JP2003149421A - 回折格子部材及びその製造方法 - Google Patents
回折格子部材及びその製造方法Info
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Abstract
を精密に調整しなくても所定の回折光を得ることができ
る回折格子部材を提供すること。 【解決手段】 凹部平面と凸部平面とを備えた矩形波状
の回折格子部を有する回折格子部材を凹部平面と凸部平
面の少なくとも一方は同じ方向に同じ傾斜角度をなす複
数の傾斜面から構成され、両傾斜面の間に段差を持つ傾
斜段部が形成されるよう構成した。
Description
の製造方法に係り、特に凹部平面と凸部平面とを備えた
矩形波状の回折格子部を有する回折格子部材に関する。
のがある。この回折格子部材100は、凹部平面101
と凸部平面102とを備えた矩形波状の回折格子部10
3を有するものである。
子であるレーザダイオードから発せられたDVD記録再
生用の光と、CD再生用の光を光ディスクに照射し、あ
るいは光ディスクからの反射光をフォトダイオードに導
き、光ディスクへの信号記録、再生、及びトラッキング
を行うようにする光ピックアップに使用される。
ップでは、トラッキング検出として、DVDは1ビーム
ですむ位相差法、CDは3ビーム法を採用するのが一般
的である。従来、光ピックアップでは、波長の異なる2
つのLDを使い、CD側LD(780nm帯)のみに3ビ
ームを発生させるための回折格子を配置してきていた。
しかし、近年、2つのLDチップを1つのパッケージに
収めた2波長LDが提案されており、この2波長LDを
使用する場合には、CD再生時のみ3ビーム法で制御
し、DVD録再生時には位相差法で制御するため、CD
側のみ3ビームを出射し、DVD側は1ビームで出射す
る波長選択性の回折格子部材が使用されている。
回折格子部材は、格子の凹凸部の光学的位相差((屈折
率n−1)×深さ)をDVD波長程度とすることで実現さ
れる。しかし、回折格子部材の凹部平面の深さは従来使
用されていた1波長用の回折格子の5倍程度となること
が計算上明らかである。
ッチング加工により回折溝を母材に直接エッチングする
方法もあるが、図5に示すように、切削加工で凹部平面
111(回折格子部材100の凸部平面102を成型)
と凸部平面112(回折格子部材100の凹部平面10
1を成型)からなる矩形波状面113を成形した金型1
10を作成して、この金型110を使用して、光学樹脂
を射出成形することにより作成する方法が量産には適し
ている。
5に示した)が一般の回折格子に比べて深いことから、
回折格子部材100の凸部平面102や凹部平面101
が傾きやすいという問題がある。
面積の回折格子部材を作る際に、回折格子の場所による
エッチング量のばらつきが発生しやすいことにより前記
傾きが発生する。また、金型110により回折格子を作
成する際には、金型110を切削加工する場合には、図
6に示すように、金型切削用バイト120の切削面12
1の傾きによる他、工作機械のバイトの保持精度やバイ
トの移動精度の変動により、金型110の凹部平面11
1および凸部平面112に傾きが発生する。
00において、凹凸各部平面101,102が傾くと、
3ビームのサブビームである+1次光と−1次光に強度
差が生じピックアップのトラックエラー信号にオフセッ
トが生じ、安定したトラックサーボ制御ができなくなる
という問題が発生する。
1,102が傾き、格子の両端に深さの差Δd=d2−
d1(nm)の差が生じると、図8に示すように、+1
次光と−1次光との間でΔdに略比例した差が生じるこ
ととなる。
うためには、±1次回折光の差は3%以下であることが
求められており、これを実現するためには、図8より、
Δdを10nmより小さくしなければならないこととな
る。
回折格子部材100の格子間ピッチを30μmとする
と、各面101、102の傾斜角度は、0.019度以
下という精度が要求されることになる。
120の先端121をこの精度で仕上げるのは、困難と
される。また、このような高精度の加工を実現するため
には、テスト加工を行い、傾きの発生分、バイトの取付
角度を機械的に補正することが必要となる。しかし、こ
のようの補正は、理論的には可能であるが、ピッチ30
μmという微細な加工において、切削バイト120の1
0nm程度の傾きを正しく測定することは極めて困難で
あり、また、できたとしても、テスト加工の分、手間が
かかることになる。
する切削バイトの刃先角度や取付角度をそれほど精密に
調整することなく所定の回折光を得ることができる回折
格子部材を提供することを目的とする。
解決するため、回折格子部材及びその製造方法を以下の
ように構成した。
平面とを備えた矩形波状の回折格子部を有するものであ
って、前記凹部平面と凸部平面の少なくとも一方は同じ
方向に同じ傾斜角度をなす複数の傾斜面から構成され、
両傾斜面の間に段差を持つ傾斜段部が形成されている。
差を小さくすることができ、±1次の回折光のアンバラ
ンスを解消することができる。
平面に傾斜段部が形成されているものである。
格子部材の凹面平面に対応する成型金型の凸部に段を切
削加工することは容易となり、金型を精度良く製造する
ことができる。
記凹部平面は2つの傾斜面で傾斜段部が形成されてお
り、2つの傾斜面のうち1つの傾斜面の最も浅い位置で
ある凹部の端縁部と、他の傾斜面の最も深い位置である
凹部の端縁部とが同一深さ位置に配されたものである。
発生する2つの傾斜面の最大及び最小深さは、回折格子
部材凹部の設計理論値と大きな差がなくなり、設計され
た光学性能値と近い値が得られる。
平面と凸部平面とを備えた矩形波状の回折格子部を有す
る回折格子部材の回折格子部を成型する成型金型の凸部
平面を切削するに際して、切削面を格子の並列方向に第
1回及び第2回に分け同一のバイトで同一の送り条件で
切削して、各回の切削には切削加工用のバイトの切削位
置について、格子並列方向にバイトの切削個所を変更し
て、格子金型に同じ方向に同じ傾斜角度をなす複数の傾
斜面から構成され、両傾斜面の間に段差を持つ傾斜段部
を形成し、前記金型で回折格子形成素材を射出成型して
製造するものである。
ための金型を作成するに際して、金型の凸面部を切削作
成するときには、1つのバイトで2回切削を行うように
する。このため、特別な切削用バイトを用意する必要
や、バイトに特殊な調整をすることなく、±1次の回折
光の不整合性を少なくした回折格子を容易に得ることが
できる。
の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1乃至図3
は本発明に係る回折格子部材10の実施の形態を示すも
のである。
凹部平面13と凸部平面14とを備えた矩形波状の回折
格子部15を有するものである。このような基本的な回
折格子部材の構成は、従来例として示した回折格子部材
100と同様である。また、本例に係る回折格子部材1
0は、従来の例と同様の目的であるDVDとCDとの兼
用光ピックアップに使用されるものである。
格子部材10には、凹部平面13と凸部平面14とが設
けられ、凹部平面13には凹部平面13及び凸部平面1
4との並列方向に沿って同じ傾斜角度θ(図1)をなす
2列の傾斜面11,12から構成され、両傾斜面11,
12の間に階段状段差が設けられた傾斜段部16が形成
されている。なお、本来ならばθの値は0であることが
望ましいが、実際の加工では、θを0とすることには手
間がかかることとなり、製品として回折格子部材を作成
すると非常に高価なものとなってしまう。
いては、凹部平面13は2つの傾斜面11,12で傾斜
段部16が形成されており、2つの傾斜面11,12の
うち1つの傾斜面12の最も浅い位置12aと、他の傾
斜面11の最も深い位置11aとが同一の深さ位置hに
形成されている。
折格子部材10の凹部平面13の平均深さは設計した値
と略同一の値となっており、各面からの光はその位相差
が相殺され、設計された光学性能値と近い値が得られ
る。
凹凸各面部23,24を作成するときのバイト30の傾
きによる、+1次光と−1次光と間でのアンバランス
は、従来例で同様の傾きのバイトを使用した場合に比べ
ると1/4程度に低減させることができる。
について説明する。本例では、回折格子部材10は、所
定の矩形回折格子の凹凸が形成された成型金型20に光
学樹脂を射出成型することにより形成される。
平面24(射出成型された回折格子部材10の凸部平面
14に相当)と凸部平面23(同凹部平面13に相当)
とを備えた矩形波状の回折格子形成部25を切削加工し
て設ける。
は、図1及び図2に示すように、金属で形成された母材
40をバイト30で切削して凸部平面23及び凹部平面
24を形成する。
0の凸部平面23を切削形成するに際して、格子の並列
方向に第1回及び第2回に分け同一のバイト30で同一
の送り条件で切削して、各回の切削には切削加工用のバ
イト30の切削位置について、格子並列方向にバイト3
0の切削個所を前部30a、後部30bに変更して切削
加工する。この2回の切削加工に次いで凹部平面24を
切削する加工を行う。
に同じ傾斜角度をなす2条の傾斜面21,22が形成さ
れ、また凹部平面24が形成されることとなる。これら
の加工により両傾斜面21,22からなる凸部平面23
と凹部平面24とを形成し、回折格子形成部25を形成
する。
詳細に説明する。本例では、図1及び図2に示すよう
に、1つのバイト30を移動することにより、成型金型
20の凸部平面23を前半の傾斜面21及び後半の傾斜
面22に分けて切削している。この切削は1つの面につ
いて一回で完了させる必要はなく必要な回数切削を行っ
て最終的な平面を形成することができる。
の幅wと略同一のものとしておき、成型金型20の凹部
平面24を切削し、凸部平面23を切削作成するにあた
っては、図1及び図2に示すように、1つのバイト30
をW/2に相当する寸法送るようにして、凸部平面23
を前半及び後半を別々に切削するようにしている。
あっては、バイト30は、ダイヤモンド単結晶の切削チ
ップを取り付けた通常の金型切削用バイトを使用するこ
ととしている。
型の凸部平面23の2つの傾斜面21,22のうち1つ
の傾斜面22の最も高い位置22aと、他の傾斜面11
の最も低い位置21aとが同一の深さ位置となる。
して、光学樹脂を射出成型することにより、上述した回
折格子の構成が得られる。この射出成型の方法は従来か
らの公知の方法が用いられる。
イトを使用することや、バイトに特殊な調整をすること
なく、±1次の回折光の違いを少なくした回折格子を容
易に作成することができる。
面(成型金型の凸部平面)を2つの傾斜面で形成する場
合について説明したが、本発明では、凹部平面に加えて
凸部平面を複数の傾斜面で構成することができる。ま
た、回折格子部材の凸部平面だけを複数の傾斜面で構成
することができる。
型金型50を切削形成する際、作成する回折格子部材6
0の凹凸部平面53、56の幅寸法wの略半分の幅寸法
W1を備えたバイト70で切削することにより成型金型
50を成型できる。
だけでは、図4に示したように、成型金型50の凸部平
面53の2つの傾斜面51,52、凹部平面56の2つ
の傾斜面54,55の最高部及び最低部は互いに同じ位
置となってしまい、前述した実施の形態例に比してその
効果が低下する。
格子部材及び製造方法によれば、以下の優れた効果を奏
し得る。
差を小さくすることができ、±1次の回折光のアンバラ
ンスを解消することができる。
形成されている回折格子部材によれば、回折格子部材の
凹面平面に対応する成型金型の凸部に段を切削加工する
ことは容易となり、金型を精度良く製造することができ
る。
格子部材の作成時に発生する2つの傾斜面の最大及び最
小深さは、回折格子部材凹部の設計理論値と大きな差が
なくなり、設計された光学性能値と近い優れた値が得ら
れる。
よれば、回折格子を射出成型するための金型を作成する
に際して、金型の凸面部を切削作成するときには、1つ
のバイトで2回切削を行うようにする。このため、特別
な切削用バイトを用意する必要や、バイトに特殊な調整
をすることなく、±1次の回折光の不整合性を少なくし
た回折格子を容易に得ることができる。
方法における金型と回折格子の構成を示す断面図であ
る。
方法に置ける金型の切削の状態を示す斜視図である。
面の傾きと回折光のアンバランスの状態を示すグラフで
ある。
図である。
る。
造方法を示す断面図である。
す図である。
折光のアンバランスの状態を示すグラフである。
Claims (4)
- 【請求項1】 凹部平面と凸部平面とを備えた矩形波状
の回折格子部を有する回折格子部材であって、 前記凹部平面と凸部平面の少なくとも一方は同じ方向に
同じ傾斜角度をなす複数の傾斜面から構成され、両傾斜
面の間に段差を持つ傾斜段部が形成されている回折格子
部材。 - 【請求項2】 前記凹部平面に傾斜段部が形成されてい
る請求項1に記載の回折格子部材。 - 【請求項3】 前記凹部平面は2つの傾斜面で傾斜段部
が形成されており、2つの傾斜面のうち1つの傾斜面の
最も浅い位置である凹部の端縁部と、他の傾斜面の最も
深い位置である凹部の端縁部とが同一深さ位置に配され
た請求項2に記載の回折格子部材。 - 【請求項4】 凹部平面と凸部平面とを備えた矩形波状
の回折格子部を有する回折格子部材の回折格子部を成型
する成型金型の凸部平面を切削するに際して、 切削面を格子の並列方向に第1回及び第2回に分け同一
のバイトで同一の送り条件で切削して、各回の切削には
切削加工用のバイトの切削位置について、格子並列方向
にバイトの切削個所を変更して、格子金型に同じ方向に
同じ傾斜角度をなす複数の傾斜面から構成され、両傾斜
面の間に段差を持つ傾斜段部を形成し、 前記金型で回折格子形成素材を射出成型して製造する回
折格子部材の製造方法。
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