JP2017206088A - 乗物用シートのシートカバー - Google Patents

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【課題】シートカバーの伸張性の差を極力維持しつつ、伸張性に劣るクッション材10をシートカバーに配設することにある。【解決手段】クッション材10が、高伸張部位10Dに対面配置されている第一クッション部位10aと、低伸張部位20Dに対面配置されている第二クッション部位10bを有しており、クッション材10の面方向において第二クッション部位10bに比して第一クッション部位10aを伸びやすくする伸張性変更部21Aが、第一クッション部位10aと第二クッション部位10bの少なくとも一方に設けられている。【選択図】図5

Description

本発明は、シートの意匠面を構成するとともに伸張性が部分的に異なる乗物用シートのシートカバーに関する。
この種の乗物用シートでは、シート性能向上の観点から、シートカバーの伸び特性を部分的に異ならせたいとの要請がある。例えば乗員に接するシートカバー部分を伸びやすくすることで、乗員に対するフィット感を向上させることができる。またシートカバーの側部を伸びにくくすることにより、カーブ走行時における乗員に対する支持性能が向上する。例えば特許文献1に開示の乗物用シートでは、シート外形をなして乗員を弾性的に支持するシートパッドと、シートパッドを被覆する織物又は編物製のシートカバーを有する。そこでシートカバーに、糸材が密に配置された第一部位と、糸材が疎に配置されて第一部位に比して伸びやすい第二部位を形成する。このように公知技術では、シートカバーをなす糸材が粗密に適宜配置されることで、シートカバーを、部分的に伸びやすくしたり伸びにくくしたりすることができる。
ところでこの種のシートカバーは、シートの見栄え向上の観点などから、適度な張りを持ってシートパッドに被覆されていることが望まれる。例えば織物又は編物製のシートカバーはそれ自体柔軟で張りがないため、例えばシートカバーの意匠面とは反対の裏面に、ウレタンラミなどの比較的に型崩れしにくい面状のクッション材を配設することが考えられる。そして型崩れしにくいクッション材によってシートカバーに適度な張りを持たせることにより、シートの意匠面にシワやたるみができることが好適に回避される。
特開2015−2830号公報
しかし上述のクッション材は、相対的に型崩れしにくい一方で、シートカバーに比して面方向の伸張性に劣っている。このためシートカバー自体に明確な伸張性の差を設けたとしても、この伸張性の差がクッション材によって打ち消されて曖昧になってしまうおそれがあった。本発明は上述の点に鑑みて創案されたものであり、本発明が解決しようとする課題は、シートカバーの伸張性の差を極力維持しつつ、伸張性に劣るクッション材をシートカバーに配設することにある。
上記課題を解決するための手段として、第1発明の乗物用シートのシートカバーは、乗物用シートの意匠面を構成するとともに、面方向に伸びやすい高伸張部と、高伸張部に比して伸びにくい低伸張部とを備えている。そしてシートカバーの意匠面とは反対の裏側に、シートカバーに比して伸張性に劣る面状のクッション材が一体的に設けられているとともに、クッション材が、高伸張部に対面配置されている第一クッション部位と、低伸張部に対面配置されている第二クッション部位を有している。このように本発明では、クッション材によってシートカバーに適度な張りを持たせるのであるが、この種の構成においては、シートカバーの伸張性の差を極力維持しつつ、伸張性に劣るクッション材をシートカバーに配設できることが望ましい。
そこで本発明においては、クッション材の面方向において第二クッション部位に比して第一クッション部位を伸びやすくする伸張性変更部が、第一クッション部位と第二クッション部位の少なくとも一方に設けられている。本発明のクッション材には、シートカバーの伸張性に応じて、相対的に伸びやすくすべき第一クッション部位と、相対的に伸びにくくすべき第二クッション部位が設けられている。そして伸張性変更部によって、クッション材の面方向において第二クッション部位に比して第一クッション部位が伸びやすくされている。こうして伸張性変更部にてクッション材自体に所望の伸張性の差を設けることにより、シートカバーの各部位に設けられた伸張性の差が、クッション材によって打ち消されることを極力回避することができる。
第2発明の乗物用シートのシートカバーは、第1発明の乗物用シートのシートカバーにおいて、第一クッション部位に設けられた伸張性変更部によって、第一クッション部位の伸張が助長されている。本発明においては、伸張性変更部によって、第一クッション部位の伸張を助長することにより、シートカバーの各部位に設けられた伸張性の差をより好適に維持することができる。
第3発明の乗物用シートのシートカバーは、第1発明又は第2発明の乗物用シートのシートカバーにおいて、シートカバーの裏側にクッション材が接着されて一体的に設けられている。そしてクッション材のシートカバーを臨む表面が平坦であって、クッション材の表面とは反対の裏側に伸張性変更部が設けられている。本発明においては、シートカバーの裏面に、クッション材の平坦な面を比較的強固に接着して一体化する。その上でクッション材の裏面に設けられた伸張性変更部によって、シートカバーの各部位に設けられた伸張性の差を極力維持することができる。
第4発明の乗物用シートのシートカバーは、第1発明〜第3発明のいずれかの乗物用シートのシートカバーにおいて、伸張性変更部が、第一クッション部位と第二クッション部位の少なくとも一方の形状で構成されている。本発明においては、伸張性変更部を、各クッション部位の形状にて構成するため、クッション材の素材を各部位毎に変える必要のないシンプルな構成とすることができる。
第5発明の乗物用シートのシートカバーは、第1発明〜第3発明のいずれかの乗物用シートのシートカバーにおいて、伸張性変更部が、第一クッション部位と第二クッション部位のいずれか一方の素材で構成されている。本発明においては、伸張性変更部を、第一クッション部位又は第二クッション部位の素材によって構成する。このためクッション材の形状を極端に変更する必要がなく、クッション材の形状変化に伴う悪影響を極力回避することができる。
本発明に係る第1発明によれば、シートカバーの伸張性の差を極力維持しつつ、伸張性に劣るクッション材をシートカバーに配設することができる。また第2発明によれば、シートカバーの伸張性の差をより好適に維持しつつ、伸張性に劣るクッション材をシートカバーに配設することができる。また第3発明によれば、伸張性に劣るクッション材をシートカバーにより強固に配設することができる。また第4発明によれば、シートカバーの伸張性の差をよりシンプルな構成で極力維持しつつ、伸張性に劣るクッション材をシートカバーに配設することができる。そして第5発明によれば、伸張性に劣るクッション材をシートカバーに性能良く配設することができる。
乗物用シートの正面図である。 低伸張部の拡大正面図である。 高伸張部の拡大正面図である。 別例にかかる高伸張部の拡大正面図である。 シートカバー一部の断面図である。 変形例1にかかるシートカバー一部の断面図である。 変形例2にかかるシートカバー一部の断面図である。 変形例3にかかるシートカバー一部の断面図である。 変形例4にかかるシートカバー一部の断面図である。 変形例5にかかるシートカバー一部の断面図である。
以下、本発明を実施するための形態を、図1〜図10を参照して説明する。図1には、便宜上、乗物用シートの上下方向と左右方向を示す矢線を図示する。なお図2〜図4において、各図に示された複数の編目は全て同一ループ長の編目であるが、編目同士の配置関係をわかりやすく図示するため、紙面に図示された特定の編目を太線で示し、その他の編目を細線で示す。
図1の乗物用シート2は、シートクッション4と、シートバック6を有する。これらシート構成部材は、各々、シート骨格をなす図示しないシートフレーム(4F,6F)と、乗員を弾性的に支持する図示しないシートパッド(4P,6P)と、シートパッドを被覆する後述のシートカバー(4S,6S)を有する。ここで各シートフレーム4F,6F(図示省略)は、典型的に略矩形又はアーチ状とされた金属製の枠体で構成されている。また各シートパッド4P,6P(図示省略)は、シート外形をなす部材であり、ポリウレタンフォーム(密度:10kg/m3〜60kg/m3)等の発泡樹脂で形成できる。
そしてシートクッション4の後部には、シートバック6の下部が起倒可能に連結されている。またシートバック6の上部にはヘッドレスト8が一体的に設けられており、このヘッドレスト8は、シート幅方向におけるシートバック6の中央が上方に突出することで構成されている。そしてシートバック6とヘッドレスト8の間には、意匠性向上の観点等から一対の孔部Hが設けられており、これら一対の孔部Hは、シート幅方向に並列して配置されている。
ここでシートクッション4の上面は、天板メイン部4aと、一対の天板サイド部4bに区分けできる。天板メイン部4aは、シート幅方向におけるシートクッション4の中央部位であり、一般的な体格の乗員に合わせた幅寸法でシート前後方向に延びている。また天板メイン部4aの左右両側には、それぞれ天板メイン部4aよりも上方に突出する天板サイド部4bが設けられており、これら左右の天板サイド部4bによってカーブ走行時などの旋回時に乗員側部を支持できる。
またシートバック6の正面も、天板メイン部6aと、一対の天板サイド部6bに区分けできる。天板メイン部6aは、シート幅方向におけるシートバック6の中央部位であり、適度な幅寸法でシート前後方向に延びている。また天板メイン部6aの左右両側には、それぞれ天板メイン部6aよりも前方に突出する天板サイド部6bが設けられており、これら左右の天板サイド部6bによってカーブ走行時などの旋回時に乗員側部を支持できる。
[シートカバー]
各シートカバー4S,6Sは、それぞれシートの意匠面を構成する面材であり、複数の表皮ピースを縫合して構成することができ、また一枚物の面材で構成することもできる。ここでシートの意匠面は、シートカバー4S,6Sを対応するシートパッドに被せた状態においてシート外に目視可能に露出する面であり、シートカバー4S,6Sの表面で構成されている。そしてシートクッション4の上面を覆うシートカバー4S部分は、第一表皮ピースSP1〜第三表皮ピースSP3を縫合することで形成されている。第一表皮ピースSP1は、天板メイン部4aを覆う表皮ピースであり、後述する一枚物の編物で構成されている。また第二表皮ピースSP2と第三表皮ピースSP3は、左右の天板サイド部4bを覆う表皮ピースであり、それぞれ後述する一枚物の編物で構成されている。またシートバック6の正面を覆うシートカバー6S部分は、後述する一枚物の編物で構成されており、天板メイン部6aと天板サイド部6bに跨って配置されている。なお各シートカバー4S,6S中で、図示されていない部分又は符号の付されていない部分は、布帛(織物,編物,不織布)や皮革等の各種面材にて適宜構成することができる。
そして本実施例では、シートの着座性向上の観点等から、各シートカバー4S,6Sの伸び特性を部分的に異ならせている。すなわち後述するように、各シートカバー4S(6S)の適宜の位置に、最も伸びやすい高伸張部10D(10U)と、最も伸びにくい低伸張部20D(20U)と、適度に伸びやすい中伸張部30D(30U)を形成する。さらに各シートカバー4S,6Sの意匠面とは反対側の裏側には、図5を参照して、各シートカバー4S,6Sに比して伸張性に劣る面状のクッション材10が一体的に設けられている。そしてクッション材10にて各シートカバー4S,6Sに適度な張りを持たせて、シートの意匠面にシワやたるみができることを好適に回避する。この種の構成においては、各シートカバー4S,6Sの伸張性の差を極力維持しつつ、各シートカバー4S,6Sにクッション材10を配設できることが望ましい。そこで本実施例では、後述する構成によって、各シートカバー4S,6Sの伸張性の差を極力維持しつつ、伸張性に劣るクッション材10を各シートカバー4S,6Sに配設することとした。以下、シートクッション4のシートカバー4Sとシートバック6のシートカバー6Sの順にこれらの構成について詳述する。なお各シートカバー4S,6Sの基本的な形成手法は同一であることから、シートカバー4Sを一例にその形成手法を説明する。
[シートクッションの高伸張部]
シートクッション4の下部高伸張部10Dは、図1を参照して、シートカバー4S中で面方向であるシート前後方向に最も伸びやすい部位であり、着座状態の乗員の脚部(例えば脹脛)が当接するシートカバー4S部分に配置されている。この下部高伸張部10Dは、シート幅方向に長尺とされた略矩形状をなしており、天板メイン部4aの前部全幅を網羅するとともにその左右端が対応する天板サイド部4bにはみ出して配置されている。そして下部高伸張部10Dの前辺は、シートクッション4の前端に沿って形成されている。また下部高伸張部10Dの後辺は、前方に凸の湾曲形状をなしており、シート幅方向における左右から中央に向かうにつれて次第に前方に向けて湾曲している。
[シートクッションの低伸張部]
シートクッション4の下部低伸張部20Dは、シートカバー4S中でシート前後方向に最も伸張しにくい部位であり、カーブ走行時などの旋回時に乗員側部を支持可能なシートカバー4S部分に配置されている。この下部低伸張部20Dは、シート前後方向に長尺とされた略矩形状をなしており、左右の天板サイド部4bにそれぞれ配置されている。すなわち右側の下部低伸張部20Dが、右側の天板サイド部4bにおいて下部高伸張部10Dの右側に隣接して設けられている。また左側の下部低伸張部20Dが、左側の天板サイド部4bにおいて下部高伸張部10Dの左側に隣接して設けられている。そしてこれら左右の下部低伸張部20Dは、下部高伸張部10Dを除く各天板サイド部4bの内側に配置されており、各天板サイド部4bを前後に縦断するように延設されている。
[シートクッションの中伸張部]
シートクッション4には、上述の下部高伸張部10Dと下部低伸張部20D以外の部分に下部中伸張部30Dを設けることができる。この下部中伸張部30Dは、下部高伸張部10Dよりも伸張性に劣るとともに下部低伸張部20Dよりも伸張性に優れている部位である。そして本実施例においては、下部中伸張部30Dが、下部高伸張部10Dの後側に隣接して設けられており、着座状態の乗員の臀部が当接するシートカバー4S部分に配置されている。この下部中伸張部30Dは、シート幅方向に長尺とされた略矩形状をなしており、天板メイン部4aの後部全幅を網羅している。また下部中伸張部30Dの左右端は、対応する天板サイド部4bにはみ出して配置されており、前側の下部高伸張部10Dと後側の下部中伸張部30Dの外側に配置されている。
[表皮ピース(編物)の形成作業]
図2及び図3を参照して、例えば横編機を用いて、各表皮ピースSP1〜SP3としての編物を形成する。そして編物では、後述する編目のループ長の違いという比較的簡単な構成などによって各部10D,20D,30Dを連続して形成でき、さらに各部10D,20D,30Dに明確な伸張性の差を設けることができる。なお編物は、経編又は緯編のいずれであってもよい。ここで緯編として、基本組織(平編,ゴム編,パール編)やその変化組織を例示できる。また経編として、基本組織(デンビー編,コード編,アトラス編,鎖編)やその変化組織を例示できる。そして本実施例のシートカバー4Sにおいては、同様の手法によって、各表皮ピースSP1〜SP3に対応する部位を形成できる。なお編物の構成糸である糸材Y1の素材として、植物系及び動物系の天然繊維、熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂からなる化学繊維及びこれらの混繊糸を例示できる。そして糸材Y1として、紡績糸、フィラメント、延伸糸、嵩高加工された糸材(モール糸,タスラン加工糸,仮撚加工糸,カバリング糸等)などの各種糸材を使用できる。また糸材Y1に、起毛処理や毛羽立ち処理を施して乗員に対するホールド性を向上させることもできる。
[低伸張部の形成作業]
図2を参照して、下部低伸張部20Dの編地を、所定ループ長LFの糸材Y1のループで形成された編目RFによって形成する。この下部低伸張部20Dでは、編地を形成する編目RFが、他の各部の中で最も短いループ長に設定されており、シートカバー4Sの中で面方向に最も伸びにくくされている。なお下部低伸張部20Dにおけるコース方向X又はウェール方向Yにおける所定面積当たりの目数(編目の数)は、シートカバー4Sとしての強度を確保できる限り特に限定しない。
[高伸張部の形成作業]
また図3を参照して、下部高伸張部10Dの編地を、ループ長LA(LA>LF)の糸材Y1のループで形成された大編目RAによって形成する。この大編目RAは、上述の編目RFに比して長い糸材Y1のループで形成されている。すなわち下部高伸張部10Dを形成する大編目RAが、他の各部の中で最も長いループ長に設定されており、シートカバー4Sの中で面方向に最も伸びやすくされている。なお下部高伸張部10Dにおけるコース方向X又はウェール方向Yにおける所定面積当たりの目数も特に限定しない。
[中伸張部の形成作業]
そして下部中伸張部30Dの編地を、大編目RAと編目RFの間のループ長に設定された中編目(図示省略)にて形成することができる。このとき下部中伸張部30Dを比較的伸びにくくしたい場合には、ループ長LFに近いループ長さで中編目を形成する。また下部中伸張部30Dを比較的伸びやすくしたい場合には、ループ長LAに近いループ長さで中編目を形成する。
[別例]
ここでシートカバー4Sの伸張性の差は、上述の構成のほか、各種の構成にて設けることができる。例えば各部において編物の密度を変更することができる。また図4を参照して、下部高伸張部10Dに、通常の編地を構成するニット組織(符号省略)に比して伸びやすいタック組織TRを相対的に多く形成することができる。このタック組織TRは、糸材Y1を、縦方向であるウェール方向Yに複数段飛ばしてループを作ることで形成できる。なお下部低伸張部や下部中伸張部には、下部高伸張部10Dに比して少ないタック組織TRが形成されていてもよく、タック組織TRが形成されていなくともよい。またタック組織の代わりにミス(ウェルト)組織を適宜用いることもできる。
またシートカバー4Sの伸張性の差を、各部位における構成糸の種類を変更することで設けることもできる。例えば下部高伸張部10Dの構成糸に多くの弾性糸を用いることで、下部高伸張部10Dを相対的に伸びやすくすることができる。この弾性糸は、初期引張抵抗度4.9GPa以上(典型的に4.9GPa〜600GPa)の線材であり、好ましくは同抵抗度54GPa〜280GPaの線材である。なお初期引張抵抗度は、JIS L 1013 8.10に基づいて測定できる。この種の弾性糸の材質は特に限定しないが、パラ系アラミド繊維、メタ系アラミド繊維、ポリアリレート繊維、ポリパラフェニレンベンゾビスオキシサゾール繊維、ポリフェニレンサルファイド繊維、ポリエーテルエーテルケトン繊維、ポリイミド繊維を例示できる。なお下部低伸張部20Dや下部中伸張部30Dは、下部高伸張部10Dに比して少ない本数の弾性糸を有していてもよく、弾性糸を有していなくともよい。
[クッション材]
クッション材10は、図5を参照して、シートカバー4Sに比して伸張性に劣って型崩れしにくい面状部材であり、シートカバー4Sの裏側に一体化することができる。このクッション材10は、第一クッション部位10aと、第二クッション部位10bと、後述する伸張性変更部21Aを有している。第一クッション部位10aは、下部高伸張部10Dに対面配置されている部位であり、第二クッション部位10bは、下部低伸張部20Dに対面配置されている部位である。この種のクッション材10の素材として、スラブウレタン(ポリウレタンフォーム)などの発泡樹脂製のマット材、ゴム弾性を備えたエラストマ製やゴム製などのマット材、繊維積層体、繊維を立体的に交絡させてなる3Dネット体、シートカバー4Sに比して厚手の布帛を例示できる。そして本実施例のクッション材10は、スラブウレタン製のマット材で構成されており、このマット材は、各表皮ピースSP1〜SP3とほぼ同一の外形寸法を有している。
[接着層]
そしてクッション材10とシートカバー4Sの一体化の手法は特に限定しないが、シートクッション4とクッション材10を面方向に連続的に一体化できることが望ましく、接着や融着などの手法を好適に用いることができる。例えば図5を参照して、シートカバー4Sとクッション材10の間に設けられた接着層18によって、シートカバー4Sとクッション材10を、これらの面方向に一様な接着強度で一体化することができる。なお接着層18は、固化前において液状やゲル状などの流動性を有している接着剤で形成でき、シート状やシール状や粉状などの固形状の接着材で形成することもできる。そして本実施例においては、クッション材10のシートカバー4Sを臨む表面が、反対側の裏側に比して略平坦とされている。このためシートカバー4Sの裏面に、クッション材10の平坦な面を比較的強固に接着して一体化することができる。
[伸張性変更部]
伸張性変更部21Aは、クッション材10の面方向において第二クッション部位10bに比して第一クッション部位10aを伸びやすくさせるための構成である。この伸張性変更部21Aは、図5を参照して、第一クッション部位10aの裏側に形成された凹部位22で構成されている。そして第一クッション部位10aの裏面形状が、伸張性変更部21Aによって凹み状とされることで、第一クッション部位10aの厚み寸法T1が第二クッション部位10bの厚み寸法T2よりも小さくされている。こうして伸張性変更部21Aによって第一クッション部位10aを薄くすることにより、第一クッション部位10aの面方向の伸びが助長されて相対的に伸びやすくなる。そして伸張性変更部21Aを、第一クッション部位10aの形状にて構成することで、クッション材10の素材を各部位毎に変える必要のないシンプルな構成とすることができる。
ここでクッション材10裏側の伸張性変更部21Aは、シートカバー4Sに一体化する前に形成することができ、シートカバー4Sに一体化した後に形成することもできる。このように第一クッション部位10aの裏面形状で伸張性変更部21Aを構成することにより、伸張性変更部21Aの形成タイミングに自由度を持たせることができる。例えばシートカバー4Sにクッション材10を一体化することで、シートカバー4Sの各部位10D,20Dとクッション材10の各部位10a,10bの位置関係が固定される。このため一体化後に伸張性変更部21Aを形成する場合においては、第一クッション部位10aの適所により確実に伸張性変更部21Aを形成することができる。
[変形例1]
ここで伸張性変更部の構成は、上述の構成のほか、各種の構成を取り得る。例えば図6を参照して、変形例1の伸張性変更部21Bは、第一クッション部位10aの裏面に形成された複数の溝部位24で構成することができる。これら複数の溝部位24は、第一クッション部位10aの裏面に適宜の間隔で形成された凹箇所であり、それぞれ適宜の方向に線状に延びている。こうして伸張性変更部21Bによって第一クッション部位10aを部分的に薄くする(分割する)ことにより、第一クッション部位10aの面方向の伸びが助長されて相対的に伸びやすくなる。例えば下部高伸張部10Dがシート前後方向に伸びやすくされている構成においては、複数の溝部位24を、それぞれシート幅方向に向けて延設する。こうすることで第一クッション部位10aを、下部高伸張部10Dに倣ってシート前後方向に伸びやすくすることができる。また下部高伸張部10Dをシート幅方向に伸びやすくしている場合には、複数の溝部位24を、シート前後方向に向けて延設することとなる。なお複数の溝部位24を格子状に設けることで、シート前後方向及び幅方向の双方に伸びやすくすることができる。
[変形例2]
また変形例2の伸張性変更部21Cは、図7を参照して、第一クッション部位10aの裏面に形成された複数の裏側スリット部位26で構成することができる。これら複数の裏側スリット部位26は、第一クッション部位10aの裏面に適宜の間隔で形成された切れ目であり、変形例1と同様に適宜の方向に線状に延設することができる。こうして伸張性変更部21Cによって第一クッション部位10aを部分的に分割可能とすることにより、第一クッション部位10aの面方向の伸びが助長されて相対的に伸びやすくなる。
[変形例3]
また伸張性変更部は、図8を参照して、第一クッション部位10aと第二クッション部位10bの少なくとも一方の素材によって構成することができる。例えば変形例3では、第二クッション部位10bを、スラブウレタンなどの基本素材30Xで構成する。そして第一クッション部位10aを、基本素材30Xよりも伸びやすい伸張性変更部21Dとしての高伸張素材30Yで構成することで、相対的に面方向に伸びやすくする。この高伸張素材30Yの種類は、基本素材30Xに応じて適宜設定可能である。例えば基本素材30Xとしてスラブウレタンを用いる場合、高伸張素材30Yとして、ポリウレタン系エラストマ(TPU)やポリエステル系エラストマ(TPEE)やスチレン系エラストマ(TPS)やオレフィン系エラストマ(TPO)等の各種エラストマ、シリコンゴムや天然ゴムなどの各種ゴムを例示できる。このように本変形例では、伸張性変更部21Dを、第一クッション部位10aの素材である高伸張素材30Yにて構成することで、クッション材10の形状を部位毎に極端に変更する必要がなくなる。このためクッション材10の形状変化に伴う悪影響(例えば着座性や意匠性の悪化)を好適に回避することができる。なお第一クッション部位10aと第二クッション部位10bは二色成形などの手法により一体成形することができる。また第一クッション部位10aと第二クッション部位10bを個別に成形したのちに一体化することもできる。
なお本変形例では、第一クッション部位10aを、スラブウレタンなどの基本素材で構成し、第二クッション部位10bを、基本素材よりも面方向に伸張しにくい低伸張素材(図示省略)で構成することもできる。この場合には伸張性変更部としての低伸張素材によって、第二クッション部位10bが相対的に面方向に伸びにくくされることとなる。この種の低伸張素材は、基本素材に応じて適宜設定可能であり、例えば密に繊維を積層した繊維積層体や、密に繊維を交絡させた3Dネット体を例示できる。
[変形例4]
また変形例4では、図9を参照して、第二クッション部位10bを、所定密度の発泡樹脂からなる基本発泡材32Xで構成する。また第一クッション部位10aを、基本発泡材32Xよりも低密度の発泡樹脂からなる伸張性変更部21Eとしての高伸張発泡材32Yで構成することで、相対的に面方向に伸びやすくする。ここで基本発泡材32Xとして、例えば密度50g/cm3〜100g/cm3のスラブウレタンを用いることができ、本変形例では着座性を考慮して密度70g/cm3のスラブウレタンを用いる。また高伸張発泡材32Yとして、例えば基本発泡材32Xよりも低密度のスラブウレタンを用いることができ、本変形例では乗員の支持性能を考慮して密度20g/cm3のスラブウレタンを用いる。このように本変形例では、第一クッション部位10aと第二クッション部位10bを、密度は異なるものの一種類の発泡樹脂で構成することにより、異種類の素材を用いる場合に比して低コストでクッション材10を構成できる。なお本変形例においても、第二クッション部位10bを、伸張性変更部としての高密度の低伸張発泡材(図示省略)で構成することもできる。
[変形例5]
また変形例5では、図10を参照して、第二クッション部位10bに、第二クッション部位10bの面方向の伸張を規制する伸張性変更部21Fが設けられている。本変形例の伸張性変更部21Fは、第二クッション部位10bの表面に設けられた複数の表側スリット部位28内に接着剤又は接着材を配置して硬化させることで構成されている。これら複数の表側スリット部位28は、第二クッション部位10bの表面に適宜の間隔で形成された切れ目であり、それぞれ適宜の方向に線状に延びている。そして各表側スリット部位28に接着剤等を配置させるタイミングは、シートカバー4Sにクッション材10を一体化する前でもよく、シートカバー4Sにクッション材10を一体化する際でもよい。例えばシートカバー4Sとクッション材10の間に流動性を備えた接着剤を付与したのち、この接着剤を、シートカバー4Sとクッション材10で挟み付ける。このときの圧力によって、各表側スリット部位28内に接着剤を含浸させることができる。そして第二クッション部位10bを、伸張性変更部21Fとしての各表側スリット部位28で部分的に硬くして伸張を規制することにより、クッション材10の面方向に相対的に伸びにくくすることができる。
なおシートカバー4Sの下部中伸張部30Dにおいては、クッション材10の第一クッション部位10aと第二クッション部位10bのいずれかを対面配置しておくことができる。また下部中伸張部30Dに、第一クッション部位10aと第二クッション部位10bの中間の伸張性を有する第三クッション部位(図示省略)を対面配置しておくこともできる。この第三クッション部位は、例えば底浅の凹部位や、少数の各スリット部位や溝部位を設けることで形成できる。
[シートクッションの使用]
図1を参照して、乗物用シート2に乗員が着座することにより、シートクッション4にて乗員脚部から乗員臀部にかけての部分が支持される。そしてシートの着座性向上の観点等から、シートカバー4Sの伸び特性を部分的に異ならせているとともに、クッション材10にてシートカバー4Sに適度な張りを持たせている。この種の構成においては、シートカバー4S自体に明確な伸張性の差を設けたとしても、この伸張性の差がクッション材10によって打ち消されて曖昧になってしまうおそれがある。そこで本実施例では、クッション材10に、シートカバー4Sの伸張性に応じて、相対的に伸びやすくすべき第一クッション部位10aと、相対的に伸びにくくすべき第二クッション部位10bが設けられている。そして伸張性変更部21A等によって、クッション材10の面方向において第二クッション部位10bに比して第一クッション部位10aが伸びやすくされている。
こうして本実施例では、クッション材10にてシートカバー4Sに張りを持たせつつ、さらに伸張性変更部21A等によって、シートカバー4Sに設けられた伸張性の差が極力維持されている。そしてシートクッション4に乗員が着座することにより、乗員脚部(例えば脹脛)が、天板メイン部4a前端に設けられた下部高伸張部10Dに当接する。このとき図5に示す下部高伸張部10Dとその裏側の第一クッション部位10aが最も伸びやすいことから、乗員脚部をスムーズに動かしてアクセルやブレーキやクラッチを操作することが可能となり、乗物の操作性を向上させることができる。さらに左右の天板サイド部4bに設けられた下部高伸張部10Dと第一クッション部位10aによって乗員の体格差を吸収することができる。すなわち比較的大柄の乗員が着座した場合、乗員脚部が、左右の天板サイド部4bを外側に押し退けようとする。このとき天板サイド部4bの内側に配置する下部高伸張部10Dと第一クッション部位10aが外側に向けて大きく伸張することとなる。またカーブ走行時においては、左右の天板サイド部4bによって乗員側部を支持する。このとき天板サイド部4bに設けられた下部低伸張部20Dとその裏側の第二クッション部位10bが最も伸張しにくいことから、旋回時の乗員側部をしっかりと支持できる。そして乗員臀部が、天板メイン部4aの後部側に設けられた下部中伸張部30Dを強く押圧する。このとき下部中伸張部30Dが適度な伸張性を有して乗員臀部を包み込むようにフィットすることで、乗員臀部の前滑りなどの意図しない移動を好適に回避できる。
[シートバック]
つぎに図1を参照して、シートバック6のシートカバー6Sについて詳述する。このシートカバー6Sには、上部高伸張部10Uと、上部低伸張部20Uと、上部中伸張部30Uが設けられている。またシートカバー6Sの裏側には、シートクッション4と同様にクッション材が一体化されている。そして上部高伸張部10Uの裏側には、クッション材の第一クッション部位10aが配置されており、上部低伸張部20Uの裏側には、クッション材の第二クッション部位10bが配置されている。このシートバック6に設けられているクッション材の各部位10a,10bの基本構成は、シートクッション4のクッション材10の対応する各部位10a,10bと略同一であることから詳細な説明は省略する。そして以下に、上部高伸張部10Uと上部低伸張部20Uと上部中伸張部30Uについて専ら詳述することとする。
[シートバックの高伸張部]
シートバック6の上部高伸張部10Uは、図1を参照して、シート幅方向で見た中央上部に設けられており、着座状態の乗員肩部や乗員頭部が当接するシートカバー6S部分に配置されている。この上部高伸張部10Uは、シートカバー6Sにおいて面方向である上下方向に最も伸びやすい部位であり、下部高伸張部10Dと同様の伸び特性を有し且つ下部高伸張部10Dと同様の手法で形成できる。そして上部高伸張部10Uの裏側には、シートクッション4と同様に第一クッション部位10aが配設されている。
そして上部高伸張部10Uは、正面視でシート上下に長尺な略矩形状をなしており、その下辺が、中央に向かうにつれて次第に上方に凸の湾曲形状をなしている。この上部高伸張部10Uは、シートバック6の上下方向の中央から一対の孔部Hを越えてヘッドレスト8の上端に延びている。また上部高伸張部10Uの左右の幅寸法は、下方から上方に向かうにつれて次第に左右に張り出して幅広となっており、さらに一対の孔部Hの手前で引締められて幅狭とされている。そして上部高伸張部10Uの左右に張り出している上部分に着座状態の乗員の肩甲骨が当接することとなる。またヘッドレスト8部分における上部高伸張部10Uの幅寸法は、着座状態時の乗員頭部を支持可能な寸法に設定されており、シートバック6の上部高伸張部10Uに比してやや幅狭である。
また上部高伸張部10Uの下辺には上部中伸張部30Uを隣接して設けることができる。この上部中伸張部30Uは、上部高伸張部10Uに連なる略矩形状の部位であり、上辺が上方に凸の湾曲形状をなしているとともに、下方に向かうにつれて次第に引締められている。そして上部中伸張部30Uは、下部中伸張部30Dと同様の伸び特性を有し且つ同様の手法で形成できる。なお本実施例においては、シートバック6の下端に上部中伸張部(符号省略)を設けて、シートクッション4の下部中伸張部30Dに隣接させておくことができる。
[シートバックの低伸張部]
そしてシートカバー6Sには、上部高伸張部10Uと上部中伸張部30Uを除く部分に、上部低伸張部20Uを設けることができる。この上部低伸張部20Uは、シートカバー6Sにおいて最も面方向に伸張しにくい部位であり、下部低伸張部20Dと同様の伸び特性を有し且つ下部低伸張部20Dと同様の手法で形成できる。そしてシートバック6のシートカバー6Sにおいても、上部低伸張部20Uの裏側に、シートクッション4と同様に第二クッション部位10bが配設されている。そして上部低伸張部20Uは、左右の天板サイド部6bから天板メイン部6a側に若干ははみ出して設けられている。さらに上部低伸張部20Uの一部が、天板メイン部6aの下部を横断するように設けられており、乗員の骨盤に対面可能な位置に配置されている。この上部低伸張部20Uの一部は、上部中伸張部30Uの下方に配置されており、下方に凸の緩やかな曲線状をなして左右に延びている。
[シートバックの使用]
図1を参照して、シートバック6に乗員が凭れることにより、乗員背部が、天板メイン部6aの中央上部に当接する。このとき天板メイン部6aの中央上部に設けられた上部高伸張部10Uとその裏側の第一クッション部位10aが大きく伸長して乗員にフィットすることから、着座性に優れるシート構成となる。さらに上部高伸張部10Uの左右に張り出している上部分とその裏側の第一クッション部位10aが大きく伸張して乗員の肩甲骨を包みこむように支持することとなる。また天板メイン部6aの下部が乗員の骨盤によって強く押圧される。このとき天板メイン部6a下部を横断するように配置された上部低伸張部20Uの一部とその裏側の第二クッション部位10bによって、乗員の骨盤の押圧をしっかりと受け止めることで、乗員に対する支持性能が向上して運転姿勢を安定化することができる。さらに左右の天板サイド部6bに設けられた上部低伸張部20U部分とその裏側の第二クッション部位10bによって、旋回時の乗員側部をしっかりと支持できる。
以上説明したとおり本実施例では、クッション材10に、各シートカバー4S,6Sの伸張性に応じて、相対的に伸びやすくすべき第一クッション部位10aと、相対的に伸びにくくすべき第二クッション部位10bが設けられている。そして伸張性変更部21A等によって、クッション材10の面方向において第二クッション部位10bに比して第一クッション部位10aが伸びやすくされている。このため各シートカバー4S(6S)の各部位10D,20D,30D(10U,20U,30U)に設けられた伸張性の差が、クッション材10によって打ち消されることを極力回避することができる。特に伸張性変更部21A等によって、第一クッション部位10aの伸張を助長することにより、各シートカバー4S,6Sに設けられた伸張性の差をより好適に維持することができる。このため本実施例によれば、各シートカバー4S,6Sの伸張性の差を極力維持しつつ、伸張性に劣るクッション材10を各シートカバー4S,6Sに配設することができる。
本実施形態の乗物用シートのシートカバーは、上述した実施例に限定されるものではなく、その他各種の実施形態を取り得る。例えば本実施形態では、クッション材10の構成(形状,寸法,配設位置,配設数,各クッション部位の構造など)を例示したが、同部材の構成を限定する趣旨ではない。例えばクッション材は、シートカバーの裏面全部に対面配置されていてもよく、シートカバーの裏面一部に対面配置されていてもよい。また第一クッション部位10aと第二クッション部位10bの構成(形状,寸法,形成位置,形成数など)は、シートカバーの対応する各部位の構成に応じて適宜変更可能である。なおクッショ材のシートカバーを臨む表面は、シートカバーとの接着が極度に阻害されない限り凹凸状であってもよい。
また本実施形態では、伸張性変更部21A〜21Fの構成(形状,寸法,形成位置,形成数)を例示したが、これら各部位の構成を限定する趣旨ではない。例えば実施例1の構成と各変形例の構成を適宜組み合わせて伸張性変更部を構成することができる。また伸張性変更部は、第一クッション部位と第二クッション部位の少なくとも一方に形成されていればよく、双方に形成されていてもよい。例えば伸張性変更部としての凹部位や溝部位や各裏側スリット部位を、第一クッション部位に多く形成し、第二クッション部位に少なく形成することができる。またクッション材の適宜の位置に、表側スリット部位と裏側スリット部位の双方を形成することができる。
また本実施形態では、シートカバー4S,6Sの構成(形状,寸法,表皮ピースの数,構成糸など)を例示したが、各シートカバーの構成を限定する趣旨ではない。例えばシートクッションのシートカバーを一枚物の面材で構成することができ、シートバックのシートカバーを複数の表皮ピースを縫合することで形成できる。またシートクッションとシートバックの双方を一つなぎのシートカバーで被覆することもでき、この場合のシートカバーは、一枚物の面材で構成することができ、また複数の表皮ピースを縫合することでも形成できる。なおシートカバーとして、編物のほか、伸張性の違いを出すことのできる各種の面材(織物や不織布等)を使用することができ、これら編物を含む各種の面材を適宜組み合わせて用いることもできる。また本実施形態においては、シートクッションにおいて、シート前後方向における伸張性に差を設けたが、シート左右方向における伸張性に差を設けることもできる。また同様にシートバックにおいて、シート上下方向における伸張性に差を設けたが、シート左右方向における伸張性に差を設けることもできる。
また本実施形態では、シートクッション4とシートバック6(ヘッドレスト8)を一例に説明したが、本実施形態の構成は、アームレスト等の各種シート構成部材のシートカバーに適用できる。なお乗物用シートの構成も適宜変更可能であり、例えばシートバックとヘッドレストを別体で構成することができる。また本実施形態の構成は、乗物用や航空機や電車などの乗物用シート全般に適用できる。
2 乗物用シート
4 シートクッション
6 シートバック
4F,6F シートフレーム
4P,6P シートパッド
4S,6S シートカバー
SP1〜SP3 表皮ピース
4a,6a 天板メイン部
4b,6b 天板サイド部
10U 上部高伸張部
10D 下部高伸張部
20U 上部低伸張部
20D 下部低伸張部
30U 上部中伸張部
30D 下部中伸張部
10 クッション材
10a 第一クッション部位
10b 第二クッション部位
18 接着層
21A〜21F 伸張性変更部
22 凹部位
24 溝部位
26 裏側スリット部位
28 表側スリット部位
30X 基本素材
30Y 高伸張素材
32X 基本発泡材
32Y 高伸張発泡材
TR タック組織
Y1 糸材

Claims (5)

  1. 乗物用シートの意匠面を構成するとともに、面方向に伸びやすい高伸張部と、前記高伸張部に比して伸びにくい低伸張部とを備えている乗物用シートのシートカバーにおいて、
    前記シートカバーの意匠面とは反対の裏側に、前記シートカバーに比して伸張性に劣る面状のクッション材が一体的に設けられているとともに、前記クッション材が、前記高伸張部に対面配置されている第一クッション部位と、前記低伸張部に対面配置されている第二クッション部位を有しており、
    前記クッション材の面方向において前記第二クッション部位に比して前記第一クッション部位を伸びやすくする伸張性変更部が、前記第一クッション部位と前記第二クッション部位の少なくとも一方に設けられている乗物用シートのシートカバー。
  2. 前記第一クッション部位に設けられた前記伸張性変更部によって、前記第一クッション部位の伸張が助長されている請求項1に記載の乗物用シートのシートカバー。
  3. 前記シートカバーの裏側に前記クッション材が接着されて一体的に設けられているとともに、
    前記クッション材の前記シートカバーを臨む表面が平坦であって、前記クッション材の表面とは反対の裏側に前記伸張性変更部が設けられている請求項1又は2に記載の乗物用シートのシートカバー。
  4. 前記伸張性変更部が、前記第一クッション部位と第二クッション部位の少なくとも一方の形状で構成されている請求項1〜3のいずれか一項に記載の乗物用シートのシートカバー。
  5. 前記伸張性変更部が、前記第一クッション部位と第二クッション部位のいずれか一方の素材で構成されている請求項1〜3のいずれか一項に記載の乗物用シートのシートカバー。
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