JP5606709B2 - マグネシウム合金圧延材およびその製造方法 - Google Patents

マグネシウム合金圧延材およびその製造方法 Download PDF

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本発明は、マグネシウム合金圧延材およびマグネシウム合金圧延材の製造方法に関し、とりわけ成形性に優れたマグネシウム合金圧延材およびその製造方法に関する。
マグネシウムは実用金属中で最も軽量な金属であり、高い比強度を有し、さらに切削性、制振性、電磁遮蔽性、耐くぼみ性、リサイクル性にも優れている。このためマグネシウムを主成分とするマグネシウム合金が、携帯電話、ノート型パソコンの筐体等の電子機器およびタイヤホイール等の自動車部品を含む幅広い用途で用いられている。
しかし、マグネシウム合金の圧延材(展伸材)は成形性(加工性)が低いという問題がある。これは、殆どのマグネシウム合金の結晶構造が六方最密充填構造(hcp)であること、および圧延加工を行うと底面集合組織を形成することに起因する。底面集合組織とは六方最密充填構造の底面である(0001)面が圧延面に平行に配向した集合組織、言い換えるとc軸(<0001>軸)が圧延面の法線方向に配向した集合組織である。
通常、六方最密充填構造を有する合金では、変形機構として底面すべり以外に、非底面すべりとして柱面すべりや錐面すべりが起こる。しかし、マグネシウム合金では、底面以外の他のすべり系の臨界分解せん断応力が底面すべりの臨界分解せん断応力と比べ室温付近で非常に大きいことから変形機構は底面すべり((0001)面でのすべり)が主となっている。
そして底面集合組織では、(0001)面が圧延面と略平行であることにより、底面すべりが圧延材の厚さ方向に生じ難いことから板厚方向の変形が困難となるため、底面集合組織が発達するほど成形性が低下する傾向がある。
そこで、底面集合組織の形成を低減することによりマグネシウム合金圧延材の成形性を向上させることが検討されてきた。
このような方法の1つとして、例えば上下に配置されている1組のロールにおいて、一方のロールの周速を他方のロールの周速と異ならせて圧延を行う、異周速圧延がある。
異周速圧延により圧延時にせん断変形を与えることで、c軸の配向方向を圧延面の法線方向(ND方向)から15°程度圧延方向(RD方向)または圧延逆方向(−RD方向)にシフトさせることができ(非特許文献1)、実際に異周速圧延を行うことでマグネシウム合金圧延材の成形性を向上することが確認されている(非特許文献2、3)。
Xinsheng Huang et al : Journal of Alloys and Compounds 457 (2008) 408-412 黄 新▲勝▼ほか: 第57回塑性加工連合講演会 (2006)、323-324. 鈴木一孝ほか : 軽金属学会第111回秋季大会講演概要 (2006), 101-102
しかしながら、従来の異周速圧延を実施しても上述のようにc軸の配向方向が15°程度シフトする、および/またはc軸のうち圧延面の法線方向を向いているものの比率が多少減少し、圧延面の法線方向以外(特に圧延逆方向)を向いているものの比率が多少増加するのみである。
従って、成形性向上の効果が限定的であるという問題があった。
そこで、本願は充分な強度を有しかつ成形性に優れたマグネシウム合金圧延材およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の態様1は、結晶構造が六方最密充填構造(hcp)であるマグネシウム合金圧延材であって、圧延面法線方向から圧延方向への傾斜角がプラスマイナス75°の範囲で測定した、六方最密充填構造のc軸の極密度分布曲線において、極密度が最大値の半分となる傾斜角である半値角度のうち少なくとも1つが0°から40°以上離れていることを特徴とするマグネシウム合金圧延材である。
本発明の態様2は、前記極密度分布曲線の半値幅が60°以上であることを特徴とする態様1に記載のマグネシウム合金圧延材である。
本発明の態様3は、前記極密度分布曲線が、傾斜角が−5°〜5°の範囲に前記極密度の極大値を有することを特徴とする態様1または2に記載のマグネシウム合金圧延材である。
本発明の態様4は、前記傾斜角が−5°〜5°の範囲内に前記極密度の第1のピークを有し、前記傾斜角が0°から30°以上離れた範囲内に前記極密度の第2のピークを有することを特徴とする態様1〜3のいずれかに記載のマグネシウム合金圧延材である。
ただし、第1ピークと第2ピークの極密度はどちらの方が大きくてもよい。
本発明の態様5は、前記マグネシウム合金が0〜12.0質量%のアルミニウム、0〜4.0質量%の亜鉛、0〜2.0質量%のマンガン、0〜2.0質量%のジルコニウムを含むことを特徴とする態様1〜4のいずれかに記載のマグネシウム合金圧延材である。
本発明の態様6は、結晶構造が六方最密充填構造(hcp)であるマグネシウム合金部材を準備する工程と、前記マグネシウム合金部材に、周速比が1.5以上かつ圧延温度400℃以上で異周速圧延を少なくとも1パス以上行う工程と、を含むことを特徴とするマグネシウム合金圧延材の製造方法である。
本発明の態様7は、周速比が1である等周速圧延を行った後、アニーリングを行わずに前記異周速圧延工程を実施することを特徴とする態様6に記載のマグネシウム合金圧延材の製造方法である。
本発明の態様8は、前記マグネシウム合金部材が0〜12.0質量%のアルミニウム、0〜4.0質量%の亜鉛、0〜2.0質量%のマンガン、0〜2.0質量%のジルコニウムを含むことを特徴とする態様6または7に記載のマグネシウム合金圧延材の製造方法である。
本発明により結晶構造が六方最密充填構造(hcp)であるマグネシウム合金圧延材において、圧延面法線方向(ND)から圧延方向(RD)への傾斜角が±75°の範囲で測定したc軸の極密度分布曲線の最大半値角度および最小半値角度の少なくともいずれか一方が0°から40°以上離れた、充分な強度を有しかつ成形性に優れたマグネシウム合金圧延材を提供することが可能となる。
また、結晶構造が六方最密充填構造(hcp)であるマグネシウム合金材を周速比1.5以上かつ圧延温度400℃以上で異周速圧延を行うことにより充分な強度を有しかつ成形性に優れたマグネシウム合金圧延材の製造方法を提供することが可能となる。
図1は異周速圧延を説明する模式断面図である。 図2はスタート材の極点図である。 図3は実施例1−1の圧延後サンプルの極点図である。 図4は実施例1−2の圧延後サンプルの極点図である。 図5は実施例1−3の圧延後サンプルの極点図である。 図6は実施例1−4の圧延後サンプルの極点図である。 図7は実施例1−5の圧延後サンプルの極点図である。 図8は比較例1−1の圧延後サンプルの極点図である。 図9はスタート材の極密度分布曲線である。 図10は実施例1−1〜1−5の圧延後サンプルの極密度分布曲線を示す。 図11は実施例1−1〜1−5の300℃アニーリング材の極密度分布曲線を示す。 図12は実施例1−4、1−5の450℃アニーリング材の極密度分布曲線を示す。 図13は比較例1−1〜1−5の圧延後サンプルの極密度分布曲線を示す。 図14は比較例1−1〜1−5の300℃アニーリング材の極密度分布曲線を示す。 図15は比較例1−6、1−7の圧延後サンプルの極密度分布曲線を示す。 図16は比較例1−8、1−9の圧延後サンプルの極密度分布曲線を示す。 図17(a)は実施例2−1用スタート材の金属組織を、図17(b)は実施例2−1の圧延後の金属組織を、図17(c)は実施例2−1の300℃アニーリング材の金属組織を示す。 図18(a)は実施例2−1用スタート材の極点図を、図18(b)は比較例2−2圧延材の極点図を、図18(c)は実施例2−1の圧延後の極点図を、図18(d)は実施例2−1の300℃アニーリング材の極点図を示す。 図19は実施例2−1用スタート材、比較例2−2の圧延後、実施例2−1の圧延後および実施例2−1の300℃アニーリング材の極密度分布曲線を示す。 図20は、実施例2−2用スタート材、実施例2−2の圧延後および実施例2−2の300℃アニーリング材の極密度分布曲線を示す。 図21は比較例2−1用スタート材、比較例2−1の圧延後および比較例2−1の300℃アニーリング材の極密度分布曲線を示す。 図22は引張り試験に用いた試験片の形状および寸法を示す。 図23は引張り試験結果を示すグラフであり、(a)が0.2%耐力、(b)が引張り強さ、(c)が伸びを示す。 図24は成形試験機の概略図である。
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、以下の説明では、必要に応じて特定の方向や位置を示す用語(例えば、「上」、「下」、「右」、「左」及びそれらの用語を含む別の用語)を用いるが、それらの用語の使用は図面を参照した発明の理解を容易にするためであって、それらの用語の意味によって本発明の技術的範囲が限定されるものではない。
本願発明者は、詳細を後述するように、周速比1.5以上、かつ圧延温度を400℃以上で異周速圧延を行うことで、底面集合組織を適正な状態に緩和できることを見出した。
周速比が1の通常の圧延(等周速圧延)を行った場合に、著しく発達する底面集合組織は、上述したように成形性が悪いという問題点があるが、材料強度を高くできるという利点もある。
一方、例えば450℃以上での高温アニーリングによりc軸、すなわち<0001>方向をランダム(あるいは低配向)にすることで底面集合組織をなくしてしまうと、成形性は優れるものの強度が大幅に低下してしまう。
このため、自動車のボディーを含む多くの用途で必要とされる、110MPaの0.2%耐力と220MPaの引張り強度を確保することができないという問題がある。
そして、従来の異周速圧延を行った従来のマグネシウム合金圧延材では、上述したように、c軸の配向が圧延面の法線方向から圧延逆方向または圧延方向に15°程度シフトする。あるいは、極密度の分布が多少ブロードになるといった効果しかなく、成形性の改善効果が限定的であった。
本願発明者は、成形性と材料強度とを両立させる方法として、底面集合組織をある程度形成して材料強度確保しつつ、かつc軸がND方向から+RD方向または−RD方向に、40°以上と大きく傾斜した組織(結晶)を増加させることで、成形性を向上させることに思い至った。
そして、鋭意検討を行った結果、高い温度で材料に充分なせん断応力を加えるように、周速比1.5以上かつ圧延温度400℃以上で異周速圧延を行うことで底面集合組織と大きく傾斜した集合組織が共存するマグネシウム合金圧延材が得られることを見出した。
すなわち、本願発明に係るマグネシウム合金圧延材のc軸の極密度分布は、圧延面の法線方向以外に、法線方向から40°以上離れた範囲でも高い値を有する。
この異周速圧延の詳細を示す前に、本発明を理解するのに不可欠な極密度分布曲線について、最初に説明する。
1.極密度分布曲線
極密度分布曲線の求め方を説明する。
まず、X線回折による、集合組織等の結晶配向の評価法として最も一般的なSchulzの反射法を用いて(0002)面の極点図を求める。
反射強度分布の概要が明確に把握できるように、極点図の測定の際のα角は、極点図の外周円から15°〜90°の範囲とするのが望ましい。また測定はα角、β角とも例えば5°毎のように3〜10°毎に行うのが好ましい。10°より大きいと測定精度が低下する恐れがあり、3°より小さいと測定時間を必要以上に要するからである。
図2は、詳細を後述する異周速圧延を行う前のスタート材(通常の等周速圧延後にアニーリングを行った材料)の極点図であり、図6は、この材料を後述する条件でトータル圧下率70%の異周速圧延を行った実施例1−4の極点図である。
これらは圧延材の極点図として一般的なステレオ投影の表示方法を用いている。図中に示すように、円形のステレオ投影面の最上部がRD(圧延方向)を示し、最下部が−RD(圧延逆方向)示す。図中に記載していないが、ND(圧延面法線方向)は投影面の中心となる。そして図中に等高線状に現れているのが様々なα角とβ角に対応する方向で観測されたX線の(0002)面の極密度であり、該当する位置での(0002)回折強度を無配向の粉末試料の(0002)回折強度で除した値である。従って、極密度1の値はランダム方位の極密度を示す。
なお、本明細書において、RDと−RDは、圧延の入口側を−RD(圧延逆方向)、圧延の出口側をRD(圧延方向)としている。また、異周速圧延を行ったサンプルについては周速の早いロール側の圧延面と周速が遅いロール側の圧延面ではせん断応力の向きが反対になるため、互いの面から得た極点図は、裏返して上下を入れ替えた関係となる。そこで、本明細書においては周速の速いロール側の圧延面(これを研磨した面)から極点図を得るものとする。
ただし、例え間違ってあるいはどちらか判らずに周速の遅いロール側の圧延面から極点図を得たとしても、上述の対応関係にあることから、これから説明する極密度分布曲線を得てその特性値である半値幅、半値角度、中心値の0°からのずれ等については同等の結果を得ることができる。
次に得られた極点図から極密度分布曲線を得る。極密度分布曲線の測定結果を例示する。図9は上述の図2に示す極点図のデータを用いて得た極密度分布曲線であり、図10中の実施例1−4は上述の図6に示す極点図のデータを用いて得た極密度分布曲線である。
極密度分布曲線を示すグラフの横軸は、ND(圧延面の法線)からの傾斜角であり、極点図(ステレオ面)において、−RDからND(ステレオ面の中心)を経てRDに至る直線上の位置に対応している。そして、傾斜角は−RD側を負で表し、RD側を正で示す。
一方、極密度分布曲線を示すグラフの縦軸は、極点図の該当する位置の極密度である。
このようにして求めた極密度分布は、圧延材の幅方向に垂直であり、かつNDに対する傾斜角がθであるc軸の極密度を示している。
極密度分布曲線は、その全体像を明確にするために、極点図測定範囲の−75°〜+75°(すなわち、ND方向からRD方向に±75°)を表示することが好ましい。そして、これは上述の極点図の測定においてα角を15°〜90°とすることで実現できる。
底面集合組織が発達すると傾斜角が0°の付近に極密度の鋭いピークが観察され、一方、傾斜角が0°から大きく(例えば30°以上、あるいは40°以上)離れたc軸を有すると、ピークのブロードニング、ピークのシフトおよび/またはダブルピークの出現等が起こる。
そして、ピークのプロードニングやピークシフトを定量的に評価する指標として傾斜角θの半値角度を用いる。
極密度分布曲線において極密度が最大値の半分の値となる2つの点の傾斜角を半値角度θaと半値角度θbと定義する。ここでθaが大きい方の傾斜角(最大半値角度)を意味し、θbが小さい方の傾斜角(最小半値角度)を意味する。
そして、より好ましい実施形態ではさらに、極密度分布曲線の半値幅を規定することができる。
半値幅とは、X線回折ピークの評価に用いる半値幅(半値全幅)と同じ概念であり、最大半値角度θaと最小半値角度θbの差の絶対値、|θa−θb|より求めることができる。
例えば、図9に示す、極密度分布曲線では、傾斜角0°で極密度が最大値17.3となっている。そして、傾斜角が21.4°と−18.7°の極密度が、この最大値の半分(極密度8.65)となっている。従って、最大半値角度θaが21.4°であり、最小半値角度θbが−18.7°となり、半値幅は21.4°と−18.7°との差の絶対値40.1°である。
同様に図10に示す、実施例1−4の極密度分布曲線ではピーク(極大値)が2つあるが、傾斜角0°のピークの方が高く、傾斜角0°で極密度が最大値9.0となっている。そして、傾斜角が−46.4°と17.1°の極密度が、この最大値の半分となっている。従って、最大半値角度θaが17.1°、最小半値角度θbが−46.4°となり、半値幅は17.1°と−46.4°との差の絶対値63.5°である。なお、ピークが複数個存在している場合で、さらに極密度が最大値の半分となる傾斜角が3つ以上存在している場合は、最も大きな傾斜角が最大半値角度θaとなり、最も小さい傾斜角が最小半値角度θbとなる。
さらに、半値角度での評価に代えて、あるいは加えて中心値を用いて極密度分布曲線を定量的に評価してもよい。
この中心値について説明する。中心値θcは上述の半値幅を求めるのに用いた最大半値角度θaと最小半値角度θbを用いた以下の式(1)で表される。

θc=(θa+θb)/2 (1)
例えば、図9に示す極密度分布曲線では、上述のようにθaが21.4°であり、θbが−18.7°であることから、中心値θcは式(1)より1.35°と計算できる。一方、図10に示す実施例1−4の極密度分布曲線では、上述のようにθaが17.1°、θbが−46.4°であることから、中心値θcは、式(1)より−14.65°と計算できる。
このように、中心値θcを用いると、同じ傾斜角0°にピークを持つが、ピークを中心に概ね左右対称となっている極密度分布曲線と、0°のピーク以外に傾斜角が負の領域に第2のピークを有している等により、主に傾斜角が負の領域でブロードニングしている極密度分布曲線の特徴の違いを示すことが可能となる。
2.異周速圧延
以下に本発明に異周速圧延について、説明する
図1は、異周速圧延を説明する模式断面図である。ロール1とロール2とからなる一組の圧延ロールが配置されその間をマグネシウム合金材3が通過し圧延される。図1に示す実施形態では、ロール1の直径をロール2の直径よりも大きくし、ロール1とロール2とを同じ回転速度(角速度)で回転させることにより、ロール1の周速をロール2の周速より速くしている。ロール1および2はそれぞれ、図中に白抜き矢印で示す方向に回転する。
ロール1の周速をロール2の周速より速くする方法は、もちろんこれに限定されるものでなく、例えばロール1とロール2を同じ直径にしてロール1の回転速度を高くする等の従来から知られている任意の方法を用いることができる。
異周速圧延を行うことにより圧延材にせん断応力を作用させることができる。より詳細には周速の速いロール1側では図中に黒矢印で示したマグネシウム合金材3の圧延方向(RD)、すなわち図1の右方向にせん断応力を受ける。一方、周速の遅いロール2側では、圧延方向と180°反対方向の圧延逆方向(−RD)、すなわち図1の左方向にせん断応力を受ける。
マグネシウム合金材3中の縦線はこのせん断応力による圧延材への影響を模式的に示すものである。異周速圧延の前にマグネシウム合金材に仮想的に引いた垂直な縦線は、異周速圧延により上述のようにせん断応力が付加されることにより、ロール1側がRD方向にロール2側が−RD方向にシフトした斜めの線となる。
本発明に係る異周速圧延では、周速比、すなわちロール1の周速(ロール表面の速度)のロール2の周速に対する比を1.5以上にすることと、圧延温度を400℃以上とすることの両方が必要である。
通常例えばAZ31等の多くのマグネシウム合金ではその異周速圧延における圧延温度は350℃程度以下のことが多いが、本願発明の目的達成のためには400℃以上と高い圧延温度を採用することが特徴の1つとなっている。
このように、周速比と温度を制御することにより、強度向上に寄与する傾斜角が0°近辺である底面集合組織を一定量確保しつつ、加工性(成形性)向上に寄与するc軸が圧延面法線方向NDから40°以上と大きく傾いた、すなわちc軸の傾斜角が40°以上または−40°以下の組織の量を増加させることができる。
そして、このように傾斜角が大きく傾いた結晶について、より詳細に検討すると、圧延方向に平行な引張応力に対して、(0001)面でのすべりのシュミット因子が最大となる傾斜角の絶対値が45°(傾斜角が+45°または−45°)近辺、すなわち傾斜角の絶対値が45°±5°(すなわち40°〜50°)の範囲にある組織(結晶)が最も成形性に優れる。
このような成形性のよい組織が十分に存在する圧延材の極密度分布曲線は、従来の圧延材同様に、底面集合組織に対応する傾斜角0°近辺(すなわち0°±5°)の極密度が高いことに加え、傾斜角度の絶対値が40°と大きい領域でもある程度の大きさの極密度を有するように、極密度分布曲線がブロードニングしている必要がある。
そして、このブロードニングを定量的に示すと、上述したシュミット因子が最大となる傾斜角の絶対値が40°を超えた領域での極密度が十分に確保されていることを確実にするように、最大半値角度θaおよび最小半値角度θbの少なくとも何れか一方が0°から40°以上離れている必要がある。
例えば最大半値角度θaが0°から40°以上離れている状態とは、最大半値角度θaが40°以上であり、傾斜角が40°での極密度が、ピーク極密度(概ね、底面集合組織の極密度に対応)の半分以上であることを意味する。すなわちシュミット因子が最大となっている組織が十分に存在していることを示している。
一方、最小半値角度θbが0°から40°以上離れている状態とは、最小半値角度θbが−40°以下(すなわち絶対値が40°以上)であり、傾斜角−40°での極密度がピーク極密度の半分以上であることを意味する。すなわちシュミット因子が最大となる組織が十分に存在していることを示している。
また、マグネシウム合金圧延材の強度を確保するのに不可欠な底面集合組織が一定量以上存在していることを確実にするように、最大半値角度θaおよび最小半値角度θbの少なくとも一方が0°から40°以上離れている状態で、極密度分布曲線の半値幅が好ましくは60°以上である。
このように半値幅が60°以上あれば最大半値角度θaまたは最小半値角度θbから40°以上離れた傾斜角0°近辺の極密度が十分高いことを意味するからである。
なお、後述する実施例で示すように本発明に係る異周速圧延を行ったマグネシウム合金圧延材は、極密度分布曲線の極大値(ピーク)が概ね0°±5°の範囲に位置する。従って、最大半値角度θaおよび最小半値角度θbの何れか一方が0°から40°以上離れており、かつ上述の好ましい実施形態のように半値幅が60°以上であることは概ね、上述の中心角θcが0°から10°以上離れていることに相当する。
さらに、強度を確実に確保できるように、極密度分布曲線においてその極大値は、より好ましくは傾斜角が−5°〜5°の範囲に位置する。
そして、マグネシウム合金圧延材では、しばしば、圧延による歪み除去を目的に例えば、300℃〜450℃程度の温度で10分以上のアニーリングを行う。本発明のマグネシウム合金圧延材もプレス加工等により所望の形状に成形する前に、このようなアニーリングを行うのが好ましい。
本発明のマグネシウム合金圧延材は、このようなアニーリングを行ってもその最大半値角度θaおよび最小半値角度θbの何れか一方が0°から40°以上離れている。また、好ましい実施形態ではアニーリングを行っても、極密度分布曲線の半値幅が60°以上であり、より好ましくは極密度の極大値(ピーク)が−5°〜5°の間に分布する。
なお、本明細書におけるマグネシウム合金圧延材とは、マグネシウム合金に圧延加工を行った材料を示すものであり、圧延後にアニーリング等の熱処理、および/または通常の圧延およびプレス加工等の更なる加工を行った材料も当然にその範囲に含む。
ここで、このように周速比を1.5以上にし、圧延温度を400℃以上とすることで、最大半値角度θaおよび半値角度θbの少なくとも一方の絶対値が40°以上である、成形性に優れたマグネシウム合金圧延材が得られる理由については、まだ不明な点も多いが、発明者の考えるメカニズムは以下の通りである。しかし、この予想されるメカニズムは、本発明の技術的範囲を制限することを意図したものではない。
周速比1.5以上、かつ圧延温度400℃以上で、半値角度の絶対値が40°以上の集合組織を有する圧延材が得られるのは、比較的大きな異周速比によりc軸を充分傾斜させるための大きなせん断応力が発生することに加えて、比較的高い圧延温度により底面すべり以外のすべり系(柱面すべり、錐面すべり)の臨界分解せん断応力がかなり低下するため、これらのすべり系が活動しやすくなること、さらに圧延中に動的再結晶が生じることによって、底面集合組織以外の様々な方位をもつ結晶粒、特にc軸がNDからRDの方に45°近く傾斜したせん断変形による集合組織(せん断集合組織)を持つ結晶粒が形成されやすくなることに起因すると考えられる。
また、上記せん断集合組織が底面集合組織とともに形成し、ピークのブロードニングが起こることにより、半値幅が60°以上と幅広い好適な方位分布を得られる場合が多いと考えられる。
周速比は好ましくは1.5〜2.0である。周速比が2.0を超えると、材料とロールの間の滑りが生じやすくなり安定した圧延を行うことが難しくなるとともに、材料の表面性状が著しく悪くなる場合があるからである。また、圧延温度は、好ましくは430℃以上、より好ましくは430℃〜500℃である。圧延温度が430℃以上の高温だと加熱炉から圧延機入口までの間で多少の材料の温度低下があったとしても、半値角度の絶対値が40°以上の集合組織が得られやすいという利点があり、圧延温度が500℃を超えるとマグネシウム合金の組成によっては加熱炉内で溶融する場合があるからである。
加工中の材料の温度、とりわけ圧延中のマグネシウム合金材の温度を測定することは実際上極めて困難なことから、本明細書でいう圧延温度とは、圧延工程において加工直前に加熱し、引き続いて(意図的に遅延させることなく)圧延を行う際の前記加熱時の材料の加熱温度(または到達温度)を意味する。
また、異周速圧延を行う材料は、鋳造スラブ、通常の圧延材、ダイカスト等の押し出し材等の各種の材料を用いることができるが、その歪みを除去するために、予め異周速圧延を行う前に例えば300℃〜450℃の範囲の温度で10分間以上保持するアニーリングを行うことが好ましい。
好ましくは、異周速圧延のトータル圧下率が30%以上である。このように高いトータル圧下率で異周速圧延を行うことにより極密度分布曲線において明瞭な2つのピークが得られる場合が多い。これは大きなトータル圧下率で圧延することにより、せん断変形の影響がより顕著に現れるためであろうと推測される。
これら好ましい圧延条件により得られた圧延材の圧延後の極密度分布曲線は、傾斜角が0°±5°の範囲内に認められる第1のピークと、傾斜角が0°から30°以上離れた位置に認められる第2のピークとの2つのピークを有することが多い。
このように傾斜角の絶対値が30°以上とシュミット因子が大きな値となる領域に第2のピークを有していることは、加工性に優れる組織(結晶)が十分に発達していることに対応する。
この第1のピークは、底面集合組織に対応するものであり、第2のピークはそのc軸がNDから30°以上傾斜している結晶(組織)が発達したことに対応したものである。
なお、従来からマグネシウム合金圧延材の圧延条件によっては、その圧延後の極密度分布曲線に2つのピークが認められる場合がある。しかし、これは例えば、図19に示す比較例2−2サンプルに示すように、例えば傾斜角が+20°に第1のピーク、−15°に第2のピークというように、第1のピークと第2のピークは0°を挟んで概ね対称の位置に認められるものである。
従って、傾斜角が0°±5°の範囲の第1のピークと、傾斜角が0°から30°以上離れた第2のピークとを有する本願発明の好ましい極密度分布曲線とは明らかに異なる。
より好ましくは、異周速圧延のトータル圧下率を40%以上とする。これにより、極密度の極大値が、より確実に傾斜角−5°〜5℃の間に位置する。さらに圧延後にアニーリングを行った圧延材においてもその極密度分布曲線が2つのピークを有する場合が多くなるという効果も有する。
また、異周速圧延のトータルの圧下率とは、異周速圧延を1パスまたは複数パス行って得られる圧下率である。圧延加工性と導入されるせん断ひずみ量を考慮すると、好ましくは、1パスあたりの圧下率を10〜30%として、複数パスにより30%以上のトータル圧下率を確保するのが好ましい。
このように複数パスの異周速圧延を行う場合、1パス毎に圧延材を400℃以上に再加熱して異周速圧延を行ってよい。また、複数組のロールを直列に並べて、400℃以上に加熱した材料を連続圧延してもよい。
以下に本実施形態の変形例を示す。本変形例では、従来の等周速圧延と上述した本願発明に係る異周速圧延を組み合わせた複合圧延を実施することにより、より優れた加工性を有するマグネシウム合金圧延材を得ることができる。
すなわち、圧延等により所定のサイズにした後、例えば250℃〜450℃の温度でアニーリングしたスタート材を用いて、通常の等周速圧延を比較的高い圧延温度で行った後、アニーリング工程を経ることなく、圧延温度400℃以上かつ周速比1.5以上の異周速圧延を行うものである。
このように、等周速圧延後にアニーリング工程を経ることなく異周速圧延を行う複合圧延により成形性が一層向上する。
成形性が向上する理由は、前工程の等周速圧延で底面集合組織からある程度方位分散した集合組織を形成させた後、上記異周速圧延を行うことにより、方位分散した底面集合組織がある程度残存しつつも、c軸がNDからRDの方に45°近く傾斜したせん断集合組織が新たに形成するためと考えられる。しかし、この理由は本願発明の技術的範囲を制限するものではない。
本実施形態の複合圧延により得られたマグネシウム合金圧延材の極密度分布曲線は、傾斜角が0°±5°の範囲内に第1ピークを持ち、傾斜角が0°から30°以上離れた範囲に第2ピークを持つ場合が多い。
本実施形態の等周速圧延は圧延温度300〜500℃の温間または熱間圧延であることが好ましく、圧延温度400〜500℃の熱間圧延であることがより好ましい。加工性の確保と、結晶方位の分散化を比較的容易に行うことができるからである。
また、本実施形態においては、シャープな底面集合組織、すなわち極密度分布曲線の半値幅が狭い非常に強い底面集合組織を発達させないように、等周速圧延のトータル圧下率は20〜50%であるのが好ましい。一方、前工程の等周速圧延で生じた底面集合組織をある程度残す理由から異周速圧延のトータル圧下率は15〜40%であるのが好ましい。
このトータル圧下率を達成するためには、等周速圧延については1パス当たり10〜30%の圧下率で複数パスの圧延を行い、異周速圧延については1パス当たり8〜25%の圧下率で複数パスの圧延を行うのが好ましい。
このような複数パスの圧延は、1パス圧延する毎に再度所定の圧延温度まで加熱して次のパスを行ってもよい。また所定の圧延温度まで加熱したのち複数パスの連続圧延を行ってもよい。この際に、等周速圧延と異周速圧延とを連続圧延により実施してもよい。
以上に説明した本発明にかかるマグネシウム合金圧延材に用いるマグネシウム合金は、マグネシウムを主成分とする任意のマグネシウム合金を用いることができる。
このようなマグネシウム合金は機械的強度を向上させる効果のあるアルミニウムを1.5質量%以上含んでもよい。そして、アルミニウム(Al)の含有量は好ましくは12質量%以下であり、より好ましくは2.0〜10.0質量%である。アルミニウム合金が1.5質量%以上だと所望の引張り強さを得ることが容易であり、またアルミニウムの含有量が12%を超えると材料の靱性が低下する場合があるからである。さらにアルミニウム量が10.0%以下であれば材料の靱性がより向上する。
また、アルミニウム以外にも亜鉛(Zn)、マンガン(Mn)、ジルコニウム(Zr)を含んでもよい。亜鉛は耐食性と強度の向上効果のある元素であり、4.0質量%以下で添加してもよく、より好ましくは0.1〜2.0質量%添加してもよい。マンガンは耐食性向上の効果があり、2.0質量%以下添加してもよく、より好ましくは0.1〜1.3質量%添加してもよい。ジルコニウムは結晶粒微細化の効果があり、2.0質量%以下添加してもよく、より好ましくは0.1〜1.0質量%添加してもよい。また、アルミニウムを含有しない合金系(ZKシリーズ)の場合は、アルミニウムの代わりに亜鉛を8.0質量%以下で添加してもよい。この場合、ジルコニウムとマンガンは上記と同じ量を添加してもよい。
さらに、レアアース(RE):1.0質量%以下、カルシウム(Ca):5.0質量%以下、リチウム(Li):0.3質量%以下よりなる群から選ばれる少なくとも1つを含んでもよい。
また、マグネシウム合金は、しばしばリサイクル材(再溶解材)が用いられ、その際に意図せずに鉄(Fe)、シリコン(Si)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)が含まれることがある。これらについては、それぞれ鉄:0.07質量%以下、シリコン:0.10質量%以下、銅:0.10質量%以下、ニッケル:0.01質量%以下を含んでもよい。
なお、シリコンについては耐クリープ性を向上させるために意図的に添加してもよい。
本願発明に用いる好ましいマグネシウム合金は、必要に応じて上述した元素を含有し、残部はマグネシウムと不可避的に含まれるその他の不純物元素である。残部マグネシウムについては、比強度が高い等のマグネシウムの特性が充分に活かされるように50質量%以上であることが好ましく、より好ましくは80質量%以上であり、さらに好ましくは90質量%以上である。また、不可避的に含まれるその他の不純物元素については、例えば記号MB2(ASTM規格のAZ61合金に相当)で表される合金のJIS規格のその他の元素の許容量と同じように、各元素についてそれぞれ0.05質量%以下、その他の元素の合計で0.30質量%以下であることが好ましい。
このような好ましいマグネシウム合金には、ASTM規格で規定される、AZ31合金、AZ61合金、AM60合金、AZ80合金、AZ91合金、ZK60合金等が含まれる。
1.実施例1
・スタート材
表1は、以下に詳述する実施例および比較例サンプルを得るのに用いたスタート材の組成を示す。
連続鋳造により作製した300mm厚の鋳塊(スラブ)に熱間圧延と温間圧延(圧延温度250℃、等周速圧延)を行い厚さ6.0mmに加工し、350℃で2時間アニーリングした後、圧延温度300℃、1パスの圧下率10%の温間圧延(等周速圧延)を複数パス行って厚さを3.0mmとし、300℃×30分のアニーリングを行ってAZ31B合金スタート材を得た。
Figure 0005606709
・異周速圧延
表2は、実施例1に係る異周速圧延条件を示す表である。
模式図を図1に示す圧延ロールを用いて異周速圧延を行った。ロール1の直径は144mmであり、ロール2の直径は96mmである。ロール1とロール2とを回転速度21rpmで回転させることにより周速比1.5の異周速圧延を行った。
1パスの圧下量は約10%であり、複数パスの異周速圧延を行い表2に示すトータル圧下率を得た。実施例1−1〜1−5の圧延温度は450℃に設定し、比較例1−1〜1−5の圧延温度は300℃に設定した。
Figure 0005606709
・等周速圧延(比較例1−6〜1−9)
さらに別の比較例として、上述のスタート材に表3に示す圧延条件で等周速圧延を行ったサンプルを作製した。
1パスの圧下量は10%であり、複数パスの等周速圧延を行い表3に示すトータル圧下率を得た。比較例1−6、1−7の圧延温度は450℃に設定し、比較例1−8、1−9圧延温度は300℃に設定した。
Figure 0005606709
・アニーリング
実施例1−1〜1−5および比較例1−1〜1−5の各々のサンプルについて、300℃×30分のアニーリングを行ったサンプル(以下、「300℃アニーリング材」ということがある)を作製した。また実施例1−4、1−5については450℃×30分のアニーリングを行ったサンプル(以下、「450℃アニーリング材」ということがある)も作製した。
・極密度分布曲線の測定
実施例1−1〜1−5および比較例1−1〜1−5の異周差圧延ままサンプル、300℃アニーリング材ならびにまた実施例1−4、1−5の450℃アニーリング材の極密度分布曲線を求めた。さらに、比較例1−6〜1−9の等周速圧延ままサンプルおよびスタート材の極密度分布曲線も求めた。
まず、それぞれのサンプルの(0001)極点図をSchulzの反射法により求めた。それぞれのサンプルから25mm×25mmの試料を切り出し、この試料を耐水エメリー紙で板厚を半分程度まで削った後に#1500で仕上げ研磨した試料を用いて測定した。異周速圧延を行ったサンプルについては、周速の速いロール側の面を削って研磨し測定面とした。
測定には、Rigaku RINT2000 X-RAYDIFFRACTMETERを用い、α=15°〜90°の範囲で極点図を作成した。回折角度は理論角付近をスキャンさせ、半値幅中点法により求めた角度を使用した。バックグラウンドの測定角度は回折角度±2°を基本とするが、他の回折線と部分的に重なるために(10−10)の回折角度−2°、(10−11)の回折角度+2°とした。得られた回折強度にバックグランド補正、および純Mg粉末を用いたランダム試料による強度補正を行い、極点図を得た。測定に関する諸条件を表4に示す。
Figure 0005606709
得られた(0001)極点図をもとに、−RDからNDを経てRDに至る、傾斜角±75°の範囲の極密度分布曲線を作製した。
図2〜8に測定した極点図を例示する。図2はスタート材の極点図であり、図3〜図7はそれぞれ実施例1−1〜1−5の圧延後(圧延まま)サンプルの極点図であり、図8は比較例1−1の圧延後サンプルの極点図である。
図9〜図16に極密度分布曲線を示す。図9はスタート材の極密度分布曲線を示す。図10は実施例1−1〜1−5の圧延後(圧延まま)サンプルの極密度分布曲線を、図11は実施例1−1〜1−5の300℃アニーリング材の極密度分布曲線を、図12は実施例1−4、1−5の450℃アニーリング材の極密度分布曲線を示す。図13は比較例1−1〜1−5の圧延後サンプルの極密度分布曲線線を、図14は比較例1−1〜1−5の300℃アニーリング材の極密度分布曲線を、図15は比較例1−6、1−7の圧延後サンプルの極密度分布曲線を、図16は比較例1−8、1−9の圧延後サンプルの極密度分布曲線を示す。
極密度分布曲線から求めた、最大半値角度θa、最小半値角度θb、半値幅および中心値θcを表5に示す。
Figure 0005606709
表5から判るように、実施例1−1〜1−5はいずれも圧延後、300℃アニーリング後および450℃アニーリング後の全ての状態で、最小半値角度θbが−40°以下、すなわち最大半値角度θaおよび最小半値角度θbの少なくとも何れか一方が0°から40°以上離れている。
これにより傾斜角が0°±5°の強度に寄与する底面集合組織に加えて、傾斜角が45°程度と大きく、加工性に優れた集合組織も十分に発達していることを示している。
また、実施例1−1〜1−5はいずれも半値幅が60°以上となっている。
また、実施例1−1〜1−5はいずれも圧延後、300℃アニーリング後および450℃アニーリング後の全ての状態で、中心値θcが−10°以下、すなわち0°から10°以上離れており、このように中心がシフトし、かつ半値幅が60°以上であることから傾斜角が40°以上の集合組織が十分に発達していることがわかる。
これに対して、比較例1−1から1−5のサンプルは、圧延後および300℃アニーリング後とも最大半値角度θaおよび最小半値角度θbの両方が0°から40°以上離れていない。
また、比較例1−8、1−9の圧延後サンプルも最大半値角度θaおよび最小半値角度θbの両方が0°から40°以上離れていない。
比較例1−6、1−7のサンプルでは半値幅は60°以上であるが、最大半値角度θaおよび最小半値角度θbの両方が0°から40°以上離れていないため、成形性に優れた集合組織が十分に発達しているとは言えない。
また、図10からトータル圧下率が40%以上である実施例1−3〜1−5は極密度の最大値が傾斜角−5°〜5°範囲内に位置している。
なお、図10および図11からわかるように、例えば実施例1−4の圧延材のように極密度分布曲線において、傾斜角0°±5°の間に第1のピークを有するとともに、0°から30°以上離れた傾斜角において(例えば実施例1−4圧延材では30°、実施例1−5の300℃アニーリング材では40°)第2のピークを有している。これは、強度に寄与する傾斜角が0°近辺の底面集合組織と、成形性に寄与する傾斜角が30°以上と大きい集合組織の両方が顕著に発達していることを示すものである。
2.実施例2
・サンプル作製
表6は、本実施例で用いたサンプルの詳細を示す表である。
実施例1で用いた、AZ31B合金の300mm厚の鋳塊(スラブ)を実施例1と同じく熱間圧延(等周速圧延)と温間圧延(圧延温度250℃、等周速圧延)を行い厚さ6.0mmに加工した後350℃で2時間アニーリングを行った。
Figure 0005606709
上記6.0mmのアニーリング材を圧延温度300℃で複数パスの圧延を行いトータル圧下率73%の厚さ1.6mmの圧延材を得て、これを300℃で30分アニーリングして実施例2−1用スタート材を得た。
そして、この実施例2−1用スタート材を1パスの圧下率約10%でトータル圧下率が30%となるように圧延温度450℃で等周速圧延(熱間圧延)を行い、さらにアニーリングを経ることなく、1パスの圧下率約10%でトータル圧下率が20%となるように、圧延温度450℃の異周速圧延を行って、厚さ0.9mmの実施例2−1のサンプルを得た。
実施例2−2では、仕上げ厚さが実施例2−1と同じ0.9mmになるようにスタート材の厚さを1.3mmとした。すなわち、上述の6.0mmのアニーリング材を圧延温度300℃で複数パスの温間圧延を行い、厚さを1.3mmにした後、300℃で30分アニーリングして実施例2−2用スタート材を得た。
この実施例2−2用スタート材を1パスの圧下率約10%でトータル圧下率が30%となるように、圧延温度450℃で異周速圧延を行って、厚さ0.9mmの実施例2−2のサンプルを得た。
なお、異周速圧延の詳細条件は、実施例1と同じにした。
比較例2−1では、仕上げ厚さが実施例2−1と同じ0.9mmになるようにスタート材の厚さを6.0mmとした。すなわち、上述の6.0mmのアニーリング材を比較例2−1用スタート材とした。
この比較例2−1用スタート材を1パスの圧下率約10%でトータル圧下率が85%となるように、圧延温度300℃で等周速圧延(温間圧延)を行って、厚さ0.9mmの比較例2−1のサンプルを得た。
比較例2−2では、実施例2−1と同じスタート材を用いて、1パスの圧下率約10%でトータル圧下率が30%となるように、圧延温度450℃で等周速圧延を行って、厚さ1.6mmのサンプルを得た。すなわち、比較例2−2サンプルは、実施例2−1のサンプルの異周速圧延を行う前の状態に相当する。
さらに、実施例2−1、2−2および比較例2−1の各サンプルについては、300℃で30分間のアニーリングを行った300℃アニーリング材を作製した。
・金属組織観察
得られたサンプルについて、光学顕微鏡により組織観察を行った。
作製した試料のND−RD面を耐水エメリー紙#1500まで研磨を行った後、1μmダイヤモンドペーストにより鏡面研磨を施し、以下の腐食条件で粒界腐食させ、組織観察を行うとともに、観察された組織の粒径を切片法により測定した。
腐食液:CH3COOH 14.3ml + C2H5OH 100ml + H2O 14.3ml + Picric Acid 10g
腐食時間:約10秒
図17は金属組織観察結果を示す。写真中の「μm」で示される数値は結晶粒径を示し、「HV=」で示される数字はビッカース硬度計で測定した硬度値を示す。
図17(a)は実施例2−1用スタート材の金属組織を、図17(b)は実施例2−1の圧延後(圧延まま)の金属組織を、図17(c)は実施例2−1の300℃アニーリング材の金属組織を示す。
図17(b)の圧延後(圧延まま)の金属組織を見ると多数の双晶が観察され、これが後述の成形性の優れた集合組織の形成と関係していると考えられる。
・極密度分布曲線の測定
実施例2−1、2−2および比較例2−1、2−2の圧延材(圧延まま材)ならびに実施例2−1、2−2および比較例2−1の300℃アニーリング材について、実施例1に示した方法により、極点図を求め、得られた極点図から極密度分布曲線を得た。また、実施例2−1用スタート材、実施例2−2用スタート材および比較例2−1用スタート材についても極点図を求め、得られた極点図から極密度分布曲線を得た。
得られた極点図を例示する。
図18(a)は実施例2−1用スタート材(すなわち比較例2−2用のスタート材でもある)の極点図を、図18(b)は比較例2−2圧延材の極点図を、図18(c)は実施例2−1の圧延後の極点図を、図18(d)は実施例2−1の300℃アニーリング材の極点図を示す。
次に得られた極密度分布曲線を示す。
図19は、実施例2−1用スタート材、比較例2−2の圧延後(圧延まま)、実施例2−1の圧延後および実施例2−1の300℃アニーリング材の極密度分布曲線を示す。
図20は、実施例2−2用スタート材、実施例2−2の圧延後および実施例2−2の300℃アニーリング材の極密度分布曲線を示す。
図21は、比較例2−1用スタート材、比較例2−1の圧延後および比較例2−1の300℃アニーリング材の極密度分布曲線を示す。
そして、得られた極密度分布曲線から実施例1と同様に最大半値角度θa、最小半値角度θb、半値幅および中心値θcを求めた。
表7は得られた最大半値角度θa、最小半値角度θb、半値幅および中心値θcを示す。
Figure 0005606709
表7から判るように、実施例2−1および2−2はいずれも圧延後、300℃アニーリング後の両方の状態で最小半値角度θbが−40°以下、すなわち最大半値角度θaおよび最小半値角度θbの少なくとも何れか一方が0°から40°以上離れている。
これにより傾斜角が0°±5°の強度に寄与する底面集合組織に加えて、傾斜角が40°以上と大きく、成形性に優れた集合組織も十分に発達していることを示している。
また、実施例2−1および2−2はいずれも圧延後、300℃アニーリング後の両方の状態で半値幅が60°以上となっている。さらに極密度の最大値が傾斜角−5°〜5°範囲内に位置している。
さらに、実施例2−1および2−2はいずれも圧延後、300℃アニーリング後の両方の状態で、中心値θcが−10°以下、すなわち0°から10°以上離れており、このように中心がシフトし、かつ半値幅が60°以上であることから傾斜角が40°以上の結晶が十分に発達していることがわかる。
一方、比較例2−1のサンプルは、圧延後および300℃アニーリング後とも最大半値角度θaおよび最小半値角度θbの両方が0°から40°以上離れていない。また、半値幅も60°より小さい。
また、比較例2−2圧延材では半値幅は60°以上であるが、最大半値角度θaと最小半値角度θbの両方が0°から40°以上離れていないため、成形性に優れた集合組織が十分に発達しているとは言えない。
なお、図20および図21からわかるように、実施例2−1の300℃アニーリング材では傾斜角0°に第1のピークが、傾斜角−35°に第2のピークは位置している。さらに、実施例2−2の圧延材では第1のピークは傾斜角0°、第2のピークは−30°に位置し、実施例2−2の300℃アニーリング材では、第1のピークは傾斜角0°、第2のピークは−35°に位置している。
・引張り試験
厚さ0.9mmと略同じ厚さを有する実施例2−1、実施例2−2および比較例2−1の300℃アニーリング材について、引張り試験を実施した。
図22は、引張り試験に用いた試験片の形状および寸法を示す。ワイヤ放電加工機(EDM)を用いてそれぞれのサンプルから切り出した。
引張り試験片はその長手方向(引張り方向)が圧延方向(RD方向)、RD方向から45°方向、圧延垂直方向(TD方向)となるよう3方向のサンプルを切り出し、放電加工層の影響を取り除くために、耐水エメリー紙#1500で研磨した。
引張り試験の初期ひずみ速度は1.67×10−3−1とし、室温大気にてそれぞれの方向について3本以上試験した。
図23は引張り試験結果を示すグラフであり、(a)が0.2%耐力、(b)が引張り強さ、(c)が伸びを示す。
0.2%耐力については、何れの方向でも比較例2−1が最も高く、実施例2−1と2−2が同程度である。そして、何れのサンプルの何れの方向も120MPa以上と十分な0.2%耐力を有していた。
引張り強さについても比較例2−1が最も高く、実施例2−1と2−2が同程度であるが、比較例2−1と実施例2−1、2−2の何れのサンプルの何れの方向も230MPa以上と十分な引張り強度を有していた。
伸び値については、何れの方向でもアニーリング後等周速圧延と所定条件の異周速圧延との複合圧延を行った実施例2−1が最も高く、アニーリング後異周速圧延を行った実施例2−2が次に高く、比較例2−1が最も低かった。
・成形試験
厚さ0.9mmと略同じ厚さを有する実施例2−1、実施例2−2および比較例2−1の300℃アニーリング材について、成形試験を実施した。
図24は成形試験機の概略図である。
ダイス肩半径が4.0mmで中心部に直径17mmの空間を有するダイ12と、中心に直径17mmの空間を有するホルダー14の間に試験片(ブランク)10を配置し、ヒーター16により試験片を室温から175℃の所定温度に保持した後、ポンチ径15mmのポンチ18を上方から下方に10mm/分(すなわち、成形速度10mm/分)で押し込んだ。
ポンチ18のポンチ肩半径は2.0mmであった。また、試験片10は直径25mm(従って絞り比は1.67一定)、厚さ0.9mmであり、実施例2−1、実施例2−2および比較例2−1の300℃アニーリング材より切り出して作製した。実施例2−1および実施2−2のサンプル(試験片10)では、絞り成形により生ずるカップの外側が異周速圧延の周速の速い側となるように試験片10を配置した。
また、成形試験時に潤滑剤として二硫化モリブデンを用いた。
表8は成形試験結果を示す。表8は、絞り比1.67で問題なく成形できたサンプルを「○」で示し、成形はできたもののクラックが認められたサンプルを「△」で示し、成形中に破壊したサンプルは「×」で示す。
Figure 0005606709
比較例2−1が150℃でクラックを生じ、125℃では既に成形できなかったのに対し、実施例2−1は温度が75℃でもクラックを生ずることなく成形することができた。また、実施例2−2も温度が100℃でも問題なく成形できた。
従って、実施例2−1および2−2は、比較例2−1と比べ、顕著に優れた成形性を示した。
1 高周速圧延ロール、2 低周速圧延ロール、3 マグネシウム合金材、10 試験片(ブランク)、12 ダイ、14 ホルダー、16 ヒーター、18 ポンチ

Claims (6)

  1. 結晶構造が六方最密充填構造(hcp)であり、ASTM規格で規定されたAZ31
    合金であるマグネシウム合金圧延材であって、
    圧延面法線方向から圧延方向への傾斜角がプラスマイナス75°の範囲で測定した、六方最密充填構造のc軸の極密度分布曲線において、極密度が最大値の半分となる傾斜角である半値角度のうち少なくとも1つが0°から40°以上離れていることを特徴とするマグネシウム合金圧延材。
  2. 前記極密度分布曲線の半値幅が60°以上であることを特徴とする請求項1に記載のマグネシウム合金圧延材。
  3. 前記極密度分布曲線が、傾斜角が−5°〜5°の範囲に前記極密度の極大値を有することを特徴とする請求項1または2に記載のマグネシウム合金圧延材。
  4. 前記傾斜角が−5°〜5°の範囲内に前記極密度の第1のピークを有し、前記傾斜角が0°から30°以上離れた範囲内に前記極密度の第2のピークを有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のマグネシウム合金圧延材。
  5. 結晶構造が六方最密充填構造(hcp)であり、ASTM規格で規定されたAZ31
    合金であるマグネシウム合金部材を準備する工程と、
    前記マグネシウム合金部材に、周速比が1.5以上かつ圧延温度400℃以上で異周速圧延を少なくとも1パス以上行う工程と、
    を含むことを特徴とする、マグネシウム合金圧延材の製造方法。
  6. 周速比が1である等周速圧延を行った後、アニーリングを行わずに前記異周速圧延工程を実施することを特徴とする請求項に記載のマグネシウム合金圧延材の製造方法。
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