JP2017206089A - 乗物用シートのシートカバー - Google Patents

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Abstract

【課題】シートカバーの伸張性を、違和感を極力生じさせることなく部分的に変更することにある。
【解決手段】面方向に伸びやすい高伸張部10Dと、高伸張部10Dに比して伸びにくい低伸張部20Dと、高伸張部10Dと低伸張部20Dの間に設けられている境界部40Dとを備え、境界部40Dが、意匠面の面方向に連続的又は断続的に延設されている乗物用シートのシートカバー4Sにおいて、境界部40Dに、境界部40Dの延設方向において高伸張部(突出高伸張部11D〜14D)と低伸張部(突出低伸張部21D〜24D)が交互に配置されている。
【選択図】図5

Description

本発明は、シートの意匠面を構成するとともに伸張性が部分的に異なる乗物用シートのシートカバーに関する。
この種の乗物用シートでは、シート性能向上の観点から、シートカバーの伸び特性を部分的に異ならせたいとの要請がある。例えば乗員に接するシートカバー部分を伸びやすくすることで、乗員に対するフィット感を向上させることができる。またシートカバーの側部を伸びにくくすることにより、カーブ走行時における乗員に対する支持性能が向上する。例えば特許文献1に開示の乗物用シートでは、シート外形をなして乗員を弾性的に支持するシートパッドと、シートパッドを被覆する織物又は編物製のシートカバーを有する。そこでシートカバーに、糸材が密に配置された第一部位と、糸材が疎に配置されて第一部位に比して伸びやすい第二部位を形成する。このように公知技術では、シートカバーをなす糸材が粗密に適宜配置されることで、シートカバーを、部分的に伸びやすくしたり伸びにくくしたりすることができる。
特開2015−2830号公報
ところで公知技術の構成は、伸びにくい第一部位と、伸びやすい第二部位が隣接して配置されている。このためシートカバーの伸張性が両部の境目で明確に違ってしまうことから、乗員が違和感(折れ感など)を覚えるなどしてシート性能が悪化するおそれがある。本発明は上述の点に鑑みて創案されたものであり、本発明が解決しようとする課題は、シートカバーの伸張性を、違和感を極力生じさせることなく部分的に変更することにある。
上記課題を解決するための手段として、第1発明の乗物用シートのシートカバーは、乗物用シートの意匠面を構成するとともに、面方向に伸びやすい高伸張部と、高伸張部に比して伸びにくい低伸張部と、高伸張部と低伸張部の間に設けられている境界部とを備え、境界部が、意匠面の面方向に連続的又は断続的に延設されている。この種の構成においては、シートカバーの伸張性を、違和感を極力生じさせることなく部分的に変更できることが望ましい。そこで本発明では、境界部に、境界部の延設方向において高伸張部と低伸張部が交互に配置されている。本発明では、高伸張部と低伸張部を境界部に交互に配置して、これら両部の伸張性の違いを曖昧とすることにより、明確な伸張性の違いが原因となる違和感の発生を極力回避することができる。
第2発明の乗物用シートのシートカバーは、第1発明の乗物用シートのシートカバーにおいて、境界部では、境界部の延設方向において、高伸張部と低伸張部のいずれか一方が、一方とは異なる高伸張部と低伸張部のいずれか他方の両隣に配置されている。本発明では、境界部において、高伸張部の両隣に低伸張部が配置されている又は低伸張部の両隣に高伸張部が配置されているため、境界部において明確な伸張性の違いを更に感じにくい構成とされている。
第3発明の乗物用シートのシートカバーは、第1発明又は第2発明の乗物用シートのシートカバーにおいて、境界部に設けられた高伸張部が、境界部に隣接する低伸張部に近づくにつれて次第に狭小とされ、境界部に設けられた低伸張部が、境界部に隣接する高伸張部に近づくにつれて次第に狭小とされている。本発明では、境界部に設けられた各部を適宜の位置で狭小化することにより、隣接する高伸張部及び低伸張部との境である境界部の縁においても伸張性の違いを感じにくい構成とされている。
第4発明の乗物用シートのシートカバーは、第1発明〜第3発明のいずれかの乗物用シートのシートカバーにおいて、シートカバーの少なくとも一部が、高伸張部と低伸張部と境界部が形成された一枚物の面材で構成されている。本発明においては、一枚物の面材で各部が構成されているため、異なる面材で各部が構成されている場合に比して、シートカバーの構成をシンプル化することができる。
第5発明の乗物用シートのシートカバーは、第4発明の乗物用シートのシートカバーにおいて、面材が編物であるため、高伸張部と低伸張部に伸張性の差をより簡便に設けることができる。
本発明に係る第1発明によれば、シートカバーの伸張性を、違和感を極力生じさせることなく部分的に変更することができる。また第2発明によれば、シートカバーの伸張性を、違和感をより確実に生じさせることなく部分的に変更することができる。また第3発明によれば、シートカバーの伸張性を、違和感を更に確実に生じさせることなく部分的に変更することができる。また第4発明によれば、比較的シンプルな構成によって、シートカバーの伸張性を、違和感を極力生じさせることなく部分的に変更することができる。そして第5発明によれば、シートカバーの伸張性を、違和感を極力生じさせることなく部分的により簡便に変更することができる。
乗物用シートの正面図である。 低伸張部の拡大正面図である。 高伸張部の拡大正面図である。 別例にかかる高伸張部の拡大正面図である。 図1のVで示す破線で囲ったシートカバー部分の拡大正面図である。 変形例1にかかるシートカバーの拡大正面図である。 変形例2にかかるシートカバーの拡大正面図である。 変形例3にかかるシートカバーの拡大正面図である。
以下、本発明を実施するための形態を、図1〜図8を参照して説明する。各図には、便宜上、乗物用シートの前後方向と上下方向と左右方向を示す矢線を適宜図示することがある。なお図1では、便宜上、境界部にハッチを付けて図示する。また図2〜図4において、各図に示された複数の編目は全て同一ループ長の編目であるが、編目同士の配置関係をわかりやすく図示するため、紙面に図示された特定の編目を太線で示し、その他の編目を細線で示す。
図1の乗物用シート2は、シートクッション4と、シートバック6を有する。これらシート構成部材は、各々、シート骨格をなす図示しないシートフレーム(4F,6F)と、乗員を弾性的に支持する図示しないシートパッド(4P,6P)と、シートパッドを被覆する後述のシートカバー(4S,6S)を有する。ここで各シートフレーム4F,6F(図示省略)は、典型的に略矩形又はアーチ状とされた金属製の枠体で構成されている。また各シートパッド4P,6P(図示省略)は、シート外形をなす部材であり、ポリウレタンフォーム(密度:10kg/m3〜60kg/m3)等の発泡樹脂で形成できる。
そしてシートクッション4の後部には、シートバック6の下部が起倒可能に連結されている。またシートバック6の上部にはヘッドレスト8が一体的に設けられており、このヘッドレスト8は、シート幅方向におけるシートバック6の中央が上方に突出することで構成されている。そしてシートバック6とヘッドレスト8の間には、意匠性向上の観点等から一対の孔部Hが設けられており、これら一対の孔部Hは、シート幅方向に並列して配置されている。
ここでシートクッション4の上面は、天板メイン部4aと、一対の天板サイド部4bに区分けできる。天板メイン部4aは、シート幅方向におけるシートクッション4の中央部分であり、一般的な体格の乗員に合わせた幅寸法でシート前後方向に延びている。また天板メイン部4aの左右両側には、それぞれ天板メイン部4aよりも上方に突出する天板サイド部4bが設けられており、これら左右の天板サイド部4bによってカーブ走行時などの旋回時に乗員側部を支持できる。
またシートバック6の正面も、天板メイン部6aと、一対の天板サイド部6bに区分けできる。天板メイン部6aは、シート幅方向におけるシートバック6の中央部分であり、適度な幅寸法でシート前後方向に延びている。また天板メイン部6aの左右両側には、それぞれ天板メイン部6aよりも前方に突出する天板サイド部6bが設けられており、これら左右の天板サイド部6bによってカーブ走行時などの旋回時に乗員側部を支持できる。
[シートカバー]
各シートカバー4S,6Sは、それぞれシートの意匠面を構成する面材であり、複数の表皮ピースを縫合して構成することができ、また一枚物の面材で構成することもできる。ここでシートの意匠面は、シートカバー4S,6Sを対応するシートパッドに被せた状態においてシート外に目視可能に露出する面であり、シートカバー4S,6Sの表面で構成されている。そしてシートクッション4の上面を覆うシートカバー4S部分は、第一表皮ピースSP1〜第三表皮ピースSP3を縫合することで形成されている。第一表皮ピースSP1は、天板メイン部4aを覆う表皮ピースであり、後述する一枚物の編物で構成されている。また第二表皮ピースSP2と第三表皮ピースSP3は、左右の天板サイド部4bを覆う表皮ピースであり、それぞれ後述する一枚物の編物で構成されている。またシートバック6の正面を覆うシートカバー6S部分は、後述する一枚物の編物で構成されており、天板メイン部6aと天板サイド部6bに跨って配置されている。なお各シートカバー4S,6S中で、図示されていない部分又は符号の付されていない部分は、布帛(織物,編物,不織布)や皮革等の各種面材にて適宜構成することができる。
そして本実施例では、シートの着座性向上の観点等から、各シートカバー4S,6Sの伸び特性を部分的に異ならせている。すなわち後述するように、各シートカバー4S(6S)の適宜の位置に、最も伸びやすい高伸張部10D(10U)と、最も伸びにくい低伸張部20D(20U)と、適度に伸びやすい中伸張部30D(30U)を形成する。この種のシート構成では、例えば高伸張部10D(10U)と低伸張部20D(20U)との間に設けられた後述の境界部40D(40U)において、各シートカバー4S(6S)の伸張性が明確に違っていると、乗員が違和感を覚えるなどしてシート性能が悪化するおそれがある。そこで本実施例では、後述する構成によって、各シートカバー4S(6S)の伸張性を部分的に違和感を極力生じさせることなく変更することとした。以下、シートクッション4のシートカバー4Sとシートバック6のシートカバー6Sの順にこれらの構成について詳述する。なお各シートカバー4S,6Sの基本的な形成手法は同一であることから、シートカバー4Sを一例にその形成手法を説明する。
[シートクッションの高伸張部]
シートクッション4の下部高伸張部10Dは、図1を参照して、シートカバー4S中で面方向であるシート前後方向に最も伸びやすい部位であり、着座状態の乗員の脚部(例えば脹脛)が当接するシートカバー4S部分に配置されている。この下部高伸張部10Dは、シート幅方向に長尺とされた略矩形状をなしており、天板メイン部4aの前部全幅を網羅するとともにその左右端が対応する天板サイド部4bにはみ出して配置されている。そして下部高伸張部10Dの前辺は、シートクッション4の前端に沿って形成されている。また下部高伸張部10Dの後辺は、前方に凸の湾曲形状をなしており、シート幅方向における左右から中央に向かうにつれて次第に前方に向けて湾曲している。
[シートクッションの低伸張部]
シートクッション4の下部低伸張部20Dは、シートカバー4S中でシート前後方向に最も伸張しにくい部位であり、カーブ走行時などの旋回時に乗員側部を支持可能なシートカバー4S部分に配置されている。この下部低伸張部20Dは、シート前後方向に長尺とされた略矩形状をなしており、左右の天板サイド部4bにそれぞれ配置されている。すなわち右側の下部低伸張部20Dが、右側の天板サイド部4bにおいて下部高伸張部10Dの右側に隣接して設けられている。また左側の下部低伸張部20Dが、左側の天板サイド部4bにおいて下部高伸張部10Dの左側に隣接して設けられている。そしてこれら左右の下部低伸張部20Dは、下部高伸張部10Dを除く各天板サイド部4bの内側に配置されており、各天板サイド部4bを前後に縦断するように延設されている。
[シートクッションの中伸張部]
シートクッション4には、上述の下部高伸張部10Dと下部低伸張部20D以外の部分に下部中伸張部30Dを設けることができる。この下部中伸張部30Dは、下部高伸張部10Dよりも伸張性に劣るとともに下部低伸張部20Dよりも伸張性に優れている部位である。そして本実施例においては、下部中伸張部30Dが、下部高伸張部10Dの後側に隣接して設けられており、着座状態の乗員の臀部が当接するシートカバー4S部分に配置されている。この下部中伸張部30Dは、シート幅方向に長尺とされた略矩形状をなしており、天板メイン部4aの後部全幅を網羅している。また下部中伸張部30Dの左右端は、対応する天板サイド部4bにはみ出して配置されており、前側の下部高伸張部10Dと後側の下部中伸張部30Dの外側に配置されている。
[表皮ピース(編物)の形成作業]
図2及び図3を参照して、例えば横編機を用いて、各表皮ピースSP1〜SP3としての編物を形成する。そして編物では、後述する編目のループ長の違いという比較的簡単な構成などによって各部10D,20D,30Dを連続して形成でき、さらに各部10D,20D,30Dに明確な伸張性の差を設けることができる。そして一枚物の面材である編物にて各部(10D,20D,30Dの少なくとも二つ)を構成することで、異なる面材で各部が構成されている場合に比して、各表皮ピースの構成をシンプル化することができる。本実施例においては、第一表皮ピースSP1に、下部高伸張部10Dと下部中伸張部30Dと後述の境界部40Dの一部が形成されている。また第二表皮ピースSP2及び第三表皮ピースSP3には、下部高伸張部10Dと下部低伸張部20Dと下部中伸張部30Dと後述の境界部40Dの一部が形成されている。
ここで編物は、経編又は緯編のいずれであってもよい。緯編として、基本組織(平編,ゴム編,パール編)やその変化組織を例示できる。また経編として、基本組織(デンビー編,コード編,アトラス編,鎖編)やその変化組織を例示できる。そして本実施例のシートカバー4Sにおいては、同様の手法によって、各表皮ピースSP1〜SP3に対応する部位を形成できる。なお編物の構成糸である糸材Y1の素材として、植物系及び動物系の天然繊維、熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂からなる化学繊維及びこれらの混繊糸を例示できる。そして糸材Y1として、紡績糸、フィラメント、延伸糸、嵩高加工された糸材(モール糸,タスラン加工糸,仮撚加工糸,カバリング糸等)などの各種糸材を使用できる。また糸材Y1に、起毛処理や毛羽立ち処理を施して乗員に対するホールド性を向上させることもできる。
[低伸張部の形成作業]
図2を参照して、下部低伸張部20Dの編地を、所定ループ長LFの糸材Y1のループで形成された編目RFによって形成する。この下部低伸張部20Dでは、編地を形成する編目RFが、他の各部の中で最も短いループ長に設定されており、シートカバー4Sの中で面方向に最も伸びにくくされている。なお下部低伸張部20Dにおけるコース方向X又はウェール方向Yにおける所定面積当たりの目数(編目の数)は、シートカバー4Sとしての強度を確保できる限り特に限定しない。
[高伸張部の形成作業]
また図3を参照して、下部高伸張部10Dの編地を、ループ長LA(LA>LF)の糸材Y1のループで形成された大編目RAによって形成する。この大編目RAは、上述の編目RFに比して長い糸材Y1のループで形成されている。すなわち下部高伸張部10Dを形成する大編目RAが、他の各部の中で最も長いループ長に設定されており、シートカバー4Sの中で面方向に最も伸びやすくされている。なお下部高伸張部10Dにおけるコース方向X又はウェール方向Yにおける所定面積当たりの目数も特に限定しない。
[中伸張部の形成作業]
そして下部中伸張部30Dの編地を、大編目RAと編目RFの間のループ長に設定された中編目(図示省略)にて形成することができる。このとき下部中伸張部30Dを比較的伸びにくくしたい場合には、ループ長LFに近いループ長さで中編目を形成する。また下部中伸張部30Dを比較的伸びやすくしたい場合には、ループ長LAに近いループ長さで中編目を形成する。
[別例]
ここでシートカバー4Sの伸張性の差は、上述の構成のほか、各種の構成にて設けることができる。例えば各部において編物の密度を変更することができる。また図4を参照して、下部高伸張部10Dに、通常の編地を構成するニット組織(符号省略)に比して伸びやすいタック組織TRを相対的に多く形成することができる。このタック組織TRは、糸材Y1を、縦方向であるウェール方向Yに複数段飛ばしてループを作ることで形成できる。なお下部低伸張部や下部中伸張部には、下部高伸張部10Dに比して少ないタック組織TRが形成されていてもよく、タック組織TRが形成されていなくともよい。またタック組織の代わりにミス(ウェルト)組織を適宜用いることもできる。
またシートカバー4Sの伸張性の差を、各部位における構成糸の種類を変更することで設けることもできる。例えば下部高伸張部10Dの構成糸に多くの弾性糸を用いることで、下部高伸張部10Dを相対的に伸びやすくすることができる。この弾性糸は、初期引張抵抗度4.9GPa以上(典型的に4.9GPa〜600GPa)の線材であり、好ましくは同抵抗度54GPa〜280GPaの線材である。なお初期引張抵抗度は、JIS L 1013 8.10に基づいて測定できる。この種の弾性糸の材質は特に限定しないが、パラ系アラミド繊維、メタ系アラミド繊維、ポリアリレート繊維、ポリパラフェニレンベンゾビスオキシサゾール繊維、ポリフェニレンサルファイド繊維、ポリエーテルエーテルケトン繊維、ポリイミド繊維を例示できる。なお下部低伸張部20Dや下部中伸張部30Dは、下部高伸張部10Dに比して少ない本数の弾性糸を有していてもよく、弾性糸を有していなくともよい。
[シートクッションの境界部]
シートクッション4の境界部40Dは、図1を参照して、シートカバー4S中で隣り合う伸張性の異なる部同士の間に形成されている部位である。この境界部40Dは、適宜の幅を持った一つなぎの帯状の部位であり、天板メイン部4aと天板サイド部4bの適宜の位置で枝分かれしながら縦横に連続的に延設されている。すなわち左右の天板サイド部4bの境界部40D部分は、下部高伸張部10Dと下部低伸張部20Dの間と、下部中伸張部30Dと下部低伸張部20Dの間に配置されてシート前後方向に延設されている。また天板メイン部4aの境界部40D部分は、下部高伸張部10Dと下部中伸張部30Dの間に配置されてシート幅方向に延設されており、その左右端が、左右の天板サイド部4bの境界部40D部分につながっている。ここで境界部40Dの基本的な構成は、隣り合う部同士の種類が異なっていても実質的に同一である。そこで以下に、専ら右側の天板サイド部4bにおいて下部高伸張部10Dと下部低伸張部20Dの間に配置された境界部40D部分を一例にその詳細を説明する。
右側の天板サイド部4bの境界部40Dは、シートカバー4Sの第二表皮ピースSP2に形成されており、シート前後方向に延設されている。この境界部40Dは、図5を参照して、複数の突出高伸張部11D〜14Dと、複数の突出低伸張部21D〜24Dで構成されている(図5では、便宜上、境界部を構成する突出高伸張部と突出低伸張部の一部のみ図示する)。また境界部40Dの左縁X1は下部高伸張部10Dに隣接しており、境界部40Dの右縁X2は下部低伸張部20Dに隣接している。
そして複数の突出高伸張部11D〜14Dは、それぞれ下部高伸張部10Dの一部が境界部40Dに突出している部分であり、シート後方から前方に向けて順次配置されている。この境界部40Dに設けられた突出高伸張部11D〜14Dは略同形同寸であり、いずれも上面視で略三角形状をなしている。例えば突出高伸張部12Dは、最も前後方向の寸法L1が大きい底辺で左側の下部高伸張部10Dにつながっている。そして突出高伸張部12Dは、頂点の配置されている右縁X2側の下部低伸張部20Dに向かうにつれて次第にその面積が狭くなって狭小とされている。
また複数の突出低伸張部21D〜24Dは、それぞれ下部低伸張部20Dの一部が境界部40Dに突出している部分であり、シート後方から前方に向けて順次配置されている。この境界部40Dに設けられた突出低伸張部21D〜24Dは略同形同寸とされているとともに、突出高伸張部と左右対称をなすようにいずれも上面視で略逆三角形状をなしている。例えば突出低伸張部22Dは、最も前後方向の寸法L2(L2=L1)が大きい底辺で右側の下部低伸張部20Dにつながっている。そして突出低伸張部22Dは、頂点の配置されている左縁X1側の下部高伸張部10Dに向かうにつれて次第にその面積が狭くなって狭小とされている。
そして境界部40Dにおいては、境界部40Dの延設方向であるシート前後方向において、突出高伸張部と突出低伸張部が切れ目なく交互に配置されている。この境界部40Dでは、突出高伸張部11D〜14Dと突出低伸張部21D〜24Dの境が、上方視において三角波状をなすように形成されている。そして特定の突出高伸張部(11D〜14Dのいずれか)の前後には対応する突出低伸張部が隣接配置されている。例えば突出高伸張部12Dの後方には突出低伸張部22Dが隣接配置され、突出高伸張部12Dの前方にも別の突出低伸張部23Dが隣接配置されている。また同様に特定の突出低伸張部(21D〜24Dのいずれか)の前後にも対応する突出高伸張部が配置されている。例えば突出低伸張部22Dの後方には突出高伸張部11Dが隣接配置され、突出低伸張部22Dの前方にも突出高伸張部12Dが隣接配置されている。こうして境界部40Dでは、各突出高伸張部11D〜14Dと各突出低伸張部21D〜24Dが交互に配置されることで、これら両部の伸張性の違いが極力曖昧な状態とされている。そして第二表皮ピースSP2をなす編物では、各部10D,20Dを連続して形成するに際して、境界部40Dにおける各突出高伸張部11D〜14Dと各突出低伸張部21D〜24Dをも連続して形成できる。このため境界部40Dにおいては、各突出高伸張部11D〜14Dと各突出低伸張部21D〜24Dが、縫合等されることなく(継ぎ目なく)連続的に形成されている。
[変形例1]
ここで境界部の構成は、上述の構成のほか、各種の構成を取り得る。例えば図6を参照して、変形例1の境界部41Dでは、突出高伸張部11D〜13Dと突出低伸張部21D〜23Dの境が上方視において波状をなすように形成されている。そして各突出高伸張部11D〜13Dは、それぞれ上面視で右側に凸の凸曲線状をなしており、左側から右側に向かうにつれて次第にその面積が狭くなって狭小とされている。また各突出低伸張部21D〜23Dも、それぞれ上面視で左側に凸の凸曲線状をなしており、右側から左側に向かうにつれて次第にその面積が狭くなって狭小とされている。こうして本変形例の境界部41Dでも、突出高伸張部11D〜13Dと突出低伸張部21D〜23Dが交互に配置されることで、これら両部の伸張性の違いが極力曖昧な状態とされている。
[変形例2]
また変形例2の境界部42Dでは、突出高伸張部11D〜14Dと突出低伸張部21D〜24Dの境が、上方視において先端側が三角波状とされた矩形波をなすように形成されている。そして各突出高伸張部11D〜14Dは、それぞれ上面視で右側が三角状とされたホームベース状をなしており、三角状の先端においては左側から右側に向かうにつれて次第にその面積が狭くなって狭小とされている。また各突出低伸張部21D〜24Dも、それぞれ上面視で左側が三角状とされたホームベース状をなしており、三角状の先端においては右側から左側に向かうにつれて次第にその面積が狭くなって狭小とされている。こうして本変形例の境界部42Dでも、突出高伸張部11D〜14Dと突出低伸張部21D〜24Dが交互に配置されることで、これら両部の伸張性の違いが極力曖昧な状態とされている。
[変形例3]
また変形例3の境界部43Dでは、突出高伸張部11D〜14Dと突出低伸張部21D〜23Dの境が、上方視において矩形波をなすように形成されている。そして各突出高伸張部11D〜14Dは、それぞれ上面視で略矩形状をなしており、左側から右側にかけての前後の寸法が同一である。また各突出低伸張部21D〜23Dも、それぞれ上面視で略矩形状をなしており、左側から右側にかけての前後の寸法が同一である。こうして本変形例の境界部43Dでも、突出高伸張部11D〜14Dと突出低伸張部21D〜24Dが交互に配置されることで、これら両部の伸張性の違いが極力曖昧な状態とされている。
ところで下部中伸張部30Dに隣接する境界部40D部分も、上述の下部高伸張部10Dと下部低伸張部20Dの間に配置された境界部40D部分と略同一の基本構成を有している。例えば天板サイド部4bの境界部40D部分では、境界部40Dの延設方向であるシート前後方向において、突出低伸張部と図示しない突出中伸張部が切れ目なく交互に配置されている。この突出中伸張部は、下部中伸張部30Dの一部が境界部40Dに突出している部分であり、上述の突出高伸張部又は突出低伸張部と略同一構成を有している。また同様に天板メイン部4aの境界部40D部分では、境界部40Dの延設方向であるシート幅方向において、突出高伸張部と図示しない突出中伸張部が切れ目なく交互に配置されている。こうして境界部40Dでは、各突出高伸張部(又は各突出低伸張部)と突出中伸張部が交互に配置されることで、これら両部の伸張性の違いが極力曖昧な状態とされている。
[シートクッションの使用]
図1を参照して、乗物用シート2に乗員が着座することにより、シートクッション4にて乗員脚部から乗員臀部にかけての部分が支持される。そしてシートの着座性向上の観点等から、シートカバー4Sの伸び特性を部分的に異ならせている。この種の構成においては、シートカバー4Sの伸張性が高伸張部10Dと低伸張部20Dの境で明確に違ってしまうなどして、乗員が違和感を覚えるおそれがある。
そこで本実施例では、境界部40D等に、境界部40D等の延設方向において各突出高伸張部11D〜14Dと各突出低伸張部21D〜24Dを交互に配置することとした。このように境界部40D等において、各突出高伸張部11D〜14Dと各突出低伸張部21D〜24Dを境界部40Dに交互に配置して、これら両部の伸張性の違いを曖昧とすることにより、明確な伸張性の違いが原因となる違和感の発生を極力回避することができる。特に境界部40D,41D,42Dでは、各突出高伸張部11D〜14Dが下部低伸張部20Dに近づくにつれて狭小化され、各突出低伸張部21D〜24Dも下部高伸張部10Dに近づくにつれて狭小化されている。このため下部高伸張部10D(下部低伸張部20D)との境である境界部40D,41D,42Dの左縁X1(右縁X2)においても伸張性の違いを感じにくい構成とされている。
こうして本実施例では、境界部40Dによって、下部高伸張部10Dと下部低伸張部20Dの境における伸張性の違いを曖昧としつつ、シートカバー4Sの伸び特性を部分的に異ならせている。そしてシートクッション4に乗員が着座することにより、乗員脚部(例えば脹脛)が、天板メイン部4a前端に設けられた下部高伸張部10Dに当接する。このとき図5に示す下部高伸張部10Dが最も伸びやすいことから、乗員脚部をスムーズに動かしてアクセルやブレーキやクラッチを操作することが可能となり、乗物の操作性を向上させることができる。さらに左右の天板サイド部4bに設けられた下部高伸張部10Dによって乗員の体格差を吸収することができる。すなわち比較的大柄の乗員が着座した場合、乗員脚部が、左右の天板サイド部4bを外側に押し退けようとする。このとき天板サイド部4bの内側に配置する下部高伸張部10Dが外側に向けて大きく伸張することとなる。またカーブ走行時においては、左右の天板サイド部4bによって乗員側部を支持する。このとき天板サイド部4bに設けられた下部低伸張部20Dが最も伸張しにくいことから、旋回時の乗員側部をしっかりと支持できる。そして乗員臀部が、天板メイン部4aの後部側に設けられた下部中伸張部30Dを強く押圧する。このとき下部中伸張部30Dが適度な伸張性を有して乗員臀部を包み込むようにフィットすることで、乗員臀部の前滑りなどの意図しない移動を好適に回避できる。
[シートバック]
つぎに図1を参照して、シートバック6のシートカバー6Sについて詳述する。このシートカバー6Sには、上部高伸張部10Uと、上部低伸張部20Uと、上部中伸張部30Uが設けられている。そしてシートバック6の上部において、境界部40Uが、シートカバー6S中で隣り合う伸張性の異なる部同士の間に形成されている。またシートバック6の下部において、別の境界部41Uが、シートカバー6S中で隣り合う伸張性の異なる部同士の間に形成されている。このシートバック6に設けられている各境界部40U,41Uの基本構成は、シートクッション4の境界部40Dと略同一であることから詳細な説明は省略する。そこで以下に、各シートカバー6Sの各部10U,20U,30Uと、各境界部40U,41Uの配置位置について専ら詳述することとする。
[シートバックの高伸張部]
シートバック6の上部高伸張部10Uは、図1を参照して、シート幅方向で見た中央上部に設けられており、着座状態の乗員肩部や乗員頭部が当接するシートカバー6S部分に配置されている。この上部高伸張部10Uは、シートカバー6Sにおいて面方向である上下方向に最も伸びやすい部位であり、下部高伸張部10Dと同様の伸び特性を有し且つ下部高伸張部10Dと同様の手法で形成できる。そして上部高伸張部10Uは、正面視でシート上下に長尺な略矩形状をなしており、その下辺が、中央に向かうにつれて次第に上方に凸の湾曲形状をなしている。この上部高伸張部10Uは、シートバック6の上下方向の中央から一対の孔部Hを越えてヘッドレスト8の上端に延びている。また上部高伸張部10Uの左右の幅寸法は、下方から上方に向かうにつれて次第に左右に張り出して幅広となっており、さらに一対の孔部Hの手前で引締められて幅狭とされている。そして上部高伸張部10Uの左右に張り出している上部分に着座状態の乗員の肩甲骨が当接することとなる。またヘッドレスト8部分における上部高伸張部10Uの幅寸法は、着座状態時の乗員頭部を支持可能な寸法に設定されており、シートバック6の上部高伸張部10Uに比してやや幅狭である。
また上部高伸張部10Uの下辺には上部中伸張部30Uを隣接して設けることができる。この上部中伸張部30Uは、上部高伸張部10Uに連なる略矩形状の部位であり、上辺が上方に凸の湾曲形状をなしているとともに、下方に向かうにつれて次第に引締められている。そして上部中伸張部30Uは、下部中伸張部30Dと同様の伸び特性を有し且つ同様の手法で形成できる。また本実施例においては、シートバック6の下端に別の上部中伸張部31Uが設けられている。この別の上部中伸張部31Uは、シートクッション4の下部中伸張部30Dに隣接して配置されている。
[シートバックの低伸張部]
そしてシートカバー6Sには、上部高伸張部10Uと上部中伸張部30U,31Uを除く部分に、上部低伸張部20Uを設けることができる。この上部低伸張部20Uは、シートカバー6Sにおいて最も面方向に伸張しにくい部位であり、下部低伸張部20Dと同様の伸び特性を有し且つ下部低伸張部20Dと同様の手法で形成できる。そして上部低伸張部20Uは、左右の天板サイド部6bから天板メイン部6a側に若干ははみ出して設けられている。さらに上部低伸張部20Uの一部が、天板メイン部6aの下部を横断するように設けられており、乗員の骨盤に対面可能な位置に配置されている。この上部低伸張部20Uの一部は、上部中伸張部30Uと別の上部中伸張部31Uの間に配置されており、下方に凸の緩やかな曲線状をなして左右に延びている。
[シートバックの境界部]
そしてシートバック6の上部に形成された境界部40Uは、適宜の幅を持った一つなぎの帯状の部位であり、天板メイン部6aの適宜の位置で枝分かれしながら縦横に連続的に延設されている。すなわち左右の上部低伸張部20Uと上部高伸張部10Uの間に配置されている境界部40U部分がシート上下方向に延設されている。さらに上部高伸張部10Uと上部中伸張部30Uの間に配置されている境界部40U部分がシート幅方向に延設されている。またシートバック6の下部に形成された別の境界部41Uは、略逆U字状をなすように延設されて、上部低伸張部20Uと別の上部中伸張部31Uの間に配置されている。そして各境界部40U,41Uにおいても、これらの延設方向において突出高伸張部と突出低伸張部が交互に配置されている。そしてシートバック6においても、図示しない突出高伸張部と突出低伸張部と突出中伸張部が各境界部40U,41Uに交互に適宜配置されている。こうして各境界部40U,41Uにおいて伸張性の違いを曖昧とすることにより、明確な伸張性の違いが原因となる違和感の発生を極力回避することができる。
[シートバックの使用]
図1を参照して、シートバック6に乗員が凭れることにより、乗員背部が、天板メイン部6aの中央上部に当接する。このとき天板メイン部6aの中央上部に設けられた上部高伸張部10Uが大きく伸長して乗員にフィットすることから、着座性に優れるシート構成となる。さらに上部高伸張部10Uの左右に張り出している上部分が大きく伸張して乗員の肩甲骨を包みこむように支持することとなる。また天板メイン部6aの下部が乗員の骨盤によって強く押圧される。このとき天板メイン部6a下部を横断するように配置された上部低伸張部20Uの一部によって、乗員の骨盤の押圧をしっかりと受け止めることで、乗員に対する支持性能が向上して運転姿勢を安定化することができる。さらに左右の天板サイド部6bに設けられた上部低伸張部20U部分によって、旋回時の乗員側部をしっかりと支持できる。
以上説明したとおり本実施例では、突出高伸張部11D〜14Dと突出低伸張部21D〜24Dを境界部40D等に交互に配置して、これら両部の伸張性の違いを曖昧とすることにより、明確な伸張性の違いが原因となる違和感の発生を極力回避することができる。さらに境界部40D等において、突出高伸張部の両隣に突出低伸張部が配置されている又は突出低伸張部の両隣に突出高伸張部が配置されているため、境界部40D等において明確な伸張性の違いを更に感じにくい構成とされている。また境界部40D等に設けられた各部11D〜14D,21D〜24Dを適宜の位置で狭小化することにより、隣接する高伸張部10D(10U)及び低伸張部20D(20U)との境である境界部40D等の縁X1,X2においても伸張性の違いを感じにくい構成とされている。そして本実施例においては、一枚物の面材で各部10D,20D,40D等(10U,20U,40U等)が構成されているため、異なる面材で各部が構成されている場合に比して、各シートカバー4S,6Sの構成をシンプル化することができる。このとき面材が編物であるため、高伸張部10D(10U)と低伸張部20D(20U)に伸張性の差を明確に設けることができ、さらに境界部40D等において伸張性の違いを極力感じにくい構成とされている。このため本実施例によれば、各シートカバー4S,6Sの伸張性を、違和感を極力生じさせることなく部分的に変更することができる。
本実施形態の乗物用シートのシートカバーは、上述した実施形態に限定されるものではなく、その他各種の実施形態を取り得る。本実施形態では、境界部40D等の構成(形状,寸法,形成位置,形成数など)を例示したが、同部の構成を限定する趣旨ではない。例えば境界部における高伸張部と低伸張部を、隣接する高伸張部と低伸張部とは独立に形成することもできる。この場合には境界部を格子状に区画するとともに、各区画に、高伸張部と低伸張部を交互に配置することができる。また実施例1の構成と各変形例の構成を適宜組み合わせて境界部を構成することができる。また境界部は、高伸張部と低伸張部の間にのみ形成することができる。また境界部は、高伸張部と中伸張部の間にのみ形成することができ、この場合には中伸張部が、相対的に伸びにくいことから本発明の低伸張部とみなすことができる。また同様に境界部は、低伸張部と中伸張部の間にのみ形成することができ、この場合には中伸張部が、相対的に伸びやすいことから本発明の高伸張部とみなすことができる。また高伸張部と低伸張部の間に、帯状又は線状の境界部が連続的に形成されていてもよく、ドット状の境界部が断続的(不連続的)に形成されていてもよい。
また本実施形態では、境界部40D等に、複数の突出高伸張部11D〜14Dと複数の突出低伸張部21D〜24Dを設ける例を説明した。境界部においては、単数の突出高伸張部と単数の突出低伸張部を交互に設けることができる。また境界部において、単数の突出高伸張部の両隣に突出低伸張部を設けることができ、また逆に単数の突出低伸張部の両隣に突出高伸張部を設けることもできる。
また本実施形態では、シートカバー4S,6Sの構成(形状,寸法,表皮ピースの数,構成糸など)を例示したが、各シートカバーの構成を限定する趣旨ではない。例えばシートクッションのシートカバーを一枚物の面材で構成することができ、シートバックのシートカバーを複数の表皮ピースを縫合することで形成できる。またシートクッションとシートバックの双方を一つなぎのシートカバーで被覆することもでき、この場合のシートカバーは、一枚物の面材で構成することができ、また複数の表皮ピースを縫合することでも形成できる。なおシートカバーとして、編物のほか、伸張性の違いを出すことのできる各種の面材(織物や不織布等)を使用することができ、これら編物を含む各種の面材を適宜組み合わせて用いることもできる。そして種類の異なる面材を用いる場合には、境界部において、突出高伸張部と突出低伸張部をこれらの境で縫合や接着等の手法でつなげることができる。また本実施形態においては、シートクッションにおいて、シート前後方向における伸張性に差を設けたが、シート左右方向における伸張性に差を設けることもできる。また同様にシートバックにおいて、シート上下方向における伸張性に差を設けたが、シート左右方向における伸張性に差を設けることもできる。
また本実施形態では、シートクッション4とシートバック6(ヘッドレスト8)を一例に説明したが、本実施形態の構成は、アームレスト等の各種シート構成部材のシートカバーに適用できる。なお乗物用シートの構成も適宜変更可能であり、例えばシートバックとヘッドレストを別体で構成することができる。また本実施形態の構成は、乗物用や航空機や電車などの乗物用シート全般に適用できる。
2 乗物用シート
4 シートクッション
6 シートバック
4F,6F シートフレーム
4P,6P シートパッド
4S,6S シートカバー
SP1〜SP3 表皮ピース
4a,6a 天板メイン部
4b,6b 天板サイド部
10D 下部高伸張部
20D 下部低伸張部
30D 下部中伸張部
40D (シートクッションの)境界部
11D〜14D 突出高伸張部(本発明の境界部の高伸張部)
21D〜24D 突出低伸張部(本発明の境界部の低伸張部)
10U 上部高伸張部
20U 上部低伸張部
30U,31U 上部中伸張部
40U,41U (シートバックの)境界部

Claims (5)

  1. 乗物用シートの意匠面を構成するとともに、面方向に伸びやすい高伸張部と、前記高伸張部に比して伸びにくい低伸張部と、前記高伸張部と前記低伸張部の間に設けられている境界部とを備え、前記境界部が、前記意匠面の面方向に連続的又は断続的に延設されている乗物用シートのシートカバーにおいて、
    前記境界部に、前記境界部の延設方向において前記高伸張部と前記低伸張部が交互に配置されている乗物用シートのシートカバー。
  2. 前記境界部では、前記境界部の延設方向において、前記高伸張部と前記低伸張部のいずれか一方が、前記一方とは異なる前記高伸張部と前記低伸張部のいずれか他方の両隣に配置されている請求項1に記載の乗物用シートのシートカバー。
  3. 前記境界部に設けられた前記高伸張部が、前記境界部に隣接する前記低伸張部に近づくにつれて次第に狭小とされ、前記境界部に設けられた前記低伸張部が、前記境界部に隣接する前記高伸張部に近づくにつれて次第に狭小とされている請求項1又は2に記載の乗物用シートのシートカバー。
  4. 前記シートカバーの少なくとも一部が、前記高伸張部と前記低伸張部と前記境界部が形成された一枚物の面材で構成されている請求項1〜3のいずれか一項に記載の乗物用シートのシートカバー。
  5. 前記面材が編物である請求項4に記載の乗物用シートのシートカバー。
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