JP2014001115A - 光ファイバ製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】レーリ散乱損失およびOH吸収損失の双方が低減された光ファイバを低コストで製造することができる方法を提供する。
【解決手段】光ファイバ母材2作製工程において、平均OH濃度が1wtppb未満であって、表面から線引後の光ファイバ3における厚みが0.03μmとなる領域におけるOH濃度が10wtppm以上であるコアロッドの周囲に、平均OH濃度が10wtppm以上であるジャケット層を付与して、線引後の光ファイバにおけるコアロッド相当領域における波長1.38μmの伝搬光のパワーの割合が99.99975%以上となる光ファイバ母材2を作製する。加熱工程において、加熱炉21へ光ファイバ3が入線する際の光ファイバ3の温度を1400℃以上とし、加熱炉21における光ファイバ3の加熱温度を2000℃以下とし、加熱炉21における光ファイバ3の滞在時間を0.005〜1秒とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、光ファイバを製造する方法に関するものである。
光通信システムでは、信号光を伝搬させる光伝送路として光ファイバが用いられる。次世代の幹線系の光伝送路として用いられるファイバは、低伝送損失および低非線形性が求められる。光ファイバを低損失化する技術としてアニール線引技術が知られている。アニール線引技術とは、線引炉において光ファイバ母材を線引して光ファイバを製造する際に、線引炉から出線した光ファイバを1600℃以下の温度で一定時間アニールすることにより、光ファイバ中のガラス構造の乱雑さを低減させて、レーリ散乱損失を低く抑えることができる技術である。
これまでに種々のアニール線引技術が提案されている、例えば、線引工程における線速、アニールの為の加熱炉の位置、該加熱炉の長さ又はアニール時間を適正化することにより、アニール無しの場合に比べて有意に伝送損失を低減することができるとされている。また、アニール線引の適正条件は光ファイバ母材の組成(粘性)によって異なることが知られている。したがって、光ファイバ母材の組成に応じてアニール線引の適正条件は決定される。
国際公開第00/62106号 国際公開第2004/007383号 特開2000−335934号公報 特開2004−307280号公報
アニール線引技術では、アニール中に光ファイバ中(特にクラッド)に存在するOH基がコア近傍へ拡散することにより、OH基吸収に由来する波長1.38μmの伝送損失が、アニール処理を実施しなかった場合と比較して増加する懸念がある。幹線系光ファイバでは、使用波長帯域は1.55μm近傍であり、1.38μm付近の波長帯域は一般には使用されない。しかしながら、OH吸収は波長1.38μmにピークを示し一定の広がりを有するので、極端にOH濃度が高い光ファイバでは、波長1.55μmにおいてもOH吸収に由来する伝送損失の微増が懸念される。また、この光ファイバがラマン増幅器を含む光伝送路で使用される場合は、ラマン増幅のためのポンプ光として波長1.45μm前後の光が用いられるので、波長1.55μmにおける信号強度は顕著にOH吸収損失の影響を受けると考えられる。従って、OH吸収損失を低く抑えることは、幹線系光ファイバにおいても有用である。
OH吸収に由来する損失を低くする為には、光ファイバ母材内のOH濃度を低くすることが直接的である。光ファイバ母材は、一般に、コアとクラッドの一部とを含むコアロッドの表面に追加クラッド(ジャケット層)を付与することで製造される。伝搬光のパワーが集中するコアロッドでは十分に脱水処理を行ってOH濃度を充分に低くすれば、相対的なパワーの割合が小さいジャケット部分ではOH濃度がコアロッドより高くても、コアロッドとジャケット層とのサイズ比を適正化してジャケットでの伝搬光パワーの割合を低くすることで、OH吸収損失を低く抑えることができる。これにより、ジャケットの脱水処理を省略することができるので、低コストで光ファイバ母材および光ファイバを製造することができる。
しかし、レーリ散乱損失の低減を図るためにアニール線引を行う場合は、コアロッドとジャケット層とのサイズ比を適正化してジャケットでの伝搬光パワーの割合を低くしても、アニールによりOH基が拡散するので、OH吸収損失の低減が充分には得られない場合がある。
本発明は、上記問題点を解消する為になされたものであり、レーリ散乱損失およびOH吸収損失の双方が低減された光ファイバを低コストで製造することができる方法を提供することを目的とする。
本発明の光ファイバ製造方法は、コアおよびクラッドを有する光ファイバを製造する方法であって、コアおよびクラッドの一部となるべきコアロッドの周囲にクラッドの残部となるべきジャケット層を付与して光ファイバ母材を作製する母材作製工程と、線引炉により光ファイバ母材を線引して光ファイバを製造する線引工程と、加熱炉により光ファイバを加熱する加熱工程と、加熱工程において加熱された後の光ファイバの周囲に被覆層を付与する被覆工程と、を備える。
さらに、本発明の光ファイバ製造方法では、母材作製工程において、平均OH濃度が1wtppb未満であって、表面から線引後の光ファイバにおける厚みが0.03μmとなる領域におけるOH濃度が10wtppm以上であるコアロッドの周囲に、平均OH濃度が10wtppm以上であるジャケット層を付与して、線引後の光ファイバにおけるコアロッド相当領域における波長1.38μmの伝搬光のパワーの割合が99.99975%以上となる光ファイバ母材を作製する。加熱工程において、加熱炉へ光ファイバが入線する際の光ファイバの温度を1400℃以上とし、加熱炉における光ファイバの加熱温度を2000℃以下とし、加熱炉における光ファイバの滞在時間を0.005〜1秒とする。
本発明の光ファイバ製造方法では、母材作製工程において、表面から線引後の光ファイバにおける厚みが0.03μmとなる領域におけるOH濃度が100〜1000wtppm以上であるコアロッドの周囲に、平均OH濃度が10〜300wtppm以上であるジャケット層を付与して、光ファイバ母材を作製するのが好適である。加熱工程において、加熱炉における光ファイバの加熱温度を800〜1600℃以下とするのが好適である。熱工程において、加熱炉における光ファイバの加熱時間を0.10〜1.00秒とするのが好適である。また、線引工程において、光ファイバ母材のガラス外径減少開始のときから線引炉から光ファイバが出線するときまでの平均ガラス冷却率を500℃/m以上とするのが好適である。
本発明の光ファイバは、上記の本発明の光ファイバ製造方法により製造された光ファイバであって、波長1.38μmにおけるOH吸収損失に由来する伝送損失増が0.06dB/km以下であり、波長1.55μmにおける伝送損失が 0.185dB/kmより小さく、波長1.31μmにおける伝送損失が0.340dB/kmより小さい、ことを特徴とする。
本発明の光ファイバは、コアと、このコアの周囲に設けられたディプレストと、このディプレストの周囲に設けられたジャケットとを有し、純シリカの屈折率を基準として、コアの比屈折率差Δ1が0.18〜0.35%であり、ディプレストの比屈折率差Δ2が−0.1〜−0.00%であり、ジャケットの比屈折率差Δ3が−0.05〜0.05%であり、Δ1>Δ3>Δ2であり、コアの半径aが4〜7μmであり、コアの半径aとディプレストの外半径bとの比b/aが2より大きく7より小さく、波長1.55μmにおける実効断面積が80μmより大きく、カットオフ波長が1550nmより短いのが好適である。
本発明によれば、レーリ散乱損失およびOH吸収損失の双方が低減された光ファイバを低コストで製造することができる。
光ファイバ製造装置1の構成を示す図である。 加熱炉における光ファイバの滞在時間と波長1.55μmでの光ファイバの伝送損失との関係を示すグラフである。 加熱炉における光ファイバの加熱温度と波長1.55μmでの光ファイバの伝送損失との関係を示すグラフである。 加熱炉における光ファイバの滞在時間と波長1.38μmにおけるOH吸収損失に由来する伝送損失増加量Δα1.38との関係を示すグラフである。 光ファイバ母材のRaと波長1.38μmにおけるOH吸収損失に由来する伝送損失増加量Δα1.38との関係を示すグラフである。 光ファイバ母材のRaと波長1.38μmにおけるOH吸収損失に由来する伝送損失増加量Δα1.38との関係を示すグラフである。 光ファイバにおけるジャケット相当領域における波長1.38μmの伝搬光のパワーの割合と、波長1.38μmにおけるOH吸収損失に由来する伝送損失増加量Δα1.38との関係を示すグラフである。
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、光ファイバ製造装置1の構成を示す図である。光ファイバ製造装置1は、石英ガラスからなる光ファイバ母材2を線引して光ファイバ3を製造し、さらに、この光ファイバ3の周囲に被覆層を付与して光ファイバ素線4を製造する。光ファイバ製造装置1は、線引炉11、加熱炉21、外径測定器41、コーディングダイス51および樹脂硬化部31を備える。
線引炉11は、母材供給部により保持されて供給された光ファイバ母材2の下端をヒータ12により加熱して軟化させ、光ファイバ母材2を線引して光ファイバ3を製造する。線引炉11の炉心管13の内部は、不活性ガス供給部14から不活性ガス供給路15を経て不活性ガスが供給され、不活性ガス雰囲気とされる。線引後の光ファイバ3は、炉心管13内温度1700℃程度にまで不活性ガスにより急激に冷却される。その後、光ファイバ3は、炉心管13の下部から線引炉11外に出され、線引炉11と加熱炉21との間にて空冷される。不活性ガスとして例えばNガスが用いられる。Nガスの熱伝導係数λ(T=300K)は26mW/(m・K)である。空気の熱伝導係数λ(T=300K)は26mW/(m・K)である。
加熱炉21は、線引炉11の下部から出線された光ファイバ3を加熱し、所定の冷却速度にて徐冷する。加熱炉21は、その中を光ファイバ3が通過する炉心管23を有する。炉心管23の位置は、光ファイバ3の入線温度が所定値となるように、線引炉11の炉心管13に対して所定の間隔で設定される。炉心管23の長さは、加熱炉21における光ファイバ3の加熱時間が所定値となるように設定される。また、加熱炉21のヒータ22は、炉心管23の中心の温度すなわち光ファイバ3の温度を所定値に加熱する。加熱炉21の炉心管23の内部は、Nガス供給部24からNガス供給路25を経てNガスが供給され、Nガス雰囲気とされる。Nガスを用いる代わりに、空気またはAr等の分子量の比較的大きいガス等を用いることも可能である。ヒータ22がカーボンヒータである場合には不活性ガスを用いる必要がある。
外径測定器41は、加熱炉21から出た光ファイバ3の外径を測定し、その外径測定値を制御部44に送る。制御部44は、光ファイバ素線4を巻き取るドラム42を回転駆動する駆動モータ43の回転速度を制御して、光ファイバ3の外径測定値が目標値となるように光ファイバ線引速度を調整する。このようなフィードバック制御により光ファイバ3の外径は一定の目標値とされる。
コーディングダイス51は、外径測定器41を経た後の光ファイバ3の外周にUV樹脂液(紫外線硬化型樹脂)52を塗布する。樹脂硬化部31は、紫外線ランプ32から出力される紫外線を、光ファイバ3に塗布された紫外線硬化型樹脂に照射することで、その紫外線硬化型樹脂を硬化させる。これにより、光ファイバ3の周囲に樹脂被覆層が付与された光ファイバ素線4が製造される。なお、紫外線硬化型樹脂に替えて熱硬化型樹脂を塗布し、その熱硬化型樹脂を加熱することで硬化させるようにしてもよい。そして、光ファイバ素線4は、ガイドローラ61を経て、ドラム42により巻き取られる。ドラム42は回転駆動軸45に支持されており、この回転駆動軸45の端部は駆動モータ43に接続されている。
本実施形態の光ファイバ製造方法は、このような光ファイバ製造装置1を用いて光ファイバを製造する方法である。本実施形態の光ファイバ製造方法は、光ファイバ母材を製造する母材作製工程と、線引炉11により光ファイバ母材を線引して光ファイバを製造する線引工程と、加熱炉21により光ファイバを加熱する加熱工程と、加熱工程において加熱された後の光ファイバの周囲に被覆層を付与する被覆工程と、を備える。
光ファイバの伝送損失は、一般に、レーリ散乱損失、ガラス自体の吸収損失およびガラスに含まれる添加物の吸収損失の和で表される。光伝送路として光ファイバを用いる光通信システムにおける一般的な信号光波長帯域である1.31〜1.55μmの帯域では、レーリ散乱損失が主であることが知られている。レーリ散乱損失は、ガラスのSiOネットワークの乱雑さにより生じる。アニール線引技術は、特許文献3等に記載されているとおり、線引炉から出線された光ファイバを、線引炉の直後に設けられた加熱炉に通過させることにより、光ファイバの冷却速度を低減して、SiOネットワークの乱雑さに起因するレーリ散乱損失を低減するものである。
加熱炉における光ファイバの適正な徐冷条件は、加熱炉へ光ファイバが入線する際の光ファイバの温度(入線温度)、加熱炉における光ファイバの加熱温度、および、加熱炉における光ファイバの滞在時間で決定される。加熱炉における光ファイバの入線温度,加熱時間および滞在時間それぞれを各値に設定して一般的なシングルモード光ファイバを製造し、その光ファイバの波長1.55μmでの伝送損失を評価した。その結果が図2および図3に示されている。
図2は、加熱炉における光ファイバの滞在時間と波長1.55μmでの光ファイバの伝送損失との関係を示すグラフである。ここでは、加熱炉における光ファイバの入線温度を1500℃より高くし、加熱炉における光ファイバの加熱温度を1400℃とした。同図に示されるように、加熱炉における光ファイバの滞在時間を長くするほどレーリ散乱損失を低くすることができ、滞在時間を0.1秒以上とすることにより波長1.55μmでの伝送損失を0.185dB/km以下とすることができる。
図3は、加熱炉における光ファイバの加熱温度と波長1.55μmでの光ファイバの伝送損失との関係を示すグラフである。ここでは、加熱炉における光ファイバの入線温度を1500℃より高くし、加熱炉における光ファイバの滞在時間を0.5秒とした。同図に示されるように、加熱炉における光ファイバの加熱温度を高くするほどレーリ散乱損失を低くすることができ、加熱温度を800℃より高くすることにより波長1.55μmでの伝送損失を0.185dB以下と充分に低くすることができる。
これらのことから、加熱炉における光ファイバの入線温度を1500℃より高くし、加熱炉における光ファイバの滞在時間を0.1秒より長くし、加熱炉における光ファイバの加熱温度を800℃より高くすることで、レーリ散乱損失を低くすることができ、一般的なシングルモード光ファイバにおいても、波長1.55μmでの伝送損失を0.185dB/kmより小さくすることができ、波長1.31μmでの伝送損失を0.340dB/kmより小さくすることができる。
このようなアニール線引技術により光ファイバにおけるレーリ散乱損失の低減による低損失化が可能であるが、波長1.38μmにおける損失に関しては、光ファイバにおけるOH基濃度の径方向分布および伝搬光パワーの径方向分布に依存するOH吸収損失を考慮することが必要である。波長1.38μmにおけるOH吸収損失に由来する伝送損失増は0.06dB/km以下であることが望ましい。しかし、アニール線引においては、加熱炉における加熱工程の際にジャケット層のOH基がコア近傍まで拡散してしまい、加熱炉における光ファイバの滞在時間に依存して、波長1.38μmにおけるOH吸収損失に由来する伝送損失増が大きくなる場合がある。
図4は、加熱炉における光ファイバの滞在時間と波長1.38μmにおけるOH吸収損失に由来する伝送損失増加量Δα1.38との関係を示すグラフである。ここでは、コアの半径をaとし、コアロッドの半径をbとして、Ra=b/aを定義し、このRaが4.0および5.0それぞれである場合について、波長1.38μmにおけるOH吸収損失に由来する伝送損失増加量Δα1.38の加熱炉滞在時間依存性が示されている。何れの場合も、光ファイバ母材は、一般的な汎用シングルモード光ファイバと同じ屈折率構造を有しており、平均OH濃度が1wtppb未満であって、表面から線引後の光ファイバにおける厚みが0.03μmとなる領域におけるOH濃度が1000wtppmであるコアロッドの周囲に、平均OH濃度が300wtppmであるジャケット層が付与されたものであった。コアロッド表面のOH濃度が高いのは、ジャケットを付与する際にコアロッド表面の清浄化のため酸水素火炎等で火炎研磨することに因る。加熱炉における光ファイバの加熱温度は1500℃であった。
同図に示されるように、Raが小さい光ファイバ母材、すなわち、コアロッドに対しジャケット部分の割合が大きい光ファイバ母材に関しては、線引後の光ファイバのOH吸収損失が大きく、また、加熱炉滞在時間が長いほどOH吸収損失が大きくなる傾向が見られる。OH吸収損失が増加する原因は、コアロッド表面およびジャケット中に存在するOH基が加熱によりコア近傍へ拡散するからであると考えられる。一方で、Raが5.0である光ファイバ母材では、加熱炉滞在時間が長くても、OH吸収損失に由来する伝送損失増加量Δα1.38は0.02dB/km以下である。これは、加熱によりOH基が拡散しても、その拡散したOHはコアから十分遠いからであると考えられる。このことから、アニール線引を実施する場合、Raが小さい場合には、加熱炉における光ファイバの滞在時間に応じてOH吸収損失が変化することが分かり、低OH損失とするにはRaの値を適正化する必要がある。
図5は、光ファイバ母材のRaと波長1.38μmにおけるOH吸収損失に由来する伝送損失増加量Δα1.38との関係を示すグラフである。ここでも、図4に示された光ファイバ母材を用いた。同図に示されるように、加熱炉における光ファイバの滞在時間が短いほど、また、Raが大きいほど、波長1.38μmにおけるOH吸収損失に由来する伝送損失増加量Δα1.38は小さくなる。この光ファイバ母材を用いる場合、加熱炉における光ファイバの加熱温度を1500℃とし、加熱炉における光ファイバの滞在時間を1秒とした場合において、波長1.38μmにおけるOH吸収損失に由来する伝送損失増加量Δα1.38を0.06dB/km以下とするには、Raを4.6以上とする必要がある。
図6も、光ファイバ母材のRaと波長1.38μmにおけるOH吸収損失に由来する伝送損失増加量Δα1.38との関係を示すグラフである。ここでは、コア径が拡大され実効断面積が大きい光ファイバが製造された。この光ファイバは、コアと、このコアを取り囲むディプレストと、このディプレストを取り囲むジャケットとを有していた。ジャケットの屈折率を基準として、コアの比屈折率差は0.22%であり、ディプレストの比屈折率差は−0.08%であった。コアの半径は6.5μmであった。実効断面積は110μmであった。このような屈折率分布を有する光ファイバを製造する場合、汎用シングルモード光ファイバの場合と異なり、Raを2.7以上とすることで、アニール線引で加熱炉滞在時間を1秒としても。OH吸収損失を低く抑えることができる。
このように、光ファイバの屈折率構造に応じてRaを適正化してアニール線引を行うことによりレーリ散乱損失およびOH吸収損失の双方を低減することができる。ただし、OH吸収損失を低く抑えるためのRaは屈折率構造により異なる。そこで、Raより一般的な指標として、光ファイバにおけるコアロッド相当領域における波長1.38μmの伝搬光のパワーの割合(または、光ファイバにおけるジャケット相当領域における波長1.38μmの伝搬光のパワーの割合)を考える。
図7は、光ファイバにおけるジャケット相当領域における波長1.38μmの伝搬光のパワーの割合と、波長1.38μmにおけるOH吸収損失に由来する伝送損失増加量Δα1.38との関係を示すグラフである。ここでは、図4および図5に示された光ファイバ母材は構造1と表記され、図6に示された光ファイバ母材は構造2と表記されている。同図に示されるように、光ファイバの屈折率構造によらず、光ファイバにおけるコアロッド相当領域における波長1.38μmの伝搬光のパワーの割合を99.99975%以上とすることで(すなわち、光ファイバにおけるジャケット相当領域における波長1.38μmの伝搬光のパワーの割合を0.00025%以下とすることで)、アニール線引を実施してもOH吸収損失を低減することができる。
以上のことから、光ファイバのコアおよびクラッドの一部となるべきコアロッドの周囲にジャケット層を付与して光ファイバ母材を作製し該光ファイバ母材をアニール線引して光ファイバを製造する際に、光ファイバ母材において、コアロッド内部のOH濃度を1wtppb以下とし、コアロッド表面からファイバ換算で内側0.03μmのOH濃度を100〜1000wtppmとし、ジャケット層のOH基濃度を10〜300wt_ppm以上とする。そして、この光ファイバ母材を線引炉において線引して光ファイバとした後、この光ファイバを加熱炉においてアニールする際に、加熱温度を1500℃以下とし、滞在時間を1秒より短くし、ジャケット部分におけるパワー割合を所定の値以下にすることで、レーリ散乱損失およびOH吸収損失の双方が低減された光ファイバを低コストで製造することができる。
1…光ファイバ製造装置、2…光ファイバ母材、3…光ファイバ、4…光ファイバ素線、11…線引炉、12…ヒータ、13…炉心管、14…不活性ガス供給部、15…不活性ガス供給路、21…加熱炉、22…ヒータ、23…炉心管、24…Nガス供給部、25…Nガス供給路、31…樹脂硬化部、32…UVランプ、41…外径測定器、42…ドラム、43…駆動モータ、44…制御部、45…回転駆動軸、51…コーティングダイス、52…UV樹脂液、61…ガイドローラ。

Claims (7)

  1. コアおよびクラッドを有する光ファイバを製造する方法であって、
    コアおよびクラッドの一部となるべきコアロッドの周囲に、クラッドの残部となるべきジャケット層を付与して、光ファイバ母材を作製する母材作製工程と、
    線引炉により前記光ファイバ母材を線引して光ファイバを製造する線引工程と、
    加熱炉により前記光ファイバを加熱する加熱工程と、
    前記加熱工程において加熱された後の光ファイバの周囲に被覆層を付与する被覆工程と、
    を備え、
    前記母材作製工程において、平均OH濃度が1wtppb未満であって、表面から線引後の光ファイバにおける厚みが0.03μmとなる領域におけるOH濃度が10wtppm以上である前記コアロッドの周囲に、平均OH濃度が10wtppm以上である前記ジャケット層を付与して、線引後の光ファイバにおける前記コアロッド相当領域における波長1.38μmの伝搬光のパワーの割合が99.99975%以上となる前記光ファイバ母材を作製し、
    前記加熱工程において、前記加熱炉へ前記光ファイバが入線する際の前記光ファイバの温度を1400℃以上とし、前記加熱炉における前記光ファイバの加熱温度を2000℃以下とし、前記加熱炉における前記光ファイバの滞在時間を0.005〜1秒とする、
    ことを特徴とする光ファイバ製造方法。
  2. 前記母材作製工程において、表面から線引後の光ファイバにおける厚みが0.03μmとなる領域におけるOH濃度が100〜1000wtppm以上である前記コアロッドの周囲に、平均OH濃度が10〜300wtppm以上である前記ジャケット層を付与して、前記光ファイバ母材を作製する、ことを特徴とする請求項1に記載の光ファイバ製造方法。
  3. 前記加熱工程において、前記加熱炉における前記光ファイバの加熱温度を800〜1600℃以下とする、ことを特徴とする請求項2に記載の光ファイバ製造方法。
  4. 前記加熱工程において、前記加熱炉における前記光ファイバの加熱時間を0.10〜1.00秒とする、ことを特徴とする請求項2に記載の光ファイバ製造方法。
  5. 前記線引工程において、光ファイバ母材のガラス外径減少開始のときから前記線引炉から光ファイバが出線するときまでの平均ガラス冷却率を500℃/m以上とする、ことを特徴とする請求項2に記載の光ファイバ製造方法。
  6. 請求項1〜5の何れか1項に記載の光ファイバ製造方法により製造された光ファイバであって、波長1.38μmにおけるOH吸収損失に由来する伝送損失増が0.06dB/km以下であり、波長1.55μmにおける伝送損失が 0.185dB/kmより小さく、波長1.31μmにおける伝送損失が0.340dB/kmより小さい、ことを特徴とする光ファイバ。
  7. コアと、このコアの周囲に設けられたディプレストと、このディプレストの周囲に設けられたジャケットとを有し、
    純シリカの屈折率を基準として、前記コアの比屈折率差Δ1が0.18〜0.35%であり、前記ディプレストの比屈折率差Δ2が−0.1〜−0.00%であり、前記ジャケットの比屈折率差Δ3が−0.05〜0.05%であり、Δ1>Δ3>Δ2であり、
    前記コアの半径aが4〜7μmであり、前記コアの半径aと前記ディプレストの外半径bとの比b/aが2より大きく7より小さく、
    波長1.55μmにおける実効断面積が80μmより大きく、
    カットオフ波長が1550nmより短い、
    ことを特徴とする請求項6に記載の光ファイバ。
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