JP5611089B2 - 水性液体口腔用組成物 - Google Patents

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本発明は、水性液体口腔用組成物に関する。
エラグ酸又はその塩は、種々の植物中に含まれているポリフェノール化合物であり、美白作用を有することが知られている(特許文献1)。そして、エラグ酸又はその塩の美白作用や経皮吸収性を向上させる目的で、エラグ酸を含有する化合物を微粒子化する方法や(特許文献2、3)、エラグ酸化合物の微粒子の分散安定化(特許文献4)、エラグ酸を含有する美白化粧料組成物(特許文献5)等が報告されている。
特開昭64−79103号公報 特開平10−81618号公報 特開2009−173651号公報 特開2003−81826号公報 特開2004−277340号公報
特許文献1〜5に記載のように、エラグ酸又はその塩は、美白作用が知られていたが、本発明者らは、エラグ酸又はその塩が、歯周病原因菌の細胞間情報伝達物質の一種であるAI−2活性を阻害することを見出した。そしてまた、エラグ酸又はその塩が、AI−2活性阻害作用に基づき、歯周病予防、治療作用や歯垢形成抑制作用も有することを見出した。このことは、エラグ酸を洗口液等の液体口腔用組成物に配合すれば、優れた歯周病予防や歯垢形成を抑制できることを意味する。
特許文献1〜5においてエラグ酸又はその塩は、美白作用を有する皮膚外用剤として適用することを目的として、エラグ酸を含有する化合物を微粒子化したり、乳化安定性を図る手段が採用されているが、該手段では、エラグ酸又はその塩の水又は水溶液に対する溶解性や、水溶液中での安定性に課題があった。
従って、本発明の課題は、エラグ酸又はその塩を含有する安定な水性液体口腔用組成物を提供することにある。
そこで本発明者は、エラグ酸又はその塩を水性液体口腔用組成物に応用すべく、エラグ酸又はその塩の水に対する溶解性及び水溶液中における安定性について種々検討したところ、ポリビニルピロリドンを一定量含有させ、かつpHを一定の範囲としたときに、はじめてエラグ酸が水溶液中に安定に溶解されており、エラグ酸又はその塩を安定に含有する水性液体口腔用組成物が得られることを見出した。
すなわち、本発明は、次の成分(A)及び(B):
(A)エラグ酸又はその塩 0.001〜0.1質量%、
(B)ポリビニルピロリドン 0.001〜1.2質量%
を含有し、pHが6.5〜9.0である水性液体口腔用組成物を提供するものである。
本発明の水性液体口腔用組成物は、エラグ酸を溶解状態で含有しており、長期間安定であるため、口腔内にエラグ酸を溶解した状態で供給可能である。従って、本発明の水性液体口腔用組成物を用いればエラグ酸による優れた歯周病予防治療効果、歯垢形成抑制効果が得られる。
本発明の水性液体口腔用組成物は(A)エラグ酸又はその塩を含有する。本発明の水性液体口腔用組成物に用いられる(A)エラグ酸の塩としては、例えば塩基付加塩が挙げられる。塩基付加塩としては、ナトリウム及びカリウム等のアルカリ金属の塩、カルシウム及びマグネシウム等のアルカリ土類金属の塩、アンモニウム及びトリエチルアミン等のアミン類の塩、アルギニン及びリジン等の塩基性アミノ酸の塩が挙げられる。
本発明において、(A)エラグ酸の塩としては、ナトリウム塩、カルシウム塩、カリウム塩及びアルギニン塩が好ましく、ナトリウム塩及びアルギニン塩がより好ましく、ナトリウム塩がさらに好ましい。
(A)エラグ酸は、マメ科植物から抽出することにより得られたものを用いるのが好ましい。また、(A)エラグ酸は市販品を用いることもできる。市販品としてはSpectrum社のエラグ酸(純度>97%)、東京化成社のエラグ酸・二水和物等が挙げられる。
本発明の水性液体口腔用組成物中の(A)エラグ酸又はその塩の含有量は、溶解性及び安定性の点から0.001〜1質量%であるが、0.005〜1質量%がより好ましく、0.01〜1質量%がさらに好ましい。
本発明に用いられる(B)ポリビニルピロリドンは、エラグ酸又はその塩の溶解性及び安定性の点から、平均分子量が5千〜300万のものが好ましく、さらに平均分子量が6万〜130万のものがより好ましい。これらのポリビニルピロリドンは、PVPK−30、PVPK−90(IPSジャパン社)等の市販品を用いることができる。
(B)ポリビニルピロリドンの含有量は、エラグ酸又はその塩の溶解性及び安定性の点から、本発明の水性液体口腔用組成物中に0.001〜1.2質量%であり、より好ましくは0.005〜1質量%であり、さらに好ましくは0.01〜1質量%である。
また、本発明組成物における成分(A)と成分(B)の含有量の質量比(A:B)は、エラグ酸又はその塩の溶解性及び安定性の点から、10:1〜1:120が好ましく、さらに10:2〜1:100が好ましい。
本発明の水性液体口腔用組成物のpHは、エラグ酸の安定性の点から6.5〜9.0であり、7.0〜8.5がより好ましく、7.5〜8.5がさらに好ましい。
これらのpH範囲に調整するには、各種のpH調整剤を用いることができ、pHを6.5〜9.0に調整し得る塩基又はそのような塩基を含有する緩衝剤を用いることが可能であり、少なくとも塩基を含有する緩衝剤を含有することが好ましい。緩衝剤の例としては、アルギニン、リジン、ヒスチジン、トリプトファン、オルニチン等の塩基性アミノ酸、リン酸塩、トリス塩酸等が挙げられ、塩基性アミノ酸を含有する緩衝剤、例えば、塩基性アミノ酸と酸を含有する緩衝剤がより好ましい。これらの塩基又は緩衝剤の含有量は、本発明の水性液体口腔用組成物をpH6.5〜9.0にできる量である。
本発明のpH6.5〜9.0の水性液体口腔用組成物の製造方法は、(a)成分(A)及び塩基性アミノ酸を含有する緩衝剤を配合しpH7.5〜9.5の水溶液を製造する工程と、(b)成分(B)を配合する工程と、(c)pH調整剤を配合してpH6.5〜9.0に調整するpH調整工程と、(d)必要により他の成分を配合する工程とを含むことが好ましい。ここで工程(a)、工程(b)及び工程(c)の順序は問わないが、工程(a)の後に成分(B)を配合する工程(b)及びpH調整工程(c)を順不同で行うことが好ましい。例えば、工程(a)において成分(B)を配合することも可能であり、工程(a)の後に成分(B)を配合する工程(b)を行っても良いし、成分(B)を配合する前にpH調整工程(c)を行ってもよい。なお、pH調整工程(c)においては、pH調整剤として、酢酸、塩酸、硫酸、硝酸、クエン酸、リン酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、酢酸ナトリウム等を用いることができる。
本発明の水性液体口腔用組成物は、エラグ酸を溶解した状態で含有する点から、透明な液体であるのが望ましい。本発明における透明とは、外観上にごりや沈殿物がなく、色はついていてもよく、波長550nmの光の透過率(セル長10mm)が80%以上のものをいう。
本発明の水性液体口腔用組成物は、水性であり、溶媒としては水が主成分である。ここで水の含有量は、全組成物中70〜99.9質量%であるのが好ましく、75〜99.5質量%であるのがより好ましく、80〜99.2質量%であるのがさらに好ましい。また、エタノール等の低級アルコールは、油性成分を溶解させたり、又はエラグ酸を溶解させる可能性はあるが、本発明の水性液体口腔用組成物は、使用感、刺激性等の点から、エタノールを含有しないか、又は30質量%以下含有することが好ましく、20質量%以下含有することがより好ましく、10質量%以下含有することがさらに好ましい。
本発明の水性液体口腔用組成物には、エラグ酸の溶解性及び安定性を維持できる限り、通常の液体口腔用剤に配合できる成分を含有させることができる。それらの成分としては、殺菌剤、香料、界面活性剤、糖アルコール、保存剤、甘味剤、その他の薬効剤が挙げられる。これらの成分のうち、香料、薬効成分等を含む油性成分の含有量は、油性成分の溶解性と組成物の透明性の点から、全組成物中に0〜2質量%であるのが好ましく、0〜1質量%であるのがより好ましく、0.1〜0.5質量%であるのがさらに好ましい。
本発明の水性液体口腔用組成物は、界面活性剤を含有することが可能であり、界面活性剤としては、ノニオン界面活性剤が好ましい。ノニオン界面活性剤としては、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリコール脂肪酸エステルなどが挙げられる。このうち、炭素数14〜20の脂肪酸残基、アルキル基又はアルケニル基を有するものが好ましい。また、HLBが10〜20のものが好ましく、HLB12〜19のものがさらに好ましい。これらのノニオン界面活性剤は1種又は2種以上を組み合せて用いられる。ここで、HLBはグリフィン(Griffin)の式(J.Soc.Cosmet.Chem.,1,311(1949))により求められるものである。
また、界面活性剤の含有量は、油性成分の溶解性と透明性の点から、水性液体口腔用組成物中に0〜2.0質量%であるのが好ましく、0.1〜1.5質量%であるのがより好ましく、0.1〜1.0質量%であるのがさらに好ましい。
本発明の水性液体口腔用組成物は、洗口液、含嗽剤、液体歯磨剤、水歯磨、マウススプレー等として用いることができる。
参考例1 AI−2活性の測定
Basslerらの方法(Mol.Microbiol.,9(4),p.773−786,1993)を参照し、AB(Autoinducer Bioassay)培地を下記のように調製した。
0.2%vitamine−free casamino acids(Difco社製)、0.3M NaCl(和光純薬社製)、0.05M MgSO4・7H2O(和光純薬社製)の溶液を任意の濃度のKOH溶液(和光純薬社製)でpH7.5に調整し、オートクレーブ後、室温で保存した。1Mリン酸カリウムバッファー(1M KH2PO4 21.1mL及び1M K2HPO4 28.9mL)10mL、0.1M L−arginine(free−base、和光純薬社製)10mL、1mg/mL thiamin・HCl(和光純薬社製)1mL、10μg/mL riboflavin(和光純薬社製)1mL、及びグリセロール(和光純薬社製)20mLをよく混和後、濾過滅菌したもの42mLを、前記溶液1Lに対して添加し、AB培地を調製した。
AI−2バイオアッセイ系のためのレポーター菌株としてのビブリオ・ハーベイBB170株(ATCC BAA−1117)をMarine Agar 2216培地(商品名、Difco社製)で30℃、好気条件下で培養した。このように培養したビブリオ・ハーベイBB170株の一白金耳をMarine Broth 2216培地(商品名、Difco社製)3mLに植菌し、好気条件下8時間、30℃、200rpmで振盪培養を行った。
上記菌液200μLをAB培地に植菌し、好気条件下16時間、30℃、200rpmで振盪培養を行った。この菌液をAB培地で5000倍に希釈し、レポーター菌液とした。
このレポーター菌液と、エラグ酸(エラグ酸・二水和物、東京化成社より購入)溶液を、9:1の割合で混和し、室温で10分プレインキュベートした。次いで、DPD(OMM Scientificに合成検討を依頼し、同社で合成したものを購入した)を終濃度が10μMとなるように添加し、30℃にて好気振盪培養を行った。4時間後の発光強度をケミルミネッセンス計(ベルトールド社製、Mitharas LB940(商品名))で測定した。なお、発光強度は、DPDが惹起する発光強度を100とし、エラグ酸を添加したときの発光強度を相対値で示した。さらに、ポジティブコントロールとして、AI−2阻害化合物として既知化合物(4−ブロモ−5−(4−メトキシフェニル)−2(5H)−フラノン、Sigma社製)を用い、同様にAI−2活性を測定した。なお、エラグ酸溶液は、終濃度が5μM又は10μMになるように調製した。
その結果を表1に示す。
Figure 0005611089
表1の結果から明らかなように、エラグ酸は、既知のAI−2阻害化合物に比して、同等もしくはそれ以上のAI−2阻害活性を有することが示された。
以下にエラグ酸の溶解性、安定性の試験結果を示す。なお、特に記載のない限り、%は質量%を意味する。エラグ酸は、Spectrum社のエラグ酸を用いた。
試験例1(エラグ酸の溶解性試験)
表2に示す各種緩衝剤を含有する水溶液(緩衝液)にエラグ酸0.01質量%を配合し、溶解性を検討した。その結果を表2に示す。
Figure 0005611089
表2から明らかなように、本発明の成分(B)ポリビニルピロリドンを含有しない場合には、エラグ酸はpH7.8以上では水に溶解するが、pH7.8未満では溶解しないことがわかる。また、pHが7.8以上であれば、緩衝剤の濃度が0.005Mと低濃度であってもエラグ酸が溶解することが認められた。
試験例2(エラグ酸の安定性試験)
試験例1においてエラグ酸が溶解したpH9の水溶液を用いて保存後のエラグ酸の含有量を特定することによって安定性を評価した。具体的には、表3に示す、Tris−HCL0.01Mを含有する約pH9の水溶液、及びアルギニン0.1Mを含有し、HClにより約pH9に調整した水溶液を、各々50℃で保存した後のエラグ酸の含有量を測定した。エラグ酸の含有量は高速液体クロマトグラフィ(HPLC)で測定した。エラグ酸の残存率は、保存後のエラグ酸の含有量/保存前のエラグ酸の含有量である。表3に示すように、本発明の成分(B)ポリビニルピロリドンを含有しない場合、エラグ酸の含有量は保存前に比べて著しく低下した。
(HPLCの測定条件)
装置:日立高速液体クロマトグラム La chrom Elite
カラム:L−colum ODS 150−4.6(5μm)(化学物質評価研究機構)
カラム温度:40℃
移動層:0.05%酢酸水溶液 および100%アセトニトリル。
0.05%酢酸水溶液から、100%アセトニトリルを用い、アセトニトリル75%に35 分間でグラジエントする。
流量:1.0mL/min
サンプル注入量:20μL
測定波長:UV280nm
(測定用のエラグ酸標準液)
20mgエラグ酸に20mLのアセトニトリルを添加し、メタノールで100mLにメスアップ後10分間超音波処理したものを標準液とした。
Figure 0005611089
さらに、エラグ酸0.01質量%を、アルギニン0.05M含有しHClでpH8に調整 した水溶液に配合し、表4に示す種々の添加剤を各含有量で配合した水溶液を、50℃4週間保存した。保存後の各水溶液のエラグ酸の含有量を試験例2と同様にHPLCで測定し、エラグ酸の保存後の残存率を求めた。結果を表4に示す。
なお、酢酸トコフェロールとブチルヒドロキシアニソール(BHA)は、溶解性のためポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(エマノーンCH−40、花王(株))0.2質量%、及びエタノール5質量%を含有させ、他の添加剤含有水溶液と同じく、アルギニンは0.05M濃度で含有させた。
Figure 0005611089
表4に示すよう、ポリビニルピロリドンのみが、保存後の水溶液中のエラグ酸の含有量が高く(残存率が約90%であり)、エラグ酸の安定性を向上させることが判明した。
さらに、エラグ酸0.01質量%を、アルギニン0.05M含有しHClでpH9に調整した水溶液に配合後、表5に示す各種ポリマー(添加剤)を配合し、次にpH調整剤によりpH8に調整した表5に示す各種添加剤を含有する水溶液について、40℃4週間保存後と、50℃4週間保存後のエラグ酸の含有量を試験例2と同様にHPLCで測定し、残存率を求めた。結果を表5に示す。表中、ポイズ60H、ポイズ150L(花王(株))は塩化O−[2−ヒドロキシ−3−(トリメチルアンモニオ)プロピル]ヒドロキシエチルセルロース、プラスサイズ(互応化学工業(株))はメタクリロイルエチルジメチルベタイン・塩化メタクリロイルエチルトリメチルアンモニウム・メタクリル酸2-ヒドロキシエチル共重合体、ユカフォーマー(三菱化学(株))はN−メタクリロイルオキシエチルN,N−ジメチルアンモニウム−α−N−メチルカルボキシベタイン・メタクリル酸アルキルエステル共重合体液、PCA(味の素(株))はDL−ピロリドンカルボン酸、PVPK−30、PVPK−90(IPSジャパン社)はポリビニルピロリドン、PVA EG−05(日本剛性化学工業(株))、PVA EG−40(日本合成化学工業(株))はポリビニルアルコールである。
Figure 0005611089
表5に示すように、ポリビニルピロリドンを含有する場合に、保存後の水溶液中のエラグ酸の残存率が高いことが認められ、40℃4週間保存後の水溶液中のエラグ酸の残存率は95%以上であり、50℃4週間保存後の水溶液中のエラグ酸の残存率は90質量%以上であることが認められた。
さらに、表6、7に示す実施例1〜11及び比較例1、2の水性液体口腔用組成物について、エラグ酸の安定性を評価した。表6、7に示す水性液体口腔用組成物は、エラグ酸を含有し、アルギニンを0.05M含有しHCl でpH9に調整した水溶液を作製し、この水溶液に表6、7に示す含有量のポリビニルピロリドン(PVP K−90)を配合し、pH調整剤で表6、7に示すpHに調整することによって製造した。実施例1〜11、比較例1、2の水性液体口腔用組成物における50℃4週間保存後のエラグ酸の残存率とpH、安定性(保存後の水性液体口腔用組成物の状態)を表6、7に示す。
Figure 0005611089
Figure 0005611089
ポリビニリピロリドンを含有しない場合には、pH7.8未満の水溶液にエラグ酸は溶解しなかったが、表6に示すように、エラグ酸が溶解された水溶液にポリビニルピロリドンを添加すれば、pHを6.5にしてもエラグ酸を溶解状態とし、保存後の安定性も向上され、pHが6.5以上であればコントロールに比べてエラグ酸の安定性、溶解性が向上されることが認められた。
実施例12 (洗口液 pH=8.0)
エラグ酸 0.02%
キシリトール 7%
グリセリン 4%
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 0.5%
サッカリンナトリウム 0.02%
アルギニン-HCl 0.01%
ポリビニルピロリドン 0.01%
(PVP K−90)
香料 0.01%
pH調整剤 適量
精製水 残
計 100%

Claims (6)

  1. 次の成分(A)及び(B):
    (A)エラグ酸又はその塩 0.001〜0.1質量%、
    (B)ポリビニルピロリドン 0.001〜1.2質量%
    を含有し、pHが6.5〜9.0である水性液体口腔用組成物。
  2. 成分(A)と成分(B)の含有質量比(A:B)が、10:1〜1:120である請求項1記載の水性液体口腔用組成物。
  3. pHを6.5〜9.0にするためのpH調整剤を含有する請求項1又は2記載の水性液体口腔用組成物。
  4. pH調整剤が、少なくとも塩基性アミノ酸を含有し、組成物中に塩基性アミノ酸を0.001〜0.5質量%含有する請求項3に記載の水性液体口腔用組成物。
  5. 透明水性液体口腔用組成物である請求項1〜4のいずれか1項記載の水性液体口腔用組成物。
  6. (A)エラグ酸又はその塩0.001〜0.1質量%及び塩基性アミノ酸を配合しpH7.5〜9.5の水溶液を製造する工程(a)と、
    (B)ポリビニルピロリドン0.001〜1.2質量%を配合する工程(b)と、
    pHを6.5〜9.0に調整する工程(c)とを含む水性液体口腔用組成物の製造方法。
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