JP2016129869A - 不溶化材および不溶化スラリー - Google Patents

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Abstract

【課題】気温が高い場合(例えば、30℃程度)や、不溶化材を含むスラリーの液固比が小さい場合(例えば、100質量%)であっても、不溶化材を含むスラリーの調製後の粘度が小さく(例えば、6,000mPa・s以下)、かつ、不溶化材を含むスラリーのpHが中性領域(例えば、排水基準であるpH5.8〜8.6)であり、さらには、土壌に含まれている重金属類等について、優れた不溶化の効果を有する不溶化材、及び、該不溶化材を含むスラリーを提供する。
【解決手段】酸もしくはその塩、酸化マグネシウム含有物質、および粘度調整材を含む不溶化材であって、上記酸もしくはその塩100質量部に対する上記酸化マグネシウム含有物質の量が、10〜100質量部であり、かつ、上記酸もしくはその塩と上記酸化マグネシウム含有物質の合計量100質量部に対する上記粘度調整材の量が、10〜400質量部である不溶化材。
【選択図】なし

Description

本発明は、不溶化材および不溶化スラリーに関する。
近年、工場、事業所、産業廃棄物処理場の跡地などにおいて、土壌が鉛、6価クロム、ヒ素等の重金属類やフッ素等(以下、「重金属類等」ともいう。)で汚染されていることが、しばしば報告されている。このように土壌が重金属類等で汚染されると、その汚染が地下水にまで広がり、人体や穀物等にまで影響を及ぼすという安全衛生上の問題がある。また、土壌の汚染濃度が環境基準値を超える場合には、跡地をそのまま利用することができないなどの問題もある。
汚染土壌中の重金属類等を不溶化して、これら重金属類等が土壌から溶出するのを抑制するための技術が種々提案されている。
例えば、特許文献1に、酸化マグネシウムを含んで成ることを特徴とする重金属溶出抑制固化材が提案されている。
また、特許文献2に、以下の条件(a)〜(c)をすべて満たすマグネシウム系材料からなる粉末、を含むことを特徴とする不溶化材が提案されている。
(a)炭酸マグネシウムを主成分とする鉱物を650〜1,000℃で焼成して得た酸化マグネシウムと炭酸マグネシウムとを含む焼成物を、当該焼成物の一部が水酸化マグネシウムになるように水和したものであること
(b)カルシウムの酸化物換算の含有量が3.0質量%以下であること
(c)1,000℃における強熱減量率が6〜30質量%であること
また、特許文献3に、土壌に対してpH11以上の強アルカリ域とならない状態で使用される特定有害物質の不溶化材であって、非晶質アルミニウム化合物又はその誘導体を主成分とすることを特徴とする特定有害物質の不溶化材が提案されている。
特開2003−117532号公報 特開2010−131517号公報 特開2013−227554号公報
上述の特許文献1〜2に記載されているような酸化マグネシウムを主成分として含む不溶化材は、pHが10以上の弱アルカリ性になる傾向があり(例えば、特許文献1の表3を参照)、周辺環境に悪影響を与えるおそれがある。
また、特許文献3には、上述のとおり、土壌に対してpH11以上の強アルカリ域とならない状態で使用される不溶化材が記載されている。該不溶化材は、カルシウム成分として半水石膏を含むことができる。この場合、水との混合後にすぐに固化してしまい、スラリーとして使用することが難しいという問題がある。
処理対象物である土壌への不溶化材の浸透性を向上させ、重金属類等の溶出の抑制効果を向上させる観点から、不溶化材はスラリーとして使用することが好ましい。
しかし、気温が高い場合(例えば、30℃程度)や、不溶化材を含むスラリー(以下、不溶化スラリーともいう。)の液固比が小さい場合(例えば、100質量%)において、不溶化スラリーの粘度が大きくなるという問題があった。不溶化スラリーの粘度が大きい場合、不溶化スラリーと土壌を混合して、土壌中の重金属類等の不溶化処理を行う際の作業性が悪くなる。
本発明の目的は、気温が高い場合や、不溶化スラリーの液固比が小さい場合であっても、不溶化スラリーの調製後の粘度が小さく(例えば、6,000mPa・s以下)、かつ、不溶化スラリーのpHが中性領域(例えば、排水基準であるpH5.8〜8.6)であり、さらには、土壌に含まれている重金属類等について、優れた不溶化の効果を有する不溶化材、及び、該不溶化材を含むスラリーを提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、酸もしくはその塩、酸化マグネシウム含有物質、および粘度調整材を含む不溶化材であって、上記酸もしくはその塩に対する上記酸化マグネシウム含有物質の量、及び、上記酸もしくはその塩と上記酸化マグネシウム含有物質の合計量に対する上記粘度調整材の量が、各々、特定の範囲内である不溶化材によれば、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成した。
本発明は、以下の[1]〜[8]を提供するものである。
[1] 酸もしくはその塩、酸化マグネシウム含有物質、および粘度調整材を含む不溶化材であって、上記酸もしくはその塩100質量部に対する上記酸化マグネシウム含有物質の量が、10〜100質量部であり、かつ、上記酸もしくはその塩と上記酸化マグネシウム含有物質の合計量100質量部に対する上記粘度調整材の量が、10〜400質量部であることを特徴とする不溶化材。
[2] 上記不溶化材を構成する材料の全量(100質量%)中、酸もしくはその塩の含有率が10〜65質量%、酸化マグネシウム含有物質の含有率が7〜30質量%、粘度調整材の含有率が15〜83質量%である前記[1]に記載の不溶化材。
[3] 上記酸もしくはその塩が、硫酸塩、硫酸、塩酸、および酢酸からなる群より選ばれる一種以上からなる前記[1]又は[2]に記載の不溶化材。
[4] 上記酸化マグネシウム含有物質が、軽焼マグネシアまたはその部分水和物を含むものである前記[1]〜[3]のいずれかに記載の不溶化材。
[5] 上記粘度調整材が、炭酸カルシウム含有粉末、珪石粉末、頁岩粉末、無水石膏粉末、ゼオライト粉末、およびドロマイト粉末からなる群より選ばれる一種以上からなる前記[1]〜[4]のいずれかに記載の不溶化材。
[6] 前記[1]〜[5]のいずれかに記載の不溶化材、および水を含むことを特徴とする不溶化スラリー。
[7] 液固比が100〜300質量%である前記[6]に記載の不溶化スラリー。
[8] 前記[6]又は[7]に記載の不溶化スラリーを製造するための方法であって、上記不溶化スラリーの練り上がり時の粘度が6,000mPa・s以下になるように、上記不溶化スラリーを構成する各材料の種類および量を定めることを特徴とする不溶化スラリーの製造方法。
本発明の不溶化材によれば、当該不溶化材を含むスラリー(不溶化スラリー)と、土壌を混合して、土壌中の重金属類等の不溶化処理を行う場合、気温が高い場合(例えば、30℃程度)や、不溶化スラリーの液固比が小さい場合(例えば、100質量%)であっても、当該不溶化スラリーの練り上がり時の粘度を、小さい粘度(例えば、6,000mPa・s以下)に抑えることができる。
また、本発明の不溶化材を含むスラリーのpHは、中性領域(例えば、排水基準であるpH5.8〜8.6)であるため、不溶化処理後の土壌のpHが、例えば高アルカリ性になって、周囲の環境に悪影響を与えるようなことがない。
さらに、本発明の不溶化材は、酸化マグネシウム含有物質等の特定の成分組成を有するため、土壌に含まれている重金属類等について、優れた不溶化の効果を有する。
本発明の不溶化材は、酸もしくはその塩、酸化マグネシウム含有物質、および粘度調整材を含む不溶化材であって、上記酸もしくはその塩100質量部に対する上記酸化マグネシウム含有物質の量が、10〜100質量部であり、かつ、上記酸もしくはその塩と上記酸化マグネシウム含有物質の合計量100質量部に対する上記粘度調整材の量が、10〜400質量部のものである。
上記酸もしくはその塩としては、例えば、硫酸塩、硫酸、塩酸、および酢酸等からなる群より選ばれる一種以上が挙げられる。
硫酸塩としては、亜硫酸アンモニウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸カルシウム、亜硫酸ナトリウム等の亜硫酸塩;亜硫酸水素カリウム、亜硫酸水素ナトリウム等の亜硫酸水素塩;チオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸カリウム等のチオ硫酸塩;硫酸第一鉄、硫酸アルミニウム等の金属塩が挙げられる。中でも、経済性、安定性の観点から、硫酸第一鉄が好ましい。
また、酸もしくはその塩は、粉末状のものが好適である。
本発明の不溶化材を構成する材料の全量(100質量%)中、酸もしくはその塩の含有率は、好ましくは10〜65質量%、より好ましくは15〜60質量%、特に好ましくは20〜58質量%である。該含有率が10質量%以上であれば、重金属類等の溶出をより抑制することができる。該含有率が65質量%以下であれば、混合後の土壌のpHをより中性領域にすることができる。
本発明の不溶化材に含まれる酸化マグネシウム含有物質としては、例えば、軽焼マグネシアまたはその部分水和物を含むものが挙げられる。
本発明で用いられる酸化マグネシウム含有物質中の、軽焼マグネシアまたはその部分水和物の含有率は、重金属類等の溶出の抑制効果を高める観点から、好ましくは70質量%以上、より好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上、特に好ましくは100質量%である。
軽焼マグネシアは、炭酸マグネシウムと水酸化マグネシウムのいずれか一方または両方を含む固形原料を、好ましくは600〜1,300℃の温度で焼成することによって得ることができる。
上記固形原料の例としては、マグネサイト、ドロマイト、ブルーサイト、及び、海水中のマグネシウム成分を消石灰等のアルカリで沈澱させて得た水酸化マグネシウム等が挙げられる。これらは、塊状物でもよいし、粉粒状物でもよい。
また、焼成温度(加熱温度)は、好ましくは600〜1,300℃、より好ましくは750〜1,100℃、特に好ましくは800〜1,000℃である。該温度が600℃以上であると、軽焼マグネシアの生成の効率が向上する点で好ましい。該温度が1,300℃以下であると、重金属類等の不溶化の効果が向上する点で好ましい。
焼成時間(加熱時間)は、固形原料の仕込み量や粒度等によって異なるが、通常、30分間〜5時間である。
軽焼マグネシアの部分水和物は、軽焼マグネシアを粉砕した後、当該粉砕物に水を添加して撹拌し混合するか、または、当該粉砕物を相対湿度80%以上の雰囲気下に1週間以上保持して、軽焼マグネシアを部分的に水和させることによって得ることができる。
軽焼マグネシアまたはその部分水和物中の酸化マグネシウム(MgO)の含有率は、本発明の効果(重金属類等の溶出の抑制等)を高める観点から、好ましくは65質量%以上、より好ましくは75質量%以上、さらに好ましくは80質量%以上、特に好ましくは85質量%以上である。
軽焼マグネシアの部分水和物中の水酸化マグネシウムの酸化物換算の含有率は、本発明の効果(重金属類等の溶出の抑制等)を高める観点から、好ましくは50質量%以下、より好ましくは20質量%以下である。
軽焼マグネシアまたはその部分水和物中の、酸化マグネシウム及び水酸化マグネシウム以外の成分の含有率は、本発明の効果(重金属類等の溶出の抑制等)を高める観点から、好ましくは7質量%以下、より好ましくは5質量%以下である。
軽焼マグネシアまたはその部分水和物のブレーン比表面積は、本発明の効果(重金属類等の溶出の抑制等)を高める観点から、好ましくは4,000〜20,000cm/g、より好ましくは4,500〜10,000cm/g、特に好ましくは5,000〜7,000cm/gである。
本発明の不溶化材中の酸化マグネシウム含有物質の量は、酸もしくはその塩100質量部に対して10〜100質量部、好ましくは20〜80質量部、より好ましくは30〜60質量部である。該量が10質量部未満であると、重金属類等の溶出の抑制が不十分となる。該量が100質量部を超えると、不溶化処理後の土壌のpHが高くなって、中性領域を超えることがある。
本発明の不溶化材を構成する材料の全量(100質量%)中、酸化マグネシウム含有物質の含有率は、好ましくは7〜30質量%、より好ましくは8〜27質量%、特に好ましくは9〜25質量部である。該含有率が7質量%以上であると、重金属類等の溶出をより抑制することができる。該含有率が30質量%以下であると、混合後の土壌のpHをより中性領域(pH7に近い値)にすることができる。
本発明の不溶化材に含まれる粘度調整材としては、例えば、炭酸カルシウム含有粉末、珪石粉末、頁岩粉末、無水石膏粉末、ゼオライト粉末、およびドロマイト粉末等からなる群より選ばれる一種以上が挙げられる。
炭酸カルシウム含有粉末としては、例えば、工業用炭酸カルシウム粉末、試薬の炭酸カルシウム粉末、石灰石粉末、炭酸カルシウムを主成分とする貝殻の粉砕物、および、サンゴの粉砕物等が挙げられる。
炭酸カルシウム含有粉末中の炭酸カルシウムの含有率は、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上、特に好ましくは95質量%以上である。
無水石膏粉末としては、天然無水石膏のほか、廃石こうボードなどの廃石膏を加熱、脱水処理して得られる再生無水石膏等が挙げられる。
粘度調整材のブレーン比表面積は、好ましくは3,000〜10,000cm/g、より好ましくは3,500〜8,000cm/gである。該値が上記範囲内であれば、本発明の効果(重金属類等の溶出の抑制等)をより高めることができる。
本発明の不溶化材中の粘度調整材の量は、上記酸もしくはその塩と上記酸化マグネシウム含有物質の合計量100質量部に対して10〜400質量部、好ましくは15〜300質量部、より好ましくは20〜250質量部である。該量が10質量部以上であれば、不溶化材をスラリーの状態で使用する場合、スラリーの練り上がり時の粘度を小さくすることができる。該量が400質量部以下であれば、重金属類等の溶出の抑制が十分となる。
上記不溶化材を構成する材料の全量(100質量%)中、粘度調整材の含有率は、好ましくは15〜83質量%、より好ましくは17〜80質量%、特に好ましくは19〜75質量%である。該含有率が15質量%以上であれば、不溶化材をスラリーの状態で使用する場合、スラリーの練り上がり時の粘度をより低くすることができる。該含有率が83質量%以下であれば、重金属類等の溶出の抑制の効果をより高めることができる。
本発明の不溶化材は、好ましくは、水と混合して、スラリーの状態で使用される。この場合、処理対象物である土壌への不溶化材の浸透性が向上して、重金属類等の溶出の抑制効果が向上する。
不溶化材を含むスラリー(不溶化スラリー;換言すると、不溶化材と水の混合物)の液固比は、好ましくは100〜300質量%、より好ましくは150〜250質量%である。該比が100質量%以上であれば、土壌への浸透性をより向上させることができ、また、スラリーの練り上がり時の粘度をより低くすることができる。該比が300質量%以下であれば、重金属類等の溶出の抑制効果および土壌との混合時の作業性がより向上する。
本明細書中、「液固比」とは、不溶化スラリー中の固体分(例えば、酸の塩、酸化マグネシウム含有物質、および粘度調整材の合計量)の質量100質量%に対する、不溶化スラリー中の液体分(水)の質量の割合(質量%)をいう。
本発明の不溶化材を含むスラリー(不溶化スラリー)は、練り上がり時の粘度が6,000mPa・s以下になるように、当該不溶化スラリーを構成する各材料(特に、当該不溶化材を構成する各材料)の種類および量を定めることが好ましい。該粘度が6,000mPa・s以下であれば、練り上がり後、短時間で不溶化材の固化が始まることがないため、不溶化スラリーと土壌を混合して、土壌中の重金属類等の不溶化処理を行う際の作業性が向上する。
不溶化スラリーの練り上がり時の粘度は、不溶化スラリーを構成する各材料の種類および量の他に、気温(周囲の環境温度)によっても影響を受ける。
本発明においては、好ましくは、20℃の温度(周囲の環境温度)下または不溶化スラリーの液固比が100質量%である場合、より好ましくは、30℃の温度下である場合、特に好ましくは、30℃の温度下かつ不溶化スラリーの液固比が100質量%である場合でも、不溶化スラリーの練り上がり時の粘度を6,000mPa・s以下にすることができる。
本発明の不溶化材は、さらに、凝結遅延剤等を含むことができる。
不溶化材が凝結遅延剤を含むことで、土壌中の重金属類等の不溶化処理を行う際の作業性をさらに向上させることができる。
凝結遅延剤としては、例えば、グルコン酸もしくはその塩、クエン酸もしくはその塩、グルコース等が挙げられる。
本発明の不溶化材を用いた不溶化処理の対象物の一例としては、鉛、6価クロム、ヒ素等の重金属類やフッ素等で汚染された土壌(重金属類等を含有する土壌)が挙げられる。
重金属類等を含有する土壌の単位体積(1m)当たりの不溶化材の配合量(kg)は、土壌中の重金属類等の含有率によっても異なるが、好ましくは30kg/m以上、より好ましくは80kg/m以上、特に好ましくは120kg/m以上である。
不溶化処理を行った後の土壌のpHは、処理後の土壤の用途が制限されない等の観点から、好ましくはpH5.8〜8.6、より好ましくは6.0〜8.0、特に好ましくは6.3〜7.5である。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
使用材料は、以下に示すとおりである。
(1)硫酸第一鉄;国産化学社製、食品添加物
(2)硫酸アルミニウム;関東化学社製、特級試薬
(3)酸化マグネシウム含有物質A;軽焼マグネシア粉末(マグネサイトを850℃で焼成した後、粉砕したもの、酸化マグネシウムの含有率:95質量%、ブレーン比表面積:5,500cm/g)
(4)酸化マグネシウム含有物質B;軽焼マグネシアの部分水和物粉末(マグネシウム含有物質Aの一部を水和したもの、酸化マグネシウムの含有率:50〜96.5質量%、水酸化マグネシウムの含有率:3.5〜50質量%)
(5)粘度調整材A;炭酸カルシウム含有粉末(石灰石粉末、ブレーン比表面積:5,500cm/g、炭酸カルシウムの含有率:98.4質量%、秩父石灰工業社製)
(6)粘度調整材B;珪石粉末(ブレーン比表面積:4,500cm/g、関西太平洋鉱産社製)
(7)粘度調整材C;頁岩粉末(ブレーン比表面積:5,000cm/g、関西太平洋鉱産社製)
(8)粘度調整材D;無水石膏粉末(ブレーン比表面積:3,700cm/g、タイ国産天然無水石膏)
(9)粘度調整材E;ゼオライト粉末(ブレーン比表面積:8,000cm/g、カネサン工業社製)
(10)粘度調整材F;ドロマイト粉末(ブレーン比表面積:4,000〜6,000cm/g、秩父石灰工業社製)
(11)凝結遅延剤;グルコン酸ナトリウム(昭和化学社製、一級試薬)
[実施例1〜39、比較例1〜2]
上記材料を表1に示す配合で混合して、不溶化材a〜nを調製した。
表2に示す環境温度(周囲の気温及び不溶化スラリーの材料である水の液温)下において、上記不溶化材a〜nと水を、表2に示す液固比で、トルネード攪拌機を用いて混練して、不溶化スラリーを調製した。
練り上がり時の不溶化スラリーの粘度(表2中の「粘度」)およびpHを測定した。結果を表2に示す。
なお、粘度はB型アナログ粘度計(ブルックフィールド社製)を用いて測定した。具体的には、該粘度計の回転速度を10rpmとして、測定開始から18秒後の値を測定して、得られた測定値を不溶化スラリーの粘度とした。
Figure 2016129869
Figure 2016129869
表2から、本発明の不溶化材を含むスラリー(実施例1〜39)によれば、不溶化スラリーの練り上がり時の粘度を6,000mPa・s以下にすることができる。特に、環境温度(気温)が30℃程度であり、かつ、液固比が100質量%の場合(実施例1〜9)であっても、不溶化スラリーの練り上がり時の粘度を6,000mPa・s以下にすることができる。また、本発明の不溶化材を含むスラリー(実施例1〜39)は、pHが中性領域であることがわかる。
一方、比較例1〜2では、pHが9以上(比較例1)、または、不溶化スラリーの練り上がり時の粘度が10,000mPa・s以上(比較例2)であることがわかる。
なお、実施例1〜39及び比較例1〜2の不溶化材は、酸化マグネシウム含有物質A又はBを含むことから、十分な不溶化効果を有するものであった。

Claims (8)

  1. 酸もしくはその塩、酸化マグネシウム含有物質、および粘度調整材を含む不溶化材であって、上記酸もしくはその塩100質量部に対する上記酸化マグネシウム含有物質の量が、10〜100質量部であり、かつ、上記酸もしくはその塩と上記酸化マグネシウム含有物質の合計量100質量部に対する上記粘度調整材の量が、10〜400質量部であることを特徴とする不溶化材。
  2. 上記不溶化材を構成する材料の全量(100質量%)中、酸もしくはその塩の含有率が10〜65質量%、酸化マグネシウム含有物質の含有率が7〜30質量%、粘度調整材の含有率が15〜83質量%である請求項1に記載の不溶化材。
  3. 上記酸もしくはその塩が、硫酸塩、硫酸、塩酸、および酢酸からなる群より選ばれる一種以上からなる請求項1又は2に記載の不溶化材。
  4. 上記酸化マグネシウム含有物質が、軽焼マグネシアまたはその部分水和物を含むものである請求項1〜3のいずれか1項に記載の不溶化材。
  5. 上記粘度調整材が、炭酸カルシウム含有粉末、珪石粉末、頁岩粉末、無水石膏粉末、ゼオライト粉末、およびドロマイト粉末からなる群より選ばれる一種以上からなる請求項1〜4のいずれか1項に記載の不溶化材。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の不溶化材、および水を含むことを特徴とする不溶化スラリー。
  7. 液固比が100〜300質量%である請求項6に記載の不溶化スラリー。
  8. 請求項6又は7に記載の不溶化スラリーを製造するための方法であって、上記不溶化スラリーの練り上がり時の粘度が6,000mPa・s以下になるように、上記不溶化スラリーを構成する各材料の種類および量を定めることを特徴とする不溶化スラリーの製造方法。
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