JP5605996B2 - 耐熱部材用オーステナイト系ステンレス鋼 - Google Patents

耐熱部材用オーステナイト系ステンレス鋼 Download PDF

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本発明は、高温環境下での長期繰り返しにおける耐高温酸化性および高温強度の長期安定性に優れ、例えば、燃料電池、マイクロガスタービン、焼却炉複合発電システム等に用いられる熱交換器等の高温の水蒸気中にて使用される機器、または、自動車エンジンの排ガス経路部材として使用される耐熱部材用オーステナイト系ステンレス鋼に関する。
近年、石油を代表とする化石燃料の枯渇化、CO排出による地球温暖化減少等の問題から、発電システムや駆動システム等のおいて熱エネルギの利用の高効率化が重要視されている。そして、火力発電や原子力発電に代わる新しい発電システムとして、例えば、マイクロガスタービン、固体高分子型燃料電池(PEFC)、固体酸化物型燃料電池(SOFC)溶融炭酸塩型燃料電池(MOFC)および廃棄物発電等のシステムが注目されている。これらマイクロガスタービンや燃料電池等の発電システムや高温の熱源を使用するシステムでは、通常、発電効率やエネルギ効率を向上させるために、熱源から発生する余剰熱や排ガスの廃熱を熱交換器によって有効に利用している。例えば、マイクロガスタービンでは、タービンから出てきた燃焼ガスを熱交換器に送って燃焼器に送り込む圧縮空気を予熱し、タービンの効率を向上させている。
ここで、自動車分野においては、自動車の排ガス規制の強化に伴った排ガス温度の上昇により耐熱性に優れた鋼が必要とされつつある。特にエンジンに隣接したエキゾーストマニホールドやターボチャージャのハウジングは、非常に高温に曝されるため優れた耐高温酸化性および高温強度が要求される。また、エキゾーストマニホールドやターボチャージャのハウジングは、浄化性能の向上を目的として高温で排ガスを排出させるべく、材料の薄肉化が図られている。その結果、使用される材料の温度が上昇するので、高温での強度とともに高温での強度の長時間安定性が必要とされている。
なお、このような熱交換器用や自動車排ガス経路等の耐熱部材用の材料としては、通常、SUS304、SUS316、SUSXM15J1等のオーステナイト系ステンレス鋼が用いられている。
ここで、高温特性が要求される構成材料としては、フェライト系ステンレス鋼やオーステナイト系ステンレス鋼等の耐熱ステンレス鋼が知られている。フェライト系ステンレス鋼は、オーステナイト系ステンレス鋼よりも膨張係数が小さく、酸化スケールの密着性に優れている。しかしながら、熱膨張係数の小さなフェライト系ステンレス鋼は、加熱と冷却との繰り返しに曝される環境下で優れた熱疲労特性を示すものの、オーステナイト系ステンレス鋼よりも高温強度が低いため、高温保持中の耐変形性に劣っている。また、フェライト系ステンレス鋼の中でも多量のAlを含有する鋼種は、酸化スケールの密着性および耐浸炭性に優れているが、加工性、溶接製および靭性に劣るため、熱交換器や排ガス経路部材のような溶接構造体に適用することは困難である。
一方、オーステナイト系ステンレス鋼は、フェライト系ステンレス鋼よりも加工性や溶接性に優れており、溶接構造体への適用は比較的容易である。しかしながら、熱膨張係数が大きいため、フェライト系ステンレス鋼と比較して、酸化スケールの密着性が本質的に劣り、耐高温酸化性に劣っている。
そして、従来から、耐熱部材用の材料として用いるために、耐高温酸化性や耐スケール剥離性を向上させたオーステナイト系ステンレス鋼が知られている。
具体的には、例えば、Siを添加したSUSXM15J1(19Cr−13Ni−3.3Si)およびAISI314(25Cr−20Ni−2Si)や、4.5〜6質量%のAlを含有させたオーステナイト系ステンレス鋼(例えば、特許文献1参照。)や、AlおよびSiを複合添加したオーステナイト系ステンレス鋼(例えば、特許文献2参照。)や、REM(希土類金属)を複合添加したオーステナイト系ステンレス鋼(例えば、特許文献3参照。)等が知られている。また、SiとNとを複合添加して耐高温酸化性および高温強度の両方を向上させたオーステナイト系ステンレス鋼(例えば、特許文献4および特許文献5参照。)等が知られている。
特公昭55−43498号公報(第2−4頁、第1図) 特公昭54−12887号公報(第1−3頁、第1図) 特公昭54−12890号公報(第1−3頁、第1−2図) 特開2006−28546号公報(第3−6頁、図1) 特開平8−319541号公報(第2−4頁、図2)
しかしながら、上述の各オーステナイト系ステンレス鋼では、耐高温酸化性は向上しているものの、高温環境下で使用される材料において重要な高温強度の長期安定性については検討されていない。
したがって、例えば、材料温度が850〜1050℃となる高温環境下で使用される燃料電池、マイクロガスタービン、焼却炉複合発電システム等の熱交換器、高温の水蒸気酸化雰囲気中で使用される機器および自動車エンジンの排ガス経路部材等の耐熱部材として上記の各オーステナイト系ステンレス鋼を用いた場合、高温環境下における長期繰り返しの使用により耐スケール剥離性が低下して耐高温酸化性が悪化するおそれや、高温環境下における長期の使用により高温強度が悪化するおそれが考えられる。
本発明はこのような点に鑑みなされたもので、高温環境下での長期繰り返し使用における耐高温酸化性および高温強度の長期安定性に優れた耐熱部材用オーステナイト系ステンレス鋼を提供することを目的とする。
請求項1に記載された耐熱部材用オーステナイト系ステンレス鋼は、質量%で、C:0.04%以下、Si:1.0〜3.0%、Mn:2.5%以下、P:0.04%以下、S:0.01%以下、Ni:8.0〜15%、Cr:22超え〜26%、N:0.15超え〜0.3%、Nb:0.05〜0.3%以下、REM(無添加を含まず)とY(無添加を含む)とCa(無添加を含む)との合計0.1%以下(無添加を含まず)を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、A値=Cr%+3(Si%)+100(REM%+Ca%)とする(1)式で示されるA値が28以上になりかつB値=100(N%)+5(Nb%)とする(2)式で示されるB値が20以上になるように組成が調製されたものである。
請求項2に記載された耐熱部材用オーステナイト系ステンレス鋼は、請求項1に記載された耐熱部材用オーステナイト系ステンレス鋼において、質量%で、Ti:0.05〜0.5%、Mo:0.05〜0.5%、Cu:0.05〜0.5%、V:0.05〜0.5%、W:0.05〜0.5%、Zr:0.05〜0.5%のうちの少なくともいずれか1つを含有するものである。
請求項3に記載された耐熱部材用オーステナイト系ステンレス鋼は、請求項1または2に記載された耐熱部材用オーステナイト系ステンレス鋼において、質量%で、Mn:0.8%〜2.5%を含有するものである。
請求項4に記載された耐熱部材用オーステナイト系ステンレス鋼は、請求項1ないし3のいずれかに記載の耐熱部材用オーステナイト系ステンレス鋼において、質量%で、REMとYとCaとの合計:0.005〜0.1%を含有するものである。
請求項1に記載された発明によれば、C、Si、Mn、P、S、Ni、Cr、N、Nb、REM、Y、Caを規定した範囲で含有し、A値=Cr%+3(Si%)+100(REM%+Ca%)とする(1)式で示されるA値が28以上になるように組成を調整することにより、高温環境下での長期繰り返し使用における耐高温酸化性を向上でき、かつ、B値=100(N%)+5(Nb%)とする(2)式で示されるB値が20以上になるように組成を調整することにより、高温強度の長期安定性を向上できるので、高温環境下での長期使用における耐高温酸化性および高温強度の長期安定性に優れている。
請求項2に記載された発明によれば、Ti、Mo、Cu、V、W、Zrのうちの少なくともいずれか1つを規定した範囲で含有することにより、高温強度を向上できる。
請求項3に記載された発明によれば、Mnの含有量を0.8〜2.5%にすることにより、Nによる高強度化が容易になるとともに、耐高温酸化性の低下を防止できる。
請求項4に記載された発明によれば、REM、YおよびCaの含有量の合計を0.005〜0.1%にすることにより、耐高温酸化性を向上させて耐スケール剥離性を向上できるとともに、硬質化を防止できる。
本発明の高温環境下での長期繰り返し使用における耐高温酸化性の基準となる減肉率を示すグラフである 同上高温強度の長期安定性の基準である1000℃にて100h時効後の1000℃での0.2%耐力を示すグラフである。
以下、本発明における一実施の形態について詳細に説明する。なお、各元素の含有量は、特に記載しない限り質量%とする。
本実施の形態におけるオーステナイト系ステンレス鋼を構成する各元素について説明する。
C(炭素)は、オーステナイト系ステンレス鋼の高温強度の向上に有効である。しかし、Cを過剰に含有させると、使用中に粒界にてCr炭化物を形成するので、靭性および時効後の高温強度が低下するとともに、耐高温酸化性の向上に有効な固溶Cr量が減少する。そこで、Cの含有量を0.04%以下とする。
Si(ケイ素)は、高温酸化特性の改善に非常に有効である。すなわち、Siの1.0%以上の含有により、850〜1050℃の温度域にてSi濃化皮膜をCr酸化物の内層に形成させ、耐スケール剥離性を向上できる。しかし、Siを過剰に含有すると、σ脆化感受性を高め、使用中にσ脆化を誘発してしまう。そこで、Siの含有量の上限を3%とし、含有量を1〜3%とする。また、好ましい含有量は1.2超え〜2.5%である。
Mn(マンガン)は、オーステナイト安定化元素であり、主として相バランス調整のために含有させる。また、Mn含有量を増大させることで鋼中のNの固溶限が増大し、Nによる高強度化が容易になる。しかし、Mnを過剰に含有させると、耐高温酸化性の低下を招いてしまう。そこで、Mnの含有量の上限を2.5%とする。また、好ましい含有量は0.8超え〜2.5%であり、さらに好ましい含有量は1〜2%である。
P(リン)は、オーステナイト系ステンレス鋼の熱間加工性を損なう元素であり、可能な限り含有量を低減することが好ましい。そこで、Pの含有量を0.04%以下とする。
S(硫黄)は、Pと同様にオーステナイト系ステンレス鋼の熱間加工性を損なう元素である。そして、鋼の製造歩留りを低下させないように、可能な限り含有量を低減することが好ましい。そこで、Sの含有量を0.01%以下とする。
Ni(ニッケル)は、オーステナイト安定化元素であり、主として相バランス調整のために含有させる。しかし、Niを過剰に含有させると、Niは比較的高価なため原料コストが高騰してしまう。そこで、Niの含有量を8〜15%とする。
Crは、高温でのスケール生成を抑制する基本元素であり、22%を超える含有量が必要である。しかし、Crを過剰に含有させると、σ脆化を誘発してしまう。そこで、Crの含有量の上限を26%とし、含有量を22超え〜26%とする。
N(窒素)は、固溶強化により高温強度の向上に有効であり、0.15%を超えるNを含有させることにより、1050℃の高温に曝される場合でも強度が良好である。しかし、Nを過剰に含有させると、Cr窒化物の形成により鋼の靭性を低下させてしまう。そこで、Nの含有量の上限を0.3%とする。
Nb(ニオブ)は、Laves、Nb(C,N)、M(C,N)型炭窒化物を微細分散析出させる作用があり、これによりM23型炭化物の粒界析出を抑制できるため、0.05%以上のNbの含有させることにより、時効後の高温強度の低下を抑制できる。しかし、Nbを過剰に含有させると鋼製造のいずれかの工程または材料昇温時にNb炭窒化物を生成してしまうので、高温強度向上作用の希釈化および靭性の低下を招いてしまう。そこで、Nbの含有量の上限を0.3%とし、含有量を0.05〜0.3%とする。このようにNbの含有量を規制することにより、Nb炭窒化物の焼鈍時点での残存を抑制し、長時間加熱における微細析出による強化を図ることができ、高温強度の長期安定性を向上できる。
Ti(チタン)、V(バナジウム)およびW(タングステン)は、高温強度の向上に有効である。しかし、過剰に含有させると、鋼が硬質化し、また、原料コストも高騰してしまう。そこで、Ti、VおよびWは選択的に含有させることができ、含有させる場合はその各含有量の上限を0.5%とする。また、好ましい含有量は、0.05〜0.5%である。なお、これらTi、VおよびWは、単独で添加しても複合で添加してもよい。
Mo(モリブデン)は、フェライト生成元素であり、高温強度の改善に有効である。しかし、Moを過剰に含有させると、σ脆化を招き、鋼の靭性を損なう。そこで、Moは選択的に含有させることができ、含有させる場合はその含有量の上限を0.5%とする。また、好ましい含有量は0.05〜0.5%である。
Cu(銅)は、オーステナイト生成元素であり、高温強度の向上に有効である。このためオーステナイト相のバランスの調整を兼ねて積極的に含有させることができる。しかし、Cuを過剰に含有させると、耐高温酸化性の低下を招いてしまう。そこで、Cuは選択的に含有させることができ、含有させる場合はその含有量の上限を0.5%とする。また、好ましい含有量は0.03〜0.5%であり、さらに好ましい含有量は0.05〜0.5%である。
Zrは、高温強度の向上に有効であるとともに、微量の添加で耐高温酸化性も改善される。しかし、Zrを過剰に添加すると、σ脆化を招き、鋼の靭性を損なってしまう。そこで、Zrは選択的に含有させることができ、含有させる場合はその含有量の上限を0.5%とする。また、好ましい含有量は0.05〜0.5%である。
REM(希土類金属)、Y(イットリウム)およびCa(カルシウム)は、耐高温酸化性の向上に有効である。しかし、過剰に含有させると、鋼が硬質化し、また、原料コストが高騰してしまう。そこで、REM(無添加を含まず。)、Y(無添加を含む。)およびCa(無添加を含む。)はそれぞれ選択的に含有させることができ、含有させた各元素の含有量の合計を0.1%以下(無添加を含まず。)とする。また、REM、YおよびCaのうち含有させた元素の合計が0.005%以上とすると、耐高温酸化性の向上効果を十分に発揮できるので、好ましい含有量の合計は、0.005〜0.1%である。
なお、他の元素は、故意に含有させないものとする。例えば、0.5%未満のAlの含有や10ppm以下のB(ホウ素)の含有等は許容される。
次に、上述した各元素にて構成されるオーステナイト系ステンレス鋼の耐高温酸化性および高温強度の長期安定性について説明する。
まず、ステンレス鋼では、Cr含有量を多くして耐高温酸化性を向上させる。また、Cr系の保護酸化物皮膜を複合酸化物化させて安定化してステンレス鋼の耐高温酸化性をさらに向上するためにSi、REMおよびCaを添加する。さらに、十分な高温強度を確保するためにNおよびNbを含有させる。
ここで、Nによる高温強度の長期安定性能を有効に作用させるには、Cの含有量を低減させることが有効である。Cの含有量を低減することにより、M23型炭化物の生成を抑制し、Nによる固溶強化を確保できる。
また、Nbの含有量の上限を上述のように規定することにより、CrNbN系析出物の焼鈍時点での残存を抑制し、長時間の加熱における微細析出により、Nbによる高温強度の長期安定性能を有効に作用させる。
そして、A値=Cr%+3(Si%)+100(REM%+Ca%)とする(1)式で示されるA値が28以上となるように組成を調整して、耐高温酸化性の向上に有効な元素であるCr、Si、REMおよびCaの含有量を管理することにより、オーステナイト系ステンレス鋼の耐高温酸化性が向上する。なお、(1)式では、各元素の含有量を代入し、無添加の元素は、0(ゼロ)を代入する。
また、B値=100(N%)+5(Nb%)とする(2)式で示されるB値が20以上になるように組成を調整して、固溶強化により高温強度を向上させる元素であるNおよび長時間加熱における微細析出により高温強度の長期安定性を向上させる元素であるNbの含有量を管理することにより、オーステナイト系ステンレス鋼の高温強度の長期安定性が向上する。なお、(2)式では、各元素の含有量を代入し、無添加の元素は、0(ゼロ)を代入する。
そして、上述したオーステナイト系ステンレス鋼は、規定した各元素の含有量にて、(1)式で示すA値が28以上になるように組成を調整することにより、板厚0.8mmのオーステナイトステンレス鋼において、1050℃、2000サイクルの高温酸化試験での減肉率が20%以下にできる。したがって、設計において加工による減肉と同等の安全率が確保できるので、高温環境下での長期繰り返し使用における耐高温酸化性が良好である。
また、規定した各元素の含有量にて、(2)式で示すB値が20以上になるように組成を調整することにより、1000℃にて100hの時効後の1000℃での0.2%耐力を、50MPa以上にできる。したがって、1000℃にて100hの時効後の1000℃での0.2%耐力が、耐熱部材用の材料として従来適用されることが多いSUS310SやSUSXM15J1の900℃での耐力より高いので、高温強度の長期安定性が良好である。
次に、本発明の実施例について説明する。
表1は、耐高温酸化性試験および高温強度の長期安定性試験に用いたオーステナイト系ステンレス鋼の組成、(1)式のA値および(2)式のB値を示す。
ここで、鋼種No.2、鋼種No.4および鋼種No.5のオーステナイト系ステンレス鋼は、各組成は異なるものの、各元素を規定した範囲内で含有させ、(1)式で示されるA値が28以上であり、かつ、(2)式で示されるB値が20以上となるように組成を調整した本実施例である。
一方、鋼種No.13ないし22のオーステナイトステンレス鋼は、上述した各条件を全て満たしていない比較例である。
Figure 0005605996
表1の各組成のオーステナイト系ステンレス鋼を真空溶解炉にて30kg溶製し、板厚が35mmのスラブに切り出した。これら各オーステナイト系ステンレス鋼のスラブを1230℃で2h加熱した後、板厚4.5mmまで熱延した。この熱延材に1200℃にて焼鈍を施し、板厚0.8mmおよび板厚2.0mmの冷延焼鈍酸洗板を作成した。
そして、板厚0.8mmの各冷圧焼鈍酸洗板にて高温環境下での長期繰り返し使用における耐高温酸化性の評価を行い、板厚2.0mmの冷延焼鈍酸洗板にて高温強度の長期安定性の評価を行った。
高温環境下での長期繰り返し使用における耐高温酸化性の評価は、各オーステナイト系ステンレス鋼の板厚0.8mmの冷延焼鈍板を25×35mmの高温酸化性試験片として切り出し、JIS−Z−2282に準拠して、大気中にて1050℃×5分間加熱後、5分間の空冷を1サイクルとして、2000サイクル繰り返す高温酸化試験を行った。この高温酸化試験の前後において、試験後に最も板厚が減少した箇所の減肉率を求めた。なお、減肉率は次の(3)式により算出する。
(3)式:減肉率=(試験前の板厚−試験後の板厚)/試験前の板厚×100
そして、減肉率が20%以下ものは、設計における加工による減肉と同等の安全率が確保でき、高温環境下での長期繰り返し使用における耐高温酸化性が良好であると評価し、減肉率が20%を超えるものは、高温環境下での長期繰り返しにて耐高温酸化性が悪化していると評価した。
高温強度の長期安定性の評価は、各オーステナイト系ステンレス鋼の板厚2.0mmの冷延焼鈍板から圧延方向と平行方向に切り出したものを高温強度試験片とし、時効特性の把握のため、1000℃×100hの熱処理を施した後、JIS−G−0567に準拠して高温引張試験を1000℃にて行い、高温強度の指標として1000℃における0.2%耐力を求めた。
そして、1000℃における0.2%耐力が50MPa以上のものは、耐熱部材用の材料として従来適用されることが多いSUS310SやSUSXM15J1の900℃での耐力より強度が高く、高温強度の長期安定性が良好であると評価し、1000℃における0.2%耐力が50MPaより低いものは、高温環境下における長期の使用により高温強度が悪化すると評価した。
表2には上記各試験の結果を示す。なお、高温環境下での長期繰り返し使用における耐高温酸化性の評価においては、減肉率が20%以下のものに○を付し、減肉率が20%を超えるものに×を付した。また、高温強度の長期安定性の評価においては、1000℃での0.2%耐力が50MPa以上のものに○を付し、1000℃での0.2%耐力が50MPaより低いものに×を付した。
Figure 0005605996
表2に示すように、本実施例である鋼種No.2、鋼種No.4および鋼種No.5のオーステナイト系ステンレス鋼は、いずれも高温酸化試験後の減肉率が20%以下であり、1050℃での繰り返し加熱において耐スケール剥離性が優れていた。また、1000℃にて100h時効後の0.2%耐力が50MPa以上であり、高温環境下にて長時間曝されても高温強度が優れていた。
したがって、本実施例である鋼種No.2、鋼種No.4および鋼種No.5のオーステナイト系ステンレス鋼は、1050℃域の高温環境下での長期繰り返し使用における耐高温酸化性が良好であり、かつ、高温強度の長期安定性が良好である。
一方、比較例である鋼種No.13〜22のオーステナイト系ステンレス鋼には、高温酸化試験後の減肉率が20%以下であり、かつ、1000℃にて100h時効後の0.2%耐力が50MPa以上のものは無かった。
鋼種No.13および鋼種No.14のオーステナイト系ステンレス鋼は、Siの含有量が低いことにより、(1)式で示されるA値が28より小さく、高温酸化試験後の減肉率が20%を超えた。また、Nの含有量が低いことにより(2)式で示されるB値が20より小さく、1000℃にて100h時効後の1000℃での0.2%耐力が50PMaより低くなった。すなわち、Siによる850〜1050℃の温度域における耐スケール剥離性の向上効果が十分に発揮できないので、高温環境下での長期繰り返し使用における耐高温酸化性が不十分となる。また、Nによる固溶強化による高温強度の向上効果が十分に発揮できないので、高温強度の長期安定性が不十分となる。
鋼種No.15のオーステナイト系ステンレス鋼は、Crの含有量が低いことにより、(1)式で示すA値が28より小さく、高温酸化試験後の減肉率が20%を超えた。すなわち、Crの高温でのスケール生成抑制効果が十分に発揮できないので、高温環境下での長期繰り返し使用における耐高温酸化性が不十分となる。また、NおよびNbの含有量は規定した範囲内であるが(2)式で示されるB値が20より小さい。したがって、1000℃にて100h時効後の1000℃での0.2%耐力が50PMaより低くなり、高温強度の長期安定性が不十分となる。
鋼種No.16〜18のオーステナイト系ステンレス鋼は、Siの含有量が低いことにより、(1)式で示されるA値が28より小さく、高温酸化試験後の減肉率が20%を超えた。すなわち、Siによる850〜1050℃の温度域における耐スケール剥離性の向上効果が十分に発揮できないので、高温環境下での長期繰り返し使用における耐高温酸化性が不十分となる。なお、これらのオーステナイト系ステンレス鋼は(2)式で示されるB値が20以上となるため、1000℃にて100h時効後の1000℃での0.2%耐力は50MPa以上であり、高温強度の長期安定性は良好である。
鋼種No.19のオーステナイト系ステンレス鋼は、Siの含有量が低いため、(1)式で示されるA値が28より小さく、高温酸化試験後の減肉率が20%を超えた。すなわち、高温環境下での長期繰り返し使用における耐高温酸化性が不十分となる。また、Nの含有量が低いため、(2)式で示されるB値が20より小さく、1000℃にて100h時効後の1000℃での0.2%耐力は50MPaより小さい。すなわち、Nによる固溶強化による高温強度の向上効果が十分に発揮できないので、高温強度の長期安定性が不十分となる。
鋼種No.20のオーステナイト系ステンレス鋼は、各元素を規定した範囲内で含有し、(2)式で示されるB値が20以上であり、1000℃にて100h時効後の1000℃での0.2%耐力は50MPa以上であるものの、(1)式で示されるA値が28より小さく、減肉率が20%を超えた。すなわち、高温強度の長期安定性は良好であるものの、高温環境下での長期繰り返し使用における耐高温酸化性が不十分となる。
鋼種No.21のオーステナイト系ステンレス鋼は、各元素を規定した範囲内で含有し、(1)式で示されるA値が28以上であり、高温酸化試験後の減肉率が20%以下であるものの、(2)式で示されるB値が20より小さく、1000℃にて100h時効後の1000℃での0.2%耐力は50MPaより低い。すなわち、高温環境下での長期繰り返し使用における耐高温酸化性が良好であるものの、高温強度の長期安定性が不十分となる。
鋼種No.22のオーステナイト系ステンレス鋼は、各元素を規定した範囲内で含有しているものの、(1)式で示されるA値が28より小さく、高温酸化試験後の減肉率が20%を超え、(2)式で示されるB値が20より小さく、1000℃にて100h時効後の1000℃での0.2%耐力は50MPaより低い。すなわち、高温環境下での長期繰り返し使用における耐高温酸化性および高温強度の長期安定性が不十分となる。
そして、図1に示すように、(1)式で示すA値が28以上のものは、いずれも減肉率が20%以下であり、高温環境下での長期繰り返し使用における耐高温酸化性が良好である。
また、図2に示すように、(2)式で示す値が20以上のものは、いずれも1000℃にて100h時効後の1000℃での0.2%耐力が50MPa以上であり、高温強度の長期安定性が良好である。
したがって、上記各実施例および比較例の結果より、各元素を規定した範囲ないで含有し、(1)式で示すA値が28以上となり、かつ、(2)式で示されるB値が20以上となるように組成を調整することにより、高温酸化性試験後の減肉率が20%以下となり、高温環境下での長期繰り返し使用における耐高温酸化性を向上でき、かつ、1000℃にて100h時効後の1000℃での0.2%耐力は50MPa以上となり、高温強度の長期安定性を向上できる。
本発明は、例えば、燃料電池、マイクロガスタービン、焼却炉複合発電システム等に用いられる熱交換器等の高温の水蒸気中にて使用される機器や自動車エンジンの排ガス経路部材等として使用される耐熱部材に利用することができる。

Claims (4)

  1. 質量%で、C:0.04%以下、Si:1.0〜3.0%、Mn:2.5%以下、P:0.04%以下、S:0.01%以下、Ni:8.0〜15%、Cr:22超え〜26%、N:0.15超え〜0.3%、Nb:0.05〜0.3%以下、REM(無添加を含まず)とY(無添加を含む)とCa(無添加を含む)との合計0.1%以下(無添加を含まず)を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、
    下記(1)式で示されるA値が28以上になりかつ下記(2)式で示されるB値が20以上になるように組成が調製された
    ことを特徴とする耐熱部材用オーステナイト系ステンレス鋼。
    (1)式:A値=Cr%+3(Si%)+100(REM%+Ca%)
    (2)式:B値=100(N%)+5(Nb%)
  2. 質量%で、Ti:0.05〜0.5%、Mo:0.05〜0.5%、Cu:0.05〜0.5%、V:0.05〜0.5%、W:0.05〜0.5%、Zr:0.05〜0.5%のうちの少なくともいずれか1つを含有する
    ことを特徴とする請求項1記載の耐熱部材用オーステナイト系ステンレス鋼。
  3. 質量%で、Mn:0.8〜2.5%を含有する
    ことを特徴とする請求項1または2記載の耐熱部材用オーステナイト系ステンレス鋼。
  4. 質量%で、REMとYとCaとの合計:0.005〜0.1%を含有する
    ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか記載の耐熱部材用オーステナイト系ステンレス鋼。
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