JP4552713B2 - 回折光学素子、光通信モジュール及び光ピックアップ装置 - Google Patents

回折光学素子、光通信モジュール及び光ピックアップ装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4552713B2
JP4552713B2 JP2005083793A JP2005083793A JP4552713B2 JP 4552713 B2 JP4552713 B2 JP 4552713B2 JP 2005083793 A JP2005083793 A JP 2005083793A JP 2005083793 A JP2005083793 A JP 2005083793A JP 4552713 B2 JP4552713 B2 JP 4552713B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
optical
diffractive
surface portion
diffraction
diffraction grating
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2005083793A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006267388A (ja
Inventor
幸宏 尾関
康司 堀井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konica Minolta Inc filed Critical Konica Minolta Inc
Priority to JP2005083793A priority Critical patent/JP4552713B2/ja
Publication of JP2006267388A publication Critical patent/JP2006267388A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4552713B2 publication Critical patent/JP4552713B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Optical Couplings Of Light Guides (AREA)
  • Diffracting Gratings Or Hologram Optical Elements (AREA)
  • Optical Head (AREA)

Description

本発明は、傾斜階段状の回折格子を有する回折光学素子、この回折光学素子を用いた光通信モジュール及び光ピックアップ装置に関するものである。
CD及びDVDの2種の記録媒体からの信号を読み取る光ピックアップ用の回折格子部材では、CDの読み取りに用いられる波長785nmのレーザ光とDVDの読み取りに用いられる波長655nmのレーザ光を対象とし、CD用波長のレーザ光とDVD用波長のレーザ光の光軸を同軸化し1つの受光素子で信号検出するために、隣接する回折面部の光路差が一定の波長と同等とし、6面形成された階段状格子が使用されている(下記特許文献1参照)。
光ファイバ等の光伝送路による光通信システムは、WDM(波長分割多重方式)により波長の異なる複数の光信号を同時に光ファイバで伝送し、光信号の送信・受信端末には双方向光伝送用モジュールを用いている。かかる双方向光伝送用モジュールでは、発光素子から光ファイバ端末へ向かう送信用の光(上り光)と光ファイバ端末から受光素子に向かう受信用の光(下り光)とを分離するために回折格子を用いることが公知である。例えば、下記特許文献1は、光送受信装置(モジュール)自体を大型化することなく十分な回折角を得ること及び回折光の回折効率を高くすることを目的とした回折格子部材を開示する。
特許文献1の回折格子部材について図9を参照して説明する。図9の従来の回折格子部材は、回折格子部22aが入射方向に沿う立上り面部25aと立上り面部25aから張り出して形成された回折面部24aを備えた段部を所定段数備える階段状格子部23aが繰り返し形成され、階段状格子部23aが隣接する回折面部24aを通過する光に一の入射光の波長の整数倍とした光路差を与えるものであって、階段状格子部23aには回折面部24aが3面形成されてなり、回折面部24aが上記入射光の入射方向に垂直な面に対して傾斜して形成されている。図9の回折格子部材によれば、回折角を大きくすることができ、また、回折面部24aが傾斜していない場合に比べて1次回折光の回折効率を大きくできる。
しかし、図9の回折格子部材では回折面部24aが傾斜しているので、回折面部24aと立上り面部25aとの隅部24bの角度が小さくなり、鋭角となる。このため、回折格子部材を成形するための成形金型の加工条件が厳しくなり、例えば、隅部24bを加工するためのバイトの刃先角度も鋭角になり、バイトの耐久性が低下してしまう。また、成形金型において鋭角である隅部24bの部分の成形性や離型性が低下してしまう。
特開2003−344715号公報
本発明は、上述のような従来技術の問題に鑑み、回折角及び回折効率を大きく維持しながら製造時の加工性及び成形性を改善できるようにした回折光学素子、この回折光学素子を用いた光通信モジュール及び光ピックアップ装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明による回折光学素子は、異なる波長を分波する回折格子を有し、前記回折格子は、回折面部と光軸方向に沿った立ち上がり面部とにより少なくとも2段の階段状に構成され、前記各回折面部が前記立ち上がり面部に対し傾斜するとともに、前記各回折面部に少なくとも1つの段差を備え、前記段差の光軸方向の高さは前記立ち上がり面部に比べて低く、前記回折面部の前記立ち上がり面部に垂直な方向に対する傾斜角は前記段差がない場合よりも小さくかつ前記回折格子の回折効率が前記段差がない場合と同等であることを特徴とする。
この回折光学素子によれば、少なくとも2段の階段状に構成された回折格子において回折面部を傾斜させることで回折角及び回折効率を大きく維持することができるとともに、回折面部に設けた段差により回折面部の傾斜角を小さくすることができるので、回折光学素子の成形金型における加工深さの低減及び頂点鋭角性の緩和により金型加工条件が緩やかになり、成形金型の加工時におけるバイト刃先角度が鋭角にならず、バイトの耐久性向上を実現でき、更に頂点の鋭角性が緩和され、成形性・離型性を改善でき、回折光学素子の製造コストを低減できる。
上記回折光学素子において前記段差の光軸方向の高さは前記立ち上がり面部に比べて低く構成される。また、前記回折面部の前記立ち上がり面部に垂直な方向に対する傾斜角は、前記段差がない場合よりも小さく構成できる。これにより、回折光学素子の成形金型における加工深さの低減及び頂点鋭角性の緩和が実現できる。
本発明による光通信モジュールは、上述の回折光学素子を含むことを特徴とする。この光通信モジュールによれば、回折光学素子が回折角及び回折効率を大きくできるので、高いモジュール性能を実現でき、また、回折光学素子の製造コストを低減できるので、光通信モジュールの低コスト化を図ることができる。
本発明による双方向用の光通信モジュールは、光ファイバの端末に向け光信号を送る発光素子と、前記光ファイバの端末からの光信号を受光する受光素子と、上述の回折光学素子からなる分光手段と、を備え、前記分光手段が前記各光信号の異なる波長により前記光ファイバの端末と前記発光素子との間の第1光路と、前記光ファイバの端末と前記受光素子との間の第2光路と、を分離するように構成した。
この双方向用の光通信モジュールによれば、回折光学素子の回折角及び回折効率が大きいので、高いモジュール性能を実現でき、光通信モジュールの小型化及び受光性能の向上を実現できる。また、回折光学素子の製造コストを低減できるので、光通信モジュールの低コスト化を図ることができる。
本発明による光ピックアップ装置は、上述の回折光学素子を含むことを特徴とする。この光ピックアップ装置によれば、回折光学素子が回折角及び回折効率を大きくできるので、装置のコンパクト化及び情報の読み取り性能を向上でき、また、回折光学素子の製造コストを低減できるので、光ピックアップ装置の低コスト化を図ることができる。
本発明の回折光学素子によれば、回折角及び回折効率を大きく維持しながら製造時の加工性及び成形性を改善でき、製造コストを低減できる。また、本発明の光通信モジュール及び光ピックアップ装置によれば、装置性能を向上できるとともに、装置の低コスト化を図ることができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて説明する。
〈第1の実施の形態〉
図1は第1の実施の形態による回折光学素子の要部を示す部分側面図(a)及びその拡大図(b)である。図2は比較のために従来の回折光学素子の要部を示す部分側面図(a)及びその拡大図(b)である。
図1(a)に示すように、第1の実施の形態による回折光学素子1は、傾斜階段状に構成され、異なる波長を分波する回折格子4を備えている。回折格子4は、回折面部2と光軸方向Pに沿った立ち上がり面部3とにより4段の階段状に構成されている。回折光学素子1には複数の回折格子4が繰り返し同じ形状で形成されている。
図1(a)、(b)のように、各回折面部2が立ち上がり面部3に対し傾斜しており、また、各回折面部2のほぼ中間面に小段差5が設けられている。小段差5の光軸方向Pの高さh1は立ち上がり面部3に比べて低く構成されている。回折面部2の光軸方向Pに対する垂直方向の幅をdとする。
ここで、図1(a)、(b)の回折光学素子1を、図2(a)、(b)の従来の傾斜階段状の回折格子部材51と比較する。従来の回折格子部材51の各回折格子54は、図2(a)のように、回折面部52と光軸方向Pに沿った立ち上がり面部53とにより4段の階段状に構成され、図2(b)のように回折面部52が立ち上がり面部53の垂直方向に対し傾斜角α(ラジアン)で傾斜している。立ち上がり面部53の光軸方向Pの高さをh、回折面部52の光軸方向Pに対する垂直方向の幅をdとする。
本実施の形態の回折光学素子1において、図1(b)のように、回折面部2が立ち上がり面部3の垂直方向に対し傾斜角α/2(ラジアン)で傾斜し、小段差5を挟んで回折面部2を第1面部2aと第2面部2bとから構成し、小段差5の高さh1を第1面部2aの高さh2と同じにすると、h1=h2≒(α・d)/4となり、立ち上がり面部3の全体高さHは、tanα≒αと仮定すると、約(3・α・d)/4となる。
以上のように、図1の回折光学素子1は、図2の従来のものと比べて、立ち上がり面部3の全体高さを3/4程度に低減できるとともに、回折面部2の傾斜角をα(ラジアン)からα/2(ラジアン)に半分に小さくすることができる。
次に、図1の回折光学素子1の回折動作について図3,図4を参照して説明する。回折現象の各回折次数に対応する角度への光パワー分布は、遠視野像(FFP)電界分布を計算することで説明できるが、FFPは、回折格子出射面の電界の位相分布関数のフーリエ変換で表されることが知られている。
図3は図1の回折光学素子に設けたような小段差付き傾斜階段状の回折格子の遠視野像(FFP)電界分布を説明するための図である。図4は比較のために従来の階段形状(傾斜面なしかつ小段差なし)の回折格子の遠視野像電界分布を説明するための図である。
図3に示す小段差付き傾斜階段状の回折格子の遠視野像(Far Field Pattern)の電界分布Π[θ]≡F[p(x)]は、次の数式(数1)で表すことができる。
Figure 0004552713
図4に示す階段形状(傾斜面なしかつ小段差なし)の矩形状の回折格子の遠視野像(Far Field Pattern)の電界分布Θ[θ]≡F[h(x)]は、次の数式(数2)で表すことができる。
Figure 0004552713
ただし、上記数1、数2において、F[p(x)]、F[h(x)]は、フーリエ変換操作を表し、次の数式(数5)で表され、p(x)、h(x)は、回折格子スリット出射面の電磁界位相分布関数である。
Figure 0004552713
また、xはスリットに平行な方向にとった座標軸であり、スリット中央を原点とする。Aは、電界振幅に比例する定数、k0は、真空中の波数(=2π/λ0)、λ0は光の真空波長、θは光の出射角度、Aは正規化係数、nは回折格子の材料の屈折率である。
図3において数1から遠視野像電界分布として次の数式(数3)を得ることができ、また、図4において数2から遠視野像電界分布として次の数式(数4)を得ることができる。
Figure 0004552713
Figure 0004552713
上記数3,数4ともに、syne関数と呼ばれる(sink0(θ/2))/(k0(θ/2))の形式となり、θ項に変位が加わった形となっている。数3を数4と比較すると、数3には、段差による変位角度2ψ/k0に傾きαによる変位角度−(n−1)αの項が加わっている分、図3の方が図4よりも変位角度の調整に自由度が増していることが分かる。回折効率の最大化は、この変位角を回折角公式の角度に合わせることで得ることができる。従って、図1の回折光学素子1は従来の階段状の回折格子(傾斜面なしかつ小段差なし)よりも回折角を大きくしても回折角公式の角度に合わせることができる。
次に、図1の回折光学素子1の回折効率について図5,図6を参照して説明する。図5は回折格子における回折効率改善の原理を説明するためのグラフ(横軸が回折角、縦軸が回折効率)である。図6は図1の回折光学素子1の回折効率を他の形状の回折効率と比較して示すグラフである。
一般に回折格子のピッチをw、波長をλ、回折角をθ、Nを回折次数とすると、次の関係式(1)が成り立つ。
sinθ=N・λ/w (1)
ただし、N=±1,2,3,・・・
図5のように、0次光が曲線mのように最大効率を有している場合、回折格子によりピーク角度をシフトさせ、例えば、+1次光が曲線nのように最大効率を有するようにシフトさせることで、1次回折効率を最大化できる。つまり、図1の回折光学素子1の回折面部2では、変位角度を回折角度に近づけることにより回折効率を向上させることができる。なお、従来の図9においても同様にして回折効率を向上できる。
図6に型1乃至型4の各階段状回折格子について回折効率を示す。型1は、図4と同様の階段状回折格子であり、型2は、型1の回折面に段差を設けたものであり、型3は、本実施の形態の回折格子であり、型は図9の従来の傾斜階段状回折格子である。
図6から分かるように、型1が全体として最も回折効率が低く、次に、型2が回折効率が低いのに対し、型3は型4と比べて型4とほぼ同等の高い回折効率を実現できる。
以上のように、本実施の形態の回折光学素子によれば、階段状回折格子において図9のような回折面傾斜による回折効率の向上と同等の効果を小さい回折面傾斜角と小段差との組み合わせで実現することができる。
更に、本実施の形態の回折光学素子によれば、上述のように回折角及び回折効率を大きく維持しながら、傾斜面を緩やかな2段程度の階段状傾斜面に置き換えることができるので次の効果を奏することができる。
(1)図1(b)において回折面部2と立ち上がり面部3の垂直方向との傾斜角が図9の従来の場合と比べて半分程度になるので、回折面部2と立ち上がり面部3との隅部2cにおいて加工深さを低減でき、頂点鋭角性の緩和により成形金型加工条件を緩和できる。
(2)隅部2cに対応する成形金型の部分を加工する時にバイト刃先角度が鋭角にならず、バイトの耐久性を向上でき、製造コストの低減を図ることができる。
(3)隅部2cに対応する成形金型の部分において頂点の鋭角性が緩和され、樹脂が充填され易くなり、成形性及び離型性を改善できる。
(4)上述のことから、図9の従来の回折格子部材と比べて、製造時の加工性及び成形性を改善できるので、回折光学素子の製造コストを低減できる。
〈第2の実施の形態〉
図7は第2の実施の形態による光通信モジュールの縦方向の要部断面図(a)、図7(a)の結合レンズの面上に形成された回折格子を拡大して示す平面図(b)及びその回折格子構造をC−C線方向に切断して見た概略的な断面図(c)である。
図7に示すように、双方向光通信モジュール10は、細長い略円筒状の筐体19内に、発光素子11と、受光素子12と、光学デバイスとしての結合レンズ13と、を備える。発光素子11と受光素子12とは共通の基台16上に設けられ、基台16とともに筐体に固定されており、また、基台16から外部に突き出た複数の接続ピン17に電気的に接続している。
光ファイバ21を支持したファイバホルダ20が筐体19内に挿入されて固定されており、光ファイバ21の端面30が筐体19の内部に形成された空洞14に露出している。光ファイバ21は波長多重方式による双方向光ファイバ通信のために外部の光ファイバ等の光伝送路に接続される。
結合レンズ13は、筐体19の空洞14内に反対側の発光素子11及び受光素子12と対向するようにかつ光ファイバ21の端面30の近傍に配置されている。
結合レンズ13の端面30側の光学面には、図7(b)のように、格子15が縞状に形成されている。格子15には、図7(c)の断面図に示すように、基準線jに対し傾斜した階段状回折格子18が繰り返して形成されている。階段状回折格子18は、小段差付き傾斜階段状の回折格子であり、図1(a)、(b)の回折光学素子1の回折格子4と同様の構成であり、その段数が例えば4段である。
発光素子11が発光する光ビームb0は、結合レンズ13及び格子15を通過して1.31μm程度の波長λ0の0次回折光として光ファイバ21の端面30に入射し、光ファイバ21を通して外部の光伝送路に送ることができる。
一方、外部から伝送されてきた光ファイバ21の端面30からの光ビームは、格子15及び結合レンズ13を通過して格子15により回折され折れ曲がり1.49μm程度の波長λ1の1次回折光b1になって受光素子12に入射する。
上述のように、双方向光通信モジュール10では、図7(a)のように、光ファイバ21の端面30では光ビームb0と高次(1次または−1次)回折光b1とは合波状態であるが、結合レンズ13上に形成された格子15により分波し、波長λ0の光ビームb0が一点鎖線のような第1光路を進み、波長λ1の1次回折光b1が破線のような第1光路とは反対方向に第2光路を進み、発光素子11及び受光素子12側において互いの光路が分離する。
なお、基準線jは筐体19の中心軸や光ファイバ21の中心軸と平行である。また、格子15の形成された結合レンズ13はPMMA(ポリメチルメタクリレート)、PC(ポリカーボネート)または熱可塑性のポリイミド樹脂等から形成できる。
図7の双方向光通信モジュール10によれば、結合レンズ13の光学面に形成された小段差付き傾斜階段状の回折格子18により回折角を大きくできるので、図7(a)の波長λ1の1次回折光b1の第2光路が波長λ0の光ビーム(0次回折光)b0の第1光路に対する折れ曲がり角度が大きくなる。このため、1次回折光b1を0次回折光b0に対し充分に分離できるので、双方向光通信モジュール10の筐体19の光軸方向の寸法を大きくとる必要がないので、双方向光通信モジュール10をコンパクトに構成できる。
また、小段差付き傾斜階段状の回折格子18による回折効率を大きくできるので、外部から伝送されてきて光ファイバ21の端面30から出射した光ビームが波長λ1の1次回折光b1になって充分な光量で受光素子12に入射し、双方向光通信モジュール10で安定した受信機能を実現できる。
また、上述のように、成形金型の加工条件を緩和できるので、結合レンズ13を成形するときの成形性及び離型性を改善できる。このため、結合レンズ13の製造コストの低減を実現できるので、モジュール全体の低コスト化を図ることができる。
〈第3の実施の形態〉
図8は第3の実施の形態による光ピックアップ装置の概略図である。図8の光ピックアップ装置100は、複数種類の光ディスクについて情報の記録・再生が可能であり、例えば、0.1mm厚の透明基板210を有する高密度DVDのような第1の光ディスク200と、0.6mm厚の透明基板210を有するDVDのような第2の光ディスク201とに対し情報の記録・再生が可能である。
図8の光ピックアップ装置100は、第1の光ディスク200の再生用第1光源である波長400nm程度の半導体レーザ111と、第2の光ディスク201の再生用第2光源である波長650nm程度の半導体レーザ112とを有し、各半導体レーザ111、112からの光束を、第1の光ディスク200と第2の光ディスク201の各情報記録面200a,201a上に集光させる対物レンズ160を有する。
対物レンズ160の光学面161には、図1(a)、(b)と同様の小段差付き傾斜階段状の回折格子が形成されており、第1光源からの光束を第1の光ディスク200を再生する際に必要な例えば0.85程度の像側開口数内で透明基板210を介して第1の光ディスク200の情報記録面200a上に集光させることができ、第2の光源からの光束を、第2の光ディスク201を再生する際に必要な例えば0.60程度の像側開口数内で透明基板210を介して第2の光ディスク201の情報記録面201a上に集光させることができる。
第1の光ディスク200を再生する場合、第1半導体レーザ111からビームを出射し、出射された光束は、両半導体レーザ111、112からの出射光の合成手段であるビームスプリッタ190を透過し、ビームスプリッタ120、コリメータ130、1/4波長板140を透過して円偏光の平行光束となる。この光束は絞り170によって絞られ、対物レンズ160により図の実線のように第1の光ディスク200の透明基板210を介して情報記録面200aに集光される。
そして、情報記録面220aで情報ビットにより変調されて反射した光束は、再び対物レンズ160、絞り17、1/4波長板140、コリメータ130を透過して、ビームスプリッタ120に入射し、ここで反射してシリンドリカルレンズ180により非点収差が与えられ、光検出器300上ヘ入射し、その出力信号を用いて、第1の光ディスク200に記録された情報の読み取り信号が得られる。また、光検出器300上でのスポットの形状変化、位置変化による光量変化を検出して、合焦検出やトラック検出を行う。この検出に基づいて2次元アクチュエータ150が第1の半導体レーザ111からの光束を第1の光ディスク200の記録面220上に結像するように対物レンズ160を移動させると共に、半導体レーザ111からの光束を所定のトラックに結像するように対物レンズ160を移動させる。
第2の光ディスクを再生する場合、第2半導体レーザ112からビームを出射し、出射された光束はビームスプリッタ190で反射され、ビームスプリッタ120、コリメータ130、1/4波長板140、絞り170、対物レンズ160を介して更に第2の光ディスク201の透明基板210を介して図8の破線のように情報記録面201aに集光される。そして、情報記録面201aで情報ピットにより変調されて反射した光束は、再び対物レンズ160、絞り170、1/4波長板140、コリメータ130、ビームスプリッタ120、シリンドリカルレンズ180を介して、光検出器300上へ入射し、その出力信号を用いて、第2の光ディスク200に記録された情報の読み取り信号が得られる。また、第1の光ディスクの場合と同様にして、2次元アクチュエータ150により、フォーカシング、トラッキングのために対物レンズ160を移動させる。
以上のように、図8の光ピックアップ装置100では、対物レンズ160の光学面161に形成した図1(a)、(b)と同様の小段差付き傾斜階段状の回折格子により、異なる波長の光束を各光ディスクの情報記録面200a、201a上に集光させることができる。上述のように、回折格子の成形金型の加工条件を緩和できるので、対物レンズ160を成形するときの成形性及び離型性を改善できる。このため、対物レンズ160の製造コストの低減を実現できるので、光ピックアップ装置全体の低コスト化を図ることができる。
以上のように本発明を実施するための最良の形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で各種の変形が可能である。例えば、第2及び第3の実施の形態では図7の結合レンズ13及び図8の対物レンズ160の各光学面に図1(a)、(b)と同様の小段差付き傾斜階段状の回折格子を形成したが、結合レンズ13や対物レンズ160とは別に、小段差付き傾斜階段状の回折格子を有する回折光学素子を配置してもよい。
また、図7の光通信モジュールの結合レンズ13に形成した小段差付き傾斜階段状の回折格子の段数は、例えば4段であるが、本発明はこれに限定されず、少なくとも2段であればよい。また、各回折面部に設けた小段差は複数であってもよい。
また、図1では小段差5は光軸方向Pとほぼ平行になっているが、光軸方向Pに対し傾斜していてもよい。
また、図8では、第2の光ディスク201を例えばDVDとしたが、CDとするように構成でき、また、第1の光ディスク200をDVDとし、第2の光ディスク201をCDとするように構成できる。
第1の実施の形態による回折光学素子の要部を示す部分側面図(a)及びその拡大図(b)である。 図1との比較のために従来の回折光学素子の要部を示す部分側面図(a)及びその拡大図(b)である。 図1の回折光学素子に設けたような小段差付き傾斜階段状の回折格子の遠視野像(FFP)電界分布を説明するための図である。 図3の場合との比較のために従来の階段形状(傾斜面なしかつ小段差なし)の回折格子の遠視野像電界分布を説明するための図である。 回折格子における回折効率改善の原理を説明するためのグラフ(横軸が回折角、縦軸が回折効率)である。 図1の回折光学素子1の回折効率を他の形状の回折効率と比較して示すグラフである。 第2の実施の形態による光通信モジュールの縦方向の要部断面図(a)、図7(a)の結合レンズの面上に形成された回折格子を拡大して示す平面図(b)及びその回折格子構造をC−C線方向に切断して見た概略的な断面図(c)である。 第3の実施の形態による光ピックアップ装置の概略図である。 従来の傾斜階段状の回折格子部材の要部側面図である。
符号の説明
1 回折光学素子
2 回折面部
2a 第1面部
2b 第2面部
2c 隅部
3 立ち上がり面部
4 回折格子
5 小段差
10 双方向光通信モジュール
11 発光素子
12 受光素子
13 結合レンズ
18 階段状回折格子
19 筐体
21 光ファイバ
100 光ピックアップ装置
111,112 半導体レーザ
160 対物レンズ
161 光学面
α 傾斜角
α/2 傾斜角
H 全体高さ
h1,h2 高さ
j 基準線

Claims (4)

  1. 異なる波長を分波する回折格子を有し、前記回折格子は、回折面部と光軸方向に沿った立ち上がり面部とにより少なくとも2段の階段状に構成され、
    前記各回折面部が前記立ち上がり面部に対し傾斜するとともに、前記各回折面部に少なくとも1つの段差を備え
    前記段差の光軸方向の高さは前記立ち上がり面部に比べて低く、
    前記回折面部の前記立ち上がり面部に垂直な方向に対する傾斜角は前記段差がない場合よりも小さくかつ前記回折格子の回折効率が前記段差がない場合と同等であることを特徴とする回折光学素子。
  2. 請求項に記載の回折光学素子を含むことを特徴とする光通信モジュール。
  3. 光ファイバの端末に向け光信号を送る発光素子と、前記光ファイバの端末からの光信号を受光する受光素子と、請求項に記載の回折光学素子からなる分光手段と、を備え、
    前記分光手段が前記各光信号の異なる波長により前記光ファイバの端末と前記発光素子との間の第1光路と、前記光ファイバの端末と前記受光素子との間の第2光路と、を分離するように構成した双方向用の光通信モジュール。
  4. 請求項に記載の回折光学素子を含むことを特徴とする光ピックアップ装置。
JP2005083793A 2005-03-23 2005-03-23 回折光学素子、光通信モジュール及び光ピックアップ装置 Expired - Fee Related JP4552713B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005083793A JP4552713B2 (ja) 2005-03-23 2005-03-23 回折光学素子、光通信モジュール及び光ピックアップ装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005083793A JP4552713B2 (ja) 2005-03-23 2005-03-23 回折光学素子、光通信モジュール及び光ピックアップ装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006267388A JP2006267388A (ja) 2006-10-05
JP4552713B2 true JP4552713B2 (ja) 2010-09-29

Family

ID=37203466

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005083793A Expired - Fee Related JP4552713B2 (ja) 2005-03-23 2005-03-23 回折光学素子、光通信モジュール及び光ピックアップ装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4552713B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013116516A1 (en) * 2012-02-03 2013-08-08 Wayne State University Fourier-transform interferometer with staircase reflective element
WO2014018140A2 (en) * 2012-04-23 2014-01-30 Wayne State University Static interferometer with step-style reflective element

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07104154A (ja) * 1993-10-07 1995-04-21 Hitachi Ltd 光伝送モジュールおよび光伝送装置
JP2003057421A (ja) * 2001-08-09 2003-02-26 Alps Electric Co Ltd 回折格子部材
JP2003149421A (ja) * 2001-11-13 2003-05-21 Alps Electric Co Ltd 回折格子部材及びその製造方法
JP2003177226A (ja) * 2001-10-05 2003-06-27 Matsushita Electric Ind Co Ltd 回折光学素子及びそれを用いた光学ヘッド
JP2004129123A (ja) * 2002-10-07 2004-04-22 Konica Minolta Holdings Inc 光通信ユニット、光通信用光学素子、その製造方法、及び光通信システム
JP2005038585A (ja) * 2003-06-30 2005-02-10 Konica Minolta Opto Inc 光ピックアップ装置、集光光学系及び光学素子
JP2005196930A (ja) * 2003-12-12 2005-07-21 Konica Minolta Opto Inc 回折光学素子及び光ピックアップ装置
JP2006039506A (ja) * 2004-06-21 2006-02-09 Konica Minolta Holdings Inc 光学デバイス及び光通信モジュール

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07104154A (ja) * 1993-10-07 1995-04-21 Hitachi Ltd 光伝送モジュールおよび光伝送装置
JP2003057421A (ja) * 2001-08-09 2003-02-26 Alps Electric Co Ltd 回折格子部材
JP2003177226A (ja) * 2001-10-05 2003-06-27 Matsushita Electric Ind Co Ltd 回折光学素子及びそれを用いた光学ヘッド
JP2003149421A (ja) * 2001-11-13 2003-05-21 Alps Electric Co Ltd 回折格子部材及びその製造方法
JP2004129123A (ja) * 2002-10-07 2004-04-22 Konica Minolta Holdings Inc 光通信ユニット、光通信用光学素子、その製造方法、及び光通信システム
JP2005038585A (ja) * 2003-06-30 2005-02-10 Konica Minolta Opto Inc 光ピックアップ装置、集光光学系及び光学素子
JP2005196930A (ja) * 2003-12-12 2005-07-21 Konica Minolta Opto Inc 回折光学素子及び光ピックアップ装置
JP2006039506A (ja) * 2004-06-21 2006-02-09 Konica Minolta Holdings Inc 光学デバイス及び光通信モジュール

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006267388A (ja) 2006-10-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6043912A (en) Optical pickup compatible with a digital versatile disk and a recordable compact disk using a holographic ring lens
USRE43106E1 (en) Optical pickup compatible with a digital versatile disk and a recordable compact disk using a holographic ring lens
US6091691A (en) Optical pickup having an objective lens compatible with a plurality of optical disk formats
EP0859356B1 (en) Optical pickup having an objective lens compatible with a plurality of optical disk formats
US6747939B2 (en) Semiconductor laser device and optical pickup device using the same
JP2000076689A (ja) 光ピックアップ装置
KR100747673B1 (ko) 대물렌즈 및 광 픽업 장치
JP2006164497A (ja) 対物レンズ光学系及びこれを採用した光ピックアップ装置
JP4016395B2 (ja) 複数波長用回折格子および複数波長用回折格子を用いた光ピックアップ装置ならびに光ディスク装置
JP4833797B2 (ja) 光ピックアップおよび光情報処理装置
US6992838B2 (en) Objective lens with the diffractive surface for DVD/CD compatible optical pickup
JP4552713B2 (ja) 回折光学素子、光通信モジュール及び光ピックアップ装置
US6873591B2 (en) Two-wavelength optical pickup device with step-like diffraction element
KR100915490B1 (ko) 광 픽업 장치, 광 디스크 장치 및 레이저 출력기
JP4336665B2 (ja) 光学素子およびこれを備えた光ピックアップ装置
EP1895527A1 (en) Optical pickup device
KR100716332B1 (ko) 광학 헤드 및 광디스크 장치
JP4457499B2 (ja) 光ピックアップ装置用対物レンズ及び光ピックアップ装置
KR100659868B1 (ko) 광 픽업 장치
JP4245022B2 (ja) 光ピックアップ装置及びその光源ユニット
KR100238069B1 (ko) 홀로그램을 사용한 cd-r 및 dvd 호환 광픽업
US7948855B2 (en) Optical pickup
JP2001028145A (ja) 光学ヘッド装置及びディスク録再装置
JP4742159B2 (ja) 光情報再生方法
JP2008004172A (ja) 光ピックアップ装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080205

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100210

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100409

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100622

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100705

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130723

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees