが免疫老化の進展にさらに寄与しているのであろう。
アポ B−100内の2つの部位に対する増加した抗体は、62歳より下の患者の心筋
梗塞及び冠動脈の死のための危険を予言することが見いだされた。これらの部位に対する
抗体は、同じ根本的な病態生理学のプロセスに応じてそれらが生産されたことを提案する
高レベルの共同変化を示した。血液のサンプリングから冠動脈疾患までの平均期間わずか
2.8年であったという事実により、これらの抗体が特に増加したCHDの危険のための
マーカーとして興味深くなる。MDA変性アポ B−100ペプチド配列に対する抗体レ
ベルが高脂血症、高血圧症及び糖尿病のような他のCHD危険因子とは関連を示さなかっ
たことは、これらの抗体がCHDの危険性の独立したマーカーであると示唆する。本発明
の研究におけるCHDの症例はそれほどハイリスクの個体ではなく、この点で一般的なC
HD患者の代表例であった。MDA変性アポ B−100配列に対するIgMにより、確
立している危険因子のスクリーニングによっては高リスクであるとはされなかった個体に
おいて急性冠動脈疾患の進展の短期の危険を予測されるという発見は、それが積極的な予
防治療を必要とする個体を識別する際の有用な器具となることを提案する。しかしながら
、アポ B−100のMDA変性ペプチド配列に対する抗体を決定する臨床値を完全に確
立するには、多変量解析によるかなり大規模の予測研究が必要である。本発明の臨床研究
の別の制限は、我々がアポ B−100の中の少数の抗原部位に対する抗体を分析しただ
けであり、他の部位に対する抗体力価が心血管の危険のよりよいマーカーとなるかもしれ
ないということである。
60才未満の患者においては、アポ B−100中の多くのMDA変性部位が、頚動脈
のIMTによって評価されるような既存の血管疾病の範囲と関連付けられた。IgM抗体
はIgG抗体よりも密接に頚動脈のIMTに関係していた。頚動脈のIMTは一般的なア
テローム性動脈硬化の程度の基準として明白な制限があるが、これらの観察は、アポ B
−100の中のMDA変性配列に対するIgMの測定が存在しているアテローム性動脈硬
化症の程度を評価する方法の一つとなり得ることを提案する。これらの観察は、さらに冠
動脈疾病及び頚動脈疾病と酸化LDLに対するIgM抗体との関連を報告したいくつかの
従来の研究に整合する。
ペプチド74に対する抗体は多くの点において他のアポ B−100ペプチド抗体と異
なっていた。それらは症例よりもコントロールにおいて高く、年齢とともに減少すること
がなく、頚動脈疾患の程度には関連していなかった。従って、このペプチド配列に対する
抗体は、アテロームの保護免疫応答のための興味深い候補を表わす。
重要な疑問は、なぜこれらの関連が生じるかである。それらは、MDA変性アポB−1
00部位に対する免疫応答がいかにアテローム性動脈硬化の疾病プロセスに関係するかを
明白に実証する。高い抗体レベルは、より重篤なアテローム性動脈硬化症及びより増加し
た急性冠状動脈疾患の進展の危険と関連するので、一つの明白な可能性は、これらの免疫
応答がアテローム発生を促進するということである。HSP 65のような熱衝撃蛋白質
に対する免疫応答がアテロームを発生することを実証する研究は、この概念をある程度支
持する。しかしながら、動物実験研究は、酸化LDL免疫のアテロームの保護効果を示し
た。脾臓摘出アポ E NullマウスのB細胞の再構築により、アテローム性動脈硬化
症が減少した。アテローム性動脈硬化症の縮小は、免疫グロブリンを繰り返し注射したア
ポ E nullマウスでも見られた。本発明の観察は、必ずしも、酸化LDLに対する
免疫応答のアテロームの保護役割について論じているのではない。これらの免疫応答は、
LDL酸化のような前アテローム発生のプロセスによって活性化される。従って、それら
は、さらに疾病プロセスの重篤さに比例すると考えられ、疾病進行に寄与することなく、
疾病の重篤さ及びCHDの危険のマーカーとして寄与することができた。二つの関連文献
で報告されたアポ B−100ペプチド配列によるアポ E nullマウスの免疫が、
アテローム性動脈硬化症の進展を抑制するという発見は、症例となると考えられる。確か
に、本発明の研究の最も重要な結果は、アテローム性動脈硬化症に対するワクチンコンポ
ーネントとして使用することができる構造の同定である。年齢により生じるアポ B−1
00の中のMDA変性ペプチド配列に対する抗体の減少には、酸化LDLの血漿レベルの
増加が伴うという認識は、循環からの最小に酸化されたLDLのクリアランスの増加が、
これらの抗体がアテローム性動脈硬化症に対して保護することができるメカニズムの一つ
であることを提案する。
方法
研究人口
研究対象、1926−45の間の、マルモ(Malmo)「ダイエット アンド キャンサ
ー(Diet and Cancer)(MDC)」研究集団に属するボー(borr)。1991年11月
と1994年2月の間のMDC研究に入った人間の任意の50%に、頚動脈の疫学に関す
る研究に参加することを依頼した。健康診断に続いて、動脈疾病、罹患率及び致死率につ
いての情報の確認用ルーチン、並びに伝統的な危険因子の定義が報告された。
急性冠動脈疾患の85の症例、即ち、致命的または非致命的なMIまたは冠動脈疾患(
CHD)による死が確認された。心筋梗塞か脳卒中の病歴を有する参加者(n=6)は、
本発明の研究に参加する資格がない。各症例について、心筋梗塞または脳卒中の病歴のな
いコントロール2名を、年齢、性別、喫煙習慣、高血圧症の存在、スクリーニング試験へ
の参加月数及び継続期間を個々に合わせて用いた。ロジスティックの理由(血液サンプル
はペプチドの評価に十分な量で利用することはできなかった)により、7つの症例につい
ては1名のコントロールのみが利用可能であり、1つの症例にはコントロールがなかった
。この症例は分析から除外された。従って、研究人口は、227人の患者、78の症例及
び149のコントロールからなり、基線において年齢は49−67才(平均61才)であ
った。
研究所分析
一晩絶食した血液サンプルを、総コレステロール、トリグリセリド、HDLコレステロ
ール、LDLコレステロール及び全血グルコースの血清値の測定のために採取した。LD
Lコレステロールは、フライドウォルド(Friedewald)式によりmmol/Lに計算した
。酸化LDLは、ELISA(マーコーディア(Mercordia))によって測定した。Bモ
ード超音波バスキュログラフィー(vasculography)MHZ変換器を備えたアキューソン
128コンピュータ断層撮影法システム(アキューソン(Acuson)、マウンテンビュー(
Mountain View)、カリフォルニア)を、前記のような右頚動脈の中で頚動脈プラークの
評価に使用した。
アポB100ペプチド配列に対するELISAの開発
全ヒトアポリポプロテインBアミノ酸配列に相当する302個のペプチドを合成し(ユ
ーロ−ダイアグノスティカ アクチボラゲット、マルモ、 スウェーデン及びケイアイ
ロス ペターソン エイエス、ホーホルム、デンマーク)、ELISAで使用した。各合
成ペプチドのフラクションを0.5MのMDA(シグマ−アルドリッチ スウェーデン
アクチボラゲット、ストックホルム、スウェーデン)、0.5MのMDAにより37℃で
3時間、及びリポソームの存在下で0.5MのMDAにより37℃で3時間または5mM
のCuCl(シグマ)により37℃で18時間変性した。MDA変性ペプチドを、いく
つかの変更をした1mMのEDTAを含有するPBSで4℃で18時間透析した。該ペプ
チドの変性を、ペプチドの分離に適する変性ポリアクリルアミドゲル(バイオ−ラッド
ラボラトリーズ、ハーキュリーズ、カリフォルニア)で試験した。
クロロホルム溶液中、モル比9:1の卵ホスファチジルコリン(EPC)(シグマ)と
ホスファチジルセリン(PS)(シグマ)の混合物及び3mMのリン脂質(PL)を、ガ
ラス血管中、穏やかなアルゴン流下で蒸発させた。その後、該溶液を真空下に3時間置い
た。滅菌濾過10mMHEPESバッファー,pH7.4中の0.10mMペプチド(5
ml)、145mMのNaCl及び0.003%のナトリウムアジドをEPC/PS乾燥
フィルムに添加し、50℃で15分間インキュベートした。この混合物を室温で5分間お
だやかにボルテックスミキサーで混合し、その後氷冷浴に入れ、7.4アンプリチュード
ミクロンで1分間の間隙を入れて3分間で3回、超音波処理した(ソニープレップ150
MSE サンヨー、タムロ−メドラブ、スウェーデン)。このPLペプチド混合物(天
然型または0.5MのMDAにより37℃で311変性または5mMのCuClにより
37℃で18時間変性したもの)をガラスバイアル中にアルゴン下、4℃で、アルミホイ
ルで封をして貯蔵し、1週間以内に使用した。このMDA変性混合物を、貯蔵前に、いく
つかの変更をした1mMのEDTAを含有するPBSで4℃で18時間透析した。該混合
物の変性を、ペプチドの分離に適する変性ポリアクリルアミドゲル(バイオ−ラッド ラ
ボラトリーズ エイエス、サンドバイバーグ、スウェーデン)で試験した。
リポソームの存在下または不存在下でPBS,pH7.4(20leg/ml)で希釈
した天然のまたは変性した合成ペプチドを、マイクロタイタープレートウェル(ヌンク
マキシソープ、ヌンク、ロスキルド、デンマーク)に吸着させ、4℃で一晩インキュベー
トした。参照用として、ペプチドの一つ(P6)を、各プレートに流した。0.05%T
ween−20を含有するPBS(PBS−T)で洗浄した後、コーティングされたプレ
ートを、TBS中のスーパーブロック(ピアース、ロックフォード、イリノイ)で室温で
5分間ブロックし、続いて、TBS−0.05%Tween−20(TBS−T)で希釈
されたプールされたヒト血漿を室温で2時間、その後4℃で一晩インキュベートした。す
すいだ後、該ペプチドに対する自己抗体の付着を、TBS−Tで適当に希釈したビオチニ
ル化ウサギ抗ヒトIgGまたはIgM抗体(ダコ エイ/エス、グロストラップ、デンマ
ーク)を用いることにより検出した。さらに室温で2時間インキュベートした後、プレー
トを洗浄し、結合したビオチニル化抗体をアルカリホスファターゼ結合ストレプトアビジ
ン(シグマ)で検出し、室温で2時間インキュベートした。着色反応を、ホスファターゼ
基質キット(ピアース)を用いて展開し、室温で1時間インキュベートした後、405n
mの吸収を測定した。異なるペプチドの吸収値をP6の吸収値で分け、比較した。
統計
SPSSを統計分析のために使用した。適切な場合、結果は平均値と範囲として、およ
び比率として示される。ボックスプロット(Boxplot)とスキャッタープロット(scatter
plots)を、症例および対応するコントロール中の年齢と選択されたペプチドの関係を説
明するために使用した。対応するグラフも、年齢と選択されたペプチドの関係を、症例お
よびコントロールについて、基線の平均年齢(61才)未満または以上で、また別に平均
年齢未満の症例及びコントロールについて例証するために使用した。症例とコントロール
では、別々に、年齢と性別のために調整された部分的な相関係数が、選択されたペプチド
および血液脂質レベルと共通の頚動脈のIMTの間で計算された。年齢及び性別で調節し
た部分的な相関係数は、平均年齢以下およびそれ以上で症例およびコントロールにおける
共通の頚動脈のIMTと選択されたペプチドの間で計算された。独立のサンプルt−検定
は通常分配された連続変数を評価するために、カイ二乗検定は症例とコントロールの比率
を評価するために使用された。非パラメーター検定(マン−ホイットニー)は症例とコン
トロールの間の非通常分配された連続変数を評価するために使用された。p−値はすべて
両側(two-tail)である。

心筋梗塞のある若い患者(49−61才)および高齢の患者(62−67才)における
、及び年齢、性別、喫煙および高血圧症を一致させたそれらの対応するコントロールにお
ける、年齢及び性別で合わせた異なる基線MDAペプチドおよび共通の頚動脈内膜中膜厚
さのための相関係数

ペプチド 49−61才の症例及びコントロール 62−67才の症例及びコントロー

n=116 n=111
IGM
MDA 32 0.235t -0.101
MDA 45 0.366$ -0.030
MDA 74 0.178 0.063
MDA 102 0.255$ -0.039
MDA 129 0.330$ -0.009
MDA 162 0.2451 0.001
MDA 210 0.254 0.013
MDA 240 0.284$ 0.006
IGG
MDA215 0.119 -0.059
p<0.05;$/xO.O1
以下に、本発明の態様を記載するが、これらはそれぞれ一例であり、本発明はこれらに限定されるものではない。
[態様1]
ヒトを含む哺乳類の虚血性心疾患に対する免疫感作または治療のためのアポリポタンパ
ク質B断片であって、虚血性心疾患に対する免疫源としてのまたは治療的な性質を有し、
及び/または虚血性心疾患の進展の危険の増加または減少に関する抗体の存在または不存
在を分析するアポリポタンパク質B断片であり、下記の群からなる天然型またはアルデヒ
ド誘導体としてのペプチド形態の断片
FLDTVYGNCSTHFTVKTRKG
PQCSTHILQWLKRVHANPLL
VISIPRLQAEARSEILAHWS

KLVKEALKESQLPTVMDFRK
DGSLRHKFLDSNIKFSHVEK
KGTYGLSCQRDPNTGRLNGE
RLNGESNLRFNSSYLQGTNQ
SLTSTSDLQSGIIKNTASLK
TASLKYENYELTLKSDTNGK
DMTFSKQNALLRSEYQADYE
MKVKIIRTIDQMQNSELQWP

IALDDAKINFNEKLSQLQTY

EEEMLENVSLVCPKDATRFK
GSTSHHLVSRKSISAALEHK
IENIDFNKSGSSTASWIQNV
IREVTQRLNGEIQALELPQK
EVDVLTKYSQPEDSLIPFFE
HTFLIYITELLKKLQSTTVM
LLDIANYLMEQIQDDCTGDE
CTGDEDYTYKIKRVIGNMGQ
GNMGQTMEQLTPELKSSILK
SSILKCVQSTKPSLMIQKAA
IQKAAIQALRKMEPKDKDQE
RLNGESNLRFNSSYLQGTNQ
SLNSHGLELNADILGTDKIN
WIQNVDTKYQIRIQIQEKLQ
TYISDWWTLAAKNLTDFAEQ
EATLQRIYSLWEHSTKNHLQ
ALLVPPETEEAKQVLFLDTV
SGASMKLTTNGRFREHNAKF
NLIGDFEVAEKINAFRAKVH
GHSVLTAKGMALFGEGKAEF
FKSSVITLNTNAELFNQSDI
FPDLGQEVALNANTKNQKIR

ATRFKHLRKYTYNYQAQSSS
またはこれらのペプチドの一またはそれ以上の活性部位。
[態様2]
下記の群から選択される態様1記載のペプチド。
HTFLIYITELLKKLQSTTVM
ALLVPPETEEAKQVLFLDTV
FLDTVYGNCSTHFTVKTRK
PQCSTHILQWLKRVHANPLL
LLDIANYLMEQIQDDCTGDE
CTGDEDYTYKIKRVIGNMGQ
GNMGQTMEQLTPELKSSILK
SSILKCVQSTKPSLMIQKAA
IQKAAIQALRKMEPKDKDQE
VISIPRLQAEARSEILAHWS
KGTYGLSCQRDPNTGRLNGE
RLNGESNLRFNSSYLQGTNQ
SLTSTSDLQSGIIKNTASLK
TASLKYENYELTLKSDTNGK
DMTFSKQNALLRSEYQADYE
GSTSHHLVSRKSISAALEHK
IALDDAKINFNEKLSQLQTY
IENIDFNKSGSSTASWIQNV
NLIGDFEVAEKINAFRAKVH
IREVTQRLNGEIQALELPQK
GHSVLTAKGMALFGEGKAEF
FPDLGQEVALNANTKNQKIR
ATRFKHLRKYTYNYQAQSSS
またはこれらのペプチドの1種類またはそれ以上の活性部位。
[態様3]
前記一またはそれ以上のペプチド断片が下記のペプチド断片またはこれらの一またはそ
れ以上のペプチドの活性部位からなる群より選択される態様1記載のペプチド。
ATRFK HLRKY TYNYE AESSS
PQCST HILQW LKRVH ANPLL
GNMGQ TMEQL TPELK SSILK
VISIP RLQAE ARSEI LAHWS
SLTST SDLQS GIIKN TASLK
GSTSH HLVSR KSISA ALEHK
IREVT QRLNG EIQAL ELPQK
FPDLG QEVAL NANTK NQKIR。
[態様4]
該断片がアルデヒドのハプテンである態様1または2記載の断片。
[態様5]
該断片がマロンジアルデヒドまたはヒドロキシノネナルを用いて変性されている態様
4記載の断片。
[態様6]
天然型である態様1または2記載のペプチド。
[態様7]
酸化型である態様1または2記載のペプチド。
[態様8]
前記ペプチドが銅を用いて酸化されている態様7記載のペプチド。
[態様9]
前記ペプチドがリン脂質リポソームとの組み合わせで存在する態様1または2記載の
ペプチド。
[態様10]
マロンジアルデヒド(MDA)誘導体型である請求項1または2記載のペプチド。
[態様11]
ヒドロキシノネナル誘導体型である態様1または2記載のペプチド。
[態様12]
所望によりアジュバントを組み合わせた、虚血性心疾患の治療のための免疫療法または
治療法を目的とする医薬組成物の調製における、天然型またはMDAもしくはヒドロキシ
ノネナル誘導体型の態様1〜11のいずれか一記載の1種類またはそれ以上の断片/
ペプチドの使用。
[態様13]
免疫投与量が前記断片/ペプチド1〜100mgである態様12記載の使用。
[態様14]
虚血性心疾患の進展の危険の増加または減少に関連する抗体の存在または不存在を検出
するためのアッセーにおける態様1〜11のいずれか一記載のペプチドの使用。
[態様15]
前記アッセーがイムノアッセーである態様14記載の使用。
[態様16]
前記イムノアッセーが、ELISA、RIA、ウェスタンブロッティングまたはサザン
ブロッティングである態様15記載の使用。
[態様17]
態様1〜11のいずれか一記載のペプチドをイムノアッセーで使用することを特徴
とする虚血性心疾患の進展の危険の増加または減少に関連する抗体の存在または不存在を
検出するための方法。
[態様18]
前記イムノアッセーが、ELISA、RIA、ウェスタンブロッティングまたはサザン
ブロッティングである態様17記載の方法。
[態様19]
下記のペプチド断片またはこれらの一またはそれ以上のペプチドの活性部位からなる群
より選択される天然型またはアルデヒド誘導体としての一またはそれ以上のアポリポタン
パク質Bのペプチド断片を含む組成物。
FLDTVYGNCSTHFTVKTRKG
PQCSTHILQWLKRVHANPLL
VISIPRLQAEARSEILAHWS

KLVKEALKESQLPTVMDFRK
DGSLRHKFLDSNIKFSHVEK
KGTYGLSCQRDPNTGRLNGE
RLNGESNLRFNSSYLQGTNQ
SLTSTSDLQSGIIKNTASLK
TASLKYENYELTLKSDTNGK
DMTFSKQNALLRSEYQADYE
MKVKIIRTIDQMQNSELQWP

IALDDAKINFNEKLSQLQTY

EEEMLENVSLVCPKDATRFK
GSTSHHLVSRKSISAALEHK
IENIDFNKSGSSTASWIQNV
IREVTQRLNGEIQALELPQK
EVDVLTKYSQPEDSLIPFFE
HTFLIYITELLKKLQSTTVM
LLDIANYLMEQIQDDCTGDE
CTGDEDYTYKIKRVIGNMGQ
GNMGQTMEQLTPELKSSILK
SSILKCVQSTKPSLMIQKAA
IQKAAIQALRKMEPKDKDQE
RLNGESNLRFNSSYLQGTNQ
SLNSHGLELNADILGTDKIN
WIQNVDTKYQIRIQIQEKLQ
TYISDWWTLAAKNLTDFAEQ
EATLQRIYSLWEHSTKNHLQ

ALLVPPETEEAKQVLFLDTV
SGASMKLTTNGRFREHNAKF
NLIGDFEVAEKINAFRAKVH
GHSVLTAKGMALFGEGKAEF
FKSSVITLNTNAELFNQSDI
FPDLGQEVALNANTKNQKIR

ATRFKHLRKYTYNYQAQSSS。
[態様20]
前記一またはそれ以上のペプチド断片が下記のペプチド断片またはこれらの一またはそ
れ以上のペプチドの活性部位からなる群より選択される態様19記載の組成物。
HTFLIYITELLKKLQSTTVM
ALLVPPETEEAKQVLFLDTV
FLDTVYGNCSTHFTVKTRK
PQCSTHILQWLKRVHANPLL
LLDIANYLMEQIQDDCTGDE
CTGDEDYTYKIKRVIGNMGQ
GNMGQTMEQLTPELKSSILK
SSILKCVQSTKPSLMIQKAA
IQKAAIQALRKMEPKDKDQE
VISIPRLQAEARSEILAHWS
KGTYGLSCQRDPNTGRLNGE
RLNGESNLRFNSSYLQGTNQ
SLTSTSDLQSGIIKNTASLK
TASLKYENYELTLKSDTNGK
DMTFSKQNALLRSEYQADYE
GSTSHHLVSRKSISAALEHK
IALDDAKINFNEKLSQLQTY
IENIDFNKSGSSTASWIQNV
NLIGDFEVAEKINAFRAKVH
IREVTQRLNGEIQALELPQK
GHSVLTAKGMALFGEGKAEF
FPDLGQEVALNANTKNQKIR
ATRFKHLRKYTYNYQAQSSS
[態様21]
前記一またはそれ以上のペプチド断片が下記のペプチド断片またはこれらの一またはそ
れ以上のペプチドの活性部位からなる群より選択される態様19記載の組成物。
ATRFK HLRKY TYNYE AESSS
PQCST HILQW LKRVH ANPLL
GNMGQ TMEQL TPELK SSILK
VISIP RLQAE ARSEI LAHWS
SLTST SDLQS GIIKN TASLK
GSTSH HLVSR KSISA ALEHK
IREVT QRLNG EIQAL ELPQK
FPDLG QEVAL NANTK NQKIR。
[態様22]
前記ペプチド断片がアルデヒドのハプテンである態様19〜21のいずれか一記載
の組成物。
[態様23]
前記ペプチド断片がマロンジアルデヒドまたはヒドロキシノネナルを用いて変性されて
いる態様19〜21のいずれか一記載の組成物。
[態様24]
前記ペプチド断片が天然型である態様19〜21のいずれか一記載の組成物。
[態様25]
前記ペプチド断片が酸化型である態様19〜21のいずれか一記載の組成物。
[態様26]
前記ペプチド断片が銅を用いて酸化されている態様19〜21のいずれか一記載の
組成物。
[態様27]
前記ペプチド断片がリン脂質リポソームとの組み合わせで存在する態様19〜21の
いずれか一記載の組成物。

Claims (15)

  1. 配列:ATRFKHLRKYTYNYQAQSSS
    からなるペプチド、そのエピトープ、酸化型、又はアルデヒド若しくはマロンジアルデヒド誘導体。
  2. 前記ペプチドが天然型である請求項1に記載のペプチド、そのエピトープ、又はアルデヒド若しくはマロンジアルデヒド誘導体。
  3. 前記ペプチドがアルデヒド誘導体のハプテンである請求項1に記載のペプチド、そのエピトープ、又はアルデヒド若しくはマロンジアルデヒド誘導体。
  4. 前記ペプチドが酸化型であって、ペプチドが銅を用いて酸化されている酸化型を含む請求項1に記載のペプチド、そのエピトープ、又はアルデヒド若しくはマロンジアルデヒド誘導体。
  5. 前記ペプチドがマロンジアルデヒド(MDA)誘導体型であるか、またはヒドロキシノネナル誘導体型である請求項1に記載のペプチド、そのエピトープ、又はアルデヒド若しくはマロンジアルデヒド誘導体。
  6. 前記ペプチドがリン脂質リポソームと組み合わせられている請求項1から5の何れか一項に記載のペプチド、そのエピトープ、又はアルデヒド若しくはマロンジアルデヒド誘導体。
  7. 請求項1から6の何れか一項に記載のペプチド、そのエピトープ、又はアルデヒド若しくはマロンジアルデヒド誘導体に対する精製された抗体又は組換えにより産生された抗体。
  8. 医薬に使用するための、請求項1から6の何れか一項に記載のペプチド、そのエピトープ又はアルデヒド若しくはマロンジアルデヒド誘導体、あるいは請求項7に記載の精製された抗体又は組換えにより産生された抗体。
  9. アジュバントを組み合わせてもよい、ヒトを含む哺乳動物のアテローム性動脈硬化症又は虚血性心疾患の免疫化または治療に使用するための、請求項1から6の何れか一項に記載のペプチド、そのエピトープ又はアルデヒド若しくはマロンジアルデヒド誘導体、あるいは請求項7に記載の精製された抗体又は組換えにより産生された抗体であって、虚血性心疾患は冠動脈性心疾患、心筋梗塞、脳卒中及び/又は末梢動脈疾患を含み得る、ペプチド、そのエピトープ又はアルデヒド若しくはマロンジアルデヒド誘導体あるいは抗体。
  10. アテローム性動脈硬化症又は虚血性心疾患の免疫療法または治療に使用するための、請求項1から6の何れか一項に記載のペプチド、そのエピトープ又はアルデヒド若しくはマロンジアルデヒド誘導体、あるいは請求項7に記載の精製された抗体又は組換えにより産生された抗体であって、虚血性心疾患は冠動脈性心疾患、心筋梗塞、脳卒中及び/又は末梢動脈疾患を含み得る、ペプチド、そのエピトープ又はアルデヒド若しくはマロンジアルデヒド誘導体あるいは抗体。
  11. アテローム性動脈硬化症及び/又は虚血性心疾患の発症のリスクの増減に関連する抗体の有無の診断に使用するための、請求項1から6の何れか一項に記載のペプチド、そのエピトープ又はアルデヒド若しくはマロンジアルデヒド誘導体。
  12. 1又は複数の薬理学的に無害の充填剤及び/又はアジュバントを組み合わせてもよい、1又は複数の請求項1から6の何れか1項に記載のペプチド、エピトープ、又はアルデヒド若しくはマロンジアルデヒド誘導体、あるいは請求項7に記載の精製された抗体又は遺伝子組換えで生産された抗体の治療有効量を含有する医薬組成物。
  13. アテローム性動脈硬化症又は虚血性心疾患に対する、ヒトを含むほ乳類の予防的治療及び/又は治癒的治療のための請求項12に記載の医薬組成物であって、虚血性心疾患は冠動脈性心疾患、心筋梗塞、脳卒中及び/又は末梢動脈疾患を含み得るものであり、医薬組成物は注射剤型であってもよい医薬組成物。
  14. アジュバントと組合わせてもよい、請求項1から6の何れか一項に記載のペプチド、エピトープ及び/又はアルデヒド若しくはマロンジアルデヒド誘導体の1又は複数を含む、アテローム性動脈硬化症に対して、ヒトを含む哺乳動物を免疫化するためのワクチン。
  15. 免疫化投与量が1から100mgのペプチドである、請求項14に記載のワクチン。
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