JP2005343703A - 光ファイバ素線の製造方法、光ファイバ素線 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 光ファイバ母材を溶融紡糸して光ファイバ裸線を形成する紡糸工程と、該紡糸工程により形成された光ファイバ裸線を緩やかに冷却する徐冷工程と、徐冷工程を経た光ファイバ裸線を被覆材で被覆する温度まで冷却する冷却工程と、冷却工程により冷却された光ファイバ裸線を被覆材で被覆して光ファイバ素線を形成する被覆工程を備えた光ファイバ素線の製造方法において、被覆工程において被覆材が被覆される前の光ファイバ裸線の外径をdとすると、徐冷工程において、外径がd+0.2dからdに変化するまでの区間内における光ファイバ裸線の少なくとも一部の平均冷却速度を10000℃/sec以下とする。
【選択図】 図2
Description
図17は、従来の光ファイバ素線の製造方法で用いられる光ファイバ素線の製造装置の概略構成を示す模式図である。
(1)線引き速度が1000m/min未満の場合、図18(a)に示すように、光ファイバ素線の紡糸中、光ファイバ母材121の加熱溶融部(ネックダウン部)121aは紡糸炉122内にある。一方、線引き速度が1000m/min以上の場合、図18(b)に示すように、光ファイバ素線の紡糸中、光ファイバ母材121の加熱溶融部121aは長くなり、紡糸炉122外に突出してしまう。
ここで、対流熱伝達率とは、光ファイバ裸線とその周囲雰囲気との間で移動する熱量を表している。
さらに、本発明によれば、光ファイバ素線に生じる残留応力を効率的に低減することができるので、余分な設備投資の必要がなく、製造コストの増加を抑制することができる。
光ファイバ素線の残留応力は、コアとクラッドに含まれる添加物の種類や量の違いによる熱膨張係数の差に起因する熱応力や、線引き時に加えられる張力によって生じる引張り歪によって決定される。
熱応力は、コアまたはクラッドを形成する材料に起因しているため、光ファイバ素線の原料である光ファイバ母材の組成を変えない限り変化しない。
v(δA/δx)=−F/β (1)
ここで、vは線引き速度、δA/δxはネックダウン部の変形率、Fは線引張力、βは伸び粘性係数をそれぞれ表している。
また、β=3η(ηは粘性係数)であることから、上記の式(1)より、線引張力は、ネックダウン部の変形率と光ファイバ母材の粘度の積で表される。
平均冷却速度={徐冷開始温度[℃]−徐冷終了温度[℃]}/徐冷距離[m]×線引き速度[m/min]
すなわち、本発明において、平均冷却速度は、徐冷開始から徐冷終了までの間における温度の減少割合を表わしている。
なお、引張応力は、主に線引張力負担(光軸方向)に起因する応力である。また、圧縮応力は、主にガラスの粘度差により、線引張力負担部分より(光軸方向)低粘度部分に起因する応力である。
ここで、光ファイバ素線のクラッドの最外層における光軸方向の残留応力の径方向分布の平均変化率とは、上記光ファイバ裸線の径方向残留応力分布の最外層から5μm内側より、少なくとも、さらに内側に30μm以上にわたる残留応力の変化率を示している。例えば、図3において、平均残留応力変化率aは、(30−0)/30=1MPa/μmとなる。
図2に示したような光ファイバ素線の製造装置を用いて、シングルモードファイバ用の光ファイバ母材を線引き速度1000m/min、線引張力180gfで溶融紡糸して外径125μmの光ファイバ裸線を形成し、続いて、この光ファイバ裸線にウレタン−アクリレート系紫外線硬化型樹脂からなる被覆材を硬化してなる一次被覆層、二次被覆層を順次設けて外径250μmの光ファイバ素線を製造した。得られた光ファイバ素線は、ゲルマニウム(Ge)添加コア、酸化ケイ素(SiO2)クラッドを有し、一次被覆層および二次被覆層がウレタン−アクリレート系の紫外線硬化型樹脂からなるシングルモードファイバであった。
徐冷炉内にはアルゴンガスを供給し、徐冷炉内の温度を400℃に設定した。
また、徐冷炉には、非接触式外測器および非接触式ファイバ温度計を設けて、線引き中の光ファイバ裸線の外径が150μm〜125μmの区間で、光ファイバ裸線の徐冷を行うように、徐冷炉を配置した。
徐冷炉の長さを0.7mとした。また、徐冷炉の入口における光ファイバ裸線の外径は150μm、温度は1600℃、徐冷炉の出口における光ファイバ裸線の外径は125μm、温度は1200℃であった。したがって、徐冷炉における光ファイバ裸線の平均冷却速度(以下、「平均冷却速度」と略す。)は9524℃/secであった。
また、線引き速度をX[m/min]、徐冷炉内の温度をY[℃]とすると、本実施例は、Y≧0.5X−100なる関係式を満たしていた。
この光ファイバ素線の残留応力を測定した結果、平均残留応力変化率は0.5MPa/μmであった。また、コアとクラッドの界面における残留応力差(以下、「残留応力差」と略す。)は18MPaであった。
また、カットバック法により、この光ファイバ素線の損失波長特性を測定して、波長の4乗分の1と損失との関係を示すグラフを作成して構造不整損失を算出した結果、構造不整損失は0.01dB/km以下であった。
さらに、Polarization Optical Time Domain Refrectometry(以下、「OTDR」と略す。)により、波長1.55μmにおける伝送損失を測定した結果、この伝送損失は0.187dB/kmであった。
なお、構造不整損失の好ましい範囲は0.01dB/km以下、シングルモードファイバの伝送損失の好ましい範囲は0.19dB/km以下、ノンゼロ分散シフトファイバの伝送損失の好ましい範囲は0.20dB/km以下である。
以上の結果を表1に示す。
徐冷炉内の温度を1000℃に設定し、徐冷炉の長さを1.4mとした以外は実施例1と同様にして、光ファイバ素線を製造した。得られた光ファイバ素線は、ゲルマニウム添加コア、酸化ケイ素クラッドを有し、一次被覆層および二次被覆層がウレタン−アクリレート系の紫外線硬化型樹脂からなるシングルモードファイバであった。
徐冷炉における平均冷却速度は4762℃/secであった。
また、本実施例は、Y≧0.5X−100なる関係式を満たしていた。
この光ファイバ素線の残留応力を測定した結果、平均残留応力変化率は0.3MPa/μmであった。また、残留応力差は8MPaであった。
また、実施例1と同様にして構造不整損失を算出した結果、構造不整損失は0.01dB/km以下であった。
さらに、実施例1と同様にして、波長1.55μmにおける伝送損失を測定した結果、この伝送損失は0.187dB/kmであった。
以上の結果を表1に示す。
徐冷炉を取り除いて、紡糸炉を出て冷却筒に送り込まれるまでの光ファイバ裸線を空気による自然冷却とした以外は実施例1と同様にして、光ファイバ素線を製造した。得られた光ファイバ素線は、ゲルマニウム添加コア、酸化ケイ素クラッドを有し、一次被覆層および二次被覆層がウレタン−アクリレート系の紫外線硬化型樹脂からなるシングルモードファイバであった。
線引き中の光ファイバ裸線の外径が150μm〜125μmの区間の距離を0.5m、外径が150μmの時における光ファイバ裸線の温度は1600℃、外径が125μmの時における光ファイバ裸線の温度は1200℃であった。したがって、この間における平均冷却速度は13333℃/secであった。
また、本比較例は、徐冷炉を用いていないので、Y≧0.5X−100なる関係式を満たしていなかった。
この光ファイバ素線の残留応力を測定した結果、平均残留応力変化率は0.8MPa/μmであった。また、残留応力差は25MPaであった。
また、実施例1と同様にして構造不整損失を算出した結果、構造不整損失は0.015dB/kmであった。
さらに、実施例1と同様にして、波長1.55μmにおける伝送損失を測定した結果、この伝送損失は0.194dB/kmであった。
以上の結果を表1に示す。
徐冷炉の代わりに保護管を用いて、保護管内にはヘリウムガスを供給し、紡糸炉を出て冷却筒に送り込まれるまでの光ファイバ裸線を保護管内のヘリウムガス雰囲気内で急冷した以外は実施例1と同様にして、光ファイバ素線を製造した。得られた光ファイバ素線は、ゲルマニウム添加コア、酸化ケイ素クラッドを有し、一次被覆層および二次被覆層がウレタン−アクリレート系の紫外線硬化型樹脂からなるシングルモードファイバであった。
線引き中の光ファイバ裸線の外径が150μm〜125μmの区間で、光ファイバ裸線の徐冷を行うように、保護管を配置し、この区間の距離を0.4m、外径が150μmの時における光ファイバ裸線の温度は1600℃、外径が125μmの時における光ファイバ裸線の温度は1200℃であった。したがって、この間における平均冷却速度は16667℃/secであった。
また、本比較例は、徐冷炉を用いていないので、Y≧0.5X−100なる関係式を満たしていなかった。
この光ファイバ素線の残留応力を測定した結果、平均残留応力変化率は1.1MPa/μmであった。また、残留応力差は30MPaであった。
また、実施例1と同様にして構造不整損失を算出した結果、構造不整損失は0.02dB/kmであった。
さらに、実施例1と同様にして、波長1.55μmにおける伝送損失を測定した結果、この伝送損失は0.201dB/kmであった。
以上の結果を表1に示す。
線引き中の光ファイバ裸線の外径が160μm〜150μmの区間で、光ファイバ裸線の徐冷を行うように徐冷炉を配置し、徐冷炉内の温度を1000℃に設定し、徐冷炉の長さを0.2mとし、徐冷炉の入口における光ファイバ裸線の外径は160μm、温度は1700℃、徐冷炉の出口における光ファイバ裸線の外径は150μm、温度は1600℃とした以外は実施例1と同様にして、光ファイバ素線を製造した。得られた光ファイバ素線は、ゲルマニウム添加コア、酸化ケイ素クラッドを有し、一次被覆層および二次被覆層がウレタン−アクリレート系の紫外線硬化型樹脂からなるシングルモードファイバであった。
徐冷炉における平均冷却速度は8333℃/secであった。
また、本比較例は、Y≧0.5X−100なる関係式を満たしていた。
この光ファイバ素線の残留応力を測定した結果、平均残留応力変化率は0.8MPa/μmであった。また、残留応力差は25MPaであった。
また、実施例1と同様にして構造不整損失を算出した結果、構造不整損失は0.015dB/kmであった。
さらに、実施例1と同様にして、波長1.55μmにおける伝送損失を測定した結果、この伝送損失は0.195dB/kmであった。
以上の結果を表1に示す。
線引き中の光ファイバ裸線の外径が125μmになってから、光ファイバ裸線の徐冷を行うように徐冷炉を配置し、徐冷炉内の温度を400℃に設定し、徐冷炉の長さを0.5mとし、徐冷炉の入口における光ファイバ裸線の温度は1200℃、徐冷炉の出口における光ファイバ裸線の温度は1000℃であった以外は実施例1と同様にして、光ファイバ素線を製造した。得られた光ファイバ素線は、ゲルマニウム添加コア、酸化ケイ素クラッドを有し、一次被覆層および二次被覆層がウレタン−アクリレート系の紫外線硬化型樹脂からなるシングルモードファイバであった。
徐冷炉における平均冷却速度は6667℃/secであった。
また、本比較例は、Y≧0.5X−100なる関係式を満たしていた。
この光ファイバ素線の残留応力を測定した結果、平均残留応力変化率は0.8MPa/μmであった。また、残留応力差は25MPaであった。
また、実施例1と同様にして構造不整損失を算出した結果、構造不整損失は0.015dB/kmであった。
さらに、実施例1と同様にして、波長1.55μmにおける伝送損失を測定した結果、この伝送損失は0.192dB/kmであった。
以上の結果を表1に示す。
図2に示したような光ファイバ素線の製造装置を用いて、シングルモードファイバ用の光ファイバ母材を線引き速度1500m/min、線引張力210gfで溶融紡糸して外径125μmの光ファイバ裸線を形成し、続いて、この光ファイバ裸線にウレタン−アクリレート系紫外線硬化型樹脂からなる被覆材を硬化してなる一次被覆層、二次被覆層を順次設けて外径250μmの光ファイバ素線を製造した。得られた光ファイバ素線は、ゲルマニウム添加コア、酸化ケイ素クラッドを有し、一次被覆層および二次被覆層がウレタン−アクリレート系の紫外線硬化型樹脂からなるシングルモードファイバであった。
徐冷炉内には窒素ガスを供給し、徐冷炉内の温度を1000℃に設定した。
また、徐冷炉には、非接触式外測器および非接触式ファイバ温度計を設けて、線引き中の光ファイバ裸線の外径が150μm〜130μmの区間で、光ファイバ裸線の徐冷を行うように、徐冷炉を配置した。
徐冷炉の長さを1mとした。また、徐冷炉の入口における光ファイバ裸線の外径は150μm、温度は1600℃、徐冷炉の出口における光ファイバ裸線の外径は130μm、温度は1300℃であった。したがって、徐冷炉における平均冷却速度は7500℃/secであった。
また、本実施例は、Y≧0.5X−100なる関係式を満たしていた。
この光ファイバ素線の残留応力を測定した結果、平均残留応力変化率は0.4MPa/μmであった。また、残留応力差は13MPaであった。
また、カットバック法により、この光ファイバ素線の損失波長特性を測定して、波長の4乗分の1と損失との関係を示すグラフを作成して構造不整損失を算出した結果、構造不整損失は0.01dB/km以下であった。
さらに、OTDRにより、波長1.55μmにおける伝送損失を測定した結果、この伝送損失は0.188dB/kmであった。
以上の結果を表2に示す。
徐冷炉内の温度を800℃に設定し、徐冷炉の長さを0.75mとした以外は実施例3と同様にして、光ファイバ素線を製造した。得られた光ファイバ素線は、ゲルマニウム添加コア、酸化ケイ素クラッドを有し、一次被覆層および二次被覆層がウレタン−アクリレート系の紫外線硬化型樹脂からなるシングルモードファイバであった。
徐冷炉における平均冷却速度は10000℃/secであった。
また、本実施例は、Y≧0.5X−100なる関係式を満たしていた。
この光ファイバ素線の残留応力を測定した結果、平均残留応力変化率は0.5MPa/μmであった。また、残留応力差は20MPaであった。
また、実施例3と同様にして構造不整損失を算出した結果、構造不整損失は0.01dB/km以下であった。
さらに、実施例3と同様にして、波長1.55μmにおける伝送損失を測定した結果、この伝送損失は0.189dB/kmであった。
以上の結果を表2に示す。
徐冷炉内の温度を600℃に設定し、徐冷炉の長さを0.6mとした以外は実施例3と同様にして、光ファイバ素線を製造した。得られた光ファイバ素線は、ゲルマニウム添加コア、酸化ケイ素クラッドを有し、一次被覆層および二次被覆層がウレタン−アクリレート系の紫外線硬化型樹脂からなるシングルモードファイバであった。
徐冷炉における平均冷却速度は12500℃/secであった。
また、本実施例は、Y≧0.5X−100なる関係式を満たしていなかった。
この光ファイバ素線の残留応力を測定した結果、平均残留応力変化率は0.8MPa/μmであった。また、残留応力差は25MPaであった。
また、実施例3と同様にして構造不整損失を算出した結果、構造不整損失は0.015dB/kmであった。
さらに、実施例3と同様にして、波長1.55μmにおける伝送損失を測定した結果、この伝送損失は0.195dB/kmであった。
以上の結果を表2に示す。
徐冷炉を取り除いて、紡糸炉を出て冷却筒に送り込まれるまでの光ファイバ裸線を空気による自然冷却とした以外は実施例3と同様にして、光ファイバ素線を製造した。得られた光ファイバ素線は、ゲルマニウム添加コア、酸化ケイ素クラッドを有し、一次被覆層および二次被覆層がウレタン−アクリレート系の紫外線硬化型樹脂からなるシングルモードファイバであった。
線引き中の光ファイバ裸線の外径が150μm〜130μmの区間の距離を0.4m、外径が150μmの時における光ファイバ裸線の温度は1600℃、外径が130μmの時における光ファイバ裸線の温度を1300℃であった。したがって、この間における平均冷却速度は18750℃/secであった。
また、本比較例は、徐冷炉を用いていないので、Y≧0.5X−100なる関係式を満たしていなかった。
この光ファイバ素線の残留応力を測定した結果、平均残留応力変化率は1.2MPa/μmであった。また、残留応力差は32MPaであった。
また、実施例3と同様にして構造不整損失を算出した結果、構造不整損失は0.018dB/kmであった。
さらに、実施例3と同様にして、波長1.55μmにおける伝送損失を測定した結果、この伝送損失は0.198dB/kmであった。
以上の結果を表2に示す。
徐冷炉の代わりに保護管を用いて、保護管内にはヘリウムガスを供給し、紡糸炉を出て冷却筒に送り込まれるまでの光ファイバ裸線を保護管内のヘリウムガス雰囲気内で急冷した以外は実施例3と同様にして、光ファイバ素線を製造した。得られた光ファイバ素線は、ゲルマニウム添加コア、酸化ケイ素クラッドを有し、一次被覆層および二次被覆層がウレタン−アクリレート系の紫外線硬化型樹脂からなるシングルモードファイバであった。
線引き中の光ファイバ裸線の外径が150μm〜130μmの区間で、光ファイバ裸線の徐冷を行うように、保護管を配置し、この区間の距離を0.2m、外径が150μmの時における光ファイバ裸線の温度は1600℃、外径が130μmの時における光ファイバ裸線の温度は1300℃であった。したがって、この間における平均冷却速度は37500℃/secであった。
また、本比較例は、徐冷炉を用いていないので、Y≧0.5X−100なる関係式を満たしていない。
この光ファイバ素線の残留応力を測定した結果、平均残留応力変化率は1.9MPa/μmであった。また、残留応力差は38MPaであった。
また、実施例3と同様にして構造不整損失を算出した結果、構造不整損失は0.024dB/kmであった。
さらに、実施例3と同様にして、波長1.55μmにおける伝送損失を測定した結果、この伝送損失は0.203dB/kmであった。
以上の結果を表2に示す。
線引き中の光ファイバ裸線の外径が160μm〜150μmの区間で、光ファイバ裸線の徐冷を行うように徐冷炉を配置し、徐冷炉内の温度を1100℃に設定し、徐冷炉の長さを0.25mとし、徐冷炉の入口における光ファイバ裸線の外径は160μm、温度は1700℃、徐冷炉の出口における光ファイバ裸線の外径は150μm、温度は1600℃であった以外は実施例3と同様にして、光ファイバ素線を製造した。得られた光ファイバ素線は、ゲルマニウム添加コア、酸化ケイ素クラッドを有し、一次被覆層および二次被覆層がウレタン−アクリレート系の紫外線硬化型樹脂からなるシングルモードファイバであった。
徐冷炉における平均冷却速度は10000℃/secであった。
また、本比較例は、Y≧0.5X−100なる関係式を満たしていた。
この光ファイバ素線の残留応力を測定した結果、平均残留応力変化率は1.2MPa/μmであった。また、残留応力差は32MPaであった。
また、実施例3と同様にして構造不整損失を算出した結果、構造不整損失は0.018dB/kmであった。
さらに、実施例3と同様にして、波長1.55μmにおける伝送損失を測定した結果、この伝送損失は0.200dB/kmであった。
以上の結果を表2に示す。
線引き中の光ファイバ裸線の外径が125μmになってから、光ファイバ裸線の徐冷を行うように徐冷炉を配置し、徐冷炉内の温度を600℃に設定し、徐冷炉の長さを0.8mとし、徐冷炉の入口における光ファイバ裸線の温度は1200℃、徐冷炉の出口における光ファイバ裸線の温度は1000℃であった以外は実施例3と同様にして、光ファイバ素線を製造した。得られた光ファイバ素線は、ゲルマニウム添加コア、酸化ケイ素クラッドを有し、一次被覆層および二次被覆層がウレタン−アクリレート系の紫外線硬化型樹脂からなるシングルモードファイバであった。
徐冷炉における平均冷却速度は6250℃/secであった。
また、本比較例は、Y≧0.5X−100なる関係式を満たしていなかった。
この光ファイバ素線の残留応力を測定した結果、平均残留応力変化率は1.2MPa/μmであった。また、残留応力差は32MPaであった。
また、実施例3と同様にして構造不整損失を算出した結果、構造不整損失は0.018dB/kmであった。
さらに、実施例3と同様にして、波長1.55μmにおける伝送損失を測定した結果、この伝送損失は0.199dB/kmであった。
以上の結果を表2に示す。
図2に示したような光ファイバ素線の製造装置を用いて、シングルモードファイバ用の光ファイバ母材を線引き速度2000m/min、線引張力250gfで溶融紡糸して外径125μmの光ファイバ裸線を形成し、続いて、この光ファイバ裸線にウレタン−アクリレート系紫外線硬化型樹脂からなる被覆材を硬化してなる一次被覆層、二次被覆層を順次設けて外径250μmの光ファイバ素線を製造した。得られた光ファイバ素線は、ゲルマニウム添加コア、酸化ケイ素クラッドを有し、一次被覆層および二次被覆層がウレタン−アクリレート系の紫外線硬化型樹脂からなるシングルモードファイバであった。
徐冷炉内には空気を供給し、徐冷炉内の温度を1000℃に設定した。
また、徐冷炉には、非接触式外測器および非接触式ファイバ温度計を設けて、線引き中の光ファイバ裸線の外径が140μm〜130μmの区間で、光ファイバ裸線の徐冷を行うように、徐冷炉を配置した。
徐冷炉の長さを0.8mとした。また、徐冷炉の入口における光ファイバ裸線の外径は140μm、温度は1500℃、徐冷炉の出口における光ファイバ裸線の外径は130μm、温度は1300℃であった。したがって、徐冷炉における平均冷却速度は8333℃/secであった。
また、本実施例は、Y≧0.5X−100なる関係式を満たしていた。
この光ファイバ素線の残留応力を測定した結果、平均残留応力変化率は0.4MPa/μmであった。また、残留応力差は10MPaであった。
また、カットバック法により、この光ファイバ素線の損失波長特性を測定して、波長の4乗分の1と損失との関係を示すグラフを作成して構造不整損失を算出した結果、構造不整損失は0.01dB/km以下であった。
さらに、OTDRにより、波長1.55μmにおける伝送損失を測定した結果、この伝送損失は0.188dB/kmであった。
以上の結果を表3に示す。
徐冷炉内の温度を800℃に設定し、徐冷炉の長さを0.6mとした以外は実施例5と同様にして、光ファイバ素線を製造した。得られた光ファイバ素線は、ゲルマニウム添加コア、酸化ケイ素クラッドを有し、一次被覆層および二次被覆層がウレタン−アクリレート系の紫外線硬化型樹脂からなるシングルモードファイバであった。
徐冷炉における平均冷却速度は11111℃/secであった。
また、本実施例は、Y≧0.5X−100なる関係式を満たしていなかった。
この光ファイバ素線の残留応力を測定した結果、平均残留応力変化率は0.7MPa/μmであった。また、残留応力差は25MPaであった。
また、実施例5と同様にして構造不整損失を算出した結果、構造不整損失は0.013dB/kmであった。
さらに、実施例5と同様にして、波長1.55μmにおける伝送損失を測定した結果、この伝送損失は0.192dB/kmであった。
以上の結果を表3に示す。
徐冷炉を取り除いて、紡糸炉を出て冷却筒に送り込まれるまでの光ファイバ裸線を空気による自然冷却とした以外は実施例5と同様にして、光ファイバ素線を製造した。得られた光ファイバ素線は、ゲルマニウム添加コア、酸化ケイ素クラッドを有し、一次被覆層および二次被覆層がウレタン−アクリレート系の紫外線硬化型樹脂からなるシングルモードファイバであった。
線引き中の光ファイバ裸線の外径が140μm〜130μmの区間の距離を0.25m、外径が140μmの時における光ファイバ裸線の温度は1500℃、外径が130μmの時における光ファイバ裸線の温度は1300℃であった。したがって、この間における平均冷却速度は26667℃/secであった。
また、本比較例は、徐冷炉を用いていないので、Y≧0.5X−100なる関係式を満たしていなかった。
この光ファイバ素線の残留応力を測定した結果、平均残留応力変化率は1.5MPa/μmであった。また、残留応力差は35MPaであった。
また、実施例5と同様にして構造不整損失を算出した結果、構造不整損失は0.02dB/kmであった。
さらに、実施例5と同様にして、波長1.55μmにおける伝送損失を測定した結果、この伝送損失は0.199dB/kmであった。
以上の結果を表3に示す。
徐冷炉の代わりに保護管を用いて、保護管内にはヘリウムガスを供給し、紡糸炉を出て冷却筒に送り込まれるまでの光ファイバ裸線を保護管内のヘリウムガス雰囲気内で急冷した以外は実施例5と同様にして、光ファイバ素線を製造した。得られた光ファイバ素線は、ゲルマニウム添加コア、酸化ケイ素クラッドを有し、一次被覆層および二次被覆層がウレタン−アクリレート系の紫外線硬化型樹脂からなるシングルモードファイバであった。
線引き中の光ファイバ裸線の外径が140μm〜130μmの区間で、光ファイバ裸線の徐冷を行うように、保護管を配置し、この区間の距離を0.2m、外径が150μmの時における光ファイバ裸線の温度は1500℃、外径が130μmの時における光ファイバ裸線の温度は1300℃とした。したがって、この間における平均冷却速度は33333℃/secであった。
また、本比較例は、徐冷炉を用いていないので、Y≧0.5X−100なる関係式を満たしていなかった。
この光ファイバ素線の残留応力を測定した結果、平均残留応力変化率は1.8MPa/μmであった。また、残留応力差は38MPaであった。
また、実施例5と同様にして構造不整損失を算出した結果、構造不整損失は0.022dB/kmであった。
さらに、実施例5と同様にして、波長1.55μmにおける伝送損失を測定した結果、この伝送損失は0.204dB/kmであった。
以上の結果を表3に示す。
線引き中の光ファイバ裸線の外径が160μm〜150μmの区間で、光ファイバ裸線の徐冷を行うように徐冷炉を配置し、徐冷炉内の温度を1200℃に設定し、徐冷炉の長さを0.4mとし、徐冷炉の入口における光ファイバ裸線の外径は160μm、温度は1700℃、徐冷炉の出口における光ファイバ裸線の外径は150μm、温度は1600℃であった以外は実施例5と同様にして、光ファイバ素線を製造した。得られた光ファイバ素線は、ゲルマニウム添加コア、酸化ケイ素クラッドを有し、一次被覆層および二次被覆層がウレタン−アクリレート系の紫外線硬化型樹脂からなるシングルモードファイバであった。
徐冷炉における平均冷却速度は8333℃/secであった。
また、本比較例は、Y≧0.5X−100なる関係式を満たしていた。
この光ファイバ素線の残留応力を測定した結果、平均残留応力変化率は1.5MPa/μmであった。また、残留応力差は35MPaであった。
また、実施例5と同様にして構造不整損失を算出した結果、構造不整損失は0.02dB/kmであった。
さらに、実施例5と同様にして、波長1.55μmにおける伝送損失を測定した結果、この伝送損失は0.201dB/kmであった。
以上の結果を表3に示す。
線引き中の光ファイバ裸線の外径が125μmになってから、光ファイバ裸線の徐冷を行うように徐冷炉を配置し、徐冷炉内の温度を900℃に設定し、徐冷炉の長さを2mとし、徐冷炉の入口における光ファイバ裸線の温度を1200℃、徐冷炉の出口における光ファイバ裸線の温度を1000℃とした以外は実施例5と同様にして、光ファイバ素線を製造した。得られた光ファイバ素線は、ゲルマニウム添加コア、酸化ケイ素クラッドを有し、一次被覆層および二次被覆層がウレタン−アクリレート系の紫外線硬化型樹脂からなるシングルモードファイバであった。
徐冷炉における平均冷却速度は3333℃/secであった。
また、本比較例は、Y≧0.5X−100なる関係式を満たしていた。
この光ファイバ素線の残留応力を測定した結果、平均残留応力変化率は1.5MPa/μmであった。また、残留応力差は35MPaであった。
また、実施例3と同様にして構造不整損失を算出した結果、構造不整損失は0.02dB/kmであった。
さらに、実施例3と同様にして、波長1.55μmにおける伝送損失を測定した結果、この伝送損失は0.199dB/kmであった。
以上の結果を表3に示す。
図2に示したような光ファイバ素線の製造装置を用いて、ノンゼロ分散シフトファイバ用の光ファイバ母材を線引き速度1000m/min、線引張力180gfで溶融紡糸して外径125μmの光ファイバ裸線を形成し、続いて、この光ファイバ裸線にウレタン−アクリレート系紫外線硬化型樹脂からなる被覆材を硬化してなる一次被覆層、二次被覆層を順次設けて外径250μmの光ファイバ素線を製造した。得られた光ファイバ素線は、ゲルマニウム、フッ素(F)共添加コア、酸化ケイ素クラッドを有し、一次被覆層および二次被覆層がウレタン−アクリレート系の紫外線硬化型樹脂からなるノンゼロ分散シフトファイバであった。
徐冷炉内にはアルゴンガスを供給し、徐冷炉内の温度を400℃に設定した。
また、徐冷炉には、非接触式外測器および非接触式ファイバ温度計を設けて、線引き中の光ファイバ裸線の外径が150μm〜125μmの区間で、光ファイバ裸線の徐冷を行うように、徐冷炉を配置した。
徐冷炉の長さを0.7mとした。また、徐冷炉の入口における光ファイバ裸線の外径は150μm、温度は1600℃、徐冷炉の出口における光ファイバ裸線の外径は125μm、温度は1200℃であった。したがって、徐冷炉における平均冷却速度は9524℃/secであった
また、本実施例は、Y≧0.5X−100なる関係式を満たしていた。
この光ファイバ素線の残留応力を測定した結果、平均残留応力変化率は0.5MPa/μmであった。また、残留応力差は20MPaであった。
また、カットバック法により、この光ファイバ素線の損失波長特性を測定して、波長の4乗分の1と損失との関係を示すグラフを作成して構造不整損失を算出した結果、構造不整損失は0.01dB/km以下であった。
さらに、OTDRにより、波長1.55μmにおける伝送損失を測定した結果、この伝送損失は0.193dB/kmであった。
以上の結果を表4に示す。
徐冷炉内の温度を1000℃に設定し、徐冷炉の長さを1.4mとした以外は実施例6と同様にして、光ファイバ素線を製造した。得られた光ファイバ素線は、ゲルマニウム、フッ素共添加コア、酸化ケイ素クラッドを有し、一次被覆層および二次被覆層がウレタン−アクリレート系の紫外線硬化型樹脂からなるノンゼロ分散シフトファイバであった。
徐冷炉における平均冷却速度は4762℃/secであった。
また、本実施例は、Y≧0.5X−100なる関係式を満たしていた。
この光ファイバ素線の残留応力を測定した結果、平均残留応力変化率は0.3MPa/μmであった。また、残留応力差は8MPaであった。
また、実施例6と同様にして構造不整損失を算出した結果、構造不整損失は0.01dB/km以下であった。
さらに、実施例6と同様にして、波長1.55μmにおける伝送損失を測定した結果、この伝送損失は0.192dB/kmであった。
以上の結果を表4に示す。
図2に示したような光ファイバ素線の製造装置を用いて、シングルモードファイバ用の光ファイバ母材を線引き速度800m/min、線引張力160gfで溶融紡糸して外径125μmの光ファイバ裸線を形成し、続いて、この光ファイバ裸線にウレタン−アクリレート系紫外線硬化型樹脂からなる被覆材を硬化してなる一次被覆層、二次被覆層を順次設けて外径250μmの光ファイバ素線を製造した。得られた光ファイバ素線は、ゲルマニウム添加コア、酸化ケイ素クラッドを有し、一次被覆層および二次被覆層がウレタン−アクリレート系の紫外線硬化型樹脂からなるシングルモードファイバであった。
徐冷炉を取り除いて、紡糸炉を出て冷却筒に送り込まれるまでの光ファイバ裸線を空気による自然冷却とし、線引き中の光ファイバ裸線の外径が150μm〜125μmの区間の距離を0.6m、外径が150μmの時における光ファイバ裸線の温度は1600℃、外径が125μmの時における光ファイバ裸線の温度は1200℃であった。したがって、この間における平均冷却速度は8889℃/secであった。
また、本比較例は、徐冷炉を用いていないので、Y≧0.5X−100なる関係式を満たしていなかった。
この光ファイバ素線の残留応力を測定した結果、平均残留応力変化率は0.4MPa/μmであった。また、残留応力差は11MPaであった。
また、カットバック法により、この光ファイバ素線の損失波長特性を測定して、波長の4乗分の1と損失との関係を示すグラフを作成して構造不整損失を算出した結果、構造不整損失は0.01dB/km以下であった。
さらに、OTDRにより、波長1.55μmにおける伝送損失を測定した結果、この伝送損失は0.186dB/kmであった。
以上の結果を表4に示す。
徐冷炉を取り除いて、紡糸炉を出て冷却筒に送り込まれるまでの光ファイバ裸線を空気による自然冷却とした以外は実施例6と同様にして、光ファイバ素線を製造した。得られた光ファイバ素線は、ゲルマニウム、フッ素共添加コア、酸化ケイ素クラッドを有し、一次被覆層および二次被覆層がウレタン−アクリレート系の紫外線硬化型樹脂からなるノンゼロ分散シフトファイバであった。
線引き中の光ファイバ裸線の外径が150μm〜125μmの区間の距離を0.5m、外径が150μmの時における光ファイバ裸線の温度は1600℃、外径が125μmの時における光ファイバ裸線の温度は1200℃であった。したがって、この間における平均冷却速度は13333℃/secであった。
また、本比較例は、徐冷炉を用いていないので、Y≧0.5X−100なる関係式を満たしていなかった。
この光ファイバ素線の残留応力を測定した結果、平均残留応力変化率は0.8MPa/μmであった。また、残留応力差は26MPaであった。
また、実施例6と同様にして構造不整損失を算出した結果、構造不整損失は0.018dB/kmであった。
さらに、実施例6と同様にして、波長1.55μmにおける伝送損失を測定した結果、この伝送損失は0.205dB/kmであった。
以上の結果を表4に示す。
徐冷炉の代わりに保護管を用いて、保護管内にはヘリウムガスを供給し、紡糸炉を出て冷却筒に送り込まれるまでの光ファイバ裸線を保護管内のヘリウムガス雰囲気内で急冷した以外は実施例6と同様にして、光ファイバ素線を製造した。得られた光ファイバ素線は、ゲルマニウム、フッ素共添加コア、酸化ケイ素クラッドを有し、一次被覆層および二次被覆層がウレタン−アクリレート系の紫外線硬化型樹脂からなるノンゼロ分散シフトファイバであった。
線引き中の光ファイバ裸線の外径が150μm〜125μmの区間で、光ファイバ裸線の徐冷を行うように、保護管を配置し、この区間の距離を0.4m、外径が150μmの時における光ファイバ裸線の温度は1600℃、外径が125μmの時における光ファイバ裸線の温度は1200℃であった。したがって、この間における平均冷却速度は16667℃/secであった。
また、本比較例は、徐冷炉を用いていないので、Y≧0.5X−100なる関係式を満たしていなかった。
この光ファイバ素線の残留応力を測定した結果、平均残留応力変化率は1.1MPa/μmであった。また、残留応力差は28MPaであった。
また、実施例1と同様にして構造不整損失を算出した結果、構造不整損失は0.02dB/kmであった。
さらに、実施例1と同様にして、波長1.55μmにおける伝送損失を測定した結果、この伝送損失は0.210dB/kmであった。
以上の結果を表4に示す。
線引き中の光ファイバ裸線の外径が160μm〜150μmの区間で、光ファイバ裸線の徐冷を行うように徐冷炉を配置し、徐冷炉内の温度を1000℃に設定し、徐冷炉の長さを0.15mとし、徐冷炉の入口における光ファイバ裸線の外径は160μm、温度は1700℃、徐冷炉の出口における光ファイバ裸線の外径は150μm、温度は1600℃であった以外は実施例6と同様にして、光ファイバ素線を製造した。得られた光ファイバ素線は、ゲルマニウム、フッ素共添加コア、酸化ケイ素クラッドを有し、一次被覆層および二次被覆層がウレタン−アクリレート系の紫外線硬化型樹脂からなるノンゼロ分散シフトファイバであった。
徐冷炉における平均冷却速度は11111℃/secであった。
また、本比較例は、Y≧0.5X−100なる関係式を満たしていた。
この光ファイバ素線の残留応力を測定した結果、平均残留応力変化率は0.8MPa/μmであった。また、残留応力差は26MPaであった。
また、実施例6と同様にして構造不整損失を算出した結果、構造不整損失は0.018dB/kmであった。
さらに、実施例6と同様にして、波長1.55μmにおける伝送損失を測定した結果、この伝送損失は0.212dB/kmであった。
以上の結果を表4に示す。
線引き中の光ファイバ裸線の外径が125μmになってから、光ファイバ裸線の徐冷を行うように徐冷炉を配置し、徐冷炉内の温度を400℃に設定し、徐冷炉の長さを0.5mとし、徐冷炉の入口における光ファイバ裸線の温度は1200℃、徐冷炉の出口における光ファイバ裸線の温度は1000℃であった以外は実施例6と同様にして、光ファイバ素線を製造した。得られた光ファイバ素線は、ゲルマニウム、フッ素共添加コア、酸化ケイ素クラッドを有し、一次被覆層および二次被覆層がウレタン−アクリレート系の紫外線硬化型樹脂からなるノンゼロ分散シフトファイバであった。
徐冷炉における平均冷却速度は6667℃/secであった。
また、本比較例は、Y≧0.5X−100なる関係式を満たしていた。
この光ファイバ素線の残留応力を測定した結果、平均残留応力変化率は0.8MPa/μmであった。また、残留応力差は26MPaであった。
また、実施例6と同様にして構造不整損失を算出した結果、構造不整損失は0.018dB/kmであった。
さらに、実施例6と同様にして、波長1.55μmにおける伝送損失を測定した結果、この伝送損失は0.209dB/kmであった。
以上の結果を表4に示す。
図2に示したような光ファイバ素線の製造装置を用いて、ノンゼロ分散シフトファイバ用の光ファイバ母材を線引き速度1000m/min、線引張力140gfで溶融紡糸して外径80μmの光ファイバ裸線を形成し、続いて、この光ファイバ裸線にウレタン−アクリレート系紫外線硬化型樹脂からなる被覆材を硬化してなる一次被覆層、二次被覆層を順次設けて外径250μmの光ファイバ素線を製造した。得られた光ファイバ素線は、ゲルマニウム、フッ素共添加コア、酸化ケイ素クラッドを有し、一次被覆層および二次被覆層がウレタン−アクリレート系の紫外線硬化型樹脂からなるノンゼロ分散シフトファイバであった。
徐冷炉内にはアルゴンガスを供給し、徐冷炉内の温度を400℃に設定した。
また、徐冷炉には、非接触式外測器および非接触式ファイバ温度計を設けて、線引き中の光ファイバ裸線の外径が96μm〜80μmの区間で、光ファイバ裸線の徐冷を行うように、徐冷炉を配置した。
徐冷炉の長さを0.7mとした。また、徐冷炉の入口における光ファイバ裸線の外径は96μm、温度は1600℃、徐冷炉の出口における光ファイバ裸線の外径は80μm、温度は1200℃とした。したがって、徐冷炉における平均冷却速度は9524℃/secであった
また、本実施例は、Y≧0.5X−100なる関係式を満たしていた。
この光ファイバ素線の残留応力を測定した結果、平均残留応力変化率は0.5MPa/μmであった。また、残留応力差は21MPaであった。
また、カットバック法により、この光ファイバ素線の損失波長特性を測定して、波長の4乗分の1と損失との関係を示すグラフを作成して構造不整損失を算出した結果、構造不整損失は0.01dB/km以下であった。
さらに、OTDRにより、波長1.55μmにおける伝送損失を測定した結果、この伝送損失は0.193dB/kmであった。
以上の結果を表5に示す。
徐冷炉内の温度を1000℃に設定し、徐冷炉の長さを1.4mとした以外は実施例8と同様にして、光ファイバ素線を製造した。得られた光ファイバ素線は、ゲルマニウム、フッ素共添加コア、酸化ケイ素クラッドを有し、一次被覆層および二次被覆層がウレタン−アクリレート系の紫外線硬化型樹脂からなるノンゼロ分散シフトファイバであった。
徐冷炉における平均冷却速度は4762℃/secであった。
また、本実施例は、Y≧0.5X−100なる関係式を満たしていた。
この光ファイバ素線の残留応力を測定した結果、平均残留応力変化率は0.3MPa/μmであった。また、残留応力差は9MPaであった。
また、実施例8と同様にして構造不整損失を算出した結果、構造不整損失は0.01dB/km以下であった。
さらに、実施例8と同様にして、波長1.55μmにおける伝送損失を測定した結果、この伝送損失は0.192dB/kmであった。
以上の結果を表5に示す
図4は、平均冷却速度と、平均残留応力変化率との関係を示すグラフである。
このグラフから、所望の光ファイバ裸線の外径をdとした場合、光ファイバ裸線の外径がd+0.2dからdに変化するまでの区間内で、光ファイバ裸線を徐冷した場合、平均冷却速度と、平均残留応力変化率との間には相関関係があることが分かった。また、平均冷却速度が10000℃/sec以下であれば、平均残留応力変化率が0.5MPa/μm以下になることが分かった。
また、線引き速度が800m/minでは、自然冷却であっても対流熱伝達率が低いため、平均冷却速度が10000℃/sec以下となり、徐冷工程を設けなくても、平均残留応力変化率が0.5MPa/μm以下となる。
以上の結果から、本発明は、線引き速度を1000m/min以上とする光ファイバ素線の製造方法において有効であることが確認された。
このグラフから、所望の光ファイバ裸線の外径をdとした場合、光ファイバ裸線の外径がd+0.2dからdに変化するまでの区間内で、光ファイバ裸線を徐冷しなかった場合、平均冷却速度と平均残留応力変化率との間には相関関係がないことが分かった。したがって、この場合、平均残留応力変化率を低減することができないことが分かった。
このグラフから、所望の光ファイバ裸線の外径をdとした場合、光ファイバ裸線の外径がd+0.2dからdに変化するまでの区間内で、光ファイバ裸線を徐冷した場合、平均冷却速度と、残留応力差との間には相関関係があることが分かった。また、平均冷却速度が10000℃/sec以下であれば、残留応力差が20MPa以下になることが分かった。
また、線引き速度が800m/minでは、自然冷却であっても対流熱伝達率が低いため、平均冷却速度が10000℃/sec以下となり、徐冷工程を設けなくても、残留応力差が20MPaとなる。
以上の結果から、本発明は、線引き速度を1000m/min以上とする光ファイバ素線の製造方法において有効であることが確認された。
このグラフから、所望の光ファイバ裸線の外径をdとした場合、光ファイバ裸線の外径がd+0.2dからdに変化するまでの区間内で、光ファイバ裸線を徐冷しなかった場合、平均冷却速度と残留応力差との間には相関関係がないことが分かった。したがって、この場合、残留応力差を低減することができないことが分かった。
このグラフから、平均残留応力変化率が0.5MPa/μm以下であれば、構造不整損失が0.01dB/km以下になり、十分に低減されていることが分かった。
このグラフから、残留応力差が20MPa以下であれば、構造不整損失が0.01dB/km以下になり、十分に低減されていることが分かった。
なお、図10には、シングルモードファイバ用の光ファイバ母材(以下、「SM母材」と略す。)を用いた場合と、ノンゼロ分散シフトファイバ用の光ファイバ母材(以下、「NZDSF母材」と略す。)を用いた場合について示している。
このグラフから、SM母材を用いた場合と、NZDSF母材を用いた場合とでは、同様の傾向が見られることが分かった。
また、所望の光ファイバ裸線の外径をdとした場合、光ファイバ裸線の外径がd+0.2dからdに変化するまでの区間内で、光ファイバ裸線を徐冷した場合、平均冷却速度と、平均残留応力変化率との間には相関関係があることが分かった。また、平均冷却速度が10000℃/sec以下であれば、平均残留応力変化率が0.5MPa/μm以下になることが分かった。
なお、図11には、SM母材を用いた場合と、NZDSF母材を用いた場合について示している。
このグラフから、所望の光ファイバ裸線の外径をdとした場合、光ファイバ裸線の外径がd+0.2dからdに変化するまでの区間内で、光ファイバ裸線を徐冷しなかった場合、平均冷却速度と平均残留応力変化率との間には相関関係がないことが分かった。したがって、この場合、平均残留応力変化率を低減することができないことが分かった。
なお、図12には、SM母材を用いた場合と、NZDSF母材を用いた場合について示している。
このグラフから、SM母材を用いた場合と、NZDSF母材を用いた場合とでは、同様の傾向が見られることが分かった。
また、所望の光ファイバ裸線の外径をdとした場合、光ファイバ裸線の外径がd+0.2dからdに変化するまでの区間内で、光ファイバ裸線を徐冷した場合、平均冷却速度と、残留応力差との間には相関関係があることが分かった。また、平均冷却速度が10000℃/sec以下であれば、残留応力差が20MPa以下になることが分かった。
なお、図13には、SM母材を用いた場合と、NZDSF母材を用いた場合について示している。
このグラフから、所望の光ファイバ裸線の外径をdとした場合、光ファイバ裸線の外径がd+0.2dからdに変化するまでの区間内で、光ファイバ裸線を徐冷しなかった場合、平均冷却速度と残留応力差との間には相関関係がないことが分かった。したがって、この場合、残留応力差を低減することができないことが分かった。
なお、図14は、SM母材を用いた場合と、NZDSF母材を用いた場合について示している。
このグラフから、平均残留応力変化率が0.5MPa/μm以下であれば、構造不整損失が0.01dB/km以下になり、十分に低減されていることが分かった。
なお、図15は、SM母材を用いた場合と、NZDSF母材を用いた場合について示している。
このグラフから、残留応力差が20MPa以下であれば、構造不整損失が0.01dB/km以下になり、十分に低減されていることが分かった。
なお、図16は、SM母材を用いた場合と、NZDSF母材を用いた場合について示している。
このグラフから、SM母材を用いた場合、構造不整損失が0.01dB/km以下であれば、波長1.55μmにおける伝送損失が0.190dB/km以下となることが分かった。一方、NZDSF母材を用いた場合、構造不整損失が0.01dB/km以下であれば、波長1.55μmにおける伝送損失が0.200dB/km以下となることが分かった
Claims (7)
- 光ファイバ母材を溶融紡糸して光ファイバ裸線を形成する紡糸工程と、該紡糸工程により形成された光ファイバ裸線を緩やかに冷却する徐冷工程と、該徐冷工程を経た光ファイバ裸線を被覆材で被覆する温度まで冷却する冷却工程と、該冷却工程により冷却された光ファイバ裸線を被覆材で被覆して光ファイバ素線を形成する被覆工程を備え、光ファイバ素線の線引き速度が1000m/min以上の光ファイバ素線の製造方法であって、
前記被覆工程において被覆材が被覆される前の光ファイバ裸線の外径をdとすると、前記徐冷工程において、外径がd+0.2dからdに変化するまでの区間内における光ファイバ裸線の少なくとも一部の平均冷却速度を10000℃/sec以下とすることを特徴とする光ファイバ素線の製造方法。 - 前記徐冷工程において、少なくとも光ファイバ裸線の外径がd+0.2dからdに変化するまでの区間のうち0.08dに相当する範囲における光ファイバ裸線の少なくとも一部の平均冷却速度を10000℃/sec以下とすることを特徴とする請求項1に記載の光ファイバ素線の製造方法。
- 前記徐冷工程において、ヘリウムガスよりも対流熱伝達率の低いガスを用いることを特徴とする請求項1または2に記載の光ファイバ素線の製造方法。
- 前記ヘリウムガスよりも対流熱伝達率の低いガスは、窒素ガス、アルゴンガス、空気から選択されるいずれか1種であることを特徴とする請求項3に記載の光ファイバ素線の製造方法。
- 前記徐冷工程において、光ファイバ裸線を線引きする速度をX[m/min]、光ファイバ裸線を徐冷する温度をY[℃]とすると、Y≧0.5X−100なる関係式を満たすように、前記光ファイバ裸線を徐冷する温度Yを制御することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の光ファイバ素線の製造方法。
- 請求項1ないし5のいずれかに記載の光ファイバ素線の製造方法によって製造された光ファイバ素線であって、
前記光ファイバ素線のクラッドの最外層における光軸方向の残留応力の径方向分布の平均変化率が0.5MPa/μm以下であることを特徴とする光ファイバ素線。 - 前記光ファイバ素線のコアとクラッドの界面において、コアにおける残留応力と、クラッドにおける残留応力との差が20MPa以下であることを特徴とする請求項6に記載の光ファイバ素線。
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