JP5605594B2 - 伸線材用鋳造材の製造方法、伸線材の製造方法、撚り線の製造方法、および同軸ケーブルの製造方法 - Google Patents
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[準備工程]…Cu材およびAg材を用意する。
[分離工程]…Cu材およびAg材を高純度カーボン製の坩堝で溶解させて溶湯を得ると共に、CuとAgとの混合物の融点以上に溶湯を30分以上保持し、溶湯の表面に不純物を分離させる。
[鋳造工程]…高純度カーボン製の鋳型を使用して、溶湯から伸線材用鋳造材を得る。
[検査工程]…伸線材用鋳造材の一部を酸で溶解した後、孔径0.2μmのフィルターで濾過したとき、フィルターに回収される残渣物に含まれるAl量およびSi量がそれぞれ、溶解させた伸線材用鋳造材に対して1質量ppm以下であることを確認する。
最初に本発明の実施形態の内容を列挙して説明する。
[準備工程]…Cu材およびAg材を用意する。
[分離工程]…Cu材およびAg材を高純度カーボン製の坩堝で溶解させて溶湯を得ると共に、CuとAgとの混合物の融点以上に溶湯を30分以上保持し、溶湯の表面に不純物を分離させる。
[鋳造工程]…高純度カーボン製の鋳型を使用して、溶湯から伸線材用鋳造材を得る。
[検査工程]…伸線材用鋳造材の一部を酸で溶解した後、孔径0.2μmのフィルターで濾過したとき、フィルターに回収される残渣物に含まれるAl量およびSi量がそれぞれ、溶解させた伸線材用鋳造材に対して1質量ppm以下であることを確認する。
本発明の実施形態に係る伸線材用鋳造材の製造方法、および伸線材の製造方法について説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内の全ての変更が含まれることを意図する。
伸線材用鋳造材の製造方法は、準備工程と、分離工程と、鋳造工程と、検査工程と、を備える。以下、各工程を詳細に説明する。
準備工程では、Cu材およびAg材を用意する。その準備工程では、伸線材用鋳造材中にできるだけ異物が混入しないようにするため、伸線材用鋳造材の原料であるCu材およびAg材をフォーナインクラス(純度99.99%以上)以上とすることが好ましい。
分離工程では、まずCu材およびAg材を高純度カーボン製の坩堝で溶解させ、溶湯を得る。具体的には、坩堝で溶解させたCu材中に、Ag材を投入することで溶湯を得ることができる。溶湯におけるAgの含有量を0.5質量%以上、15.0質量%以下とする。ここで、溶湯を得る際に溶湯に異物が混入することを抑制するために、溶湯を作製する坩堝に含まれる不純物量は、20質量ppm以下とすることが好ましく、5質量ppm以下とすることがより好ましい。
鋳造工程では、分離工程を経た溶湯を鋳造して伸線材用鋳造材を得る。その鋳造にあたって、伸線材用鋳造材に異物が混入されないように、高純度カーボン製の鋳型を使用する。その鋳型の不純物量は、20質量ppm以下とすることが好ましく、5質量ppm以下とすることがより好ましい。
検査工程では、まず伸線材用鋳造材の一部をサンプルとして取得する。サンプル量は、おおよそ100g以上、200g以下であれば十分である。
実施形態の伸線材の製造方法は、上記伸線材用鋳造材の製造方法で得られた伸線材用鋳造材を伸線することで、伸線材を得る。
本試験例では、Cu−Ag合金からなる複数の伸線材用鋳造材を製造し、伸線材用鋳造材における異物混入量の評価を行った。そして、この伸線材用鋳造材を使用して実際に極細の線状体を作製した。
(試料1)
まず、純度99.99%以上の電気銅(Cu材)を酸洗して、その表面に付着した異物を除去した後、この酸洗した電気銅を高純度カーボン製の坩堝に投入し、連続鋳造装置内で真空溶解させた。電気銅(Cu材)が完全に溶解した後、装置のチャンバー内をアルゴンガスに置換して、純度99.99%以上の銀粒(Ag材)を高純度カーボン製の坩堝に投入し、CuとAgが溶解した溶湯を作製した。このとき、溶湯におけるAgの含有量は、0.6質量%となるように調整した。
試料2として、試料1とはAgの含有量が異なる伸線材用鋳造材を作製した。伸線材用鋳造材におけるAg含有量の調節は、坩堝内への銀粒の投入量を調節することで行った。この銀粒の投入量以外は、試料1と同様である。
試料3として、溶湯の作製時に異物の分離操作を行わなかった伸線材用鋳造材を作製した。具体的には、坩堝内への銀粒の投入後、CuとAgとの混合物の融点以上の温度で一定時間保持することを行わず、銀粒が溶解したのを確認した後、伸線材用鋳造材の作製を行った。この操作以外は、試料1と同様である。
試料4として、CuとAgとの混合物の融点以上の温度で20分間保持し、溶湯中に浮かせた不純物を分離する操作を行った伸線材用鋳造材を作製した。この保持時間以外は、試料1と同様である。
上述のようにして作製した伸線材用鋳造材(試料1〜4)をそれぞれ200gだけ取り分け、6.4mol以上の硝酸を含む水溶液に溶解させ、この溶液を孔径0.2μmのフィルターで濾過した。フィルターに回収された残渣物は、白金坩堝内にて乾燥し、フィルターを灰化した後、融剤を加えて溶融し、ガラス状物質とした。このガラス状物質を、塩酸を含む水溶液に溶解させた。伸線材用鋳造材の溶解からガラス状物質の溶解までの作業は、クリーンブース内で実施した。そして、ガラス状物質が溶解した溶液を誘導結合プラズマ(ICP)発光分光分析にかけてSi量とAl量を定量した。各試料のSi含有量(質量ppm)とAl含有量(質量ppm)を後段の表1に示す。
線径φ8mmの伸線材用鋳造材(Cu−Ag鋳造材)である試料1〜4を、伸線ダイスを用いて線径φ0.025mmまで伸線したときに断線が生じるかを調べることで伸線材用鋳造材の伸線性を評価した。
次いで、伸線性に優れる試料1および2を伸線して得られた伸線材について導電率と引張強さを測定したところ、試料1の伸線材は、導電率が85%IACS、引張強さが900MPa、試料2の伸線材は、導電率が70%IACS、引張強さが1200MPaであった。
Claims (7)
- Agを0.5質量%以上15.0質量%以下含有し、残部がCu及び不可避的不純物からなる伸線材用鋳造材を作製する伸線材用鋳造材の製造方法であって、
Cu材およびAg材を用意する準備工程と、
前記Cu材および前記Ag材を高純度カーボン製の坩堝で溶解させて溶湯を得ると共に、CuとAgとの混合物の融点以上に前記溶湯を30分以上保持し、前記溶湯の表面に不純物を分離させる分離工程と、
高純度カーボン製の鋳型を使用して、前記溶湯から伸線材用鋳造材を得る鋳造工程と、
前記伸線材用鋳造材の一部を酸で溶解した後、孔径0.2μmのフィルターで濾過したとき、フィルターに回収される残渣物に含まれるAl量およびSi量がそれぞれ、溶解させた伸線材用鋳造材に対して1質量ppm以下であることを確認する検査工程と、
前記伸線材用鋳造材に対するAl量またはSi量が1質量ppm超であれば、その伸線材用鋳造材を伸線前に除外する工程と、
を備える伸線材用鋳造材の製造方法。 - 前記準備工程において、前記Cu材の表面を酸洗する請求項1に記載の伸線材用鋳造材の製造方法。
- 前記Cu材の純度、および前記Ag材の純度が、99.99%以上である請求項1または請求項2に記載の伸線材用鋳造材の製造方法。
- 前記坩堝に含まれる不純物量、および前記鋳型に含まれる不純物量が、20質量ppm以下である請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の伸線材用鋳造材の製造方法。
- 請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の伸線材用鋳造材の製造方法で得られた伸線材用鋳造材を伸線して伸線材を得る伸線材の製造方法。
- 請求項5に記載の伸線材の製造方法で得られた伸線材を複数撚り合わせて撚り線を得る撚り線の製造方法。
- 請求項6に記載の撚り線の製造方法で得られた撚り線を中心導体として同軸ケーブルを得る同軸ケーブルの製造方法。
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