JP5603822B2 - 便座シート - Google Patents

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Description

本発明は、洋式便器の便座の上面に着脱自在に装着して用いる便座シートに関する。
衛生面の配慮だけでなく、座り心地や保温性を良くする観点から、布帛(織物・編物・不織布)製の便座カバーを装着することが多く行われており、このような便座カバーとして各種のものが市販されている。
一般に便座の上面形状としては、O型形状又はU型形状をなすものがほとんどである。さらに、逆U型形状の洗浄・暖房装置を装着することも流行している。これらいずれの形状の便座に対しても装着できる便座カバーとして、便座の平面形状に実質的に沿うよう、前後に長い左右対称のほぼ三日月形状に形成された一対のシートからなるものが知られている。そのシート本体は、表面繊維層とこれの裏面に積層形成された粘着性を有する樹脂からなる粘着剤層からなる(例えば、特許文献1〜3)。
このような便座シートは、粘着剤層を介して便座の上面に着脱自在に貼り付けて用いられ、汚れた場合には、洗濯をして繰り返し継続使用できる便利なものである。従って、このような便座シートの粘着剤層は、使用時にずれて動いたり外れて落ちたりしない程度の粘着性が要求される一方で、洗濯時の取り替え時には簡単に便座から剥がせることが要求される。そして、このような要求を満足させるために、シートの積層構成や粘着剤層の形成方法についても工夫がされている(例えば、特許文献2、3参照)。
このような便座シートを製造するには、大きなシート生地から三日月形状に打ち抜き加工により切り取られる。その際、発泡樹脂・不織布製のものはあまり問題とならないが、織物・編物製のものは、縁を何らかの形で処理しないとそこから糸がほどけて抜け落ち、輪郭が崩れていく。この縁処理のため、縁部をテープでかがり縫いしている製品も知られているが、工程数が増えることにより、価格の上昇を招いている。
本発明は、打ち抜き加工した布帛製の便座シートであって、特別な縁処理をしなくても輪郭が崩れないものを提供することを目的とする。
本発明の便座シートは、洋式便器の便座又はその洗浄・暖房装置の便座の上面に着脱自在に装着される、三日月形状に形成された一対のシートであって、前記各シートは、表面層、クッション層、粘着剤層の3層からなり、前記表面層が50〜100デニール(D)のポリエステル糸を使用し、目付量が150〜200g/mで編成されたフリース編地であることを特徴とする(請求項1)。より好ましくは、前記表面層が70〜80デニール(D)のポリエステル糸を使用し、目付量が170〜180g/mで編成されたフリース編地であることである(請求項3)。
好ましくは、前記フリース編地は、パイルループをシャーリングカットし、毛羽立てて起毛地にしたものである(請求項2)。
前記クッション層は、硬度(N)80以上の軟質ポリウレタンフォームからなることが好ましい(請求項4)。
前記ほぼ三日月形状に形成された一対のシートは、外方に張り出した肩部を有することが好ましい(請求項5)。
販売時には、さらに、前記粘着剤層が離型シートにより被覆されている必要がある(請求項6)。
請求項1の発明によれば、表面層が50〜100デニール(D)のポリエステル糸を使用し、目付量が150〜200g/mで編成されたフリース編地であるとき、特別な縁処理をしなくても輪郭が崩れない便座シートが得られる。さらに請求項3の条件に従えば、もっとも優れた便座シートが得られる。縁縫いなどの特別な縁処理をしていないので、見た目に縁がくっきりした印象を与える。
請求項2の発明によれば、フリース編地の表面が毛羽立てられて起毛地となる。この編地は、ボリューム感があって手触りが良く、軽量で保温性に優れている。
請求項4の発明によれば、反発性に優れた便座シートが得られるので、 座り心地がよい。
請求項5の発明によれば、洗浄暖房装置にも対応可能な便座シートが得られる。
請求項6の発明によれば、販売時に粘着剤が邪魔にならない便座シートが得られる。
本発明第1実施例の便座シートを装着した洋式便器の斜視図である。 便座シートの(a)正面図及び(b)側面図である。 図2の矢印部の横断面図である。 (a)(b)2種類の便座に使用した状態の平面図である。
図1に示すように、本実施例の便座シートは、洋式便器1の便座11の上面に着脱自在に装着される。この便座シート2は、便座の平面形状に実質的に沿うよう、前後に長い、左右対称のほぼ三日月形状に形成された一対のシートからなる。図2に示すように、肩部21が張り出しているものが、従来型(図4の(a))だけでなく、洗浄暖房装置(図4の(b))にも対応可能なので好ましい。もし、この肩部21が不要であれば、購入者がハサミで切断することもできる。その目的で裏面に切断予定線を印刷してもよい。
図3に示すように、この便座シート2は、使用時には、3層から構成される。上から表面層22、クッション層23、粘着剤層24である。販売時には、粘着剤層24が離型シート25で被覆されるので4層となっている。
表面層22は、厚さ約0.5〜1.5mmのフリース編地である。使用する糸条の太さは可能な限り細いものが適当であり、好ましくは、50〜100デニール(D)、より好ましくは、60〜90D、最も好ましくは70〜80Dのポリエステル糸であり、目付量は、好ましくは、150〜200g/m、より好ましくは、160〜190g/m、最も好ましくは170〜180g/mで編成する。この範囲の糸条を使用したフリース編地は裁断しても縁の糸がほどけて抜け落ちることはほとんどない。それに対して、100D又は200g/mを超えるポリエステル糸を使用してフリース編地にしたところ、やはり縁の糸がほどけて抜け落ちることが分かった。
このフリース編地を製造するには、編機のシンカーノーズの高低調整により表面に突出するパイルループの長短調整を行い、その後、編成されたパイル糸をシャーリングカットし、毛羽立てて起毛地にする。このフリース編地は、ボリューム感があって手触りが良く、軽量で保温性に優れている。デザイン性を増すために表面に図形などをプリントすることが好ましい。
クッション層23は、厚さ約2〜4mmの軟質ポリウレタンフォームが好ましく、反発性に優れた硬度(N)80以上のものが好ましい。
粘着剤層24を構成する粘着剤(接着剤も含む)としては、使用時にズレ動いたり外れ落ちたりしない程度の粘着性が要求される一方で、洗濯時の取り替え時には簡単に便座から剥がせることが要求されるので、適度な接着又は粘着力を有するものでなければならない。このような条件を満足する限り、公知のどのような粘着剤(又は接着剤)であってもよい。好ましいのは、感圧性のアクリル系やポリウレタン系の粘着剤(又は接着剤)であり、特に油性タイプが好ましい。発泡剤を含んだものでもよい。
本発明の便座シート2の使用法は従来どおりである。洗濯は50〜100回程度は問題ないことが判明している。
実開平2−19298号公報 特開平9−238868号公報 特開平10−314071号公報
1 洋式便器
11 便座
2 便座シート
21 肩部
22 表面層
23 クッション層
24 粘着剤層
25 離型シート

Claims (6)

  1. 洋式便器(1)の便座(11)又はその洗浄・暖房装置の便座(11)の上面に着脱自在に装着される、ほぼ三日月形状に形成された一対のシート(2)であって、
    前記各シート(2)は、表面層(22)、クッション層(23)、粘着剤層(24)の3層からなり、
    前記表面層(2)が50〜100デニール(D)のポリエステル糸を使用し、目付量が150〜200g/mで編成されたフリース編地である
    ことを特徴とする便座シート。
  2. 前記フリース編地が、パイルループをシャーリングカットし、毛羽立てて起毛地にしたものである請求項1記載の便座シート。
  3. 前記表面層(22)が70〜80デニール(D)のポリエステル糸を使用し、目付量が170〜180g/mで編成されたフリース編地である請求項1又は2記載の便座シート。
  4. 前記クッション層(23)が硬度(N)80以上の軟質ポリウレタンフォームからなる請求項1〜3のいずれかに記載の便座シート。
  5. 前記ほぼ三日月形状に形成された一対のシート(2)が、外方に張り出した肩部(21)を有する請求項1〜4のいずれかに記載の便座シート。
  6. さらに、前記粘着剤層(24)が離型シート(25)により被覆されている請求項1〜5のいずれかに記載の便座シート。
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