JP5512426B2 - ハイブリッドシリコンウエハ及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、多結晶シリコンウエハと単結晶ウエハの双方の機能を備えたハイブリッドシリコンウエハ及びその製造方法に関する。
シリコン半導体製造工程においては、単結晶引上げによって製造されたウエハが専ら使用されている。この単結晶シリコンウエハは時代と共に大きくなり、近い将来φ400mm以上となることが予想される。そして、半導体製造プロセスに必要な装置及び周辺技術を確立するために、試験用に所謂メカニカルウエハが必要となっている。
一般に、このようなメカニカルウエハは、かなり精度の高い試験が必要とされるので、単結晶シリコンの機械的物性に類似した特性が必要とされる。したがって、従来は、試験用とは言っても、実際に使用される単結晶シリコンウエハをそのまま使用しているのが実情である。しかし、φ400mm以上の単結晶シリコンウエハは非常に高価であるため、単結晶シリコンの特性に類似した安価なウエハが要求されている。
一方、このような半導体製造装置の構成部品としてシリコンの矩形又は円盤状の板からなるスパッタリングターゲットの使用も提案されている。スパッタリング法は薄膜を形成手段として使用されているが、これには2極直流スパッタリング法、高周波スパッタリング法、マグネトロンスパッタリング法など、いくつかのスパッタリング法があり、それぞれ固有のスパッタリングの性質を利用して各種電子部品の薄膜が形成されている。
このスパッタリング法は、陽極となる基板と陰極となるターゲットとを対向させ、不活性ガス雰囲気下でこれらの基板とターゲットの間に高電圧を印加して電場を発生させるものであり、この時電離した電子と不活性ガスが衝突してプラズマが形成され、このプラズマ中の陽イオンがターゲット表面に衝突してターゲット構成原子を叩きだし、この飛び出した原子が対向する基板表面に付着して膜が形成されるという原理を用いたものである。
このようなスパッタリングターゲットに、多結晶のシリコン焼結体が提案されているが、この焼結体ターゲットは成膜効率を高めるために、厚さが大きくかつ大型の矩形又は円盤状のターゲットが要求されている。また、この多結晶のシリコン焼結体を、単結晶シリコンウエハの保持用ボードとして使用する提案もなされている。しかし、多結晶シリコンは、焼結性が悪く、得られた製品は低密度で、機械的強度が低いという大きな問題がある。
このようなことから、上記のシリコン焼結体ターゲットの特性を改善しようとして、減圧下で1200°C以上珪素の融点未満の温度範囲で加熱して脱酸した珪素粉末を圧縮成形し焼成して形成した珪素焼結体であり、焼結体の結晶粒径を100μm以下に設定した珪素焼結体が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、このようにして製造されるターゲットは、厚みが薄い場合、例えば5mm以下の場合には、比較的密度が高くなり強度的にも向上するが、それを超えるような厚さになった場合には、依然として低密度(99%に満たない)であり、それに伴って機械的強度が劣ることとなり、大型の矩形又は円盤状のターゲットを製造することができないという問題があった。
以上のようなことから、本出願人は、先に平均結晶粒径が50μm以下、相対密度が99%以上であるシリコン焼結体及びその製造方法を提案した(特許文献2参照)。
このシリコン焼結体は、高密度で、機械的強度が高く、多くの利点を有しているものであるが、これらの特性をさらに改善することが要求されていたが、この点を改良した特許出願を行った。
これらシリコン焼結体を用いたウエハは、機械的特性が単結晶シリコンと近いため、半導体製造装置の搬送系や、ロボティックスの開発用としてのダミーウエハに用いることが出来る。また、SOIウエハのベース基板としての適用も検討されている。
しかし、これらは全てシリコン焼結体からなる多結晶シリコンであり、単結晶の物性に類似する点は多数あるが、単結晶そのものの機能を有するものでないため、成膜試験等、プロセス試験用には使用できない、という基本的な欠点を備えている。
また、単結晶シリコンに替えて、高品質の多結晶シリコンを製造するという提案もなされている(特許文献3参照)。しかし、多結晶シリコンは、どのような工夫をしても、単結晶シリコンの特性に及ばないという欠点を有する。この欠点を補う手段として、Intel社のM.Goldstein等は、多結晶シリコンの中に単結晶シリコンを埋め込んだウエハを提案している(特許文献4参照)。
また、本出願人は、上記の多結晶シリコンに単結晶シリコンを埋め込んだウエハの多結晶部分に焼結法で作製したシリコンを使用する発明を先に出願しているが、焼結シリコン中には酸素、炭素等のガス成分が多量に含まれており、結晶粒界上にSiOやSiCの析出物が存在するため、研磨時に単結晶部との研磨速度の相違から段差が生じるという問題がある(特許文献5参照)。
このようなことから、予め一方向凝固溶解法により作製した多結晶シリコンの一部をくり抜き、このくり抜いた部分に単結晶シリコンのインゴットを挿入し、これらを相互に加熱拡散接合させて、多結晶シリコンと単結晶シリコンインゴットの複合体を作製し、この複合体をスライスしてハイブリッドシリコンウエハを製造する提案を行った(特許文献6参照)。
この方法では、全面が単結晶で構成されるウエハよりも低コストではあるが、多結晶のくり抜き加工や、嵌め込む単結晶の外周加工の公差を厳密に制御する必要があり、それが製造コストを増加させるという問題があった。
特許第3342898号公報 特許第3819863号公報 特開2005−132671号公報 米国特許公開第2008/0122042号公報 国際公開WO2010−004863号公報 特願2009−255016
上記の通り、LSIプロセスに使用される単結晶ウエハの形状は、時代とともに大口径化しており、直径400mm以上の単結晶ウエハへと移行する。しかし、直径400mm以上の単結晶ウエハは非常に高価であり、それに伴ってダミーウエハも高価になり、LSIプロセスのコスト増になる。また、直径400mm以上の大口径な単結晶シリコンウエハの場合、これまでの300mmウエハに比べ、単結晶劈開面での割れの頻度が多くなり、歩留まりが低下することが懸念される。
そこで、本発明は、汎用の300mm単結晶を用いて、400mm以上のダミーウエハに適応可能な、多結晶シリコンと単結晶シリコンを組み合わせた、いわゆるハイブリッドウエハを安価に提供すると同時に、ダミーウエハの強度を向上することによる歩留まりを向上することを可能とする。そして、本発明は、多結晶シリコンウエハと単結晶シリコンウエハの双方の機能を備えたハイブリッドシリコンウエハを提供することができる。
ハイブリッドウエハの多結晶シリコン部分に、焼結シリコンを使用することも出来るが、溶解Siインゴットに比べ、C、O等のガス成分が多く、硬度の高いSiCやSiOが結晶粒界に析出するため、単結晶シリコン部に比して鏡面研磨工程における研磨速度が遅く、単結晶シリコン部と多結晶シリコン部で厚みに段差が生じる問題がある。本願発明はこのような問題を解決できるハイブリッドシリコンウエハを提供することを課題とするものであり、さらに安価なハイブリッドシリコンウエハを提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明者は、機械的強度を向上させた多結晶シリコンと単結晶シリコンとを、一方を溶解させ、他方をインゴット(固体)とした状態で一体化させ、多結晶と単結晶シリコンウエハの双方の機能を備えたハイブリッドシリコンウエハができるとの知見を得た。
本発明は、上記知見に基づき、次の1)〜5)の「ハイブリッドシリコンウエハ」を提供する。
1)一方を溶融状態とし他方を固体状態として相互に一体化して作製した、比抵抗が2桁以上異なる2種類以上の単結晶シリコン又は多結晶シリコンを主成分とするウエハからなることを特徴とするハイブリッドシリコンウエハ。
2)多結晶シリコンの中に単結晶シリコンが配置され一体化した、比抵抗が2桁以上異なることを特徴とする上記1)記載のハイブリッドシリコンウエハ。
3)中心部が単結晶の結晶構造を有する高比抵抗のシリコンウエハであり、単結晶以外の部分のウエハが低比抵抗の多結晶シリコンウエハであることを特徴とする上記1)又は2)記載のハイブリッドシリコンウエハ。
4)低比抵抗のシリコンウエハ又はシリコンを主成分とするウエハが1×10−6〜0.1Ω・cmの抵抗を有し、高比抵抗のシリコンウエハ又はシリコンを主成分とするウエハが0.1〜1×10Ω・cmの抵抗を有することを特徴とする上記1)〜3)のいずれか一項に記載のハイブリッドシリコンウエハ。
5)ウエハが円盤形であり、ウエハの全体の直径が400mm以上であることを特徴とする上記1)〜4)のいずれか一項に記載のハイブリッドシリコンウエハ。
また、本発明は、上記知見に基づき、次の6)〜8)の「ハイブリッドシリコンウエハの製造方法」を提供する。
6)高比抵抗のシリコンインゴットを、坩堝内の中心部又は外周部に配置すると共に、前記坩堝とインゴット周囲の空隙部に、前記インゴットよりも比抵抗が2桁以上低いナゲット又は粉末状のシリコンを充填し、前記ナゲット又は粉末状のシリコンを選択的に溶解して、前記インゴットと一体化させて複合体とし、これをさらにウエハ状に切り出すことを特徴とするハイブリッドシリコンウエハの製造方法。
7)インゴットよりも比抵抗が2桁以上低いナゲット又は粉末状のシリコンを誘導加熱により選択的に溶解することを特徴とする上記6)記載のハイブリッドシリコンウエハの製造方法。
8)前記複合体の直径が400mm以上であることを特徴とする上記6)又は7)記載のハイブリッドシリコンウエハの製造方法。
以上により、互いに性質の異なる2種以上の多結晶シリコンウエハ相互又は多結晶シリコンウエハと単結晶ウエハの双方の機能を備えたハイブリッドシリコンウエハを提供することができるので、単結晶ウエハとしての特性と機能、又は2種以上の多結晶シリコンウエハの持つ特性と機能を、同時に保有するという大きな効果を有する。
ハイブリッドシリコンウエハの支持母体となる多結晶シリコンウエハにおいては、大型化と強度の向上は必要なことであるが、溶融状態から一体化したハイブリッドシリコンウエハの接合強度は、より向上する。
本願発明のハイブリッドシリコンウエハに備わる多結晶シリコンウエハは、メカニカルウエハとして使用される単結晶シリコンの機械的物性に類似した特性を備え、かつ、この単結晶部で半導体製工程をモニターできる能力を有する。すなわち、半導体製造の搬送系やロボティックスの開発用のみならず、パーティクルモニターやリソグラフィーモニター用ウエハとしても用いることができる。
また、単結晶インゴットの周囲に、シリコンを溶解して多結晶シリコンを形成できるので、大型インゴットを容易に製作できる。そして、界面相互は一体化しているので、製造された接合体をスライスすることで、ハイブリッドシリコンウエハを製造することが出来る。
このように、多結晶シリコンウエハ相互又は多結晶シリコンウエハと単結晶ウエハの双方の機能を備えたハイブリッドシリコンウエハは、同サイズの単結晶ウエハ単独に比べ、歩留まりを大きく向上させ、製造コストを低減できる。さらに、コモディティー化した太陽電池用多結晶シリコンのブロックや破材及び300mm単結晶シリコンインゴットを用いることにより、安価な400mm以上のダミー用シリコンウエハを作製することができる大きな効果を有する。
また、純度6N以上の多結晶シリコンインゴットを使用することにより作製したダミー用シリコンウエハは、プロセス装置に導入しても装置及び他の部材を汚染しないという特徴を有する。さらに、劈開面のある単結晶の周辺に多結晶シリコンを溶解して接合するので、ウエハの強度を高めることができウエハの劈開割れによる歩留まり低下を防止できるという大きな効果を有する。
スカル溶解炉を用いた本発明のハイブリッドウエハの製造の一例を示す概略説明図である。
本発明のハイブリッドシリコンウエハは、円盤状のウエハであり、比抵抗が異なる特性を示す2種類以上のシリコン又はシリコンを主成分とするウエハからなる。シリコンは純度が高くなるほど抵抗が高くなり、一般に市販されている単結晶ウエハでは5〜20Ω・cm程度である。
他方、B(ボロン)を0.01at%ドープした多結晶シリコンでは、1×10−2Ω・cm程度、ボロンを2at%ドープしたシリコンの抵抗は、1×10−4Ω・cm程度となる。この他、ドーパントとして、ボロン以外にP(燐)やAs(砒素)などを挙げることができる。これらは、B(ボロン)と同様の効果を得ることができる。
なお、参考までに、他の材料、例えばチタンでは4.3×10−5Ω・cm程度、銅では1.7×10−8Ω・cm程度である。
上記のハイブリッドシリコンウエハを製造する場合には、まず高比抵抗のシリコン又はシリコンを主成分とするインゴットを、坩堝内の中心部又は偏芯させた一部に配置し、前記坩堝とインゴット周囲の空隙部に、前記インゴットよりも比抵抗が2桁以上低いナゲット又は粉末状のシリコンを充填する。
次に、誘導加熱法により、坩堝内の原料を加熱する。この原料の溶解には、通常図1に示すようなスカル溶解炉を使用する。この溶解炉の外周に配置したコイルによって、磁場が坩堝を通り抜け、導電材料に熱を誘導し、この熱によって炉内の原料が溶解する。磁場は溶湯を強力に攪拌する作用を行う。
溶湯プールの側面は磁力によって支えられ、溶解炉の側壁と物理的に接触しないので、坩堝のセグメントが電気的に短絡することがなく、また坩堝からの介在物の混入を防ぐことができる。
図1では、中心部に高純度の単結晶シリコン(高抵抗)インゴットを導入し、外周部には、この単結晶シリコンよりも低抵抗の原料であるナゲット又は粉末状のシリコン原料を導入した例を示す。この場合、上記の通り中央部に配置した単結晶シリコンと比較して比抵抗が2桁以上異なるシリコン原料を使用する必要がある。
この場合、単結晶シリコンの周囲に多結晶シリコンが一体化した構造のウエハを製造することが目的なので、この比抵抗が2桁以上異なるシリコン原料については、ボロンを2at%ドープし、低抵抗化させた原料を使用することができる。
この結果、高抵抗である単結晶シリコンには、誘導電流が流れないため、加熱が不十分となり、溶解しない。一方、低抵抗であるナゲット又は粉末状のシリコン原料は選択的に溶解し、凝固後は単結晶シリコンの周囲に多結晶シリコンが凝固し一体化した円柱状のインゴットが得られる。
この一体化した円柱状の複合体を、スライスすることにより、内部に単結晶、その周囲に多結晶が一体化した円盤状のハイブリッドシリコンウエハを得ることができる。
坩堝に導入する多結晶を形成するために導入するシリコン原料には、通常ナゲット、ブロックの端材又は粉末状のシリコン原料を用い、その原料の形状を特定する必要はないが、誘導電流の流れ易さと坩堝への充填のし易さから、親指サイズのナゲットが好適であると言える。
上記の説明において、中心部に高純度の単結晶シリコン(高抵抗)インゴットを導入し、外周部には、この単結晶シリコンよりも低抵抗の原料であるナゲット又は粉末状のシリコン原料を導入した例を用いて説明したが、坩堝内の偏芯させた位置に単結晶シリコン(高抵抗)インゴットを導入し、その周辺部にこの単結晶シリコンよりも低抵抗の原料であるナゲット又は粉末状のシリコン原料を導入して製造することもできる。この場合、単結晶部が中心から周縁付近に位置するため、その範囲をモニターできるウエハとなる。
この場合、同様に高抵抗である単結晶シリコンには、誘導電流が流れず溶解せず、一方、低抵抗であるナゲット又は粉末状のシリコン原料は選択的に溶解し、凝固後は単結晶シリコンの内部に多結晶シリコンが凝固し、一体化した円柱状インゴットが得られる。
この一体化した円柱状の複合体を、スライスすることにより、多結晶と単結晶が一体化した円盤状のハイブリッドシリコンウエハを得ることができる。
上記については、予め単結晶シリコンのインゴットを作製することが必須の要件であることを前提とした説明を行ったが、当然ながら多結晶シリコンのみからなる円盤状のハイブリッドシリコンウエハを製造できることは容易に理解できるであろう。
この場合、複数の多結晶の原料として、比抵抗が2桁以上異なるシリコン原料を使用することのみである。本願発明はこれらを全て包含するものである。
低比抵抗のシリコンウエハ又はシリコンを主成分とするウエハが1×10−6〜0.1Ω・cmの抵抗を有し、高比抵抗のシリコンウエハ又はシリコンを主成分とするウエハが0.1〜1×10Ω・cmの抵抗を有するハイブリッドシリコンウエハが得られる。
坩堝を使用した製造工程からハイブリッドシリコンウエハは円盤形となるが、ウエハの切り出しの仕方により、矩形その他の形状にすることは可能である。円盤状のウエハについては、その全体の直径を400mm以上とすることができる。
この場合は、前記インゴット複合体の直径が400mm以上であることが必要となるが、この形状に特に制約はなく、設定は任意である。
ハイブリッドシリコンウエハ多結晶シリコン部は、抵抗を調整するためのドープ成分及びガス成分を除く純度が6N以上であり、かつ金属不純物の総量が1wtppm以下、金属不純物の内、Cu、Fe、Ni、Alがそれぞれ0.1wtppm以下とすることが望ましい。また、多結晶シリコン部のガス成分であるC及びOが、それぞれ100wtppm以下であることが望ましい。このようにして作製したダミー用シリコンウエハは、プロセス装置に導入しても装置及び他の部材を汚染しないという特徴を有する。これにより、全体の直径が400mm以上の円盤形ウエハの利用価値を、より高めることができる。
単結晶シリコンウエハの支持母体となる多結晶シリコンウエハのサイズは、大型のものが作製可能である。一方、単結晶シリコンでは、φ400mmを超える大型サイズになると非常に高価となる。上記の通り、多結晶シリコンウエハでは、φ400mm以上のシリコンウエハの作製が容易である。
ハイブリッドシリコンウエハの一部に使用される単結晶シリコンの大きさには、特に制限はないが、単結晶ウエハの最も長い径が、ウエハ全体の径の50%以上を有している場合には、単結晶ウエハの特性を利用する試験において、ハイブリッドシリコンウエハを有効に活用できるメリットがある。
上記のようなハイブリッドシリコンウエハは、単結晶ウエハとして又は多結晶ウエハとしての機能を有効に活用できる。メカニカルウエハ(あるいはダミーウエハ)として使用するだけでなく、単結晶上への成膜試験などの装置試験用テストウエハと使用することが出来る。すなわち、パーティクルモニターやリソグラフィーモニター等にも使用できるウエハとなる。
以上から、本願発明の「ハイブリッドシリコンウエハ」は、多目的利用が可能であり、従来は、この特性を備えたシリコンウエハは存在していない。
次に、実施例に基づいて本発明を説明する。なお、以下の実施例は発明を容易に理解できるようにするためのものであり、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。すなわち、本発明の技術思想に基づく他の例又は変形は、当然本発明に含まれるものである。
(実施例1)
図1に示すように、比抵抗が10Ωcmで直径100mm、長さ100mmの純度11Nの単結晶シリコンインゴット1を、内径200mmの水冷銅坩堝2の中央にセットした。また、その周辺に比抵抗が0.001Ω・cmで平均30mm程度の不定形の多結晶シリコン(ボロンを0.2at%ドープ)3を高さ80mm程度まで充填した。
そして坩堝周辺の雰囲気(炉内)を真空に制御し、誘導加熱コイル5に10kHzの交流電流を流した。この時、誘導加熱は誘導電流が流れる低抵抗のシリコンに優先的に行なわれ、単結晶インゴット周辺に投入したナゲット状の多結晶シリコン4のみが選択的に溶解された。
また、シリコンの物性をCuと比較すると、以下に示すように熱伝導率が低く、且つ比熱が大きいという特徴があり、誘導加熱されない単結晶インゴットは、殆ど溶けることはない。
Si: 熱伝導率84W/mK、比熱678J/kg°C
Cu: 熱伝導率372W/mK、比熱419J/kg°C
低抵抗のシリコン部は局所的には1450°C程度まで加熱され溶融する。そしてボイドや残留応力に配慮しながら速やかに冷却すると、高さ約50mmまでは結晶構造及び抵抗の異なる2種類のシリコンが一体化した柱状のシリコンインゴットが得られた。
ここで単結晶インゴットの周辺に投入した低抵抗のシリコン形状は、粉末のような細かい原料でも、大きいブロック破材でも同様の結果が得られた。但し、誘導電流の流れ易さや、坩堝への充填のし易さを考慮すると親指サイズぐらいのナゲット形状が好ましかった。本実施例では、低抵抗の原料に多結晶シリコンを用いたが、単結晶の破材を投入しても、特に問題はなかった。
この柱状のインゴットをスライスすることにより、中央に単結晶ウエハ周辺に多結晶ウエハの同心円形の円盤状ハイブリッドウエハを作製することができた。
(実施例2)
図1に示すように、抵抗の異なる2種類のシリコンから形成される多結晶シリコン原料を用い、一方(比抵抗が0.1Ω・cm)であるシリコン(ボロンを1atppmドープ)を予め溶解してインゴット1とし、このインゴットを同様に水冷銅坩堝2の中央にセットした後、その周辺に比抵抗が0.0001Ω・cmで平均20mm程度の多結晶シリコン(ボロンを2at%ドープ)ナゲット3を、高さ80mm程度まで充填した。そして坩堝周辺の雰囲気(炉内)を真空に制御し、誘導加熱コイル5に10kHzの交流電流を流した。
これにより、誘導加熱により低抵抗のシリコンに優先的に行なわれ、高抵抗シリコンインゴット周辺に投入したナゲット状の低抵抗シリコン4のみが選択的に溶解された。
このようにして、抵抗の異なる2種類のシリコンから形成される柱状の多結晶シリコンインゴットを作製することができた。
さらに、この柱状のインゴットをスライスすることにより、中央に高抵抗の多結晶ウエハ周辺に低抵抗の多結晶ウエハの、同心円形の円盤状ハイブリッドウエハを作製することができた。
(実施例3)
図1に示すように、比抵抗が2Ωcmで直径300mm、長さ150mmの純度10Nの単結晶シリコンインゴット1を内径480mmの水冷銅坩堝2の中央にセットした。また、その周辺に比抵抗が0.001Ωcmで平均30mm程度の不定形の多結晶シリコン(ボロンを0.2at%ドープ)3を高さ100mm程度まで充填した。
そして坩堝周辺の雰囲気(炉内)を真空に制御し、誘導加熱コイル5に10kHzの交流電流を流した。誘導加熱で低抵抗のシリコン4のみが選択的に溶解させ、ボイドや残留応力に配慮しながら速やかに冷却し、高さ約80mmまでは結晶構造及び抵抗の異なる2種類のシリコンが一体化したシリコンインゴットが得られた。
さらに、この柱状のインゴットをスライスすることにより、中央に高抵抗の単結晶ウエハ、周辺に低抵抗の多結晶ウエハの、同心円形の円盤状ハイブリッドウエハを作製することができた。
以上により、本発明は単結晶シリコンウエハと多結晶シリコンウエハの双方又は異種多結晶シリコンウエハの機能を備えたハイブリッドシリコンウエハを提供することができるという大きな効果を有する。
ハイブリッドシリコンウエハの支持母体となる多結晶シリコンウエハにおいては、大型化と強度を向上させることができる。本願発明のハイブリッドシリコンウエハによる多結晶シリコンウエハは、メカニカルウエハとして使用される単結晶シリコンの機械的物性に類似した特性を備え、かつ、この単結晶部で半導体製工程をモニターできる能力を有する。
このように、多結晶シリコンウエハと単結晶ウエハの双方の機能を備えたハイブリッドシリコンウエハは、単結晶ウエハ単独に比べ、歩留まりを大きく向上させ、製造コストを低減できるという大きな特徴を有するので、成膜装置などのテストウエハとして、また半導体製造装置の各種部品としても有用である。
1:単結晶シリコンインゴット又は多結晶シリコンインゴット
2:水冷銅坩堝
3:多結晶シリコンナゲット
4:溶融したシリコン
5:誘導加熱コイル

Claims (8)

  1. 外周部を溶融状態とし、中心部を固体状態として相互に一体化して円盤形に作製した、比抵抗が2桁以上異なる2種類以上の単結晶シリコン又は多結晶シリコンを主成分とするウエハからなることを特徴とするハイブリッドシリコンウエハ。
  2. 多結晶シリコンの中に単結晶シリコンが配置され一体化した、比抵抗が2桁以上異なることを特徴とする請求項1に記載のハイブリッドシリコンウエハ。
  3. 中心部が単結晶の結晶構造を有する高比抵抗のシリコンウエハであり、単結晶以外の部分のウエハが低比抵抗の多結晶シリコンウエハであることを特徴とする請求項1又は2記載のハイブリッドシリコンウエハ。
  4. 低比抵抗のシリコンウエハ又はシリコンを主成分とするウエハが1×10-6〜0.1Ω・cmの抵抗を有し、高比抵抗のシリコンウエハ又はシリコンを主成分とするウエハが0.1〜1×105Ω・cmの抵抗を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のハイブリッドシリコンウエハ。
  5. ウエハが円盤形であり、ウエハの全体の直径が400mm以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のハイブリッドシリコンウエハ。
  6. 高比抵抗のシリコン又はシリコンを主成分とするインゴットを、坩堝内の中心部又は坩堝内の偏心した位置に配置すると共に、前記坩堝とインゴット周囲の空隙部に、前記インゴットよりも比抵抗が2桁以上低いナゲット又は粉末状のシリコンを充填し、前記ナゲット又は粉末状のシリコンのみを選択的に溶解して、前記インゴットと一体化させて複合体とし、これをさらにウエハ状に切り出すことを特徴とするハイブリッドシリコンウエハの製造方法。
  7. インゴットよりも比抵抗が2桁以上低いナゲット又は粉末状のシリコンを誘導加熱により選択的に溶解することを特徴とする請求項6記載のハイブリッドシリコンウエハの製造方法。
  8. 前記複合体の直径が400mm以上であることを特徴とする請求項6又は7記載のハイブリッドシリコンウエハの製造方法。
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