JP5609685B2 - ワイヤハーネスに設けられるシールド体の製造方法 - Google Patents

ワイヤハーネスに設けられるシールド体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、互いに束ねられる複数本の電線を含むワイヤハーネスを囲んで電磁シールドを行うシールド体を製造するための方法に関するものである。
自動車等に用いられるワイヤハーネスの中には、当該ワイヤハーネスから外部への電磁波による影響、あるいは外部から当該ワイヤハーネスへの電磁波による影響を抑止するために、電磁シールドが施されたものがある。
このような電磁シールドが施されたワイヤハーネスを製造するための方法として、特許文献1に記載されたものが知られている。この方法は、互いにラミネートされた導体層及び絶縁層と前記導体層に接続される第2電線とを含む導体薄膜シートを成形する工程と、この導体薄膜シートを、互いに束ねられた複数本の電線の周囲(より正確にはこれらの電線の周囲に巻き付けられたテープの周囲)に巻く工程とを含む。このようにして製造されたワイヤハーネスにおいて、前記第2電線がアースに接続されることにより、前記ワイヤハーネスの周囲にシールド層が形成される。
特開2002−246120号公報
前記特許文献1に記載される方法において、複数の電線の周囲に導体薄膜シートを巻き付けて固定する作業は容易でない。特に、前記導体薄膜シートは導体層と絶縁層とをラミネートしたものであるため比較的剛性が高く、これを手作業で迅速に電線の周囲に安定して巻き付けることは難しい。ましてや、当該作業の自動化はきわめて困難である。さらに、予め第2電線を前記導体層に接続しておく場合には、当該第2電線が巻付け作業の邪魔になるおそれもある。
本発明は、このような事情に鑑み、ワイヤハーネスの特定部位の周囲に当該部位を電磁シールドするためのシールド体を容易に構築することが可能な方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段として、本発明は、電磁シールド機能をもつ第1シールド層を含みかつ少なくとも幅方向の両側部分が複数の通気孔を有する第1シート体と、前記ワイヤハーネスの特定部位と、電磁シールド機能をもつ第2シールド層を含む第2シート体とを、前記第1シールド層及び前記第2シールド層が前記ワイヤハーネスの特定部位の両側に位置しかつ前記第1シート体の幅方向の両側部分と前記第2シート体の幅方向両側部分とが直接接触可能となるように、重ね合わされることと、その重ね合わせ状態で前記第1シート体の通気孔からエアを吸引することにより前記第2シート体の幅方向両側部分と前記第1シート体の幅方向両側部分とを密着させて前記第1シールド層と前記第2シールド層とを連続させることと、を含む。
この方法では、第1シート体、ワイヤハーネスの特定部位、及び第2シート体がこの順に重ねられた状態で、第1シート体の幅方向両側部分の通気孔からエアを吸引して当該幅方向両側部分と第2シート体の幅方向両側部分とを密着させることにより、第1シールド層と第2シールド層とが連続したシールド体が構築されるから、従来のように導電薄膜シートを手作業でワイヤハーネスの周囲に巻く必要がなく、前記特定部位の電磁シールドのためのシールド体を容易に効率よく構築することができる。
この方法は、エアを吸引するための複数の吸引口が開口する成形面をもつ真空成形用型を用いることにより、さらに効率よく行われることが可能である。具体的に、この真空成形用型を用いた場合には、前記第1シート体、前記ワイヤハーネスの特定部位、及び前記第2シート体の重ね合わせが、前記成形面上に前記第1シート体をその通気孔を有する両側部分が前記吸引口の上に位置するように前記真空成形用型の成形面上に敷くことと、前記第1シート体の幅方向両側部分が前記ワイヤハーネスの特定部位の両側にはみ出すように当該第1シート体の第1シールド層の上に当該ワイヤハーネスの特定部位を載せることと、前記第2シート体をこの第2シート体が前記ワイヤハーネスの特定部位とその両側に位置する前記第1シート体の幅方向両側部分とにまたがりかつその第2シールド層が前記第1シールド層に接触可能となる位置で被せることとにより行われ、前記第2シート体の幅方向両側部分と前記第1シート体の幅方向両側部分とを密着させて前記第1シールド層と前記第2シールド層とを連続させることが、前記真空成形用型の吸引口の上に位置する前記第1シート体の幅方向両側部分の通気孔を通じて当該吸引口からエアを吸引することにより行われる。
さらに、この方法では、前記真空成形用型の成形面上に前記第1シート体を敷いた状態で前記吸引口からエアを吸引することにより当該第1シート体を当該成形面上に固定することも可能である。この固定は、前記第1シート体の位置ずれを防止してより高い精度でシールド体を構築することを可能にする。
前記真空成形用型の成形面は、単なる平面でもよいが、この成形面は、前記ワイヤハーネスの特定部位の一部が嵌り込み可能な凹溝とこの凹溝の両脇でエアを吸引するための吸引口が開口する吸引部とを有するものであることが、より好ましい。このような成形面をもつ真空成形用型を用いる場合、前記第1シート体を、その第1シールド層が前記凹溝を覆いかつ前記通気孔を含む前記両側部分が前記吸引部上に位置するように前記真空成形用型の吸引面上に敷くことと、前記凹溝内の第1シールド層の上に前記ワイヤハーネスの特定部位を載せるように当該特定部位を前記凹溝内に嵌め込むことと、前記第2シート体を前記凹溝に嵌め込まれたワイヤハーネスの特定部位とその両側に位置する前記第1シート体の幅方向両側部分とにまたがるように被せること、とを行うのが有効である。この方法では、前記凹溝内に前記第1シート体の幅方向両側部分を除く部分及びワイヤハーネスの特定部位が嵌め込まれることにより、当該第1シート体が当該ワイヤハーネスの特定部位に沿うようにして両者が容易に位置決めされ、その上から第2シート体が被せられかつ吸引口からのエアの吸引が行われることにより、良好なシールド体がより正確にかつ効率よく形成される。
前記第2シート体としては、前記第2シールド層を構成する金属箔と、この金属箔の幅寸法よりも大きな幅寸法を有する合成樹脂シートとを有し、この合成樹脂シートが前記金属箔から幅方向の両側にはみ出すように当該合成樹脂シートに前記金属箔が貼り合わされた複合シートが好適である。このような第2シート体の合成樹脂シートのうち前記金属箔からはみ出した部分が前記第1シート体の幅方向両側部分に重ねられるように当該幅方向両側部分と前記ワイヤハーネスの特定部位とにまたがって前記第2シート体が被せられることにより、その後のエアの吸引によって当該第2シート体の合成樹脂シートの部分と前記第1シート体の幅方向両側部分とが良好に密着する。また、前記第2シールド層を構成する金属箔は前記合成樹脂シートによって有効に保護される。
この場合において、前記第2シート体の合成樹脂シートが熱可塑性樹脂からなるものであって、この合成樹脂シートを加熱して軟化した状態で当該第2シート体が前記ワイヤハーネスの特定部位と前記第1シート体の幅方向両側部分とに被せられるのが、より好ましい。この方法では、前記合成樹脂シートの厚みが比較的大きくて常温での柔軟性が低い場合でも、これを加熱して軟化させることにより当該合成樹脂シートをワイヤハーネスの形状になじませかつ前記第1シート体に良好に密着させることができる。従って、第2シート体の強度を確保するための厚みの設定と、良好な真空成形性とを両立させることができる。
あるいは、前記第2シート体は、それ全体が導電性をもつ合成樹脂シート(例えば異方性導電フィルム)により構成されたものであってもよい。すなわち、第2シート体全体が第2シールド層を構成するものであってもよい。
前記第1シート体についても、前記第1シールド層を構成する金属箔と、この金属箔の幅寸法よりも大きな幅寸法を有し、かつ複数の通気孔を有する合成樹脂シートとを有し、この合成樹脂シートが前記金属箔から幅方向の両側にはみ出すように当該合成樹脂シートに前記金属箔が貼り合わされた複合シートが好適である。この方法では、前記第1シールド層を構成する金属箔からはみ出した前記合成樹脂シートの部分が前記吸引部上に位置するように第1シート体が真空成形用型の成形面上に敷かれることにより、前記通気孔を通じて前記第1シート体と前記第2シート体との間のエアを吸引する(すなわち真空成形する)ことができる。また、前記第1シールド層を構成する金属箔は前記合成樹脂シートによって有効に保護される。前記特定部位は前記第1シールド層上に置かれればよい。
あるいは、この第1シート体も、それ全体が導電性をもつ合成樹脂シート(例えば異方性導電フィルム)により構成されたものであってもよい。すなわち、第1シート体全体が第1シールド層を構成するものであってもよい。
また、前記各シールド層のアースへの接続については、両シート体の幅方向両側部分を密着させる前に予め前記第1シールド層の内側面または第2シールド層の内側面のいずれか一方にアース接続用のドレイン線が接合されることが、より好ましい。このドレイン線は、従来のように導電薄膜シートを巻く方法と異なり、シールド体形成作業の際に邪魔とならない。また、当該ドレイン線とシールド層(第1シールド層または第2シールド層)との接合部分は第1シート体または第2シート体の裏側に隠れるため、当該シート体によって有効に保護される。
以上のように、本発明によれば、ワイヤハーネスの特定部位の周囲にこれを電磁シールドするためのシールド体を容易に構築することができる効果がある。
本発明の実施の形態に係るワイヤハーネスの特定部位と、シールド体を構成する第1シート体及び第2シート体と、そのシールド体を製造するための真空成形用型とを示す斜視図である。 前記真空成形用型を用いて前記シールド体が真空成形された状態を示す斜視図である。 前記真空成形用型による成形後にエアの吸引を停止した状態を示す断面図である。 前記ワイヤハーネスの特定部位を示す図である。
本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
図4は、この実施の形態に係るワイヤハーネスの概略を示す。このワイヤハーネスは、複数本の電線10と、図1〜図3に示すようなテープ11とを含み、このテープ11は、前記電線10が互いに束ねられた状態でこれらの周囲に巻付けられる。図4に示すワイヤハーネスは、両端にそれぞれコネクタ13,14が設けられた幹線12と、この幹線12の所定部位から分岐する支線16とを有し、この支線16の端末にもコネクタ18が設けられている。
上述のように、本発明が提供する方法は、既製のワイヤハーネスにも容易に追加的にシールド体を構築することが可能であるという利点を有する。この利点は、例えば、ワイヤハーネス製造後の(量産前の)検査でシールドの必要性が判明した場合や、量産はしたがその出荷前でシールドの必要性が判明した場合、リコールの対応、ワイヤハーネスのごく一部のシールドのみが必要である場合、などに特に活かされる。
この実施の形態では、図4に含まれる電線10のうち前記支線16につながる特定の電線10aの電流値が高くて支線16の近傍の電子機器(例えばセンサ)を誤動作させるおそれのあることから、当該支線16を電磁シールドするためにその周囲にシールド体20が形成される。つまり、この実施の形態では支線16が本発明に係る「ワイヤハーネスの特定部位」、すなわち、その周囲にシールド体が構築される部位に相当する。ただし、本発明に係る「特定部位」はワイヤハーネスの一部に限定されず、ワイヤハーネス全体も含む趣旨である。すなわち、本発明はワイヤハーネス全体に電磁シールドを施す場合にも適用が可能である。
この実施の形態では、次の要領で前記支線16の周囲にシールド体20が構築される。
1)図1〜図3に示すような真空成形用型30が用意される。この真空成形用型30は、略直方体状をなし、その上面が成形面を構成する。当該上面の幅方向の中央部位は、当該幅方向と直交する長手方向に直線状に延びる凹溝32を構成する。この凹溝32は、上向きに開口し、かつ、前記支線16の断面上での当該支線16の一部(この実施の形態では下半部)が嵌め込み可能な断面形状を有する。この実施の形態では、半円にやや近い下に凸の曲線状に設定される。前記成形面のうち前記凹溝32の幅方向の両脇部分は吸引部34を構成し、上向きに開口する複数の吸引口36を有する。この吸引口36は前記真空成形用型30の内部に形成されたエア通路を介して図略の真空ポンプに接続され、この真空ポンプは前記吸引口36からその上方のエアを吸引する。
2)前記真空成形用型30の成形面の上に第1シート体22Aが敷かれる。この第1シート体22Aは、第1シールド層を構成する金属箔(例えばアルミニウム箔)23Aと、合成樹脂シート24Aとからなり、両者が例えば粘着剤によって相互に貼り合わされたものである。
前記金属箔23Aは、第1の幅寸法をもつ矩形状をなし、当該第1の幅寸法は前記ワイヤハーネスの特定部位である支線16の周長の1/2よりも大きな寸法に設定される。前記合成樹脂シート24Aは、多数の通気孔を有し、前記第1の幅寸法よりも大きな第2の幅寸法をもつ矩形状をなし、この合成樹脂シート24Aの幅方向両側部分24a,24aが前記金属箔23Aの両側にはみ出す相対位置関係で当該合成樹脂シート24Aと当該金属箔23Aとが貼り合わされる。この合成樹脂シート24Aの材質は特に限定されないが、後述の第2シート体22Bの合成樹脂シート24Bと同等のものが、より好ましい。また、前記通気孔の孔径は例えば3mm程度が好適である。
前記第1シート体22Aは、その金属箔23Aが合成樹脂シート24Aの上側に位置する姿勢で、かつ、当該金属箔23が前記凹溝32を覆うとともに前記合成樹脂シート24aの両側部分24a,24aがそれぞれ前記吸引口36上に位置するような位置で、前記成形面上に敷かれる。
この実施の形態では、さらに、前記金属箔23Aの内側面に予めドレイン線26が接合されている。このドレイン線26は、前記金属箔23Aさらには後述のようにこの金属箔23Aと接触する金属箔23Bをアースに接続するためのものであり、当該ドレイン線26の一方の端部は融接、ろう接、導電性接着剤を用いた接着等によって前記金属箔23Aの内側面(この実施の形態では上側面)に接合され、他方の端部には適当なアース部位に接続されるためのアース端子28が装着されている。
3)前記のように成形面上に前記第1シート体22Aが敷かれた状態で当該成形面の吸引口36から当該成形面上のエアが下向きに吸引される。このエアの吸引を利用して当該第1シート体22Aが当該成形面上に固定される。この工程は、必ずしも要しないが、当該成形面上への当該第1シート体22Aの固定は、以降の工程をより正確に行うことを可能にする。
4)前記第1シート体22Aの金属箔23A上に前記支線16を載せるようにして当該支線16が前記凹溝32内に嵌め込まれる。これにより、当該第1シート体22Aと当該支線16との相対位置が決められるとともに、当該支線16の下半部に当該第1シート体22Aがやや沿った状態となる。当該支線16の上半部は前記凹溝32よりも上側に突出する。
5)前記支線16及び前記第1シート体22Aの幅方向両側部分に、これらをまたがるようにして上から第2シート体22Bが被せられる。
この第2シート体22Bは、前記第1シート体22Aと同様、第2シールド層を構成する金属箔(例えばアルミニウム箔)23Bと、合成樹脂シート24Bとからなり、両者が例えば粘着剤によって相互に貼り合わされたものである。
この第2シート体22Bは、この実施の形態では、第1シート体22Aと共通の形状及び構造を有する。すなわち、前記金属箔23Bは、この実施の形態では、前記第1の幅寸法と同等の幅寸法をもつ矩形状をなし、前記合成樹脂シート24Bは、前記第2の幅寸法をもつ矩形状をなし、この合成樹脂シート24Bの幅方向両側部分24bが前記金属箔23Bの両側にはみ出す相対位置関係で当該合成樹脂シート24Bと当該金属箔23Bとが貼り合わされる。この合成樹脂シート24Bの材質も特に限定されないが、例えばポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリエステルといった熱可塑性樹脂であることがより好ましい。また、前記第1シート体22Aの金属箔23Aに前記ドレイン線26が接合される代わりに、第2シート体22Bの金属箔23Bの内側面(この実施の形態では下側面)に予め当該ドレイン線26が接合されていてもよい。
この工程において、前記第2シート体22Bは、その第2シールド層を構成する金属箔23Bが前記支線16の上に被さり、かつ、合成樹脂シート24Bの幅方向両側部分24bが前記第1シート体22Aにおける合成樹脂シート24Aの幅方向両側部分24bにそれぞれ重なるように、セットされる。これにより、第1シート体22A、支線16、及び第2シート体22Bの重ね合わせが完了する。
さらに、この実施の形態では、既に3)の工程で開始されているエアの吸引が、前記第1シート体22Aにおける合成樹脂シート24A(の幅方向両側部分24a,24aの)通気孔を通じてその上側のエアに対しても行われているため、当該吸引によって第2シート体22Bが前記第1シート体22A側に吸い寄せられるとともに、両シート体22A,22Bの幅方向両側部分同士の間のエアが吸引されることにより、合成樹脂シート24Aの幅方向両側部分24aと合成樹脂シート24Bの幅方向両側部分24bとが強力に密着して一体化される(真空成形)。これに伴い、両シート体22A,22Bの金属箔23A,23Bの端部同士が接触して全周にわたり連続したシールド層を形成する(図3)。これにより、支線16を包囲する良好なシールド体が構築される。
このとき、前記両側部分24a,24b同士の間に補助的に接着剤が与えられていてもよい。また、前記3)の工程が省略されている場合には、第2シート体22Bのセット後にエアの吸引が開始されてもよい。すなわち、エアの吸引を開始するタイミングは特に限定されない。
さらに、当該第2シート体22Bの合成樹脂シート24Bが前記のような熱可塑性樹脂からなる場合には、その軟化を利用して良好な成形と成形後の強度の確保とを両立させることが可能である。すなわち、当該第2シート体22Bの強度の確保のために当該合成樹脂シート24Bが比較的厚肉に成形されていても、当該第2シート体22Bを加熱して軟化させた状態でこれを前記支線16及び第1シート体22Aに被せることにより、当該第2シート体22Bを支線16の形状にうまく沿わせることができ、その合成樹脂シート24Bの幅方向両側部分24bを第1シート体22Aの合成樹脂シート24Aの幅方向両側部分24aに良好に密着させることができる。しかも、前記成形後に常温に戻ると、前記合成樹脂シート24Bは元の硬さに戻り、前記金属箔23Aを有効に保護する。
この方法では、従来のような導電薄膜シートの手巻き作業は不要であり、各シート体22A,22Bの金属箔23A,23Bが支線16の上下両側に位置するようにこれらを重ね合わせた状態でエアを吸引するだけで、当該支線16の周囲に両シールド層(金属箔23A,23B)が連続するシールド体20を構築することができる。そして、そのシールド層(金属箔23Aまたは23B)の内側面に接合されたドレイン線26を適当なアース部位に接続することにより、前記支線16を電磁シールドすることが可能である。
特に、この実施の形態では、各シート体22A,22Bを適当な態様で前記真空成形用型30上にセットするだけでよいので、各工程はより簡略化され、効率の高いシールド体20の製造が実現される。また、この真空成形時において前記ドレイン線26は、前記金属箔23Aまたは23Bの内側面に接合されていても特に邪魔にならない。また、前記真空成形によるシート体22A,22Bの緊締により当該シート体22A,22Bはワイヤハーネスに固定される。また、この固定がなされれば、各シールド層(金属箔23A,23B)がワイヤハーネス側に必ずしも密着していなくてもよい。
前記真空成形用型30の成形面すなわち上面は、前記凹溝32を有しない面、例えば平面であってもよい。この場合は、第1シート体22Aが前記成形面上に平面状に敷かれ、その上に、当該第1シート体22Aの幅寸法よりも大きな幅寸法、すなわちワイヤハーネスの特定部位を覆うのに十分な幅寸法をもつ第2シート体22Bが当該特定部位の上に布団を被せるような態様でセットされればよい。しかし、前記真空成形用型30のように前記凹溝32を有する金型を用いることは、両シート体22A,22Bの形状の均等化を可能にしてその接合をより容易にかつ確実にし、また、成形後のシールド体20の形状をより好ましいものにすることを可能にする。
本発明において、第1シート体および第2シート体の具体的な構造は特に問わず、これらのシート体が互いに連続可能なシールド層を含み、かつ、第1シート体がその少なくとも幅方向両側部分に通気孔を有するものであればよい。
例えば、前記第1シート体、前記第2シート体のうちの少なくとも一方の全体が導電性をもつ合成樹脂シート(例えば異方性導電フィルム)により構成されたものであってもよい。すなわち、前記両シート体のうちの少なくとも一方の全体がシールド層(第1シールド層または第2シールド層)を構成するものであってもよい。例えば前記第1シート体全体が導電性をもつ合成樹脂シートからなるものであっても、その少なくとも幅方向両側部分が通気孔を有することにより、前記と同様の真空成形(第1シート体側からの両シート体間のエアの吸引による両シート体の幅方向両側部分同士の密着)が可能である。
また、前記シート体22A,22Bのように金属箔と合成樹脂シートとが重ね合わされたシート体において、当該シート体の金属箔は通気孔を有する必要はないが、当該金属箔は貫通孔をもたない連続したものに必ずしも限定されない。例えば、金属箔が貫通孔を有する場合であっても、の孔径が比較的小さい場合(例えば3〜5mm程度)であればシールド機能を確保することが可能である。
10 電線
16 支線(特定部位)
20 シールド体
22A 第1シート体
22B 第2シート体
23A 第1シート体の金属箔(第1シールド層)
23B 第2シート体の金属箔(第2シールド層)
24A 第1シート体の合成樹脂シート
24B 第2シート体の合成樹脂シート
24a 合成樹脂シート24Aの幅方向両側部分
24b 合成樹脂シート24Bの幅方向両側部分
26 ドレイン線
30 真空成形用型
32 凹溝
34 吸引部
36 吸引口

Claims (8)

  1. 互いに束ねられる複数本の電線を含むワイヤハーネスの特定部位を囲んでその電磁シールドを行うシールド体を製造するための方法であって、
    電磁シールド機能をもつ第1シールド層を含みかつ少なくとも幅方向の両側部分が複数の通気孔を有する第1シート体と、前記ワイヤハーネスの特定部位と、電磁シールド機能をもつ第2シールド層を含む第2シート体とを、前記第1シールド層及び前記第2シールド層が前記ワイヤハーネスの特定部位の両側に位置しかつ前記第1シート体の幅方向の両側部分と前記第2シート体の幅方向両側部分とが直接接触可能となるように、重ね合わされることと、
    その重ね合わせ状態で前記第1シート体の通気孔からエアを吸引することにより前記第2シート体の幅方向両側部分と前記第1シート体の幅方向両側部分とを密着させて前記第1シールド層と前記第2シールド層とを連続させることと、を含む、ワイヤハーネスに設けられるシールド体の製造方法。
  2. 請求項1記載のワイヤハーネスに設けられるシールド体の製造方法において、
    前記第1シート体、前記ワイヤハーネスの特定部位、及び前記第2シート体の重ね合わせは、エアを吸引するための複数の吸引口が開口する成形面をもつ真空成形用型の当該成形面上に前記第1シート体をその通気孔を有する両側部分が前記吸引口の上に位置するように前記真空成形用型の成形面上に敷くことと、前記第1シート体の幅方向両側部分が前記ワイヤハーネスの特定部位の両側にはみ出すように当該第1シート体の第1シールド層の上に当該ワイヤハーネスの特定部位を載せることと、前記第2シート体をこの第2シート体が前記ワイヤハーネスの特定部位とその両側に位置する前記第1シート体の幅方向両側部分とにまたがりかつその第2シールド層が前記第1シールド層に接触可能となる位置で被せることとにより行われ、
    前記第2シート体の幅方向両側部分と前記第1シート体の幅方向両側部分とを密着させて前記第1シールド層と前記第2シールド層とを連続させることは、前記真空成形用型の吸引口の上に位置する前記第1シート体の幅方向両側部分の通気孔を通じて当該吸引口からエアを吸引することにより行われる、ワイヤハーネスに設けられるシールド体の製造方法。
  3. 請求項2記載のワイヤハーネスに設けられるシールド体の製造方法において、
    前記ワイヤハーネスの特定部位が前記第1シート体上に載せられる前に、前記真空成形用型の成形面上に前記第1シート体を敷いた状態で前記吸引口からエアが吸引されることにより、当該第1シート体が当該成形面上に固定される、ワイヤハーネスに設けられるシールド体の製造方法。
  4. 請求項2または3記載のワイヤハーネスに設けられるシールド体の製造方法において、
    前記真空成形用型の成形面は、前記ワイヤハーネスの特定部位の断面上での当該特定部位の一部が嵌り込み可能な凹溝とこの凹溝の両脇に位置して前記吸引口が開口する吸引部とを有し、
    前記第1シート体は、その第1シールド層が前記凹溝を覆い、かつ、前記通気孔を含む前記両側部分が前記吸引部の吸引口上に位置するように前記真空成形用型の吸引面上に敷かれ、
    前記凹溝内の第1シールド層の上に前記ワイヤハーネスの特定部位を載せるように当該特定部位が前記凹溝内に嵌め込まれ、
    前記第2シート体は前記凹溝に嵌め込まれたワイヤハーネスの特定部位とその両側に位置する前記第1シート体の幅方向両側部分とにまたがるように被せられる、ワイヤハーネスに設けられるシールド体の製造方法。
  5. 請求項2〜4のいずれかに記載のワイヤハーネスに設けられるシールド体の製造方法において、
    前記第2シート体は、前記第2シールド層を構成する金属箔と、この金属箔の幅寸法よりも大きな幅寸法を有する合成樹脂シートとを有し、この合成樹脂シートが前記金属箔から幅方向の両側にはみ出すように当該合成樹脂シートに前記金属箔が貼り合わされた複合シートであり、
    前記第2シート体の合成樹脂シートのうち前記金属箔からはみ出した部分が前記第1シート体の幅方向両側部分に重ねられるように当該幅方向両側部分と前記ワイヤハーネスの特定部位とにまたがって前記第2シート体が被せられる、ワイヤハーネスに設けられるシールド体の製造方法。
  6. 請求項5記載のワイヤハーネスに設けられるシールド体の製造方法において、
    前記第2シート体の合成樹脂シートが熱可塑性樹脂からなり、この合成樹脂シートを加熱して軟化した状態で当該第2シート体が前記ワイヤハーネスの特定部位と前記第1シート体の幅方向両側部分とに被せられる、ワイヤハーネスに設けられるシールド体の製造方法。
  7. 請求項2〜4のいずれかに記載のワイヤハーネスに設けられるシールド体の製造方法において、
    前記第1シート体は、前記第1シールド層を構成する金属箔と、この金属箔の幅寸法よりも大きな幅寸法を有し、かつ複数の通気孔を有する合成樹脂シートとを有し、この合成樹脂シートが前記金属箔から幅方向の両側にはみ出すように当該合成樹脂シートに前記金属箔が貼り合わされた複合シートであり、
    前記第1シールド層を構成する金属箔からはみ出した前記合成樹脂シートの部分が前記真空成形用型の吸引口の上に位置するように、前記第1シート体が当該真空成形用型の成形面上に敷かれ、
    前記第1シールド層を構成する金属箔の上に前記ワイヤハーネスの特定部位が置かれる、ワイヤハーネスに設けられるシールド体の製造方法。
  8. 請求項1〜のいずれかに記載のワイヤハーネスに設けられるシールド体の製造方法において、
    両シート体の幅方向両側部分を密着させる前に予め、前記第1シールド層の内側面または第2シールド層の内側面のいずれか一方にアース接続用のドレイン線が接合される、ワイヤハーネスに設けられるシールド体の製造方法。
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