JP5613637B2 - 外面突起付き鋼管の突起切削装置 - Google Patents
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Description
この鋼管杭を使用するに際しては、鋼管杭の打ち込み量に応じて、鋼管杭同士を繋げる必要があった。このように、鋼管杭同士を繋げる方法としては、例えば、中継ぎ溶接や吊り金具を溶接する方法がある。この場合、まず、鋼管杭の端部の突起を、鋼管杭の周方向にエアガウジングではつった後、このはつった部分を、更にグラインダーで研削仕上げしていた。
このように、突起の除去作業は、作業時間が長くかかって作業効率が悪く、また非常に過酷な重筋作業であるため作業者の負担が大きく、早急に改善する必要性があった。
そこで、例えば、特許文献1には、管面を転動する倣いロールと突起を削るバイトを、その間隔が突起除去後の鋼管肉厚寸法になるように、回転面板上に取付け固定し、回転面板を回転させながら鋼管の軸方向に移動させ、突起を除去する装置が提案されていた。
突起を切削する場合、まず、鋼管内に配置された拡縮アームを拡げて鋼管を固定した後、鋼管を回転させることなく、回転面板を回転させることにより、これに取付けられたバイトを鋼管の周方向に移動させながら行っている。このため、切削対象となる鋼管の口径に応じて、回転面板の幅も変える必要があるため、作業性が悪い。
なお、切削対象となる鋼管の最大口径に対応した幅の回転面板を予め準備し、この回転面板への倣いロールとバイトの取付け位置を、切削する鋼管の口径に応じて変えることもできる。しかし、回転面板内には、ばねを使用した緩衝手段が設けられ、必ずしも真円状でない鋼管の形状に応じて、倣いロールが移動できるようにしているため、種々の口径の鋼管に対応させる場合、装置構成が複雑になる。
また、回転面板への倣いロールとバイトの取付け位置を変えることができたとしても、付け替えに時間と手間を要する。
ベース台と、
前記ベース台に、基部が、軸心を同一として回動自在に設けられ、先部が、上下方向に揺動自在で、かつ上下方向に間隔を有して配置される上下のスイングアームと、
前記上スイングアームの先部に、その回転中心を前記鋼管の軸心と平行にし、該鋼管内に突出させて設けられ、該鋼管の内面に接触する回転自在の倣いロールと、
前記下スイングアームの先部に、その回転中心を前記鋼管の軸心と平行にし、前記倣いロールの対向位置に間隔を有して設けられ、前記鋼管の端部に形成された前記突起に回転しながら接触する切削刃物と、
前記上スイングアームと前記下スイングアームの先部の間隔を調整し、前記切削刃物による前記鋼管の前記突起の切削厚みを設定する間隔調整手段とを有する。
また、切削刃物による鋼管の突起の切削厚みは、間隔調整手段により、上スイングアームと下スイングアームの先部の間隔を調整することで設定できるので、調整が容易である。
従って、簡単な構成で鋼管の変形や回転中の揺動に対応でき、作業時間の短縮による作業性の改善や作業効率の向上が図れる。
図1〜図4に示すように、本発明の一実施の形態に係る外面突起付き鋼管の突起切削装置(以下、単に突起切削装置ともいう)10は、複数の支持ローラ11、12により回転駆動可能に水平配置され、複数の突起(リブともいう)13が外周面に平行かつ螺旋状に設けられた鋼管14の切削側15に配置して、鋼管14の端部に位置する突起13を、鋼管14を回転させながら、鋼管14の周方向にわたって切削する装置である。なお、以下の実施の形態においては、鋼管14の軸心方向を突起切削装置10の前後方向とし、これと直交する方向を突起切削装置10の左右方向とする。以下、詳しく説明する。
ベース台16は、平面視して長方形のフレームで形成され、その幅方向を、鋼管14の軸心方向に合わせて配置されている。このベース台16の下部には、高さ調整可能な複数のレベリングパッド17が設けられ、ベース台16が床面18上に固定配置されている。なお、ベース台の下部に、例えば、レール上を走行可能な台車を設け、ベース台を移動可能な構成にしてもよい。
このベース台16上には、図1〜図4に示すように、鋼管14の対向位置とは異なる位置、即ち突起切削装置10の左右方向一方側(図1においては右側)に、軸受架台19が設けられている。
上スイングアーム20は、平面視して長方形のフレームで形成され、その基部には、鋼管14の軸心と平行に回動軸22が取付けられている。この回動軸22は、上スイングアーム20の幅方向両側に突出して取付け固定され、その両側部が、軸受架台19上に取付けられたピローブロック(ピロー形ユニット)23、24に、回動自在に支持されている。
また、下スイングアーム21も、平面視して長方形のフレームで形成され、その幅が、上スイングアーム20の内幅よりも狭くなっている。この下スイングアーム21の基部には、図4に示すように、鋼管14の軸心と平行にブッシュ25が取付けられ、下スイングアーム21が、回動軸22に対して回動自在に取付けられている。
また、上下のスイングアーム20、21の基部を回動させることで、その先部は、上下方向に揺動自在となる。また、下スイングアーム21は、上スイングアーム20に回動自在に取付けられているため、上下のスイングアーム20、21の先部を、上下方向に間隔を有して(開いて)配置することができる。なお、下スイングアーム21の先部は、常に上スイングアーム20の下方に位置する。
倣いロール26は、金属製であり、直径が、例えば200〜450mm(好ましくは、下限が250mm、上限が400mm)程度、幅が、例えば30〜150mm(好ましくは、下限が40mm、上限が100mm)程度のものである。
この倣いロール26の回転中心位置には、鋼管14の軸心と平行に配置される回転軸27が取付けられている。この回転軸27を、上スイングアーム20の先部下面に取付けられた軸受28、29に回転自在に設けることで、倣いロール26を、上スイングアーム20の側方に配置し、鋼管14内に突出させて設けている。
これにより、倣いロール26の回転中心を鋼管14の軸心と平行にして、鋼管14の内面に接触させることができる。
切削刃物30は、スピンドル31の出力軸に取付けられた棒状のものであり、その外側周方向に切削刃が設けられている。この切削刃物30の長さは、突起13の除去領域の幅(例えば、鋼管14の端面から、30mm以上200mm以下の範囲内の所定位置までの領域)に応じて調整されている。
スピンドル31を、下スイングアーム21の先部に取付けることにより、切削刃物30を倣いロール26の対向位置に配置することができる。なお、スピンドル31には、切削刃物30で切削した突起13の削りかすを受けるカバー32が取付けられている。
この駆動側プーリ36と従動側プーリ33には、Vベルト37が架け渡され、駆動モータ35の出力が、スピンドル31に伝達される構成となっている。なお、図1、図5中の番号38は、駆動側プーリ36、従動側プーリ33、及びVベルト37のカバーである。
これにより、切削刃物30の回転中心を鋼管14の軸心と平行にし、この切削刃物30を、鋼管14の端部に形成された突起13に回転させながら接触させることで、この突起13を切削することができる。
間隔調整手段39は、台形ねじ40と、この台形ねじ40の上端部に取付けられたハンドル41とを有している。この台形ねじ40は、上スイングフレーム20の先部幅方向に設けられた横架フレーム42に、フランジ43を介して上下方向に貫通した状態で、回転可能に取付けられている。
このため、台形ねじ40は、上スイングアーム20の下方に突出しており、この突出部分に、台形ねじナット44が取付けられている。
これにより、ハンドル41を回すことで、上スイングアーム20に対して下スイングアーム21を近づけ、またハンドル41を逆方向に回すことで、上スイングアーム20に対して下スイングアーム21を離すことができる。このように、上スイングアーム20と下スイングアーム21の先部の間隔を調整することで、倣いロール26と切削刃物30との間隔も調整され、切削刃物30による鋼管14の突起13の切削厚みを設定できる。
また、上スイングアーム20の先部後方には、操作ボックス49が取付けられ、切削刃物30の駆動モータ35のオンオフ、非常停止、並びに運転準備等の操作ができる。
この移動防止用ローラ50は、その回転中心が、床面18に載置された固定台51に対して垂直方向(鋼管14の軸心と直交する方向)に配置されるように、固定台51に回転可能に立設配置され、その周面を鋼管14の端面に接触させている。このため、鋼管14の回転時に、鋼管14の外周面に形成された螺旋状の突起13により、鋼管14がその軸心方向に、突起切削装置10から離れるように移動しようとしても、移動防止用ローラ50により、鋼管14が移動することを防止できる。
なお、移動防止用ローラ50は、突起切削装置に含まれてもよい。
この開先カッター51aは、先側外周部が周方向にわたって面取り加工されたものであり、この面取りされた部分に、開先カッター51aの周方向に間隔を有して複数(ここでは、4個)の刃物51bが取付けられている。なお、面取りした部分の傾斜角度、例えば、開先カッター51aの軸心に対する傾斜角度は、形成する開先の種類に応じて種々変更可能である。また、傾斜角度の変更は、例えば、傾斜角度の異なる複数の開先カッターを予め用意し、これらをスピンドル31の出力軸に付け替えることで実施できる。
なお、ここでは、開先カッター51aを、外面突起付き鋼管である鋼管14の開先形成に使用したが、この開先カッター51aを、外面突起付きではない鋼管、即ち通常の円筒管の開先形成に使用することも勿論できる。
まず、図2に示すように、鋼管14の軸心方向両側に配置された2つの支持ローラ11、12上に、鋼管14を水平配置する。なお、支持ローラは、鋼管の長さに応じて、3つ以上の複数個使用してもよい。また、ここでは、支持ローラ12に駆動モータを設けて鋼管14を回転可能にしているが、更に支持ローラ11に駆動モータを設けてもよい。
この鋼管14の寸法は、例えば、長さが5〜15m程度、口径(外径)が500〜1500mm程度、突起13の高さを含む肉厚が5〜25mm程度、突起13の高さが2〜10mm程度である。
また、鋼管14の切削側15とは反対側であって、鋼管14の端面と接触する位置には、移動防止用ローラ50を配置しておく。
このとき、下スイングアーム21は、油圧ジャッキ55の上方に、浮いた状態になる。
なお、突起13の切削幅は、鋼管14の端面から、30mm以上200mm以下(一般的には、上限が170mm)の範囲内の所定位置までである。
これにより、鋼管14の端部に位置する突起13を、鋼管14の周方向にわたって切削できる。
ここで、鋼管14の端部の突起13は、突起切削装置10で完全になくしてもよいが、必要に応じて僅かに(例えば、0.5mm以下の範囲で)残存させ、この残部を、グラインダーにて仕上げ研磨してもよい。
このように、端部の突起13を除去した後、鋼管14を支持ローラ11、12上から降ろし、この鋼管14を使用場所まで搬送する。
以上のことから、本発明の外面突起付き鋼管の突起切削装置10を使用することで、簡単な構成で鋼管の変形や回転中の揺動に対応でき、作業時間の短縮による作業性の改善や作業効率の向上が図れる。
次に、上記と同様に、間隔調整手段39のハンドル41を回して、上スイングアーム20と下スイングアーム21の間隔を、倣いロール26と開先カッター51aとの間隔が、目的とする開先形状を形成できるように調整する。
そして、駆動モータ35により開先カッター51aを回転させた後、支持ローラ12を回転駆動し、鋼管14を低速回転させる。
これにより、鋼管14の端部に、鋼管14の周方向にわたって開先を形成できる。
また、前記実施の形態においては、上スイングアームと下スイングアームの間隔を、ハンドルにより調整した場合について説明したが、例えば、自動制御により調整することも勿論可能である。このとき、切削時間の経過に伴い、上スイングアームと下スイングアームの間隔を徐々に狭くし、突起の切削を徐々に行うのがよい。これにより、切削刃物を回転させる駆動モータのトルクの急激な上昇を抑制できると共に、切削刃物の損耗速度も低減できる。
Claims (4)
- 複数の支持ローラにより回転駆動可能に水平配置され、複数の突起が外周面に螺旋状に設けられた鋼管の切削側に配置し、該鋼管の端部に位置する前記突起を、該鋼管の周方向にわたって切削する外面突起付き鋼管の突起切削装置であって、
ベース台と、
前記ベース台に、基部が、軸心を同一として回動自在に設けられ、先部が、上下方向に揺動自在で、かつ上下方向に間隔を有して配置される上下のスイングアームと、
前記上スイングアームの先部に、その回転中心を前記鋼管の軸心と平行にし、該鋼管内に突出させて設けられ、該鋼管の内面に接触する回転自在の倣いロールと、
前記下スイングアームの先部に、その回転中心を前記鋼管の軸心と平行にし、前記倣いロールの対向位置に間隔を有して設けられ、前記鋼管の端部に形成された前記突起に回転しながら接触する切削刃物と、
前記上スイングアームと前記下スイングアームの先部の間隔を調整し、前記切削刃物による前記鋼管の前記突起の切削厚みを設定する間隔調整手段とを有することを特徴とする外面突起付き鋼管の突起切削装置。 - 請求項1記載の外面突起付き鋼管の突起切削装置において、前記鋼管の切削側とは反対側には、該鋼管の回転時に、該鋼管が軸心方向に移動することを防止する移動防止用ローラが配置されていることを特徴とする外面突起付き鋼管の突起切削装置。
- 請求項1又は2記載の外面突起付き鋼管の突起切削装置において、前記突起の切削幅は、前記鋼管の端面から、30mm以上200mm以下の範囲内の所定位置までであることを特徴とする外面突起付き鋼管の突起切削装置。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の外面突起付き鋼管の突起切削装置において、前記下スイングアームの先部から前記切削刃物を取外し、該先部に開先カッターを取付けて、前記鋼管の開先加工を行うことを特徴とする外面突起付き鋼管の突起切削装置。
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