JP6514872B2 - 毛髪化粧料 - Google Patents

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Description

本発明は、毛髪化粧料に関する。
ヘアカラー処理、パーマ処理、ヘアドライヤーによる加熱、日光の曝露、日々の洗髪行動などのウェザリングにより、毛髪は損傷する。その結果、健康な毛髪が本来有している感触の良さと外観の美しさは損なわれてしまう。この問題を解決するための方法として、毛髪化粧料の適用により、コンディショニング成分を毛髪表面又はその表層に残留させる方法が知られている。例えば特許文献1には、カチオン性ポリマー等を含有するプレシャンプートリートメント組成物によって毛髪のツヤ、まとまり、指通りを向上させることが記載されている。
また、カチオン性ポリマーと共にアニオン性ポリマーを併用した技術も知られている。例えば、カチオン性ポリマーとアニオン性ポリマーとの併用で形成される高分子電解質複合体によって毛髪の損傷を修復することができるヘアケア組成物が知られている(特許文献2)。また、カチオン性ポリマーとアニオン性ポリマーを併用した髪用製品の形態を持つ化粧品組成物は、ケラチン物質にメイクアップ効果をもたらす組成物としても知られている(特許文献3)。
一方、水酸基の一部又は全てが、アルキルグリセリルエーテル基及び/又はアルケニルグリセリルエーテル基とスルホアルキル基により一定の置換度で置換されてなる多糖誘導体を増粘剤として用いた毛髪化粧料が知られている(特許文献4及び5)。
特開2013-56846号公報 特表2013-540152号公報 特開2004-525101号公報 特開平11-12139号公報 特開平09-235301号公報
特許文献1のようにカチオン性ポリマーを含有する毛髪化粧料は、シャンプーによる洗髪の繰り返しによってコンディショニング効果が損なわれてしまい、効果の持続性に劣るという問題がある。また、特許文献2や特許文献3のようにカチオン性ポリマーとアニオン性ポリマーを併用した組成物においては、形成された複合体によって毛髪表面が覆われることで、ある程度効果の持続性を向上させることができるが、その効果は十分なものではなく、また複合体による沈殿を生じ、安定な組成物が得られないという問題があった。
従って、本発明は、蓄積した毛髪ダメージを修復すると共にキューティクルを保護して髪を滑らかで絡まりにくくすることができ、また、その効果の持続性にも優れる毛髪化粧料に関するものである。
本発明者らは、スルホン化多糖類と電荷密度が一定範囲内にあるカチオン性ポリマーとの組み合わせが、上記課題を解決することができることを見出した。
本発明は、次の成分(A)及び(B)を含有する毛髪化粧料を提供するものである。
(A) スルホン化多糖類
(B) 電荷密度3meq/g以上24meq/g以下のカチオン性ポリマー
本発明の毛髪化粧料は、蓄積した毛髪ダメージを修復して髪を滑らかで絡まりにくくすることができ、また、その効果の持続性にも優れる。
本発明の毛髪化粧料(プレシャンプー剤)による毛髪の摩擦軽減効果を示す図である。
本発明において、カチオン性ポリマー及びアニオン性ポリマーの電荷密度は、対イオンを含めたポリマー1g当たりのカチオン性基又はアニオン性基のモル数×1000(meq/g)をいうものとする。
〔成分(A):スルホン化多糖類〕
成分(A)のスルホン化多糖類はアニオン性ポリマーであるが、成分(B)のカチオン性ポリマーと併用しても沈殿を生じ難く、成分(B)による、毛髪を絡まりにくく滑らかな感触にする効果の持続性を向上させることができる。
成分(A)としては、多糖類におけるヒドロキシ基の水素原子の一部又は全部が、次の置換基(a1)で置換されてなる水溶性アルキル置換多糖類が好ましいものとして挙げられる。なお、ここでいう水溶性とは、25℃で水に0.001質量%以上溶解することをいう。
(a1)ヒドロキシ基が置換してもよい炭素数1〜5のスルホアルキル基又はその塩
置換基(a1)の具体例としては、2-スルホエチル基、3-スルホプロピル基、3-スルホ-2-ヒドロキシプロピル基、2-スルホ-1-(ヒドロキシメチル)エチル基等が挙げられ、その一部又は全部が、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属、アミン類等の有機カチオン基、アンモニウムイオンなどとの塩となっていてもよい。これらの中でも、3-スルホ-2-ヒドロキシプロピル基のナトリウム塩が好ましい。
成分(A)は、多糖類におけるヒドロキシ基の水素原子の一部又は全部が、前記置換基(a1)に加え、更に次の置換基(a2)で置換されていることが好ましい。
(a2)炭素数10〜40の直鎖又は分岐のアルキル基を有するアルキルグリセリルエーテル基及び/又は炭素数10〜40の直鎖又は分岐のアルケニル基を有するアルケニルグリセリルエーテル基
置換基(a2)の具体例としては、2-ヒドロキシ-3-アルコキシプロピル基、2-アルコキシ-1-(ヒドロキシメチル)エチル基、2-ヒドロキシ-3-アルケニルオキシプロピル基、2-アルケニルオキシ-1-(ヒドロキシメチル)エチル基が挙げられ、これらの基は多糖分子に結合しているヒドロキシエチル基やヒドロキシプロピル基のヒドロキシ基の水素原子と置換していてもよい。これらのグリセリルエーテル基に置換している炭素数10〜40のアルキル基又はアルケニル基としては、炭素数12〜36、更には16〜24の直鎖又は分岐鎖のアルキル基及びアルケニル基が好ましく、毛髪化粧料の保存安定性の点から、アルキル基、更には直鎖アルキル基が好ましく、中でも炭素数18の直鎖アルキル基が好ましい。
なお、置換基(a1)又は(a2)がヒドロキシ基を有する場合には、当該ヒドロキシ基の水素原子は、更に他の置換基(a1)又は(a2)で置換されていてもよい。
構成単糖残基当たりの置換基(a1)による置換度は、好ましくは0.01以上、より好ましくは0.02以上、更に好ましくは0.1以上であり、また、好ましくは2.5以下、より好ましくは2以下、更に好ましくは1.5以下である。また、構成単糖残基当たりの置換基(a2)による置換度は、好ましくは0.001以上、より好ましくは0.002以上、更に好ましくは0.003以上であり、また、好ましくは1以下、より好ましくは0.5以下、更に好ましくは0.1以下である。更に、置換基(a1)と置換基(a2)の数の比率(a1)/(a2)は、好ましくは1000以下、より好ましくは500以下、更に好ましくは300以下であり、また、1/100以上、より好ましくは1/10以上である。なお、成分(A)は、多糖類の各繰り返し単位中に必ず置換基(a1)が存在している必要はなく、一分子全体として見たときに、置換基(a1)が導入されていればよく、置換基(a1)及び(a2)による置換度が平均して前記範囲内にあることが好ましい。
また、成分(A)のスルホン化多糖類の基本骨格となる多糖類としては、セルロース、グアーガム、スターチ、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルグアーガム、ヒドロキシエチルスターチ、メチルセルロース、メチルグアーガム、メチルスターチ、エチルセルロース、エチルグアーガム、エチルスターチ、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルグアーガム、ヒドロキシプロピルスターチ、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルグアーガム、ヒドロキシエチルメチルスターチ、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルグアーガム、ヒドロキシプロピルメチルスターチ等が挙げられ、なかでもセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースが好ましい。これら多糖類の誘導体におけるメチル基、エチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基等による置換は、単一の置換基による置換でも複数の置換基による置換でもよく、その構成単糖残基当たりの置換度は、好ましくは0.1以上、より好ましくは0.5以上であり、また、好ましくは10以下、より好ましくは5以下である。また、これら多糖類の重量平均分子量は、好ましくは1万以上、より好ましくは10万以上、更に好ましくは30万以上であり、また、好ましくは1000万以下、より好ましくは500万以下、更に好ましくは200万以下である。
成分(A)のスルホン化多糖類は、多糖類の水酸基の水素原子の一部若しくは全部をスルホン化(スルホン酸基を有する置換基(a1)の導入)することにより、又は多糖類の水酸基の水素原子の一部をスルホン化した後、残りの水酸基の水素原子の一部若しくは全部を疎水化(置換基(a2)の導入)することにより、又は多糖類若しくはその誘導体の水酸基の水素原子の一部を疎水化した後、残りの水酸基の水素原子の一部若しくは全部をスルホン化することにより、又は同時に疎水化及びスルホン化を行うことにより、製造することができる。
スルホン化多糖類における置換基(a1)及び(a2)は、原料として用いた多糖類のヒドロキシ基のみならず、他の置換基(a1)や置換基(a2)が有するヒドロキシ基に置換する場合もあり、更に、かかる置換は重畳的に起こる場合もある。すなわち、多糖類のヒドロキシ基の水素原子のみが置換基(a1)及び(a2)で置換された化合物のほか、疎水化(a2)後にスルホン化(a1)した場合には、置換基(a2)に更に置換基(a2)又は(a1)が置換し、また置換基(a1)に更に置換基(a1)が置換したものが含まれることがある。また、スルホン化(a1)後に疎水化(a2)した場合には、置換基(a2)に更に置換基(a2)が置換し、また置換基(a1)に更に置換基(a1)又は(a2)が置換したものが含まれることがある。さらに、疎水化とスルホン化を同時に行った場合には、置換基(a2)に更に置換基(a2)又は(a1)が置換し、置換基(a1)に更に置換基(a2)又は(a1)が置換したものが含まれることがあり、更に、かかる他の置換基への置換が重畳的に起こったものが含まれることもある。本発明においては、このような多糖類のいずれをも使用することができる。
成分(A)の具体例としては、ヒドロキシエチルセルロースヒドロキシプロピルステアリルエーテルヒドロキシプロピルスルホン酸塩(INCI名: ステアロキシPGヒドロキシエチルセルローススルホン酸Na)が挙げられる。
成分(A)のスルホン化多糖類は、単独で又は2種以上を組合せて用いることができ、毛髪化粧料中における含有量は、塗布時に液だれし難い使用しやすい粘度にする観点より、好ましくは0.2質量%以上、より好ましくは0.3質量%以上、更に好ましくは0.5質量%以上であり、また、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下、更に好ましくは3質量%以下である。
〔成分(B):電荷密度3meq/g以上24meq/g以下のカチオン性ポリマー〕
成分(B)のカチオン性ポリマーの電荷密度は、毛髪を絡まりにくく滑らかな感触にする効果の観点から、好ましくは3.5meq/g以上、より好ましくは4meq/g以上、更に好ましくは4.5meq/g以上であり、上記効果の持続性の観点から、好ましくは10meq/g以下、より好ましくは7meq/g以下、更に好ましくは6.5meq/g以下である。
成分(B)のカチオン性ポリマーとしては、(B1)非架橋型、(B2)架橋型のいずれを用いることもでき、架橋型は毛髪を絡まりにくく滑らかな感触にする効果に優れ、非架橋型は効果の持続性に優れる。本発明においては、成分(B)として、架橋型のカチオン性ポリマーと非架橋型のカチオン性ポリマーを併用することがより好ましく、これらを併用することにより、毛髪を絡まりにくく滑らかな感触にする効果の持続性に優れると共に、これらの効果をより向上させることができる。
成分(B1)の非架橋型カチオン性ポリマーとしては、ジアリル4級アンモニウム塩を構成単位として含む重合体、4級化ポリビニルイミダゾリウム誘導体、ポリエチレンイミン等が挙げられる。
ジアリル4級アンモニウム塩を構成単位として含む重合体としては、次の一般式(1)又は(2)で表される骨格を有するものが好ましい。
Figure 0006514872
〔式中、R1及びR2は同一でも異なってもよく、水素原子、炭素数1〜18のアルキル基、アリール基(フェニル基等)、ヒドロキシアルキル基、アミドアルキル基、シアノアルキル基、アルコキシアルキル基又はカルボアルコキシアルキル基を示し、R3及びR4は同一でも異なってもよく、水素原子、炭素数1〜3のアルキル基又はフェニル基を示し、X-は陰イオン(塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、硫酸アニオン、スルホン酸アニオン、メチル硫酸アニオン、リン酸アニオン、硝酸アニオン等)を示す。〕
ジアリル4級アンモニウム塩を構成単位として含む重合体は、成分(A)との併用によるコンディショニング効果の持続性向上効果をより高める観点から、式(1)又は(2)で表される構成単位を、一分子中に好ましくは65〜100モル%、より好ましくは90〜100モル%、更に好ましくは95〜100モル%含有する。
ジアリル4級アンモニウム塩を構成単位として含む重合体の具体例としては、次の一般式(3)又は(4)で表されるものが挙げられる。
Figure 0006514872
〔式中、R1、R2及びX-は、前記と同じ意味を示す。p、q及びrはモル比を示し、p+q+r=100である。〕
pは好ましくは0〜50、より好ましくは0〜25、更に好ましくは0〜10、更に好ましくは0〜5であり、qは好ましくは50〜100、より好ましくは65〜100、更に好ましくは75〜100、更に好ましくは90〜100、更に好ましくは95〜100であり、rは好ましくは0〜50、より好ましくは0〜25、更に好ましくは0〜10、更に好ましくは0〜5である。
これらの中でも、ジアリル4級アンモニウム塩のホモポリマー、ジアリル4級アンモニウム塩とアクリル酸とのコポリマー、ジアリル4級アンモニウム塩とアクリルアミドとのコポリマーが好ましい。ジアリル4級アンモニウム塩のホモポリマーの具体例としては、マーコート100(INCI名:ポリクオタニウム-6、Lubrizol Advanced Materials, Inc.製、電荷密度6.2meq/g、重量平均分子量150,000)等が挙げられ、ジアリル4級アンモニウム塩とアクリル酸とのコポリマーの具体例としては、マーコート295(INCI名:ポリクオタニウム-22、Lubrizol Advanced Materials, Inc.製、電荷密度6.0meq/g、重量平均分子量190,000)、マーコート280(INCI名:ポリクオタニウム-22、Lubrizol Advanced Materials, Inc.製、電荷密度5.0meq/g、重量平均分子量450,000)、ジアリル4級アンモニウム塩とアクリルアミドとのコポリマーの具体例としては、マーコート550(INCI名:ポリクオタニウム-7、Lubrizol Advanced Materials, Inc.製、電荷密度3.1meq/g、重量平均分子量1,600,000)等が挙げられる。
4級化ポリビニルイミダゾリウム誘導体としては、例えば次の一般式(5)で表されるものが好ましい。
Figure 0006514872
〔式中、Rは水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を示し、Y-は塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、硫酸アニオン、スルホン酸アニオン、炭素数1〜4のアルキル硫酸アニオン、リン酸アニオン、硝酸アニオン等の陰イオンを示し、s及びtはモル比を示し、s+t=100である。〕
カチオン性を示すモノマーのモル比であるtは、成分(A)との併用によるコンディショニング効果の持続性向上効果をより高める観点から、好ましくは73以上、より好ましくは90以上、更に好ましくは93以上であり、また、好ましくは99以下である。
このような4級化ポリビニルイミダゾリウム誘導体の具体例としては、ビニルピロリドンと塩化メチルビニルイミダゾリウムとのコポリマーであるルビカットエクセレンス(BASF社製、電荷密度6.7meq/g、重量平均分子量40,000)等が挙げられる。
ポリエチレンイミンの具体例としては、和光純薬工業株式会社から販売されている電荷密度23.2meq/g、重量平均分子量10,000のポリエチレンイミンが挙げられる。
成分(B2)の架橋型カチオン性ポリマーとしては、メタクリロイルオキシエチレントリモニウムクロリドの重合体等が挙げられる。
メタクリロイルオキシエチレントリモニウムクロリドの重合体の具体例としては、(INCI名:ポリクオタニウム-37、BASF社:コスメディア ウルトラジェル300、電荷密度4.8)が挙げられる。
成分(B)の重量平均分子量は、成分(A)と水不溶性のコンプレックスを形成して毛髪に残留しやすいものとする観点から、好ましくは10,000以上、より好ましくは50,000以上、更に好ましくは100,000以上であり、また、好ましくは10,000,000以下、より好ましくは1,000,000以下、更に好ましくは800,000以下である。
ここで、重量平均分子量は、例えばゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)により、以下の条件にて測定することができる。
移動層:50mM LiBr, 1%CH3COOH/エタノール:水=3:7
カラム:TSK gel α-M(2本直列)
標準物質:ポリエチレングリコール
成分(B)の電荷密度3meq/g以上24meq/g以下のカチオン性ポリマーは、単独で又は2種以上を組合せて用いることができ、毛髪化粧料中における含有量は、毛髪を絡まりにくく滑らかな感触にする効果及びその持続性の観点より、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、更に好ましくは0.3質量%以上であり、また、好ましくは20質量%以下、より好ましくは8質量%以下、更に好ましくは6質量%以下である。
本発明の毛髪化粧料中における成分(B)と成分(A)との電荷比(B)/(A)は、濯ぎ時に両成分より形成される水不溶性のコンプレックスを毛髪表面に吸着させ、耐シャンプー性を高める観点より、好ましくは1.7以上、より好ましくは2.3以上、更に好ましくは3以上であり、また、好ましくは48以下、より好ましくは36以下、更に好ましくは10以下である。また、この電荷比であれば、製剤中での水不溶性のコンプレックスによる沈殿物を形成し難い。ここで、上記電荷比(B)/(A)は、下記式に従って計算することができる。
電荷比(B)/(A)
=(成分(B)の含有量×成分(B)の電荷密度)/(成分(A)の含有量×成分(A)の電荷密度)
〔成分(C):電荷密度3meq/g未満のカチオン性ポリマー〕
本発明の毛髪化粧料には、更に成分(C)として、電荷密度3meq/g未満のカチオン性ポリマーを含有させることにより、髪の感触をより向上させることができる。
成分(C)としては、非架橋型、架橋型のいずれを用いることもできるが、すすぎ時の滑らかさの観点より、架橋型を用いることがより好ましい。このような電荷密度3meq/g未満で架橋型のカチオン性ポリマーとしては、例えばN,N-ジメチルアミノエチルメタクリル酸ジエチル硫酸塩・N,N-ジメチルアクリルアミド・ジメタクリル酸ポリエチレングリコール共重合体(INCI名:ポリクオタニウム-52、ソフケアKG-101W-E、花王社製、電荷密度0.83meq/g)が挙げられる。電荷密度3meq/g未満で非架橋型のカチオン性ポリマーとしては、ヒドロキシエチルセルロースヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリドエーテル(INCI名:ポリクオタニウム-10)等のカチオン化セルロースが挙げられる。カチオン化セルロースとしては、例えばカチセロM-80(花王社製、電荷密度1.1meq/g)、カチセロL-150(花王社製、電荷密度0.9meq/g)等が挙げられる。
毛髪化粧料中における成分(C)の含有量は、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、更に好ましくは0.3質量%以上であり、また、好ましくは20質量%以下、より好ましくは8質量%以下、更に好ましくは6質量%以下である。
〔成分(D):塩化ナトリウム〕
本発明の毛髪化粧料には、更に成分(D)として、塩化ナトリウムを含有させることが好ましい。塩化ナトリウムを含有させることにより、毛髪化粧料を増粘させ、塗布時の液だれを抑制するなど扱いやすくすることができる。
毛髪化粧料中における成分(D)の含有量は、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.3質量%以上、更に好ましくは0.5質量%以上であり、また、好ましくは3質量%以下、より好ましくは2.5質量%以下、更に好ましくは2質量%以下である。
〔界面活性剤〕
本発明の毛髪化粧料には、界面活性剤を含有させることができる。界面活性剤としては、アニオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤のいずれをも使用することができる。
アニオン界面活性剤としては、例えば、アルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩等の硫酸エステル系アニオン界面活性剤;N-アシルアミノ酸塩、N-アシル-N-アルキルアミノ酸塩、アミド型N-アシルアミノ酸塩、エーテルカルボン酸塩、脂肪酸塩、コハク酸アルキル又はコハク酸アルケニルの塩等のカルボン酸系アニオン界面活性剤;スルホコハク酸塩型、イセチオン酸塩型、タウリン塩型、アルキルベンゼンスルホン酸塩型、α-オレフィンスルホン酸塩型、アルカンスルホン酸型等のスルホン酸系アニオン界面活性剤;アルキルリン酸塩、アルキルエーテルリン酸塩等のリン酸エステル系アニオン界面活性剤が挙げられる。これらのうち、カルボン酸系、硫酸エステル系が好ましく、なかでもカルボン酸系が好ましい。カルボン酸系アニオン界面活性剤の中でも、N-アシルアミノ酸塩、エーテルカルボン酸塩が好ましく、このうち、アシル基の炭素数が10〜18、好ましくは10〜16、更には10〜14のN-アシルグルタミン酸塩、アルキル基の炭素数が10〜18、好ましくは10〜16、更には10〜14でオキシエチレン基の平均付加モル数が3〜15、好ましくは3〜12、更には4〜10のポリオキシエチレンアルキルカルボン酸塩が好ましい。
非イオン界面活性剤としては、アルキルポリグルコシド、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、アルキルグリセリルエーテル等が挙げられる。アルキルポリグルコシドとしては、アルキル基の炭素数が8〜18、更には8〜14、更には9〜11であるものが好ましく、またこのアルキル基が直鎖であるものが好ましい。グルコシドの平均重合度は1〜5、更には1〜2が好ましい。ポリオキシアルキレンアルキルエーテルとしては、アルキル基の炭素数が10〜22、更には12〜18であるものが好ましく、またこのアルキル基が直鎖であるものが好ましい。また、ポリオキシエチレンアルキルエーテルがより好ましく、なかでもオキシエチレン基の平均付加モル数が1〜50、更には2〜40であるものが好ましい。アルキルグリセリルエーテルとしては、アルキル基の炭素数が8〜18、更には8〜12であるものが好ましく、またこのアルキル基が分岐鎖であるものが好ましい。
カチオン界面活性剤としては、モノ長鎖アルキル4級アンモニウム塩、ジ長鎖アルキル4級アンモニウム塩が好ましく、具体的には、セトリモニウムクロリド、ステアルトリモニウムクロリド、ベヘントリモニウムクロリド、ステアラルコニウムクロリド、ベンザルコニウムクロリド、ステアロキシプロピルトリモニウムクロリド、ジアルキル(C12-18)ジモニウムクロリド等が挙げられ、ステアルトリモニウムクロリド、ベヘントリモニウムクロリド、ステアロキシプロピルトリモニウムクロリド、ジアルキル(C12-18)ジモニウムクロリドがより好ましい。カチオン界面活性剤の市販品としては、コータミン86W、同86P コンク、同60W、同E-80K、同D2345P(以上、花王社製)、ニッコール CA-2580(日本サーファクタント工業社製)が挙げられる。
両性界面活性剤としては、炭素数8〜24のアルキル基、アルケニル基又はアシル基を有するカルボベタイン系、アミドベタイン系、スルホベタイン系、ヒドロキシスルホベタイン系、アミドスルホベタイン系、ホスホベタイン系、イミダゾリニウム系の界面活性剤が挙げられ、なかでもカルボベタイン系界面活性剤、スルホベタイン系界面活性剤が好ましい。好ましい両性界面活性剤としては、ラウリン酸アミドプロピルベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリルヒドロキシスルホベタイン等が挙げられる。
界面活性剤は2種以上を併用することもでき、毛髪化粧料中の含有量は、毛髪化粧料の安定性の観点より、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、更に好ましくは1質量%以上であり、また、好ましくは30質量%以下、より好ましくは25質量%以下、更に好ましくは20質量%以下、更に好ましくは15質量%以下である。
本発明の毛髪化粧料がシャンプーである場合には、アニオン界面活性剤を含有することが好ましく、その中でも泡立ち、洗浄性の観点から、アルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩等の硫酸エステル系アニオン界面活性剤が好適に用いられる。シャンプー中のアニオン界面活性剤の含有量は、2質量%以上、更には2.5質量%以上、更には3質量%以上、更には5質量%以上が好ましく、また、30質量%以下、更には25質量%以下、更には20質量%以下、更には15質量%以下が好ましい。成分(A)と成分(B)の合計に対するアニオン界面活性剤の質量比(アニオン界面活性剤/〔成分(A)+成分(B)〕)は、シャンプーの安定性の観点から、0.3以上、更には0.5以上、更には1以上、更には1.5以上が好ましく、また10以下、更には8以下、更には7以下、更には4以下が好ましい。
また、本発明の毛髪化粧料がヘアリンス、ヘアコンディショナー又はヘアトリートメントである場合には、カチオン界面活性剤を含有することが好ましく、その中でも濯ぎや乾燥後に髪をなめらかにするという観点から、モノ長鎖アルキル4級アンモニウム塩、ジ長鎖アルキル4級アンモニウム塩が好ましい。ヘアリンス、ヘアコンディショナー又はヘアトリートメント中のカチオン界面活性剤の含有量は、0.1質量%以上、更には0.5質量%以上、更には1質量%以上が好ましく、また、15質量%以下、更には10質量%以下、更には8質量%以下が好ましい。成分(A)と成分(B)の合計に対するカチオン界面活性剤の質量比(カチオン界面活性剤/〔成分(A)+成分(B)〕)は、ヘアリンス、ヘアコンディショナー又はヘアトリートメントの安定性の観点から、0.3以上、更には0.5以上、更には1以上が好ましく、また10以下、更には8以下、更には6以下、更には4以下、更には2以下が好ましい。
〔高級アルコール〕
本発明の毛髪化粧料には、感触改善、安定性の観点から、炭素数12以上の高級アルコールを含有させることが好ましい。これらは、界面活性剤と構造体を形成して分離を防ぐと共に、すすぎ時の感触を改善する効果がある。
高級アルコールとしては、炭素数12以上、更には16以上、また、炭素数30以下、更には22以下のものが好ましく、具体的には、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、アラキルアルコール、ベヘニルアルコール、イソステアリルアルコール、2-オクチルドデカノール、オレイルアルコール等、及びこれらの混合物が挙げられる。
高級アルコールは2種以上を併用してもよく、またその含有量は、毛髪化粧料の粘度及び安定性の観点より、毛髪化粧料中3質量%以上、更には4質量%以上が好ましく、また、11質量%以下、更には9質量%以下が好ましい。
〔多価アルコール〕
本発明の毛髪化粧料は、更に多価アルコールを含有することが好ましい。多価アルコールとしては、炭素数2〜20のもの、具体的には、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,2-ブチレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ペンチレングリコール、ヘキシレングリコール等のアルキレングリコール類;グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン等のグリセリン類;キシリット、マンニット、ガラクチット、ソルビット等の糖アルコール類;その他トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどが挙げられる。
多価アルコールは2種以上を併用してもよい。また、毛髪化粧料中の含有量は、毛髪にうるおいを与え、毛髪のぱさつきを抑止する効果に優れる点から、0.1質量%以上、更には0.5質量%以上、更には1質量%以上が好ましく、また、20質量%以下、更には15質量%以下、更には10質量%以下が好ましい。
〔コンディショニング成分〕
また、本発明の毛髪化粧料は、シリコーン類及び油剤から選ばれるコンディショニング成分を含有することができる。
シリコーン類としては、例えば、ポリジメチルシロキサン類、変性シリコーン類(例えば、アミノ変性シリコーン、フッ素変性シリコーン、アルコール変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、アミノポリエーテル変性シリコーン等)、環状ポリジメチルシロキサン、高重合メチルポリシロキサンエマルジョンが挙げられ、中でもポリジメチルシロキサン類、ポリエーテル変性シリコーン類、アミノ変性シリコーン、環状ポリジメチルシロキサン、アミノポリエーテル変性シリコーン、高重合メチルポリシロキサンエマルジョンが好ましい。
これらのシリコーン類は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。シリコーン類の含有量は、十分な効果の観点から、毛髪化粧料中の0.1質量%以上、更には0.5質量%以上が好ましく、また、ベタツキの抑制の観点から、毛髪化粧料中の20質量%以下、更には15質量%以下が好ましい。
油剤としては、スクワレン、スクワラン、ワセリン、パラフィン、流動パラフィン、流動イソパラフィン、シクロパラフィン等の炭化水素;、ヒマシ油、カカオ油、ミンク油、アボガド油、オリーブ油、シア脂等のグリセリド;ミツロウ、鯨ロウ、ラノリン、カルナウバロウ等のロウ;パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、ミルスチン酸オクチルドデシル、ラウリン酸ヘキシル、乳酸セチル、モノステアリン酸プロピレングリコール、オレイン酸オレイル、2-エチルヘキサン酸ヘキサデシル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸トリデシル等のエステル油;カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、オレイン酸、ラノリン脂肪酸、イソ脂肪酸、アンテイソ脂肪酸、ヤシ油脂肪酸、18-メチルエイコサン酸、16-メチルオクタデカン酸およびこれら脂肪酸/分岐脂肪酸の混合物等の高級脂肪酸等が挙げられる。
これらの油剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。油剤の含有量は、感触改善効果の観点から、毛髪化粧料中の0.1質量%以上、更には0.5質量%以上が好ましく、また、毛髪化粧料の分離に対する安定性の観点から、毛髪化粧料中の20質量%以下、更には15質量%以下が好ましい。
このようなコンディショニング成分が適度に毛髪に残留するため、良好なコンディショニング効果を付与することができる。
〔その他任意成分〕
本発明の毛髪化粧料には、上記成分のほかに通常化粧料原料として用いられる他の成分を加えることができる。このような任意成分としては、増粘剤、防腐剤、キレート剤、安定化剤、酸化防止剤、植物性抽出物、生薬抽出物、タンパク質加水分解物、ビタミン類、染料等の着色剤、香料、紫外線吸収剤、エチレングリコールジ脂肪酸エステル等のパール化剤、セット用ポリマー、両親媒性アミド脂質等が挙げられる。
セット用ポリマーとしては、ポリシリコーン-9;ポリビニルピロリドン系ポリマー(例えば、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン/酢酸ビニル共重合体、ビニルピロリドン/酢酸ビニル/プロピオン酸ビニル三元共重合体、ビニルピロリドン/アルキルアミノアクリレート(四級塩化)共重合体、ビニルピロリドン/アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体、ビニルピロリドン/アルキルアミノアクリレート/ビニルカプロラクタム共重合体等);メチルビニルエーテル/無水マレイン酸アルキルハーフエステル共重合体;酸性ポリ酢酸ビニル系ポリマー(例えば、酢酸ビニル/クロトン酸共重合体、酢酸ビニル/クロトン酸/ネオデカン酸ビニル共重合体、酢酸ビニル/クロトン酸/プロピオン酸ビニル共重合体等);酸性(メタ)アクリル系ポリマー(例えば、(メタ)アクリル酸/(メタ)アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸/アクリル酸アルキルエステル/アルキルアクリルアミド共重合体等);両性アクリル系ポリマー(例えば、N-メタクリロイルエチル-N,N-ジメチルアンモニウム・α-N-メチルカルボキシベタイン/メタクリル酸ブチル共重合体、アクリル酸ヒドロキシプロピル/メタクリル酸ブチルアミノエチル/アクリル酸オクチルアミド共重合体等);アクリルアミド・アクリル酸エステル系共重合体;キチン・キトサン化合物(例えば、ヒドロキシプロピルキトサン、カルボキシメチルキチン、カルボキシメチルキトサン等)などが挙げられる。
毛髪化粧料中のセット用ポリマーの含有量は、0.1質量%以上、更には0.5質量%以上が好ましく、また5質量%以下、更には3質量%以下が好ましい。セット用ポリマーは、毛髪化粧料がスタイリング剤の場合により好適に用いられる。
〔媒体〕
本発明の毛髪化粧料には、媒体として水が使用される。毛髪化粧料中の水の含有量は、10質量%以上、更には20質量%以上、更に30質量%以上が好ましく、また、90質量%以下、更には80質量%以下、更には75質量%以下が好ましい。
本発明の毛髪化粧料には、更に水以外の媒体として、必要により有機溶剤が使用される。有機溶剤としては、ベンジルアルコール、ベンジルオキシエタノール等の芳香族アルコール類、エタノール、2-プロパノール等の低級アルカノール類、プロピレングリコール、1,3-ブタンジオール、ジエチレングリコール、グリセリン等のポリオール類、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、ベンジルセロソルブ等のセロソルブ類、エチルカルビトール、ブチルカルビトール等のカルビトール類が挙げられる。
〔pH〕
本発明の毛髪化粧料の25℃におけるpHは、好ましくは2以上、より好ましくは4.5以上、更に好ましくは5.5以上であり、また、好ましくは12以下、より好ましくは11.5以下、更に好ましくは11以下である。この調整のために、さらにpH調整剤を使用することができる。
pH調整剤としては、アルカリ剤として、アンモニア又はその塩;モノエタノールアミン、イソプロパノールアミン、2-アミノ-2-メチルプロパノール、2-アミノブタノール等のアルカノールアミン又はその塩;1,3-プロパンジアミン等のアルカンジアミン又はその塩;炭酸グアニジン、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等の炭酸塩;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水酸化物等を使用することができる。また、酸剤として、塩酸、リン酸等の無機酸、塩酸モノエタノールアミン等の塩酸塩;リン酸二水素一カリウム、リン酸一水素二ナトリウム等のリン酸塩等を使用することができる。
これらのpH調整剤は、酸剤単独あるいはアルカリ剤単独でも、両者を併用してもよく、またその含有量は、毛髪損傷や頭皮刺激の低減の観点から、毛髪化粧料中の0.01質量%以上、更には0.1質量%以上が好ましく、また、毛髪化粧料中の20質量%以下、更には15質量%以下が好ましい。
〔剤型〕
本発明の毛髪化粧料の剤型は、例えば、液状、乳液状、クリーム状、ゲル状、ペースト状、ムース状、エアゾールなどの形態にすることができる。なお、エアゾールとする場合、ここまでに述べた各成分の含有量、毛髪化粧料のpHは、噴射剤を含まない原液中の含有量、原液のpHである。
本発明の毛髪化粧料は、プレシャンプートリートメント、シャンプー、ヘアリンス、ヘアコンディショナー、ヘアトリートメント、アフターシャンプートリートメント等のインバス剤(毛髪に適用した後洗い流すタイプ);ノンエアゾールフォーム、エアゾールフォーム、ヘアジェル、ヘアムース、ヘアミスト、ヘアローション、ヘアオイル、スタイリング剤等のアウトバス剤(毛髪に適用した後洗い流さないタイプ)などに好適に用いることができる。このうち、インバス剤(毛髪に適用した後洗い流すタイプ)が好ましく、中でもプレシャンプートリートメントが好ましい。
〔使用方法(毛髪処理方法)〕
本発明の毛髪化粧料による毛髪の処理は、毛髪化粧料を毛髪に直接又は道具を用いて接触させることにより行われる。接触の方法は、その毛髪化粧料のタイプにおいて一般に広く用いられている方法を適用でき、例えばプレシャンプートリートメントの場合、シャンプー処理をする前に、適量を乾燥状態又は湿潤状態の毛髪に接触させ、数秒〜数十分間放置した後に水で流し、シャンプーで洗浄する方法、シャンプーの場合、適量を毛髪に接触させ、泡立てながら数分間マッサージした後に流水で洗い流す方法、ヘアリンス、ヘアコンディショナー、ヘアトリートメント、アフターシャンプートリートメント等の場合、シャンプー処理後、適量を毛髪に接触させ、数秒〜数十分放置後に流水で洗い流す方法、ヘアムース、ヘアオイル、スタイリング剤等の場合、適量を毛髪に接触させ、そのまま放置する方法などが挙げられる。ここで、適量とは毛髪の質量に対する浴比で1:0.005〜1:10程度になる量である。処理の対象となる毛髪は、全部又はその一部でも構わない。毛髪に適用する際の温度は室温から体温程度が好ましいが、浸透促進のために50℃程度まで加熱しても構わない。
以上述べた実施形態に関し、以下に本発明の好ましい態様を更に開示する。
<1> 次の成分(A)及び(B)を含有する毛髪化粧料。
(A) スルホン化多糖類
(B) 電荷密度3meq/g以上24meq/g以下のカチオン性ポリマー
<2> 成分(A)が、好ましくは多糖類におけるヒドロキシ基の水素原子の一部又は全部が次の置換基(a1)で置換されてなる水溶性アルキル置換多糖類である<1>に記載の毛髪化粧料。
(a1)ヒドロキシ基が置換してもよい炭素数1〜5のスルホアルキル基又はその塩
<3> 置換基(a1)が、好ましくは2-スルホエチル基、3-スルホプロピル基、3-スルホ-2-ヒドロキシプロピル基、2-スルホ-1-(ヒドロキシメチル)エチル基及びそれらの塩からなる群より選ばれるものである<2>に記載の毛髪化粧料。
<4> 構成単糖残基当たりの置換基(a1)による置換度が、好ましくは0.01以上、より好ましくは0.02以上、更に好ましくは0.1以上であり、また、好ましくは2.5以下、より好ましくは2以下、更に好ましくは1.5以下である<2>又は<3>に記載の毛髪化粧料。
<5> 成分(A)が、好ましくは多糖類におけるヒドロキシ基の水素原子の一部又は全部が、更に次の置換基(a2)で置換されてなる水溶性アルキル置換多糖類である<2>〜<4>のいずれかに記載の毛髪化粧料。
(a2)炭素数10〜40の直鎖又は分岐のアルキル基を有するアルキルグリセリルエーテル基及び/又は炭素数10〜40の直鎖又は分岐のアルケニル基を有するアルケニルグリセリルエーテル基
<6> 置換基(a2)が、好ましくは2-ヒドロキシ-3-アルコキシプロピル基、2-アルコキシ-1-(ヒドロキシメチル)エチル基、2-ヒドロキシ-3-アルケニルオキシプロピル基及び2-アルケニルオキシ-1-(ヒドロキシメチル)エチル基からなる群より選ばれるものである<5>に記載の毛髪化粧料。
<7> 構成単糖残基当たりの置換基(a2)による置換度が、好ましくは0.001以上、より好ましくは0.002以上、更に好ましくは0.003以上であり、また、好ましくは1以下、より好ましくは0.5以下、更に好ましくは0.1以下である<5>又は<6>に記載の毛髪化粧料。
<8> 置換基(a1)と置換基(a2)の数の比率(a1)/(a2)が、好ましくは1000以下、より好ましくは500以下、更に好ましくは300以下であり、また、1/100以上、より好ましくは1/10以上である<5>〜<7>のいずれかに記載の毛髪化粧料。
<9> 成分(A)のスルホン化多糖類の基本骨格となる多糖類が、好ましくはセルロース、グアーガム、スターチ、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルグアーガム、ヒドロキシエチルスターチ、メチルセルロース、メチルグアーガム、メチルスターチ、エチルセルロース、エチルグアーガム、エチルスターチ、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルグアーガム、ヒドロキシプロピルスターチ、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルグアーガム、ヒドロキシエチルメチルスターチ、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルグアーガム及びヒドロキシプロピルメチルスターチから選ばれるものである<1>〜<8>のいずれかに記載の毛髪化粧料。
<10> 成分(A)のスルホン化多糖類の基本骨格となる多糖類の重量平均分子量が、好ましくは1万以上、より好ましくは10万以上、更に好ましくは30万以上であり、また、好ましくは1000万以下、より好ましくは500万以下、更に好ましくは200万以下である<9>に記載の毛髪化粧料。
<11> 成分(A)が、好ましくはヒドロキシエチルセルロースヒドロキシプロピルステアリルエーテルヒドロキシプロピルスルホン酸塩(INCI名: ステアロキシPGヒドロキシエチルセルローススルホン酸Na)である<1>〜<10>のいずれかに記載の毛髪化粧料。
<12> 毛髪化粧料中における成分(A)の含有量が、好ましくは0.2質量%以上、より好ましくは0.3質量%以上、更に好ましくは0.5質量%以上であり、また、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下、更に好ましくは3質量%以下である<1>〜<11>のいずれかに記載の毛髪化粧料。
<13> 成分(B)の電荷密度が、好ましくは3.5meq/g以上、より好ましくは4meq/g以上、更に好ましくは4.5meq/g以上であり、また、好ましくは10meq/g以下、より好ましくは7meq/g以下、更に好ましくは6.5meq/g以下である<1>〜<12>のいずれかに記載の毛髪化粧料。
<14> 成分(B)が、好ましくは(B1)非架橋型カチオン性ポリマー及び(B2)架橋型カチオン性ポリマーから選ばれる1種以上である<1>〜<13>のいずれかに記載の毛髪化粧料。
<15> 成分(B)が、好ましくは(B1)非架橋型カチオン性ポリマーと(B2)架橋型カチオン性ポリマーの組み合わせからなるものである<14>に記載の毛髪化粧料。
<16> 成分(B1)の非架橋型カチオン性ポリマーが、好ましくはジアリル4級アンモニウム塩を構成単位として含む重合体、4級化ポリビニルイミダゾリウム誘導体及びポリエチレンイミン等からなる群より選ばれるものである<14>又は<15>に記載の毛髪化粧料。
<17> ジアリル4級アンモニウム塩を構成単位として含む重合体が、好ましくは次の一般式(1)又は(2)で表される骨格を有するものである<16>に記載の毛髪化粧料。
Figure 0006514872
〔式中、R1及びR2は同一でも異なってもよく、水素原子、炭素数1〜18のアルキル基、アリール基(フェニル基等)、ヒドロキシアルキル基、アミドアルキル基、シアノアルキル基、アルコキシアルキル基又はカルボアルコキシアルキル基を示し、R3及びR4は同一でも異なってもよく、水素原子、炭素数1〜3のアルキル基又はフェニル基を示し、X-は陰イオン(塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、硫酸アニオン、スルホン酸アニオン、メチル硫酸アニオン、リン酸アニオン、硝酸アニオン等)を示す。〕
<18> ジアリル4級アンモニウム塩を構成単位として含む重合体が、好ましくは式(1)又は(2)で表される構成単位を一分子中に好ましくは65〜100モル%、より好ましくは90〜100モル%、更に好ましくは95〜100モル%含有するものである<17>に記載の毛髪化粧料。
<19> ジアリル4級アンモニウム塩を構成単位として含む重合体が、好ましくはポリクオタニウム-6、ポリクオタニウム-22及びポリクオタニウム-7からなる群より選ばれるものである<16>〜<18>のいずれかに記載の毛髪化粧料。
<20> 4級化ポリビニルイミダゾリウム誘導体が、好ましくは次の一般式(5)で表されるものである<16>に記載の毛髪化粧料。
Figure 0006514872
〔式中、Rは水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を示し、Y-は塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、硫酸アニオン、スルホン酸アニオン、炭素数1〜4のアルキル硫酸アニオン、リン酸アニオン、硝酸アニオン等の陰イオンを示し、s及びtはモル比を示し、s+t=100である。〕
<21> 成分(B2)の架橋型カチオン性ポリマーが、好ましくはメタクリロイルオキシエチレントリモニウムクロリドの重合体である<14>又は<15>に記載の毛髪化粧料。
<22> 成分(B2)の架橋型カチオン性ポリマーが、好ましくはポリクオタニウム-37である<21>に記載の毛髪化粧料。
<23> 成分(B)の重量平均分子量が、好ましくは10,000以上、より好ましくは50,000以上、更に好ましくは100,000以上であり、また、好ましくは10,000,000以下、より好ましくは1,000,000以下、更に好ましくは800,000以下である<1>〜<22>のいずれかに記載の毛髪化粧料。
<24> 毛髪化粧料中における成分(B)の含有量が、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、更に好ましくは0.3質量%以上であり、また、好ましくは20質量%以下、より好ましくは8質量%以下、更に好ましくは6質量%以下である<1>〜<23>のいずれかに記載の毛髪化粧料。
<25> 毛髪化粧料中における成分(B)と成分(A)との電荷比(B)/(A)が、好ましくは1.7以上、より好ましくは2.3以上、更に好ましくは3以上であり、また、好ましくは48以下、より好ましくは36以下、更に好ましくは10以下である<1>〜<24>のいずれかに記載の毛髪化粧料。
<26> 好ましくは、更に成分(C)を含有するものである<1>〜<25>のいずれかに記載の毛髪化粧料。
(C) 電荷密度3meq/g未満のカチオン性ポリマー
<27> 成分(C)が、好ましくはポリクオタニウム-52及びポリクオタニウム-10から選ばれるものである<26>に記載の毛髪化粧料。
<28> 毛髪化粧料中における成分(C)の含有量が、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、更に好ましくは0.3質量%以上であり、また、好ましくは20質量%以下、より好ましくは8質量%以下、更に好ましくは6質量%以下である<26>又は<27>に記載の毛髪化粧料。
<29> 好ましくは、更に成分(D)を含有するものである<1>〜<28>のいずれかに記載の毛髪化粧料。
(D) 塩化ナトリウム
<30> 毛髪化粧料中における成分(D)の含有量が、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.3質量%以上、更に好ましくは0.5質量%以上であり、また、好ましくは3質量%以下、より好ましくは2.5質量%以下、更に好ましくは2質量%以下である<29>に記載の毛髪化粧料。
<31> 好ましくは、媒体として少なくとも水を使用するものである<1>〜<30>のいずれかに記載の毛髪化粧料。
<32> アニオン性ポリマー及びカチオン性ポリマーを含有する毛髪化粧料で乾いた毛髪を処理した後、水ですすいだ後、シャンプーで洗髪する毛髪処理方法。
<33> <1>〜<31>のいずれかに記載の毛髪化粧料で乾いた毛髪を処理した後、水ですすいだ後、シャンプーで洗髪する毛髪処理方法。
製造例1
以下の方法により、成分(A)のスルホン化多糖類を得た。
1Lニーダー中に、ヒドロキシエチルセルロース(ユニオンカーバイド社製,QP15000H,LOT.W8077P,以下「HEC」)100g及びステアリルグリシジルエーテル0.61g(0.45mol%対HEC)を仕込んだ。装置を密閉し、装置内の脱気(13.3kPa)と窒素置換を3回行い、反応系内の酸素を除去した。窒素置換後、粉体を攪拌しながら室温でイソプロピルアルコール50g(0.5質量倍対HEC)を添加した。5分後48質量%水酸化ナトリウム水溶液6.67g(20mol%)とイオン交換水36.5g(総水量0.4質量倍対HEC)の混合液を、粉体の攪拌を行いながら徐々に加えた。室温で30分攪拌後、80℃まで昇温し、80℃で3時間疎水化反応を行った。疎水化反応終了後、50℃まで冷却し、攪拌しながら、別途調製した2,3-エポキシプロパンスルホン酸ナトリウム水溶液(41.1質量%)31.2g(20mol%対HEC)をゆっくりと添加し、50℃で5時間スルホン化反応を行った。スルホン化反応終了後、酢酸4.8gをゆっくりと添加して中和を行った。30分攪拌後、ニーダー内で減圧乾燥(90℃/100mmHg)を6時間行い、黄白色粉体のステアロキシPGヒドロキシエチルセルローススルホン酸Naを110g得た。
得られたステアロキシPGヒドロキシエチルセルローススルホン酸Naの3-ステアリルオキシ-2-ヒドロキシプロピル基の置換度は0.0033、3-スルホ-2-ヒドロキシプロピル基の置換度は0.139、電荷密度は0.54meq/gであった。
実施例1〜14、比較例1〜6
表1及び2に示すプレシャンプー剤を調製し、プレシャンプー剤塗布後のすすぎ時における「滑らかさ」及び「絡まない感じ」、並びにその後の洗髪後におけるこれらの効果の持続性について評価した。なお、実施例9及び14は参考例であって、特許請求の範囲に包含されるものではない。
評価は、専門パネラー5名により、比較例2を対照として下記基準に従って行い、結果を表中に示した。
また、プレシャンプー剤調製後の外観を観察し、「配合状態」として表中に示した。
毛髪の処理方法
2回のブリーチ処理(花王社製、泡カラーハイブリーチで2回ブリーチ処理(毛髪の5質量倍のブリーチ剤を塗布し、30分間室温で処理))の後、100回の洗髪を繰り返して損傷させた日本人毛髪のトレス20g(長さ25cm)を用意した。これを処理前の毛髪とする。この乾いたトレスに対して、表1〜3に記載の毛髪化粧料(プレシャンプー剤)を4g塗布して馴染ませ、30秒間流水ですすぎ、30秒間評価用シャンプーを3g塗布し、泡立たせた後、30秒間流水ですすぐ。その後同様のシャンプー洗髪とすすぎを数回行う。
官能評価(塗布後すすぎ時における滑らかさと絡まりにくさ)
上記の方法で処理したトレスにプレシャンプー剤を塗布した後のすすぎ時における滑らかさと絡まりにくさについて、比較例2のプレシャンプー剤を基準として、専門パネラー5名により5段階評価を行った。その平均値を表1及び2に示す。
・滑らかさ
2:比較例2に比べ、滑らかである
1:比較例2に比べ、やや滑らかである
0:比較例2に比べ、滑らかさがほぼ同等
−1:比較例2に比べ、やや滑らかでない
−2:比較例2に比べ、滑らかでない
・絡まりにくさ
2:比較例2に比べ、絡まりにくい
1:比較例2に比べ、やや絡まりにくい
0:比較例2に比べ、絡まりにくさがほぼ同等
−1:比較例2に比べ、やや絡まり易い
−2:比較例2に比べ、絡まり易い
官能評価(滑らかさと絡まりにくさの持続性)
前記滑らかさと絡まりにくさの評価後のトレスについて、評価用シャンプーによる洗髪後のすすぎ後の滑らかさと絡まりにくさの持続性を評価した。評価は、専門パネラー5名により、プレシャンプー剤を使わない場合に比較して滑らかさ又は絡まりにくさが向上した感じが何回のシャンプー後まで持続するかを評価した。その平均回数を表1及び2に示す。
評価用シャンプー (質量%)
ラウレス硫酸アンモニウム(エマール125A,花王社) 12
ポリクオタニウム-10(カチセロM-80,花王社) 0.14
グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド(ジャガーC-17SK,Solvay社)0.36
ポリクオタニウム-7(マーコート550,Lubrizol Advanced Materials,Inc.) 0.18
ラウリルヒドロキシスルタイン(アンヒトール20HD,花王社) 1.7
PPG-7(アデカカーポールDL-30,アデカ社) 1.1
ベンジルアルコール 0.3
塩化ナトリウム 0.1
精製水 残量
Figure 0006514872
Figure 0006514872
試験例1(成分(D)塩化ナトリウムによる増粘効果;実施例1,8,15,16)
実施例1及び実施例8において、更に成分(D)を配合した実施例15及び実施例16を調製した。これら4種のプレシャンプー剤について粘度を測定し、表3中に示した。また、実施例15及び16についても前記同様に官能評価を行い、結果を表3中に示した。
Figure 0006514872
試験例2(毛髪の摩擦軽減効果及びその持続性)
以下の方法により、1回のプレシャンプー剤による処理の後、繰り返し洗髪した場合の摩擦軽減効果の持続性を評価した。
(プレシャンプー処理)
2回のブリーチ処理(花王社製、泡カラーハイブリーチで2回ブリーチ処理(毛髪の5質量倍のブリーチ剤を塗布し、30分間室温で処理))の後、100回の洗髪を繰り返して損傷させた日本人毛髪のトレス30g(長さ25cm)を3本用意した。これらトレスを用いて、「実施例5のプレシャンプー剤による処理を施したトレス」、「実施例5から成分(A)を除いたプレシャンプー剤による処理を施したトレス」、「プレシャンプー処理なしのトレス」の3種のトレスを得た。
プレシャンプー処理は、乾いたトレスに対しプレシャンプー剤8gを均一に塗布することにより行った。
(耐シャンプー性の評価)
前記3種のトレスに対し、「予洗」→「シャンプー塗布」→「シャンプーすすぎ」→「タオルドライ」→「乾燥」を1サイクルとする洗髪処理を14回施した。シャンプーとしては、前掲の評価用シャンプーを用いた。
この際、「予洗時」、「シャンプー塗布後」、「シャンプーすすぎ時」、「タオルドライ後」、「乾燥後」の各段階におけるコーミングフォースを、ダイナミックコーミングフォース測定法(鈴木ら; J. Soc. Cosmet. Chem. Japan. Vol. 27, No.1, P11-13 1993)により測定した。シャンプー組成物2.5gを上記トレスに塗布し、前記と同様に、手で毛髪をこすり合わせるように、30秒間泡立てを行った。泡立てた毛髪トレスをフォースゲージに吊り下げた後、シャワーで約2170mL/minの流量で水道水をかけながら、二つのヘアブラシで毛髪トレスを前後又は両側から挟み、30回コーミングを行い、各コーミング時にかかる力を測定した。コーミングは約1回/秒の速度で行った。測定したコーミング力のうち、初めの5回を除いた25回分の平均値で、滑らかさを評価した。なお、ヘアブラシは、花王ルーネット(全長:約20cm, くし部サイズ:約4×10cm, くし歯密度:6本/cm)を使用した。25回の測定値の平均値を図1に示す。
処方例
以下に示す処方例中の含有量は、アクティブ量(有効成分としての量)を示す。
処方例1(シャンプー) (質量%)
製造例1で合成されたポリマー 0.51
ポリクオタニウム-6*1 0.33
ポリオキシエチレン(2)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム 11.0
ポリオキシプロピレン(3)オクチルエーテル 1.0
モノ2-エチルヘキシルグリセリルエーテル 1.0
ラウリルヒドロキシスルホベタイン 2.0
ポリオキシエチレン(6)ステアリルエーテル 2.0
ラウリン酸 0.8
グリチルリチン酸ジカリウム 0.1
ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド 1.0
ラウリン酸アミドプロピルベタイン 0.5
ジメチルポリシロキサン*2 1.5
アミノポリエーテル変性シリコーン*3 0.2
エチレングリコールジステアリルエステル 1.5
ジプロピレングリコール 3.0
ベンジルオキシエタノール 0.5
l-メントール 1.0
塩化ナトリウム 1.0
香料 適量
pH調整剤(水酸化ナトリウム) pH5.0になる量
精製水 残量
*1:マーコート100(Lubrizol Advanced Materials, Inc.製)
*2:シリコーンCF2450(東レ・ダウコーニング社)
*3:シリコーンSILSTYLE104(東レ・ダウコーニング社)
処方例2(ヘアトリートメント) (質量%)
製造例1で合成されたポリマー 0.51
ポリクオタニウム-6*1 0.33
ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド 1.0
ベヘニルアルコール 4.0
ステアリルアルコール 3.0
ベンジルアルコール 1.0
ポリプロピレングリコール(分子量300) 1.0
塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム 1.5
高重合メチルポリシロキサン*2 2.0
スクワレン 1.0
ヒドロキシエチルセルロース(Mw=50万) 0.3
イソノナン酸イソノニル 1.0
ジペンタエリトリット脂肪酸エステル*3 0.3
加水分解カゼイン 0.1
アロエエキス 0.1
メチルパラベン 0.1
米胚芽油 0.6
L-グルタミン酸 0.5
香料 0.4
精製水 残量
*1:マーコート100(Lubrizol Advanced Materials, Inc.製)
*2:BY11-003(東レ・ダウコーニング社)
*3:コスモール168M(日清製油社)
処方例3(ヘアジェル) (質量%)
製造例1で合成されたポリマー 0.51
ポリクオタニウム-6*1 0.33
エタノール 10.0
グリセリン 2.0
ジプロピレングリコール 2.0
ベンジルアルコール 0.5
PEG-60水添ヒマシ油 0.3
(C12-14)s-パレス-9 1.0
塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 0.25
ヒドロキシエチルセルロース 2.0
ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル*2 0.01
塩化ナトリウム 1.0
香料 0.05
pH調整剤(苛性カリウム) pH5.0になる量
精製水 残量
*1:マーコート100(Lubrizol Advanced Materials, Inc.製)
*2:ユビナールA PLUS(BASF社)
処方例4(エアゾールフォーム) (質量%)
<原液>
製造例1で合成されたポリマー 0.51
ポリクオタニウム-6*1 0.33
エタノール 4.5
グリセリン 1.0
ジプロピレングリコール 2.0
ベンジルアルコール 0.2
(C12-14)s-パレス-9 1.0
ポリオキシエチレンラウリルエーテル(16E.O.) 1.0
塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 0.25
ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル*2 0.01
香料 0.05
pH調整剤(苛性カリウム) pH5.0になる量
精製水 残量
*1:マーコート100(Lubrizol Advanced Materials, Inc.製)
*2:ユビナールA PLUS(BASF社)
<噴射剤>
LPG(0.44MPa)
<原液/噴射剤比>
93.0/7.0
処方例5(ノンエアゾールフォーマー) (質量%)
製造例1で合成されたポリマー 0.51
ポリクオタニウム-6*1 0.33
エタノール 11.0
ジプロピレングリコール 2.0
ベンジルアルコール 0.2
ポリシリコーン-9 2.0
PEG-32 1.0
PEG-400 1.0
(C12-14)s-パレス-9 1.0
塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 0.25
PEG-60水添ヒマシ油 0.3
PPG-10ソルビトール 1.0
セテス-20 0.5
ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル*2 0.01
香料 0.05
pH調整剤(苛性カリウム) pH5.0になる量
精製水 残量
*1:マーコート100(Lubrizol Advanced Materials, Inc.製)
*2:ユビナールA PLUS(BASF社)

Claims (7)

  1. 次の成分(A)及び(B)を含有し、成分(B)と成分(A)との電荷比(B)/(A)が1.7以上48以下である毛髪化粧料。
    (A) スルホン化多糖類
    (B) 電荷密度3meq/g以上24meq/g以下のカチオン性ポリマー
  2. 成分(A)が、多糖類におけるヒドロキシ基の水素原子の一部又は全部が次の置換基(a1)で置換されてなる水溶性アルキル置換多糖類である請求項1に記載の毛髪化粧料。
    (a1)ヒドロキシ基が置換してもよい炭素数1〜5のスルホアルキル基又はその塩
  3. 成分(B)が、(B1)非架橋型カチオン性ポリマーと(B2)架橋型カチオン性ポリマーの組み合わせからなるものである請求項1又は2に記載の毛髪化粧料。
  4. 更に、成分(C)を含有するものである請求項1〜3のいずれかに記載の毛髪化粧料。
    (C) 電荷密度3meq/g未満のカチオン性ポリマー
  5. 更に、成分(D)を含有するものである請求項1〜4のいずれかに記載の毛髪化粧料。
    (D) 塩化ナトリウム
  6. 成分(B)と成分(A)との電荷比(B)/(A)が2.3以上36以下である請求項1〜5のいずれかに記載の毛髪化粧料。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の毛髪化粧料で乾いた毛髪を処理した後、水ですすいだ後、シャンプーで洗髪する毛髪処理方法。
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