JP5758639B2 - 洗浄剤組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、洗浄剤組成物に関する。より詳細には、本発明は、洗浄後の肌に突っ張り感やきしみ感を与えることなく、マッサージ性(洗浄時の滑り感)、泡立ち、泡持ちに優れ、顔に好適に使用できる洗浄剤組成物に関する。
洗浄剤組成物には、洗浄機能のみならず、洗浄対象に適した付加的機能を備えていることが求められており、洗浄剤組成物の開発には、付加的機能の付与が重視されている。洗浄剤組成物の中でも、とりわけ、身体用の洗浄剤組成物は、身体に対して直接接触する態様で使用されるため、使用感が良好であることが特に重視されている。
身体用の洗浄剤組成物を用いて身体を洗浄する際には、身体を洗浄しながらマッサージをすることが多く、身体用の洗浄剤組成物には、優れたマッサージ性(洗浄時の滑り感)を備えていることが重要な要素になっている。また、身体用の洗浄剤組成物は、肌に突っ張り感やきしみ感を与えないことも、良好な使用感を得るために重視されている。
従来、身体用の洗浄剤組成物には、洗浄後の突っ張り感やきしみ感を低減しつつ、しっとり感を残して仕上がり感を良好にするために、カチオン性ポリマーの配合が有効であることが知られている。例えば、特許文献1には、脂肪酸化合物と、ポリメタクリル酸メチル系樹脂と、カチオン性ポリマーを含有する洗浄剤組成物は、洗浄後の肌のすべり感を付与すると共に、品質保持安定化を備え得ることが開示されている。また、特許文献2には、カチオン性ポリマーに該当するポリオクタニウム類2種以上と、1気圧20℃で固形のシリコーンを含む化粧料は、毛髪にハリとコシを与え得ることが開示されている。しかしながら、特許文献1−2の洗浄剤組成物及び化粧料では、洗浄時のマッサージ性(洗浄時の滑り感)が良好になるように処方設計されているものではない。また、洗浄剤組成物に、カチオン性ポリマーを配合すると、泡立ちや泡持ちが阻害され、洗浄剤組成物に本来求められる洗浄機能が低減してしまうことが知られており、特許文献1−2では、このようなカチオン性ポリマーの問題点を克服できる処方設計を開示しているものでもない。
このような従来技術を背景として、洗浄後の肌に突っ張り感やきしみ感を与えることなく、マッサージ性(洗浄時の滑り感)、泡立ち、泡持ちに優れた洗浄剤組成物の開発が切望されている。
特開2005−162719号公報 特開2005−255631号公報
本発明は、洗浄後の肌に突っ張り感やきしみ感を与えることなく、マッサージ性(洗浄時の滑り感)、泡立ち、泡持ちに優れた洗浄剤組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討を行ったところ、カチオン性ポリマーとして、ポリクオタニウム−7、ポリクオタニウム−37、及びポリクオタニウム−52を組み合わせて洗浄剤組成物に配合することにより、洗浄後の肌に突っ張り感やきしみ感を与えることなく、マッサージ性(洗浄時の滑り感)、泡立ち、及び泡持ちが良好になることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて、更に検討を重ねることにより完成したものである。
即ち、本発明は、下記に掲げる洗浄剤組成物を提供する。
項1. ポリオクタニウム−7、ポリオクタニウム−37、及びポリオクタニウム−52を含有することを特徴とする、洗浄剤組成物。
項2. ポリオクタニウム−7を0.007〜1.5重量%、ポリオクタニウム−37を0.005〜5重量%、及びポリオクタニウム−52を0.012〜3重量%含む、項1に記載の洗浄剤組成物。
項3. 更に血行促進剤を含む、項1又は2に記載の洗浄剤組成物。
項4. 洗顔剤である、項1〜3のいずれかに記載の洗浄剤組成物。
項5. 肌のマッサージ目的で使用される、項1〜4のいずれかに記載の洗浄剤組成物。
本発明の洗浄剤組成物によれば、洗浄時の肌の滑り感が良好でマッサージ性に優れており、更にカチオン性ポリマーを含有しているにも拘わらず、泡立ちや泡持ちの良好であり、卓越した使用感が得られる。また、本発明の洗浄剤組成物は、洗浄後の肌に突っ張り感やきしみ感を与えることなく、肌に良好な仕上がり感を付与することができる。
また、本発明の洗浄剤組成物は、洗顔に適しており、顔の毛穴の汚れや古い角層を洗い流すと共に、洗顔時に顔をマッサージすることによって洗顔後の顔の血行を促進できるので、肌の代謝が促進される結果、肌が明るくなり、くすみを改善することができる。
試験例2において、実施例7の洗浄剤組成物でマッサージをしながら洗顔を行った後に全顔の血流量を測定した結果を示す。 試験例2において、実施例7の洗浄剤組成物でマッサージをしながら洗顔を行った後に右頬の明るさ(L値)を測定した結果を示す。
本書において、「PCA」とはピロリドンカルボン酸、「DEA」とはジエタノールアミン、「PG」とはプロピレングリコールの略記である。
本発明の洗浄剤組成物は、ポリオクタニウム−7、ポリオクタニウム−37、及びポリオクタニウム−52を含有することを特徴とする。以下、本発明の洗浄剤組成物について、詳述する。
ポリクオタニウム−7は、アクリルアミド・ジアリルジメチルアンモニウムクロリド共重合体とも称されるカチオン性ポリマーである。ポリクオタニウム−37は、塩化メタクリル酸コリンエステル重合体とも称されるカチオン性ポリマーである。ポリクオタニウム−52は、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリル酸ジエチル硫酸塩・N,N−ジメチルアクリルアミド・ジメタクリル酸ポリエチレングリコール共重合体とも称されるカチオン性ポリマーである。
本発明の洗浄剤組成物において、これらのカチオン性ポリマーの配合割合としては、例えば、洗浄剤組成物の総量当たり、ポリオクタニウム−7が、0.007〜1.5重量%、好ましくは0.035〜0.75重量%、更に好ましくは0.07〜0.15重量%;ポリクオタニウム−37が、0.005〜5重量%、好ましくは0.025〜2.5重量%、更に好ましくは0.048〜0.49重量%;ポリクオタニウム−52が、0.012〜3重量%、好ましくは0.06〜1.5重量%、更に好ましくは0.12〜0.3重量%となる範囲が挙げられる。このような配合割合を充足することにより、浄後の肌に突っ張り感やきしみ感を与えずに仕上がり感を一層良好にし、更には、マッサージ性(洗浄時の滑り感)、泡立ち、及び泡持ちを一層向上させることができる。
また、本発明の洗浄剤組成物には、優れた洗浄作用を備えさせるために、上記特定のカチオン性ポリマー以外の界面活性剤を配合することが望ましい。該界面活性剤としては、例えば、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤が挙げられる。
本発明に使用されるアニオン性界面活性剤としては、例えば、カルボン酸型、スルホン酸型、硫酸エステル型、リン酸エステル型等の界面活性剤が例示される。カルボン酸型の界面活性剤としては、具体的には、オクタン酸、デカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸等の炭素数6〜22の飽和又は不飽和脂肪酸;N-ラウロイルサルコシン等の炭素数8〜24の飽和又は不飽和のアシル基を有するN−アシルサルコシン酸;ココイルグルタミン酸等の炭素数8〜24の飽和又は不飽和のアシル基を有するN−アシルグルタミン酸等が挙げられる。スルホン酸型の界面活性剤としては、具体的には、ココイルイセチオン酸等の炭素数6〜22の脂肪酸とイセチオン酸のエステル;ヘキサンスルホン酸、オクタンスルホン酸、デカンスルホン酸、ドデカンスルホン酸等の炭素数6〜22のアルキルスルホン酸;アルキルベンゼンスルホン酸等の炭素数10〜16のアルキル基を有するアルキルベンゼンスルホン酸等が挙げられる。硫酸エステル型の界面活性剤としては、具体的には、ラウリル硫酸、ミリスチル硫酸等の炭素数10〜22の飽和又は不飽和脂肪酸と硫酸のエステル等が挙げられる。リン酸エステル型の界面活性剤としては、具体的には、ラウリルリン酸等の炭素数8〜24の飽和又は不飽和脂肪酸とリン酸のエステル等が挙げられる。これらのアニオン性界面活性剤の中でも、洗浄時の泡立ちや泡持ちを一層向上せしめるために、好ましくは、カルボン酸型及びスルホン酸型の界面活性剤;更に好ましくは、炭素数6〜22の飽和又は不飽和脂肪酸及び炭素数6〜22の脂肪酸とイセチオン酸のエステル;特に好ましくは、ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、及びココイルイセチオン酸が挙げられる。これらのアニオン性界面活性剤は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。また、洗浄時の泡立ちや泡持ちを一層向上させ、使用感を一層良好にするという観点から、アニオン性界面活性剤の好適な一例として、カルボン酸型界面活性剤と、スルホン酸型界面活性剤との組み合わせ;更に好適には、炭素数6〜22の飽和又は不飽和脂肪酸、及び炭素数6〜22の脂肪酸とイセチオン酸のエステルの組み合わせが例示される。カルボン酸型界面活性剤とスルホン酸型界面活性剤とを組み合わせて使用する場合、これらの比率としては、例えば、カルボン酸型界面活性剤の総量100重量部に対して、スルホン酸型界面活性剤の総量が1〜100重量部、好ましくは5〜50重量部、更に好ましくは10〜20重量部となる範囲が例示される。なお、上記アニオン性界面活性剤は、塩の形態であってもよく、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;トリエタノールアミン塩;アンモニウム塩等の形態をとることができる。
本発明に使用される非イオン性界面活性剤としては、例えば、エステル型、エーテル型、エステル・エーテル型、アルカノールアミド型、アルキルグリコシド型、アルコール型等の界面活性剤が挙げられる。エステル型の界面活性剤としては、具体的には、ジラウリン酸グリコール、モノステアリン酸グリコール、ジステアリン酸グリコール、モノラウリン酸グリセリル、ジラウリン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、ジステアリン酸グリセリル等の炭素数8〜20の飽和又は不飽和脂肪酸とグリセリンのモノ又はジエステル;ソルビタン脂肪酸エステル;ショ糖脂肪酸エステル等が挙げられる。エーテル型の界面活性剤としては、具体的には、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール等が挙げられる。エステル・エーテル型の界面活性剤としては、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヘキシタン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルポリエチレングリコール等が挙げられる。アルカノールアミド型の界面活性剤としては、具体的には、コカミドDEA、ラウリン酸ジエタノールアミド、オレイン酸ジエタノールアミド、ステアリン酸ジエタノールアミド等が挙げられる。アルキルグリコシド型界面活性剤としては、具体的には、オクチルグルコシド、デシルグルコシド、ラウリルグルコシド等が挙げられる。アルコール型の界面活性剤としては、セタノール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール等が挙げられる。これらの非イオン性界面活性剤の中でも、好ましくは、エステル型の界面活性剤及びアルカノールアミド型の界面活性剤;更に好ましくは、モノステアリン酸グリセリル、ジステアリン酸グリコール、及びコカミドDEAが挙げられる。これらの非イオン性界面活性剤は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。また、本発明の洗浄剤組成物の使用感を一層向上させるという観点から、非イオン性界面活性剤の好適な一例として、エステル型界面活性剤とアルカノールアミド型界面活性剤との組み合わせ;更に好適には、モノステアリン酸グリセリル、ジステアリン酸グリコール、及びコカミドDEAの組み合わせが例示される。エステル型界面活性剤とアルカノールアミド型界面活性剤とを組み合わせて使用する場合、これらの比率としては、例えば、エステル型界面活性剤の総量100重量部に対して、アルカノールアミド型界面活性剤の総量が10〜500重量部、好ましくは25〜300重量部、更に好ましくは50〜150重量部となる範囲が例示される。
本発明に使用される両性界面活性剤としては、例えば、アルキルベタイン型、脂肪酸アミドプロピルベタイン型、アミノ酸型、アミンオキシド型等の界面活性剤が例示される。アルキルベタイン型の界面活性剤としては、具体的には、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ステアリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、オクタデシルアミノメチルジメチルスルホプロピルベタイン等が挙げられる。脂肪酸アミドプロピルベタイン型界面活性剤としては、具体的には、コカミドプロピルベタイン、コカミドプロピルヒドロキシスルタイン等が挙げられる。アミノ酸型の界面活性剤としては、具体的には、ラウロイルグルタミン酸、ラウロイルメチル-β-アラニン等が挙げられる。アミンオキシド型の界面活性剤としては、具体的には、ラウリルジメチルアミンN‐オキシド、オレイルジメチルアミンN‐オキシド等が挙げられる。これらの両性界面活性剤の中でも、使用感を一層向上させるという観点から、好ましくは脂肪酸アミドプロピルベタイン型界面活性剤;更に好ましくはコカミドプロピルベタインが挙げられる。これらの両性界面活性剤は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。なお、これらの両性界面活性剤は、塩の形態であってもよく、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;トリエタノールアミン塩;アンモニウム塩等の形態をとることができる。
前記界面活性剤は、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤の中から1種を単独で使用してもよく、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。本発明の洗浄剤組成物において、洗浄時の泡立ちや泡持ちを一層良好にして、より良好な使用感を得るという観点からは、前記界面活性剤として、アニオン性界面活性剤を使用することが好ましく、とりわけアニオン性界面活性剤と共に非イオン性界面活性剤と両性界面活性剤を組み合わせて使用することが更に好ましい。前記界面活性剤として、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、及び両性界面活性剤を組み合わせて使用する場合、これらの比率にとしては、例えば、アニオン性界面活性剤の総量100重量部に対して、非イオン性界面活性剤の総量が1〜100重量部、好ましくは2〜30重量部、更に好ましくは5〜15重量部;両性性界面活性剤の総量が0.1〜50重量部、好ましくは0.5〜20重量部、更に好ましくは1〜10重量部となる範囲が例示される。
本発明の洗浄剤組成物に前記界面活性剤を配合する場合、その配合割合については、所望の洗浄効果を付与できる範囲で適宜設定すればよいが、例えば、洗浄剤組成物の総量当たり、該界面活性剤が総量で1〜70重量%、好ましくは5〜60重量%、更に好ましくは10〜50重量%となる範囲が挙げられる。
本発明の洗浄剤組成物には、粘性の付与や使用感の向上等のために、上記特定のカチオン性ポリマー以外の増粘剤が含まれていてもよい。このような増粘剤としては、例えば、PCAジメチコン、カルボキシビニルポリマー、キサンタンガム、グアガム、スクレオチウムガム、カラギーナン、コカミドメチルMEA(やし油脂肪酸N−メチルエタノールアミド)、アクリレーツコポリマー、(メチルビニルエーテル/マレイン酸)クロスポリマー、(アクリレーツ/イタコン酸ステアレス−20)コポリマー、ヒドロキシプロピルデンプンリン酸、ジメチコンコポリオール、ビス(ポリグリセリル-3オキシフェニルプロピル)ジメチコン、アラビアゴム、トラガカント、デキストラン、コラーゲン、アルブミン、カゼイン、ゼラチン、カルボキシメチルセルロール、カルボキシプルピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、アルギン酸、及びこれらの塩等が挙げられる。
本発明の洗浄剤組成物に増粘剤を配合する場合、その配合割合については、特に制限されるものではないが、例えば、洗浄剤組成物の総量当たり、該増粘剤が総量で0.01〜10重量%、好ましくは0.05〜5重量%、更に好ましくは0.1〜2重量%となる範囲が挙げられる。
また、本発明の洗浄剤組成物には、粘性の付与や使用感の向上等のために、上記特定のカチオン性ポリマー以外のカチオン性ポリマーが含まれていてもよい。本発明に使用されるカチオン性ポリマー(ポリオクタニウム−7、−37及び−52以外)としては、具体的には、ポリクオタニウム−1〜6、8〜36、38〜52、53〜56等のポリクオタニウム類の他、リノールアミドプロピルPG−ジモニウムクロリドリン酸ジメチコン、リノールアミドプロピルPG−ジモニウムクロリドリン酸、塩化ヒドロキシプロピルトリモニウムデンプン、(ジメチルアクリルアミド/メタクリル酸エチルトリモニウムクロリド)コポリマー、ステアロキシプロピルトリモニウムクロリド、クオタニウム−80、(ジメチルアクリルアミド/メタクリル酸エチルトリモニウムクロリド)コポリマー、塩化o−(2−ヒドロキシ−3−(トリメチルアンモニオ)プロピル)ヒドロキシエチルセルロース、塩化o−(2−ヒドロキシ−3−(トリメチルアンモニオ)プロピル)グアガム、デキストラン塩化ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムエーテル、カエサルピニアスピノサヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド、塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体等が挙げられる。
本発明の洗浄剤組成物に上記カチオン性ポリマー(ポリオクタニウム−7、−37及び−52以外)を配合する場合、その配合割合については、特に制限されるものではないが、例えば、洗浄剤組成物の総量当たり、該カチオン性ポリマーが総量で0.01〜5重量%、好ましくは0.05〜3重量%、更に好ましくは0.1〜1重量%となる範囲が挙げられる。
本発明の洗浄剤組成物には、保湿効果等を備えさせるために、多価アルコールを配合してもよい。本発明に使用される多価アルコールとしては、具体的には、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、1,3−ブチレングリコール等が挙げられる。これらの中でも、好ましい多価アルコールとして、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、及びグリセリンが挙げられる。
本発明の洗浄剤組成物に前記多価アルコールを配合する場合、その配合割合については、本発明で規定する所望の曳糸性を備えさせ、且つ所望の効果を付与できる範囲で適宜設定すればよいが、例えば、洗浄剤組成物の総量当たり、該多価アルコールが総量で1〜50重量%、好ましくは5〜40重量%、更に好ましくは10〜30重量%となる範囲が挙げられる。
本発明の洗浄剤組成物には血行促進剤を配合してもよい。本発明の洗浄剤組成物に血行促進剤を配合すると、該血行促進剤の作用と洗浄時のマッサージ効果が相俟って、洗浄後の肌の血行を顕著に向上させ、美肌効果を一層向上させることができる。本発明の洗浄剤組成物に使用できる血行促進剤としては、例えば、ニンジンの根、アカヤジオウの根、タイツリオウギの根、サンシュユの果実、クコの果実、ヨロイグサの根、カラトウキの根、ベニバナの花、キョウニンの種子、アロエの葉、ブクリュウの菌核、及びハトムギの種皮を除いた種子、クサスギカズラの根、ヒポファエラムノイデスの果実、メマツヨイグサの種子、ソウハクヒの根皮、カンゾウの根等から抽出される植物エキスが挙げられる。また、植物エキス以外の血行促進剤としては、例えば、ビタミンE類(DL−α−トコフェロール、D−α−トコフェロール、酢酸DL−α−トコフェロール、酢酸D−α−トコフェロール等)、ニコチン酸類(ニコチン酸、DL−α−トコフェロールニコチン酸エステル、ニコチン酸アミド、ニコチン酸ベンジル等)、ミノキシジル、塩酸カルプロニウム、L−シトルリン、ローヤルゼリー等が挙げられる。これらの血行促進剤は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明の洗浄剤組成物に血行促進剤を配合する場合、その配合割合については、特に制限されるものではないが、例えば、洗浄剤組成物の総量当たり、該血行促進剤が総量で0.01〜10重量%、好ましくは0.05〜7.5重量%、更に好ましくは0.1〜5重量%となる範囲が挙げられる。
本発明の洗浄剤組成物には、上記成分の他に、本発明の効果を妨げない範囲で、通常の洗浄剤組成物に配合される成分を含有することができる。このような成分としては、例えば、キレート剤、緩衝剤、低級アルコール、油脂、ワックス、中和剤、pH調整剤、酸化防止剤、抗菌剤、殺菌剤、薬理活性物質、植物エキス、動物エキス、防腐剤、清涼化剤、色素、顔料、香料等が挙げられる。
本発明の洗浄剤組成物の物性については、特に制限されるものではないが、例えば、5mm/秒の速度における曳糸長として、10mm以上、好ましくは10〜20mm、更に好ましくは10.25〜14.42mmが挙げられる。このような曳糸性を充足すると、洗浄時に優れたマッサージ性(洗浄時の滑り感)、及び洗浄時の良好な泡立ちや泡持ちをより一層向上させ得る。
本発明において「5mm/秒の速度における曳糸長」は、標準測定皿に洗浄剤組成物を約0.04ml滴下し、直径3mm平型の標準測定子を該標準測定皿中の該洗浄剤組成物に表面から0.5mmの深さまで浸漬させ、5mm/秒の速度で該標準測定子を上昇させ、該洗浄剤組成物から該標準測定子を抜き上げて、該標準測定子に付着した該洗浄剤組成物が切れた時点までの上昇距離を計測することにより求められる。なお、該曳糸長は、洗浄剤組成物が24℃の温度条件で測定される値である。該曳糸長の測定は、曳糸性測定装置(NEVA METER IMI−0901;株式会社石川鉄工所製)を用いて行うことができる。
また、本発明の洗浄剤組成物の粘度については、特に制限されるものではないが、一例として25℃での粘度が30〜150Pa、好ましくは60〜150Pa、更に好ましくは80〜140Paが挙げられる。該粘度は、B型粘度計(TVB−10H;東機産業製)を用いて、ローターNo:M7、回転数:20rpm、30秒間回転後の条件で測定される。
本発明の洗浄剤組成物は、前述する配合成分と共に、必要に応じて、水等の水性基材、油性基材等を混合することにより調製される。
本発明の洗浄剤組成物の形態については、特に制限されることなく、液状;クリーム状、ゲル状、ペースト状等の半固形状;固形状の何れであってもよいが、好ましくは半固形状、更に好ましくはクリーム状が挙げられる。
本発明の洗浄剤組成物は、泡立ちや泡持ちがよく、優れた洗浄作用を備え、毛穴の汚れや古い角層を洗い流すことが可能であるので、肌(顔を含む)、毛髪、頭皮等の身体を洗浄するために使用できる。また、本発明の洗浄剤組成物は、洗浄時のマッサージ性(洗浄時の滑り感)が優れており、肌のマッサージの目的に適しており、肌マッサージ用洗浄剤又は肌マッサージ用化粧料としても好適に使用される。とりわけ、本発明の洗浄剤組成物は、顔の毛穴の汚れや古い角層を洗い流しながら顔をマッサージするのに適しており、洗顔用の洗浄剤又は洗顔用化粧料として好適に使用できる。
以下に、試験例、実施例に基づいて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
試験例1
表1及び2に記載の処方の洗浄剤組成物(実施例1−6、比較例1−7)を調製した。各洗浄剤組成物の曳糸性及び粘度は、以下の条件で測定した。
<曳糸性の測定>
曳糸性測定装置(NEVA METER IMI−0901;株式会社石川鉄工所製)を用いて、下記条件で曳糸長を測定した。曳糸性の測定は、各洗浄剤組成物について曳糸長の測定を5回行い、その平均値を算出した。
サンプル温度:24℃
測定速度:5mm/秒
測定サンプル量:約0.04ml
測定子:標準測定子(直径3mm平型)
測定皿:標準測定皿
測定モード:DRY
浸漬深さ:0.5mm
追尾レート:50%
検知方式:光
凝固率:50%
<粘度の測定>
TVB−10H型粘度計(東機産業製)を用いて、ローターNo:M7、回転数:20rpm、温度25℃、30秒間回転後の条件で測定した。
Figure 0005758639
Figure 0005758639
上記で得られた各洗浄剤組成物について、以下の試験方法に従って、泡立ち、泡持ち、洗顔時のマッサージ性、洗顔後の突っ張り感・きしみ感を評価した。
<泡立ち及び泡持ちの評価>
洗浄剤組成物を0.1重量%となるように精製水に混合して希釈液を調製し、該希釈液を用いて、ロスマイルス試験法(JIS K3362)に準じて試験を行い、「泡立ち」として落下直後の泡高さ(mm)を測定し、「泡持ち」として落下5分後の泡高さ(mm)を測定した。
<洗顔時のマッサージ性及び洗顔後の突っ張り感の評価>
10名のパネラーによって洗顔時のマッサージ性及び洗顔後の突っ張り感・きしみ感を評価した。具体的には、約1.0gの洗浄剤組成物を手にとり、適量の水と泡立てネットを用いてマッサージ洗顔するのに十分な量の泡を生じさせ、化粧をしていない状態の顔を実際に洗顔させた。各パネラーが洗顔時のマッサージ感と洗顔後の突っ張り感・きしみ感の無さについて下記基準に従って評点化した。
洗顔時のマッサージ感
3: 肌と指との滑り感が良好で、洗顔時にマッサージを非常に行い易い。
2: 肌と指との滑り感がやや良好で、洗顔時にマッサージを行い易い。
1: 肌と指との滑り感は普通であり、洗顔時のマッサージのし易さは普通である。
0: 肌と指との滑り感が悪く、洗顔時にマッサージし難い。
洗顔後の突っ張り感・きしみ感の無さ
3: 洗顔後に顔の突っ張り感やきしみ感は、全く感じられない。
2: 洗顔後に顔の突っ張り感やきしみ感は、わずかに感じるが、殆ど気にならない。
1: 洗顔後に顔の突っ張り感やきしみ感が、明らかに感じられる。
0: 洗顔後に顔の突っ張り感やきしみ感が強く感じられ、不快を伴う。
上記の基準に従って、マッサージ感と洗顔後の突っ張り感・きしみ感について、各パネラーが評点化した後、各パネラーの評点を平均して、下記の指標に従って評価分類を行った。
◎:評点の平均値が2.2以上
○:評点の平均値が1.5以上2.2未満
△:評点の平均値が0.8以上1.5未満
×:評点の平均値が0.8未満
得られた結果を表3に示す。この結果から、カチオン性ポリマーとして、ポリクオタニウム−7、ポリクオタニウム−37、及びポリクオタニウム−52を含有する洗浄剤組成物(実施例1−6)では、いずれも、洗顔時に肌と指との滑り感が良好で、マッサージ性に優れ、しかも洗顔後に突っ張り感やきしみ感が感じられず、良好な仕上がり感を付与するものであった。一方、ポリクオタニウム−7、ポリクオタニウム−37、及びポリクオタニウム−52の内、1成分のみ及び2成分を配合した洗浄剤組成物(比較例2−6)では、マッサージ性と、洗顔後に突っ張り感やきしみ感の低減効果の双方を満足できるものではなかった。
また、実施例1−6の洗浄剤組成物は、カチオン性ポリマーを含有しているにも関わらず、いずれも泡立ちや泡持ちも良好であった。なお、一般に市販されている洗顔剤の泡立ち及び泡持ちを上記試験方法に従って評価すると、泡立ち及び泡持ちは共に10〜30mm程度である。
以上の結果から、洗浄剤組成物に、カチオン性ポリマーとして、ポリクオタニウム−7、ポリクオタニウム−37、及びポリクオタニウム−52を組み合わせて配合することにより、洗浄後の肌に突っ張り感やきしみ感を与えることなく、マッサージ性(洗浄時の滑り感)、泡立ち、泡持ちも良好になることが明らかとなった。
Figure 0005758639
試験例2
表4に示す組成の洗浄剤組成物(実施例7)を調製した。実施例7の洗浄剤組成物の曳糸性及び粘度は、上記試験例1と同条件で測定した。
Figure 0005758639
上記の洗浄剤組成物の約1.0gを手にとり、約34℃に加温した適量の水と泡立てネットを用いてマッサージ洗顔するのに十分な量の泡を生じさせ、以下の(1)〜(6)の顔部位を5秒毎、順にマッサージを行った(マッサージ時間合計30秒)。
(1)あごの中央から開始し、耳の付け根まで
(2)口および鼻下から開始し、耳の付け根まで
(3)鼻横および目の下から開始し、耳の付け根まで
(4)鼻周りは下から上へ
(5)目を閉じた状態で、まぶたの上を目頭側からこめかみまで
(6)額中央から開始し、こめかみまで
次いで、3名のパネラーについて、洗顔前、洗顔直後、10分後、30分後、45分後、及び60分後に、レーザードップラー血流画像化装置(Perimed社製 PIM II)を用いて、全顔の血流量を平均値化し、解析を行った。
また、21名のパネラーについて、洗顔前と洗顔直後に、分光測色計(コニカ・ミノルタ社製:CM−700d)を用いて、右頬の皮膚明度(L値)を各8回測定し、最上値及び最下値を除いた6点のL値の平均値を算出した。
血流量の測定結果を図1に、皮膚明度の測定結果を図2に示す。実施例7の洗浄剤組成物を用いた洗顔後に、顔の血流量が著しく上昇しており(図1)、また皮膚明度(L値)についても明らかな上昇が認められた(図2)。この結果から、洗浄剤組成物に含まれる植物エキス(血行促進剤)の作用と洗顔時のマッサージ効果が相乗的に作用して、血行を顕著に向上させ、肌の代謝が促進された可能性が示唆された。
試験例3
表5に記載の液状洗顔料(実施例8)、及び表6に記載のクレンジングクリーム(実施例9)を調製した。液状洗顔料(実施例8)及びクレンジングクリーム(実施例9)を用いて、洗顔を行ったところ、双方ともに、泡立ち及び泡持ちに優れており、更には、マッサージ性(洗浄時の滑り感)が良好で、洗浄後の肌に突っ張り感やきしみ感を与えることもなかった。
Figure 0005758639
Figure 0005758639

Claims (5)

  1. ポリクオタニウム−7、ポリクオタニウム−37、及びポリクオタニウム−52を含有することを特徴とする、洗浄剤組成物。
  2. ポリクオタニウム−7を0.007〜1.5重量%、ポリクオタニウム−37を0.005〜5重量%、及びポリクオタニウム−52を0.012〜3重量%含む、請求項1に記載の洗浄剤組成物。
  3. 更に血行促進剤を含む、請求項1又は2に記載の洗浄剤組成物。
  4. 洗顔剤である、請求項1〜3のいずれかに記載の洗浄剤組成物。
  5. 肌のマッサージ目的で使用される、請求項1〜4のいずれかに記載の洗浄剤組成物。
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