JP5606189B2 - ハイブリッドシリコンウエハ及びその製造方法 - Google Patents

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本発明は、多結晶シリコンウエハと単結晶ウエハの双方の機能を備えたハイブリッドシリコンウエハ及びその製造方法に関する。
シリコン半導体製造工程においては、単結晶引上げによって製造されたウエハが専ら使用されている。この単結晶シリコンウエハは時代と共に大きくなり、近い将来φ400mm以上となることが予想される。そして、半導体製造プロセスに必要な装置及び周辺技術を確立するために、試験用に所謂メカニカルウエハが必要となっている。
一般に、このようなメカニカルウエハは、かなり精度の高い試験が必要とされるので、単結晶シリコンの機械的物性に類似した特性が必要とされる。したがって、従来は、試験用とは言っても、実際に使用される単結晶シリコンウエハをそのまま使用しているのが実情である。しかし、φ400mm以上の単結晶シリコンウエハは非常に高価であるため、単結晶シリコンの特性に類似した安価なウエハが要求されている。
一方、このような半導体製造装置の構成部品としてシリコンの矩形又は円盤状の板からなるスパッタリングターゲットの使用も提案されている。スパッタリング法は薄膜を形成手段として使用されているが、これには2極直流スパッタリング法、高周波スパッタリング法、マグネトロンスパッタリング法など、いくつかのスパッタリング法があり、それぞれ固有のスパッタリングの性質を利用して各種電子部品の薄膜が形成されている。
このスパッタリング法は、陽極となる基板と陰極となるターゲットとを対向させ、不活性ガス雰囲気下でこれらの基板とターゲットの間に高電圧を印加して電場を発生させるものであり、この時電離した電子と不活性ガスが衝突してプラズマが形成され、このプラズマ中の陽イオンがターゲット表面に衝突してターゲット構成原子を叩きだし、この飛び出した原子が対向する基板表面に付着して膜が形成されるという原理を用いたものである。
このようなスパッタリングターゲットに、多結晶のシリコン焼結体が提案されているが、この焼結体ターゲットは成膜効率を高めるために、厚さが大きくかつ大型の矩形又は円盤状のターゲットが要求されている。また、この多結晶のシリコン焼結体を、単結晶シリコンウエハの保持用ボードとして使用する提案もなされている。しかし、多結晶シリコンは、焼結性が悪く、得られた製品は低密度で、機械的強度が低いという大きな問題がある。
このようなことから、上記のシリコン焼結体ターゲットの特性を改善しようとして、減圧下で1200°C以上珪素の融点未満の温度範囲で加熱して脱酸した珪素粉末を圧縮成形し焼成して形成した珪素焼結体であり、焼結体の結晶粒径を100μm以下に設定した珪素焼結体が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、このようにして製造されるターゲットは、厚みが薄い場合、例えば5mm以下の場合には、比較的密度が高くなり強度的にも向上するが、それを超えるような厚さになった場合には、依然として低密度(99%に満たない)であり、それに伴って機械的強度が劣ることとなり、大型の矩形又は円盤状のターゲットを製造することができないという問題があった。
以上のようなことから、本出願人は、先に平均結晶粒径が50μm以下、相対密度が99%以上であるシリコン焼結体及びその製造方法を提案した(特許文献2参照)。
このシリコン焼結体は、高密度で、機械的強度が高く、多くの利点を有しているものであるが、これらの特性をさらに改善することが要求されていたが、この点を改良した特許出願を行った。
これらシリコン焼結体を用いたウエハは、機械的特性が単結晶シリコンと近いため、半導体製造装置の搬送系や、ロボティックスの開発用としてのダミーウエハに用いることが出来る。また、SOIウエハのベース基板としての適用も検討されている。
しかし、これらは全てシリコン焼結体からなる多結晶シリコンであり、単結晶の物性に類似する点は多数あるが、単結晶そのものの機能を有するものでないため、成膜試験等、プロセス試験用には使用できない、という基本的な欠点を備えている。
また、単結晶シリコンに替えて、高品質の多結晶シリコンを製造するという提案もなされている(特許文献3参照)。しかし、多結晶シリコンは、どのような工夫をしても、単結晶シリコンの特性に及ばないという欠点を有する。この欠点を補う手段として、Intel社のM.Goldstein等は、多結晶シリコンの中に単結晶シリコンを埋め込んだウエハを提案している(特許文献4参照)。
また、本出願人は、上記の多結晶シリコンに単結晶シリコンを埋め込んだウエハの多結晶部分に焼結法で作製したシリコンを使用する発明を先に出願しているが、焼結シリコン中には酸素、炭素等のガス成分が多量に含まれており、結晶粒界上にSiOやSiCの析出物が存在するため、研磨時に単結晶部との研磨速度の相違から段差が生じるという問題がある。(特許文献5参照)。
このようなことから、予め一方向凝固溶解法により作製した多結晶シリコンの一部をくり抜き、このくり抜いた部分に単結晶シリコンのインゴットを挿入し、これらを相互に加熱拡散接合させて、多結晶シリコンと単結晶シリコンインゴットの複合体を作製し、この複合体をスライスしてハイブリッドシリコンウエハを製造する提案を行った(特許文献6参照)。
この方法では、全面が単結晶で構成されるウエハよりも低コストではあるが、多結晶のくり抜き加工や、嵌め込む単結晶の外周加工の公差を厳密に制御する必要があり、それが製造コストを増加させるという問題があった。
特許第3342898号公報 特許第3819863号公報 特開2005−132671号公報 米国特許公開第2008/0122042号公報 国際公開WO2010−004863号公報 特願2009−255016
上記の通り、LSIプロセスに使用される単結晶ウエハの形状は、時代とともに大口径化しており、直径400mm以上の単結晶ウエハへと移行する。しかし、直径400mm以上の単結晶ウエハは非常に高価であり、それに伴ってダミーウエハも高価になり、LSIプロセスのコスト増になる。また、直径400mm以上の大口径な単結晶シリコンウエハの場合、これまでの300mmウエハに比べ、単結晶劈開面での割れの頻度が多くなり、歩留まりが低下することが懸念される。
そこで、本発明は、汎用の300mm単結晶を用いて、400mm以上のダミーウエハに適応可能な、多結晶シリコンと単結晶シリコンを組み合わせた、いわゆるハイブリッドウエハを安価に提供すると同時に、ダミーウエハの強度を向上することによる歩留まりを向上することを可能とする。そして、本発明は、多結晶シリコンウエハと単結晶シリコンウエハの双方の機能を備えたハイブリッドシリコンウエハを提供することができる。
ハイブリッドウエハの多結晶シリコン部分に、焼結シリコンを使用することも出来るが、溶解Siインゴットに比べ、C、O等のガス成分が多く、硬度の高いSiCやSiOが結晶粒界に析出するため、単結晶シリコン部に比して鏡面研磨工程における研磨速度が遅く、単結晶シリコン部と多結晶シリコン部で厚みに段差が生じる問題がある。本願発明はこのような問題を解決できるハイブリッドシリコンウエハを提供することを課題とするものであり、さらに安価なハイブリッドシリコンウエハを提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明者は、機械的強度を向上させた多結晶シリコンと単結晶シリコンとを、一方を溶解させ、他方をインゴット(固体)とした状態で一体化させ、多結晶と単結晶シリコンウエハの双方の機能を備えたハイブリッドシリコンウエハができるとの知見を得た。
本発明は、上記知見に基づき、次の1)〜4)の「ハイブリッドシリコンウエハ」を提供する。
1)中心部又は偏芯した一部に単結晶シリコンが位置し、外周部に多結晶シリコンが位置する、多結晶シリコンと単結晶シリコンが相互に一体化した円盤状のウエハであって、単結晶部との境界から10mm以内の多結晶部の平均結晶粒径が8mm以下の微細結晶を有することを特徴とするハイブリッドシリコンウエハ。
2)単結晶部との境界から10mm以内の多結晶部の(400)方位のX線回折の相対強度が、(511)方位の強度を100とした場合、5以上であることを特徴とする上記1)記載のハイブリッドシリコンウエハ。
3)中心部又は偏芯させた一部が単結晶の結晶構造を有することを特徴とする上記1)又は2)記載のハイブリッドシリコンウエハ。
4)ウエハが円盤形であり、ウエハの全体の直径が400mm以上であることを特徴とする上記1)〜3)のいずれか一項に記載のハイブリッドシリコンウエハ。
また、本発明は、上記知見に基づき、次の5)〜8)の「ハイブリッドシリコンウエハの製造方法」を提供する。
5)予め鋳型の中に円柱状の単結晶シリコンインゴットをセットし、この単結晶インゴットの周囲に、溶融したシリコンを鋳込んで一体化して単結晶シリコンと多結晶シリコンのインゴット複合体とし、これをさらにウエハ状に切り出すことを特徴とするハイブリッドシリコンウエハの製造方法。
6)単結晶部との境界から10mm以内の多結晶部の平均結晶粒径が8mm以下の微細結晶を有する単結晶シリコンと多結晶シリコンのインゴット複合体であることを特徴とする上記5)記載のハイブリッドシリコンウエハの製造方法。
7)単結晶シリコンインゴットを鋳型の中にセットした後で、溶融したシリコンを鋳込む前に、鋳型を予め800〜1300°Cに予備加熱することを特徴とする請求項5又は6記載のハイブリッドシリコンウエハの製造方法。
8)シリコンを溶融する坩堝を、SiOを主成分とする坩堝とし、この坩堝の周囲にカーボンスリーブを配置し、高周波誘導加熱によりカーボンを昇温させ、その伝熱で間接的にシリコンを加熱溶融させることを特徴とする上記5)〜7)のいずれか一項に記載のハイブリッドシリコンウエハの製造方法。
以上により、多結晶シリコンウエハと単結晶ウエハの双方の機能を備えたハイブリッドシリコンウエハを提供することができるので、単結晶ウエハとしての特性と機能を同時に保有するという大きな効果を有する。また、ハイブリッドシリコンウエハの多結晶部と単結晶部界面の接合安定性は、溶融状態からハイブリッドシリコンウエハを一体化した方が、より向上する効果がある。
本願発明のハイブリッドシリコンウエハは、メカニカルウエハとして使用される単結晶シリコンの機械的物性に類似した特性を備え、かつ、この単結晶部で半導体製工程をモニターできる能力を有する。すなわち、半導体製造の搬送系やロボティックスの開発用のみならず、パーティクルモニターやリソグラフィーモニター用ウエハとしても用いることができる。
また、単結晶インゴットの周囲に、シリコンを溶解して多結晶シリコンを形成できるので、大型インゴットを容易に製作できる。そして、界面相互は一体化しているので、製造された接合体をスライスすることで、ハイブリッドシリコンウエハを製造することが出来る。
このように、多結晶シリコンウエハと単結晶ウエハの双方の機能を備えたハイブリッドシリコンウエハは、同サイズの単結晶ウエハ単独に比べ、歩留まりを大きく向上させ、製造コストを低減できる。さらに、コモディティー化した太陽電池用多結晶シリコンのブロックや破材及び300mm単結晶シリコンインゴットを用いることにより、安価な400mm以上のダミー用シリコンウエハを作製することができる大きな効果を有する。
また、純度6N以上の多結晶シリコンインゴットを使用することにより作製したダミー用シリコンウエハは、プロセス装置に導入しても装置及び他の部材を汚染しないという特徴を有する。さらに、劈開面のある単結晶の周辺に多結晶シリコンを溶解して接合するので、ウエハの強度を高めることができウエハの劈開割れによる歩留まり低下を防止できるという大きな効果を有する。
多結晶となるシリコンを溶解し、それを単結晶インゴットの周囲に鋳込んでインゴット複合体とする製造工程の一例を示す概略説明図である。 単結晶ウエハと多結晶ウエハの界面の様子を示す説明図である。図2のAは、本願発明のハイブリッドウエハの様子を、図2のBは、加熱拡散接合したハイブリッドウエハの様子を示す説明図である。
本発明のハイブリッドシリコンウエハは溶融状態の多結晶シリコンと固体状態の単結晶シリコンを用いて相互に一体化したウエハである。このハイブリッドシリコンウエハは、単結晶部との境界から10mm以内の多結晶部の平均結晶粒径が8mm以下の微細結晶を有することが大きな特徴である。
このハイブリッドシリコンウエハの製造に際しては、図1に示すように、予め鋳型の中に円柱状の単結晶シリコンインゴットをセットし、この単結晶インゴットの周囲に、溶融したシリコンを鋳込んで一体化し、これにより単結晶シリコンと多結晶シリコンのインゴット複合体とするものである。そして、このインゴットをウエハ状に切り出し(スライスして)、ハイブリッドシリコンウエハを製作するものである。
多結晶シリコンとなる原料を溶解するには、図1に示すようなSiOを主成分とする坩堝1を使用し、この中でシリコン原料を入れて溶解する。坩堝1は、図1に示すように、周囲にカーボンスリーブ2を配置し、高周波誘導加熱(コイル3)によりカーボンスリーブ2を昇温させ、その伝熱で間接的にシリコンを加熱溶融させる。
シリコンは1450〜1550°Cに加熱し溶融させる。溶融したシリコンの溶湯4をタンディッシュ5に一旦保持し、これを鋳型6に注湯する。鋳型は、熱衝撃を緩和するために、予め800〜1300°Cに予備加熱することが望ましい。また、鋳型6は、溶湯が均一に分布するように、回転させることが良い。
鋳型に、予め単結晶シリコンインゴット7を面方位の管理をしながら設置しておく。この単結晶シリコンインゴット7は、シリコンの溶湯の注湯時に、浮き上がったり、移動したりしないように、固定することが望ましい。通常、高融点で比重が大きくSiと反応しない材料で上から押さえつける方法が採用される。
このようにして、単結晶と多結晶シリコンを一体化させ、インゴットとし、これをウエハ状に切り出し(スライスして)、その組織を観察すると、単結晶部との境界から10mm以内の多結晶部に、平均結晶粒径が8mm以下の微細結晶が観察される。
この様子を、図2のAに示す。また、インゴット外周の研削量が少なく鋳型内壁の近傍がウエハ外周に残る場合は、ウエハ周縁にも同様の平均結晶粒径が8mm以下の微細結晶が観察される。これが本願発明のハイブリッドシリコンウエハの大きな特徴である。これは、多結晶シリコンを鋳込んだときに、シリコンの溶湯の中に存在する遊離結晶が遊動する際に、温度の低い単結晶シリコンと鋳型の内壁に付着し、凝固開始の起点になると考えられる。
固体の単結晶シリコンと固体の多結晶シリコンを、単に加熱接合しただけでは、図2のBに示すように、本願発明のハイブリッドシリコンウエハのような明確な微細結晶が観察されることはない。
凝固後は、単結晶シリコンの周囲に多結晶シリコンが凝固し、一体化した円柱状インゴットが得られるが、この一体化した円柱状の複合体を、スライスすることにより、周囲に多結晶、その内部に単結晶が一体化した円盤状のハイブリッドシリコンウエハを得ることができる。このスライスは、通常のウエハと同様に、外周研削、マルチワイヤーソー、エッジ及びノッチ加工、研削及び研磨、洗浄等を行い、ハイブリッドウエハとすることができる。
このようにして得られたハイブリッドウエハは、単結晶部との境界から10mm以内の多結晶部の(400)方位のX線回折の相対強度が、(511)方位の強度を100とした場合、5以上であるという特徴を示す。
このようにして得られたハイブリッドシリコンウエハは円盤形であり、ウエハの全体の直径を400mm以上とすることができる。また、インゴットからの切り出し方によっては、矩形その他の形状にすることは勿論可能である。
上記においては、単結晶インゴットを鋳型の中心部に配置して、中心部に単結晶ウエハを外周部に多結晶ウエハが存在する同心円形のハイブリッドシリコンウエハを製造する例を示したが、単結晶部を意図的に偏芯させ、ウエハ中心から周縁をモニタリングできる位置に配置しても良い。本願発明は、これらを包含するものである。
上記については、円盤状のハイブリッドシリコンウエハを、1個の単結晶と1個の多結晶の組み合わせで説明したが、1個の単結晶と複数の多結晶の組み合わせ、又は多結晶相互の組み合わせも当然可能である。例えば、前者の場合は、予め1個の単結晶と1個の多結晶の組み合わせによるインゴットを作製した後、これを同様に、鋳型内に該インゴットを配置し、この外周部に、融点が異なる(融点の低い)シリコン原料を溶解して注湯して、1個の単結晶と複数の多結晶からなる一体化した円柱状のインゴットを作製することができる。
そして、この一体化した円柱状の複合体を、スライスすることにより、内部に単結晶、その周囲に複数の異なる性質を持つ多結晶が一体化した円盤状のハイブリッドシリコンウエハを得ることができる。
上記については、予め単結晶シリコンのインゴットを作製することが必須の要件であることを前提とした説明を行ったが、当然ながら多結晶シリコンのみからなる円盤状のハイブリッドシリコンウエハを製造できることは容易に理解できるであろう。本願発明はこれらを全て包含するものである。
このように、一方を溶融状態とし他方を固体状態として相互に一体化し2種類以上の結晶構造や成分が異なるシリコン又はシリコンを主成分とするウエハからなるハイブリッドシリコンウエハを得ることができる。
坩堝を使用した製造工程からハイブリッドシリコンウエハは円盤形となるが、ウエハの切り出しの仕方により、矩形その他の形状にすることは可能である。円盤状のウエハについては、その全体の直径を400mm以上とすることができる。
この場合は、前記インゴット複合体の直径が400mm以上であることが必要となるが、この形状に特に制約はなく、設定は任意である。
ハイブリッドシリコンウエハは、多結晶シリコン部には、ドーパント及びガス成分を除く純度が6N以上であり、つまり、金属不純物の総量が1wtppm以下、かつ、金属不純物の内、Cu、Fe、Ni、Alがそれぞれ0.1wtppm以下とすることが望ましい。また、多結晶シリコン部のガス成分であるC及びOが、それぞれ100wtppm以下であることが望ましい。
このようにして作製したダミー用シリコンウエハは、プロセス装置に導入しても装置及び他の部材を汚染しないという特徴を有する。これにより、全体の直径が400mm以上の円盤形ウエハの利用価値を、より高めることができる。
単結晶シリコンウエハの支持母体となる多結晶シリコンウエハのサイズは、大型のものが作製可能である。一方、単結晶シリコンでは、φ400mmを超える大型サイズになると非常に高価となる。上記の通り、多結晶シリコンウエハでは、φ400mm以上のシリコンウエハの作製が容易である。
ハイブリッドシリコンウエハの一部に使用される単結晶シリコンの大きさには、特に制限はないが、単結晶ウエハの最も長い径が、ウエハ全体の径の50%以上を有している場合には、単結晶ウエハの特性を利用する試験において、ハイブリッドシリコンウエハを有効に活用できるメリットがある。
上記のようなハイブリッドシリコンウエハは、単結晶ウエハとして又は多結晶ウエハとしての機能を有効に活用できる。メカニカルウエハ(あるいはダミーウエハ)として使用するだけでなく、単結晶上への成膜試験などの装置試験用テストウエハと使用することが出来る。すなわち、パーティクルモニターやリソグラフィーモニター等にも使用できるウエハとなる。
以上から、本願発明の「ハイブリッドシリコンウエハ」は、多目的利用が可能であり、従来は、この特性を備えたシリコンウエハは存在していない。
次に、実施例に基づいて本発明を説明する。なお、以下の実施例は発明を容易に理解できるようにするためのものであり、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。すなわち、本発明の技術思想に基づく他の例又は変形は、当然本発明に含まれるものである。
(実施例1)
多結晶シリコンの原料となる平均30mm程度の不定形のシリコン(ドーパントとガス成分を除く純度が7N程度)を、周辺をカーボンで取り囲まれた石英坩堝に入れ、高周波誘導加熱により真空中で1500°Cまで昇温し、シリコンを溶融させた。
一方、図1に示すように、鋳型6の方には、内径360mmの鋳型の中に直径200mm、高さ220mmの純度が11Nの単結晶インゴット7をセットした。単結晶インゴット7は、面方位を所定の位置に合わせ、また溶湯を流し込んだ時に動かないようにするためSiより比重が大きく高融点な金属を上に乗せて固定した。そして熱衝撃を低減するために、鋳型全体を1200°Cに加熱して待機させた。
次に、坩堝で溶湯4となっているシリコンをタンディッシュ5経由で注ぎ口をコントロールしながら高さ100mmまで鋳込み、単結晶インゴットと鋳込んだ多結晶インゴットとを一体化させた。作製したハイブリッドインゴットの組織を観察すると、坩堝内壁と単結晶界面付近は、凝固開始の起点となるため微細な組織を有していた。
ハイブリッドインゴットは、通常のウエハと同様、外周研削、マルチワイヤーソー、エッジ及びノッチ加工、研削及び研磨、洗浄等を行い、直径300mmのハイブリッドウエハとした。
ハイブリッドウエハの組織を観察すると、単結晶部との境界から10mm以内の多結晶部の平均結晶粒径は、8mm以下の微細組織を有していた。またその(400)方位のX解回折の相対強度は、(511)方位の強度を100とした場合に、8であった。一方、単結晶境界とウエハ周縁部から50mm以上離れた多結晶部の(400)方位のX解回折の相対強度は、(511)方位の強度を100とした場合、1であった。
なお、ウエハ周縁部の組織は、直径が360mmから300mmに小さくなったため、インゴット時のような特徴は緩和され、平均結晶粒径は12mm程度であった。
(実施例2)
多結晶シリコンの原料となる直径が10mm程度、純度6Nの単結晶シリコン破材を、周辺をカーボンで取り囲まれた石英坩堝に入れ、高周波誘導加熱により真空中で1520°Cまで昇温しシリコンを溶融させた。
一方、図1に示すように、鋳型6の方には、内径500mmの鋳型6の中に直径300mm、高さ150mmの単結晶インゴット7をセットした。単結晶インゴット7は面方位を所定の位置に合わせ、また溶湯を流し込んだ時に動かないようにするためSiより比重が大きく高融点な金属を上に乗せて固定した。
そして、熱衝撃を低減するために、鋳型全体を1250°Cに加熱して待機させた。次に、坩堝1で溶湯となっているシリコン4をタンディッシュ5経由で注ぎ口をコントロールしながら高さ80mmまで鋳込み、単結晶インゴット7と鋳込んだ多結晶インゴットを一体化させた。鋳込み中は、鋳型6を回転させることにより、均一に鋳込むことができた。
作製したハイブリッドインゴットの組織を観察すると、図2(A)に示すように、坩堝内壁と単結晶界面付近は、凝固開始の起点となるため微細な組織を有していた。
ハイブリッドインゴットは、通常のウエハと同様、外周研削、マルチワイヤーソー、エッジ&ノッチ加工、研削&研磨、洗浄等を行い、直径450mmのハイブリッドウエハとした。ハイブリッドウエハの組織を観察すると、単結晶部との境界から10mm以内の多結晶部の平均結晶粒径は、8mm以下の微細組織を有していた。
また、その(400)方位のX解回折の相対強度は、(511)方位の強度を100とした場合、12であった。一方、単結晶境界とウエハ周縁部から50mm以上離れた多結晶部の(400)方位のX解回折の相対強度は、(511)方位の強度を100とした場合、2であった。ちなみにウエハ周縁部の組織は、直径が500mmから450mmに小さくなったため、インゴット時のような特徴は緩和されていた。
以上により、本発明は単結晶シリコンウエハと多結晶シリコンウエハの双方又は異種多結晶シリコンウエハの機能を備えたハイブリッドシリコンウエハを提供することができるという大きな効果を有する。
ハイブリッドシリコンウエハの支持母体となる多結晶シリコンウエハにおいては、大型化を容易にすることができる。本願発明のハイブリッドシリコンウエハによる多結晶シリコンウエハは、メカニカルウエハとして使用される単結晶シリコンの機械的物性に類似した特性を備え、かつ、この単結晶部で半導体製工程をモニターできる能力を有する。
このように、多結晶シリコンウエハと単結晶ウエハの双方の機能を備えたハイブリッドシリコンウエハは、単結晶ウエハ単独に比べ、歩留まりを大きく向上させ、製造コストを低減できるという大きな特徴を有するので、成膜装置などのテストウエハとして、有用である。
1:SiO坩堝
2:カーボンスリーブ
3:誘導コイル
4:溶湯
5:タンディッシュ
6:鋳型
7:単結晶インゴット

Claims (8)

  1. 中心部又は偏芯した一部に単結晶シリコンが位置し、外周部に多結晶シリコンが位置する、多結晶シリコンと単結晶シリコンが相互に一体化した円盤状のウエハであって、単結晶部との境界から10mm以内の多結晶部の平均結晶粒径が8mm以下の微細結晶を有することを特徴とするハイブリッドシリコンウエハ。
  2. 単結晶部との境界から10mm以内の多結晶部の(400)方位のX線回折の相対強度が、(511)方位の強度を100とした場合、5以上であることを特徴とする請求項1記載のハイブリッドシリコンウエハ。
  3. 中心部又は偏芯させた一部が単結晶の結晶構造を有することを特徴とする請求項1又は2記載のハイブリッドシリコンウエハ。
  4. ウエハが円盤形であり、ウエハの全体の直径が400mm以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のハイブリッドシリコンウエハ。
  5. 予め鋳型の中に円柱状の単結晶シリコンインゴットをセットし、この単結晶インゴットの周囲に、溶融したシリコンを鋳込んで一体化して単結晶シリコンと多結晶シリコンのインゴット複合体とし、これをさらにウエハ状に切り出すことを特徴とするハイブリッドシリコンウエハの製造方法。
  6. 単結晶部との境界から10mm以内の多結晶部の平均結晶粒径が8mm以下の微細結晶を有する単結晶シリコンと多結晶シリコンのインゴット複合体であることを特徴とする請求項5記載のハイブリッドシリコンウエハの製造方法。
  7. 単結晶シリコンインゴットを鋳型の中にセットした後で、溶融したシリコンを鋳込む前に、鋳型を予め800〜1300°Cに予備加熱することを特徴とする請求項5又は6記載のハイブリッドシリコンウエハの製造方法。
  8. シリコンを溶融する坩堝を、SiOを主成分とする坩堝とし、この坩堝の周囲にカーボンスリーブを配置し、高周波誘導加熱によりカーボンを昇温させ、その伝熱で間接的にシリコンを加熱溶融させることを特徴とする請求項5〜7のいずれか一項に記載のハイブリッドシリコンウエハの製造方法。
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