JP2002348205A - 皮膚外用剤組成物及び可溶化剤 - Google Patents

皮膚外用剤組成物及び可溶化剤

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JP2002348205A
JP2002348205A JP2001157552A JP2001157552A JP2002348205A JP 2002348205 A JP2002348205 A JP 2002348205A JP 2001157552 A JP2001157552 A JP 2001157552A JP 2001157552 A JP2001157552 A JP 2001157552A JP 2002348205 A JP2002348205 A JP 2002348205A
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Masahiro Sato
政弘 佐藤
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Lion Corp
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 窒素原子を含有する特定構造からなる共
重合体から選ばれるN含有高分子化合物を含有すること
を特徴とする皮膚外用剤組成物。 【効果】 安全性、安定性などを損なうことなく皮膚美
白成分などを可溶化した皮膚外用剤が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、皮膚外用剤組成物
及び可溶化剤に関し、より詳しくは安全性、安定性など
を損なうことなく皮膚美白成分などを可溶化した皮膚外
用剤組成物であって、例えば優れた皮膚美白作用を発揮
することが可能な皮膚外用剤組成物及び皮膚外用剤等の
配合成分を好適に可溶化する可溶化剤に関する。
【0002】
【従来の技術】皮膚のシミやソバカスなどの色素沈着の
発生機序については不明な点が多いが、一般にホルモン
異常や紫外線による刺激が原因となって、メラニン色素
が過剰に生成し、皮膚内に異常沈着するものと考えられ
る。
【0003】このような色素沈着を予防又は改善する目
的で、従来から、過酸化水素、過酸化亜鉛、過酸化マグ
ネシウムなどの過酸化物、あるいはアスコルビン酸、グ
ルタチオン、コロイドイオウ、各種天然物などを有効成
分とする美白化粧料の使用が試みられてきた。しかしな
がら、これらの有効成分の多くは、安全性や安定性が十
分でなかったり、あるいは匂いに問題がある上に、その
効果についても、必ずしも十分なものとはいえなかっ
た。
【0004】一方、米国などにおいては、ハイドロキノ
ンが皮膚脱色剤として使用されているが、このハイドロ
キノンは、刺激性やアレルギー性を有し、安全性の面か
ら、有効成分として配合するには問題がある。
【0005】従って、このような欠点を伴わずに、皮膚
美白効果を奏する化粧料を開発するための種々の研究が
行われ、これまでコウジ酸及びコウジ酸誘導体を用いた
美白外用剤(特開昭53−3538号公報、特公昭56
−18569号公報、同58−22151号公報、同6
0−9722号公報、同61−60801号公報)、ク
エルセチンを有効成分とする化粧料(特開昭55−92
305号公報)、クエルセチンの脂肪酸エステルを有効
成分とする化粧料(特開昭58−131911号公
報)、カテキンなどを有効成分とする化粧料(特開昭5
2−44375号公報)などが開示されている。
【0006】しかしながら、これらの化粧料は、いずれ
も実際の使用に際しては、美白成分の安定性がまだ不十
分であったり、あるいは細胞レベルでは効果が認められ
るものの、ヒトではその効果が十分に発揮されていない
などの問題があり、必ずしも十分に満足しうるものでは
ない。
【0007】また、このような従来の美白を目的とする
皮膚外用剤が有する欠点を克服し、且つ安定性が高い
上、安全性や匂いなどについても問題のない皮膚美白効
果を有する皮膚外用剤の提供を目的としてエラグ酸系化
合物やそのアルカリ金属塩を有効成分とする化粧料(特
許第1839986号)などが開示されている。
【0008】美白成分の効果は、皮膚内部への浸透によ
り発現することから、美白成分の効果を増強するには、
美白成分の経皮吸収性を向上することが重要となり、特
に、美白成分としては、エラグ酸系化合物などのような
難溶性物質を可溶化し、経皮吸収性を向上させることが
重要である。
【0009】難溶性の薬効成分の経皮吸収性は、これま
で種々の手法によりその向上が図られてきており、例え
ば超音波、クレアミックス、コロイドミル、マイルダー
などによる機械的手法で粒子を微細化し、経皮吸収性を
向上させる方法(特開平10−81618号公報)が知
られている。また、晶析法等の化学的手法で粒子を微細
化し、経皮吸収性を向上させる方法(特開平10−81
618号公報)が知られている。
【0010】しかしながら、本発明者らが更に検討を加
えた結果、上記のような機械的手法で上記エラグ酸系化
合物やそのアルカリ金属塩等の難溶性物質の可溶化を図
る方法では、いずれも経皮吸収性を十分に向上させ、例
えば通常の外用剤への配合濃度で十分な効果を奏する程
度に可溶化するという点においては、未だ改良の余地が
あることがわかった。また、晶析法等の化学的手法で
は、アルカリや酸による溶解析出を行うための設備の付
加が必要となったり、所望の微粒子を得るための溶解析
出の制御が必要となるため、より簡易な手段で可溶化す
る方法が望まれている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記事情に
鑑みなされたもので、エラグ酸系化合物やそのアルカリ
金属塩等の難溶性の有効成分を可溶化することができ、
該有効成分の経皮吸収性を向上させて、極めて優れた効
果を奏させることが可能な皮膚外用剤組成物及び皮膚外
用剤等の配合成分を容易、且つ十分に可溶化する可溶化
剤を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】本
発明者は、上記エラグ酸系化合物やそのアルカリ金属塩
等の難溶性物質を可溶化し、これらを配合した製剤の経
皮吸収性を向上することを目的に検討を重ねた結果、後
述する実施例に示すように、特定のN含有高分子化合物
がエラグ酸系化合物やそのアルカリ金属塩等などのよう
な難溶性物質を極めて有効に可溶化する可溶化剤として
機能し、従って、上記特定のN含有高分子化合物を皮膚
外用剤組成物の配合成分として使用すると、組成物中に
難溶性物質が配合されていても、該難溶性物質を可溶化
し、その経皮吸収性を向上させることで優れた効果を発
揮することを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0013】即ち、本発明は、下記一般式(1)で表さ
れる繰り返し単位と(メタ)アクリル酸アルキルエステ
ルからなる繰り返し単位とを有する共重合体、アクリル
酸アルキルアミド・(メタ)アクリル酸アルキルエステ
ル・(メタ)アクリル酸アルキルアミノ共重合体及び
(メタ)アクリロイルアルキルベタイン・(メタ)アク
リロイルアルキルアンモニウム塩・(メタ)アクリル酸
アルキル共重合体から選ばれる少なくとも1種以上のN
含有高分子化合物を含有することを特徴とする皮膚外用
剤組成物を提供する。
【0014】
【化4】 (但し、上記式(1)中、R1は水素原子又はメチル基
を表し、R2は炭素数1〜4のアルキレン基を表し、Y
はO又はNHを表し、R3及びR4はそれぞれ水素原子又
は炭素数1〜4のアルキル基を表す。pは、上記単位の
平均重合度であり、20〜2000である。)
【0015】ここで、上記皮膚外用剤組成物が、更に、
難溶性物質、特にエラグ酸系化合物及びその誘導体から
選ばれる少なくとも1種の化合物を含有するものである
と、より好適であり、また、更に、ポリエチレングリコ
ール及び/又は1,3−ブチレングリコールを含有する
ものであったり、エデト酸塩、ピロリン酸塩、ヘキサメ
タリン酸塩、グルコン酸塩から選ばれる少なくとも1種
のキレート剤を含有するものであると、更に好適であ
る。そして、上記皮膚外用剤組成物のpHが6〜8であ
ると、特に好適である。
【0016】また、本発明は、上記一般式(1)で表さ
れる繰り返し単位と(メタ)アクリル酸アルキルエステ
ルからなる繰り返し単位とを有する共重合体、カチオン
化セルロース、アクリル酸アルキルアミド・(メタ)ア
クリル酸アルキルエステル・(メタ)アクリル酸アルキ
ルアミノ共重合体及び(メタ)アクリロイルアルキルベ
タイン・(メタ)アクリロイルアルキルアンモニウム塩
・(メタ)アクリル酸アルキル共重合体から選ばれる少
なくとも1種以上のN含有高分子化合物を有効成分とす
る可溶化剤を提供する。
【0017】以下、本発明をより詳細に説明する。本発
明の皮膚外用剤組成物は、下記一般式(1)で表される
繰り返し単位と(メタ)アクリル酸アルキルエステルか
らなる繰り返し単位とを有する共重合体、アクリル酸ア
ルキルアミド・(メタ)アクリル酸アルキルエステル・
(メタ)アクリル酸アルキルアミノ共重合体、(メタ)
アクリロイルアルキルベタイン・(メタ)アクリロイル
アルキルアンモニウム塩・(メタ)アクリル酸アルキル
共重合体から選ばれるN含有高分子化合物を1種単独で
又は2種以上適宜組み合わせて含有するものである。
【0018】
【化5】
【0019】ここで、上記式(1)中、R1は水素原子
又はメチル基を表し、R2は炭素数1〜4のアルキレン
基を表し、YはO又はNHを表し、R3及びR4はそれぞ
れ水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。ま
た、pは、上記繰り返し単位の平均重合度であり、20
〜2000、特に100〜1000である。
【0020】本発明の第一のN含有高分子化合物は、上
記一般式(1)で示される繰り返し単位と(メタ)アク
リル酸アルキルエステルからなる繰り返し単位を有する
共重合体であり、より具体的には、例えば、N−メタク
リロイルオキシエチル−N,N−ジメチルアンモニウム
−α−N−メチルカルボキシベタイン・(メタ)アクリ
ル酸アルキルエステル共重合体、N−メタクリロイルオ
キシメチル−N,N−ジメチルアンモニウム−α−N−
メチルカルボキシベタイン・(メタ)アクリル酸アルキ
ルエステル共重合体、N−メタクリロイルオキシプロピ
ル−N,N−ジメチルアンモニウム−α−N−メチルカ
ルボキシベタイン・(メタ)アクリル酸アルキルエステ
ル共重合体、N−メタクリロイルオキシブチル−N,N
−ジメチルアンモニウム−α−N−メチルカルボキシベ
タイン・(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体
などが挙げられ、これらは1種単独で又は2種以上を組
み合わせて用いることができる。
【0021】本発明の場合、これらの中でも、N−メタ
クリロイルオキシエチル−N,N−ジメチルアンモニウ
ム−α−N−メチルカルボキシベタイン・メタアクリル
酸アルキルエステル共重合体がより好適である。なお、
(メタ)アクリル酸アルキルエステルのアルキル基の炭
素数は、好ましくは4〜18、より好ましくは炭素数4
〜12である。
【0022】メタアクリル酸アルキルエステルのアルキ
ル基の炭素数が4〜12のN−メタクリロイルオキシエ
チル−N,N−ジメチルアンモニウム−α−N−メチル
カルボキシベタイン・メタアクリル酸アルキルエステル
共重合体としては、例えば「ユカフォーマー AM75
−204」、「ユカフォーマー AM75−510」
(三菱油化(株)製)等が市販されている。
【0023】本発明の第二のN含有高分子化合物は、ア
クリル酸アルキルアミド・(メタ)アクリル酸アルキル
エステル・(メタ)アクリル酸アルキルアミノ共重合体
であり、例えば、アルキル基の炭素数が4〜18、特に
4〜12のアクリル酸アルキルアミドと、アルキル基の
炭素数が4〜18、特に4〜12の(メタ)アクリル酸
アルキルエステルと、アルキル基の炭素数が4〜18、
特に4〜12の(メタ)アクリル酸アルキルアミノとの
共重合体を好適に使用することができる。なお、(メ
タ)アクリル酸アルキルエステルは、アルキル基の水素
原子の一部が水酸基で置換されていてもよく、特に(メ
タ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステルが好適であ
る。これらの中でも特にアクリル酸オクチルアミド・ア
クリル酸ヒドロキシプロピル・メタクリル酸ブチルアミ
ノエチル共重合体等がより好適であり、具体的には、例
えば「アンフォーマー 28−4910」(日本NSC
製)、「アンホーマー−LV−71」、「アンホーマー
−LV−47」(油化産業製)等が市販されている。
【0024】本発明の第三のN含有高分子化合物は、
(メタ)アクリロイルアルキルベタイン・(メタ)アク
リロイルアルキルアンモニウム塩・(メタ)アクリル酸
アルキル共重合体であり、例えば、アルキル基の炭素数
が4〜18、特に4〜12の(メタ)アクリロイルアル
キルベタインと、アルキル基の炭素数が4〜18、特に
4〜12の(メタ)アクリロイルアルキルアンモニウム
塩と、アルキル基の炭素数が4〜18、特に4〜12の
(メタ)アクリル酸アルキルとの共重合体を好適に使用
することができ、これらの中でも、例えばメタクリロイ
ルジメチルベタイン・塩化メタクリロイルエチルトリメ
チルアンモニウム・メタクリル酸2−ヒドロキシエチル
共重合体等がより好適であり、具体的には、例えば「プ
ラスサイズL−450」(互応化学製)等が市販されて
いる。
【0025】本発明の皮膚外用剤組成物における上記N
含有高分子化合物の配合量は、特に限定されるものでは
ないが、好ましくは、組成物全量に対して、0.01〜
10%(質量%、以下同様)、より好ましくは0.05
〜7%、更に好ましくは0.1〜3%である。上記N含
有高分子化合物の配合量が少なすぎると、組成中の難溶
性物質を十分に可溶化することが困難となる場合があ
り、多すぎると、それ以上の配合の効果が得られず、不
経済となる場合がある。
【0026】本発明の皮膚外用剤組成物は、難溶性物質
を含有するものであると、より好適であり、難溶性物質
としては、皮膚外用剤に配合可能であれば、その種類が
特に制限されるものではなく、例えばピロクトンオラミ
ン等の殺菌成分、フルルビプロフェン、フェルビナク、
インドメタシン、ケトプロフェン等の消炎成分、エラグ
酸誘導体等の美白成分などが挙げられ、これらは1種単
独で又は2種以上を適宜組み合わせ使用することができ
る。本発明の場合、これらの中でも特に下記一般式
(2)で表わされるエラグ酸系化合物及びその誘導体か
ら選ばれる1種以上の化合物を含有すると、上記特定の
N含有高分子化合物の可溶化剤としての機能が十分に発
揮されるので、特に効果的である。
【0027】
【化6】 (但し、上記式(3)中、R5、R6、R7及びR8は、そ
れぞれ水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数
1〜20のアシル基、−(Cm2m−O)n−H(但し、
mは2又は3であり、nは1以上の整数である)で示さ
れるポリオキシアルキレン基又は下記構造式(3)
【0028】
【化7】 で表わされる糖残基であり、それらは同一であってもよ
いし、互いに異なっていてもよい。R9は水素原子、水
酸基又は炭素数1〜8のアルコキシ基を表わす。)
【0029】ここで、上記エラグ酸系化合物について詳
述すると、本発明において使用するエラグ酸系化合物は
上記一般式(2)において、R5,R6,R7及びR8はそ
れぞれ水素原子、炭素数1〜20、好ましくは1〜10
のアルキル基、炭素数1〜20、好ましくは1〜10の
アシル基、−(Cm2m−O)n−H(但し、mは2又は
3であり、nは1以上の整数である)で示される(ポ
リ)オキシアルキレン基又は上記構造式(3)で示され
る糖残基であり、R9は水素原子、水酸基又は炭素数1
〜8、好ましくは1〜3のアルコキシ基である。なお、
アルキル基は、直鎖状、分岐状又は環状のいずれであっ
てもよい。
【0030】R5,R6,R7,R8がアルキル基である場
合、その具体例としては、メチル基、エチル基、プロピ
ル基等が挙げられ、特にメチル基、エチル基が好まし
い。また、R5,R6,R7,R8がアシル基である場合、
その具体例としては、アセチル基、プロピオニル基等が
挙げられる。更に、R5,R6,R7,R8が−(Cm2m
−O)n−Hである場合、その具体例としては、ポリオ
キシエチレン基、ポリオキシプロピレン基であり、nは
1以上の整数であり、特に5〜40が好ましい。そし
て、R5,R6,R7,R8は相互に同一でも、異なってい
てもよい。更に、R 9がアルコキシ基である場合、その
具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ
基等が挙げられ、特にメトキシ基が好ましい。
【0031】また、上記エラグ酸系化合物の誘導体とし
ては、エステル、塩等が挙げられるが、特に塩等が好適
に使用され、塩としては、ナトリウム、カリウム等のア
ルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、
アミン塩などを挙げることができるが、これらの中で
も、エラグ酸のフェノール性水酸基の一部がアルカリ金
属塩となったものが溶解性、分散性等の点から特に好ま
しく、アルカリ金属塩で部分的に中和したエラグ酸を調
製する場合、エラグ酸分散液をアルカリ金属水溶液でp
H12〜14に調整して溶解させた後、硫酸等の無機酸
又は有機酸で任意のpHに調整することによって沈殿し
た一部中和塩を捕集することにより得ることができる。
この方法により処理すると、純度の低いエラグ酸を用い
た場合でも、混入しているタンニン等の不純物を効率よ
く除去でき、且つ外観も良好で、黒みのない色調の部分
中和塩を得ることができる。これらのエラグ酸系化合物
のアルカリ金属塩としては、例えばナトリウム塩やカリ
ウム塩などが挙げられる。
【0032】本発明のエラグ酸系化合物としては、例え
ば上記一般式(2)で示されるエラグ酸系化合物の中で
も、特に上記R5〜R9が全て水素原子であるエラグ酸や
5〜R8が水素原子、メチル基又はエチル基であり、且
つR9が水素原子、水酸基又はメトキシ基であるものが
好ましく、具体的には、エラグ酸、3,4−ジ−o−メ
チルエラグ酸、3,3’−ジ−o−メチルエラグ酸、
3,3’,4−トリ−o−メチルエラグ酸、3,3’,
4,4’−テトラ−o−メチル−5−メトキシエラグ
酸、3−エチル−4−メチル−5−ヒドロキシエラグ
酸、アムリトシド(Amritoside)及びそれら
の塩等を挙げることができ、これらの化合物は、1種単
独で又は2種以上を適宜組み合わせて使用することがで
きる。なお、上記アムリトシドは、上記一般式(1)に
おいて、R5を上記構造式(3)で示される糖残基、R6
〜R9をそれぞれ水素原子としたものである。また、エ
ラグ酸のフェノール性水酸基の一部がナトリウム塩やカ
リウム塩となったものが、溶解性が良いという点で好ま
しい。
【0033】上記エラグ酸系化合物やその塩は、皮膚外
用剤組成物に配合する際に、その親油性又は親水性を調
整するために、上記一般式(2)のR5,R6,R7及び
8のいくつかを炭素数20まで、特に5〜20の長鎖
アルキル基、炭素数20まで、特に5〜20の長鎖アシ
ル基としたり、−(Cm2m−O)n−H(但し、mは2
又は3、nは1以上の整数)で示される(ポリ)オキシ
アルキレン基及び上記構造式(3)で表される糖残基の
中から選ばれた任意の基により置換してもよいし、ま
た、R9についても同様に炭素数8まで、特に5〜8の
長鎖アルコキシ基に置換しても好適である。
【0034】これらのエラグ酸系化合物は、イチゴ、タ
ラ(Caesalupinia Spinosa)、ユ
ーカリ材(Eucalyptus)、リンゴ、毒ウツギ
(コリアリア ヤポニカ)、ラジアタ松、クマコケモ
モ、ザクロ、アンマロク、ウキュヨウ、エンフヨウ、ガ
イジチャ、カコウジュヨウ、カシ、キジュ、ケンジン、
コウナカ、サンウキュウコン、サンウキュウヨウ、シュ
ウフボク、センクツサイ、スゲンロウカンソウ、ダイヒ
ヨウソウ、ドウモウアンヨウ、ハオウベン、バンセキリ
ュウカン、バンセキユウヒ、ボウカ、モッショクシ、ヤ
トウセイカ、ヤトウセイヒ、ユカンコン、ユカンボク
ヒ、ユカンヨウ、リュウガソウコン、バンセキリョウヨ
ウ、ウキュウボクコンピ、シドコン、チンシュソウ、ゲ
ンノショウコなどの天然物から以下のような方法で容易
に得ることができる(特公昭53−14605号公報参
照)。
【0035】即ち、エラグ酸系化合物を含有する上記天
然物の乾燥粉砕品を、通常の酸性亜硫酸塩法によって蒸
解した後、水酸化ナトリウムや炭酸ナトリウムのアルカ
リ水溶液(pH10〜13)に浸漬する。浸漬液を分取
した後、浸漬液に硫酸や酢酸等の酸を加えてpHを2〜
8に調整し、エラグ酸系化合物を主成分とする沈殿物を
得る。この沈殿物を遠心分離等によって捕集し、更に水
洗することにより不純物を除き、純度の高いエラグ酸系
化合物を得ることができる。
【0036】本発明の皮膚外用剤組成物に配合し得るエ
ラグ酸系化合物は、このように天然物中に広く存在する
ものであって、安全性は極めて高いと考えられるが、念
のため安全性を確認したところ、急性毒性、皮膚刺激
性、皮膚感作性、変異原性などの点で、実用上特に問題
は認められず、安全性は高いことが確認された。本発明
の皮膚外用剤組成物に上記エラグ酸系化合物又はその誘
導体を配合する場合、エラグ酸系化合物及び/又はその
誘導体(美白成分)は、1種又は2種以上を任意に選択
して用いることができる。
【0037】本発明の皮膚外用剤組成物に上記難溶性物
質を配合する場合、その配合量は特に制限されず、配合
する難溶性物質の種類などによって適宜選定することが
でき、例えば上記エラグ酸系化合物及び/又はその誘導
体を配合するのであれば、その配合量はエラグ酸系化合
物等の種類などによって適宜選定することができるが、
通常、組成物全量に対して、0.001〜30%が好ま
しく、更に好ましくは0.05〜10%である。配合量
が少なすぎると十分な美白効果が発揮されない場合があ
り、多すぎると十分に可溶化することが困難となる場合
がある。また、同様の理由により、上記特定のN含有高
分子化合物に対する配合割合は、好ましくは、N含有高
分子化合物:エラグ酸系化合物及び/又はその誘導体
(質量比)=95:5〜30:70、より好ましくは9
0:10〜40:60、更に好ましくは83:17〜5
9:41である。
【0038】本発明の皮膚外用剤組成物は、更に、ポリ
エチレングリコール、1,3−ブチレングリコールの少
なくともどちらか一方のグリコール類を含有するもので
あると、保湿効果が得られると共に、可溶化が促進され
るので、より好適である。なお、ポリエチレングリコー
ルの重量平均分子量は、特に制限されるものではない
が、皮膚に対する使用感を考慮すれば、通常、重量平均
分子量が200〜4000、特に300〜2000のも
のが好適である。ここで、これらの配合量は、特に限定
されないが、通常、組成物全量に対して好ましくは0.
01〜70%、より好ましくは0.1〜30%、更に好
ましくは1〜10%である。配合量が少なすぎると保湿
効果や可溶化促進効果が十分に得られ難い場合があり、
多すぎるとそれ以上の可溶化促進効果が得られない場合
がある。また、同様の理由により、上記特定のN含有高
分子化合物に対する配合割合は、好ましくは、N含有高
分子化合物:グリコール類(質量比)=20:80〜
5:95、より好ましくは40:60〜5:95、更に
好ましくは25:75〜10:90である。
【0039】また、本発明の皮膚外用剤組成物は、更
に、エデト酸塩、ピロリン酸塩、ヘキサメタリン酸塩、
グルコン酸塩から選ばれる少なくとも1種のキレート剤
を含有するものであると、難溶性物質の結晶成長が抑制
されるので、より好適である。ここで、上記キレート剤
の配合量は、特に限定されないが、通常、組成物全量に
対して、好ましくは0.001〜10%、より好ましく
は0.01〜5%、更に好ましくは0.1〜3%であ
る。配合量が少なすぎると結晶成長抑制効果が十分に得
られ難い場合があり、多すぎるとそれ以上の配合効果が
認められず、不経済となる場合がある。また、同様の理
由により、上記特定のN含有高分子化合物に対する配合
割合は、好ましくは、N含有高分子化合物:キレート剤
(質量比)=100:1〜1:1、より好ましくは10
0:1〜5:1、更に好ましくは94:6〜90:10
である。
【0040】本発明の皮膚外用剤には、上記成分の他
に、通常の外用剤に用いられている成分、例えば、界面
活性剤、油分、アルコール類、保湿剤、増粘剤、防腐
剤、酸化防止剤、pH調整剤、香料、色素、紫外線吸収
剤・散乱剤、ビタミン類、アミノ酸類、水等を適宜必要
に応じて配合することができる。
【0041】界面活性剤としては、具体的には、親油型
グリセリンモノステアレート、自己乳化型グリセリンモ
ノステアレート、ポリグリセリンステアレート、ソルビ
タンモノオレート、ポリエチレングリコールモノステア
レート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート、
ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレ
ン化ステロール、ポリオキシエチレン化ラノリン、ポリ
オキシエチレン化ミツロウ、ポリオキシエチレン硬化ヒ
マシ油等のノニオン界面活性剤;ステアリン酸ナトリウ
ム、パルミチン酸カリウム、セチル硫酸ナトリウム、ラ
ウリルリン酸ナトリウム、パルミチン酸トリエタノール
アミン、ポリオキシエチレンラウリルリン酸ナトリウ
ム、N−アシルグルタミン酸ナトリウム等のアニオン界
面活性剤;塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウ
ム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム等のカチオ
ン界面活性剤;塩酸アルキルアミノエチルグリシン液、
レシチン等の両性界面活性剤等を例示することができ
る。
【0042】油分としては、ヒマシ油、オリーブ油、カ
カオ油、椿油、ヤシ油、木ロウ、ホホバ油、グレープシ
ード油、アボガド油等の植物油脂類;ミンク油、卵黄油
等の動物油脂類;ミツロウ、鯨ロウ、ラノリン、カルナ
ウバロウ、キャンデリラロウ等のロウ類;流動パラフィ
ン、スクワラン、マイクロクリスタリンワックス、セレ
シンワックス、パラフィンワックス、ワセリン等の炭化
水素類;ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、オ
レイン酸、イソステアリン酸、ベヘニン酸類の天然及び
合成脂肪酸類;セタノール、ステアリルアルコール、ヘ
キシルデカノール、オクチルデカノール、ラウリルアル
コール等の天然及び合成高級アルコール類;ミリスチン
酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチ
ン酸オクチルドデシル、オレイン酸オクチルドデシル、
コレステロールオレート等のエステル類を例示すること
ができる。
【0043】保湿剤としては、グリセリン、プロピレン
グリコール、ソルビトール、ポリグリセリン、ジプロピ
レングリコール等の多価アルコール類;アミノ酸、ピロ
リドンカルボン酸ナトリウム等のNMF成分;ヒアルロ
ン酸、コラーゲン、ムコ多糖類、コンドロイチン硫酸等
の水溶性高分子物質等を例示することができる。
【0044】増粘剤としては、アルギン酸ナトリウム、
キサンタンガム、珪酸アルミニウム、マルメロ種子抽出
物、トラガントガム、デンプン等の天然高分子物質;メ
チルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボ
キシメチルセルロース、可溶性デンプン等の半合成高分
子物質;カルボキシビニルポリマー、ポリビニルアルコ
ール等の合成高分子物質等を例示することができる。
【0045】防腐剤としては、安息香酸塩、ソルビン酸
塩、デヒドロ酢酸塩、パラオキシ安息香酸エステル、
2,4,4'−トリクロロ−2'−ヒドロキシジフェニル
エーテル、3,4,4'−トリクロロカルバニリド、塩
化ベンザルコニウム、ヒノキチオール、レゾルシン、エ
タノール等を例示することができる。
【0046】酸化防止剤としては、ジブチルヒドロキシ
トルエン、ブチルヒドロキシアニソール、アスコルビン
酸等を、pH調整剤としては、水酸化ナトリウム、水酸
化カリウム、トリエタノールアミン、アンモニア水、ホ
ウ酸、ホウ砂、リン酸水素カリウム、クエン酸、コハク
酸、トリイソプロパノールアミン、ジイソプロパノール
アミン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール等
をそれぞれ例示することができる。
【0047】紫外線吸収剤・散乱剤としては、2−ヒド
ロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、オクチルジメチ
ルパラアミノベンゾエート、エチルヘキシルパラメトキ
シサイナメート、酸化チタン、カオリン、タルク等を例
示することができる。
【0048】ビタミン類としては、ビタミンA、ビタミ
ンB群、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタミ
ンF、ビタミンK、ビタミンP、ビタミンU、カルニチ
ン、フェルラ酸、γ−オリザノール、α−リポ酸、オロ
ット酸及びその誘導体等を例示することができる。
【0049】アミノ酸類としては、グリシン、アラニ
ン、バリン、ロイシン、イソロイシン、フェニルアラニ
ン、トリプトファン、シスチン、システイン、メチオニ
ン、プロリン、ヒドロキシプロリン、アスパラギン酸、
グルタミン酸、アルギニン、ヒスチジン、リジン及びそ
の誘導体等を例示することができる。
【0050】ここで、本発明の皮膚外用剤組成物は、p
Hが6〜8であると、より好適であり、必要に応じて上
記pH調整剤を1種単独で又は2種以上を適宜組み合わ
せて上記pH範囲とすることが望ましい。pHが低すぎ
ると難溶性物質が十分に可溶化されない場合があり、高
すぎると皮膚に対する使用感が損なわれる場合がある。
【0051】本発明の皮膚外用剤組成物は、例えば皮膚
化粧料として好適に用いることができる。皮膚用化粧料
としては、クリーム、乳液、化粧水、美容液、パック
剤、ジェル剤、シート剤等に使用することができる。
【0052】本発明の皮膚外用剤組成物を皮膚化粧料と
して用いる場合、その具体的な処方例を示すと以下の通
りであるが、これらに限定されるものではない。
【0053】皮膚用クリーム 上記N含有高分子化合物0.1〜10%、エラグ酸系化
合物又はそのアルカリ金属塩0.01〜2%、キレート
剤0.001〜2%、油分1〜70%、界面活性剤0.
1〜7%、保湿剤1〜30%、pH調整剤0〜3%、精
製水バランス、防腐剤微量、香料微量を含有する組成物
(合計100%)。
【0054】乳液 上記N含有高分子化合物0.1〜7%、エラグ酸系化合
物又はそのアルカリ金属塩0.01〜2%、キレート剤
0.001〜2%、油分1〜40%、アルコール類0〜
20%、界面活性剤0.1〜5%、保湿剤1〜30%、
増粘剤0〜5%、pH調整剤0〜5%、精製水バラン
ス、防腐剤微量、香料微量を含有する組成物(合計10
0%)。
【0055】化粧水、美容液 上記N含有高分子化合物0.5〜10%、エラグ酸系化
合物又はそのアルカリ金属塩0.01〜2%、キレート
剤0.001〜2%、油分0〜40%、アルコール類0
〜40%、界面活性剤0〜5%、保湿剤1〜30%、増
粘剤0〜5%、酸化防止剤0〜1%、pH調整剤0〜5
%、精製水バランス、防腐剤微量、色素0〜微量、香料
微量を含有する組成物(合計100%)。
【0056】パック剤 上記N含有高分子化合物0.1〜10%、エラグ酸系化
合物又はそのアルカリ金属塩0.01〜2%、キレート
剤0.001〜2%、アルコール類0〜40%、保湿剤
0〜10%、無機粉体0〜20%、造膜剤0〜20%、
精製水バランス、防腐剤微量、香料微量を含有する組成
物(合計100%)。
【0057】ジェル剤 上記N含有高分子化合物0.1〜10%、エラグ酸系化
合物又はそのアルカリ金属塩0.01〜2%、キレート
剤0.001〜2%、アルコール類0〜40%、保湿剤
1〜40%、増粘剤0.01〜20%、pH調整剤0〜
10%、精製水バランス、防腐剤微量、色素0〜微量、
香料微量を含有する組成物(合計100%)。
【0058】シート状化粧料 上記N含有高分子化合物0.5〜15%、エラグ酸系化
合物又はそのアルカリ金属塩0.01〜2%、キレート
剤0.001〜2%、アルコール類0〜40%、保湿剤
1〜40%、増粘剤0.01〜10%、pH調整剤0〜
5%、精製水バランス、防腐剤微量、色素0〜微量、香
料微量を含有する液剤(合計100%)をシートに含浸
してなる組成。
【0059】ここで、本発明の皮膚外用剤組成物をシー
ト状化粧料として使用する場合、シートとしては、例え
ば、天然パルプ、レーヨン、アクリル、ナイロン、ポリ
ウレタン、シルクを素材とするもの、ポリエステル、ポ
リプロピレン、ポリエステル−ポリエチレン、ポリプロ
ピレン−ポリエチレンなどの疎水性高分子素材に対し
て、レーヨン、コットンなどの吸水性を有する高分子素
材を混入しているものが挙げられ、それらは、浸漬接着
式、ニードルパンチ式、スパンボンド式、ステッチボン
ド式、メルトブローン式、スパンレース式など、各々の
適する製造方法によって作られるが、シート状化粧料の
作成に対しては、使用目的や使用部位に応じて適宜選択
することが可能であり、何れの形状でもよい。また、シ
ートとして、セルロース系繊維単独又はセルロース系繊
維及び合成樹脂系繊維からなる水流交絡の不織布を使用
する場合、セルロース系繊維と合成樹脂系繊維の重量比
は100/0〜10/90、好ましくは100/0〜5
0/50であると好適であり、不織布としての平均繊維
間距離が5〜100μm、好ましくは10〜60μmで
ある不織布が好ましい。そして、本発明の皮膚外用剤組
成物は、不織布重量に対し、2〜15倍量、より好まし
くは5〜10倍量含浸させることがよく、2倍量より少
ないと十分な肌への貼付性が得られない場合があり、1
5倍量を超えても貼付性の向上は認められず、貼付時の
液だれなどの問題を生じる場合がある。
【0060】本発明の皮膚外用剤組成物の調製方法は、
特に制限されるものではなく、各種剤型の常法に準じて
調製することができるが、本発明において、上記特定の
N含有高分子化合物は、可溶化剤として使用することが
でき、例えば本発明の皮膚外用剤組成物において、上記
エラグ酸系化合物やその誘導体等の難溶性物質の可溶化
剤として使用する場合、各種剤型の調製過程における可
溶化の方法の好適な例を以下に記載する。
【0061】上記難溶性物質が例えば上記エラグ酸系化
合物やその誘導体であれば、これらを水(水溶液)又は
常温で液体の溶媒(特定の溶質を含んでもよい)に分散
させ、これにアルカリ性物質を添加し、スリーワンモー
ター等で撹拌し、エラグ酸溶解アルカリ小物を調製す
る。別に上記特定のN含有高分子化合物を溶解しておい
た主配合槽に、上記エラグ酸溶解アルカリ小物を添加
し、撹拌により、均一な透明溶液を得る。更に、pH調
整剤により、所望のpHに調整する。
【0062】本発明の皮膚外用剤組成物に配合された上
記エラグ酸系化合物やそのアルカリ金属塩等の難溶性物
質は、皮膚上で水分や脂質に溶解してから皮膚に浸透
し、その効果を発揮するものであり、本発明の皮膚外用
剤組成物は、上記特定のN含有高分子化合物の配合によ
り、上記エラグ酸系化合物やその誘導体などの難溶性物
質を可溶化することにより、以下の効果を発揮しうるも
のである。
【0063】上記難溶性物質の皮膚への浸透速度と単
位時間当たりの浸透量とが増大する。 上記難溶性物質の経皮吸収量が増大する。 皮膚外用剤組成物の長期安定性が向上する。 使用感に優れ、且つ外観が向上する。
【0064】本発明の可溶化剤は、上記特定のN含有高
分子化合物及びカチオン化セルロースから選ばれる1種
以上のN含有高分子化合物を有効成分とするものであ
り、カチオン化セルロースとしては、例えば塩化−O−
[2−ヒドロキシ−3−(トリメチルアンモニウム)プ
ロピル]ヒドロキシエチルセルロース等が挙げられる。
塩化−O−[2−ヒドロキシ−3−(トリメチルアンモ
ニウム)プロピル]ヒドロキシエチルセルロースは、ヒ
ドロキシエチルセルロースにグリシジルトリメチルアン
モニウムクロライドを付加して得られる高分子化合物で
あり、例えばカチオン化度が0.1〜0.6、特に0.
2〜0.4のものを好適に使用することができる。カチ
オン化度が小さすぎても、大きすぎても、本発明が目的
とする可溶化の効果を十分に得ることができない場合が
ある。また、平均重合度は、好ましくは50〜190
0、より好ましくは50〜500、更に好ましくは50
〜300である。平均重合度が小さすぎても、大きすぎ
ても、本発明が目的とする可溶化の効果を十分に得るこ
とができない場合がある。なお、市販されているものと
しては、例えば「レオガードKGP」、「レオガードM
GP」(いずれもライオン化学(株)製)などが挙げら
れる。
【0065】本発明の上記特定のN含有高分子化合物を
有効成分とする可溶化剤は、その可溶化する成分が特に
制限されるものではなく、具体的には、例えばピロクト
ンオラミン等の殺菌成分、フルルビプロフェン、フェル
ビナク、インドメタシン、ケトプロフェン等の消炎成
分、エラグ酸誘導体等の美白成分などを可溶化するのに
有用である。なお、上記N含有高分子化合物の有効量
は、特に制限されるものではなく、本発明の皮膚外用剤
組成物のN含有高分子化合物の組成物中の好適な配合
量、難溶性物質(可溶化する成分)に対する好適な配合
割合が好適である。
【0066】
【発明の効果】本発明によれば、特定のN含有高分子化
合物により、上記エラグ酸系化合物などの難溶性物質を
十分に可溶化することができる。従って、上記N含有高
分子化合物を含有する本発明の皮膚外用剤組成物は、上
記エラグ酸系化合物などの難溶性物質が配合されている
場合、これらの難溶性物質は十分に可溶化されているの
で、速やかに経皮吸収されてその作用効果を発揮するこ
とができると共に、不溶成分の存在がないため、外観、
使用感にも優れるのみならず、保存による結晶析出など
もなく、保存安定性にも優れる皮膚外用剤組成物であ
る。また、上記N含有高分子化合物を有効成分とする本
発明の可溶化剤は、容易、且つ安全性を損なうことな
く、各種組成物に配合された難溶性物質を可溶化するこ
とができるので、皮膚外用剤組成物などの可溶化剤とし
て、特に有用である。
【0067】
【実施例】以下、実施例及び比較例を示し、本発明をよ
り具体的に説明するが、本発明は、下記実施例に何ら制
限されるものではない。
【0068】[実施例1〜4及び比較例1〜3]表1に
示す組成に従って、エラグ酸のアルカリ溶液(エラグ酸
+ジイソプロパノールアミン+精製水)に、N含有高分
子化合物などの成分を加え、撹拌溶解した後、クエン酸
でpHを調整して、実施例1〜4及び比較例1〜3の皮
膚外用剤組成物を得た。なお、組成物中の配合量は質量
%で表した。
【0069】薬効成分の生物学的利用に関する要因とし
ての経皮吸収性について、以下の方法により、上記実施
例1〜4及び比較例1〜3の皮膚外用剤組成物に配合さ
れたエラグ酸のin vitroにおける経皮吸収量を
測定し、その効果を検討した。
【0070】即ち、モルモット(Std:Hartle
y系、雄)の背部皮膚を切り取り、約100mg程度の
各組成物を皮膚全面に塗布し、これを組成物塗布側がド
ナー側となるように経皮吸収試験用セルのドナーとレセ
プターの間にはさみ固定した。次に、レセプター側を滅
菌生理食塩水で満たした後、セルを水槽に入れ、攪拌し
ながら32℃にインキュベートした。なお、上記実施例
1〜4及び比較例1〜3の皮膚外用剤組成物に配合した
エラグ酸には、その化合物を14Cでラベル化した放射性
同位体を10%均一に混合したものを用いた。24時間
かけてインキュベートした後、レセプター液1mlをサ
ンプリングし、ピコフロー(パッカードジャパン社製)
3mlを加え、液体シンチレーションカウンターを用い
て、その放射性を測定することにより、皮膚を透過した
エラグ酸の量を測定した。次に皮膚外用剤組成物の未吸
収分をよく洗浄した後、直径1cmのパンチで一定面積
の皮膚を採取し、液体シンチレーション測定用のガラス
バイアルに溶解しやすいようにハサミで切り刻んで入
れ、ソルエン−350(パッカードジャパン社製)を2
ml加えて60℃で加熱溶解し、液体シンチレーション
カウンターで皮膚内のエラグ酸の量を測定した。そして
皮膚を透過した量と皮膚内の量を合計して、上記実施例
1〜4及び比較例1〜3の皮膚外用剤組成物におけるエ
ラグ酸の経皮吸収性を評価した。結果を表1に併記す
る。
【0071】なお、結果はエラグ酸分散液(エラグ酸と
水のみ、粒子径は約0.7μm)の経皮吸収量を1とし
て、その相対値を示した。
【0072】また、実施例1〜4及び比較例1〜3で得
られた皮膚外用剤組成物の調製時の外観を目視観察し
た。また、各組成物を50mlのバイアル瓶に入れ、2
5℃で1ヶ月保存した後、エラグ酸の沈降が発生してい
るか否かを目視にて観察して下記基準により保存安定性
を評価をした。結果を表1に併記する。
【0073】<判定基準> ◎:析出が認められない ○:オリ状の析出が認められる △:微量の結晶性析出が認められる ×:著しく結晶性析出が認められる
【0074】
【表1】
【0075】*1:カチオン化セルロース、ライオン化
学(株)製(以下、同様) *2:N−メタクリロイルオキシエチルN,N−ジメチ
ルアンモニウム-α−メチルカルボキシベタイン・メタ
クリル酸アルキルエステル共重合体水溶液、三菱油化株
式会社製(以下、同様) *3:アクリル酸オクチルアミド・アクリル酸ヒドロキ
シプロピル・メタクリル酸ブチルアミノエチル共重合体
の水・エタノール溶液、日本NSC製(以下、同様) *4:メタクリロイルジメチルベタイン・塩化メタクリ
ロイルエチルトリメチルアンモニウム・メタクリル酸2
−ヒドロキシエチル共重合体の水・エタノール溶液、互
応化学製(以下、同様)
【0076】なお、表中の上記N含有高分子化合物の配
合量は、各N含有高分子化合物(純分)としての配合量
である。
【0077】[実施例5〜18]表2〜4の組成に従っ
て、上記実施例1の調製方法に準じて実施例5〜18の
皮膚外用剤組成物を調製し、表2〜4に示す容器に収容
した。各皮膚外用剤組成物の調製時の外観を目視観察し
た。結果を表2〜4に併記する。また、上記実施例で使
用した香料組成物A〜Eの組成を表5〜15に示す。
【0078】
【表2】
【0079】
【表3】
【0080】
【表4】
【0081】
【表5】
【0082】
【表6】
【0083】
【表7】
【0084】
【表8】
【0085】
【表9】
【0086】
【表10】
【0087】
【表11】
【0088】
【表12】
【0089】
【表13】
【0090】
【表14】
【0091】
【表15】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 31/366 A61K 31/366 31/7048 31/7048 47/04 47/04 47/12 47/12 47/18 47/18 47/32 47/32 47/34 47/34 A61P 17/16 A61P 17/16 C08F 220/36 C08F 220/36 220/60 220/60 C08K 3/00 C08K 3/00 5/00 5/00 5/107 5/107 C08L 33/14 C08L 33/14 33/24 33/24 71/02 71/02 Fターム(参考) 4C076 AA12 BB31 CC18 DD26 DD38 DD43 DD51 EE06 EE13 EE31 FF14 FF15 FF17 FF57 FF61 4C083 AA072 AA112 AB281 AB282 AC022 AC102 AC112 AC121 AC122 AC182 AC292 AC301 AC302 AC432 AC442 AC472 AC482 AC531 AC532 AC542 AC582 AC622 AC692 AC712 AC792 AC841 AC842 AC852 AD041 AD042 AD092 AD112 AD131 AD132 AD282 AD332 AD352 AD391 AD392 AD432 AD472 AD532 AD642 AD662 BB41 BB44 BB45 CC03 DD23 DD27 EE01 EE07 EE16 FF05 4C086 AA01 AA02 BA17 MA02 MA03 MA05 NA02 ZA89 4J002 BG07W BG12W CH01Y CH05X DH028 EC047 EH066 EN108 GB00 4J100 AL02Q AL02R AL08P AL08Q AL08R AM21P BA17P BA31R BA32P BA32Q CA04 CA05 CA06 JA60 JA61

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)で表される繰り返し単
    位と(メタ)アクリル酸アルキルエステルからなる繰り
    返し単位とを有する共重合体、アクリル酸アルキルアミ
    ド・(メタ)アクリル酸アルキルエステル・(メタ)ア
    クリル酸アルキルアミノ共重合体及び(メタ)アクリロ
    イルアルキルベタイン・(メタ)アクリロイルアルキル
    アンモニウム塩・(メタ)アクリル酸アルキル共重合体
    から選ばれる少なくとも1種以上のN含有高分子化合物
    を含有することを特徴とする皮膚外用剤組成物。 【化1】 (但し、上記式(1)中、R1は水素原子又はメチル基
    を表し、R2は炭素数1〜4のアルキレン基を表し、Y
    はO又はNHを表し、R3及びR4はそれぞれ水素原子又
    は炭素数1〜4のアルキル基を表す。pは、上記単位の
    平均重合度であり、20〜2000である。)
  2. 【請求項2】 更に、難溶性物質を含有する請求項1記
    載の皮膚外用剤組成物。
  3. 【請求項3】 上記難溶性物質として、下記一般式
    (2)で表わされるエラグ酸系化合物及びその誘導体か
    ら選ばれる少なくとも1種の化合物を含有する請求項2
    記載の皮膚外用剤組成物。 【化2】 (但し、上記式(2)中、R5、R6、R7及びR8は、そ
    れぞれ水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数
    1〜20のアシル基、−(Cm2m−O)n−H(但し、
    mは2又は3であり、nは1以上の整数である)で示さ
    れるポリオキシアルキレン基又は下記構造式(3) 【化3】 で表わされる糖残基であり、それらは同一であってもよ
    いし、互いに異なっていてもよい。R9は水素原子、水
    酸基又は炭素数1〜8のアルコキシ基を表わす。)
  4. 【請求項4】 更に、ポリエチレングリコール及び/又
    は1,3−ブチレングリコールを含有する請求項1、2
    又は3記載の皮膚外用剤組成物。
  5. 【請求項5】 更に、エデト酸塩、ピロリン酸塩、ヘキ
    サメタリン酸塩、グルコン酸塩から選ばれる少なくとも
    1種のキレート剤を含有する請求項1乃至4のいずれか
    1項記載の皮膚外用剤組成物。
  6. 【請求項6】 pHが6〜8である請求項1乃至4のい
    ずれか1項記載の皮膚外用剤組成物。
  7. 【請求項7】 上記一般式(1)で表される繰り返し単
    位と(メタ)アクリル酸アルキルエステルからなる繰り
    返し単位とを有する共重合体、カチオン化セルロース、
    アクリル酸アルキルアミド・(メタ)アクリル酸アルキ
    ルエステル・(メタ)アクリル酸アルキルアミノ共重合
    体及び(メタ)アクリロイルアルキルベタイン・(メ
    タ)アクリロイルアルキルアンモニウム塩・(メタ)ア
    クリル酸アルキル共重合体から選ばれる少なくとも1種
    以上のN含有高分子化合物を有効成分とする可溶化剤。
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