JPH03257401A - 光回折格子素子 - Google Patents

光回折格子素子

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JPH03257401A
JPH03257401A JP2057472A JP5747290A JPH03257401A JP H03257401 A JPH03257401 A JP H03257401A JP 2057472 A JP2057472 A JP 2057472A JP 5747290 A JP5747290 A JP 5747290A JP H03257401 A JPH03257401 A JP H03257401A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、主としてビデオディスクプレーヤ、コンパク
トディスク(CD)プレーヤ、追記型および書き換え型
の光記録再生装置の光ピツクアップに供される光回折格
子素子に関するものである。
〔従来の技術〕
従来、第12図に示すように、光回折格子素子22を使
用する例えば光ピツクアップでは、半導体レーザ2Iか
らの出射光は、光回折格子素子22、コリメートレンズ
23および対物レンズ24を介して記録担体25上に集
光される。記録担体25からの反則光は、対物レンズ2
4およびコリメートレンズ23を介し、光回折格子素子
22にて回折され、第13図に示すように、例えば4分
割された受光素子26における受光部26a・26bの
境界線上の点と、受光部26c・26dの境界線上の点
との2点に集光スポットS21・S2□として集光され
る。そして、受光素子26における□受光部26a〜2
6dの出力信号5a−3dから、RES−(Sa+5b
)−(Sc+Sd)の演算式により得られたラジアル誤
差信号RESに基づき、半導体レーザ21の発したレー
ザ光が記録担体25の情報記録トラックに集光されるよ
うに、対物レンズ24が駆動される。
上記の光回折格子素子22は、第14図(a)に示すよ
うに、格子ピッチが異なる2個の領域22a−22bを
有し、これら領域22a−22bの格子ピッチd21・
d2□は、領域22a・22bへ入射した記録担体25
からの反射光が、上述のように、受光素子26における
境界線上の2点に集光するような周期の格子として形成
されている。
光回折格子素子22の断面形状としては、ブレーズ角θ
を設定する斜面を有し、山部と谷部とが連続する鋸歯形
状が光の回折効率が高く有効であるとされており、この
ような形状に加工する方法としてよく知られているのが
イオンエツチング法である。この方法は、例えば力LL
が施される基材として、GaAsあるいはPMMA等、
フォトレジストよりエツチング速度の速い材料を使用す
る。そして、この基材の上にフォトレジストを塗布し、
ホログラフィックな方法によりグレーティングを作製し
、このグレーティングを暴利エッチマスクとする。基材
をエツチングする際には、第15図(a)に示すように
、基材28へ、フォトレジスト27の並設方向の斜め上
方から一定の入射角で例えばArガス、CHF3ガスあ
るいはCF。
ガスより生成されるイオンビームを照射する。これによ
り、同図(b)に示すように、基材28上のフォトレジ
スト27がピンニングとして働き、そこを頂点として基
材28が加工される。
ここで、イオンビームがArガスより生成されている場
合、最終的に形成される回折格子の断面形状は、同図(
C)に示すように、イオンビームの入射角に対して一定
の関係を有するブレーズ角θの斜面と、この面に垂直な
面とに加工される。
また、イオンビームがCHF、ガスより生成されている
場合、回折格子の断面形状は、同図(d)に示すように
、ブレーズ角θを設定する斜面と対向して谷部を形成す
る他方の面が山部側へえぐられるように加工され、その
面が湾曲して凹状に形成される。さらに、イオンビーム
がCF4ガスより生成されている場合、回折格子の断面
形状は、同図(e)に示すように、ブレーズ角θを設定
する斜面と対向して谷部を形成する他方の面が基材28
の表面に対してほぼ直角に形成され、この面とブレーズ
角θを設定する斜面とで形成される谷部の底部が湾曲面
となるように加工される。
〔発明が解決しようとする課題〕
ところが、上記のように、2個の領域22a・22bを
有し、入射光を2つの異なる方向へ回折させるように各
領域22a・22b間で格子ビンヂが異なる光回折格子
素子22では、イオンエツチング法にて回折格子を形成
する際、製作の容易性、量産性およびコストの面から、
数種類の格子ピッチの回折格子を同時に形成することが
多い。
このとき、例えば第14図(a)に示す光回折格子素子
22の領域22a・22bでは、それぞれ同図(b)(
C)に示すように、谷部の深さtを同じとし、谷部の幅
I、と山部の頂部の幅Mとを変えることにより、あるい
は同図(d)(e)に示すように、谷部の深さtを変え
て相似形に形成することにより格子ピッチを異ならせて
いる。その結果、光回折格子素子22の異なる領域22
a・22b間では、光の回折効率が異なり、受光素子2
6上に集光される2個の集光スポラl−32,・S2□
間に光量差が生しる。従って、対物レンズ24の焦点位
置が記録担体25上の情報記録トラック位置にある場合
であっても、ラジアル誤差信号RESは零にならずにオ
フセラ1−が生じることになる。また、光回折格子素子
22の一方の領域、例えば領域22aの0次回折効率と
他方の領域、例えば領域22bの1次回折効率との積で
ある往復回折効率が低く、光回折格子素子22を例えば
ビデオディスクプレーヤの光ピツクアップに使用した場
合、映像信号の処理に要求される十分なS/Nを得るこ
とができない。また、CDプレーヤの光ピツクアップに
使用した場合は、再生信号光が小さいため、受光素子の
感度を高くしたり、電気信号増幅率を上げたり、あるい
は光源のパワーを高くしたりする必要があり、他の部品
にかける負担が大きくなり、製造コストが嵩むと共に、
良質な再生信号が得難い。さらに、記録担体25へ向か
うレーザビームも光回折格子素子22の領域22a・2
2b間で回折効率が異なるため、記録担体25上に良好
な集光ビームを形成することができないという問題点を
有している。
[課題を解決するための手段] 請求項第1項の発明に係る光回折格子素子は、上記の課
題を解決するために、山部と谷部とが交互に連続し、ブ
レーズ角を設定する斜面を有する形状により、格子ピッ
チが相互に異なる第1領域と第2領域とを有する回折格
子が形成され、第1領域と第2領域とによって入射光を
異なる方向へ回折させる光回折格子素子において、以下
の手段を講している。
即ち、上記の第1領域における平均の格子ピッチは入射
光の波長λに対して(2,2±0.2)λに設定され、
第2領域における平均の格子ピッチは上記の波長λに対
して(2,8±0.2)λに設定され、上記の第1 ′
fr4域と第2 Tii域とのブレーズ形状は各谷部の
深さおよびブレーズ角が両領域間で同一に設定され、上
記の谷部の断面形状は谷部における底部の角度が直角に
形成され、ブレーズ角と谷部の深さとは、ブレーズ角が
30〜45°の範囲のうち、かつ谷部の深さが、0,7
π〜0.9πの光学的位相差を発生ずる深さの範囲のう
ちで、第1領域と第2領域とのO次回折効率同士および
1次回折効率同士がほぼ等しくなるような組み合わせに
設定されている。
0 請求項第2項の発明に係る光回折格子素子は、上記の課
題を解決するために、山部と谷部とが交互に連続し、ブ
レーズ角を設定する斜面を有する形状により、格子ピッ
チが相互に異なる第1領域と第2領域とを有する回折格
子が形成され、第1領域と第2領域とによって入射光を
異なる方向へ回折させる光回折格子素子において、以下
の手段を講じている。
即ち、上記の第1領域における平均の格子ピッチは入射
光の波長λに対して(2,2±0.2)λに設定され、
第2fiJt域における平均の格子ピッチは上記の波長
λに対して(2,8±0.2)λに設定され、第1領域
と第2領域とのブレーズ形状は各谷部の深さおよびブレ
ーズ角が両領域間で同一に設定され、上記の谷部の断面
形状は、ブレーズ角を設定する斜面と対向して谷部を形
成する他方の面が山部側へ湾曲して凹状をなし、ブレー
ズ角と谷部の深さとは、ブレーズ角が34〜42°の範
囲のうち、かつ谷部の深さが、0.7π〜1.1πの光
学的位相差を発生する深さの範囲のうちで、第1領域と
第2領域との0次回折効率同士および1次回折効率同士
がほぼ等しくなるような組み合わせに設定されている。
請求項第3項の発明に係る光回折格子素子は、上記の課
題を解決するために、山部と谷部とが交互に連続し、ブ
レーズ角を設定する斜面を有する形状により、格子ピッ
チが相互に異なる第1領域と第2領域とを有する回折格
子が形成され、第1領域と第2領域とによって入射光を
異なる方向へ回折させる光回折格子素子において、以下
の手段を講じている。
即ち、上記の第1領域における平均の格子ピッチは入射
光の波長λに対して(2,2±0.2)λに設定され、
第2領域における平均の格子ピッチは上記の波長λに対
して(2,8±0.2)λに設定され、上記の第1領域
と第2領域とのブレーズ形状は各谷部の深さおよびブレ
ーズ角が両w4域間で同一に設定され、上記の谷部の断
面形状は、ブレーズ角を設定する斜面と対向して谷部を
形成する他方の面が回折格子の基板表面に対してほぼ直
角に1 2 形成されると共に、この面とブレーズ角を設定する斜面
とのつながる部位が湾曲面をなし、ブレーズ角と谷部の
深さとは、ブレーズ角が32〜43゜の範囲のうち、か
つ谷部の深さが、0.65π〜1πの光学的位相差を発
生する深さの範囲のうちで、第1領域と第2領域との0
次回折効率同士および1次回折効率同士がほぼ等しくな
るような組み合わせに設定されている。
〔作 用〕
請求項第1項の構成によれば、第1領域における平均の
格子ピッチは入射光の波長λに対して(2,2±0.2
)λに設定され、第2領域における平均の格子ピッチは
上記の波長λに対して(2,8±0.2)λに設定され
ている。上記の第↓領域と第2領域とは、各谷部の深さ
およびブレーズ角が両領域間で同一に設定されている。
このような前提条件下において、上記の谷部の断面形状
は谷部における底部の角度が直角に形成されている。さ
らに、ブレーズ角と谷部の深さとは、ブレーズ角が30
〜45°の範囲のうら、かつ谷部の深さが、0.7π〜
0.9πの光学的位相差を発生する深さの範囲のうちで
、第1 g域と第2領域とのO次回折効率同士および1
次回折効率同士がほぼ等しくなるような組み合わせに設
定されている。
上記のように、第1領域と第2領域とのO次回折効率同
士がほぼ等しくなるように、ブレーズ角と光学的位相差
が設定されていることにより、本光回折格子素子が光記
録再生装置に使用されたとき、光回折格子素子の周領域
を介して記録担体上に得られる集光ビームは適切に集光
された良好なものとなる。
また、第1領域と第2領域との0次回折効率同士に加え
て1次回折効率同士もほぼ等しくなるように、ブレーズ
角と光学的位相差が設定されていることにより、光記録
再生装置の受光素子に形成される画集光スポットの光量
が等しくなり、高精度のトラッキングサーボを行うこと
ができる。
さらに、上記のような構成により、光回折格子素子の一
方の領域のO次回折効率と他方の領域の1次回折効率と
の積である往復回折効率は12%3 4 以上となり、本光回折格子素子が例えば映像用としての
使用に十分耐え得るものとなる。即ち、映像信号を扱う
光ピツクアップでは出力特性において一般に45dB以
上のS/Nが要求され、このS/Nを実現するためには
光回折格子素子の往復回折効率が12%以上という高い
ものであることが望ましい。本光回折格子素子では上記
の構成によってこの条件を満たしている。
請求項第2項の構成によれば、請求項第1項の構成と同
一の前提条件下において、各領域の谷部の断面形状は、
ブレーズ角を設定する斜面と対向して谷部を形成する他
方の面が山部側へ湾曲して凹状をなしている。このよう
な形状は、例えばCHF3ガスより生成されるイオンビ
ームでのエツチングにより山部と谷部とが交互に連続す
る回折格子を形成したときOこ生じる。さらに、ブレー
ズ角と谷部の深さとは、ブレーズ角が34〜42゜の範
囲のうち、かつ谷部の深さが、0.7π〜1.1πの光
学的位相差を発生する深さの範囲のうちで、第1領域と
第2領域との0次回折効率同士および1次回折効率同士
がほぼ等しくなるような組み合わせに設定されている。
このような構成により、請求項第1項の構成と同様、光
回折格子素子の両領域を介して記録担体上に得られる集
光ビームは適切に集光された良好なものとなる。また、
光記録再生装置の受光素子に形成される再集光スポット
の光量が等しくなり、光記録再生装置では高精度のトラ
ンキングサーボを行うことができる。さらに、光回折格
子素子の往復回折効率は12%以上となり、本光回折格
子素子が映像用としての使用に十分耐え得るものとなる
。また、CD等の従来の光ピツクアップに使用した場合
にも、高品質の再生信号を得ることが可能となる。
請求項第3項の構成によれば、請求項第1項の構成と同
一の前提条件下において、各領域の谷部の断面形状は、
ブレーズ角を設定する斜面と対向して谷部を形成する他
方の面が回折格子の基板表面に対してほぼ直角に形成さ
れると共に、この面とブレーズ角を設定する斜面とのつ
ながる部位が5 湾曲面をなしている。このような形状は、例えばCF、
ガスより生成されるイオンビームでのエツチングにより
山部と谷部とが交互に連続する回折格子を形成したとき
に生しる。さらに、ブレーズ角と谷部の深さとは、ブレ
ーズ角が32〜43゜の範囲のうち、かつ谷部の深さが
、0.65−π〜1πの光学的位相差を発生する深さの
範囲のうちで、第1領域と第2領域とのO次回折効率同
士および1次回折効率同士がほぼ等しくなるような組み
合わせに設定されている。
このような構成により、請求項第1項の構成と同様、記
録担体上には良好な集光ビームが得られ、かつ光記録再
生装置において高精度のトラッキングサーボを行い得る
と共に、光回折格子素子は高い往復回折効率を得ること
ができる。
〔実施例1〕 本発明の一実施例を第1図ないし第5図に基づいて以下
に説明する。
光ピツクアップは、第2図に示すように、レーザ光を発
する半導体レーザ1と、この半導体レー6 ザ1の発したレーザ光を平行光にするコリメートレンズ
3と、コリメートレンズ3を介して入射した光を記録担
体5上に集光させる対物レンズ4と、対物レンズ4およ
びコリメートレンズ3を介して入射した記録担体5から
の反射光を回折させて受光素子6上に集光させる光回折
格子素子2と、入射した光を電気信号に変換する受光素
子6とを備えている。
上記の受光素子6は、第3図に示すように、十字形の境
界線を挟んで4個の受光部6a・6b・6c・6dを有
している。これら受光部6a・6b・6C・6dの出力
信号をそれぞれ5a−3b・5c−3dとすると、ラジ
アル誤差信号RESは、RES= (Sa十Sb)  
 (Sc+Sd)の演算式によって得られ、同信号に基
づき、半導体レーザ1の発したレーザ光が記録担体5の
情報記録トラックに集光されるように、対物レンズ4が
駆動される構成となっている。
上記の光回折格子素子2は、第■図(a)に示すように
、相互に格子ピッチが異なる第1領域と7 8 しての領域2aと第2領域としての領域2bとを有して
いる。これら領域2a・2bの格子ピッチd1 ・d2
は、領域2a・2bへ入射した記録担体5からの反射光
を、それぞれ、受光素子6の受光部6a・6bの境界線
上の点と、受光部6c・6dの境界線上の点との2点に
、回折させて集光させるように形成されている。
光回折格子素子2における領域2a・2bの断面形状は
、例えばArガスより生成されるイオンビームでエツチ
ング加工され、それぞれ第1図(b)および同図(C)
に示すように、光回折効率の高い鋸歯形状をなしている
。これら領域2a・2bの鋸歯形状は、底部の角度が直
角である非対称のV字形の谷部と山部の平坦な頂部とか
ら構成され、格子ピッチd1 ・d2は、両領域2a・
2b間におけるO次回折効率同士および1次回折効率同
士を等しくする目的で、谷部と山部の頂部との占有比率
を異ならせることにより設定されている。即ち、領域2
aと領域2bとでは谷部の深さtおよびブレーズ角θが
同一に設定され、領域2aの格子ビッヂd1と領域2b
の格子ピッチd2との差に相当する分だけ、領域2bの
山部の頂部の幅Mが広くなっている。
また、光回折格子素子2では、記録担体5上において集
光ビームを適切に集光させるため、および光ピツクアッ
プの出力信号におけるS/Nを向上するために、ブレー
ズ角θと、谷部の深さtによって設定される光学的位相
差とが以下のように設定されている。
即ち、入射光の波長をλとすると、第1図(a)に示す
領域2aの格子ピッチd1の平均が、(2,2±0.2
)λで、領域2bにおける格子ピッチd2の平均が(2
,8±0.2)λである光回折格子素子2において、ブ
レーズ角θと谷部の深さtとは、ブレーズ角θが30〜
45°の範囲のうち、かつ谷部の深さtが、0,7π〜
0.9πの光学的位相差を発生する深さの範囲のうちで
、領域2aと領域2bとの0次回折効率同士および1次
回折効率同士がほぼ等しくなるような組み合わせに設定
されている。このとき、一方のO次回折効率に対1つ して他方のO次回折効率がずれる範囲、および−方の1
次回折効率に対して他方の1次回折効率がずれる範囲は
それぞれ5%まで許容することができる。上記のような
設定によって、光回折格子素子2では12%以上という
高い往復回折効率を得ている。この往復回折効率は、格
子ピッチd、の領域2aにおける0次回折効率と格子ピ
ッチd2の領域2bにおける1次回折効率との積である
410次621次往復回折効率と、領域2bの0次回折
効率と領域2aの1次回折効率との積であるd20次d
、1次往復回折効率とを示すものである。
これらd+  O次d21次往復回折効率とdz O次
d、1次往復回折効率とは受光素子6への入射光量に根
本的に影響するものである。尚、格子ピッチd1 ・d
2の条件は、上記のように、それぞれ、2.2λおよび
2,8λに対して±0.2λの許容範囲を有しており、
これらの範囲において、上記の条件下で12%以上の各
往復回折効率が得られるようになっている。また、以下
の実施例におけるλは、一般に光ピツクアップの光源と
して用いら0 れる半導体レーザの発振波長λ−78(lnmの場合で
ある。
上記の両往復回折効率における12%以上という数値は
、例えば同光回折格子素子2を映像用ピックアップに使
用する場合、良好な映像信号を得る上で光回折格子素子
2として望ましい効率である。即ち、映像信号を扱う光
ピツクアップでは、良好な映像信号を得る上で、出力信
号に45dB以上のS/Nが求められ、このS/Nを達
成するためには、光回折格子素子2において12%以上
の往復回折効率が得られることが望ましい。
上記のブレーズ角θと光学的位相差とを設定する際には
、先ず、各ブレーズ角θにおける谷部の深さt、即ち光
学的位相差と、領域2a・2bの0次回折効率、領域2
a・2bの1次回折効率、d、O次d、1次往復回折効
率およびdzo次d11次往復回折効率との関係を調べ
た。その結果のいくらかを以下に示す。
例えば、ブレーズ角θが356のときの谷部の深さtに
対する回折効率の依存性は、光回折格子1 2 素子2が例えば石英ガラスより形成され、その屈折率を
1.454としたとき、第4図(a)のグラフに示すよ
うになり、光学的位相差が0.79π前後となる谷部の
深さtが0.68μm近辺で、領域2a・2bの0次回
折効率同士と1次回折効率伺士とがほぼ揃い、両頭域2
a・2bにおけるdO次d21次往復回折効率とd、[
)次d+  1次往復回折効率とは共に、13.1%程
度となる。
ブレーズ角θが前記の30〜45°の範囲の最も小さい
値の30°で、領域2a・2bのO次回折効率同士と1
次回折効率伺士とがほぼ揃い、かつ領域2a・2bにお
けるd、0次d、1次往復回折効率とa、0次d、1次
往復回折効率とが12%以上となるのは、同図(b)の
グラフ↓こ示すように、谷部の深さtが0.61μmに
設定され、光学的位相差が0.71πとなる場合である
ブレーズ角θが30〜45°の範囲の最も大きい値の4
5°で、領域2a・2bのO次回折効率同士と1次回折
効率同士とがほぼ揃い、かつ領域2a・2bにおける両
往復回折効率が12%以上となるのしよ、同図(C)の
グラフに示すように、谷部の深さtが0.76μmに設
定され、光学的位相差が0.88πとなる場合である。
一方、ブレーズ角θが30〜45°の範囲よりも小さい
値の25°で、領域2a・2bの0次回折効率同士と1
次回折効率同士とがほぼ揃うのは、同図(d)のグラフ
に示すように、谷部の深さtが0.50μmに設定され
、光学的位相差が0.58πとなる場合である。このと
きの領域2a・2bにおけるd+ O次d、1次往復回
折効率とd20次d、1次往復回折効率とは10π程度
となり、12%以下となってしまう。
また、ブレーズ角θが30〜45°の範囲よりも大きい
値の50°で、領域2a・2bの0次回折効率同士と1
次回折効率同士とがほぼ揃うのは、同図(e)のグラフ
に示すように、谷部の深さtが0.76μmに設定され
、光学的位相差が0.88πとなる場合である。このと
きの領域2a・2bにおけるd+o次dz 1次往復回
折効率とd20次d、1次往復回折効率とは11π程度
となり3 、同様に、12%以下となってしまう。
次に、以上の結果を整理して、往復回折効率とブレーズ
角と光学的位相差との関係を調べたところ、第5図のグ
ラフに示すような結果が得られた。同図より、ブレーズ
角θが30〜45°の範囲、かつ光学的位相差が0.7
π〜0.9πの範囲において、12%以上の往復回折効
率を得ることができるのが分かる。尚、12%以上の往
復回折効率を得る上での許容範囲は上記のとおりである
が、−層高い回折効率が得られる望ましい範囲は、ブレ
ーズ角θが34〜40°、かつ光学的位相差が0.77
π〜0.85πの範囲である。
上記の構成において、半導体レーザlの発したレーザ光
は光回折格子素子2へ入射し、光回折格子素子2の領域
2a・2bによる0次回折光が、コリメートレンズ3に
て平行光にされた後、対物レンズ4により記録担体5の
情報記録トラックに集光される。このとき、上記の両頭
域2a・2bにおけるO次回折効率が同じであるため、
記録担体5上の集光ビームは記録トラック上に適切に集
4 光された良好なものとなる。記録担体5からの反射光は
、対物レンズ4およびコリメートレンズ3を介して光回
折格子素子2へ入射し、領域2a・2bによる1次回折
光が受光素子6上に集光される。このとき、半導体レー
ザ1から出射したレーザ光のうち、光回折格子素子2の
一方の領域、例えば領域2aに入射したレーザ光は、記
録担体5で反射した後、光回折格子素子2の他方の領域
、例えば領域2bへ入射する。また、領域2bへ入射し
た光は受光素子6の受光部6a・6bの境界線上に集光
スポットS+ として集光され、領域2aへ入射した光
は受光部6c・6dの境界線上に集光スポットS2とし
て集光される。
ここで、光回折格子素子2では、前述のように、dl 
0次dz 1次往復回折効率とd20次d1次往復回折
効率とが等しくなるように設定されているので、受光素
子6に形成される集光スポットS1 ・S2の光量が等
しくなり、対物レンズ4の焦点位置が記録担体5の情報
記録トラック上にある場合、RES= (Sa+Sb)
 −(Sc十Sd5 6 )の演算式によって得られるラジアル誤差信号RESは
零となる。従って、上記の焦点位置が情報記録トラック
からずれた場合、ラジアル誤差信号RESはそのずれ量
に対応したものとなり、トラックずれが正確に修正され
る。これにより、高精度のトラッキングサーボを行うこ
とができる。
さらに、d+ 0次d21次往復回折効率とd20次d
+  1次往復回折効率とは12%以上となっているの
で、本光回折格子素子2を映像用ピックアップに使用す
ると、45dB以上の高いS/Nが実現し易く、良好な
映像信号を得ることができる。また、CD用ピックアッ
プに使用した場合も、他の部品への負担が軽減され、高
品質の再生信号が得られる。
上記のように、本発明の構成は、格子ピッチの異なる2
個の領域を有し、回折格子の断面形状が鋸歯形の光回折
格子素子において、各領域で回折される光の光量が等し
くなるように設計したいという場合に有効である。
〔実施例2] 本発明の他の実施例を第6図ないし第8図に基づいて以
下に説明する。
第6図(a)に示すように、本実施例に係る光回折格子
素子8は、実施例1に示した光回折格子素子2と同様、
異なる格子ピッチd1 ・d2の第1・第2M域である
2個の領域8a・8bを有している。これら領域8a・
8bは、例えばCHF3ガスより生成されるイオンビー
ムでエツチング7JI+工されることにより、それぞれ
第6図(b)および同図(C)に示すように、ブレーズ
角θを設定する斜面と対向して谷部を形成する他方の面
の下部が山部側へ湾曲して凹状をなし、谷部の最下部か
ら山部側へ幅d゛かつ高さtoだけ山部をえくるような
アンダーカット部9が生している。このアンダーカット
部9は、幅d″が各格子ピッチd1・d2の10〜20
%程度、高さtoが谷部の深さtの40〜60%程度と
なる。また、光回折格子素子8は、前記の光回折格子素
子2と同様、両頭域8a・8bの谷部の深さtとブレー
ズ角θが同一に設定され、領域8aの格子ピッチd1と
領7 域8bの格子ピッチd2との差に相当する分だけ、領域
8bの山部の頂部の幅Mが広くなっている。
さらに、上記のアンダーカット部9を有する光回折格子
素子8では、記録担体5で集光ビームを適切に集光させ
るため、および領域8a・8bにおいて12%以上の往
復回折効率を得るために、ブレーズ角θと光学的位相差
とが以下のように設定されている。
即ち、格子ピッチd、の平均が、(2,2±0.2)λ
で、格子ピッチd2の平均が(2,8±0.2)λであ
る光回折格子素子8において、ブレーズ角θと谷部の深
さtとは、ブレーズ角θが34〜42°の範囲のうち、
かつ谷部の深さtが、0.7π〜1.1πの光学的位相
差を発生する深さの範囲のうちで、領域8aと領域8b
との0次回折効率同士および1次回折効率同士がほぼ等
しくなるような組み合わせに設定されている。このとき
、一方の0次回折効率に対して他方の0次回折効率がず
れる範囲、および一方の1次回折効率に対して他方の1
次回折効率がずれる範囲はそれぞれ5%ま8 で許容することができる。尚、本光回折格子素子8では
、アンダーカット部9を有することにより、前記の光回
折格子素子2よりも、最少および最大ブレーズ角θが小
さくてブレーズ角θが狭い範囲となり、谷部の深さtが
深く、即ち光学的位相差の最大範囲が広くなっている。
上記のブレーズ角θと光学的位相差とを設定するために
、各ブレーズ角θにおける光学的位相差と、領域8a・
8bのO次回折効率、領域8a8bの1次回折効率、d
10次d21次往復回折効率およびdzo次d、1次往
復回折効率との関係を調べたところ、以下のようになっ
た。
例えば、ブレーズ角θが38°の場合には、光回折格子
素子8の屈折率を1.454としたとき、第7図(a)
のグラフに示すようになり、光学的位相差が0.91π
前後となる谷部の深さtが0.78μm近辺で、領域8
a・8bの0次回折効率同士と1次回折効率同士とがほ
ぼ揃い、両頭域8a・8bにおけるd、0次d21次往
復回折効率とdzo次d、1次往復回折効率とは共に、
12.79 0 %程度となる。
ブレーズ角θが前記の34〜42°の範囲の最も小さい
値の34°で、領域8a・8bの0次回折効率同士と1
次回折効率同士とがほぼ揃い、かつ領域8a・8bにお
ける両往復回折効率が12%以上となるのは、同図(b
)のグラフに示すように、谷部の深さtが0.66μm
に設定され、光学的位相差が0.77πとなる場合であ
る。
ブレーズ角θが34〜42°の範囲の最も大きい値の4
2°で、領域8a・8bの0次回折効率同士と1次回折
効率同士とがほぼ揃い、かつ領域8a・8bにおけるd
、0次d21次往復回折効率とd20次d、1次往復回
折効率とが12%以上となるのは、同図(c)のグラフ
に示すように、谷部の深さtが0.90μmに設定され
、光学的位相差が1,05πとなる場合である。
一方、ブレーズ角θが34〜42°の範囲よりも小さい
値の30°で、領域8a・8bのO次回折効率同士と1
次回折効率同士とがほぼ揃うのは、同図(d)のグラフ
に示すように、谷部の深さtが0.54μmに設定され
、光学的位相差が0.63πとなる場合である。このと
ぎの領域8a・8bにおけるd、0次d21次往復回折
効率とd20次d、1次往復回折効率とは1000%程
度となり、12%以下となってしまう。
また、ブレーズ角θが34〜42°の範囲よりも大きい
値の45°で、領域8a・8bの0次回折効率同士と1
次回折効率同士とがほぼ揃うのは、同図(e)のグラフ
に示すように、谷部の深さLが1.00μmに設定され
、光学的位相差が1.16πとなる場合である。このと
きの領域8a・8bにおけるd、O次d2 ]次往復同
折効率とd20次d+  1次往復回折効率とは10.
5%程度となり、同様に、12%以下となってしまう。
次に、以上の結果を整理して、往復回折効率とブレーズ
角と光学的位相差との関係を調べたところ、第8図のグ
ラフに示すような結果が得られた。同図より、ブレーズ
角θが34〜42°の範囲、かつ光学的位相差が0.7
π〜1.1πの範囲において、12%以上の往復回折効
率を得ることがで1 2 きるのが分かる。また、−層高い回折効率が得られる望
ましい範囲は、ブレーズ角θが36〜40゜、かつ光学
的位相差が0.81π〜0.95πの範囲である。
上記の構成によれば、光回折格子素子8の両頭域8a・
8bにおける0次回折効率が同じであるため、記録担体
5上の集光ビームは記録トラック上に適切に集光された
良好なものとなる。また、光回折格子素子8では、d、
0次d21次往復回折効率とd20次d、1次往復回折
効率とが等しくなるように設定されているので、受光素
子6に形成される集光スポラ)S+  ・S2の光量が
等しくなり、本光回折格子素子8を使用した光記録再生
装置において、高精度のトラッキングサーボを行うこと
が可能である。さらに、d+o次dz  1次往復回折
効率とdz O次d、1次往復回折効率とが12%以上
となっているので、本光回折格子素子2を映像用ピック
アップに使用すると、45dB以上の高いS/Nが実現
し易く、良好な映像信号を得ることができる。また、C
D用ピンクアップに使用した場合も、他の部品への負担
が軽減され、高品質の再生信号が得られる。
〔実施例3〕 本発明のその他の実施例を第9図ないし第11図に基づ
いて以下に説明する。
第9図(a)に示すように、本実施例に係る光回折格子
素子10は、実施例1に示した光回折格子素子2と同様
、異なる格子ピッチd1 ・d、の第1・第2領域であ
る2個の領域10a・10bを有している。これら領域
10alObは、例えばCF4ガスより生成されるイオ
ンビームでエツチング加工されることにより、それぞれ
第9図(b)および同図(C)に示すように、ブレーズ
角θを設定する斜面と対向して谷部を形成する他方の面
が基板表面に対してほぼ直角に形成されると共に、この
面とブレーズ角θを設定する斜面とのつながる部位が湾
曲面11となっている。同図(b)(c)における湾曲
面11は、幅d′”が各格子ピッチd1 ・d2の10
〜20%程度、高さt“が谷部の深さtの20〜40%
程度となる。
3 4 また、光回折格子素子10は、前記の光回折格子素子2
と同様、周領域10a・10bの谷部の深さtとブレー
ズ角θが同一に設定され、領域10aの格子ピッチd1
と領域10bの格子ピッチd2との差に相当する分だけ
、領域tabの山部の頂部の幅Mが広(なっている。
さらに、上記の湾曲面11を有する光回折格子素子10
では、記録担体5上において集光ビームを適切に集光さ
せるため、および領域10a・10bにおいて12%以
上の往復回折効率を得るために、ブレーズ角θと光学的
位相差とが以下のように設定されている。
即ち、格子ピッチd1の平均が、(2,2±0.2)λ
で、格子ピッチd2の平均が(2,8±0.2)λであ
る光回折格子素子10において、ブレーズ角θと谷部の
深さLとは、ブレーズ角θが32〜43°の範囲のうち
、かつ谷部の深さtが0.65π〜1πの光学的位相差
を発生する深さの範囲のうちで、領域10aと領域10
bとのO次回折効率同士および1次回折効率同士がほぼ
等しくなるような組み合わせに設定されている。このと
き、一方の0次回折効率に対して他方の0次回折効率が
ずれる範囲、および一方の1次回折効率に対して他方の
1次回折効率がずれる範囲はそれぞれ5%まで許容する
ことができる。尚、本光回折格子素子10では、上記の
ような形状により、前記の光回折格子素子2よりも、最
少および最大ブレーズ角θが小さくてブレーズ角θが狭
い範囲となる一方、光学的位相差の許容範囲が広くなっ
ている。
上記のブレーズ角θと光学的位相差とを設定するために
、各ブレーズ角θにおける光学的位相差と、領域10a
・10bの0次回折効率、領域10a ・10bの1次
回折効率、d+  O次dz  1次往復回折効率およ
びdzo次d、1次往復回折効率との関係を調べたとこ
ろ、以下のようになった。
例えば、ブレーズ角θが35°の場合には、光回折格子
素子10の屈折率を1.454としたとき、第10図(
a)のグラフに示すように、光学的位相差が0.72π
前後となる谷部の深さtが0.62μm近辺で、領域1
0a・10bのO次回折効5 車同士と1次回折効率同士とがほぼ揃い、周領域10a
−10bにおけるd、O次dz 1次往復回折効率とc
lzo次d、1次往復回折効率とは共に、13.0%程
度となる。
ブレーズ角θが前記の32〜43°の範囲の最も小さい
値の326で、領域10a・10bのO次回折効率同士
と1次回折効率同士とがほぼ揃い、かつ領域10a・1
0bにおける両往復回折効率が12%以上となるのは、
同図(b)のグラフに示すように、谷部の深さLが0.
56μmに設定され、光学的位相差が0.65πとなる
場合である。
ブレーズ角θが32〜43°の範囲の最も大きい値の4
3°で、領域10a・10bのO次回折効率同士と1次
回折効率同士とがほぼ揃い、かつ領域10a・10bに
おけるd+o次d21次往復回折効率とd20次d、1
次往復回折効率とが12%以上となるのは、同図(C)
のグラフに示すように、谷部の深さtが0.86μmに
設定され、光学的位相差が1.00πとなる場合である
一方、ブレーズ角θが32〜43°の範囲より6 も小さい値の27°で、領域10a・10bのO次回折
効率同士と1次回折効率同士とがほぼ揃うのは、同図(
d)のグラフに示すように、谷部の深さtが0.46μ
mに設定され、光学的位相差が0.54πとなる場合で
ある。このときの領域10a・10bにおけるd+ O
次d21次往復回折効率とd20次d+1次往復回折効
率とは10.0%程度となり、12%以下となってしま
う。
また、ブレーズ角θが32〜43°の範囲よりも大きい
値の47°で、領域10a・10bの0次回折効率同士
と1次回折効率同士とがほぼ揃うのは、同図(e)のグ
ラフに示すように、谷部の深さtが0.98μmに設定
され、光学的位相差が1.14πとなる場合である。こ
のときの領域10a・10bにおけるd+ 0次dz 
1次往復回折効率とdzo次d+1次往復回折効率とは
10.0%程度となり、同様に、12%以下となってし
まう。
次に、以上の結果を整理して、往復回折効率とブレーズ
角と光学的位相差との関係を調べたところ、第11図の
グラフに示すような結果が得られ7 8 た。同図より、ブレーズ角θが32〜43°の範囲、か
つ光学的位相差が0.65π〜1πの範囲において、1
2%以上の往復回折効率を得ることができるのが分かる
。また、−層高い回折効率が得られる望ましい範囲は、
ブレーズ角θが36〜40°、かつ光学的位相差が0.
77π〜0.91πの範囲である。
上記の構成によれば、実施例1および実施例2に示した
構成と同様、記録担体5上の集光ビームは記録トラック
上に適切に集光された良好なものになると共に、本光回
折格子素子10を使用した光記録再生装置において、高
精度のトラッキングサーボを行うことが可能である。さ
らに、本光回折格子素子2を映像用ピックアップに使用
すると、45dB以上の高いS/Nが実現し易く、良好
な映像信号を得ることができる。また、CD用ピックア
ップに使用した場合も、他の部品への負担が軽減され、
高品質の再生信号が得られる。
〔発明の効果〕
請求項第1項の発明に係る光回折格子素子は、以上のよ
うに、第1領域における平均の格子ピッチは入射光の波
長λに対して(2,2±0.2)λに設定され、第2領
域における平均の格子ピッチは上記の波長λに対して(
2,8±0.2)λに設定され、上記の第1領域と第2
領域とは各谷部の深さおよびブレーズ角が両頭域間で同
一に設定され、上記の谷部の断面形状は谷部における底
部の角度が直角に形成され、ブレーズ角と谷部の深さと
は、ブレーズ角が30〜45°の範囲のうち、かつ谷部
の深さが、0.7π〜0.9πの光学的位相差を発生す
る深さの範囲のうちで、第1領域と第2領域とのO次回
折効率同士および1次回折効率同士がほぼ等しくなるよ
うな組み合わせに設定されている構成である。
これにより、本光回折格子素子が光記録再生装置に使用
されたとき、光回折格子素子の両頭域を介して記録担体
上に得られる集光ビームは適切に集光された良好なもの
となり、信号の検出を的確に行うことができる。また、
光記録再生装置の受光素子に形成される画集光スポット
の光量が等し9 くなり、高精度のトラッキングサーボを行うことができ
る。さらに、高い往復回折効率を得ることができ、光ピ
ツクアップの再生信号を得るのに好適な信号品質を得る
ことができる等の効果を奏する。
請求項第2項の発明に係る光回折格子素子は、以上のよ
うに、第1領域における平均の格子ピッチは入射光の波
長λに対して(2,2±0.2)λに設定され、第2領
域における平均の格子ピッチは上記の波長λに対して(
2,8±0.2)λに設定され、第1領域と第2領域と
は各谷部の深さおよびブレーズ角が両頭域間で同一に設
定され、上記の谷部の断面形状は、ブレーズ角を設定す
る斜面と対向して谷部を形成する他方の面が山部側へ湾
曲して凹状をなし、ブレーズ角と谷部の深さとは、ブレ
ーズ角が34〜42°の範囲のうち、かつ谷部の深さが
、0.7π〜1.1πの光学的位相差を発生する深さの
範囲のうちで、第1領域と第2領域との0次回折効率同
士および1次回折効率同士がほぼ等しくなるような組み
合わせに設定されてぃ0 る構成である。
これにより、請求項第1項の光回折格子素子と同様、本
光回折格子素子を使用することにより、記録担体上に適
切に集光された集光ビームを得ることができ、信号の検
出を的確に行うことができると共に、受光素子に形成さ
れる画集光スポットの光量を等しくして、高精度のトラ
ッキングサーボを行うことができる。さらに、高い往復
回折効率を得ることができ、光ピツクアップの再生信号
を得るのに好適な信号品質を得ることができる等の効果
を奏する。
請求項第3項の発明に係る光回折格子素子は、以上のよ
うに、第161域における平均の格子ピッチは入射光の
波長λに対して(2,2±0.2)λに設定され、第2
領域における平均の格子ピッチは上記の波長λに対して
(2,8±0.2)λに設定され、上記の第1領域と第
2領域とは各谷部の深さおよびブレーズ角が両頭域間で
同一に設定され、上記の谷部の断面形状は、ブレーズ角
を設定する斜面と対向して谷部を形成する他方の面が回
折格1 2 子の基板表面に対してほぼ直角に形成されると共に、こ
の面とブレーズ角を設定する斜面とのつながる部位が湾
曲面をなし、ブレーズ角と谷部の深さとは、ブレーズ角
が32〜43°の範囲のうち、かつ谷部の深さが、0.
65π〜1πの光学的位相差を発生する深さの範囲のう
ちで、第1領域と第2領域との0次回折効率同士および
1次回折効率同士がほぼ等しくなるような組み合わせに
設定されている構成である。
これにより、請求項第1項の構成と同様、記録担体上に
は良好な集光ビームが得られ、かつ高精度のトラッキン
グサーボを行い得ると共に、高い往復回折効率を得るこ
とができ、光ピツクアップの再生信号を得るのに好適な
信号品質を得ることができる等の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
第1図ないし第5図は本発明の一実施例を示すものであ
る。 第1図(a)は光回折格子素子を示す概略の正面図であ
る。 第1図(b)は同図(a)におけるA−A矢視断面図で
ある。 第1図(C)は同図(a)におけるB−B矢視断面図で
ある。 第2図は光ピツクアップの構成を示す概略の説明図であ
る。 第3図は受光素子上の集光スポットを示す説明図である
。 第4図(a)はブレーズ角が35°、同図(b)はブレ
ーズ角が30°、同図(C)はプレース角が45°、同
図(d)はブレーズ角が25°、同図(e)はブレーズ
角が50°の各場合の光回折格子素子における光学的位
相差と、各領域の0次回折効率、各領域の1次回折効率
および各領域の往復回折効率との関係を示すグラフであ
る。 第5図は光回折格子素子における往復回折効率とブレー
ズ角と光学的位相差との関係を示すグラフである。 第6図ないし第8図は本発明の他の実施例を示3 4 すものである。 第6図(a)は光回折格子素子を示す概略の正面図であ
る。 第6図(b)は同図(a)におけるC−C矢視断面図で
ある。 第6図(c)は同図(a)におけるD−D矢視断面図で
ある。 第7図(a)はブレーズ角が38°、同図(b)はブレ
ーズ角が34″、同図(c)はブレーズ角が42°、同
図(d)はブレーズ角が30°、同図(e)はブレーズ
角が45°の各場合の光回折格子素子における光学的位
相差と、各領域の0次回折効率、各領域の1次回折効率
および各領域の往復回折効率との関係を示すグラフであ
る。 第8図は光回折格子素子における往復回折効率とブレー
ズ角と光学的位相差との関係を示すグラフである。 第9図ないし第11図は本発明のその他の実施例を示す
ものである。 第9図(a)は光回折格子素子を示す概略の正面図であ
る。 第9図(b)は同図(a)におけるE−E矢視断面図で
ある。 第9図(c)は同図(a)におけるF−F矢視断面図で
ある。 第10図(a)はブレーズ角が35°、同図(b)はブ
レーズ角が32°、同図(C)はブレーズ角が43°、
同図(d)はブレーズ角が27゜、同図(e)はブレー
ズ角が47°の各場合の光回折格子素子における光学的
位相差と、各領域の0次回折効率、各領域の1次回折効
率および各領域の往復回折効率との関係を示すグラフで
ある。 第11図は光回折格子素子における往復回折効率とブレ
ーズ角と光学的位相差との関係を示すグラフである。 第12図ないし第15図は従来例を示すものである。 第12図は光ピツクアップの構成を示す概略の説明図で
ある。 第13図は受光素子上の集光スポットを示す説5 6 四囲である。 第14図(a)は光回折格子素子を示す概略の正面図で
ある。 第14図(b)は同図(a)におけるC−C矢視断面図
である。 第14図(C)は同図(a)におけるH −H矢視断面
図である。 第14図(d)は他の光回折格子素子の同図(a)にお
けるG−C矢視断面図である。 第14図(e)は他の光回折格子素子の同図(a)にお
けるH−H矢視断面図である。 第15図(a)〜(C)はArガスより生成されたイオ
ンビームでのエツチングによる回折格子の製造過程を示
す説明縦断面図である。 第15図(d)はCHF、ガスより生成されたイオンビ
ームでのエツチングにて作製された回折格子を示す説明
縦断面図である。 第15図(e)はCF、ガスより生成されたイオンビー
ムでのエツチングにて作製された回折格子を示す説明縦
断面図である。 ■は半導体レーザ、2・8・10は光回折格子素子、2
a・8a・10aは領域(第1領域)、2b・8b・1
0bは領域(第2領域)、5は記録担体、6は受光素子
、9はアンダーカット部、11は湾曲面、θはブレーズ
角、dl ・d2ば格子ピッチである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、山部と谷部とが交互に連続し、ブレーズ角を設定す
    る斜面を有する形状により、格子ピッチが相互に異なる
    第1領域と第2領域とを有する回折格子が形成され、第
    1領域と第2領域とによって入射光を異なる方向へ回折
    させる光回折格子素子において、 上記の第1領域における平均の格子ピッチは入射光の波
    長λに対して(2.2±0.2)λに設定され、第2領
    域における平均の格子ピッチは上記の波長λに対して(
    2.8±0.2)λに設定され、上記の第1領域と第2
    領域とは各谷部の深さおよびブレーズ角が両領域間で同
    一に設定され、上記の谷部の断面形状は谷部における底
    部の角度が直角に形成され、ブレーズ角と谷部の深さと
    は、ブレーズ角が30〜45゜の範囲のうち、かつ谷部
    の深さが、0.7π〜0.9πの光学的位相差を発生す
    る深さの範囲のうちで、第1領域と第2領域との0次回
    折効率同士および1次回折効率同士がほぼ等しくなるよ
    うな組み合わせに設定されていることを特徴とする光回
    折格子素子。 2、山部と谷部とが交互に連続し、ブレーズ角を設定す
    る斜面を有する形状により、格子ピッチが相互に異なる
    第1領域と第2領域とを有する回折格子が形成され、第
    1領域と第2領域とによって入射光を異なる方向へ回折
    させる光回折格子素子において、 上記の第1領域における平均の格子ピッチは入射光の波
    長λに対して(2.2±0.2)λに設定され、第2領
    域における平均の格子ピッチは上記の波長λに対して(
    2.8±0.2)λに設定され、第1領域と第2領域と
    は各谷部の深さおよびブレーズ角が両領域間で同一に設
    定され、上記の谷部の断面形状は、ブレーズ角を設定す
    る斜面と対向して谷部を形成する他方の面が山部側へ湾
    曲して凹状をなし、ブレーズ角と谷部の深さとは、ブレ
    ーズ角が34〜42゜の範囲のうち、かつ谷部の深さが
    、0.7π〜1.1πの光学的位相差を発生する深さの
    範囲のうちで、第1領域と第2領域との0次回折効率同
    士および1次回折効率同士がほぼ等しくなるような組み
    合わせに設定されていることを特徴とする光回折格子素
    子。 3、山部と谷部とが交互に連続し、ブレーズ角を設定す
    る斜面を有する形状により、格子ピッチが相互に異なる
    第1領域と第2領域とを有する回折格子が形成され、第
    1領域と第2領域とによって入射光を異なる方向へ回折
    させる光回折格子素子において、 上記の第1領域における平均の格子ピッチは入射光の波
    長λに対して(2.2±0.2)λに設定され、第2領
    域における平均の格子ピッチは上記の波長λに対して(
    2.8±0.2)λに設定され、上記の第1領域と第2
    領域とは各谷部の深さおよびブレーズ角が両領域間で同
    一に設定され、上記の谷部の断面形状は、ブレーズ角を
    設定する斜面と対向して谷部を形成する他方の面が回折
    格子の基板表面に対してほぼ直角に形成されると共に、
    この面とブレーズ角を設定する斜面とのつながる部位が
    湾曲面をなし、ブレーズ角と谷部の深さとは、ブレーズ
    角が32〜43゜の範囲のうち、かつ谷部の深さが、0
    .65π〜1πの光学的位相差を発生する深さの範囲の
    うちで、第1領域と第2領域との0次回折効率同士およ
    び1次回折効率同士がほぼ等しくなるような組み合わせ
    に設定されていることを特徴とする光回折格子素子。
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