JP5611561B2 - 毛髪処理剤および毛髪変形処理方法 - Google Patents

毛髪処理剤および毛髪変形処理方法 Download PDF

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Description

本発明は、毛髪処理剤および毛髪変形処理方法に関する。さらに詳しくは、カール、ウェーブおよびストレートに毛髪をデザインするための毛髪処理剤ならびに該毛髪処理剤を用いた毛髪変形処理方法に関する。
パーマ等の毛髪変形処理に用いられる毛髪処理剤は通常2剤からなる。このような毛髪処理剤を用いた毛髪変形処理では、第1剤(還元剤ともいう)を用いて毛髪のシスチン結合を切断した後、第2剤(酸化剤ともいう)を用いて新たなシスチン結合を形成することにより毛髪にウェーブデザインを形成したり、毛髪をストレートにデザインする。
上記第1剤においては、還元剤として従来チオグリコール酸やシステインが用いられてきたが、これらの成分を毛髪に浸透させるためには、毛髪を膨潤させる必要があった。そのため、第1剤にアルカリ剤を含有させ、第1剤をアルカリ性の溶液としていた。しかしながら、このようなアルカリ性溶液を用いると毛髪の損傷が生じるという問題があった。
そこで、分子量が小さく、毛髪になじみやすいシステアミンを還元剤として用いることで、アルカリ剤の使用を不要として、第1剤を酸性の溶液とした例が報告されている(たとえば、特許文献1参照)。
この第1剤を用いると毛髪の損傷は抑えられるが、その用途は、ニュアンス風パーマ、くせ毛風パーマといった弱いウェーブのパーマに限定されていた。また、ストレートパーマにおいても効果が弱かった。
一方、いわゆる巻き毛風パーマのような強いウェーブ力を必要とするパーマの場合は、毛髪に熱をかけることが行われている。しかし、熱による毛髪の損傷があり、また熱の調整が難しいという問題があった。また、直径の大きいロッドを用いる場合は、より高いウェーブ形成力が必要とされるため、強い還元剤を用いる必要があり、毛髪の損傷が大きかった。
そのため、毛髪の損傷を抑えつつ、様々なパーマスタイルの形成に用いることが可能な、毛髪処理剤が求められていた。
さらに、毛髪処理剤に、還元剤の効力を阻害することのない毛髪の損傷を抑制する成分を添加することは、十分に検討されていなかった。
特公平7−8775号公報
本発明は、毛髪の損傷を抑えて、毛髪をカール、ウェーブ、ストレートなどのデザインに毛髪変形処理可能な毛髪処理剤を提供することを目的とする。また、本発明は、しっかりとしたカールヘア、ウェーブヘアおよび良好なストレートヘアを形成し、持続可能な毛髪処理剤を提供することを目的とする。さらに、室温でも用いることが可能な毛髪処理剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、システアミン濃度とpHを特定の範囲とした毛髪処理剤は、毛髪の損傷を抑えて、カール、ウェーブ、ストレートなどのデザインに毛髪変形処理が可能であることを見出し、以下の発明を行った。
[1]システアミン濃度が3.5〜15重量%であり(毛髪処理剤全体を100重量%とする)、pHが7.0〜9.5であることを特徴とする毛髪処理剤。
[2]前記システアミン濃度が5〜12重量%である(毛髪処理剤全体を100重量%とする)ことを特徴とする[1]に記載の毛髪処理剤。
[3]pHが8.5〜9.2であることを特徴とする[1]または[2]に記載の毛髪処理剤。
[4]さらにフコイダンを0.0001〜1重量%の範囲で含有することを特徴とする[1]〜[3]のいずれかに記載の毛髪処理剤。
[5][1]〜[4]のいずれかに記載の毛髪処理剤を毛髪に塗布する工程と、
該毛髪処理剤を塗布した毛髪を、20〜60℃で放置する工程とを含むことを特徴とする毛髪変形処理方法。
[6]該毛髪処理剤を毛髪に塗布する前に、
毛髪を直径20〜70mmのロッドで巻く工程を、
さらに含むことを特徴とする[5]に記載の毛髪変形処理方法。
[7]毛髪をウェーブ、カール、またはストレートにデザインするために用いられることを特徴とする[1]〜[4]のいずれかに記載の毛髪処理剤。
本発明の毛髪処理剤を用いて、毛髪にカール処理、ウェーブ処理またはストレート処理を行うと、毛髪の損傷を抑えて毛髪変形処理が可能であり、処理後の毛髪は手触りおよび艶が良好である。
また、本発明の毛髪処理剤を用いて、毛髪にカール処理やウェーブ処理を行うと、室温でも強いカールやウェーブデザインの毛髪を形成することが可能であり、ストレート処理を行うと、室温でも良好なストレートデザインの毛髪を形成することが可能である。さらに、室温でも太めのロッドを用いて、大きいカールやウェーブデザインの毛髪を形成することも可能である。また、形成したカール、ウェーブおよびストレートの持続性が良好である。
以下、本発明について具体的に説明する。
本発明の毛髪処理剤は、システアミン濃度が3.5〜15重量%であり(毛髪処理剤全体を100重量%とする)、pHが7.0〜9.5であることを特徴とする。
本発明の毛髪処理剤とは、毛髪のシスチン結合を切断するために用いられる処理剤をいい、通常2剤式パーマ処理剤の第1剤をいう。
以下、各成分の毛髪処理剤中の濃度は、通常の2剤形式のパーマ処理剤の場合は、第1剤中の濃度である。
1.システアミン濃度
本発明の毛髪処理剤は、システアミンおよびその塩類から選ばれる少なくとも1種(以下システアミン類ともいう)を含む。
ここで、本発明で用いるシステアミンとは、
HS−CH2−CH2−NH2 (1)
で表わされる化合物であり、毛髪処理剤中では、塩酸塩、クエン酸塩、臭化水素酸塩、酢酸塩等の塩類で存在していることもある。
システアミン類は、分子量が小さいために、毛髪への浸透が良好な還元剤である。また毛髪に塗布しても、還元作用以外の毛髪の構造への影響が少なく、毛髪に与える損傷が小さい。
本発明の毛髪処理剤のシステアミン濃度は、3.5〜15重量%であり、好ましくは5〜12重量%である(毛髪処理剤全体を100重量%とする)。システアミン濃度が、前記範囲内にあると、強いカールやウェーブ、大きいカールやウェーブおよび良好なストレートを形成する毛髪変形処理が可能であり、毛髪の損傷も抑えられる。また、形成したカール、ウェーブおよびストレートの持続性に優れる。
なお、本明細書において、上記毛髪処理剤のシステアミン濃度とは、毛髪処理剤中のシステアミン類の濃度であって、システアミンの塩類はシステアミンに換算して求めた濃度である。
2.pH
本発明の毛髪処理剤のpHは、7.0〜9.5、好ましくは8.5〜9.2である。
毛髪処理剤のpHが前記範囲内にあると、毛髪の損傷を抑えつつ、強いカールやウェーブデザイン、大きいカールやウェーブおよび良好なストレートデザインの形成が可能である。また、形成したカールやウェーブ、およびストレートの持続性に優れる。
本発明の毛髪処理剤のpHは、酸、アルカリおよびpH調整剤を適宜用いて、上記範囲に調整される。好ましくは、塩酸、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、コハク酸、シュウ酸、リン酸、炭酸等の酸、アンモニア、モノエタノールアミン、ジエタノールアミンおよび2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール等のアミノアルコール、アルギニン等の塩基性アミノ酸、炭酸ナトリウムおよび炭酸水素ナトリウム等の中性塩、水酸化ナトリウムならびに水酸化カリウム等を1種または適宜組み合わせて使用し、上記範囲に調整する。
3.システアミン類とpHの組み合わせ
本発明の毛髪処理剤は、上記のようなpH範囲において、システアミン類を上記の範囲の量で用いることにより、毛髪の損傷を抑えながら、毛髪にしっかりとしたカール、ウェーブおよびストレートデザインを形成することができる。
すなわち、システアミン類を弱アルカリ程度までのpH範囲で用いることにより、システアミン類の毛髪への浸透をより良好にし、またシステアミン類の使用量の増加も可能とした。また、システアミン類を上記範囲の量で用いても、システアミン類が本来毛髪へ与える損傷が少ない還元剤であり、さらには毛髪に熱を加える必要もなくカール、ウェーブ、ストレートなどのデザインに毛髪変形処理可能であることから、毛髪への損傷が少ない。
その結果、毛髪への損傷を最小限に抑えながら、くっきりとしたカール、ウェーブおよびしっかりとしたストレートを毛髪に形成することを可能とした。
4.フコイダン
本発明の毛髪処理剤は、さらにフコイダンを0.0001〜1重量%、好ましくは0.01〜1重量%含んでいることが好ましい。
フコイダンは、コンブ、モズクなどの褐藻類の海藻に存在する硫酸化フコース含有多糖類の総称である。全ての褐藻類は複数種のフコイダンを含有している。フコイダンの構成糖はフコース、ガラクトース、マンノース、キシロース、及びグルクロン酸などである。
このようなフコイダンを含有する製品として、本発明の毛髪処理剤に好適に用いられる製品としては、フコイダンYSK(NB)(焼津水産化学工業株式会社製)、リムベールPD、リムベールHV、リムベールF1、リムベールU(いずれもタングルウッド株式会社製)が挙げられる。
本発明の毛髪処理剤に、フコイダンを上記範囲で含有すると、毛髪の損傷を抑える効果が向上し、カール、ウェーブおよびストレートのデザインに毛髪変形処理後の毛髪は、手触り、ツヤに優れる。また、システアミンの還元剤としての効果を阻害することがないため、本発明の毛髪処理剤のカール、ウェーブおよびストレートの毛髪デザイン形成力を低下させることがない。
5.任意成分
本発明の毛髪処理剤は、上記成分の他に、その他の還元剤、添加剤および溶剤を含んでいてもよい。
その他の還元剤としては、たとえばチオグリコール酸およびその塩類、システインおよびその塩類、アセチルシステイン、チオ乳酸、チオグリセリン、ブチロラクトンチオール、亜硫酸およびその塩類など;
添加剤としては、たとえばコラーゲンやケラチンなどの加水分解物およびその誘導体、アミノ酸、ピロリドンカルボン酸誘導体、セラミドおよびその類似物質、植物抽出液などの毛髪保護剤;
カチオン化セルロース、カチオン化グァガム、カチオン化ポリマー、カチオン化樹脂、天然水溶性高分子類などのコンディショニング剤;
炭酸アルキレン、パラフィン、流動パラフィン、ミツロウ、スクワラン、ホホバ油、オリーブ油、エステル油、トリグリセリド、ワセリン、ラノリンなどの油剤;
グリセリン、ジグリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ソルビトールなどの保湿剤;
カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤および非イオン性界面活性剤などの界面活性剤;
ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、アミノ変性シリコンオイルなどのシリコン誘導体;
エデト酸四ナトリウム四水塩、ジエチレントリアミン五酢酸五ナトリウムなどの金属封鎖剤;
カルボキシエチルセルロース、キサンタンガム、カルボキシビニルポリマー、エチレン/アクリル酸共重合体などの増粘剤、オイルゲル化剤あるいはオイル増粘剤などの増粘剤;
アスコルビン酸、エリソルビン酸、エデト酸塩、エチドロン酸塩、フェナセチン、サリチル酸などの安定化剤;
パラベン、安息香酸ナトリウムなどの防腐剤;
サトウキビエキス、チャエキス等植物抽出液、カテキン、タンニン、シクロデキストリン、酵素などの消臭剤;
養毛剤、紫外線吸収剤、色素、パール剤、香料などが挙げられる。
カチオン性界面活性剤としては、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化ジココイルジメチルアンモニウム、塩化トリ(ポリオキシエチレン)ステアリルアンモニウム(5E.O.)、塩化ジ(ポリオキシエチレン)オレイルメチルアンモニウム(2E.O.)、臭化ラウリルトリメチルアンモニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、臭化ステアリルトリメチルアンモニウムなどの4級アンモニウム塩;脂肪酸アミドアミン塩;アルキルトリアルキレングリコールアンモニウム塩;ベンザルコニウム塩;ベンゼトニウム塩;ピリジウム塩;イミダゾリニウム塩などが挙げられる。
アニオン性界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウムなどのアルキル硫酸塩;ポリオキシエチレン(以下、POEと略す)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、POEノニルフェニルエーテル硫酸ナトリウムなどのPOEアルキル/アルキルアリルエーテル硫酸塩;スルホコハク酸塩;N−アシルスルホン酸塩;アルキルベンゼンスルホン酸塩;α−オレフィンスルホン酸塩;アルカンスルホン酸塩;N−アシルアミノ酸塩;POEアルキルエーテルリン酸およびその塩などが挙げられる。
両性界面活性剤としては、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタインなどのベタイン型;2−ウンデシル−N,N,N−(ヒドロキシエチルカルボキシメチル)−2−イミダゾリンナトリウムなどのイミダゾリン型;アミノ酸型などが挙げられる。
非イオン性界面活性剤としては、POEアルキルエーテル類;POEポリオキシプロピレンアルキルエーテル類;多価アルコール脂肪酸エステル類;グリセリン脂肪酸エステル類;ポリグリセリン脂肪酸エステル類;セスキオレイン酸ソルビタンなどのソルビタン脂肪酸エステル類;POEグリセリン脂肪酸エステル類;モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O.)などのPOEソルビタン脂肪酸エステル類;POEソルビット脂肪酸エステル類;ポリエチレングリコール脂肪酸エステル類;アルキルアルカノールアミド類;POE硬化ヒマシ油;ピログルタミン酸イソステアリン酸POE硬化ヒマシ油;POEエチレンラノリン;POEコレステロール;POEフィトステロール;POEコレスタノール;POEフィトスタノールなどが挙げられる。
溶剤としては、通常、水が用いられ、水としては、イオン交換水、蒸留水、精製水などの精製工程を経たものが好ましい。
なお、本発明の毛髪処理剤と併用される第2剤およびその他の補助剤については、特に制限はなく、通常パーマ処理に用いられる剤をそのまま適用することができる。
第2剤は、通常たとえば臭素酸塩、過酸化水素水などの酸化剤を含む。
6.製法
本発明の毛髪処理剤は、上述した成分を、公知の方法で適宜、攪拌、混合、加熱、冷却、溶解、分散(乳化)等することによって製造できる。
7.剤型
なお、本発明の毛髪処理剤の剤型は特に制限されないが、たとえば、液状、ローション状、クリーム状、エアゾールなどの剤型が挙げられる。
8.使用方法
本発明の毛髪処理剤は、毛髪のカール、ウェーブおよびストレートのデザイン形成のための毛髪変形処理における毛髪のシスチン結合を切断する工程に用いられる。通常、2剤式のカール、ウェーブ、ストレートなどのデザインを形成するための毛髪変形処理剤の第1剤として用いられる。
本発明の毛髪処理剤は、従来の毛髪に熱をかけないカール、ウェーブおよびストレートなどのデザイン形成のための毛髪変形処理に制限なく用いることができるが、以下の使用方法が好ましい。
本発明の毛髪処理剤を用いてカールおよびウェーブデザイン形成のための毛髪変形処理を行う場合は、
毛髪を20〜70mmのロッド、好ましくは30〜70mmのロッドに毛髪を巻きつける工程と、
本発明の毛髪処理剤を該毛髪に塗布する工程と、
該毛髪処理剤を塗布した毛髪を、20〜60℃、好ましくは20〜40℃で放置する工程とを含む。
放置工程において、放置時間は毛髪の性質により異なるが、通常1〜30分、好ましくは5〜15分で放置する。
本発明の毛髪処理剤を用いると、毛髪に熱をかけることなく、または低い温度で加温することにより、太めのロッドを用いたカールおよびウェーブなどのデザイン形成のための毛髪変形を行うことが可能であるため、毛髪の損傷を抑えてくっきりとしたカールやウェーブを形成することが可能である。
本発明の毛髪処理剤を用いてストレートデザイン形成のための毛髪変形処理を行う場合は、
本発明の毛髪処理剤を毛髪に塗布する工程と、
該毛髪処理剤を塗布した毛髪をコームで伸ばす工程と、
該コームで伸ばした毛髪を20〜60℃、好ましくは20〜40℃で放置する工程とを含む。
放置工程において、放置時間は毛髪の性質により異なるが、通常1〜30分、好ましくは5〜15分で放置する。
本発明の毛髪処理剤を用いると、毛髪をヘアアイロンで伸ばす操作を必要とすることなく、ストレートデザインを形成することが可能であるので、毛髪の損傷を抑えることができる。
本発明の毛髪処理剤を用いた毛髪変形処理方法は、上記工程の他に、通常の毛髪変形処理における工程、たとえば毛髪を水洗する工程、毛髪を乾燥する工程、毛髪を通常の第2剤処理する工程およびその他の任意処理を行う工程等を行ってもよい。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
第1剤の成分および配合割合は、表2〜5に示す通りである。表に記載された成分の単位は重量%であり、毛髪処理剤である第1剤を100重量%として表す。
第2剤100g中の成分およびpHは、以下の通りである。
Figure 0005611561
[実施例1〜37、比較例1〜8]
表2〜4に記載の配合割合の各成分を秤量して、混合することにより第1剤を調製した。 第1剤および第2剤を用いて、以下の試験を行い、評価を行った。
<ウェーブ形成力(ウェーブデザイン形成力)>
キルビーの方法に従ってウェーブ効率を測定した。具体的には以下のプロセスで行った。
約20cmの未処理人毛20本を1つの毛束とし、キルビー装置に装着し、25℃に恒温された表2〜4に示す配合の第1剤に15分間浸漬した後、流水で1分間水洗した。次いで、毛束を乾燥することなく25℃に恒温された第2剤溶液に15分間浸漬後、流水で1分間水洗した。
その後、キルビー装置から毛束をはずし、試料とし、ウェーブ効率を測定した。
ウェーブ効率は次式によって算出した。
ウェーブ効率 (%)=100-100×(B-A)/(C-A) (2)
A:器具の棒の第1番目から第5番目までの距離(mm)
B:形成されたウェーブの連続した5つの山における1つめの山の頂点(b1)と5つめの山の頂点(b2)との間の距離(mm)
C:Bのウェーブをまっすぐに伸ばした時のb1とb2との間の距離(mm)
式(2)により算出されたウェーブ効率から、ウェーブデザイン形成力を以下の基準で判断した。
◎◎:ウェーブ効率80%以上
◎:ウェーブ効率50%以上80%未満
○:ウェーブ効率30%以上50%未満
×:ウェーブ効率30%未満
<くせの伸び(ストレートデザイン形成力)>
約20cmの未処理人毛(くせ毛)を約2gずつの束にし、表2〜4に示す配合の第1剤5gを該毛束に均一に塗布し、コーミングして毛束を伸ばし、室温にて15分放置した。その後、毛束を流水で30秒洗った。次いで、毛束を乾燥することなく第2剤5gを均一に塗布し、コーミングして毛束を伸ばし、室温で15分放置した。その後、毛束を流水で30秒洗い、風乾後、試料とした。
試料のくせの伸び(ストレートデザイン形成力)を目視で比較した。
◎◎:くせが非常にしっかり伸びている
◎:くせがしっかり伸びている
○:くせが伸びている
×:ほとんどくせが伸びていない
<毛髪の損傷の程度−毛髪の手触りおよび毛髪の艶>
約20cmの未処理人毛を約2gずつの束にし、この毛束を直径15mmのパーマ用ロッドに巻きつけ、表に示す配合の第1剤5gを該毛束に均一に塗布し、室温にて15分放置した。その後、毛束をロッドに巻きつけたまま、流水で30秒洗った。次いで、毛束を乾燥することなく第2剤5gを毛束に均一に塗布し、室温で7分放置後、再度毛束に第2剤5gを塗布し、室温で7分放置した。その後、毛束をロッドに巻きつけたまま流水で30秒洗い、毛束をロッドから取り外し、風乾後、試料とした。
1.毛髪の手触り
試料の毛髪の手触り(滑らかさ)を施術前の毛髪の手触りと比較した。
◎◎:施術前と変わらず手触りが非常に良い
◎:施術前とあまり変わらず手触りが良い
○:施術前よりは劣るが、手触りが良い
△:手触りが悪い
×:ごわつき、ちりつきがあり、手触りが非常に悪い
2.毛髪の艶
試料の毛髪の艶を施術前の毛髪の艶と比較した。
◎◎:施術前と変わらず非常に艶がある
◎:施術前とあまり変わらず艶がある
○:施術前よりは劣るが、艶がある
△:艶があまりない
×:艶がなく、ぱさつき、ちりつきがある
<ウェーブ処理の持続性>
上記ウェーブ形成力の評価のために作成した試料を20%ラウリル硫酸ナトリウム液に浸し、60度の恒温水浴中で1時間放置した(虐待試験)。これを取り出し、軽く水洗した後、ウェーブ効率を測定した。
ウェーブ効率は上記式(2)を用いて算出した。ウェーブの持続性はウェーブ保持率として次式(3)によって算出した。
ウェーブ保持率=
虐待試験後のウェーブ効率/虐待試験前のウェーブ効率×100 (3)
式(3)から得られた試料のウェーブ保持率から、ウェーブ処理の持続性を以下の基準で判断した。
◎◎:ウェーブ保持率90%以上
◎:ウェーブ保持率70%以上90%未満
○:ウェーブ保持率50%以上70%未満
×:ウェーブ保持率50%未満
<ストレート処理の持続性>
上記くせの伸びの評価のために作成した試料を30回シャンプーして水洗することにより洗浄し、風乾後のくせの伸びを、施術後一度も洗浄していない試料のくせの伸びと比較した。
◎◎:くせの伸びが洗浄前と変わらない
◎:くせの伸びが洗浄前とあまり変わらない
○:くせが多少戻っている
×:くせがほとんど戻っている
Figure 0005611561
Figure 0005611561
Figure 0005611561
[実施例38〜40、比較例9〜14]
表5に記載の配合割合の各成分を秤量、混合することにより第1剤を調製した。第1剤および第2剤を用いて、以下の試料を作成し、評価を行った。
約30cmの未処理人毛を約2gずつの束にし、この毛束を表に示す各直径のパーマ用ロッドに巻きつけ、表5に示す配合の第1剤5gを該毛束に均一に塗布し、室温にて15分放置した。その後、毛束をロッドに巻きつけたまま、流水で30秒洗った。次いで、毛束を乾燥することなく第2剤5gを毛束に均一に塗布し、室温で7分放置後、再度毛束に第2剤5gを塗布し、室温で7分放置した。その後、毛束をロッドに巻きつけたまま流水で30秒洗い、毛束をロッドから取り外し、風乾後、試料とした。
<カールおよびウェーブ形成力>
試料のカールまたはウェーブの強さを目視で比較し、以下の基準で判断した。
○:カールまたはウェーブが形成されている
△:若干のカールまたはウェーブしか形成されない
×:ほとんどカールまたはウェーブが形成されない
<カールおよびウェーブ処理の持続性>
試料を30回シャンプーして水洗することにより洗浄し、風乾後のカールまたはウェーブの状態を、施術後一度も洗浄していない試料のウェーブの状態と比較した。
○:カールまたはウェーブが洗浄前と変わらない
△:カールまたはウェーブが洗浄前に較べ、かなり落ちている
×:カールまたはウェーブが洗浄前に較べ、ほとんど落ちている
<毛髪の損傷の程度−毛髪の手触りおよび毛髪の艶>
実施例1と同様の基準で評価し、判断した。
Figure 0005611561
実験結果より、本発明の毛髪処理剤におけるシステアミン類の量とpHの範囲の組み合わせは、毛髪の損傷を抑えて、毛髪をカール、ウェーブおよびストレートを十分な形成力および持続力で処理可能であることがわかる。
さらに本発明の毛髪処理剤は、フコイダンを含有することで、カール、ウェーブ、ストレート形成のための毛髪変形処理による毛髪の損傷をさらに抑えることができる。
そして、太いロッドを用いた場合でも、しっかりとしたウェーブおよびカールを形成し、持続することができる。

Claims (6)

  1. システアミン濃度が3.5〜15重量%であり、pHが7.0〜9.5である毛髪処理剤であって、
    さらにフコイダンを0.0001〜1重量%の範囲で含有することを特徴とする毛髪処理剤(毛髪処理剤全体を100重量%とする)
  2. 前記システアミン濃度が5〜12重量%である(毛髪処理剤全体を100重量%とする
    )ことを特徴とする請求項1に記載の毛髪処理剤。
  3. pHが8.5〜9.2であることを特徴とする請求項1または2に記載の毛髪処理剤。
  4. 請求項1〜のいずれかに記載の毛髪処理剤を毛髪に塗布する工程と、
    該毛髪処理剤を塗布した毛髪を、20〜60℃で放置する工程と
    を含むことを特徴とする毛髪変形処理方法。
  5. 該毛髪処理剤を毛髪に塗布する前に、
    毛髪を直径20〜70mmのロッドで巻く工程を、
    さらに含むことを特徴とする請求項に記載の毛髪変形処理方法。
  6. 毛髪をウェーブ、カール、またはストレートにデザインするために用いられることを特
    徴とする請求項1〜のいずれかに記載の毛髪処理剤。
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