JP5604801B2 - 土壌固化材および土壌固化方法 - Google Patents

土壌固化材および土壌固化方法 Download PDF

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Description

本発明は、土質改良材の一種である土壌固化材と、それを使用した土壌固化方法に関する。詳しくは、軟弱な土壌に添加してその強度を高めるように土壌を固化し、かつ、添加に伴う土壌のpHの上昇を抑制して、土壌が強いアルカリ性になることが引き起こす、生態系への悪影響を防ぐ土壌固化材と、それを使用して土壌を固化する方法に関する。
軟弱な地盤を強化し、安定化する方法として、土壌に対して固化材を添加して撹拌混合し、固化処理することが行なわれている。この目的で使用する固化材としては、まず生石灰やポルトランドセメントが挙げられるが、いずれの場合も、固化処理した土壌のpHが12前後に上昇し、強アルカリ性となる。このような強アルカリ性となった土壌に雨水や地下水が滲透したとき、そこからの滲出水も当然に強アルカリ性となるから、周辺の環境や植生に対して悪影響を及ぼす懸念がある。
固化処理の対象となる土壌中に有害な重金属イオンが含まれていた場合には、それが強アルカリ性の滲出水に溶出することがあるから、それを防止する不溶化処理も、固化処理と同時に行なう必要がある。多くの重金属イオンは、高いpHにおいて不溶性の水酸化物となって、溶出が避けられる。しかし、鉛などの両性金属の場合は、pHが低くても高くても、溶出する危険がある。したがって、そのような場合は、生石灰やポルトランドセメントによる固化処理は適切でない。したがって、土壌のpHの上昇を避けて固化を行なう、いわゆる「中性土壌固化材」の登場が切に希望されている。しかし、中性に近いpHで実現できる固化は、処理した土壌の強度が低く、実際の要求にこたえられないことが多い。つまり、処理土壌の低pHと高い強度とは、従来は両立困難とされていた。
この問題を解決する策として、生石灰すなわち酸化カルシウムに代えて酸化マグネシウムを使用することや、pHを高くしない固化剤である石膏を選択することが考えられ、両者を組み合わせて使用する「軟弱土の改良方法」が提案された(特許文献1)。酸化マグネシウムと硫酸塩の併用は、石膏に限らず、硫酸マグネシウムその他の硫酸塩についても試みられ、酸化マグネシウム100重量部に対して硫酸塩0.5〜30重量部を加えた「土壌固化材」が開発された(特許文献2)。そこでは、アルカリ土類金属の硫酸塩は、酸化マグネシウムの水和促進剤として作用すると説明されている。しかし、酸化マグネシウムと硫酸マグネシウムとの組み合わせは、オキシサルフェートセメントとして既知であり、このセメントは耐水性が低いので、土壌固化材としての高い性能は期待できない。
その後に提案された「土壌固化材」(特許文献3)は、酸化マグネシウム、酸化カルシウムおよび軽焼ドロマイトから選んだ1種または2種以上のアルカリ性材料20〜60質量%、マグネシウムおよび(または)カルシウムの硫酸塩を硫酸根に換算して3〜35質量%、炭酸カルシウム30〜60質量%からなるものである。ここでは、硫酸マグネシウムを用いる場合も、もっぱら硫酸根の供給源として利用されているため、結晶水の量については配慮がない。
微細な粒子(粒子径1〜15μm)の酸化マグネシウムを主成分とすることが特徴である「土壌固化材」も開示された(特許文献4)。この土壌固化材は、酸化マグネシウム20〜60質量%、マグネシウム、カルシウムおよび(または)アルミニウムの硫酸塩1〜50質量%、炭酸カルシウム10〜60質量%からなるものであるが、この100質量部に対して、生石灰および(または)軽焼ドロマイトを1〜90質量部の割合で加えたものも、あわせて提案されている。
さらに、より微細(平均粒子径1〜5μmで、10μmを超えるものが10体積%以下)で、見かけ密度が0.3〜0.8g/cmの酸化マグネシウムを使用する土壌固化材がある(特許文献5)。これも、酸化マグネシウムに、上記の硫酸塩1〜50質量%および炭酸カルシウム10〜60質量%を配合した組成を有する。酸化マグネシウムを主成分とする土壌固化材は、地盤の強度を高め、pHの上昇を抑制する上で効果的であるが、微粒子であるほど、その製造やハンドリングに困難が生じること、とくに発塵性が高くなることが欠点である。
特許第3756884号 特許第4225560号 特開2005−350636 特開2007−161838 特開2007−161839
これらの従来技術において使用が試みられた酸化マグネシウムや石膏を含有する土壌固化材は、石灰系の土壌固化材にくらべて、たしかにpHを高める度合は緩和されているが、土壌の含水比を低減させる効果が低く、また反応が遅いため、固化した土壌の初期強度の発現が悪いという欠点がある。
本発明の目的は、土壌の固化処理に使用したとき、引き起こされるpHの上昇の程度が低く、しかも固化した土壌の強度が短期間で速やかに発現するとともに、望ましい高い値に到達するような土壌の固化材を提供することにある。その固化材を使用して土壌の固化処理を行なう方法を提供することも、本発明の目的に含まれる。
本発明の土壌固化材は、軽焼ドロマイト(JISR9001号に規定する特号または1号の軽焼ドロマイト)80〜20重量部と硫酸マグネシウムの無水塩ないし三水塩20〜80重量部とからなる。両者の比率は、後記する作用機構から理解されるように、軽焼ドロマイトがもつ強アルカリとしての強力な土壌固化作用とくに初期強度の発現と、それに伴うpHの上昇を適度に抑えながら、固化を側面から助けるという硫酸マグネシウムの作用とのバランスを図って定めたものである。
本発明の土壌の固化方法は、軟弱な土壌に対して、上記の土壌固化材を、湿潤土壌1mあたり50〜200kg混合することからなる。いうまでもないが、50kgに満たない使用量では効果が不足であるし、200kgを超える使用は不経済である。
本発明の土壌固化材を使用して土壌の固化処理を行なえば、処理された土壌が示すpHは、10前後の低い値に止まる。軽焼ドロマイトは、土壌の固化処理に使用したときに生石灰と同等の含水比低減効果を有し、固化した土壌の初期強度の発現が速やかである点ですぐれた固化材であることが知られている。JISR9001には、軽焼ドロマイトの成分規格として、「MgO:20%以上、CaO+MgO:90%以上」という値が定められているが、このような成分の軽焼ドロマイトで土壌の固化処理を行なうと、pHは12を超える高い値になってしまう。これは、軽焼ドロマイトの水和反応によって生じたCa(OH)が、高いアルカリ性を有するからである。
本発明に従って、軽焼ドロマイトと硫酸マグネシウムを組み合わせて土壌固化に用いることにより、硫酸マグネシウムが無水塩の場合の式であらわせば、
Ca(OH)+MgSO+2HO=CaSO・2HO+Mg(OH)
の反応が起こり、Ca(OH)をCaSO・2HOに変えることができるから、pHの上昇を緩和することができる。CaSOもMg(OH)も、水中で中性ないし弱アルカリ性である。Ca(OH)として固定された土壌中の水分は、上記反応が起こっても復水することなく、CaSO・2HOやMg(OH)として固定される。軽焼ドロマイト中のMgOは、上記の反応に関与しないが、そのままの形で土壌の改良効果を発揮する。前掲の参考文献1に開示されているように、CaSO・2HOやMgOないしMg(OH)は、土壌固化作用を有し、その使用により長期強度が高く得られる。このように、本発明は、軽焼ドロマイトが示す高い初期強度発現効果を維持しつつ、酸化マグネシウム+石膏系の固化材のもつ長期強度向上効果をあわせ備えている。
本発明で使用する軽焼ドロマイトは、JISR9001に規定する1号以上のもの、すなわち、特号または1号の規格を満たすものである。好ましくは、活性度(日本石灰協会標準試験方法2006.12.2における粗粒滴定試験により測定)が10分値で280mL以上であるものを使用する。活性度が高ければ、反応性が高く、したがって初期強度の発現が速やかである。活性度300mL以上であれば、より好ましい。このような軽焼ドロマイトは、焼成技術の観点からいえば、軟焼ないし軽焼と呼ばれる仕上がりのものである。
硫酸マグネシウムは、無水塩または一水塩を使用するが、最も好適なのは無水塩であり、つぎが一水塩である。よく知られているように、硫酸マグネシウムの結晶水の量はきわめて多種類に及ぶが、安定なものは無水塩、一水塩のつぎは七水塩、十二水塩などになる。後記する実施例に見るように、七水塩以上は発明の効果が得にくい。容易に理解されるとおり、多量の結晶水を含むものは添加量の中に占める硫酸マグネシウムの割合が低下して不利であるし、土壌中の含水率を高めてしまう点でも不適当であって、固化体の強度を高めるという狙いが達成できなくなるから、無水塩または一水塩を使用するわけである。一水塩としては、海塩から採取したもののほかに、天然に産出するキーゼライトが使用できる。
固化した土壌の強度が速やかに発現することを所望する場合は、軽焼ドロマイトと硫酸マグネシウムとからなる土壌固化剤100重量部に対して、酸化マグネシウム250重量部以下、好適には40〜100重量部を添加するとよい。併用の効果は、おおよそ40重量部以上の添加で顕著になるが、あまり多量であると、反応が遅くなり強度の発現が遅れるという問題が出てくるから、250重量部以下の量を選ぶ。酸化マグネシウムそれ自体は、土壌に混合したときに土壌のpHを上昇させることはないが、単独で添加しても、強度の発現が遅くて実用的ではない。しかし、軽焼ドロマイトと硫酸マグネシウムとからなる土壌固化剤に併用することによって、強度が速やかに発現する。酸化マグネシウムは、海塩から採取したもののほか、天然の鉱物であるマグネサイトすなわちMgCO、ブルーサイトMg(OH)を焼成して酸化物としたものが使用できる。
本発明の土壌固化材は、軽焼ドロマイトと硫酸マグネシウムの無水塩または一水塩とを、上記した割合で、すなわち重量比にして20〜80:80〜20であらかじめ配合したものを使用するのが、通常は好都合であるが、そのほかの使用態様も可能である。たとえば、土壌にあらかじめ軽焼ドロマイトを混合しておき、ついで硫酸マグネシウムの無水塩または一水塩を混合することにより、土壌中における混合割合が、軽焼ドロマイト80〜20重量部対硫酸マグネシウムの無水塩または一水塩20〜80重量部となるようにし、かつ、両者の合計量が湿潤土壌1mあたり50〜200kgとなるようにする、という使用法もある。酸化マグネシウムを併用する場合の使用の順序に関しても、同様のことがいえる。
本発明の土壌固化材の粒度は、土壌に添加したときの反応性の観点からは微細であることが望ましく、一方、ハンドリングの都合からいえば、あまり微細であることは好ましくない。通常は、大きくとも径5mm以下に調整すべきであり、径1mm以下で、微細粉末を含まないものが好適である。
[材 料]
使用した軽焼ドロマイト、生石灰および酸化マグネシウムの分析値を表1に示す。軽焼ドロマイトおよび生石灰は、ともに栃木県葛生産の石灰石およびドロマイトを焼成して、粉砕・分級し、0.212mmのフルイを通過したものを使用した。酸化マグネシウムは、中国産のマグネサイトを焼成したものである。硫酸マグネシウムの無水塩および七水塩は試薬特級(関東化学(株)製)を、一水塩はキーゼライト(住商アグリビジネス)を、それぞれ使用した。
表1
Figure 0005604801
[対象土壌]
下記の表2に示す2種を使用した。ロームAは、環境庁告示46号に定める溶出試験により、溶出液1リットル中に1.7mg/Lの鉛イオンが検出された。これは土壌中の鉛の環境基準値0.01mg/Lを大幅に超える値である。
表2
Figure 0005604801
前記の原料を、下の表3に示す割合(重量%)で混合して土壌固化材を製造し、湿潤土1mに対して200kgの割合となるように添加し、撹拌混合した。
表3 重量部
Figure 0005604801
[試験方法]
固化材を添加した土壌を、内径50mm、高さ100mmの円筒形のモールドに詰め、重さ1.5kgのランマーを用いて、1層目10回、2層目25回、3層目25回、4層目40回の締め固めを行なって円柱状の供試体を用意した。各供試体を20℃×80%RHの恒温恒湿室に6日間放置する気中養生を行なった後、第7日に、一日中水に浸す処理をした。養生後の供試体について、JISA1216に定める方法で一軸圧縮強度を測定して固化処理が与えた効果を調べ、水に浸して生じた土懸濁液のpHを、地盤工学会JGS−0211に定める方法に従って測定した。溶出試験は、気中養生後の供試体をほぐして、環境庁告示46号の溶出試験を行なって、鉛の溶出量を測定した。それらの結果を、表4に掲げる。
表4 n=3の平均値
Figure 0005604801
水中で崩壊したため。
土壌としてロームAを対象にした比較例1〜3および実施例1〜3についてみると、軽焼ドロマイト単独の比較例1では、一軸圧縮強度は高く得られるものの、pHが12.4に達している。比較例2は、軽焼ドロマイトの代りに生石灰を用いた例であるが、気中養生中に供試体表面に多数の亀裂が生じ、水に浸したところ崩壊してしまった。この理由は、生石灰と硫酸マグネシウムとが反応して二水石膏CaSO・2HOが生成したときに膨張が起こったためと考えられる。軽焼ドロマイトに硫酸マグネシウム七水塩を用いた比較例3も、pHは11.2と高く、一軸圧縮強度も65kN/m2と低い。比較例の表には記載しなかったが、七水塩を80重量部以上(したがって軽焼ドロマイトは20重量部以下)用いた場合も実験したところ、pHを10以下にすることはできたが、一軸圧縮強度は、未処理の場合と違わない程度まで低くなってしまった。
これに対して、軽焼ドロマイトに硫酸マグネシウム無水塩を用いた実施例1および2は、一軸圧縮強度およびpHが、それぞれ393および331kN/m2、10.9および9.4と好ましい値になっている。軽焼ドロマイトに硫酸マグネシウム一水塩(キーゼライト)を用いた実施例3は、pH低減効果を損なうことなく実用可能な土壌改良効果を収めることができた。
同様の相違は、土壌ロームBを固化処理した実施例4,5および比較例4,5についても見られる。実施例4は、一軸圧縮強度370kN/m2およびpH10.3が、よくバランスしている。固化材中に硫酸マグネシウム無水塩を60%使用した実施例5は、pHが、比較例4の12.6に対して9.6と低いにもかかわらず、一軸圧縮強度は、比較例4の軽焼ドロマイトを単独で使用した場合の371kN/m2とほぼ同等の、366kN/m2を示した。比較例5は、硫酸マグネシウムは無水塩であるが、生石灰だけで軽焼ドロマイトを含まない固化材を使用したため、比較例3と同様に、水に浸している間に崩壊してしまった。pHも、実施例5より高いあたいであった。
参考例
上記の土壌固化材の原料とした軽焼ドロマイトと硫酸マグネシウム無水塩とを重量比5:5で混合し、少量の水を添加して混練後1週間、恒温恒湿室内に放置した。混合物は加水後、直ちに発熱反応を伴いながら吸水し、徐々に固化して行った。得られた固化体のX線回折チャートを図1(上段)に示す。チャートから、CaSO・2HO,Mg(OH)、CaSO・0.76HOの生成が確認された。このうち、最後のものは、CaSO・0.5HOがCaSO・2HOに変化する過程で生成する物質であって、養生が進むと消滅する。
実施例2において一軸圧縮強度を測定した後の供試体を乾燥したものについても、X線回折分析を行なった。得られたチャートを、図1(下段)にあわせて示す。土壌中に含まれるハロイサイト、クオーツ、アルバイト以外に、前記した3成分の生成が確認されており、この結果から、本発明の軽焼ドロマイト+硫酸マグネシウム無水塩の系である土壌固化材の固化メカニズムが立証される。
軽焼ドロマイト+硫酸マグネシウム無水塩または一水塩に酸化マグネシウムを併用した場合について、上記したところと同じ試験を行なった。配合の割合を表5に、一軸圧縮強度および土懸濁液のpHを表6に、それぞれ示す。
表5 重量部
Figure 0005604801
表6
Figure 0005604801
軽焼ドロマイト+硫酸マグネシウム無水塩+酸化マグネシウムの実施例6〜9の場合は、pH9.6程度で、少なくとも340kN/m2の強度が得られている。硫酸マグネシウムとして一水塩を使用した実施例10および11は、無水塩を使用した場合に比べると、含まれている水の量がマイナスに作用しているが、酸化マグネシウムの併用で無水塩を添加した場合と同様の効果が得られている。
改良の対象として、前記の「ロームA」をとり、鉛の固定化の程度を調べるため、実施例1〜3および比較例1〜3について、鉛の溶出試験を行なった。表7に、土壌改良材の組成を再掲するとともに、それぞれの場合の鉛の溶出量を示す。
表7 重量部
Figure 0005604801
* 環境基準は0.01mg/L 0.005mg/Lは定量分析の限界値
軽焼ドロマイトを単独で使用した比較例1と、硫酸マグネシウム七水塩を用いた比較例3の場合は、環境基準値である0.01mg/Lを下回ることができなかったが、実施例1〜3では、鉛の溶出を実質上抑制し、環境基準を守ることができた。
軽焼ドロマイト+硫酸マグネシウムに酸化マグネシウムを併用した実施例6〜11に関しても、鉛の固定化効果を確認した。表8に、土壌改良材の組成を再掲するとともに、溶出試験の結果を示す。どの場合も、鉛の溶出を抑制することができた。
表8 重量部
Figure 0005604801
本発明の過程で、鉛の溶出量は、土壌のpHに関係があることがわかった。その結果を、図2に示す。図のグラフにみるように、酸性よりからpHが上昇するにつれて鉛の溶出量は低下し、pH9付近で環境基準値以下になる。しかし、pH11に向かうと、溶出量が再度高くなる。これは、水酸化物として固定された鉛が、再度溶解するためである。このことから、鉛が存在する土壌を固化改良するとともに鉛の溶出を抑制するためには、軽焼ドロマイトに硫酸マグネシウムの無水塩または一水塩を配合した土壌改良材を使用し、土壌のpHを9以上11未満の範囲に保つことが有効であると結論される。
本発明の参考例および実施例2の生成物のX線回折チャートであって、上段のグラフは参考例において製造した軽焼ドロマイトと硫酸マグネシウム無水塩との反応生成物のそれであり、下段のグラフは実施例2の土壌固化体を乾燥したもののそれである。 本発明の過程で得た知見に関する図であって、鉛を含有する土壌を本発明の土壌固化材を用いて改良するときの、土壌のpHと鉛の溶出量との関係を示すグラフ。

Claims (6)

  1. 軽焼ドロマイト(JISR9001号に規定する1号以上の軽焼ドロマイト)80〜20重量部と、硫酸マグネシウムの無水塩または一水塩20〜80重量部とからなる土壌固化材。
  2. 軽焼ドロマイト(JISR9001号に規定する1号以上の軽焼ドロマイト)80〜20重量部、硫酸マグネシウムの無水塩または一水塩20〜80重量部、および酸化マグネシウム250重量部からなる土壌固化材。
  3. 軽焼ドロマイトとして、活性度(日本石灰協会標準試験方法2006.12.2における粗粒滴定試験により測定)が10分値で280mL以上であるものを使用した請求項1または2の土壌固化材。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載の土壌固化材を、湿潤土壌1mあたり50〜200kg混合することからなる土壌の固化方法。
  5. 土壌にあらかじめ軽焼ドロマイトを混合しておき、ついで硫酸マグネシウムの無水塩または一水塩を混合することにより、土壌中における混合割合が、軽焼ドロマイト80〜20重量部対硫酸マグネシウムの無水塩または一水塩20〜80重量部となるようにし、かつ、両者の合計量が湿潤土壌1mあたり50〜200kgとなるようにすることからなる土壌の固化方法。
  6. 鉛を含有する土壌を固化するとともに鉛の溶出を防ぐ方法であって、請求項1ないし3のいずれかに記載の土壌固化剤を、鉛を含有する土壌に混合し、固化処理後の土壌のpHが9以上11未満の範囲になるように固化処理を行なうことからなる土壌の固化方法。
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