JP5613141B2 - 内燃機関の動弁構造 - Google Patents
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Description
その結果、固定ボルトは、ロッカシャフトに負荷された荷重や、曲げ荷重等がかかる構造になっているので、それに耐える強度を持たせるために、太く大きなものにしなければならないという問題点があった。
また、かかる構成によれば、固定ボルトは、爆発順が隣り合う気筒間であって後に爆発する気筒側に寄って設けられることによって、爆発が連続して発生するときにバルブから受ける反力が大きくなるので、これに伴って固定ボルトにかかる荷重も高くなるため、ロッカシャフトにホルダ部を設けた。そのロッカシャフトとホルダ部とは、固定ボルトで固定されているので、しっかりと荷重を受け止めることができる。
さらに、前記ロッカシャフトは、前記ホルダ部に対応する位置に、前記固定ボルトが挿入されるボルト挿入孔と、前記ボルト挿入孔の一端側に設けられた座面と、を有し、前記ホルダ部には、前記ボルト挿入孔及び前記座面を露出させるための斜面が切り欠き形成されており、前記座面及び前記斜面は、前記固定ボルトの軸線方向に略直交して形成されているのが好ましい。
また、前記ホルダ部は、前記固定ボルトに螺合する雌ねじ部と、この雌ねじ部に沿って前記固定ボルトの頭部と反対側に延設された突出部と、を有するのが好ましい。
図1に示すように、内燃機関1は、多気筒(直列4気筒)の4サイクルのエンジンであり、シリンダヘッド2のシリンダ軸線の一方側には、シリンダヘッド2の短手方向に一対に配置されたカムシャフト3及びロッカシャフト4が、長手方向に沿って平行に設けられている。
シリンダヘッド2は、不図示の燃焼室のシリンダ軸線の一方側を形成して、内燃機関1の吸排気システム(図示省略)が取り付けられるエンジン本体である。シリンダヘッド2のシリンダ軸線の一方側には、カムシャフト方向に所定間隔で気筒11a,11b,11c,11dが設けられている。
カムシャフト3は、吸気用カムシャフト31と、排気用カムシャフト32と、からなる。カムシャフト3は、このカムシャフト3に沿って予め設定された間隔で配置された複数のカムホルダ6によって、シリンダヘッド2に回動自在に軸支されている。吸気用カムシャフト31と排気用カムシャフト32とのシリンダ軸線の他方側方向には、それぞれロッカシャフト4が配置されている。
吸気用カムシャフト31には、5つのカムホルダ6(図1参照)によってそれぞれ軸支される軸支部31a,31b,31c,31d,31eを有している。軸支部31a〜31eの外周面の軸方向の中央部には、油路の半体部位を形成する環状形状の油溝3bがそれぞれ形成されている。
図1に示すように、カムホルダ6は、互いに平行に配置された吸気用カムシャフト31及び排気用カムシャフト32をシリンダヘッド2に対して軸支するための軸受部材である。吸気用カムシャフト31は、前記した5つのカムホルダ6a,6b,6c,6d,6eによって軸支されている。また、排気用カムシャフト32は、6つのカムホルダ6f,6g,6h,6i,6j,6kによって軸支されている。
図3に示すように、カムホルダ6は、シリンダヘッド2のシリンダ軸線の一方側に一体形成されたホルダ基台61と、このホルダ基台61上にカムシャフト3を介在させて載置され、ホルダ固定ボルト63によってボルト締めされたホルダキャップ62と、から主に構成されている。カムホルダ6は、シリンダヘッド2のシリンダ軸線の一方側において、吸気用カムシャフト31及び排気用カムシャフト32に沿って軸方向に適宜な間隔で二列に配置されている。
図3に示すように、前記ロッカシャフト4は、揺動運動をするロッカアーム5の支点となる軸であり、略円筒形状に形成されている。ロッカシャフト4には、このロッカシャフト4を後記するホルダ部10に固定するための固定ボルト7が挿入されるボルト挿入孔4aと、このボルト挿入孔4aの開口端の外面に形成された斜めに平らな座面4bと、が形成されている。
座面4bは、固定ボルト7をボルト挿入孔4aに螺合させたときに頭部7aが当接する面であり、軸心線L2−L2に対して直交する方向に平らな面に形成されている。
図3に示すように、ロッカアーム5は、カム駒3aとの接点Bが、このカム駒3aによって押圧されることによって、ロッカシャフト4の軸心O3を支点として揺動しバルブ8を開閉させる揺動部材である。ロッカアーム5は、ロッカシャフト4によって軸支されている。ロッカアーム5は、カム駒3aが当接する位置にローラ51を有している。ローラ51は、軸心O2を中心に回転自在に設けられている。
図3に示すように、ホルダ部10は、ロッカシャフト4をシリンダヘッド2に軸支するための部位であり、シリンダヘッド2に一体に配置されている。このホルダ部10には、ロッカシャフト4が挿入されるシャフト挿入部10aと、シャフト挿入部10aのシリンダ軸線の一方側を外側へ斜めシリンダ軸線の他方側方向に向けて平らに形成された斜面10bと、後記する固定ボルト7のねじ部7bが螺合される雌ねじ部10cと、この雌ねじ部10の中心線L2−L2に沿ってシリンダ軸線の他方側方向に延設されて突出部10dと、が形成されている。
斜面10bは、ホルダ部10の斜めシリンダ軸線の一方側からロッカシャフト4のボルト挿入孔4aを露出させるために形成された面であり、雌ねじ部10の中心線L2−L2と、最大荷重方向(矢印C方向)に対して直交して形成されている。
雌ねじ部10cは、シャフト挿入部10aの内面から突出部10dの中心線に沿って形成されて、突出部10dの先端面で開口するように形成されている。
雌ねじ部10cは、中心線L2−L2が、最大荷重方向(矢印C方向)と略一致するように形成されている。
突出部10dは、雌ねじ部10cの長さが中心線L2−L2の方向に長くなるように形成されて、雌ねじ部10cの強度を向上させている。
図3に示すように、固定ボルト7は、ロッカシャフト4とホルダ部10とを互いに締結させるボルトであり、例えば、座金付きの頭部7aと、ねじ部7bとを有している。固定ボルト7は、その頭部7aをシリンダ軸線の一方側方向に向け、ねじ部7bをその他方側方向に向けて、ホルダ部10の斜面10b側からロッカシャフト4のボルト挿入孔4aに挿入して雌ねじ部10cに螺合される。この場合、ねじ部7bは、ロッカシャフト4の軸心O3方向(軸線L2−L2方向)に向けて設けられている。換言すると、固定ボルト7は、この固定ボルト7の軸線L2−L2をロッカシャフト4に加わる最大荷重の方向(矢印C方向)と略一致させて形成されている。固定ボルト7の締結方向(締結角度)は、その軸線L2-L2をロッカシャフト4に加わる最大荷重の方向(矢印C方向)と略一致させて設けられている。
次に、図1〜図3を参照しながら本発明の実施形態に係る内燃機関の動弁構造の作用を説明する。
2 シリンダヘッド
3 カムシャフト
3a カム駒
4 ロッカシャフト
5 ロッカアーム
7 固定ボルト
7a 頭部
7b ねじ部
10 ホルダ部
11a〜11d 気筒
A 最大荷重の方向
B カム駒とロッカアームの接点
L1 直線
L2 軸線
O1 カムシャフトの回動中心
O3 ロッカシャフトの軸心
Claims (4)
- カム駒を有するカムシャフトと、該カム駒により揺動するロッカアームと、該ロッカアームを軸支するロッカシャフトと、該ロッカシャフトを保持するホルダ部と、前記ロッカシャフトと前記ホルダ部とを互いに締結する固定ボルトと、を有する内燃機関の動弁構造であって、
前記ロッカアームは、前記ロッカシャフトに軸支される部位と、前記カム駒に当接する部位と、バルブに当接する部位と、がこの順序で設けられており、
前記カム駒は、前記ロッカアームに対して前記バルブと反対側から当接し、
前記固定ボルトは、その軸線を前記カム駒から前記ロッカアームを介して前記ロッカシャフトに加わる最大荷重の方向と略一致させるように、その軸線を前記カムシャフトの回動中心と、前記カム駒と前記ロッカアームの接点とをつなぐ直線と略平行に設けられており、
前記内燃機関は多気筒であり、前記固定ボルトは、爆発順が隣り合う気筒間であって後に爆発する気筒側に寄って設けられていることを特徴とする内燃機関の動弁構造。 - 前記固定ボルトは、その頭部を上方に向け、ねじ部を前記ロッカシャフトの軸心方向に向けて設けられていることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の動弁構造。
- 前記ロッカシャフトは、前記ホルダ部に対応する位置に、前記固定ボルトが挿入されるボルト挿入孔と、前記ボルト挿入孔の一端側に設けられた座面と、を有し、
前記ホルダ部には、前記ボルト挿入孔及び前記座面を露出させるための斜面が切り欠き形成されており、
前記座面及び前記斜面は、前記固定ボルトの軸線方向に略直交して形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の内燃機関の動弁装置。 - 前記ホルダ部は、前記固定ボルトに螺合する雌ねじ部と、この雌ねじ部に沿って前記固定ボルトの頭部と反対側に延設された突出部と、を有することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の内燃機関の動弁装置。
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