JP5602833B2 - 対物レンズ、光学ヘッド及び光ディスク装置 - Google Patents

対物レンズ、光学ヘッド及び光ディスク装置 Download PDF

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Description

本発明は、光軸を中心として輪帯状に分割された複数の分割面からなる光学面を有する対物レンズ、当該対物レンズを用いた光学ヘッド及び当該光学ヘッドを用いた光ディスク装置に関するものである。
青紫半導体レーザの実用化に伴い、CD(Compact Disc)及びDVD(Digital Versatile Disc)と同じ大きさで、高密度及び大容量の光情報記録媒体(以下、光ディスクとも言う)であるBlu−ray Disc(以下、BD)が実用化されている。BDは、波長400nm程度のレーザ光を出射する青紫レーザ光源と、開口数(Numerical Aperture、NA)が約0.85の対物レンズとを用いて、厚さが約0.1mmの光透過層を有する情報記録面に対して情報を記録又は再生するための光ディスクである。
一般的に、CD又はDVDなどの光ディスクに情報を記録又は再生する光学ヘッドには、合成樹脂製の対物レンズが用いられている。合成樹脂製の対物レンズは、ガラス製の対物レンズと比較して比重が小さい。そのため、光ディスクの面ぶれ及び偏心に対して対物レンズを駆動する対物レンズアクチュエータの負担を軽減でき、さらに、光ディスクの面ぶれ及び偏心に対して対物レンズを高速に追従させることも可能となる。また、合成樹脂製の対物レンズは、射出成形により高精度に大量生産することが可能であるため、対物レンズの低コスト化を図ることができる。
そこで、近年、BD用の光学ヘッドに用いられる高NAの対物レンズについても、合成樹脂製の対物レンズが多く用いられてきている。
ところで、光軸を中心とした輪帯状の複数の光学面(回折構造)が形成されたいわゆる回折レンズは、光源波長の変化又は温度の変化に伴う合成樹脂の屈折率の変化によって生じる、対物レンズの焦点ずれ又は球面収差を補正できることが知られている。
また、対物レンズに回折構造を形成することで、複数種類の光ディスクの基材厚の差によって生じる球面収差を光源波長の差を利用して補正する、いわゆる互換対物レンズについても、多くの方式が知られている。
図22(A)〜図22(C)は、従来の合成樹脂製の対物レンズについて説明するための部分拡大断面図である。図22(A)は、接続面が光軸に平行である場合の従来の対物レンズについて説明するための部分拡大断面図であり、図22(B)は、接続面が光軸に対して所定の角度を有している場合の従来の対物レンズについて説明するための部分拡大断面図であり、図22(C)は、接続面が光軸に垂直である場合の従来の対物レンズについて説明するための部分拡大断面図である。
回折レンズは、輪帯状の光学面の凹凸が波長オーダの微小なものであり、合成樹脂の射出成形によって製造される。ここで、図22(A)に示すように、互いに隣接する輪帯状光学面501を接続するための接続面502が、光軸OAを中心とする円筒面であると、エッジ部分の形状が転写されにくく、接続面502の段差の長さtによっては、レンズ材料である合成樹脂の流れが阻害され、金型への正確な転写が困難となる。
そこで、特許文献1に示される従来の合成樹脂製の対物レンズでは、図22(B)に示すように、互いに隣接する輪帯状光学面601を接続するための接続面602が、円錐面で形成されている。すなわち、それぞれの接続面602は、対物レンズの光軸OAを回転軸とした円錐面の一部から構成されている。
このように、互いに隣接する輪帯状光学面601を接続するための接続面602が円錐面で構成される場合、図22(A)のように互いに隣接する輪帯状光学面501を接続するための接続面502が円筒面で構成される場合と比較して、合成樹脂製の対物レンズの射出成形時に、接続面602の段差の形状を正確に転写することができる。
一方、特許文献2には、図22(C)に示すように、互いに隣接する輪帯状光学面701を接続するための接続面702に形成される段差が、光軸OAに垂直な平面で形成されている。
このように、互いに隣接する輪帯状光学面701を接続するための接続面702を光軸OAに垂直な平面で構成した場合、合成樹脂製の対物レンズの射出成形時に、接続面702の段差の形状をさらに正確に転写することができる。
しかしながら、特許文献1及び特許文献2で開示されている従来の合成樹脂製の対物レンズでは、光軸を中心とした輪帯状光学面の断面が略鋸歯形状である場合の接続面の形状について言及されているのみである。そのため、特許文献1及び特許文献2では、輪帯状光学面の断面が略階段形状である場合、又は、輪帯状光学面の断面が略鋸歯形状及び略階段形状の両方を備えた場合の接続面の形状については全く考慮されていない。また、特許文献1及び特許文献2では、射出成形に用いる金型の加工性及び金型を加工するバイト(刃物)の形状を考慮した上での最適な接続面の形状についても一切言及されていない。
さらに、BD等の開口数が高い対物レンズでは、有効領域の最外周近傍において、レーザ光の入射角、すなわち光軸に垂直な面とレンズ面とのなす角度(レンズ傾斜角)が大きくなり、光量損失も大きくなる。そのため、ピッチの狭い回折構造を対物レンズの表面に形成することに伴う光量損失も抑制しなければならない。しかしながら、特許文献1及び特許文献2には、輪帯状光学面の断面が略鋸歯形状及び/又は略階段形状の回折構造を備えた高開口数の対物レンズにおける光量損失に関する定量的な考察がなされておらず、高開口数の対物レンズに好適な接続面の形状についても一切開示されていない。
特開平7−294707号公報 特開2004−101954号公報
本発明は、上記の問題を解決するためになされたもので、対物レンズの有効領域の最外周近傍において回折効率を向上させ、光量損失を抑制することができる対物レンズ、光学ヘッド及び光ディスク装置を提供することを目的とするものである。
本発明の一局面に係る対物レンズは、情報記録媒体に対して情報を記録又は再生する光学ヘッドに用いられる対物レンズであって、前記対物レンズの少なくとも一方の面は、断面が略階段形状でありかつ前記対物レンズの光軸を中心として輪帯状に分割された複数の分割面からなる光学面と、互いに隣接する前記複数の分割面同士を接続する複数の接続面とを有し、前記複数の接続面は、前記対物レンズの光軸を中心とした円筒面で構成される第1の接続面と、前記対物レンズの光軸を中心とした円筒面で構成される第2の接続面と、前記対物レンズの光軸を中心とした円錐面で構成される第3の接続面とを含み、前記複数の分割面は、第1の分割面と、前記第1の分割面に隣接する第2の分割面と、前記第2の分割面に隣接する第3の分割面と、前記第3の分割面に隣接する第4の分割面とを含み、前記第1の分割面は、前記第2の分割面よりも前記対物レンズの光軸に近く、前記第2の分割面は、前記第3の分割面よりも前記対物レンズの光軸に近く、前記第3の分割面は、前記第4の分割面よりも前記対物レンズの光軸に近く、前記光学面と前記対物レンズの光軸との交点で、前記光学面に接する平面を基準面として、前記第2の分割面と前記基準面との間隔は、前記第1の分割面と前記基準面との間隔よりも大きく、前記第3の分割面と前記基準面との間隔は、前記第2の分割面と前記基準面との間隔よりも大きく、前記第4の分割面と前記基準面との間隔は、前記第3の分割面と前記基準面との間隔よりも小さく、前記第1の接続面は、前記第1の分割面と前記第2の分割面とを接続し、前記第2の接続面は、前記第2の分割面と前記第3の分割面とを接続し、前記第3の接続面は、前記第3の分割面と前記第4の分割面とを接続する。
この構成によれば、対物レンズの少なくとも一方の面は、断面が略階段形状でありかつ対物レンズの光軸を中心として輪帯状に分割された複数の分割面からなる光学面と、互いに隣接する複数の分割面同士を接続する複数の接続面とを有している。複数の接続面は、対物レンズの光軸を中心とした円筒面で構成される第1の接続面と、対物レンズの光軸を中心とした円筒面で構成される第2の接続面と、対物レンズの光軸を中心とした円錐面で構成される第3の接続面とを含む。複数の分割面は、第1の分割面と、第1の分割面に隣接する第2の分割面と、第2の分割面に隣接する第3の分割面と、第3の分割面に隣接する第4の分割面とを含む。第1の分割面は、第2の分割面よりも対物レンズの光軸に近く、第2の分割面は、第3の分割面よりも対物レンズの光軸に近く、第3の分割面は、第4の分割面よりも対物レンズの光軸に近い。ここで、光学面と対物レンズの光軸との交点で、光学面に接する平面を基準面とする。第2の分割面と基準面との間隔は、第1の分割面と基準面との間隔よりも大きく、第3の分割面と基準面との間隔は、第2の分割面と基準面との間隔よりも大きく、第4の分割面と基準面との間隔は、第3の分割面と基準面との間隔よりも小さい。第1の接続面は、第1の分割面と第2の分割面とを接続し、第2の接続面は、第2の分割面と第3の分割面とを接続し、第3の接続面は、第3の分割面と第4の分割面とを接続する。
本発明によれば、対物レンズの光軸を中心とした円錐面で構成される第3の接続面により、第3の分割面と第4の分割面とが接続され、対物レンズの有効領域の最外周近傍において入射する光線がレンズ面で屈折及び回折された際に光路が遮断されないので、対物レンズの有効領域の最外周近傍において回折効率を向上させ、光量損失を抑制することができる。
本発明の目的、特徴及び利点は、以下の詳細な説明と添付図面とによって、より明白となる。
本発明の実施の形態1における対物レンズの構成を示す図である。 本発明の実施の形態1における対物レンズのレンズ面の光軸付近を示す部分拡大断面図である。 回折構造を備えた対物レンズに入射する光線の挙動を説明するための図である。 (A)は、角度θが角度θに等しい場合の接続面の角度と光量損失との関係を示す図であり、(B)は、角度θが0である場合の接続面の角度と光量損失との関係を示す図であり、(C)は、角度θが角度θより大きい場合の接続面の角度と光量損失との関係を示す図であり、(D)は、角度θが90度である場合の接続面の角度と光量損失との関係を示す図である。 (A)は、本発明の実施の形態1における合成樹脂製の対物レンズを射出成型によって生産する場合に用いる金型の形状を示す図であり、(B)は、本発明の実施の形態1における対物レンズの金型の加工について説明するための図である。 (A)は、ベース非球面のレンズ傾斜角を示す図であり、(B)は、回折構造による実際のレンズ面のレンズ傾斜角を示す図である。 本発明の実施の形態2における対物レンズの構成を示す図である。 本発明の実施の形態2における対物レンズのレンズ面の光軸付近を示す部分拡大断面図である。 (A)は、円錐接続面の角度θが角度θに等しい場合の接続面の角度と光量損失との関係を示す図であり、(B)は、円錐接続面の角度θが0である場合の接続面の角度と光量損失との関係を示す図であり、(C)は、円筒接続面の角度θが0である場合の接続面の角度と光量損失との関係を示す図であり、(D)は、円筒接続面の角度θが0より大きい場合の接続面の角度と光量損失との関係を示す図である。 (A)は、本発明の実施の形態2における合成樹脂製の対物レンズを射出成型によって生産する場合に用いる金型の形状を示す図であり、(B)は、本発明の実施の形態2における対物レンズの金型の加工について説明するための図である。 本発明の実施の形態2における円錐接続面の角度を説明するための図である。 本発明の実施の形態3における対物レンズの構成を示す図である。 本発明の実施の形態3における対物レンズの内周領域を示す部分拡大断面図である。 本発明の実施の形態3における対物レンズの外周領域を示す部分拡大断面図である。 本発明の実施の形態3において、内周領域における円筒接続面の間隔及び円錐接続面の間隔について説明するための図である。 本発明の実施の形態3における対物レンズの内周領域と外周領域との境界部分の実形状を示す図である。 (A)は、内周領域における接続面の理想的な形状を示す図であり、(B)は、特許文献2を適用した場合における接続面の形状を示す図であり、(C)は、特許文献1を適用した場合における接続面の形状を示す図であり、(D)は、本実施の形態3の内周領域における接続面の形状を示す図である。 本発明の実施の形態4における対物レンズの構成を示す図である。 本発明の実施の形態4における対物レンズの内周領域、中周領域及び外周領域を示す部分拡大断面図である。 本発明の実施の形態5における光学ヘッドの概略構成を示す図である。 本発明の実施の形態6における光ディスク装置の概略構成を示す図である。 (A)は、接続面が光軸に平行である場合の従来の対物レンズについて説明するための部分拡大断面図であり、(B)は、接続面が光軸に対して所定の角度を有している場合の従来の対物レンズについて説明するための部分拡大断面図であり、(C)は、接続面が光軸に垂直である場合の従来の対物レンズについて説明するための部分拡大断面図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。尚、以下の実施の形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における対物レンズの構成を示す図である。図1の左図は、本実施の形態1の合成樹脂製の対物レンズ10の構成を示す平面図であり、図1の右図は、対物レンズ10の構成を示す断面図である。対物レンズ10の光源側(レーザ光の入射する側)のレンズ面12は、ベースとなる球面又は非球面を備えている。このベースとなる球面又は非球面(以下、ベース非球面と総称する)に、対物レンズ10の光軸OAを中心とした輪帯状の複数の光学面を有する鋸歯状の回折構造が形成されている。
一方、レンズ面12に対向する対物レンズ10の光ディスク側(レーザ光が出射する側)のレンズ面13は、球面又は非球面となっている。
図2は、本実施の形態1における対物レンズ10のレンズ面12の光軸OA付近を示す部分拡大断面図である。
レンズ面12のベース非球面に形成されている回折構造は、光軸OAを中心とした円形光学面12oと、円形光学面12oの外側に設けられた同心の複数の輪帯状光学面12a,12b,12c,・・・とで構成されている。また、円形光学面12oと輪帯状光学面12aとは、輪帯状の接続面15aによって接続され、輪帯状光学面12a,12b,・・・と輪帯状光学面12a,12b,・・・に隣接する輪帯状光学面輪帯状光学面12b,12c,・・・とは、輪帯状の接続面15b,15c,・・・によって接続されている。
対物レンズ10は、開口数が0.8以上であるとともに、合成樹脂製である。なお、開口数は、0.8以上、0.9以下であることが好ましい。
レンズ面12は、光軸OAを中心とした円形形状を有する円形光学面12oと、断面が略鋸歯形状でありかつ対物レンズ10の光軸OAを中心として輪帯状に分割された複数の輪帯状光学面12a,12b,12c,・・・とからなる光学面121と、互いに隣接する複数の輪帯状光学面同士を接続する、対物レンズ10の光軸OAを中心とした円錐面で構成される接続面15a,15b,15c・・・とを有している。なお、本発明において、鋸歯形状との文言は、鋸歯形状に類似した略鋸歯形状も含む。
複数の輪帯状光学面は、輪帯状光学面12aと、輪帯状光学面12aに隣接する輪帯状光学面12bとを少なくとも含む。輪帯状光学面12aは、輪帯状光学面12bよりも対物レンズ10の光軸OAに近い。
ここで、光学面121と対物レンズ10の光軸OAとの交点で、光学面121に接する平面を基準面RPとする。輪帯状光学面12bと基準面RPとの間隔は、輪帯状光学面12aと基準面RPとの間隔よりも大きい。
なお、本実施の形態1において、各輪帯状光学面と基準面との間隔は、例えば各輪帯状光学面の半径方向の長さの中点から基準面までの間隔を表すが、本発明は特にこれに限定されず、例えば各輪帯状光学面の基準面に最も近い点から基準面までの間隔を表してもよい。
接続面15bは、輪帯状光学面12aと輪帯状光学面12bとを接続する。
回折構造を形成する円形光学面12o及び輪帯状光学面12a,12b,12c,・・・自身は、球面又は非球面からなる光学面である。対物レンズ10のレンズ面12の断面は、図2に示すように略鋸歯形状となっている。鋸歯形状の段差の間隔Δtは、例えば所定の基準波長λ[μm]において、回折効率が最大となるように決定される。
接続面15aは、その内側の円形光学面12oとその外側の輪帯状光学面12aとを接続している。接続面15b,15c,・・・は、その内側の輪帯状光学面12a,12b,・・・と、その外側の輪帯状光学面12b、12c・・・とを接続している。接続面15a,15b,15c,・・・は、いずれも対物レンズ10の光軸OAと所定の角度θをなしている。
図3は、回折構造を備えた対物レンズに入射する光線の挙動を説明するための図である。ここで、図3に示すように、ある対物レンズにおいて、光軸OAに対して平行な光線Xが、半径Rの位置に入射する場合を考える。
半径Rの位置に入射した光線Xが、レンズ面で屈折及び回折されて光線Yになるとすると、光軸OAと光線Yとのなす角度θは、以下のように求められる。
図3に示すように、光線Xが入射するレンズ面をベース非球面Bとし、半径Rにおけるベース非球面Bの傾斜角(光軸OAに垂直な面とのなす角度)をθとすると、光軸OAに対して平行な光線Xの入射角θは、θ=θである。
ここで、半径Rにおいて光線Xがベース非球面Bに接する仮想平面P1に入射角θ(=θ)で入射した場合、ベース非球面Bに形成されている回折構造の半径Rにおけるピッチd[μm]、入射光線の基準波長λ[μm]、基準波長λにおいて回折効率が最大となる回折次数m(mは整数)、及び仮想平面P1に平行な仮想平面P2から出射される光線Zの仮想出射角θは、下記の式(1)で表すことができる。
d(sinθ±sinθ)=mλ (1)
ここで、回折構造が凸レンズのパワーを持つ場合、上記の式(1)は、下記の式(2)となる。
d(sinθ−sinθ)=mλ (2)
上記の式(2)を変形し、下記の式(3)が得られる。
sinθ=sinθ−mλ/d (3)
一方、仮想平面P1と仮想平面P2とからなる屈折率nの平行平板を仮定すると、仮想平面P1から出射されて仮想平面P2に入射する光線Yの出射角θと、仮想平面P2から出射される光線Zの仮想出射角θとは、スネルの法則により、下記の式(4)を満たす。
sinθ=n・sinθ (4)
従って、式(3)及び式(4)より、下記の式(5)となる。
n・sinθ=sinθ−mλ/d (5)
出射角θは、下記の式(6)で表される。
Figure 0005602833
ここで、図3に示すように、光軸OAに対して平行に入射した光線Xがレンズ面で屈折及び回折された光線Yと、光軸OAとのなす角度θは、明らかに、下記の式(7)で表される。
θ=θ−θ (7)
したがって、角度θは、下記の式(8)で表される。
Figure 0005602833
ところで、一般的に、BD等の高密度光ディスクに用いられる高開口数(例えば、開口数が0.8以上)の対物レンズでは、有効領域の最外周近傍におけるレンズ傾斜角が非常に大きくなる。特に、ガラスと比較して屈折率の小さい合成樹脂製の対物レンズでは、最外周近傍におけるレンズ傾斜角は60deg前後にもなり、表面に反射防止コート(ARコート)を蒸着したとしても、表面反射による光量損失は小さくない。
さらに、レンズ面に回折構造を形成した対物レンズでは、外周に向かうほどピッチが小さくなるものが多く、この狭ピッチ化に伴う光量損失(回折効率の低下)も無視できない。
すなわち、高開口数(例えば、開口数が0.8以上)であり、かつ回折構造を備えた合成樹脂製の対物レンズでは、有効領域内において最外周近傍の光量損失が最も大きくなる。
図4(A)〜(D)は、本発明の実施の形態1における隣接する輪帯状光学面を接続する接続面の角度と光量損失との関係を示す図である。図4(A)は、角度θが角度θに等しい場合の接続面の角度と光量損失との関係を示す図であり、図4(B)は、角度θが0である場合の接続面の角度と光量損失との関係を示す図であり、図4(C)は、角度θが角度θより大きい場合の接続面の角度と光量損失との関係を示す図であり、図4(D)は、角度θが90度である場合の接続面の角度と光量損失との関係を示す図である。
ここで、図4(A)に示すように、隣接する輪帯状光学面を接続する接続面(例えば接続面15x)と光軸OAとのなす角度θが、上記の式(8)で求められる角度θと同じである(θ=θ)と、外周側に隣接する輪帯状光学面(例えば輪帯状光学面12x)に入射する光線Xがレンズ面で屈折及び回折された光線Yの光路は、遮断されない。
また、図4(B)に示すように、光線Xより内周側の光線X’がレンズ面12で屈折及び回折された光線Y’の光路は、接続面15zが光軸OAと平行である、すなわち角度θが0である(θ=0)である場合、遮断される。すなわち、接続面の形状が、図4(A)に示したθ=θの構成と、図4(B)に示すθ=0の構成とでは、実質的に光量損失すなわち回折効率の低下は同等であり、さらに0<θ≦θの範囲であれば、光量損失すなわち回折効率の低下が同等となることは明らかである。
すなわち、接続面と対物レンズ10の光軸OAとのなす角度θ[deg]は、下記の式(9)を満たす。
Figure 0005602833
なお、λ[μm]は対物レンズ10に入射するレーザ光の光源波長を表し、nは対物レンズ10の波長λにおける屈折率を表し、θ[deg]は対物レンズ10の有効領域の最外周におけるベース非球面のレンズ傾斜角を表し、d[μm]は回折構造の光軸OAと垂直な方向の一周期のピッチを表し、mは回折構造で発生する波長λのレーザ光の主たる回折光の回折次数を表す。
一方、図4(C)又は図4(D)に示すように、隣接する輪帯状光学面を接続する接続面と光軸とのなす角度θが角度θより大きい(θ>θ)場合又は接続面と光軸とのなす角度θが90度である(θ=90deg)場合、光線Xがレンズ面で屈折及び回折された光線Yの光路が遮断される。そのため、図4(A)又は図4(B)に示す構成と比較した場合、図4(C)又は図4(D)に示す構成では、光量損失すなわち回折効率の低下が発生する。
本実施の形態1の合成樹脂製の対物レンズ10において、使用する光源の基準波長λを0.405[μm]とし、合成樹脂の波長λにおける屈折率nを1.52とし、有効半径Re[mm]におけるベース非球面のレンズ傾斜角θを60[deg]とし、回折構造のピッチdを10[μm]とし、波長λにおいて回折効率が最大となる回折次数mを+1[次]とすると、上記の式(8)より、角度θは、27.1[deg]となる。
図5(A)は、本発明の実施の形態1における合成樹脂製の対物レンズを射出成型によって生産する場合に用いる金型の形状を示す図であり、図5(B)は、本発明の実施の形態1における対物レンズの金型の加工について説明するための図である。
図2に示した本実施の形態1の対物レンズ10の接続面15a,15b,15c,・・・は、対物レンズ10の光軸OAに対して27.1[deg]の角度θ(θ=θ)を有している。図5(A)に示すように、対物レンズ10を射出成型によって大量生産する場合に用いる金型17において、接続面15a,15b,15c,・・・に対応する加工面17a,17b,17c,・・・は光軸OAに対して角度θを有する。従って、図5(B)に示すように、金型17を加工するバイト(刃物)19の刃先角度θを角度θと等しい27.1[deg]とすることで、金型17の加工面17a,17b,17c,・・・を容易に加工することができる。また、バイト19の先端が極端に細くならないため、金型加工時にバイトの先端がチッピングする(欠ける)のを抑制することができる。
また、対物レンズ10の接続面15a,15b,15c,・・・は、対物レンズ10の光軸OAを回転軸とした円錐面の一部から構成される。そのため、射出成型する際に、円形光学面12o、輪帯状光学面12a,12b,12c,・・・、及び接続面15a,15b,15c,・・・における転写不良が生じにくく、また離型性も向上し、収差性能の良好な対物レンズを得ることができる。
さらに、有効半径Re[mm]の位置に対応する最外周近傍において、入射する光線がレンズ面で屈折及び回折された際に光路が遮断されないよう、接続面15a,15b,15c,・・・と光軸OAとのなす角度θは、角度θと等しい27.1[deg]としている。そのため、接続面が光軸OAを回転軸とした円筒面の一部から構成される場合と比較して、実質的に光量損失が発生しない。従って、最も光量損失が大きくなる最外周近傍において、回折効率の低下の少ない良好な対物レンズを得ることができる。
以上の本実施の形態1の構成によれば、対物レンズのベース非球面に形成されている回折構造において、隣接する輪帯状光学面同士を接続する輪帯状の接続面と対物レンズの光軸とのなす角度θは、光軸に対して平行に入射した光線がレンズ面で屈折及び回折された光線と、光軸とのなす角度θと等しく、角度θは、上記の式(8)で表される。
これにより、最も光量損失が大きくなる最外周近傍において、回折効率の低下の少ない良好な対物レンズを得ることができる。
また、射出成形に用いる金型の加工が容易になると共に、金型加工時にバイトの先端がチッピングするのを抑制できる。さらに、射出成形する際の転写性及び離型性も向上するので、収差性能の良好な対物レンズを得ることができる。
なお、本実施の形態1の対物レンズ10は、θ=θとなる場合について説明しているが、0<θ≦θとなる範囲においては、実質的に最も光量損失が大きくなる最外周近傍において、回折効率の低下の少ない良好な対物レンズを得ることができる。なお、金型を加工するバイトの先端が極端に細くなると、金型加工時にバイトの先端がチッピングするおそれがあるため、角度θは20[deg]以上とすることが好ましい。
以上より、輪帯状の接続面と対物レンズの光軸とのなす角度θは、射出成形の際の転写性、離型性及び金型の加工性等を鑑みて0<θ≦θの範囲内、より好ましくは、20[deg]≦θ≦θの範囲内で適宜変更してもよい。
なお、図6(A)及び図6(B)に示すように、ベース非球面に形成された回折構造による実際の光学面のレンズ傾斜角θは、ベース非球面のレンズ傾斜角θとは異なる。図6(A)は、ベース非球面のレンズ傾斜角を示す図であり、図6(B)は、回折構造による実際のレンズ面のレンズ傾斜角を示す図である。
ここで、図6(B)に示す段差の間隔Δtが、回折効率が最大となるよう、波長λの整数倍の位相差を与えるように形成されている場合、光線Xがベース非球面に形成される回折構造によって屈折及び回折された光線Yの出射角(図3における出射角θ)は、スネルの法則に従って、光線Xが回折構造による実際の光学面で屈折された場合のレンズ傾斜角θと等しくなる。
すなわち、レンズ傾斜角θは、下記の式(10)で表される。
sinθ=n・sinθ (10)
したがって、出射角θは、下記の式(11)で表される。
Figure 0005602833
ここで、図3に示したように、角度θは、明らかに、下記の式(12)で表される。
θ=θ−θ (12)
したがって、角度θは、下記の式(13)で表される。
Figure 0005602833
従って、上記の式(8)の代わりに、回折構造による実際の光学面のレンズ傾斜角θを用いた上記の式(13)を適用することも可能である。
すなわち、円錐接続面と対物レンズ10の光軸OAとのなす角度θ[deg]は、下記の式(14)を満たしてもよい。
Figure 0005602833
なお、θ[deg]は対物レンズ10の有効領域の最外周における輪帯状光学面のレンズ傾斜角を表し、nは対物レンズ10に入射するレーザ光の光源波長における対物レンズ10の屈折率を表す。
なお、本実施の形態1では、レーザ光が入射するレンズ面12のみに回折構造が形成されているが、本発明は特にこれに限定されず、レンズ面12及びレンズ面13の両面に回折構造が形成されていてもよい。このことは、他の実施の形態の対物レンズについても同様である。
(実施の形態2)
図7は、本発明の実施の形態2における対物レンズの構成を示す図である。図7の左図は、本実施の形態2の合成樹脂製の対物レンズ20の構成を示す平面図であり、図7の右図は、対物レンズ20の構成を示す断面図である。対物レンズ20の光源側(レーザ光の入射する側)のレンズ面22は、ベース非球面を備えている。このベース非球面に、対物レンズ20の光軸OAを中心とした輪帯状の複数の光学面を有する階段状の回折構造が形成されている。
一方、レンズ面22に対向する対物レンズ20の光ディスク側(レーザ光が出射する側)のレンズ面23は、球面又は非球面となっている。
図8は、本実施の形態2における対物レンズ20のレンズ面22の光軸OA付近を示す部分拡大断面図である。
レンズ面22のベース非球面に形成されている回折構造は、光軸OAを中心とした円形光学面22oと、円形光学面22oの外側に設けられた同心の輪帯状光学面22a,22b,22c,・・・とで構成されている。また、円形光学面22oと、輪帯状光学面22aとは、輪帯状の円筒接続面25aによって接続される。輪帯状光学面22a,22b,22d,22e,22f,・・・と、輪帯状光学面22a,22b,22d,22e,22f,・・・に隣接する輪帯状光学面22b,22c,22e,22f,22g,・・・とは、輪帯状の円筒接続面25b,25c,25d,25e,25f,・・・によって接続される。輪帯状光学面22c,22g,・・・と、輪帯状光学面22c,22g,・・・に隣接する輪帯状光学面22d,22h,・・・とは、輪帯状の円錐接続面26a,26b,・・・によって接続される。
レンズ面22は、光軸OAを中心とした円形形状を有する円形光学面22oと、断面が略階段形状でありかつ対物レンズ20の光軸OAを中心として輪帯状に分割された複数の輪帯状光学面22a,22b,22c,22d,・・・とからなる光学面221と、互いに隣接する複数の輪帯状光学面同士を接続する複数の接続面251とを有している。なお、本発明において、階段形状との文言は、階段形状に類似した略階段形状も含む。
複数の接続面251は、対物レンズ20の光軸OAを中心とした円筒面で構成される円筒接続面25bと、対物レンズ20の光軸OAを中心とした円筒面で構成される円筒接続面25cと、対物レンズ20の光軸OAを中心とした円錐面で構成される円錐接続面26aとを少なくとも含む。また、複数の輪帯状光学面は、輪帯状光学面22aと、輪帯状光学面22aに隣接する輪帯状光学面22bと、輪帯状光学面22bに隣接する輪帯状光学面22cと、輪帯状光学面22cに隣接する輪帯状光学面22dとを少なくとも含む。
輪帯状光学面22aは、輪帯状光学面22bよりも対物レンズ20の光軸OAに近く、輪帯状光学面22bは、輪帯状光学面22cよりも対物レンズ20の光軸OAに近く、輪帯状光学面22cは、輪帯状光学面22dよりも対物レンズ20の光軸OAに近い。
ここで、光学面221と対物レンズ20の光軸OAとの交点で、光学面221に接する平面を基準面RPとする。輪帯状光学面22bと基準面RPとの間隔は、輪帯状光学面22aと基準面RPとの間隔よりも大きく、輪帯状光学面22cと基準面RPとの間隔は、輪帯状光学面22bと基準面RPとの間隔よりも大きく、輪帯状光学面22dと基準面RPとの間隔は、輪帯状光学面22cと基準面RPとの間隔よりも小さい。
なお、本実施の形態2において、各輪帯状光学面と基準面との間隔は、例えば各輪帯状光学面の半径方向の長さの中点から基準面までの間隔を表すが、本発明は特にこれに限定されず、例えば各輪帯状光学面の基準面に最も近い点から基準面までの間隔を表してもよい。
円筒接続面25bは、輪帯状光学面22aと輪帯状光学面22bとを接続する。円筒接続面25cは、輪帯状光学面22bと輪帯状光学面22cとを接続する。円錐接続面26aは、輪帯状光学面22cと輪帯状光学面22dとを接続する。
輪帯状光学面22a,22b,22c,22d、円筒接続面25a,25b,25c及び円錐接続面26aが対物レンズ20の外周方向へ繰り返し形成されることにより、対物レンズ20の回折構造が形成される。
なお、本実施の形態において、輪帯状光学面22a,22b,22c,22d,・・・は分割面の一例に相当し、光学面221は光学面の一例に相当し、複数の接続面251は複数の接続面の一例に相当し、円筒接続面25bは第1の接続面の一例に相当し、円筒接続面25cは第2の接続面の一例に相当し、円錐接続面26aは第3の接続面の一例に相当し、輪帯状光学面22aは第1の分割面の一例に相当し、輪帯状光学面22bは第2の分割面の一例に相当し、輪帯状光学面22cは第3の分割面の一例に相当し、輪帯状光学面22dは第4の分割面の一例に相当し、基準面RPは基準面の一例に相当する。
回折構造を形成する円形光学面22o及び輪帯状光学面22a,22b,22c,22d,・・・自身は、球面又は非球面からなる光学面である。対物レンズ20のレンズ面22の断面は、図8に示すように略階段形状となっている。階段形状の回折構造は4段を一周期とし、階段形状の段差は、例えば所定の基準波長λ[μm]において、回折効率が最大となるように決定されるか、又は、複数の波長の回折効率のバランスを鑑みて決定される。
円筒接続面25aは、その内側の円形光学面22oとその外側の輪帯状光学面22aとを接続している。円筒接続面25b,25c,・・・は、その内側の輪帯状光学面22a,22b,・・・と、その外側の輪帯状光学面22b,22c,・・・とを接続している。
また、円錐接続面26aは、その内側の輪帯状光学面22cと、その外側の輪帯状光学面22dとを接続している。
さらに、円筒接続面25d,25e,25f,・・・は、その内側の輪帯状光学面22d,22e,22f,・・・と、その外側の輪帯状光学面22e,22f,22g,・・・とを接続している。円錐接続面26bは、その内側の輪帯状光学面22gと、その外側の輪帯状光学面22hとを接続している。
図8に示すように、円筒接続面25a,25b,25c,・・・は、4段を一周期とする階段形状の回折構造のうち、対物レンズ20の厚さが小さくなる方向に段差(間隔Δt/3)を形成し、円錐接続面26a,26b,・・・は、4段を一周期とする階段形状の回折構造のうち、対物レンズ20の厚さが大きくなる方向に段差(間隔Δt)を形成している。円筒接続面25a,25b,25c,25d,25e,25fの光軸方向の長さは、円錘接続面26a,26bの光軸方向の長さより短い。なお、本実施の形態では、円筒接続面の光軸方向の長さは、円錘接続面の光軸方向の長さの例えば1/3である。
また、円筒接続面25a,25b,25c,・・・は、対物レンズ20の光軸OAと平行であり、円錘接続面26a,26b,・・・は、対物レンズ20の光軸OAと所定の角度θをなしている。
図9(A)〜(D)は、本発明の実施の形態2における隣接する輪帯状光学面を接続する接続面の角度と光量損失との関係を示す図である。図9(A)は、円錐接続面の角度θが角度θに等しい場合の接続面の角度と光量損失との関係を示す図であり、図9(B)は、円錐接続面の角度θが0である場合の接続面の角度と光量損失との関係を示す図であり、図9(C)は、円筒接続面の角度θが0である場合の接続面の角度と光量損失との関係を示す図であり、図9(D)は、円筒接続面の角度θが0より大きい場合の接続面の角度と光量損失との関係を示す図である。
ここで、図9(A)に示すように、隣接する輪帯状光学面を接続する段差の間隔(Δt)が大きい円錐接続面(例えば円錐接続面26x)と光軸OAとのなす角度θが、上記の式(8)で求められる角度θと同じである(θ=θ)と、外周側に隣接する輪帯状光学面(例えば輪帯状光学面22x)に入射する光線Xがレンズ面で屈折及び回折された光線Yの光路は、遮断されない。
また、図9(B)に示すように、光線Xより内周側の光線X’がレンズ面22で屈折及び回折された光線Y’の光路は、円錐接続面26zが光軸OAと平行である、すなわち角度θが0である(θ=0)場合、遮断される。すなわち、接続面の形状が、図9(A)に示したθ=θの構成と、図9(B)に示すθ=0の構成とでは、実質的に光量損失すなわち回折効率の低下は同等であり、さらに0<θ≦θの範囲であれば、光量損失すなわち回折効率の低下が同等となることは明らかである。
すなわち、対物レンズ20は、開口数が0.8以上であるとともに、合成樹脂製である。光学面221は、断面が略階段形状の回折構造を有し、円錐接続面と対物レンズ20の光軸OAとのなす角度θ[deg]は、下記の式(15)を満たす。
Figure 0005602833
なお、λ[μm]は対物レンズ20に入射するレーザ光の光源波長を表し、nは対物レンズ20の波長λにおける屈折率を表し、θ[deg]は対物レンズ20の有効領域の最外周におけるベース非球面のレンズ傾斜角を表し、d[μm]は回折構造の光軸OAと垂直な方向の一周期のピッチを表し、mは回折構造で発生する波長λのレーザ光の主たる回折光の回折次数を表す。
一方、図9(C)に示すように、隣接する輪帯状光学面を接続する段差の間隔(Δt/3)が小さい円筒接続面(例えば円筒接続面25x)と光軸OAとのなす角度θが0である(θ=0)場合、外周側に隣接する輪帯状光学面(例えば輪帯状光学面22v)に入射する光線Vがレンズ面22で屈折及び回折された光線Wの光路は、円筒接続面25xによって遮断されない。
ところが、図9(D)に示すように、円筒接続面(例えば円筒接続面25x)と光軸OAとのなす角度θが0より大きい(θ>0)場合、外周側に隣接する輪帯状光学面(例えば輪帯状光学面22v)に入射する光線Vは、円筒接続面25xによって遮断される。そのため、図9(C)に示す構成と比較した場合、図9(D)に示す構成では、光量損失すなわち回折効率の低下が発生する。
本実施の形態2の合成樹脂製の対物レンズ20において、使用する光源の基準波長λを0.405[μm]とし、合成樹脂の波長λにおける屈折率nを1.52とし、有効半径Re[mm]におけるベース非球面のレンズ傾斜角θを60[deg]とし、回折構造(一周期)のピッチdを10[μm]とし、回折次数mを+1[次]とすると、上記の式(8)より、角度θは、27.1[deg]となる。
図10(A)は、本発明の実施の形態2における合成樹脂製の対物レンズを射出成型によって生産する場合に用いる金型の形状を示す図であり、図10(B)は、本発明の実施の形態2における対物レンズの金型の加工について説明するための図である。
図10(A)に示す本実施の形態2の対物レンズ20の円錐接続面26a,26bは、対物レンズ20の光軸OAに対して27.1[deg]の角度θ(θ=θ)を有しており、円筒接続面25a,25b,25c,25dは、対物レンズ20の光軸OAに対して平行である。
従って、図10(A)に示すように、対物レンズ20を射出成型によって大量生産する場合に用いる金型27において、円筒接続面25a,25b,25c,25dに対応する加工面27a,27b,27c,27dは光軸OAに対して平行であり、円錘接続面26a,26bに対応する加工面28a,28bは光軸OAに対して角度θを有する。従って、図10(B)に示すように、金型27を加工するバイト(刃物)29の刃先角度θを角度θと等しい27.1[deg]とすることで、金型27の加工面27a,27b,27c,27d及び加工面28a,28bを容易に加工することができる。また、バイト29の先端が極端に細くならないため、金型加工時にバイトの先端がチッピングする(欠ける)のを抑制することができる。
また、対物レンズ20の複数の接続面のうち、段差の間隔(Δt/3)が小さい円筒接続面25a,25b,25c,・・・は、対物レンズ10の光軸OAを回転軸とした円筒面の一部から構成され、段差の間隔(Δt)が大きい円錐接続面26a,26b,・・・は、対物レンズ20の光軸OAを回転軸とした円錐面の一部から構成される。そのため、射出成型する際に、円形光学面22o、輪帯状光学面22a,22b,22c,・・・、円筒接続面25a,25b,25c,・・・、及び円錐接続面26a,26b,・・・における転写不良が生じにくく、また離型性も向上し、収差性能の良好な対物レンズを得ることができる。
さらに、有効半径Re[mm]の位置に対応する最外周近傍において、入射する光線がレンズ面で屈折及び回折された際に光路が遮断されないよう、段差の間隔(Δt)が大きい円錐接続面26a,26b,・・・と光軸OAとのなす角度θは、角度θと等しい27.1[deg]としている。そのため、円錐接続面が光軸OAを回転軸とした円筒面の一部から構成される場合と比較して、実質的に光量損失が発生しない。従って、最も光量損失が大きくなる最外周近傍において、回折効率の低下の少ない良好な対物レンズを得ることができる。
一方、段差の間隔(Δt/3)が小さい円筒接続面25a,25b,25c,・・・は、光軸OAを回転軸とした円筒面の一部から構成されるので、実質的に光量損失は発生しない。従って、回折効率の低下の少ない良好な対物レンズを得ることができる。
以上の本実施の形態2の構成によれば、対物レンズ20のベース非球面に形成されている回折構造において、隣接する輪帯状光学面同士を接続する輪帯状の接続面のうち、段差の間隔(Δt)が大きい円錐接続面と対物レンズ20の光軸OAとのなす角度θは、光軸OAに対して平行に入射した光線がレンズ面で屈折及び回折された光線と、光軸OAとのなす角度θと等しく(θ=θ)、角度θは、上記の式(8)で表される。
これにより、最も光量損失が大きくなる最外周近傍において、回折効率の低下の少ない良好な対物レンズを得ることができる。
また、射出成形に用いる金型の加工が容易になると共に、金型加工時にバイトの先端がチッピングするのを抑制できる。さらに、射出成形する際の転写性及び離型性も向上するので、収差性能の良好な対物レンズを得ることができる。
なお、本実施の形態2の対物レンズ20は、θ=θとなる場合について説明しているが、0<θ≦θとなる範囲においては、実質的に最も光量損失が大きくなる最外周近傍において、回折効率の低下の少ない良好な対物レンズを得ることができる。なお、金型を加工するバイトの先端が極端に細くなると、金型加工時にバイトの先端がチッピングするおそれがあるため、角度θは20[deg]以上とすることが好ましい。
すなわち、対物レンズ20は、開口数が0.8以上であるとともに、合成樹脂製である。光学面221は、断面が略階段形状の回折構造を有し、円錐接続面と対物レンズ20の光軸OAとのなす角度θ[deg]は、下記の式(16)を満たすことが好ましい。
Figure 0005602833
なお、λ[μm]は対物レンズ20に入射するレーザ光の光源波長を表し、nは対物レンズ20の波長λにおける屈折率を表し、θ[deg]は対物レンズ20の有効領域の最外周におけるベース非球面のレンズ傾斜角を表し、d[μm]は回折構造の光軸OAと垂直な方向の一周期のピッチを表し、mは回折構造で発生する波長λのレーザ光の主たる回折光の回折次数を表す。
以上より、輪帯状の円錐接続面と対物レンズの光軸とのなす角度θは、射出成形の際の転写性、離型性及び金型の加工性等を鑑みて0<θ≦θの範囲内、より好ましくは、20[deg]≦θ≦θの範囲内で適宜変更してもよい。
ところで、本実施の形態2の対物レンズ20を成形するに当たって、実際にバイトを作成して金型を加工した結果、バイトの刃先の角度θは、θ≒45[deg]、より具体的にはθ=45±5[deg]の範囲内とすることで、バイト自身の加工性が向上すると共に、金型加工時にバイトの先端がチッピングするのを抑制し、さらには、射出成形の際の転写性及び離型性が良好になることが確認できた。
図11は、本発明の実施の形態2における円錐接続面の角度を説明するための図である。
ここで、図11に示すように、段差の間隔(Δt/3)が小さい円筒接続面25xが光軸に平行となるように構成することにより、回折効率の低下をある程度抑制できる。そのため、段差の間隔(Δt)が大きい円錐接続面26xと光軸とのなす角度θが角度θより大きい場合であっても、角度θを、θ≒45[deg]、より具体的にはθ=45±5[deg]とすることによって、射出成形の際の転写性、離型性及び金型の加工性等はさらに良好となるので、これらを重視して収差性能の良好な対物レンズを得ることができる。
すなわち、輪帯状の円錐接続面と対物レンズの光軸とのなす角度θを、θ=45±5[deg]の範囲で適宜変更することも、本発明の適用範囲内である。円錐接続面と対物レンズ20の光軸OAとのなす角度θ[deg]は、θ=45±5を満たすことが好ましい。
(実施の形態3)
図12は、本発明の実施の形態3における対物レンズの構成を示す図である。図12の左図は、本実施の形態3の合成樹脂製の対物レンズ30の構成を示す平面図であり、図12の右図は、本実施の形態3の対物レンズ30の構成を示す断面図である。対物レンズ30の光源側(レーザ光の入射する側)のレンズ面32は、ベース非球面を備えている。このベース非球面に、対物レンズ30の光軸OAを中心とした輪帯状の複数の光学面を有する階段状の回折構造が形成されている。
一方、レンズ面32に対向する対物レンズ30の光ディスク側(レーザ光が出射する側)のレンズ面33は、球面又は非球面となっている。
レンズ面32は、対物レンズ30の光軸を含む内周領域34と、内周領域34よりも外周側に配置された外周領域35とを有している。外周領域35は、内周領域34に接している。レンズ面32のベース非球面に形成されている内周領域34の回折構造は、光軸OAを中心とした円形光学面32oと、円形光学面32oの外側に設けられた同心の輪帯状光学面32a,32b,32c,・・・とで構成されている。回折構造を形成する円形光学面32o及び輪帯状光学面32a,32b,32c,・・・自身は、球面又は非球面からなる光学面である。図12に示すように、光軸OAを含む内周領域34において、対物レンズ30のレンズ面32の断面は、略階段形状となっている。
一方、内周領域34の周辺の外周領域35において、対物レンズ30のレンズ面32の断面は、略鋸歯形状となっている。レンズ面32のベース非球面に形成されている外周領域35の回折構造は、同心の輪帯状光学面42a,42b,42c,・・・で構成されている。
本実施の形態3の対物レンズ30は、例えば、波長λ[μm]の青紫レーザ光を用いて情報を記録又は再生するBDと、波長λより大きい波長λ(λ<λ)[μm]の赤色レーザ光を用いて情報を記録又は再生するDVDとを互換可能な互換対物レンズとして用いられる。
図12に示す内周領域34は、BDとDVDとの互換領域であり、開口数が約0.60〜0.65に相当する。内周領域34は、厚さ約0.1mmの光透過層を有するBDの情報記録面に青紫レーザ光を収束させると共に、厚さ約0.6mmの光透過層を有するDVDの情報記録面に赤色レーザ光を収束させるよう、階段形状の回折構造が決定される。なお、階段形状の回折構造の光軸方向の段差の間隔は、例えば4段を一周期とし、BDとDVDとの互換性能と、波長λ[μm]と波長λ[μm]とにおける回折効率のバランスとを鑑みて決定される。
例えば、円筒接続面の段差の間隔(Δt/3)は、波長λの青紫レーザ光(λ=405nm)に対して、約1.25×λ[μm]の光路差を与え、波長λの赤色レーザ光(λ=660nm)に対して、約0.75×λ[μm]の光路差を与えるように決定される。
すなわち、円筒接続面の対物レンズ30の光軸方向の長さL1は、波長λ(0.39μm≦λ≦0.43μm)のレーザ光に対して、λ以上の位相差を与え、波長λ(0.61μm≦λ≦0.69μm)のレーザ光に対して、λ以下の位相差を与えることが好ましい。そして、対物レンズ30のベース非球面の屈折作用と回折構造の回折作用とによって、光学面321に入射した波長λのレーザ光と波長λのレーザ光とは、いずれも対物レンズ30の光軸方向に出射される。
これにより、波長λと波長λとで逆方向の鋸歯形状を近似できるため、最大回折効率が得られる回折光の回折方向が逆となり、BDとDVDとの互換が容易になる。
図13は、本発明の実施の形態3における対物レンズの内周領域を示す部分拡大断面図である。図14は、本発明の実施の形態3における対物レンズの外周領域を示す部分拡大断面図である。
図13に示すように、内周領域34において、円形光学面32oと、輪帯状光学面32aとは、輪帯状の円筒接続面35aによって接続される。輪帯状光学面32a,32b,32d,32e,32f,・・・と、輪帯状光学面32a,32b,32d,32e,32f,・・・に隣接する輪帯状光学面32b,32c,32e,32f,32g,・・・とは、輪帯状の円筒接続面35b,35c,35d,35e,35f,・・・によって接続される。輪帯状光学面32c,32g,・・・と、輪帯状光学面32c,32g,・・・に隣接する輪帯状光学面32d,32h,・・・とは、輪帯状の円錐接続面36a,36b,・・・によって接続される。
レンズ面32の内周領域34は、光軸OAを中心とした円形形状を有する円形光学面32oと、断面が略階段形状でありかつ対物レンズ30の光軸OAを中心として輪帯状に分割された複数の輪帯状光学面32a,32b,32c,・・・とからなる光学面321と、互いに隣接する複数の輪帯状光学面同士を接続する複数の接続面351とを有している。
複数の接続面351は、対物レンズ30の光軸OAを中心とした円筒面で構成される円筒接続面35bと、対物レンズ30の光軸OAを中心とした円筒面で構成される円筒接続面35cと、対物レンズ30の光軸OAを中心とした円錐面で構成される円錐接続面36aとを少なくとも含む。また、複数の輪帯状光学面は、輪帯状光学面32aと、輪帯状光学面32aに隣接する輪帯状光学面32bと、輪帯状光学面32bに隣接する輪帯状光学面32cと、輪帯状光学面32cに隣接する輪帯状光学面32dとを少なくとも含む。
なお、光学面321及び複数の接続面351の構成は、実施の形態2における光学面221及び複数の接続面251の構成と同じである。
円筒接続面35aは、その内側の円形光学面32oとその外側の輪帯状光学面32aとを接続している。円筒接続面35b,35c,・・・は、その内側の輪帯状光学面32a,32b,・・・と、その外側の輪帯状光学面32b,32c,・・・とを接続している。
また、円錐接続面36aは、その内側の輪帯状光学面32cと、その外側の輪帯状光学面32dとを接続している。
さらに、円筒接続面35d,35e,35f,・・・は、その内側の輪帯状光学面32d、32e,32f,・・・と、その外側の輪帯状光学面32e,32f,32g,・・・とを接続している。円錐接続面36bは、その内側の輪帯状光学面32gと、その外側の輪帯状光学面32hとを接続している。
図13に示すように、内周領域34の円筒接続面35a,35b,35c,・・・は、4段を一周期とする階段形状の回折構造のうち、対物レンズ30の厚さが小さくなる方向に段差(間隔Δt/3)を形成し、円錐接続面36a,36b,・・・は、4段を一周期とする階段形状の回折構造のうち、対物レンズ30の厚さが大きくなる方向に段差(間隔Δt)を形成している。
また、円筒接続面35a,35b,35c,・・・は、対物レンズ30の光軸OAと平行であり、円錘接続面36a,36b,・・・は、対物レンズ30の光軸OAと所定の角度θb1をなしている。
一方、図14に示す外周領域35は、BD専用の領域であり、開口数が約0.85に相当する。外周領域35は、厚さ約0.1mmの光透過層を有するBDの情報記録面に青紫レーザ光を収束させるよう、鋸歯形状の回折構造が決定される。なお、鋸歯形状の回折構造の円錐接続面の光軸方向の段差の間隔(Δt)は、例えば波長λ[μm]において、回折効率が最大となるように決定される。
レンズ面32の外周領域35は、断面が略鋸歯形状でありかつ対物レンズ30の光軸OAを中心として輪帯状に分割された複数の輪帯状光学面42a,42b,42c,・・・からなる光学面421と、互いに隣接する複数の輪帯状光学面同士を接続する、対物レンズ30の光軸OAを中心とした円錐面で構成される円錐接続面45a,45b,45c,・・・とを有している。
複数の輪帯状光学面は、輪帯状光学面42aと、輪帯状光学面42aに隣接する輪帯状光学面42bとを少なくとも含む。
なお、光学面421及び円錐接続面45a,45b,45c,・・・の構成は、実施の形態1における光学面121及び接続面15b,15c,・・・の構成と同じである。ただし、光学面421は、円形光学面32oを含まない。
なお、本実施の形態において、内周領域34が第1領域の一例に相当し、外周領域35が第2領域の一例に相当し、輪帯状光学面42a,42b,42c,・・・が外周分割面の一例に相当し、光学面421が外周光学面の一例に相当し、円錐接続面45a,45b,45c,・・・が外周接続面の一例に相当し、輪帯状光学面42aが第1の外周分割面の一例に相当し、輪帯状光学面42bが第2の外周分割面の一例に相当する。
図14に示すように、外周領域35の円錐接続面45a,45b,45c,・・・は、その内側の輪帯状光学面42a,42b,42c,・・・と、その外側の輪帯状光学面42b,42c,42d,・・・とを接続している。円錐接続面45a,45b,45c,・・・は、いずれも対物レンズ30の光軸OAと所定の角度θb2をなしている。
本実施の形態3の合成樹脂製の対物レンズ30において、使用する光源の第1の基準波長λを0.405[μm]とし、合成樹脂の波長λにおける屈折率nを1.52とし、有効半径Re[mm]におけるベース非球面のレンズ傾斜角θを60[deg]とし、回折構造のピッチdを10[μm]とし、波長λにおいて回折効率が最大となる回折次数mを+1[次]とすると、上記の式(8)より、角度θは、27.1[deg]となる。
図13に示す本実施の形態3の対物レンズ30の内周領域34の円錐接続面36a,36b,・・・は、対物レンズ30の光軸OAに対して27.1[deg]の角度θb1(θb1=θ)を有しており、円筒接続面35a,35b,35c,・・・は、対物レンズ20の光軸OAに対して平行である。
また、外周領域35の円錐接続面45a,45b,45c,・・・も、対物レンズ30の光軸OAに対して27.1[deg]の角度θb2(θb2=θ)を有している。
従って、実施の形態1及び実施の形態2と同様に、本実施の形態3の対物レンズ30を射出成型によって大量生産する場合、金型を加工するバイト(刃物)の刃先角度θを角度θb1及び角度θb2と等しい27.1[deg]とすることで、略階段形状の内周領域34と略鋸歯形状の外周領域35とを含む金型全領域の加工面を、単一のバイトを用いて容易に加工することができる。また、バイトの先端が極端に細くならないため、金型加工時にバイトの先端がチッピングする(欠ける)のを抑制することができる。また、射出成型する際に、転写不良が生じにくく、離型性も向上し、収差性能の良好な対物レンズを得ることができる。
なお、円錐接続面36a,36b,・・・と対物レンズ30の光軸OAとのなす角度θb1[deg]は、円錐接続面45a,45b,45c,・・・と対物レンズ30の光軸OAとのなす角度θb2[deg]と等しいことが好ましい。
さらに、有効半径Re[mm]の位置に対応する最外周近傍において、入射する光線がレンズ面で屈折及び回折された際に光路が遮断されないよう、円錐接続面45a,45b,45c,・・・と光軸OAとのなす角度θb2は、角度θと等しい27.1[deg]としているので、光量損失を抑制できる。従って、最も光量損失が大きくなる最外周近傍において、回折効率の低下の少ない良好な対物レンズを得ることができる。
また、内周領域34においても、段差の間隔(Δt/3)が小さい円筒接続面35a,35b,35c,・・・は、光軸OAを回転軸とした円筒面の一部から構成されるので、回折効率の低下の少ない良好な対物レンズを得ることができる。
図15は、本発明の実施の形態3において、内周領域における円筒接続面の間隔及び円錐接続面の間隔について説明するための図である。
本実施の形態3の対物レンズ30においては、階段形状の回折構造の段差の間隔(Δt)が、波長λの青紫レーザ光に対して、λ以上の光路差を与え、波長λの赤色レーザ光に対して、λ以下の光路差を与えるように決定される。そのため、波長λの青紫レーザ光の回折方向は、波長λの赤色レーザ光の回折方向と逆となっている。
しかしながら、回折構造が対物レンズのベース非球面に形成されているので、図15に示すように、波長λの青紫レーザ光と波長λの赤色レーザ光とが、いずれもレンズ面で屈折及び回折されて対物レンズ30の光軸OA側に出射される。すなわち、対物レンズ30は、実質的に凸レンズのパワーを持つ。そのため、段差の間隔(Δt/3)が小さい円筒接続面が光軸OAを回転軸とした円筒面の一部から構成されることで、いずれの波長の光線の光路も遮断されないので、回折効率の低下を抑制することができる。
以上の本実施の形態3の構成によれば、対物レンズ30のベース非球面に形成されている回折構造において、隣接する輪帯状光学面同士を接続する輪帯状の接続面のうち、段差の間隔(Δt)が大きい、内周領域34における円錐接続面と対物レンズ30の光軸OAとのなす角度θb1と、隣接する輪帯状光学面同士を接続する、外周領域35における輪帯状の円錐接続面と対物レンズ30の光軸OAとのなす角度θb2とは、光軸OAに対して平行に入射した光線がレンズ面で屈折及び回折された光線と、光軸OAとのなす角度θと等しく(θb1=θb2=θ)、角度θは、上記の式(8)で表される。
あるいは、実施の形態1と同様に、回折構造による実際の光学面のレンズ傾斜角θを用いて、角度θは、上記の式(13)で表してもよい。
すなわち、円錐接続面45a,45b,45c,・・・と対物レンズ30の光軸OAとのなす角度θb2[deg]は、下記の式(17)を満たしてもよい。
Figure 0005602833
なお、θ[deg]は対物レンズ30の有効領域の最外周における輪帯状光学面のレンズ傾斜角を表し、nは対物レンズ30に入射するレーザ光の光源波長における対物レンズ30の屈折率を表す。
これにより、最も光量損失が大きくなる最外周近傍において、回折効率の低下の少ない良好な対物レンズを得ることができる。
また、射出成形に用いる金型の加工が容易になると共に、金型加工時にバイトの先端がチッピングするのを抑制できる。さらに、射出成形する際の転写性及び離型性も向上するので、収差性能の良好な対物レンズを得ることができる。
なお、本実施の形態3の対物レンズ30は、θb1=θb2=θとなる場合について説明しているが、0<θb1=θb2≦θとなる範囲においては、実質的に最も光量損失が大きくなる最外周近傍において、回折効率の低下の少ない良好な対物レンズを得ることができる。
すなわち、対物レンズ30は、開口数が0.8以上であるとともに、合成樹脂製であることが好ましい。光学面421は、断面が略鋸歯形状の回折構造であり、円錐接続面45a,45b,45c,・・・と対物レンズ30の光軸OAとのなす角度θb2[deg]は、下記の式(18)を満たすことが好ましい。
Figure 0005602833
なお、λ[μm]は対物レンズ30に入射するレーザ光の光源波長を表し、nは対物レンズ30の波長λにおける屈折率を表し、θ[deg]は対物レンズ30の有効領域の最外周におけるベース非球面のレンズ傾斜角を表し、d[μm]は回折構造の光軸OAと垂直な方向の一周期のピッチを表し、mは回折構造で発生する波長λのレーザ光の主たる回折光の回折次数を表す。
なお、金型を加工するバイトの先端が極端に細くなると、金型加工時にバイトの先端がチッピングするおそれがあるため、角度θb1及び角度θb2は20[deg]以上とすることが好ましい。
すなわち、円錐接続面45a,45b,45c,・・・と対物レンズ30の光軸OAとのなす角度θb2[deg]は、下記の式(19)を満たすことが好ましい。
Figure 0005602833
以上より、輪帯状の円錐接続面と対物レンズの光軸とのなす角度θb1及びθb2は、射出成形の際の転写性、離型性及び金型の加工性等を鑑みて0<θb1=θb2≦θの範囲内、より好ましくは、20[deg]≦θb1=θb2≦θの範囲内で適宜変更してもよい。
なお、実施の形態2で示したように、段差の間隔が小さい円筒接続面を光軸と平行に構成することにより、回折効率の低下をある程度抑制できる。そのため、角度θb1及び角度θb2を、θb1=θb2=45±5[deg]とすることによって、射出成形の際の転写性、離型性及び金型の加工性等はさらに良好となり、これらを重視して収差性能の良好な対物レンズを得ることができる。
すなわち、輪帯状の円錐接続面と対物レンズの光軸とのなす角度θb1及びθb2を、θb1=θb2=45±5[deg]の範囲で適宜変更することも、本発明の適用範囲内である。円錐接続面45a,45b,45c,・・・と対物レンズ30の光軸OAとのなす角度θb2[deg]は、θb2=45±5を満たすことが好ましい。
ここで、本発明の実施の形態3の対物レンズ30の具体的な形状について説明する。図16は、本発明の実施の形態3における対物レンズ30の内周領域と外周領域との境界部分の実形状を示す図である。
図16において、境界BPの左側が略階段形状の回折構造を有する内周領域34であり、境界BPの右側が略鋸歯形状の回折構造を有する外周領域35である。境界BPの近傍における内周領域34の円筒接続面の段差の間隔(Δt/3)は約1μmであり、円錐接続面の段差の間隔(Δt)は約3μmであり、線幅dは約3μmであり、レンズ傾斜角θは約50degである。
図17(A)〜図17(D)は、図16における内周領域の一部(内周領域と外周領域との境界近傍)を拡大した図である。図17(A)は、内周領域における接続面の理想的な形状を示す図であり、図17(B)は、特許文献2を適用した場合における接続面の形状を示す図であり、図17(C)は、特許文献1を適用した場合における接続面の形状を示す図であり、図17(D)は、本実施の形態3の内周領域における接続面の形状を示す図である。
図17(A)は、内周領域における略階段形状の接続面の段差の理想的な形状を示しているが、これまで述べたとおり、金型加工及び成形が非常に困難である。ここで、特許文献2で示されているように、輪帯状光学面の接続面を光軸に垂直な平面とすると、本実施の形態3の対物レンズ30は、段差の間隔(Δt)とレンズ傾斜角θとが大きく、線幅dが小さいので、図17(B)に示すように、内周側に隣接する輪帯状光学面32xのほぼ全域を失うこととなり、非常に大きな光量の損失が発生する。
一方、特許文献1に示されている接続面(境界部分)の幅は、下記の式(20)で示される。
0.05<Wt(n−1)/λ<0.60 (20)
なお、Wtは境界部分の幅(円錐面の光軸方向からの正射影の幅)を表し、nは単レンズの材料の屈折率を表し、λは単レンズを通る光線の波長を表す。
上記の式(20)を、本実施の形態3の対物レンズ30に当てはめると、nは1.52であり、λは0.405[μm]であるので、接続面(境界部分)の幅Wtは、下記の式(21)で表される。
0.039<Wt<0.467[μm] (21)
従って、本実施の形態3の対物レンズ30のように、円錐接続面の段差の間隔(Δt)が3[μm]である場合、図17(C)に示すように、円錐接続面と対物レンズ30の光軸とのなす角度θb1は、0.74<θb1<8.85[deg]の範囲にしかならず、本実施の形態3で述べた、20≦θb1≦θ[deg]の範囲、又はθb1=45±5[deg]と比較して、非常に小さい。
以上のように、図17(C)に示す特許文献1を適用した場合の接続面の形状は、図17(D)に示す本実施の形態3の円錐接続面の形状と比較して、金型を加工するためのバイトの先端が極端に細くなり、金型の加工性が大きく劣ることは明らかである。また、射出成形の際の転写性及び離型性についても、本実施の形態3の円錐接続面の形状の方が優位となることは言うまでもない。
(実施の形態4)
図18は、本発明の実施の形態4における対物レンズの構成を示す図である。図18の左図は、本実施の形態4の合成樹脂製の対物レンズ50の構成を示す平面図であり、図18の右図は、本実施の形態4の対物レンズ50の構成を示す断面図である。対物レンズ50の光源側(レーザ光の入射する側)のレンズ面52は、ベース非球面を備えている。このベース非球面に、対物レンズ50の光軸OAを中心とした輪帯状の複数の光学面を有する階段状の回折構造が形成されている。
一方、レンズ面52に対向する対物レンズ50の光ディスク側(レーザ光が出射する側)のレンズ面53は、球面又は非球面となっている。
レンズ面52は、対物レンズ50の光軸を含む内周領域54と、内周領域54よりも外周側に配置された外周領域55と、内周領域54と外周領域55との間に配置された中周領域56とを有している。レンズ面52のベース非球面に形成されている内周領域54の回折構造は、光軸OAを中心とした円形光学面52oと、円形光学面52oの外側に設けられた同心の輪帯状光学面52a,52b,52c,・・・とで構成されている。回折構造を形成する円形光学面52o及び輪帯状光学面52a,52b,52c,・・・自身は、球面又は非球面からなる光学面である。図18に示すように、光軸を含む内周領域54と中周領域56とにおいて、対物レンズ50のレンズ面52の断面は、略階段形状となっている。
一方、中周領域56の周辺の外周領域55において、対物レンズ50のレンズ面52の断面は、略鋸歯形状となっている。
図19は、本発明の実施の形態4における対物レンズの内周領域、中周領域及び外周領域を示す部分拡大断面図である。
レンズ面52の内周領域54は、光軸OAを中心とした円形形状を有する円形光学面52oと、断面が略階段形状でありかつ対物レンズ50の光軸OAを中心として輪帯状に分割された複数の輪帯状光学面52a,52b,52c,52d,・・・とからなる光学面521と、互いに隣接する複数の輪帯状光学面同士を接続する複数の接続面551とを有している。
複数の接続面551は、対物レンズ50の光軸OAを中心とした円筒面で構成される円筒接続面55bと、対物レンズ50の光軸OAを中心とした円筒面で構成される円筒接続面55cと、対物レンズ50の光軸OAを中心とした円錐面で構成される円錐接続面56aとを少なくとも含む。円錐接続面56aは、対物レンズ50の光軸OAと所定の角度θb1をなしている。また、複数の輪帯状光学面は、輪帯状光学面52aと、輪帯状光学面52aに隣接する輪帯状光学面52bと、輪帯状光学面52bに隣接する輪帯状光学面52cと、輪帯状光学面52cに隣接する輪帯状光学面52dとを少なくとも含む。
なお、光学面521及び複数の接続面551の構成は、実施の形態2における光学面221及び複数の接続面251の構成と同じである。
レンズ面52の外周領域55は、断面が略鋸歯形状でありかつ対物レンズ50の光軸OAを中心として輪帯状に分割された複数の輪帯状光学面72a,72b,72c,・・・からなる光学面721と、互いに隣接する複数の輪帯状光学面同士を接続する、対物レンズ50の光軸OAを中心とした円錐面で構成される円錐接続面75a,75b,・・・とを有している。円錐接続面75a,75b,・・・は、いずれも対物レンズ50の光軸OAと所定の角度θb2をなしている。
複数の輪帯状光学面は、輪帯状光学面72aと、輪帯状光学面72aに隣接する輪帯状光学面72bとを少なくとも含む。
なお、光学面721及び円錐接続面75a,75b,・・・の構成は、実施の形態1における光学面121及び接続面15b,15c,・・・の構成と同じである。ただし、光学面721は、円形光学面52oを含まない。
レンズ面52の中周領域56は、断面が略階段形状でありかつ対物レンズ50の光軸OAを中心として輪帯状に分割された複数の輪帯状光学面62a,62b,62c,62d,・・・とからなる光学面621と、互いに隣接する複数の輪帯状光学面同士を接続する複数の接続面651とを有している。
複数の接続面651は、対物レンズ50の光軸OAを中心とした円筒面で構成される円筒接続面65aと、対物レンズ50の光軸OAを中心とした円筒面で構成される円筒接続面65bと、対物レンズ50の光軸OAを中心とした円錐面で構成される円錐接続面66aとを少なくとも含む。円錐接続面66aは、対物レンズ50の光軸OAと所定の角度θb3をなしている。また、複数の輪帯状光学面は、輪帯状光学面62aと、輪帯状光学面62aに隣接する輪帯状光学面62bと、輪帯状光学面62bに隣接する輪帯状光学面62cと、輪帯状光学面62cに隣接する輪帯状光学面62dとを少なくとも含む。
輪帯状光学面62aは、輪帯状光学面62bよりも対物レンズ50の光軸OAに近く、輪帯状光学面62bは、輪帯状光学面62cよりも対物レンズ50の光軸OAに近く、輪帯状光学面62cは、輪帯状光学面62dよりも対物レンズ50の光軸OAに近い。
輪帯状光学面62bと基準面RPとの間隔は、輪帯状光学面62aと基準面RPとの間隔よりも大きく、輪帯状光学面62cと基準面RPとの間隔は、輪帯状光学面62aと基準面RPとの間隔よりも大きく、輪帯状光学面62dと基準面RPとの間隔は、輪帯状光学面62cと基準面RPとの間隔よりも小さい。
円筒接続面65aは、輪帯状光学面62aと輪帯状光学面62bとを接続し、円筒接続面65bは、輪帯状光学面62bと輪帯状光学面62cとを接続し、円錐接続面66aは、輪帯状光学面62cと輪帯状光学面62dとを接続する。
円筒接続面65a,65bの対物レンズ50の光軸方向の長さは、円錐接続面66aの対物レンズ50の光軸方向の長さより短い。
なお、本実施の形態では、内周領域54において、円筒接続面55a,55b,55cの光軸方向の長さは、円錘接続面56aの光軸方向の長さの例えば1/7であり、中周領域56において、円筒接続面65a,65bの光軸方向の長さは、円錘接続面66aの光軸方向の長さの例えば1/3である。
なお、光学面621及び複数の接続面651の構成は、実施の形態2における光学面221及び複数の接続面251の構成と同じである。ただし、光学面621は、円形光学面52oを含まない。
また、本実施の形態において、内周領域54が第1領域の一例に相当し、外周領域55が第2領域の一例に相当し、中周領域56が第3領域の一例に相当し、輪帯状光学面62a,62b,62c,62d,・・・が中周分割面の一例に相当し、光学面621が中周光学面の一例に相当し、複数の接続面651が複数の中周接続面の一例に相当し、円筒接続面65aが第1の中周接続面の一例に相当し、円筒接続面65bが第2の中周接続面の一例に相当し、円錐接続面66aが第3の中周接続面の一例に相当し、輪帯状光学面62aが第1の中周分割面の一例に相当し、輪帯状光学面62bが第2の中周分割面の一例に相当し、輪帯状光学面62cが第3の中周分割面の一例に相当し、輪帯状光学面62dが第4の中周分割面の一例に相当する。
本実施の形態4の対物レンズ50は、例えば、波長λ[μm]の青紫レーザ光を用いて情報を記録又は再生するBDと、波長λ(λ<λ)[μm]の赤色レーザ光を用いて情報を記録又は再生するDVDと、波長λ(λ<λ)[μm]の赤外レーザ光を用いて情報を記録又は再生するCDとを互換可能な互換対物レンズとして用いられる。
図18及び図19に示す内周領域54は、BDとDVDとCDとの互換領域であり、開口数が約0.47〜0.52に相当する。内周領域54は、厚さ約0.1mmの光透過層を有するBDの情報記録面に青紫レーザ光を収束させると共に、厚さ約0.6mmの光透過層を有するDVDの情報記録面に赤色レーザ光を収束させ、さらに厚さ約1.2mmの光透過層を有するCDの情報記録面に赤外レーザ光を収束させるよう、階段形状の回折構造が決定される。なお、階段形状の回折構造の光軸方向の段差の間隔は、例えば8段を一周期とし、BDとDVDとCDとの互換性能と、波長λ[μm]と波長λ[μm]と波長λ[μm]とにおける回折効率のバランスとを鑑みて決定される。
例えば、内周領域54の円筒接続面の段差の間隔(Δt/7)は、波長λの青紫レーザ光(λ=405nm)に対して、約1.25×λ[μm]の光路差を与え、波長λの赤色レーザ光(λ=660nm)に対して、約0.75×λ[μm]の光路差を与え、波長λの赤外レーザ光(λ=780nm)に対して、約0.62×λ[μm]の光路差を与えるように決定される。
すなわち、円筒接続面55a,55b,55cの対物レンズ50の光軸方向の長さL1は、波長λ(0.39μm≦λ≦0.43μm)のレーザ光に対して、λ以上の位相差を与え、波長λ(0.61μm≦λ≦0.69μm)のレーザ光に対して、λ以下の位相差を与え、波長λ(0.75μm≦λ≦0.85μm)のレーザ光に対して、λ以下の位相差を与えることが好ましい。そして、対物レンズ50のベース非球面の屈折作用と回折構造の回折作用とによって、光学面521に入射した波長λのレーザ光と波長λのレーザ光と波長λのレーザ光とは、いずれも対物レンズ50の光軸方向に出射される。
これにより、波長λと、波長λ及び波長λとで逆方向の鋸歯形状を近似できるため、最大回折効率が得られる回折光の回折方向が逆となり、BD、DVD及びCDの互換が容易になる。
図18及び図19に示す中周領域56は、BDとDVDとの互換領域であり、開口数が約0.60〜0.65に相当する。中周領域56は、厚さ約0.1mmの光透過層を有するBDの情報記録面に青紫レーザ光を収束させると共に、厚さ約0.6mmの光透過層を有するDVDの情報記録面に赤色レーザ光を収束させるよう、階段形状の回折構造が決定される。なお、階段形状の回折構造の光軸方向の段差は、例えば4段を一周期とし、BDとDVDとの互換性能と、波長λ[μm]と波長λ[μm]とにおける回折効率のバランスとを鑑みて決定される。
例えば、中周領域56の円筒接続面の段差の間隔(Δt/3)は、波長λの青紫レーザ光(λ=405nm)に対して、約1.25×λ[μm]の光路差を与え、波長λの赤色レーザ光(λ=660nm)に対して、約0.75×λ[μm]の光路差を与えるように決定される。これにより、波長λと波長λとで逆方向の鋸歯形状を近似できるため、最大回折効率が得られる回折光の回折方向が逆となり、BDとDVDとの互換が容易になる。
図18及び図19に示す外周領域55は、BD専用の領域であり、開口数が約0.85に相当する。外周領域55は、厚さ約0.1mmの光透過層を有するBDの情報記録面に青紫レーザ光を収束させるよう、鋸歯形状の回折構造が決定される。なお、鋸歯形状の回折構造の円錐接続面の光軸方向の段差の間隔(Δt)は、例えば波長λ[μm]において、回折効率が最大となるように決定される。
なお、本実施の形態4の対物レンズ50においては、内周領域54の階段形状の回折構造の円筒接続面の段差の間隔(Δt/7)は、波長λの青紫レーザ光に対して、λ以上の光路差を与え、波長λの赤色レーザ光に対して、λ以下の光路差を与え、波長λの赤外レーザ光に対して、λ以下の光路差を与えるように決定される。そのため、波長λの青紫レーザ光の回折方向は、波長λの赤色レーザ光及び波長λの赤外レーザ光の回折方向と逆となっている。
しかしながら、回折構造が対物レンズ50のベース非球面に形成されているので、波長λの青紫レーザ光と波長λの赤色レーザ光と波長λの赤外レーザ光とは、いずれもレンズ面52で屈折及び回折されて対物レンズ50の光軸OA側に出射される。すなわち、対物レンズ50は、実質的に凸レンズのパワーを持つ。そのため、段差の間隔(Δt/7)が小さい円筒接続面が光軸OAを回転軸とした円筒面の一部から構成されることで、いずれの波長の光線の光路も遮断されないので、回折効率の低下を抑制することができる。
また、中周領域56の階段形状の回折構造の円筒接続面の段差の間隔(Δt/3)は、波長λの青紫レーザ光に対して、λ以上の光路差を与え、波長λの赤色レーザ光に対して、λ以下の光路差を与えるように決定される。そのため、波長λの青紫レーザ光の回折方向は、波長λの赤色レーザ光の回折方向と逆となっている。
しかしながら、回折構造が対物レンズ50のベース非球面に形成されているので、波長λの青紫レーザ光と波長λの赤色レーザ光とが、いずれもレンズ面52で屈折及び回折されて対物レンズ50の光軸OA側に出射される。すなわち、対物レンズ50は、実質的に凸レンズのパワーを持つ。そのため、段差の間隔(Δt/3)が小さい円筒接続面が光軸OAを回転軸とした円筒面の一部から構成されることで、いずれの波長の光線の光路も遮断されないので、回折効率の低下を抑制することができる。
以上の本実施の形態4の構成においても、実施の形態3と同様に、対物レンズ50のベース非球面に形成されている回折構造において、隣接する輪帯状光学面同士を接続する輪帯状の接続面のうち段差の間隔(Δt)が大きい、内周領域54における円錐接続面と対物レンズ50の光軸OAとのなす角度θb1と、隣接する輪帯状光学面同士を接続する輪帯状の接続面のうち段差の間隔(△t)が大きい、中周領域56における円錐接続面と対物レンズ50の光軸OAとのなす角度θb3と、隣接する輪帯状光学面同士を接続する、外周領域55における輪帯状の円錐接続面と対物レンズ50の光軸OAとのなす角度θb2とは、光軸OAに対して平行に入射した光線がレンズ面で屈折及び回折された光線と、光軸OAとのなす角度θと等しく(θb1=θb2=θb3=θ)、角度θは、上記の式(8)で表される。
なお、円錐接続面56aと対物レンズ50の光軸OAとのなす角度θb1[deg]と、円錐接続面75a,75bと対物レンズ50の光軸OAとのなす角度θb2[deg]と、円錐接続面66aと対物レンズ50の光軸OAとのなす角度θb3[deg]とは等しいことが好ましい。
あるいは、実施の形態1と同様に、回折構造による実際の光学面のレンズ傾斜角θを用いて、角度θは、上記の式(13)で表してもよい。
これにより、最も光量損失が大きくなる最外周近傍において、回折効率の低下の少ない良好な対物レンズを得ることができる。
また、射出成形に用いる金型の加工が容易になると共に、金型加工時にバイトの先端がチッピングするのを抑制できる。さらに、射出成形する際の転写性及び離型性も向上するので、収差性能の良好な対物レンズを得ることができる。
なお、本実施の形態4の対物レンズ50は、θb1=θb2=θb3=θとなる場合について説明しているが、0<θb1=θb2=θb3≦θとなる範囲においては、実質的に最も光量損失が大きくなる最外周近傍において、回折効率の低下の少ない良好な対物レンズを得ることができる。なお、金型を加工するバイトの先端が極端に細くなると、金型加工時にバイトの先端がチッピングするおそれがあるため、角度θb1、角度θb2及び角度θb3は20[deg]以上とすることが好ましい。
以上より、輪帯状の円錐接続面と対物レンズの光軸とのなす角度θb1、θb2及びθb3は、射出成形の際の転写性、離型性及び金型の加工性等を鑑みて0<θb1=θb2=θb3≦θの範囲内、より好ましくは、20[deg]≦θb1=θb2=θb3≦θの範囲内で適宜変更してもよい。
なお、実施の形態2で示したように、段差の間隔が小さい円筒接続面を光軸と平行に構成することにより、回折効率の低下をある程度抑制できる。そのため、角度θb1、角度θb2及び角度θb3を、θb1=θb2=θb3=45±5[deg]とすることによって、射出成形の際の転写性、離型性及び金型の加工性等はさらに良好となり、これらを重視して収差性能の良好な対物レンズを得ることができる。
すなわち、輪帯状の円錐接続面と対物レンズの光軸とのなす角度θb1、θb2及びθb3を、θb1=θb2=θb3=45±5[deg]の範囲で適宜変更することも、本発明の適用範囲内である。
(実施の形態5)
図20は、本発明の実施の形態5における光学ヘッドの概略構成を示す図である。
図20において、光学ヘッド100は、青紫レーザ光を出射する青紫レーザ光源101、偏光ビームスプリッタ102、1/4波長板103、コリメートレンズ104、ミラー105、対物レンズ108、対物レンズアクチュエータ109、赤色レーザ光を出射する赤色レーザ光源111、平板型ビームスプリッタ113、コリメートレンズアクチュエータ114、検出レンズ122及び受光素子123を備える。また、BD60は、青紫レーザ光により情報が記録又は再生され、DVD70は、赤色レーザ光により情報が記録又は再生される。
まず、BD60に情報を記録又は再生する場合の光学ヘッド100の動作について述べる。青紫レーザ光源101から出射された波長約405nmの青紫レーザ光は、偏光ビームスプリッタ102にS偏光で入射する。偏光ビームスプリッタ102で反射された青紫レーザ光は、1/4波長板103で円偏光に変換された後、コリメートレンズ104で略平行光に変換される。略平行光に変換された青紫レーザ光は、ミラー105で反射されることにより、光軸が折り曲げられる。ミラー105で反射した青紫レーザ光は、対物レンズ108によって、BD60の情報記録面に光スポットとして収束される。
BD60の情報記録面で反射した青紫レーザ光は、再び対物レンズ108を透過し、ミラー105で反射される。ミラー105で反射された青紫レーザ光は、コリメートレンズ104を透過した後、1/4波長板103で往路とは異なる直線偏光に変換される。その後、青紫レーザ光は、偏光ビームスプリッタ102及び平板型ビームスプリッタ113にP偏光で入射する。偏光ビームスプリッタ102及び平板型ビームスプリッタ113を透過した青紫レーザ光は、検出レンズ122を介して、受光素子123に導かれる。受光素子123は、検出された青紫レーザ光を光電変換し、BD60の面ぶれに追従するためのフォーカス誤差信号と、BD60の偏心に追従するためのトラッキング誤差信号とを生成する。
次に、DVD70に情報を記録又は再生する場合の光学ヘッド100の動作について述べる。赤色レーザ光源111から出射された波長約660nmの赤色レーザ光は、平板型ビームスプリッタ113にS偏光で入射する。平板型ビームスプリッタ113で反射された赤色レーザ光は、偏光ビームスプリッタ102を透過し、1/4波長板103で円偏光に変換された後、コリメートレンズ104で略平行光に変換される。略平行光に変換された赤色レーザ光は、ミラー105で反射されることにより、光軸が折り曲げられる。ミラー105で反射した赤色レーザ光は、対物レンズ108によって、DVD70の情報記録面に光スポットとして収束される。
DVD70の情報記録面で反射した赤色レーザ光は、再び対物レンズ108を透過し、ミラー105で反射される。ミラー105で反射された赤色レーザ光は、コリメートレンズ104を透過した後、1/4波長板103で往路とは異なる直線偏光に変換される。その後、赤色レーザ光は、偏光ビームスプリッタ102及び平板型ビームスプリッタ113にP偏光で入射する。偏光ビームスプリッタ102及び平板型ビームスプリッタ113を透過した赤色レーザ光は、検出レンズ122を介して、受光素子123に導かれる。受光素子123は、検出された赤色レーザ光を光電変換し、DVD70の面ぶれに追従するためのフォーカス誤差信号と、DVD70の偏心に追従するためのトラッキング誤差信号とを生成する。
本実施の形態5の対物レンズ108は、例えば実施の形態3に示した互換可能な対物レンズ30である。対物レンズ108は、BD60に情報を記録又は再生するための青紫レーザ光及びDVD70に情報を記録又は再生するための赤色レーザ光を、波長の差を利用してそれぞれ微小な光スポットとして集光するための回折構造を備えている。
複数のサスペンションワイヤによって、対物レンズ108を保持する対物レンズホルダ(可動部)は支持されている。対物レンズアクチュエータ109は、フォーカス誤差信号とトラッキング誤差信号とを用いて、回転するBD60又はDVD70の情報トラックに光スポットが追従するよう、対物レンズ108を2軸方向(フォーカス方向及びトラッキング方向)に駆動する。なお、対物レンズアクチュエータ109は、フォーカス方向及びトラッキング方向の変位に加えて、光ディスクの半径方向に対物レンズ108を傾けることが可能な構造であってもよい。
コリメートレンズ104は、コリメートレンズアクチュエータ114によって、コリメートレンズ104の光軸方向に移動可能となっている。コリメートレンズ104の出射光が略平行光となる基準位置に対して、コリメートレンズ104を光源側に移動させることによって、コリメートレンズ104の出射光は発散光となる。また、基準位置に対して、コリメートレンズ104を対物レンズ側に移動させることによって、コリメートレンズ104の出射光は収束光となる。コリメートレンズアクチュエータ114は、情報記録面の光透過層の厚さに応じてコリメートレンズ104を移動させることにより、BD60及びDVD70の球面収差を補正する。
なお、コリメートレンズ104を光軸方向の所定位置に移動させることによって、コリメートレンズ104の出射光を、所定収束角の収束光又は所定発散角の発散光として、BD60及び/又はDVD70に情報を記録又は再生してもよい。
本実施の形態5の光学ヘッド100は、実施の形態3に示した互換可能な対物レンズを備えているので、最も光量損失が大きくなる最外周近傍において、回折効率の低下がなく、BD60及びDVD70に情報を良好に記録又は再生することができる。
また、対物レンズの射出成形に用いる金型の加工が容易になると共に、金型加工時にバイトの先端がチッピングするのを抑制できる。さらに、射出成形する際の転写性及び離型性も向上するので、収差性能の良好な対物レンズを得ることができ、BD60及びDVD70に情報を良好に記録又は再生することができる。
以上、本実施の形態5においては、対物レンズ108が実施の形態3に示した互換可能な対物レンズである場合について述べたが、本発明はこのような構成に限定されるものではない。
例えば、光学ヘッド100は、赤色レーザ光源111の代わりに、赤色レーザ光と赤外レーザ光とを出射する2波長光源を備えてもよく、対物レンズ108は、青紫レーザ光を用いて情報を記録又は再生するBDと、赤色レーザ光を用いて情報を記録又は再生するDVDと、赤外レーザ光を用いて情報を記録又は再生するCDとで互換可能な実施の形態4に示す合成樹脂製の対物レンズ50であってもよい。この場合、本実施の形態5と同様に、最も光量損失が大きくなる最外周近傍において回折効率の低下がなく、また、射出成形に用いる金型の加工が容易になると共に、金型加工時にバイトの先端がチッピングするのを抑制できる。さらに、射出成形する際の転写性及び離型性も向上するので、収差性能の良好な対物レンズを得ることができ、BD、DVD及びCDのそれぞれに情報を良好に記録又は再生することができる。
さらに、光学ヘッド100は、青紫レーザ光を出射する青紫レーザ光源のみを備えてもよく、対物レンズ108は、実施の形態1又は実施の形態2に示す合成樹脂製の対物レンズ10又は20であってもよい。この場合においても、最も光量損失が大きくなる最外周近傍において回折効率の低下がなく、また、射出成形に用いる金型の加工が容易になると共に、金型加工時にバイトの先端がチッピングするのを抑制できる。さらに、射出成形する際の転写性及び離型性も向上するので、収差性能の良好な対物レンズを得ることができ、例えばBDに情報を良好に記録又は再生することができるという顕著な効果が得られることは明らかである。
(実施の形態6)
図21は、本発明の実施の形態6における光ディスク装置の概略構成を示す図である。
図21において、光ディスク装置200は、光ディスク駆動部201、制御部202及び光学ヘッド203を備える。
光ディスク駆動部201は、BD60(又はDVD70)を回転駆動する。光学ヘッド203は、実施の形態5で述べた光学ヘッド100である。制御部202は、光ディスク駆動部201及び光学ヘッド203の駆動を制御すると共に、光学ヘッド203で光電変換された制御信号及び情報信号の信号処理を行う。また、制御部202は、情報信号を光ディスク装置200の外部と内部とでインタフェースさせる機能を有する。
制御部202は、光学ヘッド203から得られる制御信号を受け、制御信号に基づいて、フォーカス制御、トラッキング制御、情報再生制御及び光ディスク駆動部201の回転制御を行う。また、制御部202は、情報信号から情報の再生を行うと共に、記録信号の光学ヘッド203への送出を行う。
光ディスク装置200は、実施の形態5で述べた光学ヘッド100を搭載しているので、本実施の形態6の光ディスク装置200は、BD60及びDVD70に情報を良好に記録又は再生することができる。
また、光ディスク装置200は、青紫レーザ光を用いて情報を記録又は再生するBDと、赤色レーザ光を用いて情報を記録又は再生するDVDと、赤外レーザ光を用いて情報を記録又は再生するCDとで互換可能な実施の形態4に示す合成樹脂製の対物レンズ50を備える光学ヘッドを備えてもよい。この場合、BD、DVD及びCDのそれぞれに情報を良好に記録又は再生することができる。
さらに、光ディスク装置200は、実施の形態1又は実施の形態2に示す合成樹脂製の対物レンズ10又は20を備える光学ヘッドを備えてもよい。この場合、最も光量損失が大きくなる最外周近傍において回折効率の低下がなく、また、射出成形に用いる金型の加工が容易になると共に、金型加工時にバイトの先端がチッピングするのを抑制できる。さらに、射出成形する際の転写性及び離型性も向上するので、収差性能の良好な対物レンズを得ることができ、例えばBDに情報を良好に記録又は再生することができるという顕著な効果が得られる。
なお、上述した具体的実施形態には以下の構成を有する発明が主に含まれている。
本発明の一局面に係る対物レンズは、情報記録媒体に対して情報を記録又は再生する光学ヘッドに用いられる対物レンズであって、前記対物レンズの少なくとも一方の面は、断面が略階段形状でありかつ前記対物レンズの光軸を中心として輪帯状に分割された複数の分割面からなる光学面と、互いに隣接する前記複数の分割面同士を接続する複数の接続面とを有し、前記複数の接続面は、前記対物レンズの光軸を中心とした円筒面で構成される第1の接続面と、前記対物レンズの光軸を中心とした円筒面で構成される第2の接続面と、前記対物レンズの光軸を中心とした円錐面で構成される第3の接続面とを含み、前記複数の分割面は、第1の分割面と、前記第1の分割面に隣接する第2の分割面と、前記第2の分割面に隣接する第3の分割面と、前記第3の分割面に隣接する第4の分割面とを含み、前記第1の分割面は、前記第2の分割面よりも前記対物レンズの光軸に近く、前記第2の分割面は、前記第3の分割面よりも前記対物レンズの光軸に近く、前記第3の分割面は、前記第4の分割面よりも前記対物レンズの光軸に近く、前記光学面と前記対物レンズの光軸との交点で、前記光学面に接する平面を基準面として、前記第2の分割面と前記基準面との間隔は、前記第1の分割面と前記基準面との間隔よりも大きく、前記第3の分割面と前記基準面との間隔は、前記第2の分割面と前記基準面との間隔よりも大きく、前記第4の分割面と前記基準面との間隔は、前記第3の分割面と前記基準面との間隔よりも小さく、前記第1の接続面は、前記第1の分割面と前記第2の分割面とを接続し、前記第2の接続面は、前記第2の分割面と前記第3の分割面とを接続し、前記第3の接続面は、前記第3の分割面と前記第4の分割面とを接続する。
この構成によれば、対物レンズの少なくとも一方の面は、断面が略階段形状でありかつ対物レンズの光軸を中心として輪帯状に分割された複数の分割面からなる光学面と、互いに隣接する複数の分割面同士を接続する複数の接続面とを有している。複数の接続面は、対物レンズの光軸を中心とした円筒面で構成される第1の接続面と、対物レンズの光軸を中心とした円筒面で構成される第2の接続面と、対物レンズの光軸を中心とした円錐面で構成される第3の接続面とを含む。複数の分割面は、第1の分割面と、第1の分割面に隣接する第2の分割面と、第2の分割面に隣接する第3の分割面と、第3の分割面に隣接する第4の分割面とを含む。第1の分割面は、第2の分割面よりも対物レンズの光軸に近く、第2の分割面は、第3の分割面よりも対物レンズの光軸に近く、第3の分割面は、第4の分割面よりも対物レンズの光軸に近い。ここで、光学面と対物レンズの光軸との交点で、光学面に接する平面を基準面とする。第2の分割面と基準面との間隔は、第1の分割面と基準面との間隔よりも大きく、第3の分割面と基準面との間隔は、第2の分割面と基準面との間隔よりも大きく、第4の分割面と基準面との間隔は、第3の分割面と基準面との間隔よりも小さい。第1の接続面は、第1の分割面と第2の分割面とを接続し、第2の接続面は、第2の分割面と第3の分割面とを接続し、第3の接続面は、第3の分割面と第4の分割面とを接続する。
したがって、対物レンズの光軸を中心とした円錐面で構成される第3の接続面により、第3の分割面と第4の分割面とが接続され、対物レンズの有効領域の最外周近傍において入射する光線がレンズ面で屈折及び回折された際に光路が遮断されないので、対物レンズの有効領域の最外周近傍において回折効率を向上させ、光量損失を抑制することができる。
また、上記の対物レンズにおいて、前記第1の接続面及び前記第2の接続面の前記対物レンズの光軸方向の長さは、前記第3の接続面の前記対物レンズの光軸方向の長さより短いことが好ましい。
この構成によれば、第3の接続面の対物レンズの光軸方向の長さは、第1の接続面及び第2の接続面の対物レンズの光軸方向の長さより長いので、第4の分割面と基準面との間隔を、第3の分割面と基準面との間隔よりも小さくすることができる。
また、上記の対物レンズにおいて、前記対物レンズは、開口数が0.8以上であるとともに、合成樹脂製であり、前記光学面は、断面が略階段形状の回折構造を有し、前記第3の接続面と前記対物レンズの光軸とのなす角度θ[deg]は、下記の式(22)を満たすことが好ましい。
Figure 0005602833
なお、λ[μm]は前記対物レンズに入射するレーザ光の光源波長を表し、nは前記対物レンズの前記波長λにおける屈折率を表し、θ[deg]は前記対物レンズの有効領域の最外周におけるベース非球面のレンズ傾斜角を表し、d[μm]は前記回折構造の前記光軸と垂直な方向の一周期のピッチを表し、mは前記回折構造で発生する前記波長λのレーザ光の主たる回折光の回折次数を表す。
この構成によれば、第3の接続面と対物レンズの光軸とのなす角度θが、光軸に対して平行に入射した光線がレンズ面で屈折及び回折された光線と光軸とのなす角度以下となるので、対物レンズの有効領域の最外周近傍において回折効率を向上させ、光量損失を抑制することができる。
また、上記の対物レンズにおいて、前記対物レンズは、開口数が0.8以上であるとともに、合成樹脂製であり、前記光学面は、断面が略階段形状の回折構造を有し、前記第3の接続面と前記対物レンズの光軸とのなす角度θ[deg]は、下記の式(23)を満たすことが好ましい。
Figure 0005602833
なお、λ[μm]は前記対物レンズに入射するレーザ光の光源波長を表し、nは前記対物レンズの前記波長λにおける屈折率を表し、θ[deg]は前記対物レンズの有効領域の最外周におけるベース非球面のレンズ傾斜角を表し、d[μm]は前記回折構造の前記光軸と垂直な方向の一周期のピッチを表し、mは前記回折構造で発生する前記波長λのレーザ光の主たる回折光の回折次数を表す。
この構成によれば、第3の接続面と対物レンズの光軸とのなす角度θが、20[deg]以上となるので、射出成形の際の転写性、離型性及び金型の加工性をより向上させることができる。
また、上記の対物レンズにおいて、前記対物レンズは、開口数が0.8以上であるとともに、合成樹脂製であり、前記光学面は、断面が略階段形状の回折構造を有し、前記第3の接続面と前記対物レンズの光軸とのなす角度θ[deg]は、θ=45±5満たすことが好ましい。
この構成によれば、第3の接続面と対物レンズの光軸とのなす角度θを45±5[deg]とすることにより、金型を加工するためのバイト自身の加工性を向上させることができ、金型加工時にバイトの先端が欠けることも低減することができる。
また、上記の対物レンズにおいて、前記対物レンズの少なくとも一方の面は、前記対物レンズの光軸を含む第1領域と、前記第1領域よりも外周側に配置された第2領域とを有し、前記第1領域は、前記光学面と、前記複数の接続面とを含み、前記第2領域は、断面が略鋸歯形状でありかつ前記対物レンズの光軸を中心として輪帯状に分割された複数の外周分割面からなる外周光学面と、互いに隣接する前記複数の外周分割面同士を接続する、前記対物レンズの光軸を中心とした円錐面で構成される外周接続面とを含むことが好ましい。
この構成によれば、対物レンズの少なくとも一方の面は、対物レンズの光軸を含む第1領域と、第1領域よりも外周側に配置された第2領域とを有している。第1領域は、光学面と、複数の接続面とを含む。第2領域は、断面が略鋸歯形状でありかつ対物レンズの光軸を中心として輪帯状に分割された複数の外周分割面からなる外周光学面と、互いに隣接する複数の外周分割面同士を接続する、対物レンズの光軸を中心とした円錐面で構成される外周接続面とを含む。
したがって、第1領域と第2領域とで回折構造が異なるので、互いに異なる少なくとも2つの波長の光により情報が記録又は再生される少なくとも2つの情報記録媒体に対して互換可能な対物レンズを提供することができる。
また、上記の対物レンズにおいて、前記複数の外周分割面は、第1の外周分割面と、前記第1の外周分割面に隣接する第2の外周分割面とを含み、前記第1の外周分割面は、前記第2の外周分割面よりも前記対物レンズの光軸に近く、前記第2の外周分割面と前記基準面との間隔は、前記第1の外周分割面と前記基準面との間隔よりも大きく、前記第1の外周分割面と前記第2の外周分割面とは、前記外周接続面により接続されることが好ましい。
この構成によれば、複数の外周分割面は、第1の外周分割面と、第1の外周分割面に隣接する第2の外周分割面とを含む。第1の外周分割面は、第2の外周分割面よりも対物レンズの光軸に近い。第2の外周分割面と基準面との間隔は、第1の外周分割面と基準面との間隔よりも大きい。第1の外周分割面と第2の外周分割面とは、外周接続面により接続される。
したがって、対物レンズの光軸を中心とした円錐面で構成される外周接続面により、第1の外周分割面と第2の外周分割面とが接続され、対物レンズの有効領域の最外周近傍において入射する光線がレンズ面で屈折及び回折された際に光路が遮断されないので、対物レンズの有効領域の最外周近傍において回折効率を向上させ、光量損失を抑制することができる。
また、上記の対物レンズにおいて、前記第3の接続面と前記対物レンズの光軸とのなす角度θb1[deg]は、前記外周接続面と前記対物レンズの光軸とのなす角度θb2[deg]と等しいことが好ましい。
この構成によれば、第3の接続面と対物レンズの光軸とのなす角度θb1[deg]は、外周接続面と対物レンズの光軸とのなす角度θb2[deg]と等しい。したがって、金型を加工するためのバイトの刃先角度を変えることなく、金型を作製することができるので、金型の加工性を向上させることができる。
また、上記の対物レンズにおいて、前記対物レンズは、開口数が0.8以上であるとともに、合成樹脂製であり、前記外周光学面は、断面が略鋸歯形状の回折構造であり、前記外周接続面と前記対物レンズの光軸とのなす角度θb2[deg]は、下記の式(24)を満たすことが好ましい。
Figure 0005602833
なお、λ[μm]は前記対物レンズに入射するレーザ光の光源波長を表し、nは前記対物レンズの前記波長λにおける屈折率を表し、θ[deg]は前記対物レンズの有効領域の最外周におけるベース非球面のレンズ傾斜角を表し、d[μm]は前記回折構造の前記光軸と垂直な方向の一周期のピッチを表し、mは前記回折構造で発生する前記波長λのレーザ光の主たる回折光の回折次数を表す。
この構成によれば、外周接続面と対物レンズの光軸とのなす角度θb2が、光軸に対して平行に入射した光線がレンズ面で屈折及び回折された光線と光軸とのなす角度以下となるので、対物レンズの有効領域の最外周近傍において回折効率を向上させ、光量損失を抑制することができる。
また、上記の対物レンズにおいて、前記対物レンズは、開口数が0.8以上であるとともに、合成樹脂製であり、前記外周光学面は、断面が略鋸歯形状の回折構造であり、前記外周接続面と前記対物レンズの光軸とのなす角度θb2[deg]は、下記の式(25)を満たすことが好ましい。
Figure 0005602833
なお、θ[deg]は前記対物レンズの有効領域の最外周における前記外周分割面のレンズ傾斜角を表し、nは前記対物レンズに入射するレーザ光の光源波長における前記対物レンズの屈折率を表す。
この構成によれば、対物レンズの有効領域の最外周における外周分割面のレンズ傾斜角θを用いて、外周接続面と対物レンズの光軸とのなす角度θb2を規定することができる。
また、上記の対物レンズにおいて、前記対物レンズは、開口数が0.8以上であるとともに、合成樹脂製であり、前記外周光学面は、断面が略鋸歯形状の回折構造であり、前記外周接続面と前記対物レンズの光軸とのなす角度θb2[deg]は、下記の式(26)を満たすことが好ましい。
Figure 0005602833
なお、λ[μm]は前記対物レンズに入射するレーザ光の光源波長を表し、nは前記対物レンズの前記波長λにおける屈折率を表し、θ[deg]は前記対物レンズの有効領域の最外周におけるベース非球面のレンズ傾斜角を表し、d[μm]は前記回折構造の前記光軸と垂直な方向の一周期のピッチを表し、mは前記回折構造で発生する前記波長λのレーザ光の主たる回折光の回折次数を表す。
この構成によれば、外周接続面と対物レンズの光軸とのなす角度θb2が、20[deg]以上となるので、射出成形の際の転写性、離型性及び金型の加工性をより向上させることができる。
また、上記の対物レンズにおいて、前記対物レンズは、開口数が0.8以上であるとともに、合成樹脂製であり、前記外周光学面は、断面が略鋸歯形状の回折構造であり、前記外周接続面と前記対物レンズの光軸とのなす角度θb2[deg]は、θb2=45±5を満たすことが好ましい。
この構成によれば、外周接続面と対物レンズの光軸とのなす角度θb2を45±5[deg]とすることにより、金型を加工するためのバイト自身の加工性を向上させることができ、金型加工時にバイトの先端が欠けることも低減することができる。
また、上記の対物レンズにおいて、前記第1の接続面及び前記第2の接続面の前記対物レンズの光軸方向の長さは、波長λ(0.39μm≦λ≦0.43μm)のレーザ光に対して、前記λ以上の位相差を与え、波長λ(0.61μm≦λ≦0.69μm)のレーザ光に対して、前記λ以下の位相差を与え、前記対物レンズのベース非球面の屈折作用と前記回折構造の回折作用とによって、前記光学面に入射した前記波長λのレーザ光と前記波長λのレーザ光とは、いずれも前記対物レンズの光軸方向に出射されることが好ましい。
この構成によれば、第1の接続面及び第2の接続面の対物レンズの光軸方向の長さは、波長λ(0.39μm≦λ≦0.43μm)のレーザ光に対して、λ以上の位相差を与え、波長λ(0.61μm≦λ≦0.69μm)のレーザ光に対して、λ以下の位相差を与える。そして、対物レンズのベース非球面の屈折作用と回折構造の回折作用とによって、光学面に入射した波長λのレーザ光と波長λのレーザ光とは、いずれも対物レンズの光軸方向に出射される。
したがって、波長λ(0.39μm≦λ≦0.43μm)のレーザ光により情報が記録又は再生される情報記録媒体と、波長λ(0.61μm≦λ≦0.69μm)のレーザ光により情報が記録又は再生される情報記録媒体とに対して互換可能な対物レンズを提供することができる。
また、上記の対物レンズにおいて、前記第2領域は、前記第1領域に隣接していることが好ましい。
この構成によれば、第2領域は、第1領域に隣接しているので、互いに異なる2つの波長の光により情報が記録又は再生される2つの情報記録媒体に対して互換可能な対物レンズを提供することができる。
また、上記の対物レンズにおいて、前記対物レンズの少なくとも一方の面は、前記第1領域と前記第2領域との間に配置された第3領域をさらに有し、前記第3領域は、断面が略階段形状でありかつ前記対物レンズの光軸を中心として輪帯状に分割された複数の中周分割面からなる中周光学面と、互いに隣接する前記複数の中周分割面同士を接続する複数の中周接続面とを含み、前記複数の中周接続面は、前記対物レンズの光軸を中心とした円筒面で構成される第1の中周接続面と、前記対物レンズの光軸を中心とした円筒面で構成される第2の中周接続面と、前記対物レンズの光軸を中心とした円錐面で構成される第3の中周接続面とを含むことが好ましい。
この構成によれば、対物レンズの少なくとも一方の面は、第1領域と第2領域との間に配置された第3領域をさらに有している。第3領域は、断面が略階段形状でありかつ対物レンズの光軸を中心として輪帯状に分割された複数の中周分割面からなる中周光学面と、互いに隣接する複数の中周分割面同士を接続する複数の中周接続面とを含む。複数の中周接続面は、対物レンズの光軸を中心とした円筒面で構成される第1の中周接続面と、前記対物レンズの光軸を中心とした円筒面で構成される第2の中周接続面と、対物レンズの光軸を中心とした円錐面で構成される第3の中周接続面とを含む。
したがって、第1領域と第2領域と第3領域とで回折構造が異なるので、互いに異なる3つの波長の光により情報が記録又は再生される3つの情報記録媒体に対して互換可能な対物レンズを提供することができる。
また、上記の対物レンズにおいて、前記複数の中周分割面は、第1の中周分割面と、前記第1の中周分割面に隣接する第2の中周分割面と、前記第2の中周分割面に隣接する第3の中周分割面と、前記第3の中周分割面に隣接する第4の中周分割面とを含み、前記第1の中周分割面は、前記第2の中周分割面よりも前記対物レンズの光軸に近く、前記第2の中周分割面は、前記第3の中周分割面よりも前記対物レンズの光軸に近く、前記第3の中周分割面は、前記第4の中周分割面よりも前記対物レンズの光軸に近く、前記第2の中周分割面と前記基準面との間隔は、前記第1の中周分割面と前記基準面との間隔よりも大きく、前記第3の中周分割面と前記基準面との間隔は、前記第2の中周分割面と前記基準面との間隔よりも大きく、前記第4の中周分割面と前記基準面との間隔は、前記第3の中周分割面と前記基準面との間隔よりも小さく、前記第1の中周接続面は、前記第1の中周分割面と前記第2の中周分割面とを接続し、前記第2の中周接続面は、前記第2の中周分割面と前記第3の中周分割面とを接続し、前記第3の中周接続面は、前記第3の中周分割面と前記第4の中周分割面とを接続することが好ましい。
この構成によれば、複数の中周分割面は、第1の中周分割面と、第1の中周分割面に隣接する第2の中周分割面と、第2の中周分割面に隣接する第3の中周分割面と、第3の中周分割面に隣接する第4の中周分割面とを含む。第1の中周分割面は、第2の中周分割面よりも対物レンズの光軸に近く、第2の中周分割面は、第3の中周分割面よりも対物レンズの光軸に近く、第3の中周分割面は、第4の中周分割面よりも対物レンズの光軸に近い。第2の中周分割面と基準面との間隔は、第1の中周分割面と基準面との間隔よりも大きく、第3の中周分割面と基準面との間隔は、第2の中周分割面と基準面との間隔よりも大きく、第4の中周分割面と基準面との間隔は、第3の中周分割面と基準面との間隔よりも小さい。第1の中周接続面は、第1の中周分割面と第2の中周分割面とを接続し、第2の中周接続面は、第2の中周分割面と第3の中周分割面とを接続し、第3の中周接続面は、第3の中周分割面と第4の中周分割面とを接続する。
したがって、対物レンズの光軸を中心とした円錐面で構成される第3の中周接続面により、第3の中周分割面と第4の中周分割面とが接続され、対物レンズの有効領域の最外周近傍において入射する光線がレンズ面で屈折及び回折された際に光路が遮断されないので、対物レンズの有効領域の最外周近傍において回折効率を向上させ、光量損失を抑制することができる。
また、上記の対物レンズにおいて、前記第1の中周接続面及び前記第2の中周接続面の前記対物レンズの光軸方向の長さは、前記第3の中周接続面の前記対物レンズの光軸方向の長さより短いことが好ましい。
この構成によれば、第3の中周接続面の対物レンズの光軸方向の長さは、第1の中周接続面及び第2の中周接続面の対物レンズの光軸方向の長さより長いので、第4の中周分割面と基準面との間隔を、第3の中周分割面と基準面との間隔よりも小さくすることができる。
また、上記の対物レンズにおいて、前記第3の接続面と前記対物レンズの光軸とのなす角度θb1[deg]と、前記外周接続面と前記対物レンズの光軸とのなす角度θb2[deg]と、前記第3の中周接続面と前記対物レンズの光軸とのなす角度θb3[deg]とは等しいことが好ましい。
この構成によれば、第3の接続面と対物レンズの光軸とのなす角度θb1[deg]と、外周接続面と対物レンズの光軸とのなす角度θb2[deg]と、第3の中周接続面と対物レンズの光軸とのなす角度θb3[deg]とは等しい。したがって、金型を加工するためのバイトの刃先角度を変えることなく、金型を作製することができるので、金型の加工性を向上させることができる。
また、上記の対物レンズにおいて、前記第1の接続面及び前記第2の接続面の前記対物レンズの光軸方向の長さは、波長λ(0.39μm≦λ≦0.43μm)のレーザ光に対して、前記λ以上の位相差を与え、波長λ(0.61μm≦λ≦0.69μm)のレーザ光に対して、前記λ以下の位相差を与え、波長λ(0.75μm≦λ≦0.85μm)のレーザ光に対して、前記λ以下の位相差を与え、前記対物レンズのベース非球面の屈折作用と前記回折構造の回折作用とによって、前記光学面に入射した前記波長λのレーザ光と前記波長λのレーザ光と前記波長λのレーザ光とは、いずれも前記対物レンズの光軸方向に出射されることが好ましい。
この構成によれば、第1の接続面及び第2の接続面の対物レンズの光軸方向の長さは、波長λ(0.39μm≦λ≦0.43μm)のレーザ光に対して、λ以上の位相差を与え、波長λ(0.61μm≦λ≦0.69μm)のレーザ光に対して、λ以下の位相差を与え、波長λ(0.75μm≦λ≦0.85μm)のレーザ光に対して、λ以下の位相差を与える。そして、対物レンズのベース非球面の屈折作用と回折構造の回折作用とによって、光学面に入射した波長λのレーザ光と波長λのレーザ光と波長λのレーザ光とは、いずれも対物レンズの光軸方向に出射される。
したがって、波長λ(0.39μm≦λ≦0.43μm)のレーザ光により情報が記録又は再生される情報記録媒体と、波長λ(0.61μm≦λ≦0.69μm)のレーザ光により情報が記録又は再生される情報記録媒体と、波長λ(0.75μm≦λ≦0.85μm)のレーザ光により情報が記録又は再生される情報記録媒体とに対して互換可能な対物レンズを提供することができる。
本発明の他の局面に係る対物レンズは、情報記録媒体に対して情報を記録又は再生する光学ヘッドに用いられる対物レンズであって、前記対物レンズは、開口数が0.8以上であるとともに、合成樹脂製であり、前記対物レンズの少なくとも一方の面は、断面が略鋸歯形状でありかつ前記対物レンズの光軸を中心として輪帯状に分割された複数の分割面からなる光学面と、互いに隣接する前記複数の分割面同士を接続する、前記対物レンズの光軸を中心とした円錐面で構成される接続面とを有し、前記複数の分割面は、第1の分割面と、前記第1の分割面に隣接する第2の分割面とを含み、前記第1の分割面は、前記第2の分割面よりも前記対物レンズの光軸に近く、前記光学面と前記対物レンズの光軸との交点で、前記光学面に接する平面を基準面として、前記第2の分割面と前記基準面との間隔は、前記第1の分割面と前記基準面との間隔より大きく、前記接続面は、前記第1の分割面と前記第2の分割面とを接続し、前記光学面は、断面が略鋸歯形状の回折構造であり、前記接続面と前記対物レンズの光軸とのなす角度θ[deg]は、下記の式(27)を満たす。
Figure 0005602833
なお、λ[μm]は前記対物レンズに入射するレーザ光の光源波長を表し、nは前記対物レンズの前記波長λにおける屈折率を表し、θ[deg]は前記対物レンズの有効領域の最外周におけるベース非球面のレンズ傾斜角を表し、d[μm]は前記回折構造の前記光軸と垂直な方向の一周期のピッチを表し、mは前記回折構造で発生する前記波長λのレーザ光の主たる回折光の回折次数を表す。
この構成によれば、対物レンズは、開口数が0.8以上であるとともに、合成樹脂製である。対物レンズの少なくとも一方の面は、断面が略鋸歯形状でありかつ対物レンズの光軸を中心として輪帯状に分割された複数の分割面からなる光学面と、互いに隣接する複数の分割面同士を接続する、対物レンズの光軸を中心とした円錐面で構成される接続面とを有している。複数の分割面は、第1の分割面と、第1の分割面に隣接する第2の分割面とを含む。第1の分割面は、第2の分割面よりも対物レンズの光軸に近い。ここで、光学面と対物レンズの光軸との交点で、光学面に接する平面を基準面とする。第2の分割面と基準面との間隔は、第1の分割面と基準面との間隔より大きく、接続面は、第1の分割面と第2の分割面とを接続する。光学面は、断面が略鋸歯形状の回折構造であり、接続面と対物レンズの光軸とのなす角度θ[deg]は、上記の式(27)を満たす。
したがって、対物レンズの光軸を中心とした円錐面で構成される接続面により、第1の分割面と第2の分割面とが接続され、対物レンズの有効領域の最外周近傍において入射する光線がレンズ面で屈折及び回折された際に光路が遮断されないので、対物レンズの有効領域の最外周近傍において回折効率を向上させ、光量損失を抑制することができる。また、接続面と対物レンズの光軸とのなす角度θが、光軸に対して平行に入射した光線がレンズ面で屈折及び回折された光線と光軸とのなす角度以下となるので、対物レンズの有効領域の最外周近傍において回折効率を向上させ、光量損失を抑制することができる。
本発明の他の局面に係る対物レンズは、情報記録媒体に対して情報を記録又は再生する光学ヘッドに用いられる対物レンズであって、前記対物レンズは、開口数が0.8以上であるとともに、合成樹脂製であり、前記対物レンズの少なくとも一方の面は、断面が略鋸歯形状でありかつ前記対物レンズの光軸を中心として輪帯状に分割された複数の分割面からなる光学面と、互いに隣接する前記複数の分割面同士を接続する、前記対物レンズの光軸を中心とした円錐面で構成される接続面とを有し、前記複数の分割面は、第1の分割面と、前記第1の分割面に隣接する第2の分割面とを含み、前記第1の分割面は、前記第2の分割面よりも前記対物レンズの光軸に近く、前記光学面と前記対物レンズの光軸との交点で、前記光学面に接する平面を基準面として、前記第2の分割面と前記基準面との間隔は、前記第1の分割面と前記基準面との間隔より大きく、前記接続面は、前記第1の分割面と前記第2の分割面とを接続し、前記光学面は、断面が略鋸歯形状の回折構造であり、前記接続面と前記対物レンズの光軸とのなす角度θ[deg]は、下記の式(28)を満たす。
Figure 0005602833
なお、θ[deg]は前記対物レンズの有効領域の最外周における前記分割面のレンズ傾斜角を表し、nは前記対物レンズに入射するレーザ光の光源波長における前記対物レンズの屈折率を表す。
この構成によれば、対物レンズは、開口数が0.8以上であるとともに、合成樹脂製である。対物レンズの少なくとも一方の面は、断面が略鋸歯形状でありかつ対物レンズの光軸を中心として輪帯状に分割された複数の分割面からなる光学面と、互いに隣接する複数の分割面同士を接続する、対物レンズの光軸を中心とした円錐面で構成される接続面とを有している。複数の分割面は、第1の分割面と、第1の分割面に隣接する第2の分割面とを含む。第1の分割面は、第2の分割面よりも対物レンズの光軸に近い。ここで、光学面と対物レンズの光軸との交点で、光学面に接する平面を基準面とする。第2の分割面と基準面との間隔は、第1の分割面と基準面との間隔より大きく、接続面は、第1の分割面と第2の分割面とを接続する。光学面は、断面が略鋸歯形状の回折構造であり、接続面と対物レンズの光軸とのなす角度θ[deg]は、上記の式(28)を満たす。
したがって、対物レンズの光軸を中心とした円錐面で構成される接続面により、第1の分割面と第2の分割面とが接続され、対物レンズの有効領域の最外周近傍において入射する光線がレンズ面で屈折及び回折された際に光路が遮断されないので、対物レンズの有効領域の最外周近傍において回折効率を向上させ、光量損失を抑制することができる。また、対物レンズの有効領域の最外周における分割面のレンズ傾斜角θを用いて、接続面と対物レンズの光軸とのなす角度θを規定することができる。
本発明の他の局面に係る光学ヘッドは、レーザ光を出射する光源と、前記光源から出射された前記レーザ光を情報記録媒体の情報記録面に収束させる、上記のいずれかの対物レンズと、前記情報記録媒体で反射されたレーザ光を受光する受光部とを備える。
この構成によれば、光源は、レーザ光を出射する。上記のいずれかの対物レンズは、光源から出射されたレーザ光を情報記録媒体の情報記録面に収束させる。受光部は、情報記録媒体で反射されたレーザ光を受光する。したがって、上記の対物レンズを光学ヘッドに適用することができる。
本発明の他の局面に係る光ディスク装置は、上記の光学ヘッドと、情報記録媒体を回転させるモータと、前記光学ヘッドと前記モータとを制御する制御部とを備える。この構成によれば、上記の光学ヘッドを光ディスク装置に適用することができる。
なお、発明を実施するための形態の項においてなされた具体的な実施態様又は実施例は、あくまでも、本発明の技術内容を明らかにするものであって、そのような具体例にのみ限定して狭義に解釈されるべきものではなく、本発明の精神と特許請求事項との範囲内で、種々変更して実施することができるものである。
本発明に係る対物レンズは、対物レンズの有効領域の最外周近傍において回折効率を向上させ、光量損失を抑制することができ、光軸を中心として輪帯状に分割された複数の分割面からなる光学面を有する対物レンズ、当該対物レンズを用いた光学ヘッド及び当該光学ヘッドを用いた光ディスク装置に有用である。

Claims (15)

  1. 情報記録媒体に対して情報を記録又は再生する光学ヘッドに用いられる対物レンズであって、
    前記対物レンズの少なくとも一方の面は、断面が略階段形状でありかつ前記対物レンズの光軸を中心として輪帯状に分割された複数の分割面からなる光学面と、互いに隣接する前記複数の分割面同士を接続する複数の接続面とを有し、
    前記複数の接続面は、前記対物レンズの光軸を中心とした円筒面で構成される第1の接続面と、前記対物レンズの光軸を中心とした円筒面で構成される第2の接続面と、前記対物レンズの光軸を中心とした円錐面で構成される第3の接続面とを含み、
    前記複数の分割面は、第1の分割面と、前記第1の分割面に隣接する第2の分割面と、前記第2の分割面に隣接する第3の分割面と、前記第3の分割面に隣接する第4の分割面とを含み、
    前記第1の分割面は、前記第2の分割面よりも前記対物レンズの光軸に近く、
    前記第2の分割面は、前記第3の分割面よりも前記対物レンズの光軸に近く、
    前記第3の分割面は、前記第4の分割面よりも前記対物レンズの光軸に近く、
    前記光学面と前記対物レンズの光軸との交点で、前記光学面に接する平面を基準面として、
    前記第2の分割面と前記基準面との間隔は、前記第1の分割面と前記基準面との間隔よりも大きく、
    前記第3の分割面と前記基準面との間隔は、前記第2の分割面と前記基準面との間隔よりも大きく、
    前記第4の分割面と前記基準面との間隔は、前記第3の分割面と前記基準面との間隔よりも小さく、
    前記第1の接続面は、前記第1の分割面と前記第2の分割面とを接続し、
    前記第2の接続面は、前記第2の分割面と前記第3の分割面とを接続し、
    前記第3の接続面は、前記第3の分割面と前記第4の分割面とを接続し、
    前記第1の接続面及び前記第2の接続面の前記対物レンズの光軸方向の長さは、前記第3の接続面の前記対物レンズの光軸方向の長さより短く、
    前記対物レンズは、開口数が0.8以上であるとともに、合成樹脂製であり、
    前記光学面は、断面が略階段形状の回折構造を有し、
    前記第3の接続面と前記対物レンズの光軸とのなす角度θ[deg]は、下記の式(1)を満たすことを特徴とする対物レンズ。
    Figure 0005602833
    なお、λ[μm]は前記対物レンズに入射するレーザ光の光源波長を表し、nは前記対物レンズの前記波長λにおける屈折率を表し、θ[deg]は前記対物レンズの有効領域の最外周におけるベース非球面のレンズ傾斜角を表し、d[μm]は前記回折構造の前記光軸と垂直な方向の一周期のピッチを表し、mは前記回折構造で発生する前記波長λのレーザ光の主たる回折光の回折次数を表す。
  2. 情報記録媒体に対して情報を記録又は再生する光学ヘッドに用いられる対物レンズであって、
    前記対物レンズの少なくとも一方の面は、断面が略階段形状でありかつ前記対物レンズの光軸を中心として輪帯状に分割された複数の分割面からなる光学面と、互いに隣接する前記複数の分割面同士を接続する複数の接続面とを有し、
    前記複数の接続面は、前記対物レンズの光軸を中心とした円筒面で構成される第1の接続面と、前記対物レンズの光軸を中心とした円筒面で構成される第2の接続面と、前記対物レンズの光軸を中心とした円錐面で構成される第3の接続面とを含み、
    前記複数の分割面は、第1の分割面と、前記第1の分割面に隣接する第2の分割面と、前記第2の分割面に隣接する第3の分割面と、前記第3の分割面に隣接する第4の分割面とを含み、
    前記第1の分割面は、前記第2の分割面よりも前記対物レンズの光軸に近く、
    前記第2の分割面は、前記第3の分割面よりも前記対物レンズの光軸に近く、
    前記第3の分割面は、前記第4の分割面よりも前記対物レンズの光軸に近く、
    前記光学面と前記対物レンズの光軸との交点で、前記光学面に接する平面を基準面として、
    前記第2の分割面と前記基準面との間隔は、前記第1の分割面と前記基準面との間隔よりも大きく、
    前記第3の分割面と前記基準面との間隔は、前記第2の分割面と前記基準面との間隔よりも大きく、
    前記第4の分割面と前記基準面との間隔は、前記第3の分割面と前記基準面との間隔よりも小さく、
    前記第1の接続面は、前記第1の分割面と前記第2の分割面とを接続し、
    前記第2の接続面は、前記第2の分割面と前記第3の分割面とを接続し、
    前記第3の接続面は、前記第3の分割面と前記第4の分割面とを接続し、
    前記第1の接続面及び前記第2の接続面の前記対物レンズの光軸方向の長さは、前記第3の接続面の前記対物レンズの光軸方向の長さより短く、
    前記対物レンズは、開口数が0.8以上であるとともに、合成樹脂製であり、
    前記光学面は、断面が略階段形状の回折構造を有し、
    前記第3の接続面と前記対物レンズの光軸とのなす角度θ[deg]は、
    40≦θ ≦50
    を満たすことを特徴とする対物レンズ。
  3. 前記対物レンズの少なくとも一方の面は、前記対物レンズの光軸を含む第1領域と、前記第1領域よりも外周側に配置された第2領域とを有し、
    前記第1領域は、前記光学面と、前記複数の接続面とを含み、
    前記第2領域は、断面が略鋸歯形状でありかつ前記対物レンズの光軸を中心として輪帯状に分割された複数の外周分割面からなる外周光学面と、互いに隣接する前記複数の外周分割面同士を接続する、前記対物レンズの光軸を中心とした円錐面で構成される外周接続面とを含み、
    前記第3の接続面と前記対物レンズの光軸とのなす角度θb1[deg]は、前記外周接続面と前記対物レンズの光軸とのなす角度θb2[deg]と等しいことを特徴とする請求項1又は記載の対物レンズ。
  4. 前記複数の外周分割面は、第1の外周分割面と、前記第1の外周分割面に隣接する第2の外周分割面とを含み、
    前記第1の外周分割面は、前記第2の外周分割面よりも前記対物レンズの光軸に近く、
    前記第2の外周分割面と前記基準面との間隔は、前記第1の外周分割面と前記基準面との間隔よりも大きく、
    前記第1の外周分割面と前記第2の外周分割面とは、前記外周接続面により接続されことを特徴とする請求項記載の対物レンズ。
  5. 前記外周光学面は、断面が略鋸歯形状の回折構造であり、
    前記外周接続面と前記対物レンズの光軸とのなす角度θb2[deg]は、下記の式()を満たすことを特徴とする請求項又は記載の対物レンズ。
    Figure 0005602833
    なお、λ[μm]は前記対物レンズに入射するレーザ光の光源波長を表し、nは前記対物レンズの前記波長λにおける屈折率を表し、θ[deg]は前記対物レンズの有効領域の最外周におけるベース非球面のレンズ傾斜角を表し、d[μm]は前記回折構造の前記光軸と垂直な方向の一周期のピッチを表し、mは前記回折構造で発生する前記波長λのレーザ光の主たる回折光の回折次数を表す。
  6. 前記外周光学面は、断面が略鋸歯形状の回折構造であり、
    前記外周接続面と前記対物レンズの光軸とのなす角度θb2[deg]は、
    40≦θb2 ≦50
    を満たすことを特徴とする請求項又は記載の対物レンズ。
  7. 前記第1の接続面及び前記第2の接続面の前記対物レンズの光軸方向の長さは、波長λ(0.39μm≦λ≦0.43μm)のレーザ光に対して、前記λ以上の位相差を与え、波長λ(0.61μm≦λ≦0.69μm)のレーザ光に対して、前記λ以下の位相差を与え、
    前記対物レンズのベース非球面の屈折作用と前記回折構造の回折作用とによって、前記光学面に入射した前記波長λのレーザ光と前記波長λのレーザ光とは、いずれも前記対物レンズの光軸方向に出射されることを特徴とする請求項のいずれかに記載の対物レンズ。
  8. 前記第2領域は、前記第1領域に接していることを特徴とする請求項のいずれかに記載の対物レンズ。
  9. 前記対物レンズの少なくとも一方の面は、前記第1領域と前記第2領域との間に配置された第3領域をさらに有し、
    前記第3領域は、断面が略階段形状でありかつ前記対物レンズの光軸を中心として輪帯状に分割された複数の中周分割面からなる中周光学面と、互いに隣接する前記複数の中周分割面同士を接続する複数の中周接続面とを含み、
    前記複数の中周接続面は、前記対物レンズの光軸を中心とした円筒面で構成される第1の中周接続面と、前記対物レンズの光軸を中心とした円筒面で構成される第2の中周接続面と、前記対物レンズの光軸を中心とした円錐面で構成される第3の中周接続面とを含むことを特徴とする請求項のいずれかに記載の対物レンズ。
  10. 前記複数の中周分割面は、第1の中周分割面と、前記第1の中周分割面に隣接する第2の中周分割面と、前記第2の中周分割面に隣接する第3の中周分割面と、前記第3の中周分割面に隣接する第4の中周分割面とを含み、
    前記第1の中周分割面は、前記第2の中周分割面よりも前記対物レンズの光軸に近く、
    前記第2の中周分割面は、前記第3の中周分割面よりも前記対物レンズの光軸に近く、
    前記第3の中周分割面は、前記第4の中周分割面よりも前記対物レンズの光軸に近く、
    前記第2の中周分割面と前記基準面との間隔は、前記第1の中周分割面と前記基準面との間隔よりも大きく、
    前記第3の中周分割面と前記基準面との間隔は、前記第2の中周分割面と前記基準面との間隔よりも大きく、
    前記第4の中周分割面と前記基準面との間隔は、前記第3の中周分割面と前記基準面との間隔よりも小さく、
    前記第1の中周接続面は、前記第1の中周分割面と前記第2の中周分割面とを接続し、
    前記第2の中周接続面は、前記第2の中周分割面と前記第3の中周分割面とを接続し、
    前記第3の中周接続面は、前記第3の中周分割面と前記第4の中周分割面とを接続することを特徴とする請求項記載の対物レンズ。
  11. 前記第1の中周接続面及び前記第2の中周接続面の前記対物レンズの光軸方向の長さは、前記第3の中周接続面の前記対物レンズの光軸方向の長さより短いことを特徴とする請求項又は10記載の対物レンズ。
  12. 前記第3の接続面と前記対物レンズの光軸とのなす角度θb1[deg]と、前記外周接続面と前記対物レンズの光軸とのなす角度θb2[deg]と、前記第3の中周接続面と前記対物レンズの光軸とのなす角度θb3[deg]とは等しいことを特徴とする請求項11のいずれかに記載の対物レンズ。
  13. 前記第1の接続面及び前記第2の接続面の前記対物レンズの光軸方向の長さは、波長λ(0.39μm≦λ≦0.43μm)のレーザ光に対して、前記λ以上の位相差を与え、波長λ(0.61μm≦λ≦0.69μm)のレーザ光に対して、前記λ以下の位相差を与え、波長λ(0.75μm≦λ≦0.85μm)のレーザ光に対して、前記λ以下の位相差を与え、
    前記対物レンズのベース非球面の屈折作用と前記回折構造の回折作用とによって、前記光学面に入射した前記波長λのレーザ光と前記波長λのレーザ光と前記波長λのレーザ光とは、いずれも前記対物レンズの光軸方向に出射されることを特徴とする請求項12のいずれかに記載の対物レンズ。
  14. レーザ光を出射する光源と、
    前記光源から出射された前記レーザ光を情報記録媒体の情報記録面に収束させる、請求項13のいずれかに記載の対物レンズと、
    前記情報記録媒体で反射されたレーザ光を受光する受光部とを備えることを特徴とする光学ヘッド。
  15. 請求項14に記載の光学ヘッドと、
    情報記録媒体を回転させるモータと、
    前記光学ヘッドと前記モータとを制御する制御部とを備えることを特徴とする光ディスク装置。
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