JP2005330501A - エキゾーストマニホールド用オーステナイト系ステンレス鋼 - Google Patents

エキゾーストマニホールド用オーステナイト系ステンレス鋼 Download PDF

Info

Publication number
JP2005330501A
JP2005330501A JP2004147157A JP2004147157A JP2005330501A JP 2005330501 A JP2005330501 A JP 2005330501A JP 2004147157 A JP2004147157 A JP 2004147157A JP 2004147157 A JP2004147157 A JP 2004147157A JP 2005330501 A JP2005330501 A JP 2005330501A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mass
less
steel
exhaust manifold
content
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2004147157A
Other languages
English (en)
Inventor
Manabu Oku
学 奥
Yoshiaki Hori
芳明 堀
Takeo Tomita
壮郎 冨田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Nisshin Co Ltd
Original Assignee
Nisshin Steel Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nisshin Steel Co Ltd filed Critical Nisshin Steel Co Ltd
Priority to JP2004147157A priority Critical patent/JP2005330501A/ja
Publication of JP2005330501A publication Critical patent/JP2005330501A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Exhaust Silencers (AREA)

Abstract

【課題】900〜950℃での長期繰り返し使用において優れた耐スケール剥離性を呈するエキゾーストマニホールド内管に適したステンレス鋼を提供する。
【解決手段】質量%で、C:0.08%以下,Si:1.5〜4%,Mn:2%以下,P:0.04%以下,S:0.01%以下,Ni:9〜15%,Cr:18超え〜22%,N:0.2%以下,Nb:0〜0.3%,Ti:0〜0.5%,Mo:0〜4%,Cu:0〜4%,Al:0〜0.5%未満,REM,Y,Caの合計:0〜0.1%,V:0〜0.5%,W:0〜4%,Zr:0〜4%,残部Feおよび不可避的不純物であり、NおよびNbについては、N:0.08超え〜0.2%,Nb:0.05〜0.3%のうちいずれか一方または両方を満たし、かつCr+0.5Si≧20およびCr+1.5Si≦2を満たすエキゾーストマニホールド用オーステナイト系ステンレス鋼。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車エンジンの排気ガス経路部材であるエキゾーストマニホールド用の鋼であって、特に二重構造のエキゾーストマニホールドの内側を構成する管に好適なオーステナイト系ステンレス鋼に関する。
近年、自動車エンジンおよび排気ガス処理システムには、厳しい排ガス規制をクリアする浄化性能が求められている。排ガス浄化手段としては排ガス経路に触媒コンバーターを設けるのが一般的であるが、エンジン始動直後は浄化装置の温度が低く通常運転時よりも浄化効率が低下するため、このときにできるだけ高効率で作動させることが重要となる。その対策として浄化装置をエキゾーストマニホールド直下に追加設置すること、あるいは燃焼ガス温度そのものを上昇させることなどが有効であり、種々検討されてきたが、これらにも限界がある。
その後、エキゾーストマニホールドを二重構造にする方法が提案され、既に一部で実用化されている。これによると従来の単構造パイプよりも部品単価は高くなるものの、燃焼ガスの保温効果が非常に高いので浄化効率が高まり、断熱材,加熱装置,更なる浄化装置等を付加する必要がなく、部品点数削減によるコスト低減メリットが生じる。
単構造のエキゾーストマニホールドでは加熱・冷却の繰り返しによる熱疲労破壊を避けるために、オーステナイト系よりも熱膨張係数の小さいフェライト系鋼種が使用される。一方、二重構造では、外側の管(外管)はやはり拘束された状態で加熱冷却の繰り返しを受けるため単管と同様にフェライト系鋼種を使用することが望ましい。しかし内側の管(内管)は、肉厚が1mm以下と薄いため外管より一層優れた加工性が要求され、また、材料が拘束されないように設計することが可能であることから、オーステナイト系鋼種を使用する方が有利な場合が多くなる。
エキゾーストマニホールドの内管は排ガスに直接曝されるため、材料温度は排ガスと同程度の800〜1000℃に達する。この温度域で酸化増量の少ない鋼種を使用する必要があるが、例えば代表的なオーステナイト系ステンレス鋼であるSUS304では基本的にこの特性が不十分である。また、一般にオーステナイト系ステンレス鋼は、フェライト系ステンレス鋼よりも酸化スケールの密着性が劣るため、繰り返し加熱冷却における耐スケール剥離性には特に注意を要する。
さらに、エキゾーストマニホールドの内管用材料としては、高温強度,加工性,溶接性に優れることも要求される。すなわち、高温強度については、材料が拘束されないよう設計することで加熱冷却の繰り返しによる熱疲労破壊は回避し得るものの、エンジンの振動による疲労が問題となってくる。このため高温高サイクル疲労特性に優れることが望まれる。加工性については、プレス成形,バルジ成形,フランジ成形など種々の加工が想定されるため、全伸び,均一伸び,および局所変形能に優れることが重要となる。特に穴拡げ加工の場合、加工部の加工硬化が極端に大きいと穴拡げ率が低下するので、耐熱性向上目的で安易に種々の元素を添加することは避けるべきである。溶接性については、TIG溶接,MIG溶接等における溶接割れ感受性の低い材料が好ましい。
耐熱性オーステナイト系鋼種については従来から種々の鋼種が開発されている(特許文献1〜12)。なかでも特許文献12には、エキゾーストマニホールドの内管に適したオーステナイト系ステンレス鋼が提案されている。
特開昭50−18313号公報 特開昭50−93219号公報 特開昭52−109420号公報 特開昭53−149114号公報 特開昭62−192562号公報 特開昭63−38558号公報 特開平5−98395号公報 特開平7−118810号公報 特開平7−188869号公報 特開平8−239737号公報 特開平9−87809号公報 特開2001−98344号公報
特許文献12のエキゾーストマニホールド内管用オーステナイト系ステンレス鋼は排ガス温度800〜1000℃を想定したものであり、特性としては、1000℃で100サイクルの断続加熱において優れた耐酸化特性を呈するものである。また、成形性や溶接性を配慮した成分設計となっている。
しかしながら、昨今では自動車の長期信頼性を向上させる取り組みが各自動車メーカーで行われ、断続加熱に対する耐久性に関しては特許文献12で行っている100サイクル程度の試験では足りず、1000サイクル以上、好ましくは2000サイクルの耐久試験において優れた耐久性、特に耐スケール剥離性を示す性能が望まれるようになってきた。
一方で、車種によって最高排ガス温度は多様化しており、それに応じて、エキゾーストマニホールドに用いる材料にも最適レベルの性能を有するものが求められる。つまり、材料側にも最高排ガス温度に応じて性能の多様化が求められており、性能不足の懸念がある材料や過剰性能を有する材料の使用は従来にも増して許容されなくなってきた。
現状においては、最高排ガス温度900〜950℃で使用するエキゾーストマニホールドの需要が多々あるにもかかわらず、その限られた温度域で二重構造の内管として最適な特性を有する鋼は見当たらない。例えば特許文献12の鋼の場合、1000℃での酸化を抑制する性能をもつが、逆に900〜950℃レベルでの長期耐久性、例えば2000サイクルの繰り返し加熱試験に耐え得る耐久性(特に耐スケール剥離性)について見れば、安定して十分満足できるレベルにあるとは言えない。
本発明は、このような現状に鑑み、材料温度が900〜950℃となるような環境で使用されるエキゾーストマニホールド、特に二重構造の内管に好適な高温強度,耐σ脆化性,長期繰り返しにおける耐スケール剥離性を具備した鋼を開発し提供しようというものである。
本発明で提供する鋼は、質量%で、C:0.08%以下,Si:1.5〜4%,Mn:2%以下,P:0.04%以下,S:0.01%以下,Ni:9〜15%,Cr:18超え〜22%,N:0.2%以下,Nb:0〜0.3%,Ti:0〜0.5%,Mo:0〜4%,Cu:0〜4%,Al:0〜0.5%未満,REM(希土類元素),Y,Caの合計:0〜0.1%,V:0〜0.5%,W:0〜4%,Zr:0〜4%,残部Feおよび不可避的不純物であり、
ただし、NおよびNbについては、N:0.08超え〜0.2%,Nb:0.05〜0.3%のうちいずれか一方または両方を満たし、
かつ、下記(1)式および(2)式を満たすエキゾーストマニホールド用オーステナイト系ステンレス鋼である。
Cr+0.5Si≧20 ……(1)
Cr+1.5Si≦25 ……(2)
ここで、Ti,Mo,Cu,Al,REM,Y,Ca,V,W,Zrは任意添加元素である。元素含有量の下限「0%」は、製鋼段階で行われる通常の分析方法において測定限界以下となる場合である。
(1)式および(2)式の元素記号の箇所には質量%で表された当該元素の含有量が代入される。
また、上記鋼において特に、Nb:0.05〜0.3%,Ti:0.05〜0.5%,Mo:0.1〜4%,Cu:0.1〜4%,V:0.05〜0.5,W:0.1〜4%,Zr:0.1〜4%の1または2以上を満たすものが提供される。
あるいはまた、Al:0.05〜0.5%未満,REM,Y,Caの合計:0.005〜0.1%のうちいずれか一方または両方を満たすものが提供される。
本発明によれば、900〜950℃の温度域で長期間繰り返し使用したときに優れた耐久性、特に優れた耐スケール剥離性を呈する鋼が実現された。この鋼は成形性,高温強度にも優れ、エキゾーストマニホールドの特に二重構造の内管に好適な特性を有する。したがって本発明は、最高排ガス温度が900〜950℃の自動車において、コストメリットの高い鋼材を提供することで、エキゾーストマニホールドの信頼性向上およびコスト低減に寄与するものである。
本発明の鋼は、900〜950℃の温度に曝される二重構造エキゾーストマニホールドの内管に好適な、成形性,高温強度,耐σ脆化性,長期繰り返しにおける耐スケール剥離性を実現すべく、以下のような成分設計を行ったものである。
Cは、オーステナイト系ステンレス鋼の高温強度向上に有効である。しかし、過剰に含有させるとエキゾーストマニホールドとして使用中にCr炭化物を形成して靱性が劣化するとともに、耐高温酸化性の向上に有効な固溶Cr量が減少する。このためC含有量は0.08質量%以下に制限される。好ましいC含有量の範囲は0.02〜0.08質量%である。
Siは、高温酸化特性の改善に非常に有効である。およそ1.5質量%以上の含有により、900〜950℃の温度域でSi濃化皮膜をCr酸化物の内層に形成させ、酸化スケールの密着性を向上させる。しかし、Siの多量添加はσ脆化感受性を高め、使用中にσ脆化を誘発する。このためSi含有量の上限は4%に制限される。より好ましいSi含有量は1.5超え〜3質量%である。
Mnは、オーステナイト安定化元素であり、本発明では主として相バランス調整のために添加される。しかし、過剰なMn添加は耐高温酸化性の低下を招くので2質量%以下に制限される。
Pは、オーステナイト系ステンレス鋼の熱間加工性を損なう元素であり、可能な限り低減することが好ましい。P含有量は0.04質量%以下に制限される。
Sは、Pと同様に、オーステナイト系ステンレス鋼の熱間加工性を損なう元素である。鋼材の製造歩留りを低下させないために、可能な限り低いことが好ましい。S含有量は0.01質量%以下に制限される。
Niは、オーステナイト安定化元素であり、オーステナイトバランス調整のため9〜15質量%含有させる。より好ましいNi含有量は10〜14質量%である。
Crは、高温でのスケール生成を抑制する基本元素であり、本発明では18質量%を超える含有量が必要である。ただし過剰のCr含有はσ脆化を招くので22質量%以下に制限される。
Nは、固溶強化により高温強度の向上に寄与する。950℃まで昇温されるエキゾーストマニホールド内管としては0.08質量%を超えるN含有量を確保することが望ましい。ただ、後述のNb添加によっても高温強度の改善が可能であるため、Nbを所定量含有させる場合は必ずしもNを含有させなくてもよい。Nの過剰添加はCr窒化物の形成により鋼の靱性を低下させるため、N含有量の上限は0.2質量%に制限される。
Nbは、Cr236型炭化物を微細分散析出させる作用があり、これによって高温強度の向上に寄与する。この効果を十分に発揮させるには0.05質量%以上のNb含有が望まれる。しかし、Nbを過剰に添加すると鋼材製造のいずれかの工程または材料昇温時にNb炭窒化物を生成してしまうため、Cr炭化物の微細析出による高温強度向上作用が希釈され、また靱性低下を招くようになる。このため、Nb含有量は0.3質量%以下に制限される。
前述のようにN添加によって高温強度の向上が可能であるため、Nを0.08質量%を超えて含有させる場合は必ずしもNbを含有させる必要はない。具体的には、N:0.08超え〜0.2質量%を含有させる場合は、Nbは無添加または0.3質量%以下の範囲で含有させればよい。N含有量が0.08質量%以下の場合は、Nbを0.05〜0.3質量%の範囲で含有させる必要がある。
本発明では、950℃レベルでの繰り返しの使用に長期間耐え得る優れた耐スケール剥離性を付与することを重要な課題としている。具体的には、後述の実施例で説明する950℃,2000サイクルの高温酸化試験において、板厚0.8mmの材料で減肉率20%未満となるような優れた特性を具備させる。その手法として前述のようにCrおよびSiを含有させる。その一方で、Cr,Si添加のいわば副作用であるσ脆化の問題を解決しなければならない。このため本発明では、耐スケール剥離性と耐σ脆化の兼ね合いでCrおよびSi含有量をコントロールする必要がある。発明者らはこの点を考慮して多くの実験を行ってきた。
その実験結果を図1に例示する。図1は板厚0.8mmまたは2.0mmのCr−6〜11%Niオーステナイト系ステンレス鋼板について、耐スケール剥離性と耐σ脆化に及ぼすSi含有量,Cr含有量の影響を示してある。横軸がSi含有量、縦軸がCr含有量である。耐スケール剥離性は、厚さ0.8mmの鋼板を用いて後述実施例に示す950℃,2000サイクルの条件で試験を行い、減肉率が20%未満のものを良好(○または□)、それ以上のものを不良(●または■)と評価した。耐σ脆化は、厚さ2.0mmの鋼板を用いて950℃,300時間の加熱を行ったのち、JIS Z 2242のVノッチシャルピー衝撃試験を室温にて行い、シャルピー衝撃値が100J/cm2以上のものを良好(○または●)、100J/cm2未満のものを不良(□または■)と評価した。
図1からわかるように、上記の優れた耐スケール剥離性を付与するためにはSi≧1.5,かつCr+0.5Si≧20を満たす必要がある。一方、良好な耐σ脆性を確保するにはCr≦22,Si≦3,かつCr+1.5Si≦25を満たす必要がある。したがって本発明では、CrおよびSiの含有量に関し、それぞれ前記の含有量範囲であって、下記(1)式および(2)式を満足することを要件とする。
Cr+0.5Si≧20 ……(1)
Cr+1.5Si≦25 ……(2)
以上の元素に加え、本発明では以下の元素を選択的に含有させることができる。
Ti,VおよびWは、高温強度の向上に有効である。しかし、多量に添加すると鋼が硬質になり、また原料コストも高くなる。このため添加量の上限は、Ti:0.5質量%以下,V:0.5質量%以下,W:4質量%以下に制限される。好ましい含有量範囲は、Ti:0.05〜0.5質量%,V:0.05〜0.5質量%,W:0.1〜4質量%である。これらは単独で添加しても複合で添加しても構わない。
Moは、フェライト生成元素であり、高温強度の改善に有効である。しかし、過剰のMo添加はσ脆化を招き、鋼の靱性を損なう。このため、Moを添加する場合は4質量%以下の範囲で行う必要がある。好ましいMo含有量範囲は0.1〜4質量%である。
Cuは、オーステナイト生成元素であり、これも高温強度の向上に有効である。このため、オーステナイトバランスの調整を兼ねて積極添加することができる。しかし、Cuの多量添加は耐高温酸化性の低下を招く。したがって、Cuを添加する場合は4質量%以下の範囲で行う必要がある。好ましいCu含有量範囲は0.1〜4質量%の範囲である。
Zrは、高温強度の向上に有効であるとともに、微量の添加で耐高温酸化性も改善する。しかし、多量のZr添加はσ脆化を招き、鋼の靱性を損なう。このためZrを添加する場合は4質量%以下の範囲で行う必要があり、0.1〜4質量%の範囲で含有させることが好ましい。
Alは、耐高温酸化性の向上に有効であり、その効果を十分に発揮させるためには0.05質量%以上の含有量を確保することが望ましい。ただし多量に含有させると鋼が硬質化し、原料コストも高くなる。このため、Alを含有させる場合は0.5質量%未満の範囲で行う必要があり、0.05〜0.5質量%未満の範囲で積極添加することが一層好ましい。
REM,YおよびCaは、耐高温酸化性の向上に有効であり、その効果を十分に発揮させるためにはこれらの元素の1種または2種以上を添加することによりその合計含有量を0.005質量%以上とすることが望ましい。ただし多量に含有させると鋼が硬質化し、原料コストも高くなる。このため、これらの元素の合計含有量は0.1質量%以下に制限される。
なお、REM,YおよびCaの添加については、前記のAl含有量との兼ね合いにより決定することが望ましい。すなわち、Al含有量を0.05〜0.5質量%未満の範囲に確保する場合は、REM,YおよびCaを添加しないか、合計0.1質量%以下の範囲で添加するとよい。Al含有量が0〜0.05質量%未満の場合は、REM,YおよびCaを合計0.005〜0.1質量%の範囲で添加することが望ましい。
Bは、本発明において特に含有させる必要はない。
以上のように成分調整した鋼は、通常のステンレス鋼板製造設備を用いて例えば板厚0.8mm程度の鋼板とし、溶接造管によりエキゾーストマニホールド用の管に成形される。
表1に示す鋼を溶製し、通常のステンレス鋼板製造条件にしたがって、熱間圧延→焼鈍酸洗→冷間圧延→焼鈍酸洗の工程により板厚2.0mmの鋼板を得た。さらに冷間圧延と焼鈍酸洗を行って板厚0.8mmの鋼板を得た。
Figure 2005330501
板厚2.0mmの鋼板から圧延方向に平行方向の高温引張試験片を切り出し、JIS G 0567に準拠して高温引張試験を950℃で行い、高温強度の指標として950℃における0.2%耐力を求めた。また、板厚0.8mmの鋼板から25×35mmの高温酸化試験片を切り出し、JIS Z 2282に準拠して「大気中950℃×10分→5分間の空冷」を1サイクルとする2000サイクル繰り返しの高温酸化試験に供した。高温酸化試験前後の重量変化、および試験後最も板厚が減少した箇所の減肉率を求めた。減肉率は次式により算出される。
減肉率=(試験前板厚−試験後板厚)/試験前板厚×100
また、板厚2.0mmの各鋼板を用いて950℃,300時間の加熱を行ったのち、JIS Z 2242のVノッチシャルピー衝撃試験を室温にて実施し、耐σ脆化を調べた。シャルピー衝撃値が100J/cm2以上のものを耐σ脆性が良好であると判定した。
結果を表2に示す。
Figure 2005330501
表2からわかるように、本発明で規定の化学組成を満たす材料は、2000サイクルの高温酸化試験後の減肉率が20%未満であり、950℃での繰り返し加熱において優れた耐スケール剥離性を呈した。加えて、酸化試験前後の重量変化も少なく、耐σ脆化にも優れていた。高温強度(950℃での0.2%耐力)も十分であった。
これに対し、鋼No.16,17は前記(1)式を満たさないため、また鋼No.18はSi含有量が低すぎるため、これらは耐スケール剥離性に劣った。鋼No.19は前記(2)式を満たさないため、また鋼No.20はSi含有量が高すぎるため、いずれも耐σ脆化に劣った。鋼No.21はN含有量およびNb含有量がともに低すぎるため、高温強度が低かった。なお、鋼No.22は特許文献12の発明鋼に相当する比較鋼であるが、Cr量が低く、前記(1)式を満たさないため、耐スケール剥離性に劣った。
耐スケール剥離性および耐σ脆化に及ぼすSi含有量およびCr含有量の影響を示すグラフ。

Claims (4)

  1. 質量%で、C:0.08%以下,Si:1.5〜4%,Mn:2%以下,P:0.04%以下,S:0.01%以下,Ni:9〜15%,Cr:18超え〜22%,N:0.2%以下,Nb:0〜0.3%,Ti:0〜0.5%,Mo:0〜4%,Cu:0〜4%,Al:0〜0.5%未満,REM,Y,Caの合計:0〜0.1%,V:0〜0.5%,W:0〜4%,Zr:0〜4%,残部Feおよび不可避的不純物であり、
    ただし、NおよびNbについては、N:0.08超え〜0.2%,Nb:0.05〜0.3%のうちいずれか一方または両方を満たし、
    かつ下記(1)式および(2)式を満たすエキゾーストマニホールド用オーステナイト系ステンレス鋼。
    Cr+0.5Si≧20 ……(1)
    Cr+1.5Si≦25 ……(2)
  2. NおよびNbについては、質量%で、N:0.08超え〜0.2%であり、かつNb:0〜0.3%である請求項1に記載のエキゾーストマニホールド用オーステナイト系ステンレス鋼。
  3. 質量%で、Ti:0.05〜0.5%,Mo:0.1〜4%,Cu:0.1〜4%,V:0.05〜0.5,W:0.1〜4%,Zr:0.1〜4%の1または2以上を満たす請求項1に記載のエキゾーストマニホールド用オーステナイト系ステンレス鋼。
  4. 質量%で、Al:0.05〜0.5%未満,REM,Y,Caの合計:0.005〜0.1%のうちいずれか一方または両方を満たす請求項1に記載のエキゾーストマニホールド用オーステナイト系ステンレス鋼。
JP2004147157A 2004-05-18 2004-05-18 エキゾーストマニホールド用オーステナイト系ステンレス鋼 Pending JP2005330501A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004147157A JP2005330501A (ja) 2004-05-18 2004-05-18 エキゾーストマニホールド用オーステナイト系ステンレス鋼

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004147157A JP2005330501A (ja) 2004-05-18 2004-05-18 エキゾーストマニホールド用オーステナイト系ステンレス鋼

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005330501A true JP2005330501A (ja) 2005-12-02

Family

ID=35485371

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004147157A Pending JP2005330501A (ja) 2004-05-18 2004-05-18 エキゾーストマニホールド用オーステナイト系ステンレス鋼

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005330501A (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010202936A (ja) * 2009-03-04 2010-09-16 Nisshin Steel Co Ltd 耐熱部材用オーステナイト系ステンレス鋼
CN101935807A (zh) * 2010-09-10 2011-01-05 钢铁研究总院 一种含稀土钇的节镍型奥氏体耐热不锈钢及其制备方法
JP2015178665A (ja) * 2014-03-19 2015-10-08 日新製鋼株式会社 二重構造エキゾーストマニホールド
JP2015178664A (ja) * 2014-03-19 2015-10-08 日新製鋼株式会社 二重構造エキゾーストマニホールド
JP2017160493A (ja) * 2016-03-09 2017-09-14 日新製鋼株式会社 オーステナイト系ステンレス鋼およびその製造方法
JP2018094620A (ja) * 2016-12-16 2018-06-21 日新製鋼株式会社 拡散接合治具用ステンレス鋼材
CN109468542A (zh) * 2018-12-27 2019-03-15 安徽富凯特材有限公司 一种07Cr25Ni20Si2W奥氏体合金钢材料及其制备方法
CN109554609A (zh) * 2017-09-26 2019-04-02 宝钢不锈钢有限公司 一种表面免起皮的奥氏体耐热钢及其制造方法
WO2021230147A1 (ja) * 2020-05-13 2021-11-18 株式会社ユタカ技研 内燃エンジンの排気触媒装置
JP7445765B2 (ja) 2019-12-19 2024-03-07 ポスコホールディングス インコーポレーティッド 高分子燃料電池分離板用オーステナイト系ステンレス鋼板

Cited By (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010202936A (ja) * 2009-03-04 2010-09-16 Nisshin Steel Co Ltd 耐熱部材用オーステナイト系ステンレス鋼
CN101935807A (zh) * 2010-09-10 2011-01-05 钢铁研究总院 一种含稀土钇的节镍型奥氏体耐热不锈钢及其制备方法
JP2015178665A (ja) * 2014-03-19 2015-10-08 日新製鋼株式会社 二重構造エキゾーストマニホールド
JP2015178664A (ja) * 2014-03-19 2015-10-08 日新製鋼株式会社 二重構造エキゾーストマニホールド
JP2017160493A (ja) * 2016-03-09 2017-09-14 日新製鋼株式会社 オーステナイト系ステンレス鋼およびその製造方法
JP7033847B2 (ja) 2016-12-16 2022-03-11 日鉄ステンレス株式会社 離型部材
JP2018094620A (ja) * 2016-12-16 2018-06-21 日新製鋼株式会社 拡散接合治具用ステンレス鋼材
CN109554609A (zh) * 2017-09-26 2019-04-02 宝钢不锈钢有限公司 一种表面免起皮的奥氏体耐热钢及其制造方法
CN109554609B (zh) * 2017-09-26 2022-03-15 宝钢德盛不锈钢有限公司 一种表面免起皮的奥氏体耐热钢及其制造方法
CN109468542A (zh) * 2018-12-27 2019-03-15 安徽富凯特材有限公司 一种07Cr25Ni20Si2W奥氏体合金钢材料及其制备方法
JP7445765B2 (ja) 2019-12-19 2024-03-07 ポスコホールディングス インコーポレーティッド 高分子燃料電池分離板用オーステナイト系ステンレス鋼板
EP4060074A4 (en) * 2019-12-19 2024-05-01 Posco STAINLESS STEEL FOR POLYMER FUEL CELL SEPARATOR WITH EXCELLENT CORROSION RESISTANCE
JP2021179196A (ja) * 2020-05-13 2021-11-18 株式会社ユタカ技研 内燃エンジンの排気触媒装置
WO2021230147A1 (ja) * 2020-05-13 2021-11-18 株式会社ユタカ技研 内燃エンジンの排気触媒装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6190873B2 (ja) 耐熱オーステナイト系ステンレス鋼板
JP5297630B2 (ja) 耐熱性に優れたフェライト系ステンレス鋼板
JP5387057B2 (ja) 耐熱性と靭性に優れるフェライト系ステンレス鋼
JP5141296B2 (ja) 高温強度と靭性に優れるフェライト系ステンレス鋼
WO2003004714A1 (fr) Acier inoxydable ferritique pour element de debit de gaz d'echappement
JP5540637B2 (ja) 耐熱性に優れるフェライト系ステンレス鋼
WO1991014796A1 (en) Heat-resistant ferritic stainless steel excellent in low-temperature toughness, weldability and heat resistance
JP5012243B2 (ja) 高温強度、耐熱性および加工性に優れるフェライト系ステンレス鋼
JP2012012674A (ja) 耐酸化性および二次加工性に優れたフェライト系ステンレス鋼
JP2000297355A (ja) 自動車排気系部品用フェライト系ステンレス鋼
JP2009197307A (ja) 高温強度、耐水蒸気酸化性および加工性に優れるフェライト系ステンレス鋼
JP4309140B2 (ja) 自動車排気系機器用フェライト系ステンレス鋼
JP2005330501A (ja) エキゾーストマニホールド用オーステナイト系ステンレス鋼
JP2000303149A (ja) 自動車排気系部品用フェライト系ステンレス鋼
JP4403029B2 (ja) 二重構造エキゾーストマニホールドの内側用オーステナイト系ステンレス鋼
JP2006037176A (ja) エキゾーストマニホールド用フェライト系ステンレス鋼
JP4173611B2 (ja) 二重構造エキゾーストマニホールドの内管用オーステナイト系ステンレス鋼
JP5786491B2 (ja) Egrクーラー用フェライト系ステンレス鋼
JP2009235570A (ja) 耐熱性と溶接性に優れるフェライト系ステンレス鋼
JP5239642B2 (ja) 熱疲労特性、高温疲労特性および耐酸化性に優れるフェライト系ステンレス鋼
JP4403033B2 (ja) エキゾーストマニホールド用オーステナイト系ステンレス鋼
JP4309293B2 (ja) 自動車排気系部材用フェライト系ステンレス鋼
JP5796398B2 (ja) 熱疲労特性と高温疲労特性に優れたフェライト系ステンレス鋼
JP2009235572A (ja) 耐熱性と形状凍結性に優れるフェライト系ステンレス鋼
JP5428397B2 (ja) 耐熱性と加工性に優れるフェライト系ステンレス鋼

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Effective date: 20070508

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090528

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090602

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090801

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20090908