JP2014118334A - 光ファイバ製造方法 - Google Patents

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徹也 春名
Masaaki Hirano
正晃 平野
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Abstract

【課題】アルカリ金属元素がコアに含まれ伝送損失が小さい光ファイバを製造することができる方法を提供する。
【解決手段】平均濃度5原子ppm以上のアルカリ金属元素を含むコア部とフッ素およびCLを含むクラッド部とを含む石英系光ファイバ母材20を線引装置1により線引して、ガラス部と樹脂被覆部とからなり、ガラス部に残留した圧縮応力の最大値が130MPa以下である光ファイバ30を製造する。その線引の際に、光ファイバ母材の各位置が1500℃以上の温度で保持される時間が110分以下であるのが好適である。
【選択図】図5

Description

本発明は、光ファイバ製造方法に関するものである。
アルカリ金属元素がコアに含まれた光ファイバが知られている(特許文献1〜9を参照)。アルカリ金属元素がコアに含まれることで、光ファイバ母材を線引して光ファイバを製造する際にコアの粘性を下げることができ、ガラスネットワーク構造の緩和が進行するので、光ファイバの伝送損失を低減することが可能であるとされている。
また、他の低損失の光ファイバとして、アルカリ金属元素が含まれていない純石英ガラスからなるコアを有する光ファイバが知られている。この光ファイバの製造に際しては、ガラスネットワーク構造の緩和を促進するために、線引炉の下部に新たに保温炉を設けて加熱時間を長くすることが知られている。
特表2005−537210号公報 米国特許出願公開第2006/0130530号明細書 特表2007−504080号公報 特表2008−536190号公報 特表2010−501894号公報 特表2009−541796号公報 特表2010−526749号公報 国際公開第98/002389号 米国特許第5146534号明細書
しかしながら、本発明者の知見によれば、アルカリ金属元素がコアに含まれた光ファイバを製造する際に、純石英コア光ファイバの製造と同様に線引炉の下部に保温炉を設けて加熱時間を長くすると、製造された光ファイバの伝送損失が大きくなってしまう場合がある。
本発明は、上記問題点を解消する為になされたものであり、アルカリ金属元素がコアに含まれ伝送損失が小さい光ファイバを製造することができる方法を提供することを目的とする。
本発明の光ファイバ製造方法は、平均濃度5原子ppm以上のアルカリ金属元素を含むコア部とフッ素およびCLを含むクラッド部とを含む石英系光ファイバ母材を線引して、ガラス部と樹脂被覆部とからなり、ガラス部に残留した圧縮応力の最大値が130MPa以下である光ファイバを製造することを特徴とする。
本発明の光ファイバ製造方法では、光ファイバ母材を線引きする際に、光ファイバ母材の各位置が1500℃以上の温度で保持される時間が110分以下であるのが好適である。光ファイバ母材のコア部のアルカリ金属元素平均濃度が500原子ppm以下であるのが好適である。光ファイバ母材のコア部にアルカリ金属元素およびハロゲン元素が含まれており、これら以外の添加元素のコア部での平均濃度がハロゲン元素のコア部での平均濃度以下であるのが好適であり、光ファイバ母材のコア部のハロゲン元素平均濃度が1000原子ppm以上20000原子ppm以下であるのが好適である。また、アルカリ金属元素がカリウムであるのが好適である。
本発明の光ファイバ製造方法では、光ファイバ母材を線引する際の線引速度が、1200m/min以上であるのが好適であり、2500m/min以下であるのが好適である。光ファイバ母材の外直径がφ70mm以上φ170mm以下であるのが好適である。また、光ファイバ母材を線引する際の線引張力(ガラス部に印加される力)が30g(0.29N)以上150g(1.47N)以下であるのが好適である。
本発明の光ファイバ製造方法では、光ファイバ母材を線引する際に、200μm以下の径であるガラスファイバ状態での1500℃以上の加熱時間が0.3秒以下であり、光ファイバ母材が加熱されて光ファイバとして引き出されるまでの線引炉内の滞在時間が4時間以下であるのが好適である。200μm以下の径であるガラスファイバ状態での1500℃以上の加熱時間が0.01秒以上であるのが好適である。また、光ファイバ母材を線引する際に、光ファイバ母材の各位置について線引炉内の滞在時間が4時間以下であるのが好適である。
本発明の光ファイバ製造方法は、ガラス部と樹脂被覆部とからなり、ガラス部がコアと該コアを取り囲むクラッドとを有する光ファイバを製造する方法であって、光ファイバ母材のコア部には、アルカリ金属が5原子ppm以上、ハロゲン元素が1000ppm以上の平均濃度でそれぞれ含まれ、該アルカリ金属及びハロゲン元素以外の添加元素は該ハロゲンの平均濃度以下であり、該光ファイバ母材の外直径が70〜170mmであり、該光ファイバを線引する際の光ファイバの線引速度が600m/min以上であり、ガラス部に印加される力が30〜150g(0.29〜1.47N)であり、ガラス部に残留した圧縮応力の最大値が130MPa以下であることを特徴とする。光ファイバの線引速度が1200m/min以上3000m/min以下であるのが好適である。
本発明によれば、アルカリ金属元素がコアに含まれ伝送損失が小さい光ファイバを製造することができる。
光ファイバ母材および光ファイバそれぞれにおける屈折率プロファイル、アルカリ金属元素濃度分布および光パワー分布を示す図である。 線引装置において光ファイバ母材の各位置が1500℃以上の温度で保持される時間と波長1.55μmでの光ファイバの伝送損失との関係を示す図である。 線引装置において光ファイバ母材の各位置が1500℃以上の温度で保持される時間と波長1.55μmでの光ファイバの伝送損失との関係を纏めた図表である。 線引装置の概略構成を示す図である。 線引装置1において光ファイバ母材の各位置が1500℃以上の温度で保持される時間T1を説明する図である。 線引装置1における線引炉内の滞在時間T2を説明する図である。 線引速度と波長1.55μmでの光ファイバの伝送損失との関係を示す図である。 線引速度と波長1.55μmでの光ファイバの伝送損失との関係を纏めた図表である。 線引速度と波長1.55μmでの光ファイバの伝送損失との関係を示す図である。 線引速度と波長1.55μmでの光ファイバの伝送損失との関係を纏めた図表である。 線引速度1700m/minおよび線引張力50g(0.49N)で線引きした場合の光ファイバ母材の直径と波長1.55μmでの光ファイバの伝送損失との関係を示す図である。 線引炉内の滞在時間と波長1.55μmでの光ファイバの伝送損失との関係を示す図である。 線引炉内の滞在時間と波長1.55μmでの光ファイバの伝送損失との関係を纏めた図表である。 光ファイバの屈折率プロファイルを示す図である。 光ファイバの屈折率プロファイルを示す図である。 光ファイバの屈折率プロファイルの他の例を示す図である。 コア部中の平均K濃度が5原子ppmの母材から線引きされた光ファイバのガラス部に残留した応力を、線引き時のガラスに印加された力をパラメータとして示すグラフである。 光ファイバの残留応力を説明する図である。 各光ファイバ母材サイズ(外直径)での伝送損失を纏めた図表である。 線引装置の他の概略構成を示す図である。
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
本実施形態の光ファイバ製造方法は、光ファイバの伝送損失を低減するために、アルカリ金属元素が含まれたコア部を有する光ファイバ母材を線引する際に、その光ファイバ母材を線引炉内で加熱する時間を短くする。線引時の加熱時間が短時間であると光ファイバの伝送損失が低減するメカニズムは必ずしも明らかではない。しかし、線引時の加熱時間が長くなると、コア部に含まれたアルカリ金属元素の拡散が進み、結果的に、アルカリ金属元素が通信波長帯(1550nm帯)のモードフィールド径(MFD)の3倍以上外側にまで広く拡散する。
その結果、図1に示されるように、光ファイバのコアにおける実効的なアルカリ金属元素濃度が低くなり、ガラスネットワークの構造緩和が進まず、光ファイバの伝送損失が低減されないと考えられる。図1(a)は、光ファイバ母材における屈折率プロファイルおよびアルカリ金属元素濃度分布を示す図である。同図(b)は、光ファイバにおける屈折率プロファイル、アルカリ金属元素濃度分布および光パワー分布を示す図である。
本実施形態の光ファイバ製造方法では、低損失化に好適な光ファイバ母材のコア部中に添加されるアルカリ金属元素(例えばカリウム)の平均濃度は5原子ppm以上であり、好適には50原子ppm以下である。カリウム濃度が高いほど放射線照射による損失増が高くなるので、コア部におけるカリウム平均濃度の上限は500原子ppmである。線引炉内において光ファイバ母材の各位置が1500℃以上で保持される時間は110分以下である。線引速度は、1200m/min以上が好ましく、更には1500〜2300m/minが好ましい。光ファイバ母材の直径は、70〜170mmφが好ましく、更には90〜150mmφが好ましい。
図2は、線引装置において光ファイバ母材の各位置が1500℃以上の温度で保持される時間と波長1.55μmでの光ファイバの伝送損失との関係を示す図である。また、図3は、線引炉内でガラス温度が1500℃以上で保持される時間と波長1.55μmでの光ファイバの伝送損失との関係を纏めた図表である。ここでは、光ファイバ母材のコア部に含まれるカリウムの平均濃度を5原子ppm,15原子ppmおよび500原子ppmそれぞれとした。光ファイバ母材の直径を140mmとした。光ファイバ母材を線引する際の線引張力を30〜150g(0.29〜1.47N)とした。200μm以下での径であるガラスファイバ状態での1500℃以上の加熱時間は0.01秒以上0.3秒以下であった。
また、線引後の光ファイバは樹脂被覆部(ファイバ被覆材)とガラス部とからなり、ガラス部のコアはK、Cl及びFを含む石英系ガラスであり、クラッドはF、Clを含む石英系ガラスである。コアの平均カリウム濃度は0.1〜100原子ppmであった。更に、線引後の光ファイバのコアの塩素元素平均濃度は約10000原子ppmであった。コアにはK、Cl、F以外の遷移金属、GeO2等のドーパントは実質的に含まれておらず、1ppm以下である。
なお、光ファイバ母材を線引する際の線引張力が30〜150g(0.29〜1.47N)の範囲よりも高くても低くても光ファイバの伝送損失は上昇する。図17に、コア部中の平均K濃度が5原子ppmの母材から線引きされた光ファイバのガラス部に残留した応力を、線引き時のガラスに印加された力をパラメータとして示す。応力値がマイナス値の場合は圧縮応力が、プラス値の場合は引っ張り応力が残留していたことを示す。また、図18に示す通りこの応力はファイバを円柱と見なした時に、長手方向に残留していたものである。
図17に示す通り、張力を上げていくと、光ファイバのコア周辺部では圧縮応力が大きくなる。例えば、コア中心部の圧縮応力は、ガラス部に印加される力が30g(0.29N)では-4[MPa]、200g(1.47N)では-148[MPa]であることが分かる。これに対してガラス部に印加される力を10g(0.098N)まで小さくすると、逆にコアが引っ張り応力が残留することで、光の導波路領域であるコアを含む周囲のガラスが引っ張られ、ガラス欠陥量が大きくなり、伝送損失が悪化する。また製造上においてもガラスに印加する張力が低くなると、線引炉の下でファイバは揺れやすくなり、断線しやすくなることから、ガラスに印加する張力が低い領域での線引は歩留の観点から適していない。
またガラス印加する張力が高くなると、図17に示す通り、コア周囲の残留応力の変化量が大きくなる。例えばコア中心から半径15μm以内(MFDの3倍の領域)の1μmあたりの応力変化量の最大値は、ガラスに印加される力が150g(1.47N)の時、16MPa/μmだが、175g(1.72N)、200g(1.96N)まで大きくなると、25乃至23MPa/μmまで大きなり、非常に径方向の応力の変化が大きくなり、ガラス構造の不均一化につながり、伝送損失化が悪化する。そのため、線引の際にガラスに印加される力は30g(0.29N)〜150g(1.47N)が最適であり、このとき、コア周囲の残留応力は0MPaから130MPaの圧縮応力となる。
これらの図から判るように、光ファイバ母材の各位置が1500℃以上の温度で保持される時間が短いほど、波長1.55μmでの光ファイバの伝送損失は小さい。この現象は以下の理由によると考えられる。光ファイバ母材時でコア部に平均濃度500原子ppm以下のカリウムを含む場合、これを線引して得られる光ファイバの仮想温度は1400〜1550℃であり、線引炉内でのピーク温度(1500℃以上)から1500℃までの時間でカリウムの拡散が進む。カリウムの拡散が進み過ぎると、通信波長帯(1550nm帯)の光パワー分布よりカリウムが外側に広く拡散し、実効的なカリウム濃度が低くなり、ガラスネットワークの構造緩和が進まず、伝送損失が低減されない。よって、カリウムの拡散がよく進むガラス温度1500℃以上で保持される時間が短いほど、光伝送損失は低減する。図2および図3に示されるとおり、純石英コア光ファイバの伝送損失0.170dB/kmを下回るためには、光ファイバ母材の各位置が1500℃以上の温度で保持される時間は、110分以下であることが必要であり、更には70分以下が好ましい。
図4は、線引装置1の概略構成を示す図である。線引装置1は、線引炉11の周囲に発熱体13が設けられていて、上部から装入された光ファイバ母材20の下端を加熱溶融して線引し、光ファイバ30を製造する。線引炉11の内部はHeの雰囲気となっており、長さ(上部フランジ12から下端までの長さ)Lは例えば1.8mである。
図5は、線引装置1において光ファイバ母材の各位置が1500℃以上の温度で保持される時間T1を説明する図である。線引装置1におけるガラス温度分布は、発熱体13が設けられている位置で最高温度となり、この位置から離れるほど温度が低くなる。光ファイバ母材20における或る位置Aの温度が上昇していって温度1500℃に達した時刻から、その位置Aが線引されて最高温度から下降していって位置Bで温度1500℃になる時刻までの時間が、光ファイバ母材の各位置が1500℃以上で保持される時間T1である。
図6は、線引装置1における線引炉内の滞在時間T2を説明する図である。光ファイバ母材20における或る位置が上部フランジ12を通過した時刻から、その位置が線引されて線引炉11の下端を通過する時刻までの時間が、線引装置1における線引炉内の滞在時間T2である。
図7は、線引速度と波長1.55μmでの光ファイバの伝送損失との関係を示す図である。また、図8は、線引速度と波長1.55μmでの光ファイバの伝送損失との関係を纏めた図表である。ここでも、光ファイバ母材のコア部に含まれるカリウムの平均濃度を5原子ppm,15原子ppmおよび500原子ppmそれぞれとした。光ファイバ母材の直径を140mmとした。
これらの図に示されるとおり、純石英コア光ファイバの伝送損失0.170dB/kmを下回るためには、光ファイバ母材におけるコア部中の平均カリウム濃度が5原子ppmでは、線引速度は、1200m/min以上であることが少なくとも必要であり、更には1500m/minであればなお好ましい。
図4の線引装置1を使用して、光ファイバ母材の線引きを行った。線引き炉11の長さは1.8mである。図9は、線引速度と波長1.55μmでの光ファイバの伝送損失との関係を示す図である。また、図10は、線引速度と波長1.55μmでの光ファイバの伝送損失との関係を纏めた図表である。ここでは、光ファイバ母材の直径を50mm,70mm,90mm,150mmおよび200mmそれぞれとした。図11は、線引速度1700m/minおよび線引張力50g(0.49N)で線引きした場合の光ファイバ母材の直径と波長1.55μmでの光ファイバの伝送損失との関係を示す図である。光ファイバ母材のコア部に含まれるカリウムの平均濃度を5原子ppmとした。
これらの図に示されるとおり、光ファイバ母材の直径が細い場合、線引速度を上げると、光ファイバの伝送損失が悪化する。また、逆に光ファイバ母材の直径を200mmφ以上に大きくすると、光ファイバ母材の炉内滞在時間が長くなり、カリウムの拡散が進み、光ファイバの伝送損失が悪化する。線引速度を上げることでカリウムの拡散を抑制することができる。しかし、生産性や線引炉電力の観点から線引速度は3000m/minが上限であることから、光ファイバ母材の直径は、φ70mm〜φ170mmであるのが好ましく、φ90〜φ150mmであるのが更に好ましい。また、線引速度は、1200〜2500m/minであるのが好ましく、1500〜2300m/minであるのが更に好ましい。
図12は、線引炉内の滞在時間と波長1.55μmでの光ファイバの伝送損失との関係を示す図である。また、図13は、線引炉内の滞在時間と波長1.55μmでの光ファイバの伝送損失との関係を纏めた図表である。ここでは、光ファイバ母材のコア部に含まれるカリウムの平均濃度を5原子ppm,15原子ppmおよび500原子ppmそれぞれとした。光ファイバ母材の直径を140mmとした。線引炉内の滞在時間は、4時間以下であるのが好ましく更には3時間以下が好ましい。このとき、図5に示されるとおり、炉内滞在時間は、光ファイバ母材の或る点が線引炉上部のフランジを通過した時刻から炉最下部を通過する時刻までの時間を意味する。
コア部中の平均カリウム濃度が5原子・ppmのプリフォームを図20の線引機で線引した。線引き炉11の長さは1.0 mである。この時の各光ファイバ母材サイズ(外直径)での伝送損失を図19に示す。線引炉を短尺にすることで、ファイバが大気中にすぐに出ることから、1500℃以上で保温される時間が短くなると推定され、低線速でも炉内滞在時間が短くなり、伝送損失を低減することができる。
このとき製造された光ファイバは、図14に示される屈折率プロファイルを有し、以下のような諸特性を有していた。波長分散(波長1550nm)は+15.7〜+16.0ps/nm/kmであり、分散スロープ(波長1550nm)は+0.054〜+0.056ps/nm2/kmであり、零分散波長は1308〜1312nmであり、零分散波長における分散スロープは+0.081〜+0.084ps/nm2/kmであった。実効断面積(波長1550nm)は81〜84μm2であり、モードフィールド径(波長1550nm)は10.0〜10.4μmであり、モードフィールド径(波長1310nm)は8.9〜9.3μmであった。光ファイバカットオフ波長(2m)は1290〜1330nmであり、ケーブルカットオフ波長(22m)は1210〜1250nmであり、偏波モード分散(C,Lバンド)は0.05〜0.10ps/√kmであり、非線形係数(波長1550nm、ランダム偏波状態)は1.0〜1.2(W・km)-1であった。このように伝送損失が低く他の特性も良好な光ファイバが得られた。
また、他の実施例の光ファイバを示す。この光ファイバは、上記と同様にコアにカリウムが含まれているが上記とは異なる屈折率プロファイルを有する光ファイバ母材(直径125mmφ)を線速1700m/minで線引張力50g(0.49N)の条件で線引を行って製造されたものである。この製造された光ファイバは、図15に示される屈折率プロファイルを有し、以下のような諸特性を有していた。コア中のカリウム平均添加濃度は5原子ppm であった。伝送損失(波長1300nm)は0.280dB/kmであり、伝送損失(波長1380nm)は0.320dB/kmであり、伝送損失(波長1550nm)は0.155dB/kmであった。波長分散(波長1550nm)は+21.1ps/nm/kmであり、分散スロープ(波長1550nm)は+0.061ps/nm2/kmであった。実効断面積(波長1550nm)は141μm2であり、モードフィールド径(波長1550nm)は12.8μmであった。光ファイバカットオフ波長(2m)は1580nmであり、ケーブルカットオフ波長(22m)は1480nmであり、偏波モード分散(C,Lバンド)は0.01ps/√kmであり、非線形係数(波長1550nm、ランダム偏波状態)は0.6(W・km)-1であった。このように伝送損失が低く他の特性も良好な光ファイバが得られた。
なお、コアの直径は6〜20μmであってよい。コアとクラッドとの比屈折率差は0.2〜0.5%であってよい。クラッドにはフッ素が含まれ、コアの屈折率よりよりクラッドの平均の屈折率が低く、コアには塩素元素とフッ素元素のハロゲンが添加されるとともにアルカリ金属元素も含まれており、各添加元素のうちハロゲン濃度が最も高いような石英系ガラスであると、伝送損失が低減する。更に、光ファイバ母材は、コア部およびクラッド部それぞれが屈折率構造を有してもよく、例えば図16に示されるような屈折率プロファイルであってよいが、これらに限定されない。
1…線引装置、11…線引炉、12…上部フランジ、13…発熱体、20…光ファイバ
母材、30…光ファイバ。

Claims (14)

  1. 平均濃度5原子ppm以上のアルカリ金属元素を含むコア部とフッ素およびCLを含むクラッド部とを含む石英系光ファイバ母材を線引して、ガラス部と樹脂被覆部とからなり、前記ガラス部に残留した圧縮応力の最大値が130MPa以下である光ファイバを製造することを特徴とする光ファイバ製造方法。
  2. 前記光ファイバ母材を線引きする際に、前記光ファイバ母材の各位置が1500℃以上の温度で保持される時間が110分以下であることを特徴とする請求項1に記載の光ファイバ製造方法。
  3. 前記光ファイバ母材のコア部のアルカリ金属元素平均濃度が500原子ppm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の光ファイバ製造方法。
  4. 前記光ファイバ母材のコア部にアルカリ金属元素およびハロゲン元素が含まれており、これら以外の添加元素のコア部の平均濃度がハロゲン元素のコア部の平均濃度以下である、ことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の光ファイバ製造方法。
  5. 前記光ファイバ母材のコア部のハロゲン元素平均濃度が1000原子ppm以上20000原子ppm以下であることを特徴とする請求項4に記載の光ファイバ製造方法。
  6. 前記アルカリ金属元素がカリウムであることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の光ファイバ製造方法。
  7. 前記光ファイバ母材を線引する際の線引速度が1200m/min以上であることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の光ファイバ製造方法。
  8. 前記光ファイバ母材を線引する際の線引速度が2500m/min以下であることを特徴とする請求項7に記載の光ファイバ製造方法。
  9. 前記光ファイバ母材の外直径がφ70mm以上φ170mm以下であることを特徴とする請求項1〜8の何れか1項に記載の光ファイバ製造方法。
  10. 前記光ファイバ母材を線引する際のガラス部に印加される力が30g(0.29N)以上150g(1.47N)以下であることを特徴とする請求項1〜9の何れか1項に記載の光ファイバ製造方法。
  11. 前記光ファイバ母材を線引する際に、200μm以下の径であるガラスファイバ状態での1500℃以上の加熱時間が0.3秒以下であり、前記光ファイバ母材が加熱されて光ファイバとして引き出されるまでの線引炉内の滞在時間が4時間以下である、ことを特徴とする請求項1〜10の何れか1項に記載の光ファイバ製造方法。
  12. 前記光ファイバ母材を線引する際に、前記光ファイバ母材の各位置について線引炉内の滞在時間が4時間以下である、ことを特徴とする請求項1〜11の何れか1項に記載の光ファイバ製造方法。
  13. ガラス部と樹脂被覆部とからなり、前記ガラス部がコアと該コアを取り囲むクラッドとを有する光ファイバを製造する方法であって、
    光ファイバ母材のコア部には、アルカリ金属が5原子ppm以上、ハロゲン元素が1000ppm以上の平均濃度でそれぞれ含まれ、該アルカリ金属及びハロゲン元素以外の添加元素は該ハロゲンの平均濃度以下であり、該光ファイバ母材の外直径が70〜170mmであり、該光ファイバを線引する際の光ファイバの線引速度が600m/min以上であり、ガラス部に印加される力が30〜150g(0.29〜1.47N)であり、前記ガラス部に残留した圧縮応力の最大値が130MPa以下であることを特徴とする光ファイバ製造方法。
  14. 前記光ファイバの線引速度が1200m/min以上3000m/min以下であることを特徴とする請求項13記載の光ファイバ製造方法。
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