JP5549623B2 - ワイヤハーネスにおける電気接続部材の保護カバーの製造方法 - Google Patents

ワイヤハーネスにおける電気接続部材の保護カバーの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5549623B2
JP5549623B2 JP2011038021A JP2011038021A JP5549623B2 JP 5549623 B2 JP5549623 B2 JP 5549623B2 JP 2011038021 A JP2011038021 A JP 2011038021A JP 2011038021 A JP2011038021 A JP 2011038021A JP 5549623 B2 JP5549623 B2 JP 5549623B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sheet body
protective cover
electrical connection
electric wire
jig
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2011038021A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2012174633A (ja
Inventor
明洋 西尾
宏樹 平井
浩一 松本
洋樹 下田
康雄 大森
雪清 董
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Wiring Systems Ltd
AutoNetworks Technologies Ltd
Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Wiring Systems Ltd
AutoNetworks Technologies Ltd
Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Wiring Systems Ltd, AutoNetworks Technologies Ltd, Sumitomo Electric Industries Ltd filed Critical Sumitomo Wiring Systems Ltd
Priority to JP2011038021A priority Critical patent/JP5549623B2/ja
Publication of JP2012174633A publication Critical patent/JP2012174633A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5549623B2 publication Critical patent/JP5549623B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、自動車等のワイヤハーネスにおいて、当該ワイヤハーネスに含まれる複数の電線のうちの特定の電線の端末に設けられる電気接続部材を保護する保護カバーを製造するための方法に関する。
自動車等のワイヤハーネスは、互いに束ねられる複数本の電線と、これらの電線のうちの特定の電線の端末に設けられる電気接続部材とを備えている。具体的に、その特定の電線の端末には一般に電気接続用の端子が装着され、さらに、複数の電線の端末にそれぞれ端子が装着される場合には、これらの端子及びこれらの端子を保持するハウジングにより電気接続部材としてコネクタが構成される。
このような端子やコネクタといった電気接続部材は、前記電線の端末に装着されていてぶら下がった状態にあるため、これを簡易的に保護することが望まれる。従来、このような電気接続部材を保護するためのカバーとして、特許文献1に記載されるようなコネクタカバーが知られている。このコネクタカバーは、塩化ビニル製のスリーブを原材料として製造されるもので、当該スリーブにコネクタ及びこれにつながる電線群を挿通することと、その挿通状態で当該スリーブの端部を加熱することにより当該端部を縮径するとともに前記電線の電線群の表面に溶着することと、からなる方法により製造される。
特開平8−180194号公報
前記のコネクタをはじめとする電気接続部材が接続される電線の本数は多様であり、その本数や電線の径、定格電流などによって、電気接続部材の大きさが変わる。例えば、単一の電線に対しては、電気接続部材として小さな端子が装着されるのみで足り、逆に多数本の電線の端末には大型のコネクタが設けられることになる。
このようにサイズや形状が多様な電気接続部材に対して、前記特許文献1に記載されるようなカバーを付与する(形成する)ためには、当該サイズや形状に応じて互いに径の異なる多種のスリーブを用意しなければならず、その品番管理が非常に複雑となる。もし、単一種のスリーブのみで多岐にわたる電気接続部材のカバーを形成しようとするならば、当該スリーブには相当大きな径のものを用いなければならない。この場合、外形の小さい電気接続部材(例えば端子単体や小型コネクタ)に対しては前記スリーブの内径が過大となり、当該スリーブの内側面と電気接続部材の外側面との隙間が大きすぎるために当該スリーブがカバーとして機能しにくくなる。
本発明は、このような事情に鑑み、多種にわたるスリーブなどの原材料を用意することなく、互いにサイズや形状の異なる複数種の電気接続部材に対して当該電気接続部材のサイズや形状に適した保護カバーを容易に製造することが可能な方法を提供することを目的とする。
本発明は、ワイヤハーネスに含まれる電線のうちの特定の電線の端末に設けられた電気接続部材を保護する保護カバーを製造するための方法であって、前記電気接続部材をこの電気接続部材が前記電線につながった状態のまま当該電気接続部材の外形よりも大きな形状の内周面をもつ成形用治具の内側に挿入する挿入工程と、その成形用治具から前記電線と同じ側にはみ出す後側部分及びこれと直交する方向である幅方向の両側にはみ出す幅方向両側部分を有する第1シート体と、その成形用治具から前記電線と同じ側にはみ出す後側部分及びこれと直交する方向である幅方向の両側にはみ出す幅方向両側部分を有する第2シート体との間に挟み込んで両シート体の幅方向両側部分同士を前記成形用治具の外側で重ね合わせる重ね合わせ工程と、前記第1シート体を挟んで前記第2シート体と反対の側からエアを吸引することにより両シート体の幅方向両側部分同士を密着させるとともに両シート体の後側部分をそれぞれ前記電気接続部材につながる電線の表面に密着させることにより両シート体からなる保護カバーを成形する成形工程と、前記保護カバーの成形後に前記成形用治具を前記電線と反対の側に抜き取ることにより、前記電気接続部材の外側面と前記両シート体の内側面との間に隙間を形成する工程と、を含む。ここで、前記エアの吸引は前記重ね合わせ工程の段階から行われていてもよい。すなわち、当該エアの吸引を開始するタイミングは、前記重ね合わせ工程の完了時点の前後を問わない。
この方法によれば、従来のように多種にわたるスリーブを原材料として用意することなく、電線の端末につながる電気接続部材の周囲に当該電気接続部材のサイズや形状に適した保護カバーを自由に形成することができる。すなわち、この方法では、前記電気接続部材を成形用治具の内側に挿入した状態でこれを第1シート体と第2シート体との間に挟み込むことと、当該第1シート体を挟んで当該第2シート体と反対の側にエアを吸引することとにより、両シート体の幅方向両側部分同士が密着するとともに両シート体が前記電線の表面に密着する保護カバーを成形することができる。そして、この保護カバーの形成後に前記成形用治具を抜き取ることで、当該保護カバーの内側面と前記電気接続部材の外側面との間に当該電気接続部材を他の電気接続部材と接続するための隙間を形成することができる。一方、前記成形用治具は繰り返し使用することが可能であり、しかも製品の構成要素ではないから品番管理は不要である。
本発明に係る方法は、エアを吸引するための複数の吸引口が開口する成形面をもつ真空成形用型を用いることにより、さらに効率よく行われることが可能である。具体的に、この真空成形用型を用いた場合には、前記重ね合わせ工程が、前記成形面上に前記第1シート体を敷くことと、前記第1シート体の幅方向両側部分が前記成形用治具の外側にはみ出しかつ前記電線が前記第1シート体の後側部分の上に位置するように当該第1シート体の上に当該成形用治具を載せることと、前記第2シート体をこの第2シート体の幅方向両側部分が前記成形用治具の外側で前記第1シート体の幅方向両側部分に重なりかつ当該第2シート体の後側部分が前記電線の上に被さるように前記成形用治具の上に被せることと、により行われ、前記成形工程が、前記真空成形用型の吸引口からエアを吸引することにより行われる。
前記第2シート体については、当該第2シート体が熱可塑性樹脂からなる層を含み、この層が加熱されることにより軟化した状態で前記成形用治具及び前記電線の上に被せられるのが、より好ましい。この方法では、前記第2シート体の厚みが比較的大きくて常温での柔軟性が低い場合でも、これを加熱して軟化させることにより当該第2シート体を前記成形用治具及び前記電線の端部の形状になじませながら当該電線の端部及び前記第1シート体の幅方向両側部分に良好に密着させることができる。従って、第2シート体の強度を確保するための当該第2シート体の厚みの設定と、第1及び第2シート体同士の密着による良好な保護カバーの成形とを両立させることができる。
以上のように、本発明によれば、多種にわたるスリーブなどの原材料を用意することなく、互いにサイズや形状の異なる複数種の電気接続部材に対し、この電気接続部材がワイヤハーネスの電線につながったままの状態で当該電気接続部材のサイズや形状に適した保護カバーを容易に製造することができる効果がある。
本発明の第1の実施の形態に係るワイヤハーネスに含まれる複数の電線の端末に設けられたコネクタ及びこれを保護する保護カバーを示す斜視図である。 前記コネクタ及び前記保護カバーを示す断面側面図である。 前記コネクタ及び前記保護カバーを示す断面正面図である。 前記保護カバーを製造する方法において第1シート体の上に前記コネクタ及びこれにつながる電線の端部を載置する工程を示す斜視図である。 前記コネクタを成形用治具内に挿入する工程を示す斜視図である。 前記成形用治具の上に第2シート体を被せる前の状態を示す斜視図である。 前記成形用治具の上に前記第2シート体を被せた状態を示す断面図である。 図6の状態を真空成形用型とともに示す断面正面図である。 図8の状態を真空成形用型とともに示す断面正面図であって保護カバーを成形する工程を示す図である。 前記保護カバーの成形後に前記成形用治具を抜き去った状態を示す斜視図である。 前記第1シート体及び前記第2シート体を前記コネクタ及びこれにつながる電線の外形に沿う形状に切断した状態を示す斜視図である。 本発明の第2の実施の形態に係るワイヤハーネスに含まれる複数の端末に設けられた電気接続端子及びこれを保護する保護カバーを示す断面側面図である。 前記電気接続端子及びこれを保護する前記保護カバーを示す断面正面図である。 図13に示す保護カバーを製造する方法において第1シート体の上に前記電気接続端子及びこれにつながる電線の端部を載置する工程を示す斜視図である。 前記電気接続端子を成形用治具内に挿入する工程を示す斜視図である。 図15に示す成形用治具の上に第2シート体を被せる前の状態を示す斜視図である。 前記成形用治具の上に前記第2シート体を被せて保護カバーを成形した状態を示す斜視図である。 図17に示す保護カバーの成形後に前記成形用治具を抜き去った状態を示す斜視図である。 図17に示す第1シート体及び前記第2シート体を前記コネクタ及びこれにつながる電線の外形に沿う形状に切断した状態を示す斜視図である。 (a)は本発明の第3の実施の形態に係るコネクタ及びその保護カバーを示す断面正面図、(b)は当該コネクタに嵌合される相手方コネクタを保護するための保護カバーの断面正面図である。 図20(a)に示される保護カバーと同図(b)に示される保護カバーとの結合状態を示す断面正面図である。
本発明の第1の実施の形態を、図1〜図11を参照しながら説明する。
図1は、この実施形態に係るワイヤハーネス100を示す。このワイヤハーネス100は、互いに束ねられる複数本の電線10を含み、その周囲にテープ14が螺旋状に巻き付けられることにより前記ワイヤハーネス100の幹線12が形成されている。この幹線12から前記電線10のうちの特定数(図例では5本)の電線10が引き出され、これらの電線10の端末に電気接続部材であるコネクタ20が設けられている。このコネクタ20は、前記各電線10の端末に装着されるコネクタ端子(電気接続端子)22と、これらのコネクタ端子22を保持するコネクタハウジング24とを有し、図略の相手方コネクタと嵌合することにより、当該相手方コネクタと前記電線10とを電気的に接続する。
前記コネクタ20の周囲には、これを保護するための保護カバー30が形成されている。この保護カバー30は、互いに接合される第1シート体31と第2シート体32とからなり、前記コネクタ20を外側から覆いながら前記コネクタ20の先端側(相手方コネクタと嵌合する側;電線10と反対の側)に開口している。
この実施の形態にかかる保護カバー30は、次の工程により製造される。
1)挿入工程
前記コネクタ20が、図5に示すような成形用治具40内に挿入される。この成形用治具40は、前記コネクタ20の外形よりも大きな内周面をもつ筒状(図では角筒状)の側壁42と、この側壁42の先端側の端部(電線10と反対の側の端部)を覆う端壁44と、この端壁44から先端側に延びる引き抜き用の取手46とを一体に有する。すなわち、この実施の形態に係る成形用治具40は、前記端壁44と反対の側に開口する容器状をなす。前記コネクタ20は、その先端側部分(電線10と反対側の部分)を先頭にして前記成形用治具40内にその開口から挿入される。
この実施の形態では、この挿入工程と次の重ね合わせ工程とが複合的に行われる。すなわち、前記コネクタ20及びこれにつながる電線10の端部は前記成形用治具40に挿入される前に予め前記第1シート体31に載置され、この第1シート体31の上で前記挿入工程が実行される。しかし、本発明に係る方法はこの手順に限られない。前記コネクタ20は、前記成形用治具40に挿入されてからこの成形用治具40とともに前記第1シート体31上に載置されてもよい。すなわち、この挿入工程が完了してから次の重ね合わせ工程が開始されてもよい。
2)重ね合わせ工程
この工程は、前記第1シート体31と前記第2シート体32との間に前記コネクタ20が挿入された成形用治具40及び前記コネクタ20につながる電線10の端部を挟み込み、かつ、前記成形用治具40の外側で両シート体31,32同士が重ね合わされる。
前記第1シート体31は、図4〜図6に示すように前記成形用治具40の平面形状よりも十分大きな矩形状をなし、この第1シート体31の幅方向(電線10の長手方向と直交する方向)の中央部位の前側に前記成形用治具40が載置された状態で当該成形用治具40から前記幅方向両側にはみ出す幅方向両側部分31aと、前記成形用治具40から前記電線10と同じ側にはみ出す後側部分31bとを有する。この第1シート体31の上に前記成形用治具40が載置され、前記後側部分31bの上に前記電線10が載せられる。
この第1シート体31は、例えば合成樹脂からなるシートにより構成され、この実施の形態では多数の通気孔を有する。前記通気孔の孔径は例えば3mm程度が好適である。前記通気孔は、必ずしも第1シート体31の全域に設けられていなくてもよく、少なくとも前記幅方向両側部分31a及び前記後側部分31bにあれば効果的である。あるいは当該通気孔が全く省略されていてもよい。
第2シート体32も、前記第1シート体31と同様、例えば合成樹脂からなるシートにより構成され、図6に示すように、前記成形用治具40の平面形状よりも十分大きな矩形状をなし、前記成形用治具40から前記幅方向両側にはみ出すことが可能な幅方向両側部分32aと、前記成形用治具40から前記電線10と同じ側にはみ出すことが可能な後側部分32bとを有する。そして、図7に示すように、この第2シート体32の幅方向両側部分32aが前記成形用治具40の外側で前記第1シート体31の幅方向両側部分31aに重ねられ、かつ、当該第2シート体32の後側部分32bが前記電線10の上に載せられるようにして、前記成形用治具40及び前記電線10の上に前記第2シート体32が被せられる。
この実施の形態では、前記重ね合わせ工程及びその次の成形工程(後述)を効率よく行うために、図8及び図9に示すような真空成形用型60が用いられる。この真空成形用型60は、平坦な上面を有し、これが成形面62を構成する。当該成形面62では複数の吸引口64が開口し、これらの吸引口64は前記真空成形用型60の内部に形成されたエア通路を介して図略の真空ポンプに接続され、この真空ポンプは前記吸引口64からその上方のエアを吸引する。
前記第1シート体32は、前記真空成形用型60の成形面62の上に敷かれる。この第1シート体31は、前記エアの吸引による負圧で前記成形面62上に保持される。加えて、当該エアの吸引は前記成形用治具40等への第2シート体32の誘引に寄与する。ただし、この重ね合わせ工程では必ずしも前記エアの吸引は行われなくてもよい。すなわち、次の成形工程においてのみ当該エアの吸引が行われてもよい。
前記両シート体31,32の具体的な材質は特に限定されないが、少なくとも第2シート体32は例えばポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリエステルといった熱可塑性樹脂であることがより好ましい。このような熱可塑性樹脂からなる第2シート体32は、加熱されることにより軟化するため、当該第2シート体32の保護カバーとしての強度を確保するためにその厚みが比較的大きく設定されていても(例えば0.6〜1.0mm)、すなわち当該第2シート体32の常温での柔軟性が低い場合でも、その軟化によって第2シート体32は前記成形用治具40や前記電線10の形状に十分なじみながら前記第1シート体31の幅方向両側部分31aや電線10の表面と良好に接触することができる。
具体的には、例えば図8に示すようなヒータ66が前記真空成形用型60の上方に配置され、このヒータ66の下面上に前記第2シート体32が保持部68によって保持されかつ軟化し、その状態で当該ヒータ66から前記第2シート体32が切り離されて前記成形用治具40及び電線10の上に被せられるのがよい。
3)成形工程
前記の重ね合わせ状態でさらに前記第1シート体31の通気孔から前記各吸引口64側すなわち前記第1シート体31を挟んで前記第2シート体32と反対の側にエアが吸引されることにより、前記第2シート体32の幅方向両側部分32aが前記第1シート体31の幅方向両側部分31aに密着するとともに、両シート体31,32の後側部分31b,32bが前記電線10の表面に密着する。これにより、前記コネクタ20の周囲に前記両シート体31,32からなる保護カバー30が形成される。
なお、前記第1シート体31が前記通気孔を有しない場合には、この第1シート体31上のエアが当該第1シート体31の周縁部分の外側に回り込むようにして前記吸引口64へ吸引される。
また、前記密着状態の保持のために前記両幅方向両側部分31a,32a同士の間や両後側部分31b,32bと前記電線10の表面との間にそれぞれ補助的に接着剤が与えられてもよい。あるいは、前記後側部分31b,32bの周囲に粘着テープが巻付けられることにより前記電線10の外周面への前記後側部分31b,32bの固定が積極的に行われてもよい。
4)抜き取り工程
この工程では、前記保護カバー30の成形後に前記成形用治具40が例えばその取手46を把持するなどして前記電線10と反対の側(先端側)に抜き取られる。これにより、図10に示すように、当該保護カバー30の内側面と前記コネクタ20の外側面との間に当該コネクタ20を他の相手方コネクタと接続するための隙間48を形成することができる。一方、前記成形用治具40はこれ以降の保護カバーの製造にも繰り返し使用されることが可能であり、しかも当該成形用治具40は製品の構成要素ではないから品番管理は不要である。
なお、この抜き取り工程を円滑に行うには、前記保護カバー30を構成する両シート体31,32の内側面と前記成形用治具40の外側面との摩擦を低減させる工夫が施されることが好ましい。具体的には、前記成形用治具40の側壁42の外側面に適当な傾斜(抜き取り方向に向かうに従って縮径する向きの傾斜)が与えられたり、当該側壁42の外側面上に低摩擦材料(例えばフッ素系樹脂やグリース)からなる層が塗布等により設けられるのが、より好ましい。
5)切除工程
この工程では、前記シート体31,32の幅方向両側部分31a,32aのうち前記保護カバー30の構成に不要な部分が切除される。具体的には、前記コネクタ20及びこれにつながる電線10の形状に沿って前記切除が行われる。この切除工程は、本発明において必須のものではなく、適宜省略が可能である。
以上示した方法では、従来のように保護カバーの原材料として(互いに径の異なる)多種の樹脂製スリーブを用意しておく必要がなく、前記コネクタ20をはじめとする各種の電気接続部材について、その大きさや形状に適した保護カバーを自由に形成することができる。換言すれば、本発明は、保護対象である電気接続部材に接続される電線の本数や直径、使用電流値にかかわらず、当該電気接続部材に適した保護カバーを製造することを可能にする。
例えば、本発明は、第2の実施の形態として図11〜図19に示すように、単一の電線10の端末に装着される電気接続端子50のみを電気接続部材としてこれを保護する保護カバー30′(図12及び図13)の製造にも前記と同様にして適用することが可能である。すなわち、この実施の形態においても、次の各工程を経ることで前記保護カバー30′を製造することが可能である。
1)挿入工程:前記電気接続端子50をその形状および大きさに適した成形用治具40′(図15など)に挿入する。
2)重ね合わせ工程:成形用治具40′から前記電線10と同じ側にはみ出す後側部分31b及びこれと直交する方向である幅方向の両側にはみ出す幅方向両側部分31aを有して少なくとも当該後側部分31b及び幅方向両側部分31aが複数の通気孔を有する第1シート体31と、その成形用治具40′から前記電線10と同じ側にはみ出す後側部分32b及びこれと直交する方向である幅方向の両側にはみ出す幅方向両側部分32aを有する第2シート体32との間に挟み込んで両シート体31,32の幅方向両側部分31a,32a同士を前記成形用治具40′の外側で重ね合わせる(図14〜図17)。
3)成形工程:前記第1シート体31の通気孔を通じて前記第2シート体32と反対の側からエアを吸引することにより両シート体31,32の幅方向両側部分31a,32a同士を密着させるとともに両シート体31,32の後側部分31b,32bをそれぞれ前記電気接続端子50につながる電線10の表面に密着させることにより両シート体31,32からなる保護カバー30′を成形する。
4)抜き取り工程:前記保護カバー30′の成形後に前記成形用治具40′を前記電線10と反対の側に抜き取ることにより、前記電気接続端子50の外側面と前記両シート体31,32の内側面との間に隙間48を形成する(図18)。さらに好ましくは、両シート体31,32が前記電気接続端子50及び電線10に沿う形状となるように両シート体31,32の幅方向両側部分を切除する(図19)。
本発明に係る保護カバーの製造方法は、さらに、その保護カバーが保護する電気接続部材と嵌合される相手方の電気接続部材を保護する保護カバーの製造にも適用されることが可能である。この場合、両保護カバーはこれらが互いに嵌合可能となる形状に成形されることも可能である。
その例を第3の実施の形態として図20および図21に示す。図20(a)は、前記第1の実施の形態に係るコネクタ20及びその周囲に成形された保護カバー30であり、同図(b)は前記コネクタ20と嵌合される相手方コネクタ(図示せず)の周囲に成形される保護カバー70である。この保護カバー70の内周面形状70aが前記保護カバー30の外周面形状30aにほぼ対応する形状に設定されることで、前記両コネクタの嵌合に伴って前記保護カバー70の内側に前記保護カバー30がほぼ隙間なく嵌入されることが可能になる。さらに、この場合、前記保護カバー30の適所に外向きに膨出する膨出部34が形成されてこの膨出部34が局所的に前記保護カバー70の内側に圧入される、すなわち当該保護カバー70を局所的に変形させる、ように両保護カバー30,70が成形されることも可能であり、その圧入は両保護カバー30,70同士の結合状態の保持に有効な摩擦力を生成する。
10 電線
12 ワイヤハーネスの幹線
20 コネクタ(電気接続部材)
30 保護カバー
31 第1シート体
31a 第1シート体の幅方向両側部分
31b 第1シート体の後側部分
32 第2シート体
32a 第2シート体の幅方向両側部分
32b 第2シート体の後側部分
40 成形用治具
48 隙間
50 電気接続端子(電気接続部材)
60 真空成形用型
62 成形面
64 吸引口
66 ヒータ
100 ワイヤハーネス

Claims (3)

  1. ワイヤハーネスに含まれる電線のうちの特定の電線の端末に設けられた電気接続部材を保護する保護カバーを製造するための方法であって、
    前記電気接続部材をこの電気接続部材が前記電線につながった状態のまま当該電気接続部材の外形よりも大きな形状の内周面をもつ成形用治具の内側に挿入する挿入工程と、
    その成形用治具から前記電線と同じ側にはみ出す後側部分及びこれと直交する方向である幅方向の両側にはみ出す幅方向両側部分を有する第1シート体と、その成形用治具から前記電線と同じ側にはみ出す後側部分及びこれと直交する方向である幅方向の両側にはみ出す幅方向両側部分を有する第2シート体との間に挟み込んで両シート体の幅方向両側部分同士を前記成形用治具の外側で重ね合わせる重ね合わせ工程と、
    前記第1シート体を挟んで前記第2シート体と反対の側からエアを吸引することにより両シート体の幅方向両側部分同士を密着させるとともに両シート体の後側部分をそれぞれ前記電気接続部材につながる電線の表面に密着させることにより両シート体からなる保護カバーを成形する成形工程と、
    前記保護カバーの成形後に前記成形用治具を前記電線と反対の側に抜き取ることにより、前記電気接続部材の外側面と前記両シート体の内側面との間に隙間を形成する工程と、を含む、ワイヤハーネスにおける電気接続部材の保護カバーの製造方法。
  2. 請求項1記載のワイヤハーネスにおける電気接続部材の保護カバーの製造方法において、前記重ね合わせ工程は、エアを吸引するための複数の吸引口が開口する成形面をもつ真空成形用型の当該成形面上に前記第1シート体を敷くことと、前記第1シート体の幅方向両側部分が前記成形用治具の外側にはみ出しかつ前記電線が前記第1シート体の後側部分の上に位置するように当該第1シート体の上に当該成形用治具を載せることと、前記第2シート体をこの第2シート体の幅方向両側部分が前記成形用治具の外側で前記第1シート体の幅方向両側部分に重なりかつ当該第2シート体の後側部分が前記電線の上に被さるように前記成形用治具の上に被せることと、を含み、前記成形工程は、前記真空成形用型の吸引口からエアを吸引することを含む、ワイヤハーネスにおける電気接続部材の保護カバーの製造方法。
  3. 請求項1または2記載のワイヤハーネスにおける電気接続部材の保護カバーの製造方法において、前記第2シート体は熱可塑性樹脂からなる層を含み、この層が加熱されることにより軟化した状態で前記成形用治具及び前記電線の上に被せられる、ワイヤハーネスにおける電気接続部材の保護カバーの製造方法。
JP2011038021A 2011-02-24 2011-02-24 ワイヤハーネスにおける電気接続部材の保護カバーの製造方法 Expired - Fee Related JP5549623B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011038021A JP5549623B2 (ja) 2011-02-24 2011-02-24 ワイヤハーネスにおける電気接続部材の保護カバーの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011038021A JP5549623B2 (ja) 2011-02-24 2011-02-24 ワイヤハーネスにおける電気接続部材の保護カバーの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012174633A JP2012174633A (ja) 2012-09-10
JP5549623B2 true JP5549623B2 (ja) 2014-07-16

Family

ID=46977350

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011038021A Expired - Fee Related JP5549623B2 (ja) 2011-02-24 2011-02-24 ワイヤハーネスにおける電気接続部材の保護カバーの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5549623B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6357448B2 (ja) * 2015-07-09 2018-07-11 矢崎総業株式会社 コネクタ付き電線、及び、コネクタ付き電線の製造方法

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0546219Y2 (ja) * 1990-08-24 1993-12-02
JP3110998B2 (ja) * 1995-07-31 2000-11-20 矢崎総業株式会社 フラット回路体のジョイント部及びその製造方法
JP2004158444A (ja) * 2002-10-15 2004-06-03 Yazaki Corp 防水ジョイントの製造方法及び検査方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2012174633A (ja) 2012-09-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20160156165A1 (en) Protector and wiring harness with protector
US20120194028A1 (en) Insulation assembly for electric machine
JP5672158B2 (ja) コネクタの製造方法
JP5792011B2 (ja) フラットケーブル防水コネクタ構造、及びその接続方法
JP5549623B2 (ja) ワイヤハーネスにおける電気接続部材の保護カバーの製造方法
JP5605424B2 (ja) 絶縁被覆電線の製造方法
US20170229797A1 (en) Cable sequence for a wiring of an electrical circuit, method for production and use
JP6157710B1 (ja) 結束保護部材
WO2012060151A1 (ja) 端子付き電線、及び端子付き電線の製造方法
JP5732901B2 (ja) ワイヤハーネスにおける短絡回路の形成方法
WO2021070558A1 (ja) ヒータ付きグリップ装置
JP4761797B2 (ja) ワイヤハーネスの製造方法
JP2014207769A (ja) 電線束の保護構造
JP6102833B2 (ja) コネクタカバーおよびワイヤハーネス
JP2012164451A (ja) ワイヤハーネスに設けられるシールド体の製造方法
JP2010073583A (ja) 電線のスプライス部形成方法および電線のスプライス部
US9106060B2 (en) Sheathing material
JP5737131B2 (ja) ワイヤハーネス
WO2017029538A1 (en) Electrical connection for a cable
JP2005026555A (ja) コード束ね具およびコード束ね構造
JP2538413Y2 (ja) 自己支持型ケーブル
JP6084517B2 (ja) 外装部材取付装置及び外装部材取付方法
WO2002091054A1 (fr) Emballage de composant de connecteur optique et son procede de fabrication
JP3978318B2 (ja) ワイヤハーネスの製造方法
JP2016134220A (ja) 端子付電線の端末部保護部材及び端末部保護部材付電線

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20130726

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20140307

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140422

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140505

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5549623

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees