JP2006251787A - 回折格子部材及び光通信モジュール - Google Patents
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Abstract
【課題】光ファイバからの波長の異なる光を十分な回折角で分離し3波長を利用可能な光通信モジュール及び3波長を利用可能なように波長の異なる光を十分な回折角で分離可能な回折格子部材を提供する。
【解決手段】この光通信モジュール1は、半導体レーザ11と、半導体レーザから射出する波長λ1の光を光ファイバ14へ結合させるための結合光学系16と、光ファイバの端面から出射される2つの波長λ2、λ3の光を受光する2つの受光素子12,13と、を有し、結合光学系は、光ファイバと半導体レーザ及び2つの受光素子との間に配置され、かつ、結合光学系の少なくとも1面に回折構造15を有し、3つの波長の光を異なる向きに相対的に屈曲させることで、半導体レーザから射出する波長λ1の光は光ファイバに入射し結合し、光ファイバから射出される2つの波長λ2、λ3の光はそれぞれ離れて配置された2つの受光素子へ入射する。
【選択図】 図1
【解決手段】この光通信モジュール1は、半導体レーザ11と、半導体レーザから射出する波長λ1の光を光ファイバ14へ結合させるための結合光学系16と、光ファイバの端面から出射される2つの波長λ2、λ3の光を受光する2つの受光素子12,13と、を有し、結合光学系は、光ファイバと半導体レーザ及び2つの受光素子との間に配置され、かつ、結合光学系の少なくとも1面に回折構造15を有し、3つの波長の光を異なる向きに相対的に屈曲させることで、半導体レーザから射出する波長λ1の光は光ファイバに入射し結合し、光ファイバから射出される2つの波長λ2、λ3の光はそれぞれ離れて配置された2つの受光素子へ入射する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、回折格子部材及び光通信モジュールに関するものである。
従来の、CD及びDVDの2種の媒体からの信号を読み取る光ピックアップ用の回折格子部材では、CDの読み取りに用いられる波長785nmのレーザ光とDVDの読み取りに用いられる波長655nmのレーザ光を対象とし、CD用波長のレーザ光とDVD用波長のレーザ光の光軸を同軸化し1つの受光素子で信号検出するために、隣接する回折面部の光路差が一定の波長と同等とし、6面形成された階段状格子が使用されている。
また、光通信分野において、2つの波長をそれぞれ受信側と送信側に用い、2つの波長を分離し、半導体レーザからの光を光ファイバに結合させ、光ファイバからの光を受光素子に結合させる光通信モジュールが公知であり、下記特許文献1では、半導体レーザの波長を1310nmとし光ファイバからの波長を1550nmとし、隣接する回折面部の光路差が一定の波長と同等とし、3面形成された階段状格子が使われている。
特開2003−344715号公報
上述のような階段状格子では2つの波長を分離できるが、さらに多波長の光を分離することができない。特に、光通信分野では半導体レーザからの光を波長の多少の変動に影響を受けずに安定的に光ファイバに結合させ、かつ光ファイバからの2つの波長の光を分離し別の受光素子へ導く3波長の光通信モジュールを達成するためには従来の階段状格子では光ファイバからの光を十分に分離できなかった。
本発明は、上述のような従来技術の問題に鑑み、光ファイバからの波長の異なる光を十分な回折角で分離し3波長を利用可能な光通信モジュール及び3波長を利用可能なように波長の異なる光を十分な回折角で分離可能な回折格子部材を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明による光通信モジュールは、半導体レーザと、前記半導体レーザから射出する波長λ1の光を光ファイバへ結合させるための結合光学系と、前記光ファイバの端面から出射される少なくとも2つの波長λ2、λ3の光を受光する2つの受光素子と、を有する光通信モジュールであって、前記結合光学系は、前記光ファイバと前記半導体レーザ及び前記2つの受光素子との間に配置され、かつ、前記結合光学系の少なくとも1面に回折構造を有し、3つの波長の光を異なる向きに相対的に屈曲させることで、前記半導体レーザから射出する波長λ1の光は前記光ファイバに入射し、前記光ファイバから射出される2つの波長λ2、λ3の光はそれぞれ離れて配置された前記2つの受光素子へ入射するように構成したことを特徴とする。
この光通信モジュールによれば、結合光学系の少なくとも1面に設けた回折構造により、半導体レーザからの波長λ1の光が光ファイバに入射し、光ファイバからの少なくとも2つの波長λ2、λ3の各光が離れて配置された2つの受光素子へ入射でき、光ファイバからの波長の異なる光を十分な回折角で分離し3波長を利用可能となる。
上記光通信モジュールにおいて前記波長λ1、λ2、λ3が以下の条件を満足するとき、
1280nm≦λ1≦1340nm、
1480nm≦λ2≦1500nm、
1530nm≦λ3≦1570nm、
前記回折構造は、光軸方向に沿った立ち上がり面部と前記立ち上がり面部から張り出して形成された回折面部とを有する段部を所定の段数備えた階段状格子部が光軸と直交する方向に繰り返し形成されることで構成され、前記階段状格子部において、前記段部は、隣接する前記回折面部を通過する波長λ1の光に波長の整数倍の光路差を与え、前記回折面部が12面であることが好ましい。これにより、光ファイバからの波長の異なる光を十分な回折角で分離できるとともに、3つの波長の各光の回折効率がよくなる。
1280nm≦λ1≦1340nm、
1480nm≦λ2≦1500nm、
1530nm≦λ3≦1570nm、
前記回折構造は、光軸方向に沿った立ち上がり面部と前記立ち上がり面部から張り出して形成された回折面部とを有する段部を所定の段数備えた階段状格子部が光軸と直交する方向に繰り返し形成されることで構成され、前記階段状格子部において、前記段部は、隣接する前記回折面部を通過する波長λ1の光に波長の整数倍の光路差を与え、前記回折面部が12面であることが好ましい。これにより、光ファイバからの波長の異なる光を十分な回折角で分離できるとともに、3つの波長の各光の回折効率がよくなる。
この場合、前記段部は隣接する前記回折面部を通過する波長λ1の約2倍の光路差を与えることが好ましい。または、前記段部は隣接する前記回折面部を通過する波長λ1の約1倍の光路差を与えることが好ましい。
更に、前記段部は、前記波長λ1の光に対し、前記隣接する回折面部を通過する光に波長λ1のM倍の光路差を与え、Mが以下の条件式(1)または(2)を満足するように決めることで、回折光量が調整可能となる。
0.9<M<1.1 (1)
1.9<M<2.1 (2)
0.9<M<1.1 (1)
1.9<M<2.1 (2)
更に、前記結合光学系の前記回折構造により、波長の異なる3つの波長の光に対し、それぞれ異なる次数の回折光を発生させることが好ましい。これにより、3つの波長の光を異なる向きに相対的に屈曲して分離できる。特に、光ファイバからの波長の異なる光に対し、回折効率が最大となる回折次数がそれぞれ異なる回折光を発生させることで、光ファイバからの波長の異なる光を十分な回折角で分離できる。さらに、長波長ほど大きな回折次数で回折すると、各波長間の回折角の差を十分に大きくすることができるのでより好ましい。
例えば、前記波長λ1、λ2、λ3が以下の条件を満足するとき、
1280nm≦λ1≦1340nm、
1480nm≦λ2≦1500nm、
1530nm≦λ3≦1570nm、
前記結合光学系中の回折構造が、前記波長λ1の光に対し0次の回折光(透過波)を発生させ、波長λ2の光に対し3次回折光が最大の回折効率で発生し、波長λ3の光に対し4次回折光が最大の回折効率で発生するように構成されることで、光ファイバからの波長の異なる光を十分な回折角で分離できるとともに、回折光の光量が大きくなる。
1280nm≦λ1≦1340nm、
1480nm≦λ2≦1500nm、
1530nm≦λ3≦1570nm、
前記結合光学系中の回折構造が、前記波長λ1の光に対し0次の回折光(透過波)を発生させ、波長λ2の光に対し3次回折光が最大の回折効率で発生し、波長λ3の光に対し4次回折光が最大の回折効率で発生するように構成されることで、光ファイバからの波長の異なる光を十分な回折角で分離できるとともに、回折光の光量が大きくなる。
また、前記波長λ1、λ2、λ3が以下の条件を満足するとき、
1280nm≦λ1≦1340nm、
1480nm≦λ2≦1500nm、
1530nm≦λ3≦1570nm、
前記回折構造が、前記波長λ1の光に対し0次の回折光(透過波)を発生させ、波長λ2の光に対し1次回折光が最大の回折効率で発生し、波長λ3の光に対し2次回折光が最大の回折効率で発生するように構成されることで、光ファイバからの波長の異なる光を十分な回折角で分離できるとともに、回折光の光量が大きくなる。
1280nm≦λ1≦1340nm、
1480nm≦λ2≦1500nm、
1530nm≦λ3≦1570nm、
前記回折構造が、前記波長λ1の光に対し0次の回折光(透過波)を発生させ、波長λ2の光に対し1次回折光が最大の回折効率で発生し、波長λ3の光に対し2次回折光が最大の回折効率で発生するように構成されることで、光ファイバからの波長の異なる光を十分な回折角で分離できるとともに、回折光の光量が大きくなる。
また、前記波長λ1、λ2、λ3が以下の条件を満足するとき、
1280nm≦λ1≦1340nm、
1480nm≦λ2≦1500nm、
1530nm≦λ3≦1570nm、
前記回折構造は、光軸方向に沿った立ち上がり面部と前記立ち上がり面部から張り出して形成された回折面部とを有する段部を所定の段数備えた階段状格子部が光軸と直交する方向に繰り返し形成されることで構成され、前記階段状格子部において、前記段部は、隣接する前記回折面部を通過する波長λ1の光に波長の整数倍の光路差を与え、前記回折面部が9面であることが好ましい。これにより、光ファイバからの波長の異なる光を十分な回折角で分離できるとともに、3つの波長の各光の回折効率がよくなる。
1280nm≦λ1≦1340nm、
1480nm≦λ2≦1500nm、
1530nm≦λ3≦1570nm、
前記回折構造は、光軸方向に沿った立ち上がり面部と前記立ち上がり面部から張り出して形成された回折面部とを有する段部を所定の段数備えた階段状格子部が光軸と直交する方向に繰り返し形成されることで構成され、前記階段状格子部において、前記段部は、隣接する前記回折面部を通過する波長λ1の光に波長の整数倍の光路差を与え、前記回折面部が9面であることが好ましい。これにより、光ファイバからの波長の異なる光を十分な回折角で分離できるとともに、3つの波長の各光の回折効率がよくなる。
この場合、前記段部は隣接する前記回折面部を通過する波長λ1の約2倍の光路差を与えることが好ましい。
更に、前記段部は、前記波長λ1の光に対し、前記隣接する回折面を通過する光に波長λ1のM倍の光路差を与え、Mが以下の条件式(2)を満足するように決めることで、回折光量が調整可能となる。
1.9<M<2.1 (2)
1.9<M<2.1 (2)
また、前記波長λ1、λ2、λ3が以下の条件を満足するとき、
1280nm≦λ1≦1340nm、
1480nm≦λ2≦1500nm、
1530nm≦λ3≦1570nm、
前記結合光学系中の回折構造が、前記波長λ1の光に対し0次の回折光(透過波)を発生させ、波長λ2の光に対し2次回折光が最大の回折効率で発生し、波長λ3の光に対し3次回折光が最大の回折効率で発生するように構成されることで、光ファイバからの波長の異なる光を十分な回折角で分離できるとともに、回折光の光量が大きくなる。
1280nm≦λ1≦1340nm、
1480nm≦λ2≦1500nm、
1530nm≦λ3≦1570nm、
前記結合光学系中の回折構造が、前記波長λ1の光に対し0次の回折光(透過波)を発生させ、波長λ2の光に対し2次回折光が最大の回折効率で発生し、波長λ3の光に対し3次回折光が最大の回折効率で発生するように構成されることで、光ファイバからの波長の異なる光を十分な回折角で分離できるとともに、回折光の光量が大きくなる。
また、前記波長λ1、λ2、λ3が以下の条件を満足するとき、
1280nm≦λ1≦1340nm、
1480nm≦λ2≦1500nm、
1530nm≦λ3≦1570nm、
前記回折構造は、光軸方向に沿った立ち上がり面部と前記立ち上がり面部から張り出して形成された回折面部とを有する段部を所定の段数備えた階段状格子部が光軸と直交する方向に繰り返し形成されることで構成され、前記階段状格子部において、前記段部は、隣接する前記回折面部を通過する波長λ1の光に波長の整数倍の光路差を与え、前記回折面部が11面であることが好ましい。これにより、光ファイバからの波長の異なる光を十分な回折角で分離できるとともに、3つの波長の各光の回折効率がよくなる。
1280nm≦λ1≦1340nm、
1480nm≦λ2≦1500nm、
1530nm≦λ3≦1570nm、
前記回折構造は、光軸方向に沿った立ち上がり面部と前記立ち上がり面部から張り出して形成された回折面部とを有する段部を所定の段数備えた階段状格子部が光軸と直交する方向に繰り返し形成されることで構成され、前記階段状格子部において、前記段部は、隣接する前記回折面部を通過する波長λ1の光に波長の整数倍の光路差を与え、前記回折面部が11面であることが好ましい。これにより、光ファイバからの波長の異なる光を十分な回折角で分離できるとともに、3つの波長の各光の回折効率がよくなる。
この場合、前記段部は隣接する前記回折面部を通過する波長λ1の約1倍の光路差を与えることが好ましい。
更に、前記段部は、前記波長λ1の光に対し、前記隣接する回折面部を通過する光に波長λ1のM倍の光路差を与え、Mが以下の条件式(1)を満足するように決めることで、回折光量が調整可能となる。
0.9<M<1.1 (1)
0.9<M<1.1 (1)
また、前記回折構造が、前記波長λ1の光に対し0次の回折光(透過波)を発生させ、波長λ2の光に対し1次回折光が最大の回折効率で発生し、波長λ3の光に対し2次回折光が最大の回折効率で発生するように構成されることで、光ファイバからの波長の異なる光を十分な回折角で分離できるとともに、回折光の光量が大きくなる。
また、前記回折面部は前記階段状格子部の高さが増加する方向に高さが減少するように傾斜して形成され、波長λ1の入射光を直進させ、波長λ2とλ3の入射光を異なる回折次数で回折させることで、光ファイバからの波長の異なる光を更に十分な回折角で分離できる。
本発明による回折格子部材は、異なる波長の光を分波する回折格子部材であって、光軸と直交する面に回折格子部が形成され、前記回折格子部には光軸方向に沿った立ち上がり面と前記立ち上がり面部から張り出して形成された回折面部とを有する段部を所定の段数備えた階段状格子部が繰り返し形成され、前記階段状格子部において、前記段部は隣接する前記回折面部を通過する一つの入射光に対し、入射光波長の整数倍とした光路差を与え、前記回折面部が9面、11面または12面であることを特徴とする。
この回折格子部材によれば、階段状格子部が光軸方向に沿った立ち上がり面とこの立ち上がり面部から張り出して形成された回折面部とを有する段部を所定の段数備えて繰り返し形成され、前記段部は、隣接する回折面部を通過する一つの入射光に対し、入射光波長の整数倍とした光路差を与え、回折面部が9面、11面または12面であることにより、光ファイバからの波長の異なる光を十分な回折角で分離できるとともに、3つの波長の各光の回折効率がよくなり、3波長を利用可能となる。
上記回折格子部材において以下の3つの波長λ1、λ2、λ3が以下の条件を満足するとき、
1280nm≦λ1≦1340nm、
1480nm≦λ2≦1500nm、
1530nm≦λ3≦1570nm、
前記波長λ1の光に対し、前記段部は、前記隣接する回折面部を通過する光に波長λ1の約整数倍の光路差を与えることが好ましい。このとき、λ2、λ3に対しては、前記隣接する回折面部を通過する光に各波長λ2、λ3の非整数倍の光路差を与えることがさらに好ましい。
1280nm≦λ1≦1340nm、
1480nm≦λ2≦1500nm、
1530nm≦λ3≦1570nm、
前記波長λ1の光に対し、前記段部は、前記隣接する回折面部を通過する光に波長λ1の約整数倍の光路差を与えることが好ましい。このとき、λ2、λ3に対しては、前記隣接する回折面部を通過する光に各波長λ2、λ3の非整数倍の光路差を与えることがさらに好ましい。
この場合、前記波長λ1の光に対し、前記段部は、前記隣接する回折面部を通過する光に波長λ1のM倍の光路差を与え、Mが以下の条件式(1)または(2)を満足するように決めることで、回折光量が調整可能となる。
0.9<M<1.1 (1)
1.9<M<2.1 (2)
0.9<M<1.1 (1)
1.9<M<2.1 (2)
また、前記立ち上がり面部のうち、前記階段状格子部の末端または終端の最も大きい段差を与える立ち上がり面部が前記階段状格子部の階段を下る方向に傾斜していることが好ましい。これにより、回折格子部材を射出成形により生産するときに歩留まりを向上できる。
上記光通信モジュールにおいて、前記光ファイバの端面から出射される少なくとも3つの波長λ2、λ3、λ4の光を受光する3つの受光素子を備え、前記波長λ1、λ2、λ3、λ4が以下の条件を満足するとき、
1280nm≦λ1≦1340nm
1480nm≦λ2≦1500nm
1530nm≦λ3≦1570nm
1600nm≦λ4≦1620nm
前記回折構造は、光軸方向に沿った立ち上がり面部と前記立ち上がり面部から張り出して形成された回折面部とを有する段部を所定の段数備えた階段状格子部が光軸と直交する方向に繰り返し形成されることで構成され、前記階段状格子部において、前記段部は、隣接する前記回折面部を通過する波長λ1の光に波長の整数倍の光路差を与え、前記回折面部が12面、13面または14面であることが好ましい。
1280nm≦λ1≦1340nm
1480nm≦λ2≦1500nm
1530nm≦λ3≦1570nm
1600nm≦λ4≦1620nm
前記回折構造は、光軸方向に沿った立ち上がり面部と前記立ち上がり面部から張り出して形成された回折面部とを有する段部を所定の段数備えた階段状格子部が光軸と直交する方向に繰り返し形成されることで構成され、前記階段状格子部において、前記段部は、隣接する前記回折面部を通過する波長λ1の光に波長の整数倍の光路差を与え、前記回折面部が12面、13面または14面であることが好ましい。
この場合、上記光通信モジュールにおいて、前記回折構造の前記段部は、前記波長λ1の光に対し、前記隣接する回折面部を通過する光に波長λ1のM倍の光路差を与え、Mが以下の条件式(2)を満足する。
1.9<M<2.1 (2)
1.9<M<2.1 (2)
さらに、上記光通信モジュールにおいて、 前記波長λ1、λ2、λ3、λ4が以下の条件を満足するとき、
1280nm≦λ1≦1340nm
1480nm≦λ2≦1500nm
1530nm≦λ3≦1570nm
1600nm≦λ4≦1620nm
前記回折構造が、前記波長λ1の光に対し0次の回折光(透過波)を発生させ、波長λ2の光に対し3次回折光が最大の回折効率で発生し、波長λ3の光に対し4次回折光が最大の回折効率で発生し、波長λ4の光に対し5次回折光が最大の回折効率で発生することが好ましい。
1280nm≦λ1≦1340nm
1480nm≦λ2≦1500nm
1530nm≦λ3≦1570nm
1600nm≦λ4≦1620nm
前記回折構造が、前記波長λ1の光に対し0次の回折光(透過波)を発生させ、波長λ2の光に対し3次回折光が最大の回折効率で発生し、波長λ3の光に対し4次回折光が最大の回折効率で発生し、波長λ4の光に対し5次回折光が最大の回折効率で発生することが好ましい。
また、上記光通信モジュールにおいて、 前記回折面部は前記階段状格子部の高さが増加する方向に前記回折構造の厚みが減少するように傾斜して形成され、波長λ1の入射光を直進させ、波長λ2、λ3とλ4の入射光を異なる回折次数で回折させることが好ましい。
本発明に係る、異なる波長の光を分波する回折格子部材は、光軸と直交する面に回折格子部が形成され、前記回折格子部には光軸方向に沿った立ち上がり面と前記立ち上がり面部から張り出して形成された回折面部とを有する段部を所定の段数備えた階段状格子部が繰り返し形成され、前記段部は、隣接する前記回折面部を通過する一つの入射光に対し、入射光波長の整数倍とした光路差を与え、前記回折面部が12面、13面または14面であることを特徴とする。
上記回折格子部材において、以下の4つの波長λ1、λ2、λ3、λ4が以下の条件を満足するとき、
1280nm≦λ1≦1340nm
1480nm≦λ2≦1500nm
1530nm≦λ3≦1570nm
1600nm≦λ4≦1620nm
前記波長λ1の光に対し、前記段部は、前記隣接する回折面部を通過する光に波長λ1の約整数倍の光路差を与えることが好ましい。この時、λ2、λ3、λ4に対しては、前記隣接する回折面部を通過する光に各波長λ2、λ3、λ4の非整数倍の光路差を与えることがさらに好ましい。
1280nm≦λ1≦1340nm
1480nm≦λ2≦1500nm
1530nm≦λ3≦1570nm
1600nm≦λ4≦1620nm
前記波長λ1の光に対し、前記段部は、前記隣接する回折面部を通過する光に波長λ1の約整数倍の光路差を与えることが好ましい。この時、λ2、λ3、λ4に対しては、前記隣接する回折面部を通過する光に各波長λ2、λ3、λ4の非整数倍の光路差を与えることがさらに好ましい。
また、上記回折格子部材において、 前記波長λ1の光に対し、前記段部は、前記隣接する回折面部を通過する光に波長λ1のM倍の光路差を与え、Mが以下の条件式(2)を満足することが好ましい。
1.9<M<2.1 (2)
1.9<M<2.1 (2)
また、前記立ち上がり面部のうち、前記階段状格子部の末端または終端の最も大きい段差を与える立ち上がり面部が前記階段状格子部の階段を下る方向に傾斜していることが好ましい。
本発明の光通信モジュールによれば、光ファイバからの波長の異なる光を十分な回折角で分離できるとともに、それぞれの波長の各光の回折効率がよくなり、3波長および4波長を利用可能となる。これにより、従来よりも小さな光学系で光ファイバからの波長の異なる光を分離できるので、光通信モジュールの小型化を実現できる。
本発明の回折格子部材によれば、階段状格子部の回折面部を9,11または12面とすることで、波長の異なる光を十分な回折角で分離できるとともに3つの波長の各光の回折効率がよくなり、3波長を利用可能となる。同様に、階段状格子部の回折面部を12,13または14面とすることで、波長の異なる光を十分な回折角で分離できるとともに4つの波長の各光の回折効率がよくなり、4波長を利用可能となる。従って、従来よりも小さな光学系で波長の異なる光を分離できるので、光通信モジュールに適用することで光通信モジュールの小型化を実現できる。
〈実施形態1〉
以下、本発明を実施するための最良の形態としての実施形態1について図面を用いて説明する。図1は本実施形態1による回折格子部材を用いた光通信モジュールを概念的に示す図である。図2は本実施形態1による回折格子部材を用いたもう1つの光通信モジュールを概念的に示す図である。図3は本実施形態1による回折格子部材の形状の説明図である。図4は図3の回折格子部材により3つの波長の光が分離したときの角度の定義についての説明図である。
図1に示すように、光通信モジュール1は、結合光学系16と回折格子部材15とを挟んで光ファイバ14と、半導体レーザ11・受光素子12・受光素子13とが対向するようにして筐体18内に配置されることで構成される。半導体レーザ11、受光素子12、受光素子13は固定部材2aで筐体18に固定され、カップリングレンズ17は固定部材2bで筐体18に固定され、また光ファイバ14は固定部材2cで筐体18に固定されている。
結合光学系16はカップリングレンズ17からなり、また、回折格子部材15(回折構造)はカップリングレンズ17の光ファイバ14側の面17aに設けられた複数の階段状格子部15aから構成される。各階段状格子部15aは、光軸Pと直交する方向に繰り返して配列されて面17a上に形成されている。
半導体レーザ11から出射する波長λ1のレーザ光がカップリングレンズ17を透過し、その透過光(0次光)が光ファイバ14の端面14aに結像し、また、光ファイバ14の端面14aから出射する波長λ2の光(図1の破線で示す)及び波長λ3(λ2<λ3)の光(図1の一点鎖線で示す)が回折格子部材15で回折されて受光素子12と受光素子13にそれぞれ入射するようになっている。
即ち、受光素子12と受光素子13は、半導体レーザ11に対し回折格子部材15の各階段状格子部15aが配列する方向に光軸Pからより離れるように配置されている。光ファイバ14の端面14aから射出される波長λ2、λ3のうち長い波長λ3用の受光素子13は、受光素子12よりも半導体レーザ11から離れた位置に配置される。このように、受光素子12,13は、波長が長くなるにつれカップリングレンズ17から光軸Pの方向に離れるように配置される。
また、上述の波長λ1、λ2、λ3は以下の範囲内であり、例えば、λ1が1310nm、λ2が1490nm、λ3が1550nmである。
1280nm≦λ1≦1340nm
1480nm≦λ2≦1500nm
1530nm≦λ3≦1570nm
1280nm≦λ1≦1340nm
1480nm≦λ2≦1500nm
1530nm≦λ3≦1570nm
また、図2に示す光通信モジュール10は、結合光学系16にボールレンズ19を半導体レーザ11の近傍に配置するようにして追加し、階段状格子部15aが結合光学系16のカップリングレンズ17の半導体レーザ11側の面17bに設けられている点が相違する以外は、図1のものと基本的には同じ構成であり、同じように機能する。
次に、図1,図2の回折格子部材15の階段状格子部15aについて図3を参照して説明する。図3のように、各階段状格子部15aは、図1,図2の光軸Pの方向(図3の縦方向)に沿った立ち上がり面部15bと、立ち上がり面部15bから張り出して形成された回折面部15cより構成された段部を複数備えている。
各階段状格子部15aは、図3の複数の段部が各段差高さdの立ち上がり面部15b及び回折面部15cで階段形状に形成され、その階段形状が周期的に繰返して配置されることで、全体の長さ(ピッチ)Λでかつ全体の段差Dで構成される。また、各立ち上がり面部15bの内、階段の周期の端にある1周期中最も大きい段差Dの立ち上がり面部15bが回折面部15cの面積を狭くする方向、即ち階段形状格子部15aの階段を下る方向に小さい角度φで傾斜して形成されている。
図1〜図3の回折格子部材15を3つの波長λ1、λ2、λ3に対して用いた場合の光の屈曲状況について図4を参照して説明する。
図4のように、複数の階段状格子部15aから構成される回折格子部材15において、図1,図2の半導体レーザ11からの入射光λ1と、光ファイバ14からの入射光λ2、λ3とは、互いに反対方向から入射し、入射光λ1は回折せずそのまま透過する。なお、λ1は垂直に入射する必要はなく、10度以下の画角をもって入射するレイアウトでもよいが、ここでは垂直入射として説明する。一方、波長λ2とλ3(λ2<λ3)の光は回折し、λ2の回折角をθ、λ3の回折角をθ’とすると、θ<θ’となるように回折する。
次に、図3,図4の回折格子部材15の具体例1〜4について図5乃至図9を参照して説明する。図6〜図9は図3,図4の回折格子部材15の具体例1〜4をそれぞれ示す図である。
ここで、図3,図4において、回折格子部材15の屈折率をnとすると、立ち上がり面部15bの各段差高さdと波長λ1との間には、Mをパラメータとして以下の関係式(3)が成り立つ。
(n−1)d=M・λ1 (3)
ここで、Mはほぼ整数となるように定められる。
ここで、Mはほぼ整数となるように定められる。
図6の具体例1は、上記関係式(3)においてM=2で回折面部が12面を有する形状の回折格子部材である。図7の具体例2は、M=2で回折面部が9面を有する形状の回折格子部材である。図8の具体例3は、M=1で回折面部が12面を有する形状の回折格子部材である。図9の具体例4は、M=1で回折面部が11面を有する形状の回折格子部材である。
図5〜図9において、上記関係式(3)でM=2の場合、各段部は隣接する回折面部を通過する波長λ1の2倍の光路差を与え、M=1の場合、各段部は隣接する回折面部を通過する波長λ1の1倍の光路差を与える。図5の例は、M=2で回折面部を3面有している。
また、一般に回折格子部材のピッチをΛとすると、波長をλ、回折角をθとするとmを回折次数として以下の関係式(4)が成り立つ。
sinθ=mλ/Λ (4)
図5の例ではλ2とλ3の回折次数が同じで回折角θ、θ’の比は比較的小さいのに対し、図6〜図9の具体例1〜4ではλ2とλ3の回折次数がそれぞれ異なり、回折角θ、θ’の比は図5の例よりも大きくなる。従って、図1,図2の各光通信モジュール1,10において、光ファイバ14からの波長λ2とλ3の各光を十分な回折角で分離し、図1,図2の筐体18の光軸方向の長さが長くならずに、3波長λ1〜λ3が利用可能となる。このことから、光ファイバからの波長の異なる光λ2とλ3に対し、それぞれ異なる次数の回折光を発生させることが好ましく、このことにより、光ファイバからの波長の異なる光を十分な回折角で分離できる。
以上のように、図6〜図9の具体例1〜4の回折格子部材によれば、図3の階段状格子部15aの回折面部15cを9,11または12面とすることで、3つの波長の各光を回折効率が良くかつ回折光の角度の分離幅も十分大きくすることができ、従来例に比較し小さな光学系で波長の異なる2つの光を分離できるので、送信・受信可能な光通信モジュールを小型化できる。
また、本実施形態の回折格子部材は、従来例に比べ段差Dが高いため、プラスチックの射出成形で製造する場合、成形品を冷却し金型から離型する際に収縮により回折面の端部が破損するおそれがあるが、図3のように階段状格子部15aの末端または終端の最も大きい段差Dを与える立ち上がり面部15bを角度φだけ傾けることで、かかる回折面端部の破損を防ぐことができる。成形条件をいろいろ変えて実験したところ、0.2°<φ<2°とすると、回折効率を損なうことなく、また、回折面端部の破損率を1%以下に抑えることができることが判明した。上述のように、回折面端部の破損を防ぐことで、回折格子部材15を射出成形により生産するときに歩留まりを向上できる。
次に、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明は本実施例に限定されるものではない。
実施例1,2,3,4,5は、図5〜図9にそれぞれ対応する形状を有し、次の表1に示す条件の回折格子部材である。実施例2〜5の各回折格子部材を1310nm、1490nm、1550nmの3つの波長(λ1,λ2,λ3)に適用したときの回折角の比として、sinθ’/sinθを比較し、各波長の回折効率を比較した。以下の実施例の回折効率は、スカラー近似を用いて計算されている。回折効率は1310nm(λ1)に対する0次回折光を100%とした。即ち、回折面部を適切に傾斜させるか、または、各段差の高さ(Mの値)を調整することで、λ1の0次回折光の効率と他の波長の回折効率をバランスさせることができるが、ここでは、効率と回折作用の説明のため、1310nmを100%とする。
表1から分かるように、実施例1では波長λ2とλ3の回折次数が同じで回折角の比(sinθ’/sinθ)はわずか1.04であり、実施例1の回折格子部材で、λ2とλ3の各光を分離すると、分離のために必要とする距離が大きくなり、光学系が極端に大きくなり、光通信モジュールが光軸方向に長くなってしまうのに対し、実施例2〜5では、波長λ2とλ3の回折次数が異なり回折角の比(sinθ’/sinθ)が約1.4以上であり、小さな分離距離で波長λ2とλ3の分離が可能になり、光通信モジュールが光軸方向に短くなる。また、回折効率も十分である。
これらの実施例からわかるように、回折効率が最大となる回折次数が各波長と異なり、長波長ほど大きな回折次数で回折することにより、各波長間の回折角の差を十分に大きくすることができる。
実施例4では波長λ2の場合の回折効率が39%と低いが、次の表2に示すように実施例6,7で実施例4に対し段差の高さを調整し、回折効率を調整した。
表2のように、関係式(1)のMの値を調整することで回折効率の配分も極端に低くなるところがないようにできる。このように、各波長の必要とする光量に応じて、段差高さを選べばよい。
図1,図2において、波長λ1の光は半導体レーザ11を射出したあと回折格子部材15を含む結合光学系16を通り、光ファイバ14の端面14aに入射するが、ここで結合損失が生じ、回折効率と結合効率の両方を考慮する必要があるため、λ1の回折効率の選び方は重要である。関係式(3)におけるMは、上述の条件式(1)または(2)の範囲内に選ぶと、λ1の0次回折光の光量が小さくなりすぎず、光ファイバとの結合効率を考慮しても十分な光量を伝送することができる。
以上のように本発明を実施するための最良の形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で各種の変形が可能である。例えば、図1の結合光学系16に図2と同様にボールレンズ19を半導体レーザ11の近傍に配置するようにしてもよい。
また、回折格子部材15は、図1,図2では、カップリングレンズ17と一体的な構成としたが、本発明はこれに限定されず、結合光学系16においてカップリングレンズ17とは別の独立した部材としてもよい。
また、回折格子部材15における各回折面部15cを傾斜させるように構成してもよい。例えば、図10のように、階段状格子部15aの高さが増加する方向に、各回折面部15cをその高さが減少するよう傾斜させる。即ち、階段状格子部15aの各回折面部15cを光軸方向(図10の縦方向)に直交する方向に傾斜させることで、波長λ2,λ3の光について、sinθ’/sinθを更に大きくでき、波長λ2,λ3の異なる光を更に十分な回折角で分離できる。
〈実施形態2〉
前述した実施形態1では光ファイバからの波長の異なる光が2つの波長λ2、λ3の例を説明したが、本発明はこの2つの波長λ2、λ3に限定されずに多波長に応用できる。
実施形態2にて、光ファイバからの波長の異なる光が3つの波長λ2、λ3、λ4の例を説明する。
図11は4波長用の光通信モジュール30で図1の光通信モジュール1同様に構成されている。但し本実施形態2では、図11に示すように、光ファイバからの波長の異なる光が3つの波長λ2、λ3、λ4を分離するための回折格子部材35を有す結合光学系37と、分離された3つの波長λ2、λ3、λ4の光をそれぞれ受光するための受光素子32・受光素子33・受光素子34が筐体内に配置される。
レーザからの波長λ1を含め、波長が以下の4つ波長の場合、表3に示すような回折格子部材を回折格子部材35として用いると、3波長の場合の実施例と同様に半導体レーザから出射する波長λ1のレーザ光は回折格子部材15で回折されることなく(0次光)透過し、カップリングレンズで集光され光ファイバ14の端面14aに結像し、光ファイバー14から射出される波長λ2、λ3、λ4の光は回折格子部材でそれぞれ異なる方向θ、θ’、θ'' (θ<θ’<θ'')へ回折され、それぞれ異なる受光素子32、33、34に入射させることができる。
上記4つの波長が、λ1=1310nm、λ2=1490nm、λ3=1550nm、λ4=1610nmの場合の実施例を表3に示す。尚、図12は4波長に対する回折角の説明図であり、図13、図14、図15はそれぞれ表3の実施例8,9,10の回折格子部材35の模式的な断面図である。
これらの実施例8、9,10でも、回折効率が最大となる回折次数が各波長と異なり、長波長ほど大きな回折次数で回折されるため、各波長間の回折角の差を十分に大きくすることができる。
1,10 各光通信モジュール
11 半導体レーザ
12,13 受光素子
14 光ファイバ
14a 端面
15 回折格子部材
15a 階段状格子部
15b 立ち上がり面部
15c 回折面部
16 結合光学系
17 カップリングレンズ
18 筐体
19 ボールレンズ
Λ ピッチ
θ、θ’ 回折角
D 段差
d 段差高さ
P 光軸
11 半導体レーザ
12,13 受光素子
14 光ファイバ
14a 端面
15 回折格子部材
15a 階段状格子部
15b 立ち上がり面部
15c 回折面部
16 結合光学系
17 カップリングレンズ
18 筐体
19 ボールレンズ
Λ ピッチ
θ、θ’ 回折角
D 段差
d 段差高さ
P 光軸
Claims (26)
- 半導体レーザと、前記半導体レーザから射出する波長λ1の光を光ファイバへ結合させるための結合光学系と、前記光ファイバの端面から出射される少なくとも2つの波長λ2、λ3の光を受光する2つの受光素子と、を有する光通信モジュールであって、
前記結合光学系は、前記光ファイバと前記半導体レーザ及び前記2つの受光素子との間に配置され、かつ、前記結合光学系の少なくとも1面に回折構造を有し、3つの波長の光を異なる向きに相対的に屈曲させることで、前記半導体レーザから射出する波長λ1の光は前記光ファイバに入射し、前記光ファイバから射出される少なくとも2つの波長λ2、λ3の光はそれぞれ離れて配置された前記2つの受光素子へ入射するように構成したことを特徴とする光通信モジュール。 - 前記波長λ1、λ2、λ3が以下の条件を満足するとき、
1280nm≦λ1≦1340nm
1480nm≦λ2≦1500nm
1530nm≦λ3≦1570nm
前記回折構造は、光軸方向に沿った立ち上がり面部と前記立ち上がり面部から張り出して形成された回折面部とを有する段部を所定の段数備えた階段状格子部が光軸と直交する方向に繰り返し形成されることで構成され、
前記階段状格子部において、前記段部は隣接する前記回折面部を通過する波長λ1の光に波長の約整数倍の光路差を与え、前記回折面部が9面、11面または12面であることを特徴とする請求項1に記載の光通信モジュール。 - 前記階段状格子部は前記回折面部が9面または12面であり、前記段部は隣接する前記回折面部を通過する波長λ1の光に波長の約2倍の光路差を与えることを特徴とする請求項2に記載の光通信モジュール。
- 前記階段状格子部は前記回折面部が11面または12面であり、前記段部は隣接する前記回折面部を通過する光に波長λ1の約1倍の光路差を与えることを特徴とする請求項2に記載の光通信モジュール。
- 前記階段状格子部は前記回折面部が12面であり、前記波長λ1の光に対し、前記段部は前記隣接する回折面部を通過する光に波長λ1のM倍の光路差を与え、Mが以下の条件式を満足することを特徴とする請求項2に記載の光通信モジュール。
0.9<M<1.1 または 1.9<M<2.1 - 前記階段状格子部は前記回折面部が9面であり、前記段部は前記波長λ1の光に対し、前記隣接する回折面部を通過する光に波長λ1のM倍の光路差を与え、Mが以下の条件式を満足することを特徴とする請求項2に記載の光通信モジュール。
1.9<M<2.1 - 前記階段状格子部は前記回折面部が11面であり、前記段部は前記波長λ1の光に対し、前記隣接する回折面部を通過する光に波長λ1のM倍の光路差を与え、Mが以下の条件式を満足することを特徴とする請求項2に記載の光通信モジュール。
0.9<M<1.1 - 前記階段状格子部は前記回折面部が11面であり、前記回折構造が、前記波長λ1の光に対し0次の回折光(透過波)を発生させ、波長λ2の光に対し1次回折光が最大の回折効率で発生し、波長λ3の光に対し2次回折光が最大の回折効率で発生することを特徴とする請求項2に記載の光通信モジュール。
- 前記回折構造は光ファイバからの波長λ2、λ3に対し、回折効率が最大となる回折次数がそれぞれ異なる回折光を発生させることを特徴とする請求項1に記載の光通信モジュール。
- 前記回折構造は長波長ほど大きな回折次数の回折光を発生させることを特徴とする請求項9に記載の光通信モジュール。
- 前記波長λ1、λ2、λ3が以下の条件を満足するとき、
1280nm≦λ1≦1340nm
1480nm≦λ2≦1500nm
1530nm≦λ3≦1570nm
前記回折構造が、前記波長λ1の光に対し0次の回折光(透過波)を発生させ、波長λ2の光に対し3次回折光が最大の回折効率で発生し、波長λ3の光に対し4次回折光が最大の回折効率で発生することを特徴とする請求項9に記載の光通信モジュール。 - 前記波長λ1、λ2、λ3が以下の条件を満足するとき、
1280nm≦λ1≦1340nm
1480nm≦λ2≦1500nm
1530nm≦λ3≦1570nm
前記回折構造が、前記波長λ1の光に対し0次の回折光(透過波)を発生させ、波長λ2の光に対し1次回折光が最大の回折効率で発生し、波長λ3の光に対し2次回折光が最大の回折効率で発生することを特徴とする請求項9に記載の光通信モジュール。 - 前記波長λ1、λ2、λ3が以下の条件を満足するとき、
1280nm≦λ1≦1340nm
1480nm≦λ2≦1500nm
1530nm≦λ3≦1570nm
前記回折構造が、前記波長λ1の光に対し0次の回折光(透過波)を発生させ、波長λ2の光に対し2次回折光が最大の回折効率で発生し、波長λ3の光に対し3次回折光が最大の回折効率で発生することを特徴とする請求項9に記載の光通信モジュール。 - 前記回折面部は前記階段状格子部の高さが増加する方向について高さがが減少するように傾斜して形成され、波長λ1の入射光を直進させ、波長λ2とλ3の入射光を異なる回折次数で回折させることを特徴とする請求項2に記載の光通信モジュール。
- 異なる波長の光を分波する回折格子部材であって、
光軸と直交する面に回折格子部が形成され、前記回折格子部には光軸方向に沿った立ち上がり面と前記立ち上がり面部から張り出して形成された回折面部とを有する段部を所定の段数備えた階段状格子部が繰り返し形成され、前記階段状格子部において、前記段部は隣接する前記回折面部を通過する一つの入射光に対し、入射光波長の整数倍とした光路差を与え、前記回折面部が9面、11面または12面であることを特徴とする回折格子部材。 - 以下の3つの波長λ1、λ2、λ3が以下の条件を満足するとき、
1280nm≦λ1≦1340nm
1480nm≦λ2≦1500nm
1530nm≦λ3≦1570nm
前記波長λ1の光に対し、前記段部は前記隣接する回折面部を通過する光に波長λ1の約整数倍の光路差を与えることを特徴とする請求項15に記載の回折格子部材。 - 前記段部は前記波長λ1の光に対し、前記隣接する回折面部を通過する光に波長λ1のM倍の光路差を与え、Mが以下の条件式を満足することを特徴とする請求項16に記載の回折格子部材。
0.9<M<1.1 または 1.9<M<2.1 - 前記立ち上がり面部のうち、前記階段状格子部の末端または終端の最も大きい段差を与える立ち上がり面部が前記階段状格子部の階段を下る方向に傾斜していることを特徴とする請求項15,16または17に記載の回折格子部材。
- 前記光ファイバの端面から出射される少なくとも3つの波長λ2、λ3、λ4の光を受光する3つの受光素子を備え、前記波長λ1、λ2、λ3、λ4が以下の条件を満足するとき、
1280nm≦λ1≦1340nm
1480nm≦λ2≦1500nm
1530nm≦λ3≦1570nm
1600nm≦λ4≦1620nm
前記回折構造は、光軸方向に沿った立ち上がり面部と前記立ち上がり面部から張り出して形成された回折面部とを有する段部を所定の段数備えた階段状格子部が光軸と直交する方向に繰り返し形成されることで構成され、
前記階段状格子部において、前記段部は、隣接する前記回折面部を通過する波長λ1の光に波長の整数倍の光路差を与え、前記回折面部が12面、13面または14面であることを特徴とする請求項1に記載の光通信モジュール。 - 前記回折構造の前記段部は、前記波長λ1の光に対し、前記隣接する回折面部を通過する光に波長λ1のM倍の光路差を与え、Mが以下の条件式を満足することを特徴とする請求項19に記載の光通信モジュール。
1.9<M<2.1 - 前記波長λ1、λ2、λ3、λ4が以下の条件を満足するとき、
1280nm≦λ1≦1340nm
1480nm≦λ2≦1500nm
1530nm≦λ3≦1570nm
1600nm≦λ4≦1620nm
前記回折構造が、前記波長λ1の光に対し0次の回折光(透過波)を発生させ、波長λ2の光に対し3次回折光が最大の回折効率で発生し、波長λ3の光に対し4次回折光が最大の回折効率で発生し、波長λ4の光に対し5次回折光が最大の回折効率で発生することを特徴とする請求項19に記載の光通信モジュール。 - 前記回折面部は前記階段状格子部の高さが増加する方向に前記回折構造の厚みが減少するように傾斜して形成され、波長λ1の入射光を直進させ、波長λ2、λ3とλ4の入射光を異なる回折次数で回折させることを特徴とする請求項19に記載の光通信モジュール。
- 異なる波長の光を分波する回折格子部材であって、
光軸と直交する面に回折格子部が形成され、前記回折格子部には光軸方向に沿った立ち上がり面と前記立ち上がり面部から張り出して形成された回折面部とを有する段部を所定の段数備えた階段状格子部が繰り返し形成され、前記階段状格子部において、前記段部は隣接する前記回折面部を通過する一つの入射光に対し、入射光波長の整数倍とした光路差を与え、前記回折面部が12面、13面または14面であることを特徴とする回折格子部材。 - 以下の4つの波長λ1、λ2、λ3、λ4が以下の条件を満足するとき、
1280nm≦λ1≦1340nm
1480nm≦λ2≦1500nm
1530nm≦λ3≦1570nm
1600nm≦λ4≦1620nm
前記段部は前記波長λ1の光に対し、前記段部は前記隣接する回折面部を通過する光に波長λ1の約整数倍の光路差を与えるることを特徴とする請求項23に記載の回折格子部材。 - 前記波長λ1の光に対し、前記段部は前記隣接する回折面部を通過する光に波長λ1のM倍の光路差を与え、Mが以下の条件式を満足することを特徴とする請求項24に記載の回折格子部材。
1.9<M<2.1 - 前記立ち上がり面部のうち、前記階段状格子部の末端または終端の最も大きい段差を与える立ち上がり面部が前記階段状格子部の階段を下る方向に傾斜していることを特徴とする請求項23,24または25に記載の回折格子部材。
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