JP5606124B2 - 脱脂米糠粉含有食品組成物 - Google Patents

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本発明は、米粉、グルテン、及び脱脂米糠粉を含有する食品組成物に関する。また、本発明は、当該食品組成物の製造方法に関する。
人造米は、例えば穀物粉(小麦粉、米粉、イモ粉等)を混ぜて米粒状に加工した食品である。人造米は、特に第二次世界大戦後の米不足の中、米と混ぜて炊くことでカロリーを補うために多く用いられた。その後、米不足が解消されるにつれ、徐々に人造米の需要は低下したが、現在でも、例えば各種栄養分を補うために、あるいは特定の病者が食しやすいようにするために、様々な人造米が開発されている(例えば特許文献1〜2参照)。
しかしながら、人造米の特性を本物の米に近づけることは難しく、現在でも開発努力がなされている。例えば、各種栄養成分を添加して人造米の栄養価を高めることは可能であるが、その分炊飯時の食感、味、外観等が悪くなる、あるいは製造するのに高コストとなる等の問題も存在する。
このような状況において、玄米成分を強化した人造米についても開発が試みられている。例えば、特許文献2においては、デンプン質物、玄米又は/玄米の破砕物、及びゲル化剤を混合した半もち状物を、玄米成分強化用人造米の材料として用いることが記載されている。しかしながら、当該人造米は「デンプン質物が糊化して透明性をもち、その中に玄米の皮の微細な茶色の粒子がみられる」ものであって、必ずしも外観が米と同様ではなかった。また、玄米の皮の粒子が存在するため、必ずしも食感が米と同様のものではなかった。
このように、栄養成分が多く含まれ、かつ炊飯時の食感、味、外観等も良好(米と同等以上)で、製造コストも安い人造米を提供することは、従来困難であった。
特開2007−129946号公報 特開2002−233317号公報
本発明は、特に玄米に含まれる栄養成分が多く含まれ、炊飯時の食感、味、外観等が良好(米と同等以上)で、製造コストも安い、人造米を提供することを目的とする。特に、人造米は、炊飯により溶解して外観及び食感を損ないやすいため、炊飯後も形状及び色が普通の炊飯米と変わらないことが重要である。
本発明者らは、驚くべき事に、米粉、グルテン、及び脱脂米糠粉を含有する食品組成物を人造米とすることで、上記課題を解決し得ることを見出し、さらに改良を重ねて本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は例えば以下の項1〜4の食品組成物を包含する。
項1.
(A)米粉を50質量%以上
(B)グルテンを3〜20質量%
(C)脱脂米糠粉を5〜30質量%
含有する食品組成物。
項2.
脱脂米糠粉が、圧搾脱脂米糠粉である、請求項1に記載の食品組成物。
項3.
食品組成物が人造米である、請求項1又は2に記載の食品組成物。
項4.
グルテン1質量部に対し、脱脂米糠粉を0.6〜8質量部含有する、請求項1〜3のいずれかに記載の食品組成物。
本発明の食品組成物を米粒状とする(つまり人造米とする)と、これを白米に混ぜて炊飯し食することで、玄米に含まれる栄養成分を簡便に多量に摂取することができる。特に、当該人造米は、炊飯した場合であっても溶解することなく米粒状の造形を保ち、もちもちとした炊飯米のテクスチャーを有する。さらに、外観も玄米とほぼ同等の色合い及び形をするため、消費者にとって抵抗もほとんどない。その上、当該人造米を古米や古々米など、古くて食感及び味が劣化した米に混ぜて炊飯すると、これらの米単独で炊飯したものよりも食感がよく、美味しい炊飯米とすることができる。
以下、本発明について、さらに詳細に説明する。
本発明は、(A)米粉を50質量%以上、(B)グルテンを3〜20質量%、(C)脱脂米糠粉を5〜30質量%含有する食品組成物に係る。また本発明は、特に、米粒状の当該食品組成物(すなわち人造米)に係る。
米粉には、うるち米から製造されるうるち米粉、及びもち米から製造されるもち米粉がある。本発明で用いる米粉は、これら2種を混合した米粉の場合うるち米粉を主に含む米粉が好ましく、うるち米粉のみを用いるのがより好ましい。例えば、うるち米粉を50〜100質量%含む米粉が好ましく、70〜100質量%含む米粉がより好ましく、90〜100質量%含む米粉がさらに好ましい。もち米粉を50質量%より多く含む米粉を用いると、本発明の食品組成物を例えば人造米の形態とし、炊飯を行った場合、当該人造米が溶解してしまうため好ましくない。
また、米粉は、米をそのまま粉としたβ型米粉と、米を加熱してから粉にしたα型米粉とがある。本発明で用いる米粉は、いずれの米粉であってもよく、これら2種を混合して用いてもよいが、β型米粉を主に含むものが好ましい。例えば、β型米粉を50〜100質量%含む米粉が好ましく、70〜100質量%含む米粉がより好ましく、90〜100質量%含む米粉がさらに好ましい。
このような米粉は、常法に従って容易に製造することができる。例えば、ジェットミル、ピンミル、ローラーミル、石臼等を用いて米を粉にして製造することができる。また、このような米粉は各販社より市販されており、これを購入して用いることもできる。
本発明の食品組成物中の米粉の含有量は、通常50質量%以上、より好ましくは60〜90質量%、さらに好ましくは70〜80質量%である。本発明の食品組成物中の米粉の含有量が50質量%より少ないと、当該食品組成物を例えば粒状に成型する等した際、崩壊し易くなる傾向があり、好ましくない。さらには、エクストルーダー等を用いて押出により当該組成物の成型を行う場合、ノズルから押し出し難くなる。
グルテンは、小麦、ライ麦等の穀物の胚乳から生成されるタンパク質であり、小麦タンパク質の一種である。小麦粉等のグルテン前駆体(グリアジン、グルテニン)を含む穀物粉に水を加えると、グリアジンとグルテニンが絡み合ってグルテンができる。グルテニンは弾力性に富むが伸びにくい性質を有するタンパク質であり、グリアジンは弾力性に乏しいが延びやすい性質を有するタンパク質である。このような性質の異なるタンパク質が結びつくと、両方の性質(粘着性と弾性)を適度に兼ね備えたグルテンになる。小麦粉等のグルテン前駆体(グリアジン、グルテニン)を持つ穀物粉に水を加えて十分に捏ねることによりグルテンを生成させ、これを水で洗うと水溶性タンパク質やデンプン粒が流出し、グルテン塊を分離することができる。
例えば、小麦粉中にはタンパク質が約6〜15%含まれ、該タンパク質の約85%が前記グルテン前駆体(グリアジン、グルテニン)である。小麦粉に水を加えて捏ねるとグルテンが生成するが、小麦の種類や品質、加水量、副材料、添加物の種類及び量、捏ね方等によってグルテンの生成量が大きく異なる。米粉及び脱脂米糠粉に前記グルテン前駆体(グリアジン、グルテニン)を含む穀物粉(例えば小麦粉)、水等を加えて混合しても、特に、当該混合物中米粉及び脱脂米糠粉が合わせて50質量%以上含有される場合は、グルテンはほとんど生成せず、米粉及び脱脂米糠粉を主に(50質量%以上)含む食品組成物中のグルテン量は極めて少なくなってしまう。よって、本発明の食品組成物は、あらかじめ生成したグルテンを用いて製造することが好ましい。
本発明の食品組成物を製造するのに用いるグルテンとしては、例えば市販のグルテン粉等を利用できる。例えば、グルテン含量が50質量%以上、好ましくは55質量%以上、より好ましくは60質量%以上の市販品を使用できる。具体的な市販品としては、例えば、グリコ栄養食品株式会社製のA−グルK(グルテン含量75%)、A−グルG(グルテン含量75%)、A−グルWP(グルテン含量80%)、ファイングルVP(グルテン含量60%)が挙げられる。
本発明の食品組成物中のグルテンの含有量は、通常3〜20質量%、好ましくは3.5〜15質量%、より好ましくは5〜10質量%である。グルテンの含有量が3質量%より少ないと、当該食品組成物を米粒状に成型して人造米としたとき、これを炊飯すると溶解しやすくなる。また、グルテンの含有量が20質量%より多くなると、エクストルーダー等を用いて押出により当該組成物の成型を行う場合、ノズルから押し出し難くなる。
脱脂米糠の原料となる米糠は、玄米の果皮、種皮、外胚乳、糊粉層等であり、通常玄米の8〜10質量%程度を占める。米糠は玄米を搗精(精白)して白米を製造する際に副生する。本発明では例えばこのようにして得られる米糠を利用することができる。搗精により得られた米糠(生米糠)には脂質が通常18〜20質量%程度含まれている。生米糠ではリパーゼによる油の酸化が急速に進むため、生米糠にはリパーゼ失活処理を施すことが好ましい。当該失活処理は、一般的には、生米糠を70〜130℃程度で加熱することにより行われており、本発明においても例えばこのような公知のリパーゼ失活処理を適用できる。また、当該加熱処理のために、例えば、クッキング装置、乾式エクストルーダー、湿式エクストルーダー、水蒸気処理装置等を用いることができる。なお、加熱処理された米糠は市販もされており、本発明ではこのような市販品も使用できる。また、加熱処理の前に、生米糠を乾燥処理して水分含量を減らした乾燥米糠(例えば水分含量5〜10質量%程度)を調製する予備乾燥処理を行ってもよい。
脱脂米糠粉を製造する素材である脱脂米糠は、米糠を脱脂処理して得られる。通常、脱脂米糠は、機械的な圧搾法、有機溶媒抽出法、超臨界脱脂法など、公知の方法を用いて製造されている。ただし、脱脂方法が異なれば脱脂効率も異なるため、得られる脱脂米糠に含まれる成分も異なる。本発明に用いる脱脂米糠粉を製造するための脱脂米糠は、圧搾により脱脂された米糠(圧搾脱脂米糠)である。つまり、脱脂米糠粉の中でも、圧搾脱脂米糠粉が本発明に用いるのに好ましい。
例えば、加熱処理された米糠は圧搾されて搾油と絞りかすである脱脂米糠とを生成する。ここで、圧搾により生成する脱脂米糠は、溶媒抽出(特に、ヘキサン等の非極性又は低極性有機溶媒抽出)により脱脂されて生成する脱脂米糠とは異なるものである。有機溶媒抽出の方が搾油よりも油の歩留まりが高いため、米糠の圧搾により得られる脱脂米糠は有機溶媒抽出により得られる脱脂米糠よりも脱脂の程度は低い。溶媒抽出によって脱脂を行うと、米糠油以外の油溶性成分の多くも米糠から除かれる。圧搾処理の方法は公知であり、例えば加熱処理され100〜115℃程度になった米糠を低温連続圧搾機(例えば(株)テクノシグマ社より販売されているミラクルチャンバー)により圧搾する方法が挙げられる。本発明ではこれに限られず公知の圧搾方法を適用できる。圧搾の程度は、圧搾後の脱脂米糠中の脂質が5〜15質量%、好ましくは5〜14質量%、より好ましくは5〜12質量%となる程度である。
脱脂米糠はこれをそのまま、粉砕、分級することにより、ハンドリングが容易な粉末状に(すなわち脱脂米糠粉に)加工処理されて本発明に用いられる。また、米糠油(好ましくは精製米糠油)を脱脂米糠100質量部に対して例えば10〜30質量部程度添加し、均一混合した混合物を、粉砕、分級することにより、粉末状に加工処理して本発明に用いてもよい。これらの粉砕には、例えばハンマーミル、ピンミル、ローラーミル、石臼、ディスクミル等を用いることができる。また、脱脂米糠粉として市販品を利用してもよく、例えば、サンブラン株式会社製の「ハイブレフ」、「ネオハイブレフ」等が好適である。なお、これらの市販品はいずれも圧搾脱脂米糠粉である。
好ましい脱脂米糠粉の粒子の平均粒子径は50〜200μm程度、より好ましくは50〜100μm程度である。なお、本発明において脱脂米糠粉の平均粒子径はメジアン径であり、レーザ回折式粒度分布測定装置SALD−2200(島津製作所)を用い、分散剤は水として、レーザ回折・散乱法により測定した値である。
また、脱脂米糠粉の脂質含量は脱脂の程度によっても異なるが、上述のように米糠油を加えて粉砕するなどして、調節できる。脱脂米糠粉の脂質含量は5〜15質量%程度が好ましく、5〜12質量%程度がより好ましい。
本発明の食品組成物中の脱脂米糠粉の含有量は、通常5〜30質量%、好ましくは10〜25質量%、より好ましくは10〜20質量%である。脱脂米糠粉の含有量が30質量%より多いと、当該組成物を人造米とした場合炊飯時に粒が溶解してしまう。特に押し出し成型を行う場合、押し出し難くなり成型不良を生じやすくなる傾向がある。また、脱脂米糠粉の含有量が5質量%より少ないと、米糠由来の栄養成分が十分に含まれない。特に、当該組成物を人造米とする場合、脱脂米糠粉の含有量が5質量%より少ないと、玄米が有する栄養成分を玄米と同等以上に含有させることが難しいため、栄養の面から好ましくない。
またさらに、本発明の食品組成物に含有されるグルテン及び脱脂米糠粉の量は、グルテン1質量部に対して、脱脂米糠粉が0.6〜8質量部であることが好ましく、1〜4質量部であることがより好ましく、1.3〜2.7質量部であることがさらに好ましい。グルテンの量に比べ、脱脂米糠粉の量が多すぎると、当該組成物を粒状に成型し難くなり、粒状に成型できたとしても崩れやすくなる。特に炊飯時に崩れやすい。さらに、グルテンの量に比べ、脱脂米糠粉の量が少なすぎると、食品組成物を人造米とする場合、炊飯後に豆のようなテクスチャーとなってしまうため好ましくない。
本発明の食品組成物は、本発明の効果を損なわない限りにおいて、その他の成分をさらに含有してもよい。例えば、甘味剤、抗酸化剤、着色剤、調味料、ビタミン類、ミネラル類、香料、色素等の従来公知の食品添加物等、従来食品に添加される他の成分を含んでもよい。ビタミン類としては、例えばトコフェロール類、ビタミンB群、ビタミンD群、ビタミンC等が挙げられる。ミネラル類としては、例えばカルシウム、マグネシウム等が挙げられる。着色剤としては、例えば、パプリカ、リコピン、炭粉、紅芋粉、クチナシ色素、有色野菜粉末、藻類粉末(スピルリナ、クロレラ等)、油溶化処理された色素製剤等が挙げられる。これら他の成分(食品添加物等)の含有量は、特に制限されず目的に応じて適宜設定される。例えば0.01〜10質量%程度、好ましくは0.05〜5質量%程度とすればよい。
また、キビ、アワ、ヒエ、モロコシ、ハトムギ、オオムギ、ソバ、アマランサス、キノア、ゴマ等の穀物類も配合することができる。穀物類を配合する場合は、組成物に対して5質量%以下であることが好ましい。また、これらの穀物類は粉状にしてから配合することが好ましい。また、大豆タンパクや大豆ペプチドを配合してもよい。
本発明の食品組成物は、米粉、グルテン及び脱脂米糠を均一に混合したものであることが好ましい。例えば、これらを攪拌機等により均一に混合したり、必要に応じて、その他の成分や水等を加えて、これらをより均一に混合することが好ましい。これらの原材料を均一に混合して組成物を得ることにより、当該組成物を成型した際の形状維持の点でも優れた効果を発揮する。具体的には、本発明の食品組成物は、例えば、上述した原材料を例えばエクストルーダーに投入し、混合、撹拌(混練)した後所望の形状(例えば米粒状)に吐出させるなどして製造及び造形することができる。投入する原材料には、必要に応じて水を加えてもよい。加える水の量は適宜設定できるが、例えば水以外の材料を100質量部としたとき、好ましくは10〜30質量部程度、より好ましくは15〜20質量部程度の水を加えればよい。具体的には、水以外の原料を全てミキサーに投入して均一に回転混合し、当該混合中に例えばスプレーにて水を適当量噴霧すればよい。
また、エクストルーダーのバレル温度は好ましくは65〜200℃とし、より好ましくは65〜150℃とする。バレル温度が低いとエクストルーダーからの吐出性が悪くなり、生産性が低下するおそれがある。また、200℃を超えると吐出物が焦げるおそれがある。
また、エクストルーダーのスクリュー回転速度は、例えば30〜100r.p.m程度であればよい。また、カッター速度は、組成物の造形に応じて適宜設定すればよく、米粒状に造形する場合は例えば50〜70m/分程度であればよい。
また、エクストルーダーから押出して米粒状に造形した後、乾燥させて人造米とすることが好ましい。乾燥は公知の方法で行うことができる。例えば、連続棚式温風乾燥機を用いることができる。
本発明の食品組成物は、例えば粉状、粒状、板状等に成型して、食品原料(食品素材)とすることができる。また、加工食品とすることができる。具体的には、例えば、米粉、グルテン及び脱脂米糠を均一に混合して粉状又は粒状とし、食品原料(食品素材)として用い得る。例えば、人造米、スナック、あられ、シリアルバー、クッキー、うどん、スパゲッティ等の加工食品の製造に用いることができる。これらの加工食品は、本発明の食品組成物のみから製造されてもよいし、他の成分が加えられていてもよい。
特に制限はされないが、本発明の食品組成物は、米粒状に成型されたものが好ましい。つまり、人造米とすることが好ましい。本発明の食品組成物が人造米である場合は、炊飯前には実質的に水分を含まないものであることが好ましい。例えば本発明の人造米を白米に混ぜて炊飯し食することで、玄米に含まれる栄養成分を簡便に摂取することができる。特に、本発明の人造米は、炊飯した場合であっても溶解することなく米粒状の造形を保ち、もちもちとした炊飯米のテクスチャーを有する。さらに、外観も玄米とほぼ同等の色合い及び形をするため、消費者にとって抵抗もほとんどない。その上、当該人造米を古米や古々米など、古くて食感及び味が劣化した米に混ぜて炊飯すると、これらの米単独で炊飯したものよりも食感がよく、美味しい炊飯米とすることができる。このように、本発明の食品組成物は人造米として、特に炊飯用人造米として、好ましく用いることができる。なお、炊飯時、当該人造米を白米に混ぜる割合は特に制限されず、例えば人造米1質量部に対し白米0.1〜10質量部程度を混合すればよい。また、当該人造米のみで炊飯して食してもよい。
本発明は、上述した本発明の人造米を製造する方法も包含する。具体的には、本発明は、以下の工程(1)〜(3)を有する人造米の製造方法も包含する。
(1)エクストルーダーに少なくとも米粉、グルテン、及び脱脂米糠粉を投入する工程
(2)エクストルーダーバレル温度を65〜150℃に保持して、投入した物を混練する工程
(3)得られた混練物を米粒状に成型する工程
エクストルーダーに投入する米粉、グルテン、脱脂米糠粉については、上述と同様の条件のものを用い得る。また、これら3種の原材料の混合割合についても、上述と同様にすればよい。例えば、水以外の原材料全体において、米粉を50質量%以上、グルテンを3〜20質量%、脱脂米糠粉を5〜30質量%となるように混合すればよい。また、上述したその他の成分をさらに加えてもよい。さらに水を投入する場合は、当該原材料と水との比も上述の条件と同様にすればよい。
エクストルーダーでの混練時温度条件も上述と同様(例えばバレル温度65〜150℃)にすればよい。
エクストルーダーで混練して得た混練物は、適当な公知の方法により米粒状に成型される。例えば、エクストルーダーから米粒状に押出することにより、成型することができる。また、成型後、乾燥させることが好ましい。これらを行う条件も上述と同様でよい。
以下、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の例に限定されるものではない。なお、以下特に断りのない限り%は質量%を示す。また、各実施例及び比較例において、米糠粉末として、圧搾脱脂米糠の粉末であるサンブラン株式会社製のHIGH-BREF(ハイブレフ)を用いた。また、小麦グルテンは、グリコ栄養食品株式会社のA−グルGを使用した。また、他の成分も市販品を使用した。なお、小麦デンプン、コーンスターチ、大豆粉は、人造米を製造する場合によく用いられる原料である。
実施例1〜7及び比較例1〜16
下表1の配合割合(質量%)で各成分を混合し、さらに水を加え、常法に従い、エクストルーダーを使用して造粒し、次いで棚式乾燥機を使用した乾燥工程を経て米飯添加用顆粒(白米の粒と同程度の大きさ)、すなわち人造米を製造した。具体的には、次のようにして行った。表1の処方に従い、水以外の原料(各成分)を全てミキサーに投入し、均一に回転混合させた。当該混合時、スプレーにより水を噴霧した。このようにして得た混合原料を次のエクストルーダー設定条件に従い、米粒型に押し出し成型した。当該米粒型組成物を連続棚式温風乾燥機にて乾燥させ、人造米を得た。得られた人造米は長径が4〜6mm、短径が2〜3mmであった。
〔エクストルーダー設定条件〕
1.バレルゾーン
ATC 1 温度計:65℃
ATC 2 温度計:150℃
ATC 3 温度計:130℃
ATC 4 温度計:65℃
2.スクリュー回転:60r.p.m
3.カッター速度:62.5m/min
4.水分(配合水分率):水以外の原料100質量部に対し、水25質量部を配合
このようにして製造した各例(各人造米)が、炊飯の高温高圧状態に耐えうるかを検討するため、当該人造米の熱水溶解性を評価した。具体的には、各人造米10gに沸騰水100gを加え、90〜100℃に保持し、10分毎にその米粒形状が変化していないかを目視により確認した。粒の体積が、もとの約75%以下の体積にまで減少した人造米粒について溶解したと判断した。そして、人造米の約50%の粒が溶解するまでの時間を計測した。当該時間が10分以上20分より短い場合は「1」、20分以上30分より短い場合は「2」、30分以上40分より短い場合は「3」、40分以上50分より短い場合は「4」、50分以上の場合は「5」、と評価した。結果を表1に併せて示す。なお、炊飯には通常少なくとも30分以上要するため、熱水溶解性は3以上の評価を得ることが好ましい。
また、このようにして製造した各人造米を白米と共に実際に炊飯した。具体的には、各人造米30gと精白米270gを混合し、350gの水を加え、電気炊飯器にて炊飯した。炊飯後、下記基準に基づいて各人造米の炊飯適正を評価した。
<炊飯適正の評価>
〔1〕外観:形状が維持されているか否かを目視で評価した。外観が維持されていない場合、不可と評価した。
〔2〕味:精白米100%で炊飯した場合と比べて、米糠臭が気になる場合、粉っぽい場合、又は異味を感じる場合、不可と評価した。
〔3〕テクスチャー:精白米100%で炊飯した場合に比べて差が感じられる場合は、不可と評価した。
以上〔1〕〜〔3〕において、一項目でも不可と評価された場合、炊飯適正は不適と評価し、そうでない場合に適と評価した。評価結果を表1に併せて示す。
なお、表1において、組成物製造原材料としてグリコ栄養食品株式会社製のA−グルG(グルテン含量75%)を用いているため、各例の組成物のグルテン含有量(質量%)は、
「A−グルG」量×0.75
で求まる。
Figure 0005606124
表1に示されるように、本発明の人造米は、熱水溶解性及び炊飯適正に優れており、炊飯して好適に食することができることが確認できた。つまり、本発明の人造米は、炊飯後も形状及び色が普通の炊飯米と変わらず、炊飯時の食感、味、外観も良好(炊飯米と同等以上)であることが確認できた。このため、本発明の人造米は、炊飯米として好適であり、炊飯して食することで玄米由来の栄養成分を美味しく手軽に多く摂取することができる。

Claims (4)

  1. (A)米粉を50質量%以上
    (B)グルテンを3〜20質量%
    (C)脱脂米糠粉を10〜30質量%
    含有する炊飯時添加用成型食品組成物。
  2. 脱脂米糠粉が、圧搾脱脂米糠粉である、請求項1に記載の食品組成物。
  3. 炊飯時添加用成型食品組成物が人造米である、請求項1又は2に記載の食品組成物。
  4. グルテン1質量部に対し、脱脂米糠粉を0.6〜8質量部含有する、請求項1〜3のいずれかに記載の食品組成物。
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