JP2006227366A - 光通信用カップリングレンズ及び光通信モジュール - Google Patents

光通信用カップリングレンズ及び光通信モジュール Download PDF

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Abstract

【課題】 光通信モジュールにおける上り光と下り光の2波長に対応して温度変化による結合損失を補正可能な光通信用回折カップリングレンズ及び光通信モジュールを提供する。
【解決手段】 この光通信用カップリングレンズ4は、光ファイバ1の端部を固定する固定手段と、波長λ1のレーザ光を発振する半導体レーザ5aと、光ファイバからの半導体レーザとは異なる波長λ2の光を受光する受光器6と、を備える光通信モジュールで光ファイバと半導体レーザ及び受光器との間に配置されて光を集光し結合させるものであって、プラスチック材料または屈折率の温度依存性dn/dT<−5×10-5の材料からなり、その光学面の少なくとも1つに正の屈折力を有する位相構造4aが形成されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、位相構造が形成された光通信用回折カップリングレンズ及び光通信モジュールに関するものである。
下記特許文献1は、半導体レーザ発振器と、該発振器からのレーザ光をファイバ入射端面に結合するプラスチック製の集光レンズと、アパーチャー部材を備えたファイバ端部固定手段から成り、球面もしくは非球面形状の集光レンズの少なくとも一つの表面に同心円状の回折輪帯構造を形成している半導体レーザモジュールを開示する。この半導体レーザモジュールは、温度変化による半導体レーザ発振器の発振波長の変化とプラスチックレンズの光学特性の変化とに対応して、ファイバ端面への結像位置の移動の少ない安定な光結合効率が得られるように温度補償をした光結合用の半導体レーザモジュールであるので、光通信におけるいわゆる上り専用のものである。
しかし、光通信システムでは、波長の異なる光による双方向伝送が要求されており、いわゆる下りの光信号の受信機能をも兼ね備えた光通信モジュールが必要である。すなわち、半導体レーザから光ファイバに送る光信号と、光ファイバから受光素子における光信号を集光させることができ、かつ、上述の2つの異なる波長の光信号に対応した温度補正が可能な光通信モジュールが必要である。
特開平11−142696号公報
本発明は、上述のような従来技術の問題に鑑み、光通信モジュールにおける上り光と下り光の2波長に対応して温度変化による結合損失を補正可能な光通信用回折カップリングレンズ及び光通信モジュールを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明による光通信用カップリングレンズは、光ファイバの入射端の位置を固定する固定手段と、波長λ1のレーザ光を発振する半導体レーザと、前記光ファイバからの前記半導体レーザとは異なる波長λ2の光を受光する受光器と、を備える光通信モジュールで前記光ファイバと前記半導体レーザ及び前記受光器との間に配置されて光を集光し結合させるカップリングレンズであって、プラスチック材料または屈折率の温度依存性dn/dT<−5×10-5の材料からなり、その光学面の少なくとも1つに正の屈折力を有する位相構造が形成されたことを特徴とする。
この光通信用カップリングレンズによれば、プラスチックレンズ(または、屈折率の温度変化率がdn/dT<−5×10-5の材料)が光通信モジュールの使用中に温度変化により焦点位置のずれ(結合損失)を生じたとき、カップリングレンズに回折面(位相構造)を保有させることで、半導体レーザから光ファイバへの波長λ1の上り光と、光ファイバから受光器への波長λ2の下り光の2波長両用の温度補正を行うことができる。これにより、上り光と下り光の2波長に対応した光通信モジュールにおいて温度変化による結合損失を補正できる。また、光通信モジュールにおいてプラスチック製のカップリングレンズを用いることができるので、ガラスレンズを用いる場合に比べてコストダウンを図ることができる。
上記光通信用カップリングレンズにおいて前記位相構造は輪帯構造を有し、その断面形状及び各輪帯間隔は、前記半導体レーザの温度変化による発振波長の変動及び/又は前記光ファイバの温度変化による移動が及ぼす焦点移動と、前記カップリングレンズの温度変化による屈折率変化と熱膨張または熱収縮が及ぼす焦点移動が、互いに反対方向となるように設定されることが好ましい。位相構造がないカップリングレンズでは、温度変化により光信号の発振波長がシフトすることと、カップリングレンズの屈折率が変化することと、カップリングレンズが線膨張することとが要因となって結像位置(焦点距離)が移動して結合効率が低下してしまうのであるが、上述の位相構造をカップリングレンズに持たせることで、結像位置のシフトと逆方向なシフトを生じさせることができるので、温度変化による結像位置シフトを補正することができる。
また、前記位相構造の断面形状及び各輪帯間隔は、次式(1)を満たすことが好ましい。
0.26<PD/P<0.88 (1)
ただし、
D:前記カップリングレンズの第i面に形成された位相構造により、前記カップリングレンズを通過する波面に付加される光路差関数Φbを光軸からの高さh(mm)の関数として、次の数2
Figure 2006227366
により定義される光路差関数で表したとき(ここで、λは入射光束の波長、λBは製造波長、mは位相構造で発生する回折光のうち最大の回折光量を有する回折光の回折次数、b2iは光路差関数の係数である)、
D=Σ(−2×b2i×(λ/λB)×m)
により定義される回折レンズとしての回折パワー(mm-1)、
P:波長λ1または波長λ2における前記カップリングレンズのトータルの近軸パワー(mm-1)。
プラスチックからなる集光レンズ(カップリングレンズ)を用いた光学系において、発光素子(半導体レーザ)が温度変化により波長シフトする場合、上記位相構造の屈折パワーの比率(PD/P)が0.88以上となると、上り波長λ1の発振波長が温度変化に対して0.1(nm/℃)よりも小さいレーザ光源を使用しなければ温度変化による結合効率変化を最適に補正できず、または、上り波長λ1が1360nmよりも高波長のレーザ光源を使用しなければ温度変化による結合効率変化を最適に補正できない。また、上記PD/Pが0.26以下であると、プラスチックではなくガラスのような小さい線膨張係数のものでなければ温度変化を最適に補正できず、または、上り波長λ1が1260nmよりも低波長のレーザ光源を使用しなければ温度変化を最適に補正できない。
また、上記式(1)は、近軸領域においてdP/dT=0(P=1/f、但し、f:レンズの焦点距離(mm)、T:温度(℃))となる条件を表しているとも言える。この条件の下では温度変化に伴う焦点距離の移動量が0となるので、結合効率の変化も0となることが分かる。
また、半導体レーザ(DFB)の場合、温度変化に対する発振波長の変化率は、0.1nm/℃程度であり、半導体レーザ(FP)の場合、温度変化に対する発振波長の変化率は0.4nm/℃であるが、半導体レーザの温度変化による発振波長の変化率が0.1〜0.4(nm/℃)のとき、または、波長が1260nm〜1360nmのとき、温度変化による結合効率変化が最も小さくなるPD/Pの値が式(1)の範囲内にあるので、上記PD/Pが式(1)の範囲内で温度変化による結合効率変化を最適に補正できる。
また、前記位相構造の断面形状は、前記波長λ1とλ2が次の各条件式(2)、(3)を満たすとき、
1270nm≦λ1≦1360nm (2)
1450nm≦λ2≦1570nm (3)
前記波長λ1とλ2に対する回折光がそれぞれ、8次回折光と7次回折光が最大の回折光量を有するように設定されることが好ましい。上記波長範囲内であれば、波長λ1、λ2に対する回折光がともに70%以上の回折効率を満たす。
また、前記位相構造の断面形状は、前記波長λ1とλ2が次の各条件式(4)、(5)を満たすとき、
1292nm≦λ1≦1347nm (4)
1481nm≦λ2≦1553nm (5)
前記波長λ1とλ2に対する回折光がそれぞれ、15次回折光と13次回折光が最大の回折光量を有するように設定されることが好ましい。上記波長範囲内であれば、波長λ1、λ2に対する回折光がともに70%以上の回折効率を満たす。
また、前記位相構造の断面形状は、前記波長λ1とλ2が次の各条件式(6)、(7)を満たすとき、
1279nm≦λ1≦1331nm (6)
1465nm≦λ2≦1537nm (7)
前記波長λ1とλ2に対する回折光がそれぞれ、15次回折光と13次回折光が最大の回折光量を有するように設定されることが好ましい。上記波長範囲内であれば、波長λ1、λ2に対する回折光がともに70%以上の回折効率を満たす。
上述のように、各回折次数の回折光を使用することで、2波長の回折効率がともにそれらの回折次数で最大となる位相構造を満たすことができるとともに、2波長両用の温度補正可能なカップリングレンズを実現できる。
例えば、温度補正をしない場合、レーザ波長(基準波長1.49μm)の温度変化率をdλ/dT=0.4nm/℃としたとき、光ファイバ上の結合効率は、基準設計温度25℃→70℃で相対的に約35%分の低下がみられるのに対し、8次回折及び7次回折の位相構造を持たせた場合、上記条件式(2)、(3)の波長範囲内で結合効率の低下が5%程度になる。
また、前記位相構造の断面形状は、前記波長λ1とλ2が次の各条件式(8)、(9)を満たすとき、
1260nm≦λ1≦1360nm (8)
1450nm≦λ2≦1590nm (9)
前記波長λ1とλ2に対するm次回折光(m=1、2)がともに最大の回折光量を有するように設定されることが好ましい。上記波長範囲内であれば、波長λ1、λ2に対する1次回折光同士または2次回折光同士がともに70%以上の回折効率を満たす。上述の8次回折/7次回折や15次回折/13次回折に比べ、1次回折/1次回折、または、2次回折/2次回折は、下り光(光ファイバ→受光器)の焦点距離がカップリングレンズ側にシフトする。言い換えると、半導体レーザの発光素子面に対する受光器の受光面がカップリングレンズ側に近づく。これにより、1次回折/1次回折、または、2次回折/2次回折の方が受光面でのスポット径を小さくすることができるため、下り結合効率(受光面結合効率)を増すことができる。
また、前記位相構造は、8次回折光と7次回折光を用いる場合、段差(図9の高さd)が18.4μm〜21.3μmの範囲内となるように設定されることが好ましい。上記段差範囲内であれば、上記各条件式(2)、(3)を満たす波長λ1、λ2に対する各回折光がともに70%以上の回折効率を満たす。
また、前記位相構造は、15次回折光と13次回折光を用いる場合、段差(図9の高さd)が35.7μm〜38.8μmの範囲内となるように設定されることが好ましい。上記段差範囲内であれば、上記各条件式(4)、(5)、または、(6)、(7)を満たす波長λ1、λ2に対する各回折光がともに70%以上の回折効率を満たす。
また、前記位相構造は、1次回折光と1次回折光を用いる場合、段差(図9の高さd)が1.9μm〜3.3μmの範囲内となるように設定されることが好ましい。上記段差範囲内であれば、波長λ1、λ2に対する各回折光がともに70%以上の回折効率を満たすとともに、下り結合効率(受光面結合効率)を増すことができる。
また、前記位相構造は、2次回折光と2次回折光を用いる場合、段差(図9の高さd)が5.1μm〜5.9μmの範囲内となるように設定されることが好ましい。上記段差範囲内であれば、波長λ1、λ2に対する各回折光がともに70%以上の回折効率を満たすとともに、下り結合効率(受光面結合効率)を増すことができる。
上述のような各範囲の段差の位相構造を持たせることで、各波長範囲内の2波長の回折効率がともに最大となる位相構造を満たすことができるとともに、2波長両用の温度補正可能なカップリングレンズを実現できる。
また、上記光通信用カップリングレンズにおいて前記位相構造が形成された光学面とは別の光学面に前記波長λ1とλ2の各光を分離するための分離構造が形成されることが好ましい。かかる分離構造として、例えば、階段状の回折格子構造がある。
本発明による光通信モジュールは、光ファイバの入射端の位置を固定する固定手段と、波長λ1のレーザ光を発振する半導体レーザと、前記光ファイバからの前記半導体レーザとは異なる波長λ2の光を受光する受光器と、前記光ファイバと前記半導体レーザ発信器及び前記受光器との間に配置されて光を集光し結合させる上述の光通信用カップリングレンズと、を備える。
この光通信モジュールによれば、プラスチックレンズ(または、屈折率の温度変化率がdn/dT<−5×10-5の材料)が光通信モジュールの使用中に温度変化により焦点位置のずれ(結合損失)を生じたとき、カップリングレンズに回折面(位相構造)を保有させることで、半導体レーザから光ファイバへの波長λ1の上り光と、光ファイバから受光器への波長λ2の下り光の2波長両用の温度補正を行うことができる。これにより、上り光と下り光の2波長に対応して温度変化による結合損失を補正可能であり、プラスチック製のカップリングレンズを用いることで低コストな光通信モジュールを実現できる。
上記光通信モジュールにおいて、前記波長λ1とλ2の各光を分離するための分離手段を更に備えることが好ましい。光通信用カップリングレンズの別の光学面に波長λ1とλ2の各光を分離するための分離構造が形成されない場合には、別途分離手段を設けることができる。
本発明の光通信用回折カップリングレンズ及び光通信モジュールによれば、光通信モジュールにおける上り光と下り光の2波長λ1,λ2に対応して温度変化による結合損失を補正できる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて説明する。
〈第1の実施の形態〉
図1は第1の実施の形態による光通信用カップリングレンズを含む光通信モジュールの構成を概略的に示す図である。図2は図1の要部を概略的に示す拡大図である。
図1に示すように、光通信モジュール20は、ケース3の略中央部に配置されたカップリングレンズ4と、ケース3の図の左端に設けられた中空円筒状の保持体2と、保持体2の中空部に組み込まれ端部が固定された光ファイバ1と、ケース3の図の右端に設けられた基板9と、基板9に取り付けられ光ファイバ1からの光信号を受光するフォトダイオードからなる受光素子6と、基板9に取り付けられ光ファイバ1に光信号を送る発光素子ユニット5と、を備える。
図1の発光素子ユニット5は、半導体レーザ5a(発光素子)とガラス製のレンズ5bとを一体化し基板9に受光素子6とともに取り付けられている。また、光ファイバ1からの光と発光素子5からの光を分離するための合計3枚のプリズムからなる接合プリズム8が半導体レーザ5aと受光素子6の前面に配置されている。
基板9に設置されたコネクタ7を介して受光素子6及び半導体レーザ5aの各電気信号が伝達可能であり、外部のPC(パソコン)等の端末機に接続可能になっている。光ファイバ1は光通信システムに接続されることによって、別の端末の光信号を光ファイバ端面1aより送信しかつ受信することが可能である。
図2のように、接合プリズム8は、半導体レーザ5aからの波長λ1の光がプリズム接合面8aを透過するとともに光ファイバ1からの波長λ2の光がプリズム接合面8a、8bで屈折させ受光素子6に入射する構造となっている。
次に、図1のカップリングレンズ4について図3を参照して説明する。図3は図1のカップリングレンズ4を発光素子側から見た平面図(a)及び図1のカップリングレンズ4の側面の断面図(b)である。
図3(a)、(b)のように、カップリングレンズ4は回折構造(位相構造)を有しプラスチックからなる回折レンズに構成されており、かかる回折構造は光軸を中心とした輪帯状の回折パターン4aとして形成されている。この回折パターン4aは上述の式(1)(0.26<PD/P<0.88)を満たすように決定されている。図9に示すように、回折レンズ構造の回折パターン4aは、フレネルレンズのように各輪帯の境界に光軸方向に高さdの段差を有する。
図1〜図3の光通信モジュールによれば、光通信モジュールの使用中に温度変化により焦点位置のずれ(結合損失)を生じたとき、カップリングレンズ4に回折構造)を持たせることで、半導体レーザ5aから光ファイバ1への波長λ1の上り光と、光ファイバ1から受光素子6への波長λ2の下り光の2波長両用の温度補正を行うことができる。これにより、上り光と下り光の2波長に対応した光通信モジュールにおいて温度変化による結合損失を補正できる。また、プラスチック製のカップリングレンズを用いることができるので、ガラスレンズを用いる場合に比べてコストダウンを図ることができ、光通信モジュールの低コスト化に寄与できる。
〈第2の実施の形態〉
図4は第2の実施の形態による光通信用カップリングレンズを含む光通信モジュールの構成を概略的に示す図である。図5は図4のカップリングレンズを光ファイバの端面1a側から見た平面図(a)及び図4のカップリングレンズ4の側面の断面図(b)である。
上り光と下り光を分離するために第1の実施の形態では、図2のような接合プリズム8を用いたが、図4に示す光通信モジュール30は、上り光と下り光を分離するためにカップリングレンズ4の輪帯状の回折パターン4aが形成された光学面と反対側の光学面に図5(a)、(b)のような直線型の階段状回折構造4bを形成している。かかる階段状回折構造4bにより、波長λ2の一方の光を回折させ、波長λ1の他方の光を回折パワー0(0次光)で透過するようにして分離することができる。
図4において、直線型の階段状回折構造4bが形成されていないもう一方の面に温度補正回折構造として輪帯状の回折パターン4aを形成しているので、使用中に温度変化が生じても、その温度補正が第1の実施の形態と同様にして可能である。
また、第2の実施の形態において、上述のように2波長λ1,λ2に対する回折次数を変えることで上り光と下り光を分離し、受光素子6と発光素子(半導体レーザ5a)を別々の位置に取り付けが可能となる。また、直線型の階段状回折構造4bの両波長λ1,λ2に対するパワーが異なることにより両波長の焦点距離も変わってくるが、受光素子6と発光素子(半導体レーザ5a)を光軸方向にずらして取り付けることで、上記焦点距離の変化を調整することができる。なお、発光素子ユニット5と受光素子6はカバーガラス10により密閉されている。
次に、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明は本実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
実施例1は図1〜図3に対応したものである。図6に実施例1の温度補正回折構造を持つカップリングレンズを付加した光通信モジュールの光学系の概略図を示す。光線は発光素子から射出する波長1310nmの光を示している。
実施例1のカップリングレンズはオレフィン系樹脂から形成されており、d線のアッべ数は56である。曲面側の光学面に温度補正のための回折構造を有し、この回折構造は次の表1の回折面係数により表される。
Figure 2006227366
ここで、実施例1のカップリングレンズに設けた輪帯状の回折面は光路差関数Φbとして次の数3により表すことができ、8次回折光が最大の回折光量を示すように決定した。ここで、mは回折面で発生する回折光のうち最大の回折光量を有する回折光の回折次数であり、hは光軸に垂直な高さであり、b2jは光路差関数の係数である。
Figure 2006227366
また、非球面形状は表1の非球面係数により表される。ここで、実施例1における非球面は光軸方向をX軸、光軸に垂直な方向の高さをh、屈折面の曲率半径をrとするとき、次の数4で示す。但し、κを円錐係数、A2iを非球面係数とする。
Figure 2006227366
次の表2は、実施例1の光通信モジュールの光学系において、光ファイバ上での温度変化に対する結合効率を表している。ここで、発光素子の波長の温度シフトを0.4nm/℃、カップリングレンズの線膨張係数を7.0E−5/℃、カップリングレンズの屈折率温度変化を−9.0E−5/℃とする。
Figure 2006227366
表2のように、0℃〜70℃の温度変化により光ファイバ結合効率がほとんど変わらないことが分かる。このとき、カップリングレンズの屈折パワーと回折パワーは0.159/mmと0.124/mmとなり、カップリングレンズの全パワーに対する回折パワーの比は0.438となる。
図7に上記カップリングレンズを使用して光ファイバからの波長1490nmの光信号を受光素子に集光する光学系の概略図を示す。このときの光学系データを次の表3に示す。
Figure 2006227366
カップリングレンズの回折構造は波長1490nmの光信号に対して7次回折光が最大効率で回折するような構造となっている。つまり、波長1310nmに対して8次回折光が、波長1490nmに対して7次回折光が最大で回折するような回折構造を形成させることにより、2波長に対応した温度補正用カップリングレンズが実現可能となる。このとき、両波長に対する回折効率はスカラー計算値でともに95%以上を得ることができる。
図8は実施例1において波長1490nmの光信号が受光素子に結合する場合の結合効率を表すグラフである。横軸が受光素子の受光径で、縦軸が受光素子に入射するエネルギー結合効率を示しており、例えば、受光系として径40μmの受光素子を使用した場合、結合効率は96%近い値を示す。
また、カップリングレンズから受光素子までの光路長は表1におけるカップリングレンズから発光素子までの光路長よりも長くなっていることが分かる。このままの光学系では発光素子と受光素子が同じ光軸上に載る配置となってしまうので、これを解決するために両波長の光路長差を利用して図2のような接合プリズム(ダイクロイックプリズム)8を含むユニットを組むことで発光素子と受光素子を別々の光路に分離できる。ここで、接合プリズムは波長1310nmの上り光に対してはプリズム接合面8aで透過し、波長1490nmの下り光に対してはプリズム接合面8a,8bで反射する構造をとる。
(実施例2)
実施例2は図4,図5に対応したものである。次の表4に実施例2におけるカップリングレンズの光学系データ、非球面係数、直線型の階段状回折構造の回折係数を示す。なお、表4は光ファイバから受光素子までの下りの光学系データを示したが、発光素子から光ファイバまでの上りの光学系データについては実施例1と同様であり表1により表される。
Figure 2006227366
非球面側に設けた回折構造は温度補正を行い、実施例1と同様に1310nmに対し8次回折、1490nmに対し7次回折となる形状を有する。平面側に設けた上り光と下り光とを分離する直線型の階段状回折構造は、波長1310nm(上り光)で透過(0次回折)し、波長1490nm(下り光)で1次回折をするように決められ、次の数5で表すことができる。ここで、cjは光路差関数の係数を表す。yは発光素子ユニット5と受光素子6が分離している方向における光軸からの高さである。
Figure 2006227366
実施例2における光ファイバ結合効率の温度特性は実施例1と同様であり、受光素子の結合効率は0℃〜70℃の温度変化で3%以内の変動に収まり十分な特性を示す。
なお、上記表中において、「E+a」は「×10a」、「E−a」は「×10-a」を表す。
以上のように本発明を実施するための最良の形態及び実施例について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で各種の変形が可能である。例えば、発光素子と受光素子に対し異なる波長λ1とλ2の各光を分離するために、図2では接合プリズムを使用し、図4,図5ではカップリングレンズ4の片面に2波長に対応する回折角が別になるような回折構造を設けたが、本発明はこれに限定されずに、2波長に対応する回折角が別になるように回折構造を設けた別の光学素子を分離手段として設けるようにしてもよい。
また、図1〜図3、及び図4,図5において、温度補正のための回折構造は、カップリングレンズ4の光ファイバ1側の光学面に設けてもよく、この場合、図4,図5では分離構造を発光素子・受光素子側に設ける。
また、本実施例では、上り光(半導体レーザ→光ファイバ)の波長を1310nmとし、下り光(光ファイバ→受光素子)の波長を1490nmとしたが、本発明はこれに限定されず、各回折構造に対応して上述の各条件式を満たす波長範囲内で適宜選択可能であり、例えば、下り光(光ファイバ→受光素子)の波長を1550nmとしてもよい。
第1の実施の形態による光通信用カップリングレンズを含む光通信モジュールの構成を概略的に示す図である。 図1の要部を概略的に示す拡大図である。 図1のカップリングレンズ4を発光素子側から見た平面図(a)及び図1のカップリングレンズ4の側面の断面図(b)である。 第2の実施の形態による光通信用カップリングレンズを含む光通信モジュールの構成を概略的に示す図である。 図4のカップリングレンズを光ファイバの端面1a側から見た平面図(a)及び図4のカップリングレンズ4の側面の断面図(b)である。 実施例1の温度補正回折構造を持つカップリングレンズを付加した光通信モジュールの光学系を示す概略図である。 実施例1において上記カップリングレンズを使用して光ファイバからの光信号を受光素子に集光する光学系を示す概略図である。 実施例1において波長1490nmの光信号が受光素子に結合する場合の結合効率を表すグラフである。 図3(b)の回折パターンの段差の拡大図である。
符号の説明
1 光ファイバ
1a 光ファイバ端面
2 保持体(固定手段)
3 ケース
4 カップリングレンズ、光通信用カップリングレンズ
4a 回折パターン(位相構造)
4b 直線型の階段状回折構造(分離手段)
5 発光素子ユニット
5a 半導体レーザ
5b レンズ
6 受光素子(受光器)
8 接合プリズム
8a,8b プリズム接合面
20 光通信モジュール
30 光通信モジュール
λ1,λ2 波長
d 段差の高さ

Claims (14)

  1. 光ファイバの端部を固定する固定手段と、波長λ1のレーザ光を発振する半導体レーザと、前記光ファイバからの前記半導体レーザとは異なる波長λ2の光を受光する受光器と、を備える光通信モジュールで前記光ファイバと前記半導体レーザ及び前記受光器との間に配置されて光を集光し結合させるカップリングレンズであって、
    プラスチック材料または屈折率の温度依存性dn/dT<−5×10-5の材料からなり、その光学面の少なくとも1つに正の屈折力を有する位相構造が形成されたことを特徴とする光通信用カップリングレンズ。
  2. 前記位相構造は輪帯構造を有し、その断面形状及び各輪帯間隔は、前記半導体レーザの温度変化による発振波長の変動及び/又は前記光ファイバの温度変化による移動が及ぼす焦点移動と、前記カップリングレンズの温度変化による屈折率変化と熱膨張または熱収縮が及ぼす焦点移動が、互いに反対方向となるように設定されたことを特徴とする請求項1に記載の光通信用カップリングレンズ。
  3. 前記位相構造の断面形状及び各輪帯間隔は、次式を満たすことを特徴とする請求項2に記載の光通信用カップリングレンズ。
    0.26<PD/P<0.88
    ただし、
    D:前記カップリングレンズの第i面に形成された位相構造により、前記カップリングレンズを通過する波面に付加される光路差関数Φbを光軸からの高さh(mm)の関数として、次の数1
    Figure 2006227366
    により定義される光路差関数で表したとき(ここで、λは入射光束の波長、λBは製造波長、mは位相構造で発生する回折光のうち最大の回折光量を有する回折光の回折次数、b2iは光路差関数の係数である)、
    D=Σ(−2×b2i×(λ/λB)×m)
    により定義される回折レンズとしての回折パワー(mm-1)、
    P:波長λ1または波長λ2における前記カップリングレンズのトータルの近軸パワー(mm-1)。
  4. 前記位相構造の断面形状は、前記波長λ1とλ2が次の各条件を満たすとき、
    1270nm≦λ1≦1360nm、
    1450nm≦λ2≦1570nm、
    前記波長λ1とλ2に対する回折光がそれぞれ、8次回折光と7次回折光が最大の回折光量を有するように設定されたことを特徴とする請求項1,2または3に記載の光通信用カップリングレンズ。
  5. 前記位相構造の断面形状は、前記波長λ1とλ2が次の各条件を満たすとき、
    1292nm≦λ1≦1347nm、
    1481nm≦λ2≦1553nm、
    前記波長λ1とλ2に対する回折光がそれぞれ、15次回折光と13次回折光が最大の回折光量を有するように設定されたことを特徴とする請求項1,2または3に記載の光通信用カップリングレンズ。
  6. 前記位相構造の断面形状は、前記波長λ1とλ2が次の各条件を満たすとき、
    1279nm≦λ1≦1331nm、
    1465nm≦λ2≦1537nm、
    前記波長λ1とλ2に対する回折光がそれぞれ、15次回折光と13次回折光が最大の回折光量を有するように設定されたことを特徴とする請求項1,2または3に記載の光通信用カップリングレンズ。
  7. 前記位相構造の断面形状は、前記波長λ1とλ2が次の各条件を満たすとき、
    1260nm≦λ1≦1360nm
    1450nm≦λ2≦1590nm
    前記波長λ1とλ2に対するm次回折光(m=1、2)がともに最大の回折光量を有するように設定されたことを特徴とする請求項1,2または3に記載の光通信用カップリングレンズ。
  8. 前記位相構造は、段差が18.4μm〜21.3μmの範囲内となるように設定されたことを特徴とする請求項4に記載の光通信用カップリングレンズ。
  9. 前記位相構造は、段差が35.7μm〜38.8μmの範囲内となるように設定されたことを特徴とする請求項5または6に記載の光通信用カップリングレンズ。
  10. 前記位相構造は、段差が1.9μm〜3.3μmの範囲内となるように設定されたことを特徴とする請求項7に記載の光通信用カップリングレンズ。
  11. 前記位相構造は、段差が5.1μm〜5.9μmの範囲内となるように設定されたことを特徴とする請求項7に記載の光通信用カップリングレンズ。
  12. 前記位相構造が形成された光学面とは別の光学面に前記波長λ1とλ2の各光を分離するための分離構造が形成されていることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の光通信用カップリングレンズ。
  13. 光ファイバの入射端の位置を固定する固定手段と、波長λ1のレーザ光を発振する半導体レーザと、前記光ファイバからの前記半導体レーザとは異なる波長λ2の光を受光する受光器と、前記光ファイバと前記半導体レーザ発信器及び前記受光器との間に配置されて光を集光し結合させる請求項1乃至11のいずれか1項に記載の光通信用カップリングレンズと、を備える光通信モジュール。
  14. 前記波長λ1とλ2の各光を分離するための分離手段を更に備える請求項13に記載の光通信モジュール。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN117111235A (zh) * 2023-10-17 2023-11-24 成都光创联科技有限公司 光器件高低温功率跌落的补偿系统、制作及补偿方法

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