JP2006124191A - 光ファイバ素線の製造方法および光ファイバ素線の製造装置 - Google Patents

光ファイバ素線の製造方法および光ファイバ素線の製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 光ファイバ内にレーリー散乱が生じることを抑制し、伝送特性が劣化することを抑制する光ファイバ素線の製造方法および光ファイバ素線の製造装置を提供する。
【解決手段】 光ファイバ母材11を溶融紡糸して光ファイバ裸線13を形成する紡糸工程において、光ファイバ母材11の溶融変形部における引張張力が10MPa以上となる位置から、光ファイバ裸線13の外径が125μmになる位置までの区間で、光ファイバ母材11の溶融変形部をなすガラスが外径125μmの光ファイバ裸線13になるまでの時間を0.1秒以上とする。また、光ファイバ母材11の溶融変形部における引張張力が10MPa以上となる位置から、光ファイバ裸線13の外径が125μmになる位置までの区間で、光ファイバ母材11の溶融変形部および/または光ファイバ裸線13を3000℃/sec以下の冷却速度で冷却する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、光ファイバ素線の製造方法および光ファイバ素線の製造装置に関し、特に、伝送損失の低い光ファイバ素線を得るための光ファイバ素線の製造方法および光ファイバ素線の製造装置に関するものである。
図4は、従来の光ファイバ素線の製造方法で用いられる光ファイバ素線の製造装置の概略構成を示す模式図である。
光ファイバ素線の製造においては、まず、石英系ガラスを主成分とする光ファイバ母材101を紡糸炉102内に収容し、アルゴン(Ar)、ヘリウム(He)などの不活性ガス雰囲気中で、その先端部分を約2000℃に高温加熱し、溶融紡糸して、外径125μmまで引き落として、光ファイバ裸線103とする。
次いで、光ファイバ裸線103を、冷却筒を用いるか、あるいは、自然冷却により、次工程の一次被覆層の形成に好適な温度まで急冷する。
次いで、所定の温度まで冷却された光ファイバ裸線103の外周面に、被覆材塗布装置104にて一次被覆層形成用の被覆材が塗布される。引き続いて、UVランプ105により、この一次被覆層形成用の被覆材が硬化されて、光ファイバ裸線103が一次被覆層で被覆される。
引き続いて、光ファイバ裸線103に形成された一次被覆層の外周面に、被覆材塗布装置106にて二次被覆層形成用の被覆材が塗布される。引き続いて、UVランプ107により、この二次被覆層形成用の被覆材が硬化されて、一次被覆層の外周面が二次被覆層で被覆され、光ファイバ素線108となる。
さらに、線引き中の光ファイバ素線108は、ターンプーリ109によって別方向に向きを変えられ、引取機110、ダンサーロール111を順に経て、巻取ドラム112に巻き取られる。
近年、通信技術の発展に伴い、より伝送損失の低い光ファイバが求められている。光ファイバにおける伝送損失の劣化の一因としては、光ファイバ内に生じるレーリー散乱が挙げられる。
このレーリー散乱は、光ファイバ母材の先端部分を高温で溶融して、光ファイバ裸線を紡糸した直後に、この光ファイバ裸線を急冷する際に、これをなすガラス内に局所的に生じる歪や、ガラス中に添加されている元素の濃度の不均一性が原因で生じると考えられる。
そこで、例えば、特許文献1には、被覆層が設けられる前の光ファイバの冷却速度を制御して、光ファイバを徐冷することにより、光ファイバ内に生じるレーリー散乱を低減する方法が開示されている。
また、特許文献2には、光ファイバ母材のあるガラス部分が、紡糸炉内の最高温度位置に達してから外径125μmの光ファイバ裸線になるまでの時間を制御することにより、光ファイバの伝送損失を低減する方法が開示されている。
しかしながら、特許文献1に開示されている方法では、高温下における光ファイバの温度測定は難しいため、光ファイバの温度測定は計算による推定に頼らざるを得ないので、光ファイバを効果的に徐冷することは難しい。
また、特許文献2に開示されている方法では、光ファイバ母材のあるガラス部分が、紡糸炉内の最高温度位置に達してから、最終的な外径の光ファイバ裸線になるまでという広い範囲(長い時間)において、光ファイバの徐冷方法を規定しているため、効率が悪いばかりでなく、光ファイバを徐冷するための装置が大掛かりになるので、光ファイバの製造装置全体に対して大きな改造を施さなければならないという問題があった。
さらに加えて、近年の製造技術の発展に伴って、光ファイバの線引速度の高速化が進んでいる。光ファイバの線引速度が速くなるに伴って、光ファイバ母材を溶融紡糸する際の光ファイバの変形速度(光ファイバ母材が溶融紡糸されてから、光ファイバ裸線の外径が所定の大きさに達するまでの速度)も速くなる。その結果、光ファイバ内に局所的に生じる歪も大きくなるため、光ファイバ内に生じるレーリー散乱が増加するから、光ファイバの伝送特性が劣化するという問題があった。
特開2000−335933号公報 特開2002−160946号公報
本発明は、前記事情に鑑みてなされたもので、光ファイバ内にレーリー散乱が生じることを抑制し、伝送特性が劣化することを抑制する光ファイバ素線の製造方法および光ファイバ素線の製造装置を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するために、光ファイバ母材を溶融紡糸して光ファイバ裸線を形成する紡糸工程と、前記光ファイバ裸線を被覆材で被覆して光ファイバ素線を形成する被覆工程とを備えた光ファイバ素線の製造方法であって、前記紡糸工程において、前記光ファイバ母材の溶融変形部における引張張力が10MPa以上となる位置から、前記光ファイバ裸線の外径が125μmになる位置までの区間で、前記光ファイバ母材の溶融変形部をなすガラスが外径125μmの光ファイバ裸線になるまでの時間を0.1秒以上とする光ファイバ素線の製造方法を提供する。
前記紡糸工程において、前記光ファイバ母材の溶融変形部における引張張力が10MPa以上となる位置から、前記光ファイバ裸線の外径が125μmになる位置までの区間で、前記光ファイバ母材の溶融変形部および/または前記光ファイバ裸線を3000℃/sec以下の冷却速度で冷却することが好ましい。
本発明は、光ファイバ母材を溶融紡糸する紡糸炉と、光ファイバ母材から溶融紡糸された光ファイバ裸線に被覆材を塗布する被覆材塗布装置と、前記光ファイバ裸線に塗布した被覆材に光を照射して、被覆材を硬化させる架橋灯を有する架橋筒とを備えた光ファイバ素線の製造装置であって、前記紡糸炉の後段に、前記紡糸炉側から順に光ファイバ裸線の外径を測定する外径測定装置と、光ファイバ裸線を徐冷する徐冷装置が設けられ、前記外径測定装置および前記徐冷装置は光ファイバ裸線の紡糸方向に沿って移動可能であり、前記徐冷装置に進入する際の光ファイバ裸線における引張応力が10MPa以上となるように、前記外径測定装置と前記徐冷装置の距離が制御可能である光ファイバ素線の製造装置を提供する。
本発明の光ファイバ素線の製造方法によれば、紡糸工程において、光ファイバ母材の溶融変形部をなすガラスが、この溶融変形部における引張応力が10MPa以上となる位置に達してから外径125μmの光ファイバ裸線になるまでの時間を0.1秒以上とするから、光ファイバ母材の溶融変形部aまたは光ファイバ裸線を効率的に徐冷することができるため、伝送損失の低い光ファイバ素線を製造することができる。
また、紡糸工程において、光ファイバ母材の溶融変形部における引張張力が10MPa以上となる位置から、光ファイバ裸線の外径が125μmになる位置までの区間で、光ファイバ母材の溶融変形部および/または光ファイバ裸線を3000℃/sec以下の冷却速度で冷却すれば、光ファイバ母材の溶融変形部または光ファイバ裸線をより効率的に徐冷することができる。
本発明の光ファイバ素線の製造装置によれば、紡糸炉の後段に、紡糸炉側から順に光ファイバ裸線の外径を測定する外径測定装置と、光ファイバ裸線を徐冷する徐冷装置が設けられ、外径測定装置および徐冷装置は光ファイバ裸線の紡糸方向に沿って移動可能であり、徐冷装置に進入する際の光ファイバ裸線における引張応力が10MPa以上となるように、外径測定装置と徐冷装置の距離が制御可能であるから、光ファイバ裸線の線引速度(紡糸速度)が高速になっても、既設の紡糸炉を用いて、光ファイバ裸線内に生じるレーリー散乱を低減させることができる。また、線引き条件や、光ファイバ母材の条件を変更した場合でも、光ファイバ裸線の線引張力と光ファイバ裸線の外径から、適切な徐冷区間、すなわち、上記の引張応力が10MPa以上となる区間を容易に求めることができるので、徐冷装置を光ファイバ裸線の紡糸方向に沿って移動させるだけで、損失特性に優れた光ファイバ素線を製造することができる。
以下、本発明を実施した光ファイバ素線の製造方法および光ファイバ素線の製造装置について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の光ファイバ素線の製造方法で用いられる光ファイバ素線の製造装置の概略構成の一実施形態を示す模式図である。図2は、図1の一部を詳しく説明する模式図である。
図1および図2中、符号11は光ファイバ母材、12は紡糸炉、13は光ファイバ裸線、14は外径測定装置、15は徐冷装置、16は一次被覆材塗布装置、17は一次被覆材架橋筒、18は二次被覆材塗布装置、19は二次被覆材架橋筒、20は光ファイバ素線、21はターンプーリ、22は引取機、23はダンサーロール、24は巻取ドラムをそれぞれ示している。
この実施形態の光ファイバ素線の製造方法においては、まず、石英系ガラスを主成分とする光ファイバ母材11を紡糸炉12内に収容し、アルゴン(Ar)、ヘリウム(He)などの不活性ガス雰囲気中で、その先端部分(以下、「溶融変形部」と称する。)を約2000℃に高温加熱し、溶融紡糸して、光ファイバ裸線13とする(紡糸工程)。
次いで、外径測定装置14によって外径が測定された光ファイバ裸線13を、冷却筒を用いるか、あるいは、自然冷却により、次工程の一次被覆層の形成に好適な温度まで冷却する。
次いで、所定の温度まで冷却された光ファイバ裸線13の外周面に、一次被覆材塗布装置16にて一次被覆層形成用の被覆材が塗布される。引き続いて、一次被覆材架橋筒17に設けられたUVランプにより、この一次被覆層形成用の被覆材が硬化されて、光ファイバ裸線13が一次被覆層で被覆される(被覆工程)。
引き続いて、光ファイバ裸線13に形成された一次被覆層の外周面に、二次被覆材塗布装置18にて二次被覆層形成用の被覆材が塗布される。引き続いて、二次被覆材架橋筒19に設けられたUVランプにより、この二次被覆層形成用の被覆材が硬化されて、一次被覆層の外周面が二次被覆層で被覆され、光ファイバ素線20となる(被覆工程)。
さらに、線引き中の光ファイバ素線20は、ターンプーリ21によって別方向に向きを変えられ、引取機22、ダンサーロール23を順に経て、巻取ドラム24に巻き取られる。
ここで、紡糸工程において、紡糸炉12において加熱溶融された光ファイバ母材11は、一定の速度、線引張力(F)で線引きされる。このとき、光ファイバ母材11の溶融変形部および光ファイバ裸線13に生じる引張応力(T)は、以下に示す関係式で定義される。
引張応力(T)=線引張力(F)/光ファイバ母材11の溶融変形部または光ファイバ裸線13の断面積(A)
上記の関係式から、引張応力(T)は、断面積(A)すなわち光ファイバ母材11の溶融変形部または光ファイバ裸線13の外径が小さくなるにしたがって、大きくなることが分かる。
光ファイバ母材11の溶融変形部11aをなすガラスが、所定の外径125μmの光ファイバ裸線13に変形するまでの速度(以下、「変形速度」と略す。)が大きくなると、引張応力(T)の変化率(変化速度)も大きくなるから、光ファイバ裸線13内に局所的に生じる歪も大きくなるので、最終的に得られる光ファイバ素線20の伝送損失が増大する。
そこで、この実施形態の光ファイバ素線の製造方法では、紡糸工程において、光ファイバ母材11の溶融変形部11aおよび光ファイバ裸線13に生じる引張応力(T)が10MPa以上となる区間(図2に示す、A−A線からB−B線に渡る区間C)を徐冷することにより、引張応力(T)の変化を緩やかにして、光ファイバ裸線13内に生じるレーリー散乱を低減させている。その結果として、最終的に得られる光ファイバ素線20の伝送損失を低減させることができる。これは、引張張力(T)の急激な変化が、光ファイバ裸線13内に局所的に生じる歪に対して影響を及ぼすことを低減することにより、レーリー散乱が低減することによって得られる効果である。
一方、引張張力(T)が10MPa未満の区間(図2に示す区間C以外の区間)では、光ファイバ裸線13内に局所的に生じる歪は小さく、また、ガラスがまだ高温状態であるため、残留する歪も直ちに緩和されるため、光ファイバ裸線13内に生じるレーリー散乱を低減させることによって得られる効果が小さく、この区間で光ファイバ母材11の溶融変形部11aまたは光ファイバ裸線13を徐冷しても、効果的に光ファイバ素線21の伝送損失を低減することはできない。
具体的には、この実施形態の光ファイバ素線の製造方法では、紡糸工程において、光ファイバ母材11の溶融変形部11aにおける引張張力が10MPa以上となる位置(図2に示す、A−A線の位置)から、光ファイバ裸線13の外径が125μmになる位置(図2に示す、B−B線の位置)までの区間(図2に示す区間C)で、光ファイバ母材11の溶融変形部11aをなすガラスが外径125μmの光ファイバ裸線13になるまでの時間、すなわち、光ファイバ母材11の溶融変形部11aをなすガラスが外径125μmの光ファイバ裸線13に変形するまでの時間(以下、「変形時間」と略す。)を0.1秒以上として、この区間Cにおいて、光ファイバ母材11の溶融変形部11aまたは光ファイバ裸線13を自然冷却により徐冷する。
上記の変形時間が長いほど、図2に示す区間Cにおいて、光ファイバ母材11の溶融変形部11aまたは光ファイバ裸線13を効率的に徐冷することができるため、光ファイバ素線21の伝送損失は低くなる。特に、変形時間を0.1秒以上とすると、伝送特性に優れた光ファイバ素線21を得ることができる。なお、伝送損失に優れた光ファイバとは、シングルモードファイバにおいて広く伝送に用いられる波長域である1.55μm帯の伝送損失が0.180dB/km以下のものをいう。一方、変形時間を0.1秒未満とすると、区間Cにおいて、光ファイバ母材11の溶融変形部11aまたは光ファイバ裸線13を効率的に徐冷することができなくなる。
図2に示す区間Cにおいて、変形時間を0.1秒以上とするには、光ファイバ母材11から光ファイバ裸線13を溶融紡糸する速度(以下、「紡糸速度」と称する。)を遅くする。具体的には、紡糸速度を300m/分以下として、自然冷却する。
また、図2に示す区間Cにおいて、光ファイバ母材11の溶融変形部11aおよび光ファイバ裸線13、あるいは、光ファイバ裸線13を3000℃/sec以下の冷却速度で冷却することが好ましく、この冷却速度は1500℃/秒〜3000℃/秒であることがより好ましい。このようにすれば、光ファイバ母材11の溶融変形部11aおよび光ファイバ裸線13、あるいは、光ファイバ裸線13をより効率的に徐冷することができるため、光ファイバ素線21の伝送損失を低減するより大きな効果が得られる。一方、冷却速度が3000℃/secを超えると、区間Cにおいて、光ファイバ母材11の溶融変形部11aまたは光ファイバ裸線13を効率的に徐冷することができなくなる。
図2に示す区間Cにおいて、上記の冷却速度を3000℃/sec以下とする方法は、上述のように、紡糸速度を300m/min以下とし、かつ、自然冷却する方法に限定されるものではない。本発明の光ファイバ素線の製造方法では、光ファイバ素線の製造装置をなす外径測定装置と一次被覆材塗布装置の間に、光ファイバ裸線を徐冷するための徐冷装置を設けて、図2に示す区間Cと同様の区間において、光ファイバ裸線を徐冷してもよい。
また、この実施形態では、徐冷装置15を設ける場合、外径測定装置14および徐冷装置15は、紡糸炉12と一次被覆材塗布装置16の間を、光ファイバ裸線13の紡糸方向に沿って移動可能となっている。また、外径測定装置14と徐冷装置15の距離は、両者の順列を変えることなく、所望の大きさに制御可能となっている。
本発明では、徐冷装置15内に進入する際の光ファイバ裸線13における引張応力が10MPa以上となるように、外径測定装置14と徐冷装置15の距離を制御する。このようにすれば、徐冷装置15により区間Cを徐冷して、引張応力(T)の変化を緩やかにし、光ファイバ裸線13内に生じるレーリー散乱を低減させることができる。
徐冷装置15を設ける場合、区間Cにおいて、光ファイバ裸線13を徐冷するように、徐冷装置15を所定の位置に配置する。そして、外径測定装置14によって外径が測定された光ファイバ裸線13を、徐冷装置15内に送り込み、この徐冷装置15内において、光ファイバ裸線13を徐冷する。
この徐冷装置15により、光ファイバ裸線13を徐冷する方法としては、徐冷装置15内にヘリウム(He)ガスよりも対流熱伝達率の低い、窒素(N)ガス、アルゴン(Ar)ガス、空気から選択されるいずれか1種のガスを供給して、徐冷装置15内をこのガス雰囲気とし、このガス雰囲気内において、光ファイバ裸線13が急冷するのを防ぐ方法(以下、この方法を「方法α」と言う。)、徐冷装置15を断熱材などで断熱して光ファイバ裸線13の熱を保温する方法(以下、この方法を「方法β」と言う。)、徐冷装置15にヒータを設け、このヒータで光ファイバ裸線13を加熱して、光ファイバ裸線13が急冷するのを防ぐ方法(以下、この方法を「方法γ」と言う。)、さらには、方法βと方法γを組み合わせた方法などが用いられる。これらの方法の中でも、光ファイバ裸線13の温度調節の観点から、方法γが好ましい。
このように徐冷装置15を紡糸炉12と一次被覆材塗布装置16の間に設けることにより、光ファイバ裸線13の線引速度(紡糸速度)が高速になっても、既設の紡糸炉12を用いて、光ファイバ裸線13内に生じるレーリー散乱を低減させることができる。また、線引き条件や、光ファイバ母材11の条件を変更した場合でも、光ファイバ裸線13の線引張力と光ファイバ裸線13の外径から、適切な徐冷区間、すなわち、上記の引張応力(T)が10MPa以上となる区間を容易に求めることができるので、徐冷装置15を光ファイバ裸線13の紡糸方向に沿って移動させるだけで、損失特性に優れた光ファイバ素線21を製造することができる。
以下、実験例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実験例に限定されるものではない。
(実験例1)
図1に示すような光ファイバ素線の製造装置を用いて光ファイバ素線を作製した。この実験例1では、外径測定装置と一次被覆材塗布装置の間に徐冷装置を設けた。
徐冷装置としては、長さ1500mm、内径10mmの円筒形状のもので、かつ、光ファイバ裸線の通路の周囲には温度可変の電気ヒータが設けられているものを用いた。
この実験例1では、線引速度を600m/min、線引張力を100gf、徐冷装置における光ファイバ裸線の通路内の温度を1500℃、徐冷装置内における光ファイバ裸線の冷却速度を2000℃/secとした。
また、外径測定装置で測定された徐冷装置内に進入する際の光ファイバ裸線の外径と、光ファイバ裸線の線引張力とから、徐冷装置内に進入する際の光ファイバ裸線における引張応力を算出した。結果を表1に示す。
また、光ファイバ裸線が、引張応力が10MPaとなる位置から外径125μmとなる位置に達するまでの時間(以下、「光ファイバ裸線の変形時間」と称することもある。)(秒)を測定した。結果を表1に示す。
さらに、得られた光ファイバ素線の波長1.55μm帯における伝送損失を測定した。結果を表1および図3に示す。なお、図3は、光ファイバ裸線の変形時間と、光ファイバ素線の伝送損失との関係を示すグラフである。
(実験例2)
この実験例2では、線引速度を400m/min、線引張力を60gf、徐冷装置における光ファイバ裸線の通路内の温度を500℃、徐冷装置内における光ファイバ裸線の冷却速度を3200℃/secとした以外は実験例1と同様にして、光ファイバ裸線の引張応力、光ファイバ裸線の変形時間および光ファイバ素線の伝送損失を測定した。結果を表1および図3に示す。
(実験例3)
この実験例3では、線引速度を1000m/min、線引張力を120gf、徐冷装置における光ファイバ裸線の通路内の温度を1500℃、徐冷装置内における光ファイバ裸線の冷却速度を2100℃/secとした以外は実験例1と同様にして、光ファイバ裸線の引張応力、光ファイバ裸線の変形時間および光ファイバ素線の伝送損失を測定した。結果を表1および図3に示す。
(実験例4)
この実験例4では、線引速度を1300m/min、線引張力を150gf、徐冷装置における光ファイバ裸線の通路内の温度を500℃、徐冷装置内における光ファイバ裸線の冷却速度を2800℃/secとした以外は実験例1と同様にして、光ファイバ裸線の引張応力、光ファイバ裸線の変形時間および光ファイバ素線の伝送損失を測定した。結果を表1および図3に示す。
(実験例5)
この実験例5では、線引速度を1300m/min、線引張力を150gf、徐冷装置における光ファイバ裸線の通路内の温度を1500℃、徐冷装置内における光ファイバ裸線の冷却速度を2400℃/secとした以外は実験例1と同様にして、光ファイバ裸線の引張応力、光ファイバ裸線の変形時間および光ファイバ素線の伝送損失を測定した。結果を表1および図3に示す。
(提案書には、実験例5は自然冷却と記載されておりますが、表には徐冷装置を使用と記載されております。ここでは、表の記載を採用しました。)
Figure 2006124191
(実験例6)
図1に示すような光ファイバ素線の製造装置を用いて光ファイバ素線を作製した。この実験例6では、徐冷装置を設けずに、光ファイバ裸線を紡糸炉と冷却装置の間で自然冷却した。
この実験例6では、線引速度を600m/min、線引張力を100gf、光ファイバ裸線の冷却速度を10000℃/secとした。
また、外径測定装置で測定された紡糸炉を出た直後の光ファイバ裸線の外径と、線引張力とから、紡糸炉を出た直後の光ファイバ裸線における引張応力を算出した。結果を表2に示す。
また、光ファイバ裸線が、引張応力が10MPaとなる位置から外径125μmとなる位置に達するまでの時間(以下、「光ファイバ裸線の変形時間」と称することもある。)(秒)を測定した。結果を表2に示す。
さらに、得られた光ファイバ素線の波長1.55μm帯における伝送損失を測定した。結果を表2および図3に示す。
(実験例7)
この実験例7では、線引速度を1000m/min、線引張力を120gf、光ファイバ裸線の冷却速度を12000℃/secとした以外は実験例6と同様にして、光ファイバ裸線の引張応力、光ファイバ裸線の変形時間および光ファイバ素線の伝送損失を測定した。結果を表2および図3に示す。
(実験例8)
この実験例8では、線引速度を200m/min、線引張力を60gf、光ファイバ裸線の冷却速度を2000℃/secとし、紡糸炉内で光ファイバ裸線の変形が終了するようにした以外は実験例6と同様にして、光ファイバ裸線の引張応力、光ファイバ裸線の変形時間および光ファイバ素線の伝送損失を測定した。結果を表2および図3に示す。
Figure 2006124191
表1および表2の結果から、実験例1、実験例3および実験例5のように、徐冷装置を用いて、線引中の光ファイバ裸線における引張応力が10MPa以上となる区間の冷却速度を遅くして、徐冷することにより、大気中で冷却する場合(実験例6および実験例7)よりも、波長1.55μmにおける伝送損失の低い光ファイバ素線が得られることが分かった。
また、図3の結果から、光ファイバ裸線の変形時間を0.1秒以上とすることにより、波長1.55μmにおける伝送損失の低い光ファイバ素線が得られることが分かった。
また、実験例4のように、徐冷装置を用いた場合でも引張応力が10MPa以上となる区間の変形時間が十分でないと、伝送損失を低減する効果が小さいことが分かった。
また、実験例8のように、線引速度を遅くして、炉内で冷却して、紡糸炉内において光ファイバ裸線の変形が終了するように線引条件を最適化すれば、徐冷装置を設けなくても、既存の光ファイバ素線の製造装置によって波長1.55μmにおける伝送損失の低い光ファイバ素線が得られることが分かった。
本発明の光ファイバ素線の製造方法および光ファイバ素線の製造装置は、レイリー散乱の低減に有効な範囲を効率的に徐冷することで、伝送損失に優れた光ファイバ素線の製造にも適用可能である。
本発明の光ファイバ素線の製造方法で用いられる光ファイバ素線の製造装置の概略構成を示す模式図である。 図1の一部を詳しく説明する模式図である。 実験例において、光ファイバ裸線の変形時間と、光ファイバ素線の伝送損失との関係を示すグラフである。 従来の光ファイバ素線の製造方法で用いられる光ファイバ素線の製造装置の概略構成を示す模式図である。
符号の説明
11・・・光ファイバ母材、11a・・・溶融変形部、12・・・紡糸炉、13・・・光ファイバ裸線、14・・・外径測定装置、15・・・徐冷装置、16・・・一次被覆材塗布装置、17・・・一次被覆材架橋筒、18・・・二次被覆材塗布装置、19・・・二次被覆材架橋筒、20・・・光ファイバ素線、21・・・ターンプーリ、22・・・引取機、23・・・ダンサーロール、24・・・巻取ドラム。

Claims (3)

  1. 光ファイバ母材を溶融紡糸して光ファイバ裸線を形成する紡糸工程と、前記光ファイバ裸線を被覆材で被覆して光ファイバ素線を形成する被覆工程とを備えた光ファイバ素線の製造方法であって、
    前記紡糸工程において、前記光ファイバ母材の溶融変形部における引張張力が10MPa以上となる位置から、前記光ファイバ裸線の外径が125μmになる位置までの区間で、前記光ファイバ母材の溶融変形部をなすガラスが外径125μmの光ファイバ裸線になるまでの時間を0.1秒以上とすることを特徴とする光ファイバ素線の製造方法。
  2. 前記紡糸工程において、前記光ファイバ母材の溶融変形部における引張張力が10MPa以上となる位置から、前記光ファイバ裸線の外径が125μmになる位置までの区間で、前記光ファイバ母材の溶融変形部および/または前記光ファイバ裸線を3000℃/sec以下の冷却速度で冷却することを特徴とする請求項1に記載の光ファイバ素線の製造方法。
  3. 光ファイバ母材を溶融紡糸する紡糸炉と、光ファイバ母材から溶融紡糸された光ファイバ裸線に被覆材を塗布する被覆材塗布装置と、前記光ファイバ裸線に塗布した被覆材に光を照射して、被覆材を硬化させる架橋灯を有する架橋筒とを備えた光ファイバ素線の製造装置であって、
    前記紡糸炉の後段に、前記紡糸炉側から順に光ファイバ裸線の外径を測定する外径測定装置と、光ファイバ裸線を徐冷する徐冷装置が設けられ、前記外径測定装置および前記徐冷装置は光ファイバ裸線の紡糸方向に沿って移動可能であり、前記徐冷装置に進入する際の光ファイバ裸線における引張応力が10MPa以上となるように、前記外径測定装置と前記徐冷装置の距離が制御可能であることを特徴とする光ファイバ素線の製造装置。

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