JP5604100B2 - 光ファイバ製造装置および光ファイバ製造方法 - Google Patents

光ファイバ製造装置および光ファイバ製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、光ファイバ母材から光ファイバを線引きして光ファイバを製造する、光ファイバ製造装置および光ファイバ製造方法に関する。 本願は、2008年10月31日に、日本に出願された特願2008−282506号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
一般に、光ファイバの線引きは、光ファイバ製造装置(図示略)における以下のような工程により行われている。
まず、光ファイバ母材を加熱炉中に挿入し、2000℃程度の温度で光ファイバ母材の先端を加熱溶融して光ファイバ裸線を形成し、この光ファイバ裸線を加熱炉外に引き出す。次に、引き出された光ファイバ裸線を、被覆可能な温度になるまで冷却する。そして、前記光ファイバ製造装置の被覆層形成部において、冷却された光ファイバ裸線に熱硬化型または紫外線硬化型などの樹脂を塗布し、この樹脂を熱硬化または紫外線硬化させて、光ファイバ裸線の表面を保護するための被覆層を形成し、光ファイバ素線とする。前記被覆層は、一般的には2層構造であり、内側の層がヤング率の低い材料からなり、外側の層がヤング率の高い材料からなる。また、この被覆層形成部から繰り出された光ファイバ素線は、前記光ファイバ製造装置において、プーリにより走行方向が変えられた後、巻き取り部により巻き取られる。
上記の線引き工程のうち、光ファイバ裸線を被覆する工程においては、被覆層の軸心が光ファイバ裸線の軸心と同心となるように被覆することが重要である。光ファイバ裸線に対して被覆層が偏心していると、光ファイバ素線の曲がりが生じたり、側圧特性が悪化したりする可能性がある。特に、極端に偏心量が大きい場合には、光ファイバ裸線が被覆層形成部の内壁などに接触して傷がつき、光ファイバ素線の強度不良が生じるおそれがある。
被覆層が光ファイバ裸線に対して偏心する原因としては、被覆層形成部のダイスランド内での樹脂の不均一な流れや、ダイスランド自体の非対称性などが考えられている。これに対する対策として、たとえば特許文献1には、光ファイバの被覆層の異常を検出するための被覆層異常検出部と、光ファイバ裸線が被覆層形成部を通過する方向に垂直な面に対して傾斜させて被覆することができる被覆層形成部とを備え、被覆層異常検出部からの異常出力に応じて、被覆層形成部の傾斜角度を制御し、異常出力が最小となるように光ファイバ裸線を被覆して紡糸する光ファイバ紡糸装置が開示されている。
特開2003−252653号公報
上述したように、特許文献1に記載の技術では、被覆層形成部を光ファイバ裸線に対して傾斜させて紡糸する。このため、たとえ光ファイバ裸線に対する被覆層の偏心量を小さくできたとしても、被覆層形成部のダイス以外の部品(たとえば、ニップルや、被覆層形成部の上部に導入する被覆内泡混入防止用パージ部品など)に光ファイバ裸線が接触する可能性が高くなる。光ファイバ裸線が接触した場合は、光ファイバ裸線に傷がつき、強度不良を引き起こすおそれがある。また、光ファイバ素線の内側被覆層が接触した場合は、内側被覆層の表面が削られ、外側被覆層との界面が荒れ、光ファイバ素線の外観不良やマイクロベンディングによる損失が大きくなるおそれがある。さらに、これらの接触防止のために、ニップルの孔径を大きくしたり、パージ部品の孔径を大きくしたりすると、被覆樹脂がニップル上部から溢れる現象が生じたり、パージガスが抜けやすくなって泡混入防止効果が小さくなったりする可能性がある。
また、図11の破線に示すように、加熱炉101とその鉛直下方に位置するプーリ(図示略)との間を走行する光ファイバ裸線Faおよび光ファイバ素線Fbは、鉛直下方に向かって真っ直ぐに延びていることが望ましい。この場合の光ファイバ裸線Faは、被覆層形成部102の中心位置をずれなく通過することができるため、光ファイバ裸線Faに対する被覆層の偏心を抑えることができる。なお、同図11において、符号103は冷却部、符号104は樹脂硬化部、符号Mは光ファイバ母材を示す。
しかしながら、近年では、生産性の向上を目的として線引き速度を高速にすることが望まれている。本発明者の行った実験の結果、特許文献1に開示された光ファイバ紡糸装置の構成では、線引き速度を1500m/min以上に高めた場合、図11の二点鎖線に示すように、遠心力や光ファイバ素線Fbの剛性等により、加熱炉101と前記プーリとの間を走行する光ファイバ裸線Faおよび光ファイバ素線Fbが撓んでしまうことが判明した。すなわち、線引き速度が1500m/min以上の高速線引きの場合、線引き速度の増加に応じて、理想的な光ファイバのパスライン(破線)に対する実際のパスライン(二点鎖線)の変動量が増加してしまう。
この場合、被覆層形成部を通過する際の光ファイバ裸線Faのパスラインが被覆層形成部102に対して大きく変動してしまうため、被覆層形成部102を傾斜させただけでは光ファイバ裸線Faに対する被覆層の偏心を十分に抑えることができない。このため、撓みの程度に応じ、光ファイバ裸線Faが被覆層形成部102の中心位置を通過するように被覆層形成部102を水平方向に沿って移動させる必要がある。また、理想的な光ファイバ裸線Faのパスラインに対する実際のパスラインの変動量が大きいと、被覆層形成部102の前後に設けられる冷却部103や樹脂硬化部104もまた、光ファイバ裸線Fa及び光ファイバ素線Fbとの接触を防ぐために移動させなければならない。線引き速度の増加に応じて冷却部103や樹脂硬化部104を移動させる機構(図示せず)を設けると、この光ファイバ製造装置が大掛かりなものとなってしまう。
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、線引き速度が1500m/min以上の高速線引きの場合であっても、簡易な構成により、品質の高い光ファイバ素線を製造することのできる光ファイバ製造装置および光ファイバ製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を採用した。
本発明の光ファイバ製造装置は、光ファイバ母材を線引きして光ファイバ裸線を形成する光ファイバ裸線形成部と;この光ファイバ裸線形成部から繰り出された前記光ファイバ裸線を被覆層で被覆して光ファイバ素線を形成する被覆層形成部と;この被覆形成部から繰り出された前記光ファイバ素線に接してその走行方向を変える最初の固形物である第1の方向変換部と;この第1の方向変換部を経た前記光ファイバ素線を巻き取る巻き取り部と;前記回転体と前記巻き取り部との間に前記回転体の次に光ファイバ素線に接触する固形物として設けられ、前記光ファイバ素線の走行方向をさらに変える第2の方向変換部となる他の回転体と;を備え、前記第1の方向変換部が、前記光ファイバ素線に接してかつ回転中心回りに形成された円周面を有する回転体であり;この回転体と前記光ファイバ素線との間の、前記回転中心を中心とする接触角が10°以上かつ80°以下であ前記円周面が、前記回転中心を含む断面で見た場合に、所定の幅寸法を有する平坦形状をなしており、前記他の回転体の回転軸の絶対位置が固定されており、前記第1の方向変換部である前記回転体と、前記第2の方向変換部である前記他の回転体との回転方向が互いに逆方向である
上記光ファイバ製造装置によれば、光ファイバ裸線形成部では、光ファイバ母材を線引きして光ファイバ裸線を形成する。そして、被覆層形成部では、光ファイバ裸線形成部から繰り出された光ファイバ裸線を被覆層で被覆して光ファイバ素線を形成する。また、この被覆層形成部から繰り出された光ファイバ素線の走行方向を第1の方向変換部で変えた後、巻き取り部で巻き取る。しかも、これら一連の処理の間、第1の方向変換部である回転体と光ファイバ素線とは、10°以上かつ80°以下の接触角を保って接している。
この接触角が10°未満の場合、回転体と光ファイバ素線との間の接触が小さすぎるため、光ファイバ素線のパスライン制御に対して回転体が影響を及ぼしにくくなる。逆に、接触角が80°よりも大きい場合、被覆層形成部と回転体との間を走行する光ファイバ素線が、光ファイバ素線の剛性や遠心力によって所望のパスラインから外れやすくなる。よって、これら何れの場合においても、光ファイバ素線が所望のパスラインから外れてしまう虞がある。
これに対し、本発明では、最適な接触角である10°以上かつ80°以下を満足しているため、上述のような問題が起きにくい。
また、上記光ファイバ製造装置によれば、従来のように被覆層形成部を傾斜させなくとも偏心量を小さくすることができるので、光ファイバ素線が被覆層形成部と接触する可能性が低減される。これにより、光ファイバ素線の強度不良や外観不良、マイクロベンディングによる損失悪化などを回避できるので、品質の高い光ファイバ素線を製造することができる。
さらに、上記光ファイバ製造装置によれば、被覆層形成部を傾斜させたり移動させたりせずとも偏心量を小さくすることができるので、傾斜機構や移動機構などが不要となり、装置構成を簡易なものとすることができる。
既述のように、前記円周面は、前記回転中心を含む断面で見た場合に、所定の幅寸法を有する平坦形状をなしている
このため、光ファイバ素線は、第1の方向変換部の円周面の幅方向に沿って移動自在であるため、光ファイバ素線が一方向にねじれることや、偏心量が大きくなることをより確実に防ぐことが可能である。
既述のように、上記光ファイバ製造装置は、前記回転体と前記巻き取り部との間に、前記光ファイバ素線の走行方向をさらに変える第2の方向変換部となる他の回転体を備えている
このため、第2の方向変換部により、光ファイバ素線の走行方向を所望の方向に変更することが可能である。
既述のように、前記他の回転体の回転軸の絶対位置固定されてい
このため、光ファイバ素線が第1の方向変換部の円周面の幅方向に沿って移動自在であっても、光ファイバ素線のぶれが抑制されてパスラインが安定する。その結果、偏心量が小さく、また光ファイバ素線の長手方向において偏心変動量が小さい光ファイバ素線を形成できる。
既述のように、前記第1の方向変換部である前記回転体と、前記第2の方向変換部である前記他の回転体と回転方向が互いに逆方向であ
このため、第1の方向変換部と第2の方向変換部とにおいて、光ファイバ素線が受ける遠心力が互いに逆方向となり、光ファイバ素線の受ける力が相殺される。したがって、光ファイバ素線が所望のパスラインから外れてしまうことをより確実に抑えることが可能である。
本発明の光ファイバ製造方法は、光ファイバ母材を線引きして光ファイバ裸線を形成する光ファイバ裸線形成工程と;この光ファイバ裸線形成工程後の前記光ファイバ裸線を被覆層で被覆して光ファイバ素線を形成する被覆層形成工程と;この被覆形成工程後の前記光ファイバ素線に対し、この光ファイバ素線の走行方向を変える最初の固形物である回転体の円周面を接触させて、前記走行方向を変更する第1の方向変換工程と;この第1の方向変換工程後の前記光ファイバ素線を巻き取る巻き取り工程と;前記第1の方向変換工程と前記巻き取り工程との間にて、前記光ファイバ素線を前記回転体よりも下流側に前記回転体の次に光ファイバ素線に接触する固形物として設けられた他の回転体に接触させて前記光ファイバ素線の走行方向をさらに変える第2の方向変換工程と;を備え、前記第1の方向変換工程で、前記回転体と前記光ファイバ素線との間における、この回転体の回転中心を中心とする接触角を10°以上かつ80°以下とし、かつ、前記回転中心を含む断面で前記円周面を見た場合に、この円周面の幅方向に沿って前記光ファイバ素線を移動自在とし、前記他の回転体は、その回転軸の絶対位置を固定し、前記第1の方向変換工程における前記光ファイバ素線の走行方向の変化の向きと、前記第2の方向変換工程における前記光ファイバ素線の走行方向の変化の向きとが、互いに逆方向である
上記光ファイバ製造方法では、第1の方向変換工程において、光ファイバ素線の走行方向を変える最初の固形物である回転体と光ファイバ素線との間における、この回転体の回転中心を中心とする接触角を10°以上かつ80°以下としている。
この接触角が10°未満の場合、回転体と光ファイバ素線との間の接触が小さすぎるため、光ファイバ素線のパスライン制御に対して回転体が影響を及ぼしにくくなる。逆に、接触角が80°よりも大きい場合、被覆層形成部と回転体との間を走行する光ファイバ素線が、光ファイバ素線の剛性や遠心力によって所望のパスラインから外れやすくなる。よって、これら何れの場合においても、光ファイバ素線が所望のパスラインから外れてしまう虞がある。
これに対し、本発明では、最適な接触角である10°以上かつ80°以下を満足しているため、上述のような問題が起きにくい。
また、上記光ファイバ製造方法によれば、従来のように被覆層形成工程において被覆層形成部を傾斜させなくとも偏心量を小さくすることができるので、光ファイバ素線が被覆層形成部に接触する可能性が低減される。これにより、光ファイバ素線の強度不良や外観不良、マイクロベンディングによる損失悪化などを回避できるので、品質の高い光ファイバ素線を製造することができる。
また、上記光ファイバ製造方法によれば、被覆層形成工程において被覆層形成部を傾斜させたり移動させたりせずとも偏心量を小さくすることができるので、傾斜機構や移動機構などが不要となり、装置構成を簡易なものとすることができる。
また、上記光ファイバ製造方法は、前記第1の方向変換工程で、前記回転中心を含む断面で前記円周面を見た場合に、この円周面の幅方向に沿って前記光ファイバ素線を移動自在としている
このため、光ファイバ素線が一方向にねじれることや、偏心量が大きくなることをより確実に防ぐことが可能である。
また、上記光ファイバ製造方法は、前記第1の方向変換工程と前記巻き取り工程との間に、前記光ファイバ素線を前記回転体よりも下流側に設けられた他の回転体に接触させて前記光ファイバ素線の走行方向をさらに変える第2の方向変換工程を備えている
このため、第2の方向変換工程において、光ファイバ素線の走行方向を所望の方向に変更することが可能である。
また、上記光ファイバ製造方法は、前記他の回転体の回転軸の絶対位置を固定している
このため、第1の方向変換工程において光ファイバ素線が回転体の円周面の幅方向に沿って移動自在であっても、光ファイバ素線のぶれが抑制されてパスラインが安定する。その結果、偏心量が小さく、また光ファイバ素線の長手方向において偏心変動量が小さい光ファイバ素線を形成できる。
また、上記光ファイバ製造方法は、前記第1の方向変換工程における前記光ファイバ素線の走行方向の変化の向きと、前記第2の方向変換工程における前記光ファイバ素線の走行方向の変化の向きとを、互いに逆方向にする
この場合、第1の方向変換工程と第2の方向変換工程とにおいて、光ファイバ素線が受ける遠心力が互いに逆方向となり、光ファイバ素線の受ける力が相殺する。したがって、光ファイバ素線が所望のパスラインから外れてしまうことをより確実に抑えることが可能である。
前記光ファイバ裸線の線引きの速度を1500m/min以上としてもよい。
本発明の光ファイバ製造装置によれば、被覆層形成部と回転体との間を走行する光ファイバ素線を、所望のパスラインに収めることができる。よって、例え線引き速度が1500m/min以上の高速線引きを行っても、被覆層形成部を通過する際の光ファイバ裸線のパスラインが被覆層形成部に対して大きく変動するのを防げるので、被覆層の光ファイバ裸線に対する偏心を抑えられる。したがって、簡易な構成により、品質の高い光ファイバ素線を高速線引きで製造することができる。
また、本発明の光ファイバ製造方法においても、上記光ファイバ製造装置と同様の効果を得ることが出来る。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る光ファイバ製造装置を示す説明図である。 図2は、同光ファイバ製造装置のプーリの平面図である。 図3は、プーリにおける光ファイバ素線の接触角θと光ファイバ素線の偏肉との関係の測定結果を示すグラフであり、横軸が接触角(°)、縦軸が偏肉の度合いを示す。 図4は、偏肉の定義を説明するための図であって、光ファイバ素線をその長手方向に垂直な断面で見た場合の断面図である。 図5は、図1のA部拡大図である。 図6は、図1のA部拡大図であって、接触角θが10°未満である場合の光ファイバ素線のパスラインを示す図である。 図7は、本発明の第2の実施形態に係る光ファイバ製造装置を示す説明図である。 図8は、本発明の第3の実施形態に係る光ファイバ製造装置を示す説明図である。 図9は、本発明の第4の実施形態に係る光ファイバ製造装置を示す説明図である。 図10は、本発明の第5の実施形態に係る光ファイバ製造装置を示す説明図である。 図11は、従来の光ファイバ製造装置を示す説明図である。
符号の説明
10、40、50、60、70 光ファイバ製造装置
12 光ファイバ母材
14 加熱炉
16 冷却部
18 被覆層形成部
20 樹脂硬化部
22 プーリ
24 巻き取り部
30 光ファイバ裸線
32 光ファイバ素線
34 被覆層
42 引き取り部
<第1の実施形態>
図1は、本発明の第1の実施形態に係る光ファイバ製造装置10を示す説明図である。この光ファイバ製造装置10は、加熱炉14(光ファイバ裸線形成部)と、冷却部16と、被覆層形成部18と、樹脂硬化部20と、プーリ22(第1の方向変換部)と、引き取り部42と、巻き取り部24とを備える。最上部に配置された加熱炉14の真下に同軸をなすように冷却部16が配置され、さらにその真下に、被覆層形成部18及び樹脂硬化部20が、この順番で同軸をなすように配置されている。
光ファイバ製造装置10を用いた光ファイバの線引き工程においては、まず、光ファイバ母材12を加熱炉14内で約2000℃に加熱して溶融させ、外径値が一定になるように制御しつつ線引きして、光ファイバ裸線30とする。その後、この光ファイバ裸線30を冷却部16に通して約100℃に冷却する。
次に、光ファイバ裸線30を被覆層形成部18に通し、光ファイバ裸線30に紫外線硬化型樹脂または熱硬化型樹脂を塗布して被覆層を形成する。その後、紫外線照射炉または加熱炉などの樹脂硬化部20を通して樹脂を硬化させ、光ファイバ素線32とする。このようにして得られた光ファイバ素線32は、プーリ22により走行方向が紙面右下に変えられた後、引き取り部42を介して再度走行方向が紙面右上に変えられ、巻き取り部24により巻き取られる。
図2は、プーリ22の平面図である。本実施の形態において、プーリ22は、幅Wの平溝を有する平溝構造のプーリである。プーリ22は、円柱状のプーリ本体部23と、プーリ本体部23の軸方向両端部に設けられた一対のフランジ部25とを有する。プーリ22は、プーリ本体部23の中心軸を回転軸Ax1として回動可能に配置されている。プーリ本体部23は、光ファイバ素線32に接してかつ回転軸Ax1回りに形成された外周面26(円周面)を有する。外周面26の一部は、光ファイバ素線32が接触する接触面とされている。プーリ22は、その回転軸Ax1が光ファイバ素線32の走行方向と捻れの位置の関係をなすように配置されている(換言すれば、図2の視図で見た場合に、互いに垂直になるように配置されている)。プーリ本体部23の外周面26の幅Wは10mm程度であり、光ファイバ素線32の外径である250μmに比較して非常に大きな幅寸法をなしている。また、外周面26は、回転軸Ax1を含む断面で見た場合に、平坦形状をなしており、外周面26上に、光ファイバ素線32の移動を妨げるような凹凸は形成されていない。
引き取り部42は、光ファイバの外径が一定となるように所定の線引き速度および張力で光ファイバ素線32を引き取る。引き取り部42は、回転体42aと、ベルト42cと、このベルト42cと共に回転する回転体42bとを備え、回転体42aとベルト42cとの間に光ファイバ素線32を挟んで引っ張る。ここで、回転体42aの回転軸Ax2の絶対位置は固定されている。
本実施の形態に係る光ファイバ製造装置10では、光ファイバ裸線30に対する被覆層の偏心量(以下の説明では、適宜、単に「偏心量」と呼ぶ)を低減するために、樹脂硬化部20から引き出された後、光ファイバ素線32の走行方向を変える最初の固形物であるプーリ22と、光ファイバ素線32との接触角θが、10°以上且つ80°以下となるように構成される。ここで言う光ファイバ素線32とプーリ22の間の接触角θとは、光ファイバ素線32とプーリ22とが接触を始めた点とプーリ22の回転軸Ax1とを結ぶ線L1と、プーリ22から光ファイバ素線32が離れる点とプーリ22の回転軸Ax1とを結ぶ線L2とがなす角である。
本発明者は、偏心量を低減するために鋭意研究を行った。その結果、従来偏心の要因と考えられていたダイスランド内での樹脂の不均一な流れや、ダイスランド自体の非対称性よりも、光ファイバ素線の自重による遠心力や光ファイバ素線の剛性等により光ファイバ素線が撓んでしまい、被覆層形成部を通過する際の光ファイバ裸線のパスラインが被覆層形成部に対して大きく変動してしまうことが、偏心の大きな要因となっているという知見を得た。また、本発明者は、この問題に、光ファイバ素線32の走行方向を変える最初のプーリ22と、光ファイバ素線32との接触角θが大きく関係しているという知見を得た。そこで、本発明者は、接触角θを変化させたときの、被覆層の偏心量の変化について測定を行った。
図3は、接触角θと光ファイバ素線の偏肉との関係の測定結果を示すグラフである。図3において、横軸は接触角θ(°)を表し、縦軸は偏肉を表す。図4は、偏肉の定義を説明するための断面図である。本明細書においては、光ファイバ裸線に対する被覆層の偏心量を表す指標として、偏肉という指標を用いた。
図4に示すように、光ファイバ素線32は、光ファイバ裸線30の外側表面を被覆層34が被覆した構造となっている。同図4に示すように、光ファイバ素線32の断面における被覆層34の最大肉厚をDmaxとし、最小肉厚をDminとしたときに、偏肉を、Dmax/Dminで表した。たとえば、光ファイバ裸線30と被覆層34とが同心になっている場合、Dmax=Dminであるから、偏肉=1であり、偏肉が1に近いほど、品質が良好であるといえる。
本発明者は、図3に示すように、線引き速度を1500、2100、2800m/minにしたときの接触角θと偏肉の関係について測定した。その結果、1500、2100、2800m/minのいずれの線引き速度においても、光ファイバ素線32の走行方向を変える最初の固形物であるプーリ22と、光ファイバ素線32との接触角θを、10°以上且つ80°以下に設定することにより、偏肉を1.1以下と非常に小さい値にすることができることを確認した。
接触角θを10°以上且つ80°以下に設定すると、加熱炉14とプーリ22との間を走行する光ファイバ(光ファイバ裸線30および光ファイバ素線32)の撓みが抑えられ、理想的な光ファイバのパスラインに対する実際のパスラインの変動量が小さくなる。このため、被覆層形成部18を通過する際の光ファイバ裸線30のパスラインが被覆層形成部18に対して大きく変動するのを防げることができるので、被覆層の被覆時の偏肉を非常に小さい値にすることができる。
なお、本実施形態においては、図5に示すように、プーリ22による光ファイバ素線32の走行方向の変化角φが、接触角θと略等しくなる。また、光ファイバ素線32とプーリ22の中心軸Ax1を通り水平方向に沿って延びる直線(前記線L1)とのなす角は、略直角になる。このため、加熱炉14とプーリ22との間を走行する光ファイバ裸線30および光ファイバ素線32のパスラインは、鉛直方向に沿って真っ直ぐに延びる理想的なパスラインと略一致する。
接触角θが10°未満の場合、プーリ22と光ファイバ素線32との間の接触が小さすぎるため、これらの間の摩擦が少なくなり、光ファイバ素線32がプーリ22上を滑ってしまう虞がある。また、接触角θが10°未満の場合、図6に示すように、光ファイバ素線32が撓んでプーリ22に接触せずに、引き取り部42が光ファイバ素線32の走行方向を変える最初の固形物として動作してしまう虞がある。この場合、理想的な光ファイバ素線32のパスライン(破線)に対する実際のパスライン(実線)の変動量が大きくなる。このように、接触角θが10°未満の場合、光ファイバ素線32のパスライン制御に対してプーリ22が影響を及ぼしにくくなるため、パスラインの変動を抑制する効果が小さくなり、偏肉が大きくなってしまう。
また、接触角θが80°よりも大きい場合、光ファイバ素線32に作用する遠心力等によって、被覆層形成部18とプーリ22との間を走行する光ファイバ素線32が所望のパスラインから外れやすくなるため、パスラインの変動が大きくなり、偏肉が大きくなってしまう。
このように、本実施の形態に係る光ファイバ製造装置10においては、光ファイバ素線32の走行方向を変える最初のプーリ22と、光ファイバ素線32との接触角θを、10°以上且つ80°以下とすることにより、線引き速度が1500m/min以上の高速線引きの場合であっても、偏肉が低減された品質の高い光ファイバ素線32を製造することができる。
また、光ファイバ製造装置10によると、従来技術のように被覆層形成部18を傾斜させなくとも偏肉を小さくすることができるので、光ファイバ素線32が被覆層形成部18に接触する可能性を低減できる。これにより、光ファイバ素線32の強度不良や外観不良、マイクロベンディングによる損失悪化などを回避できるので、品質の高い光ファイバ素線32を製造することができる。
また、光ファイバ製造装置10によれば、被覆層形成部18を通過する際の光ファイバ裸線32のパスラインが被覆層形成部18に対して相対的に大きく変動するのを防ぐことができる。したがって、パスラインのずれを補うように被覆層形成部18を傾斜させたり、被覆層形成部18や冷却部16などを水平方向に移動させたりせずとも、被覆層の偏心量を小さくすることができる。この結果、傾斜機構や移動機構などが不要となり、光ファイバ製造装置10の構成を簡易なものとすることができる。
また、本実施の形態に係る光ファイバ製造装置10においては、プーリ22における光ファイバ素線32との接触面が、円柱状のプーリ本体部23の外周面26の一部により形成されている。さらに、プーリ本体部23の外周面26の幅Wが10mm程度と、光ファイバ素線32の外径である250μmよりも非常に大きく形成されている。理想的なパスラインに対する実際のパスラインの変動量は数ミリ程度であるため、外周面26の幅方向における光ファイバ素線32の位置は、実質的に制限されないようになっている。すなわち、光ファイバ素線32は、プーリ本体部23の外周面26の幅方向に沿って移動自在である。
たとえば外周面26に、その周方向に沿ってV溝(図示せず)を形成し、このV溝に光ファイバ素線32を沿わせて、外周面26の幅方向における光ファイバ素線32の位置を制限した場合、V溝が厳密に(数十μmオーダーで)芯出しされていないと、V溝を構成する一方の斜面のみに光ファイバ素線32が片当たりした状態となる。このようにV溝により光ファイバ素線32を強制的に変位させた場合、光ファイバ素線32には理想的なパスラインに行こうとする力が働き、結果として光ファイバ素線32が一方向にねじれるという現象が生じてしまう。また、理想的に芯出しされていないV溝中心に光ファイバ素線32をずらしてしまうことで、光ファイバ素線32の芯ずれが起き、被覆層の偏心量が大きくなってしまう。これに対し、本実施形態では、外周面26の幅方向における光ファイバ素線32の位置を実質的に制限しないため、光ファイバ素線32のねじれや、被覆層の偏心量の増大を抑制できる。
また、プーリ22の次に光ファイバ素線32に接触する回転体(前記回転体42aに相当する回転体)の回転軸が固定されておらず、たとえば揺動するように構成されている場合には、光ファイバ素線32の芯がぶれてしまうことで、光ファイバ素線32の横方向の振動に加え、縦方向(長手方向)の振動(周期の短い線速変動成分)が発生し、被覆を安定して行うことができない可能性がある。従って、この場合は、前段のプーリ22の外周面26にV溝等を形成して振動を抑制しなければ、偏心量が大きく、しかも、偏心量が光ファイバ素線32の長手方向で変化してしまう。しかしながら、V溝を形成した場合には上述したような光ファイバ素線32のねじれや被覆層の偏心量の増大の問題が発生することになる。
一方、本実施形態に係る光ファイバ製造装置10では、プーリ22の次に光ファイバ素線32に接触する回転体42aの回転軸Ax2の絶対位置が固定されている。このため、プーリ22の光ファイバ素線32との接触面が、外周面26の幅方向における光ファイバ素線32の位置を制限しないよう形成されていても、光ファイバ素線32のぶれが抑制されてパスラインが安定する。その結果、偏心量が小さく、また長手方向において偏心量の変動の小さい光ファイバ素線32を形成できる。
<第2の実施形態>
図7は、本発明の第2の実施形態に係る光ファイバ製造装置40を示す図である。なお、図7に示す光ファイバ製造装置40においては、図1に示す光ファイバ製造装置10と同一または対応する構成要素については同一の符号を付すとともに、詳細な説明を省略する。
光ファイバ製造装置40においては、樹脂硬化部20から繰り出された光ファイバ素線32を、プーリを介さずに引き取り部42に接触させている。そして、引き取り部42によって最初に走行方向が紙面右下に変えられた光ファイバ素線32は、回転軸Ax1の絶対位置が固定されたプーリ22によって再度走行方向が紙面右上に変えられた後、巻き取り部24により巻き取られる。引き取り部42の回転体42aは、図2に示したプーリ22と同様に平溝構造の回転体であり、溝の幅は10mm程度に形成されている。
光ファイバ製造装置40においても、樹脂硬化部20から出力された光ファイバ素線32の走行方向を変える最初の固形物である引き取り部42の回転体42aと、光ファイバ素線32との接触角θを10°以上且つ80°以下に設定することにより、線引き速度が1500m/min以上の高速線引きの場合であっても、偏肉が低減された品質の高い光ファイバ素線32を製造することができる。
また、光ファイバ製造装置40においても、上述の光ファイバ製造装置10と同様に、光ファイバ素線32の強度不良や外観不良、マイクロベンディングによる損失悪化などを回避できる。また、傾斜機構や移動機構などが不要であるため、光ファイバ製造装置40の構成を簡易なものとすることができる。
また、本実施形態においても、回転体42aの光ファイバ素線32との接触面は、回転体42aの円周面の幅方向における光ファイバ素線32の位置を制限しないよう形成されている。このため、光ファイバ素線32が一方向にねじれるという現象や、偏心量が大きくなる現象が生じ難くできる。
また、本実施形態においても、回転体42aの次に光ファイバ素線32に接触する固形物であるプーリ22は回転体であり、このプーリ22の回転軸Ax1の絶対位置は固定されている。このため、回転体42aの光ファイバ素線32との接触面が、回転体42aの円周面の幅方向における光ファイバ素線32の位置を制限しないよう形成されていても、光ファイバ素線32のぶれが抑制されてパスラインが安定する。その結果、偏心量が小さく、また長手方向において偏心量の変動の小さい光ファイバ素線32を形成できる。
<第3の実施形態>
図8は、本発明の第3の実施形態に係る光ファイバ製造装置50を示す説明図である。図8に示す光ファイバ製造装置50も、図1に示す光ファイバ製造装置10と同一または対応する構成要素については同一の符号を付すとともに、詳細な説明を省略する。
光ファイバ製造装置50においては、樹脂硬化部20から繰り出された後、光ファイバ素線32が最初に走行方向を変えられるプーリ22と、このプーリ22を通った光ファイバ素線32が次に接触する引き取り部42の回転体42aとが、光ファイバ素線32が通過する際に、互いに逆方向に回転するよう配置されている。プーリ22の構造については図2に示したものと同じである。また、プーリ22の次に光ファイバ素線32に接触する固形物である回転体42aの回転軸Ax2の絶対位置は固定されている。
光ファイバ製造装置50においても、樹脂硬化部20から出力された光ファイバ素線32の走行方向を最初に変える固形物であるプーリ22と、光ファイバ素線32との接触角θを10°以上且つ80°以下に設定することにより、線引き速度が1500m/min以上の高速線引きの場合であっても、偏肉が低減された品質の高い光ファイバ素線32を製造することができる。
さらに、光ファイバ製造装置50では、プーリ22と、引き取り部42の回転体42aとが、光ファイバ素線32が通過する際に、互いに逆方向に回転するよう配置されているので、光ファイバ素線32が受ける遠心力が互いに逆方向となる。これにより、光ファイバ素線32に作用する力が相殺し、光ファイバ素線32のパスラインの変動が生じ難くなるので、偏肉がより小さい光ファイバ素線32を製造することができる。
また、光ファイバ製造装置50においても、上述の光ファイバ製造装置10と同様に、光ファイバ素線32の強度不良や外観不良、マイクロベンディングによる損失悪化などを回避できる。また、傾斜機構や移動機構などが不要であるため、光ファイバ製造装置50の構成を簡易なものとすることができる。
また、本実施形態においても、プーリ22の光ファイバ素線32との接触面は、プーリ22のプーリ本体部23の外周面26の幅方向における光ファイバ素線32の位置を制限しないよう形成されている。このため、光ファイバ素線32が一方向にねじれるという現象や、偏心量が大きくなる現象が生じ難くできる。
また、本実施形態においても、プーリ22の次に光ファイバ素線32に接触する固形物である回転体42aは回転体であり、この回転体42aの回転軸Ax2の絶対位置は固定されている。このため、プーリ22の光ファイバ素線32との接触面が、プーリ22のプーリ本体部23の外周面26の幅方向における光ファイバ素線32の位置を制限しないよう形成されていても、光ファイバ素線32のぶれが抑制されてパスラインが安定する。その結果、偏心量が小さく、また長手方向において偏心量の変動の小さい光ファイバ素線32を形成できる。
<第4の実施形態>
図9は、本発明の第4の実施形態に係る光ファイバ製造装置60を示す説明図である。図9に示す光ファイバ製造装置60も、図1に示す光ファイバ製造装置10と同一または対応する構成要素については同一の符号を付すとともに、詳細な説明を省略する。
光ファイバ製造装置60においては、樹脂硬化部20と引き取り部42との間に、第1プーリ22aと、第2プーリ22bの2つのプーリが配置されている。第1プーリ22aと第2プーリ22bは、同じ方向に回転するように配置されている。
光ファイバ製造装置60では、樹脂硬化部20から出力された光ファイバ素線32は、第1プーリ22aにより最初に走行方向が紙面右下に変えられ、次に第2プーリ22bにより再度走行方向が紙面右上に変えられた後、引き取り部42を介して巻き取り部24により巻き取られる。第1プーリ22aの構造については、図2に示すものと同様である。また、第1プーリ22aの次に光ファイバ素線32に接触する第2プーリ22bの回転軸の絶対位置は固定されている。
光ファイバ製造装置60においても、樹脂硬化部20から出力された光ファイバ素線32の走行方向を最初に変える固形物である第1プーリ22aと、光ファイバ素線32との接触角θを10°以上且つ80°以下に設定することにより、線引き速度が1500m/min以上の高速線引きの場合であっても、偏肉が低減された品質の高い光ファイバ素線32を製造することができる。
光ファイバ製造装置60を設置する環境によって、光ファイバ素線32の走行方向を樹脂硬化部20から出力されたときの走行方向から90°以上曲げなければならない場合がある。本実施形態では、このような場合に、光ファイバ素線32が最初に接触するプーリで走行方向を90°以上曲げるのではなく、最初に接触する第1プーリ22aでは、接触角θを10°以上且つ80°以下に設定し、2番目以降に接触するプーリによって全体として走行方向を90°以上曲げる。これにより、光ファイバ素線32の偏肉を低減できるとともに、光ファイバ製造装置60における個々の構成要素の配置の自由度を高めることができる。
また、光ファイバ製造装置60においても、上述の光ファイバ製造装置10と同様に、光ファイバ素線32の強度不良や外観不良、マイクロベンディングによる損失悪化などを回避できる。また、傾斜機構や移動機構などが不要であるため、光ファイバ製造装置60の構成を簡易なものとすることができる。
また、本実施形態においても、第1プーリ22aの光ファイバ素線32との接触面は、第1プーリ22aの外周面の幅方向における光ファイバ素線32の位置を制限しないよう形成されている。このため、光ファイバ素線32が一方向にねじれるという現象や、偏心量が大きくなる現象が生じ難くできる。
また、本実施形態においても、第1プーリ22aの次に光ファイバ素線32に接触する固形物である第2プーリ22bは回転体であり、この第2プーリ22bの回転軸の絶対位置は固定されている。このため、第1プーリ22aの光ファイバ素線32との接触面が、第1プーリ22aの外周面の幅方向における光ファイバ素線32の位置を制限しないよう形成されていても、光ファイバ素線32のぶれが抑制されてパスラインが安定する。その結果、偏心量が小さく、また長手方向において偏心量の変動の小さい光ファイバ素線32を形成できる。
<第5の実施形態>
図10は、本発明の第5の実施形態に係る光ファイバ製造装置70を示す説明図である。図10に示す光ファイバ製造装置70も、図1に示す光ファイバ製造装置10と同一または対応する構成要素については同一の符号を付すとともに、詳細な説明を省略する。
光ファイバ製造装置70においても、図9に示す光ファイバ製造装置60と同様に、樹脂硬化部20と引き取り部42との間に、第1プーリ22aと、第2プーリ22bの2つのプーリが配置されている。光ファイバ製造装置70では、第1プーリ22aと第2プーリ22bは、逆方向に回転するように配置されている。
光ファイバ製造装置70では、樹脂硬化部20から出力された光ファイバ素線32は、第1プーリ22aにより最初に走行方向が変えられ、次に第2プーリ22bにより再度走行方向が変えられた後、引き取り部42を介して巻き取り部24により巻き取られる。第1プーリ22aの構造については、図2に示すものと同様である。また、第1プーリ22aの次に光ファイバ素線32に接触する第2プーリ22bの回転軸の絶対位置は固定されている。
光ファイバ製造装置70においても、樹脂硬化部20から出力された光ファイバ素線32の走行方向を最初に変える固形物である第1プーリ22aと、光ファイバ素線32との接触角θを10°以上且つ80°以下に設定することにより、線引き速度が1500m/min以上の高速線引きの場合であっても、偏肉が低減された品質の高い光ファイバ素線32を製造することができる。
さらに、光ファイバ製造装置70では、第1プーリ22aと、第2プーリ22bとが、光ファイバ素線32が通過する際に、互いに逆方向に回転するよう配置されているので、光ファイバ素線32が受ける遠心力が互いに逆方向となる。これにより、光ファイバ素線32に作用する力が相殺し、光ファイバ素線32のパスラインの変動が生じ難くなるので、偏肉がより小さい光ファイバ素線32を製造することができる。また、図8に示す光ファイバ製造装置60と同様に、光ファイバ製造装置70における個々の構成要素の配置の自由度を高めることができる。
また、光ファイバ製造装置70においても、上述の光ファイバ製造装置10と同様に、光ファイバ素線32の強度不良や外観不良、マイクロベンディングによる損失悪化などを回避できる。また、傾斜機構や移動機構などが不要であるため、光ファイバ製造装置70の構成を簡易なものとすることができる。
また、本実施の形態においても、第1プーリ22aの光ファイバ素線32との接触面は、第1プーリ22aの外周面の幅方向における光ファイバ素線32の位置を制限しないよう形成されている。このため、光ファイバ素線32が一方向にねじれるという現象や、偏心量が大きくなる現象が生じ難くできる。
また、本実施の形態においても、第1プーリ22aの次に光ファイバ素線32に接触する固形物である第2プーリ22bは回転体であり、この第2プーリ22bの回転軸の絶対位置は固定されている。このため、第1プーリ22aの光ファイバ素線32との接触面が、第1プーリ22aの外周面の幅方向における光ファイバ素線32の位置を制限しないよう形成されていても、光ファイバ素線32のぶれが抑制されてパスラインが安定する。その結果、偏心量が小さく、また長手方向において偏心量の変動の小さい光ファイバ素線32を形成できる。
次に、本発明の実施例および比較例について説明する。
(実施例1)
光ファイバ母材を加熱溶融し、光ファイバ裸線を引き出し、適切な温度に冷却する。その後、UV硬化型プライマリ樹脂を塗布し、ついで、UV照射架橋筒を通過させプライマリ樹脂を硬化させる。その後、再びUV硬化型セカンダリ樹脂を塗布し、UV照射架橋筒を通過させセカンダリ樹脂を硬化させて(wet on dryコーティング方式)光ファイバ素線とした。その後、引き取り部に最初に接触させ、かつ光ファイバ素線の走行方向を曲げて、巻き取り部にて光ファイバ素線を巻き取った。このときの引き取り部への光ファイバ素線の接触角θは80°とした。また、線引き速度は、1500m/minとした。被覆層形成部の設置位置は、理想的な光ファイバ素線のパスラインに基づいて設定された。また、被覆層形成部は、傾斜させずに設置された。試作した光ファイバ素線の偏肉、外観をマイクロスコープにより観察した結果、偏肉は光ファイバ素線の長手方向にわたり1.1以下であり、界面の状態も良好であった。
(実施例2)
光ファイバ母材を加熱溶融し、光ファイバ裸線を引き出し、適切な温度に冷却する。その後、UV硬化型プライマリ樹脂を塗布し、ついで、UV照射架橋筒を通過させプライマリ樹脂を硬化させる。その後、再びUV硬化型セカンダリ樹脂を塗布し、UV照射架橋筒を通過させセカンダリ樹脂を硬化させて(wet on dryコーティング方式)光ファイバ素線とした。その後、プーリに最初に接触させ、かつ光ファイバ素線の走行方向を曲げた後、引き取り部を介して巻き取り部にて光ファイバ素線を巻き取った。このときのプーリへの光ファイバ素線の接触角θは10°とし、引き取り部への光ファイバ素線の接触角θは110°とした。また、線引き速度は1800m/minとした。被覆層形成部の設置位置は、理想的な光ファイバ素線のパスラインに基づいて設定された。また、被覆層形成部は、傾斜させずに設置された。試作した光ファイバ素線の偏肉、外観をマイクロスコープにより観察した結果、偏肉は光ファイバ素線の長手方向にわたり1.1以下であり、界面の状態も良好であった。
(実施例3)
光ファイバ母材を加熱溶融し、光ファイバ裸線を引き出し、適切な温度に冷却する。その後、UV硬化型プライマリ樹脂およびUV硬化型セカンダリ樹脂を一括して塗布し、UV照射架橋筒を通過させプライマリ樹脂、セカンダリ樹脂を共に硬化させて(wet on wetコーティング方式)光ファイバ素線とした。その後、プーリに最初に接触させ、かつ光ファイバ素線の走行方向を曲げた後、引き取り部を介して巻き取り部にて光ファイバ素線を巻き取った。このときのプーリへの光ファイバ素線の接触角θは30°とし、引き取り部への光ファイバ素線の接触角θは90°とした。また、線引き速度は2200m/minとした。被覆層形成部の設置位置は、理想的な光ファイバ素線のパスラインに基づいて設定された。また、被覆層形成部は、傾斜させずに設置された。試作した光ファイバ素線の偏肉、外観をマイクロスコープにより観察した結果、偏肉は光ファイバ素線の長手方向にわたり1.1以下であり、界面の状態も良好であった。
(実施例4)
光ファイバ母材を加熱溶融し、光ファイバ裸線を引き出し、適切な温度に冷却する。その後、UV硬化型プライマリ樹脂およびUV硬化型セカンダリ樹脂を一括して塗布し、UV照射架橋筒を通過させプライマリ樹脂、セカンダリ樹脂を共に硬化させて(wet on wetコーティング方式)光ファイバ素線とした。その後、プーリに最初に接触させ、かつ光ファイバ素線の走行方向を曲げた後、さらにプーリにて同じ方向にパスラインを曲げた後、引き取り部を介して巻き取り部にて光ファイバ素線を巻き取った。このときの最初のプーリへの光ファイバ素線の接触角θは45°、後段のプーリへの接触角θは45°とし、引き取り部へのファイバの接触角θは60°とした。また、線引き速度は2200m/minとした。被覆層形成部の設置位置は、理想的な光ファイバ素線のパスラインに基づいて設定された。また、被覆層形成部は、傾斜させずに設置された。試作した光ファイバ素線の偏肉、外観をマイクロスコープにより観察した結果、偏肉は光ファイバ素線の長手方向にわたり1.1以下であり、界面の状態も良好であった。
(実施例5)
光ファイバ母材を加熱溶融し、光ファイバ裸線を引き出し、適切な温度に冷却する。その後、UV硬化型プライマリ樹脂およびUV硬化型セカンダリ樹脂を一括して塗布し、UV照射架橋筒を通過させプライマリ樹脂、セカンダリ樹脂を共に硬化させて(wet on wetコーティング方式)光ファイバ素線とした。その後、プーリに最初に接触させ、かつ光ファイバ素線の走行方向を曲げ、次にプーリにて逆方向に走行方向を曲げた後、引き取り部を介して巻き取り部にて光ファイバ素線を巻き取った。このときの最初のプーリへの光ファイバ素線の接触角θは60°、後段のプーリへの接触角は60°とし、引き取り部へのファイバの接触角θは120°とした。また、線引き速度は2800m/minとした。被覆層形成部の設置位置は、理想的な光ファイバ素線のパスラインに基づいて設定された。また、被覆層形成部は、傾斜させずに設置された。試作した光ファイバ素線の偏肉、外観をマイクロスコープにより観察した結果、偏肉は光ファイバ素線の長手方向にわたり1.1以下であり、界面の状態も良好であった。
(比較例1)
光ファイバ母材を加熱溶融し、光ファイバ裸線を引き出し、適切な温度に冷却する。その後、UV硬化型プライマリ樹脂を塗布し、ついで、UV照射架橋筒を通過させプライマリ樹脂を硬化させる。その後、再びUV硬化型セカンダリ樹脂を塗布し、UV照射架橋筒を通過させセカンダリ樹脂を硬化させて(wet on dryコーティング方式)光ファイバ素線とした。その後、引き取り部に最初に接触させ、かつ光ファイバ素線の走行方向を曲げて、巻き取り部にて光ファイバ素線を巻き取った。このときの引き取り部への光ファイバ素線の接触角θは90°とした。また、線引き速度は、1500m/minとした。被覆層形成部の設置位置は、理想的な光ファイバ素線のパスラインに基づいて設定された。また、被覆層形成部は、傾斜させずに設置された。試作した光ファイバ素線の偏肉、外観をマイクロスコープにより観察した結果、偏肉は光ファイバ素線の長手方向にわたり1.5以上であり、界面の状態も波打っており、不良であった。
(比較例2)
光ファイバ母材を加熱溶融し、光ファイバ裸線を引き出し、適切な温度に冷却する。その後、UV硬化型プライマリ樹脂およびUV硬化型セカンダリ樹脂を一括して塗布し、UV照射架橋筒を通過させプライマリ樹脂、セカンダリ樹脂を共に硬化させて(wet on wetコーティング方式)光ファイバ素線とした。その後、プーリに最初に接触させ、かつ光ファイバ素線の走行方向を曲げた後、引き取り部を介して巻き取り部にて光ファイバ素線を巻き取った。このときのプーリへの光ファイバ素線の接触角θは5°とし、引き取り部へのファイバの接触角θは120°とした。また、線引き速度は2800m/minとした。被覆層形成部の設置位置は、理想的な光ファイバ素線のパスラインに基づいて設定された。また、被覆層形成部は、傾斜させずに設置された。試作した光ファイバ素線の偏肉、外観をマイクロスコープにより観察した結果、偏肉は光ファイバ素線の長手方向にわたり1.5以上であり、界面の状態も波打っており、不良であった。
以上の実施例では、偏肉が低減されるだけでなく、光ファイバ素線の界面の安定性の向上という効果も得られた。上述の特許文献1においては、被覆層形成部を光ファイバ裸線に対して傾斜させすぎると、被覆層形成部の部品の一部に光ファイバ裸線が接触したりして界面の安定性が悪くなる可能性がある。このように、本発明の実施の形態によれば、線引き速度が1500m/min以上の高速線引きの場合であっても、偏肉が低減され、かつ界面の安定性が向上した品質の高い光ファイバ素線を製造できる。
以上、本発明を実施の形態をもとに説明した。この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
上述の実施の形態では、光ファイバ素線の走行方向を変更する固形物として、プーリや引き取り部を用いたが、光ファイバ素線の走行方向を変化させる部材であればこの固形物は特に限定されない。たとえば、光ファイバ素線の走行方向を変更する固形物は、キャプスタンやガイドコロなどであってもよい。
上述の実施の形態では、樹脂硬化部の直後にプーリや引き取り部等の固形物を設けて光ファイバ素線の走行方向を変更しているが、樹脂硬化部と走行方向を変える固形物との間に、光ファイバ素線の走行方向を変えない固形物、たとえば光ファイバ素線を捩るのみの機構などが設けられていてもよい。
本発明の光ファイバ製造装置によれば、被覆層形成部と回転体との間を走行する光ファイバ素線を、所望のパスラインに収めることができる。よって、例え線引き速度が1500m/min以上の高速線引きを行っても、被覆層形成部を通過する際の光ファイバ裸線のパスラインが被覆層形成部に対して大きく変動するのを防げるので、被覆層の光ファイバ裸線に対する偏心を抑えられる。したがって、簡易な構成により、品質の高い光ファイバ素線を高速線引きで製造することができる。

Claims (3)

  1. 光ファイバ母材を線引きして光ファイバ裸線を形成する光ファイバ裸線形成部と;
    この光ファイバ裸線形成部から繰り出された前記光ファイバ裸線を被覆層で被覆して光ファイバ素線を形成する被覆層形成部と;
    この被覆形成部から繰り出された前記光ファイバ素線に接してその走行方向を変える最初の固形物である第1の方向変換部と;
    この第1の方向変換部を経た前記光ファイバ素線を巻き取る巻き取り部と;
    前記回転体と前記巻き取り部との間に前記回転体の次に光ファイバ素線に接触する固形物として設けられ、前記光ファイバ素線の走行方向をさらに変える第2の方向変換部となる他の回転体と;
    を備え、
    前記第1の方向変換部が、前記光ファイバ素線に接してかつ回転中心回りに形成された円周面を有する回転体であり;
    この回転体と前記光ファイバ素線との間の、前記回転中心を中心とする接触角が10°以上かつ80°以下であり;
    前記円周面が、前記回転中心を含む断面で見た場合に、所定の幅寸法を有する平坦形状をなしており、
    前記他の回転体の回転軸の絶対位置が固定されており、
    前記第1の方向変換部である前記回転体と、前記第2の方向変換部である前記他の回転体との回転方向が互いに逆方向である光ファイバ製造装置。
  2. 光ファイバ母材を線引きして光ファイバ裸線を形成する光ファイバ裸線形成工程と;
    この光ファイバ裸線形成工程後の前記光ファイバ裸線を被覆層で被覆して光ファイバ素線を形成する被覆層形成工程と;
    この被覆形成工程後の前記光ファイバ素線に対し、この光ファイバ素線の走行方向を変える最初の固形物である回転体の円周面を接触させて、前記走行方向を変更する第1の方向変換工程と;
    この第1の方向変換工程後の前記光ファイバ素線を巻き取る巻き取り工程と;
    前記第1の方向変換工程と前記巻き取り工程との間にて、前記光ファイバ素線を前記回転体よりも下流側に前記回転体の次に光ファイバ素線に接触する固形物として設けられた他の回転体に接触させて前記光ファイバ素線の走行方向をさらに変える第2の方向変換工程と;
    を備え、
    前記第1の方向変換工程では、前記回転体と前記光ファイバ素線との間における、この回転体の回転中心を中心とする接触角を10°以上かつ80°以下とし、かつ、前記回転中心を含む断面で前記円周面を見た場合に、この円周面の幅方向に沿って前記光ファイバ素線を移動自在とし、
    前記他の回転体は、その回転軸の絶対位置を固定し、
    前記第1の方向変換工程における前記光ファイバ素線の走行方向の変化の向きと、前記第2の方向変換工程における前記光ファイバ素線の走行方向の変化の向きとが、互いに逆方向である光ファイバ製造方法。
  3. 前記光ファイバ裸線の線引きの速度を1500m/min以上とする請求項に記載の光ファイバ製造方法。
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