JP2003123303A5 - - Google Patents
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Description
【発明の名称】光ピックアップ装置の光学系及び光ピックアップ装置の対物レンズ
【特許請求の範囲】
【請求項1】波長λ1の第1光源からの光束を、厚さt1の保護基板を介して第1光情報記録媒体の情報記録面に集光させることによって、情報の記録及び/又は再生が可能であると共に、波長λ2(λ1<λ2)の第2光源からの光束を、厚さt2(t1<t2)の保護基板を介して第2光情報記録媒体の情報記録面に集光させることによって、情報の記録及び/又は再生が可能な光ピックアップ装置の光学系において、
前記光学系の光学機能面のうち、前記第1光情報記録媒体と前記第2光情報記録媒体の両方に対して情報の記録及び/又は再生に用いられる領域は、屈折面による屈折機能と、光軸を中心とした複数の輪帯に分割し、隣り合う輪帯間で所定波長λs(λ1<λs<λ2)の光路差を生じるように、互いに光軸方向位置を異ならせて構成した光路差付与構造とを有し、
前記光路差付与構造が無い状態において前記屈折面は、
前記波長λ1の第1光源からの光束を、前記厚さt1の保護基板を介して第1光情報記録媒体の情報記録面に集光させたときの球面収差がアンダーとなり、
前記波長λ2の第2光源からの光束を、前記厚さt2の保護基板を介して第2光情報記録媒体の情報記録面に集光させたときの球面収差がオーバーとなるように形成された屈折面であることを特徴とする光ピックアップ装置の光学系。
【請求項2】前記光ピックアップ装置は、前記屈折面と光学的に等価な屈折機能と、前記光路差付与構造とを一体に備えた光学素子を含むことを特徴とする請求項1記載の光ピックアップ装置の光学系。
【請求項3】前記光学素子の光学機能面のうち、前記第1光情報記録媒体と前記第2光情報記録媒体の両方に対して情報の記録及び/又は再生に用いられる領域の周辺に位置する、前記第1光情報記録媒体に対して情報の記録及び/又は再生に用いられる領域は、屈折面からなることを特徴とする請求項2記載の光ピックアップ装置の光学系。
【請求項4】前記光ピックアップ装置は、前記屈折面と光学的に等価な屈折機能と、前記光路差付与構造とを一体に備えた光学素子を有し、前記光学素子が、対物用光学素子であることを特徴とする請求項1記載の光ピックアップ装置の光学系。
【請求項5】前記光学素子が、対物用光学素子であることを特徴とする請求項2又は3記載の光ピックアップ装置の光学系。
【請求項6】前記光路差付与構造は、前記輪帯数が3〜7であることを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項記載の光ピックアップ装置の光学系。
【請求項7】波長λ1の第1光源からの光束を、厚さt1の保護基板を介して第1光情報記録媒体の情報記録面に集光させることによって、情報の記録及び/又は再生が可能であると共に、波長λ2(λ1<λ2)の第2光源からの光束を、厚さt2(t1<t2)の保護基板を介して第2光情報記録媒体の情報記録面に集光させることによって、情報の記録及び/又は再生が可能な光ピックアップ装置の対物レンズにおいて、
前記対物レンズの光学機能面のうち、前記第1光情報記録媒体と前記第2光情報記録媒体の両方に対して情報の記録及び/又は再生に用いられる領域は、屈折面による屈折機能と、光軸を中心とした複数の輪帯に分割し、隣り合う輪帯間で所定波長λs(λ1<λs<λ2)の光路差を生じるように、互いに光軸方向位置を異ならせて構成した光路差付与構造とを有し、
前記光路差付与構造が無い状態においては、
前記波長λ1の第1光源からの光束を、前記厚さt1の保護基板を介して第1光情報記録媒体の情報記録面に集光させたときの球面収差がアンダーとなり、
前記波長λ2の第2光源からの光束を、前記厚さt2の保護基板を介して第2光情報記録媒体の情報記録面に集光させたときの球面収差がオーバーとなることを特徴とする光ピックアップ装置の対物レンズ。
【請求項8】前記光学機能面のうち、前記第1光情報記録媒体と前記第2光情報記録媒体の両方に対して情報の記録及び/又は再生に用いられる領域の周辺に位置する、前記第1光情報記録媒体に対して情報の記録及び/又は再生に用いられる領域は、屈折面からなることを特徴とする請求項7記載の光ピックアップ装置の対物レンズ。
【請求項9】前記光路差付与構造は、前記輪帯数が3〜7であることを特徴とする請求項7又は8記載の光ピックアップ装置の対物レンズ。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ピックアップ装置に使用される対物レンズ、光ピックアップ装置の光学系に関し、特に、異なる種類の光情報記録媒体に対して情報の記録及び/又は再生を行うことができる光ピックアップ装置用の対物レンズ及び光ピックアップ装置の光学系に関する。
【0002】
【従来の技術】
DVDとCDなど異なる種類の光情報記録媒体に対して情報を記録し、又再生することができる光ピックアップ装置が開発され、様々な用途で用いられている。このような光ピックアップ装置においては、両方の記憶媒体(以後、光ディスクともいう)に対して好適な情報の再生・記録が可能であることが求められる。
【0003】
ここで、光ピックアップ装置の光源としては、半導体レーザが用いられているが、DVDに対して情報の記録又は再生に用いるための最適な波長は635nm又は650nm前後であり、CDに対して情報の記録又は再生に用いるための最適な波長は780nm前後であることから、通常DVD用の光源とCD用の光源と2つ備えることが行われている。
【0004】
また、CD−Rを含むCD系の光情報記録媒体(以後、光ディスクともいう)の記録及び/又は再生のために、NA(開口数)が0.45ないし0.55の対物レンズ、及び、保護基板厚が1.2mmの光ディスクが使用される。一方、DVD系の光ディスクの記録及び/又は再生には、NAが0.6ないし0.65の対物レンズ、及び、保護基板厚が0.6mmの光ディスクが使用される。
【0005】
そのため、たとえばどちらか一方の波長や保護基板厚に特化したレンズを作成した場合、他方の保護基板厚に対して球面収差が発生してしまうという問題がある。
【0006】
このような問題を解決し、好適な情報の記録・再生を可能とするために、様々な方法が提案されており、そのうちの1つとして位相補正方式がある。
【0007】
これは輪帯位相補正対物レンズ方式と、対物レンズとは別に、基板上に複数の同心円状の輪帯面を形成した素子を配置する位相制御素子方式とに大別される。
【0008】
輪帯位相補正対物レンズ方式は、例えば特開平11−2759号や特開平11−16190号にその実施例が記載されている。
【0009】
特開平11−2759号に記載されているのは、上述の通り基本的な対物レンズの面形状をDVDの記録再生において最適となるように設定し、CDの記録再生のために位相補正方式による補正を行う場合である。つまりDVD系で波面収差が最小となるように設計された対物レンズの表面に輪帯状に段差を形成し、DVD系での波面収差増大を抑制しつつCD系での波面収差を減少させるものである。
【0010】
この技術ではDVD波長に対して位相制御素子は位相分布をほとんど変化させないため、RMS波面収差はDVD系に最適設計された対物レンズの値を維持し、CD系のRMS波面収差を低減するように作用するため、記録再生性能が波面収差に敏感なDVD系に対して有効である。
【0011】
またこれとは逆に基本的な対物レンズの光学性能を、CDの記録再生において最適となるように設定し、DVDの記録再生のために位相補正方式による補正を行う場合が特開平10−334504号に記載されている。
【0012】
これらは何れも、DVDの記録再生、CDの記録再生共に、そのRMS(Root Mean Square)波面収差は改善されている。
【0013】
輪帯位相補正対物レンズの場合、例えば特開平11−16190号には、CDとDVDとの中間の基板厚の光ディスクを想定して、このような光ディスクの記録再生に最適となるように基本的な対物レンズの面形状を設定し、さらに位相補正方式によりDVDとCDの両方のRMS(Root Mean Square)波面収差補正を行う場合について記載されている。
【0014】
また特開2001−51192号では、各輪帯の段差量と面形状とを変えることで、RMS(Root Mean Square)波面収差を小さくし、光線の集光位置を一点にする技術が開示されている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
上記に挙げた各技術はいずれも対物レンズの面形状はDVD,CD,又はその中間厚の光ディスクを介して集光させた場合に光線収差が最適になるように設計され、その他の使用する光ディスクに対応するための補正技術として、レンズ面の一部を光軸方向にスライドさせて位相差を生ぜしめたり、あるいは位相差板を光路中に置いて位相補正を行うものである。
【0016】
ピックアップレンズには、光ディスクからの情報を確実に記録再生するために、RMS波面収差と、光ディスクのピット位置に光を集光させるため、S字特性及びフォーカスオフセットが良好であることが必要となる。S字特性及びフォーカスオフセットはピックアップレンズの光線収差に起因する特性である。
【0017】
このような性能が必要である中で、上記の各技術ではいずれもレンズ面の一部を光軸方向にシフトすることで、DVD,CD共にRMS波面収差を低減することを可能にしている。一方、光線収差はDVD,CDを同時に補正することができない。
【0018】
そこで本願発明は、対物レンズを含む光学素子のDVDとCDの両方に用いられる領域において、レンズ面の一部を光軸方向にシフトするという同手段を用いながら、DVD,CD共に、RMS波面収差と光線収差を満足する技術を見出して実現されたものである。
【0019】
とくに対物レンズを含む光学素子の光学機能面のうち、CDとDVDの両方に用いられる領域に着目し、この領域について球面収差を安定にし、かつマクロな波面を補正すれば、DVD、CDのそれぞれに対して好適な光学性能を達成できることを見いだして実現されたものである。
【0020】
本願発明は、波長毎に異なる光路差を選択的に与え、それぞれの波長の光線を好適な球面収差状態にして、DVDとCDの互換を達成する技術を提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
(1)波長λ1の第1光源からの光束を、厚さt1の保護基板を介して第1光情報記録媒体の情報記録面に集光させることによって、情報の記録及び/又は再生が可能であると共に、波長λ2(λ1<λ2)の第2光源からの光束を、厚さt2(t1<t2)の保護基板を介して第2光情報記録媒体の情報記録面に集光させることによって、情報の記録及び/又は再生が可能な光ピックアップ装置の光学系において、前記光学系の光学機能面のうち、前記第1光情報記録媒体と前記第2光情報記録媒体の両方に対して情報の記録及び/又は再生に用いられる領域は、屈折面による屈折機能と、光軸を中心とした複数の輪帯に分割し、隣り合う輪帯間で所定波長λs(λ1<λs<λ2)の光路差を生じるように、互いに光軸方向位置を異ならせて構成した光路差付与構造とを有し、前記光路差付与構造が無い状態において前記屈折面は、前記波長λ1の第1光源からの光束を、前記厚さt1の保護基板を介して第1光情報記録媒体の情報記録面に集光させたときの球面収差がアンダーとなり、前記波長λ2の第2光源からの光束を、前記厚さt2の保護基板を介して第2光情報記録媒体の情報記録面に集光させたときの球面収差がオーバーとなるように形成された屈折面であることを特徴とする光ピックアップ装置の光学系。
(2)前記光ピックアップ装置は、前記屈折面と光学的に等価な屈折機能と、前記光路差付与構造とを一体に備えた光学素子を含むことを特徴とする(1)記載の光ピックアップ装置の光学系。
(3)前記光学素子の光学機能面のうち、前記第1光情報記録媒体と前記第2光情報記録媒体の両方に対して情報の記録及び/又は再生に用いられる領域の周辺に位置する、前記第1光情報記録媒体に対して情報の記録及び/又は再生に用いられる領域は、屈折面からなることを特徴とする(2)記載の光ピックアップ装置の光学系。
(4)前記光ピックアップ装置は、前記屈折面と光学的に等価な屈折機能と、前記光路差付与構造とを一体に備えた光学素子を有し、前記光学素子が、対物用光学素子であることを特徴とする(1)記載の光ピックアップ装置の光学系。
(5)前記光学素子が、対物用光学素子であることを特徴とする(2)又は(3)記載の光ピックアップ装置の光学系。
(6)前記光路差付与構造は、前記輪帯数が3〜7であることを特徴とする(1)乃至(5)の何れか一項記載の光ピックアップ装置の光学系。
(7)波長λ1の第1光源からの光束を、厚さt1の保護基板を介して第1光情報記録媒体の情報記録面に集光させることによって、情報の記録及び/又は再生が可能であると共に、波長λ2(λ1<λ2)の第2光源からの光束を、厚さt2(t1<t2)の保護基板を介して第2光情報記録媒体の情報記録面に集光させることによって、情報の記録及び/又は再生が可能な光ピックアップ装置の対物レンズにおいて、前記対物レンズの光学機能面のうち、前記第1光情報記録媒体と前記第2光情報記録媒体の両方に対して情報の記録及び/又は再生に用いられる領域は、屈折面による屈折機能と、光軸を中心とした複数の輪帯に分割し、隣り合う輪帯間で所定波長λs(λ1<λs<λ2)の光路差を生じるように、互いに光軸方向位置を異ならせて構成した光路差付与構造とを有し、前記光路差付与構造が無い状態においては、前記波長λ1の第1光源からの光束を、前記厚さt1の保護基板を介して第1光情報記録媒体の情報記録面に集光させたときの球面収差がアンダーとなり、前記波長λ2の第2光源からの光束を、前記厚さt2の保護基板を介して第2光情報記録媒体の情報記録面に集光させたときの球面収差がオーバーとなることを特徴とする光ピックアップ装置の対物レンズ。
(8)前記光学機能面のうち、前記第1光情報記録媒体と前記第2光情報記録媒体の両方に対して情報の記録及び/又は再生に用いられる領域の周辺に位置する、前記第1光情報記録媒体に対して情報の記録及び/又は再生に用いられる領域は、屈折面からなることを特徴とする(7)記載の光ピックアップ装置の対物レンズ。
(9)前記光路差付与構造は、前記輪帯数が3〜7であることを特徴とする(7)又は(8)記載の光ピックアップ装置の対物レンズ。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下図面に基づいて本発明の内容を詳細に説明するが、本発明の実施形態はこれらに限定されるものではない。
【0023】
最初に、本発明の光学的作用の概要について図1、2乃至図4を用いて説明する。
【0024】
図1中、1は屈折面である母非球面を有するレンズ、2は光路差付与機能を有する位相差板であり、両方が組み合わされることにより、DVD/CDの両方に対して情報の記録及び/又は再生が可能な光ピックアップ光学系の対物用光学系を構成している。図示しない光源は、DVDに対して情報の記録及び/又は再生を行う光源は655nm(λ1)、CDに対して情報の記録及び/又は再生を行う光源は785nm(λ2)のものを使用している。
【0025】
レンズ1の光学機能面のうち、光軸を中心としたNA(開口数)0.45の領域は、DVD/CDの両方に対して情報の記録及び/又は再生を行うのに用いられる共用領域Aであり、その周辺に位置するNA(開口数)0.45〜0.6の領域は、DVDのみに対して情報の記録及び/又は再生を行うのに用いられる専用領域Bとなっている。
【0026】
この例におけるレンズ1は、λ1、λ2の両方に対して球面収差が生じるような屈折面(非球面)が形成されている。具体的には、図2(a)に示すように、レンズ1単独に対して光線を通過させた場合、共用領域Aを通過したλ1の光束は、球面収差がアンダーになり、λ2の光束は、球面収差がオーバーになるような屈折面が形成されている。
【0027】
2の位相差板は、光軸を中心とした複数の同心円状の輪帯に分割されていて、光軸から離れるに従って、厚みが増すように形成されている。それらの輪帯間の段差は、ある輪帯を通過する光束と、その隣の輪帯を通過する光束とが、所定波長の略整数倍の光路差を生じるが、波面ずれが生じない長さに設定されている。ここで所定波長は、λ1とλ2との中間の波長に設定してある。
【0028】
このため、この位相差板に波長λ1の波面が入射すると、同位相の波面を結んだ包絡線を新たな波面とする光線は収束光となり、他方、この位相差板に波長λ2の波面が入射すると、同位相の波面を結んだ包絡線を新たな波面とする光線は発散光になるようにすることができる。
【0029】
よって、レンズ1と位相差板2とを組み合わせて一つの光学系としてみた場合、図4(a)に示すように、レンズ1の共用領域Aを通過した光束についてみると、波長λ1の光束は当初非球面によって球面収差がアンダーであったところ、位相差板2の作用によって球面収差がオーバーとなる作用をうけ、無収差状態に近づけられ、最適な球面収差状態となる。
【0030】
そして波長λ2の光束は当初非球面によって球面収差がオーバーであったところ、位相差板2の作用によって球面収差がアンダーとなる作用をうけ、無収差状態に近づけられ、最適な球面収差状態となり、いずれの波長の光束も好適な球面収差を得ることが出来る。一方、屈折機能と光路差付与機能を対物レンズに一体化した場合のレンズ形状を示したのが図6である。図2(b)はこの対物レンズの屈折機能による波長λ1とλ2の光束の球面収差であり、図4(b)は対物レンズを通過した光束の最終的な波長λ1とλ2の光束の球面収差を表している。そして所定波長がλ1とλ2の中間の波長である場合に、波長λ1、λ2で共に無収差となるための屈折面形状は特定される。共用領域の境界を通過する波長λ1の光線が、近軸光線が光軸と交わる位置から0.013mm以内の領域で交わるように設計されるのが望ましい。これらの光学的作用を請求項1の文言にあてはめると、レンズ1が「屈折機能」を有しており、位相差板2が「光路差付与機能」を有している。
【0031】
屈折機能と光路差付与機能を対物レンズに一体化した場合、屈折機能を有する母非球面の面形状を、単に光路長分、光軸方向にシフトさせてしまうことにより、単体の光学素子として両方の光学的作用を兼ね備えるものが得られる場合があるが、開口数が大きくなると、光路長を厳密に考慮する必要があるため、単に光軸方向に面を移動させただけでは意味をなさない場合がある。このような場合、屈折面の形状をも変化させて、当初の屈折機能と光路差付与機能とを両立させる。
【0032】
そして光路差付与機能、あるいは光路差付与構造を有する共用領域Aの輪帯数は、3〜7であることが好ましい。
【0033】
輪帯数がこれより少ないと、位相差板を通過した波面は同位相の波面を結ぶ包絡線で近似することができないため、特に光線収差性能が未達になる恐れがある。逆に輪帯数が増えると、光軸から離れるに従い輪帯の幅が小さくなり成形が困難となる。
【0034】
この光学機能はいわゆる回折構造であっても良い。回折構造の場合は上記性能を満足しながら、付与される光路差が全領域でなだらかに変化するよう輪帯の各面形状を変化させているため、スポットの集光効率が高い。
【0035】
具体的には回折構造の場合、レンズ入射面において光軸からの垂直距離がhである入射光線に対して、
【0036】
【数1】
m:回折次数、λ:使用波長、Ci:定数。少なくとも1つは、Ci≠0で表される光路長を付加するように形成されていることにより、無収差とすることができる。
【0037】
またこのような回折構造を形成する場合の輪帯数は、7〜100、好ましくは11〜30である。
【0038】
回折構造による回折作用を十分に得るためには、輪帯数が少なくては不十分であり、逆に多すぎると精度が低下して光学的性能を達成できなくなる。専用領域Bにおいても、共用領域Aと同様効果をもつレンズ1の屈折面が形成され、共用領域Aと同様効果をもつ位相差板2とが設けられている場合、波長λ1、λ2で共に無収差となる。この場合には波長λ2の光線が入射しないように、波長λ1の光はそのまま透過し波長λ2の光を遮断するような波長選択性素子を位相差板より光源側に設けたり、あるいは位相差板に一体化して、DVDとCDのNAの違いを満足することができる。また波長選択性素子を用いず、DVDとCDのNAの違いを満足することもできる。専用領域Bのレンズ1の屈折面は、図3(a)のように、波長λ1では球面収差が無収差、波長λ2では球面収差がオーバーであるように形成されていても良い。専用領域Bの位相差板は上記所定波長がλ1であれば、位相差板によって波長λ1の光束は収束する作用も発散する作用も受けず、無収差のまま集光する。波長λ2の光束は、位相差板の光路差付与機能によって収束する又は発散する作用を受けるが依然として収差が残留しているために、専用領域を通過した光束は焦点位置に集光しない。この様子を示したのが図5(a)であり、CD,CD'は最終的なCDの球面収差の変化を示している。レンズと位相差板が一体化している場合には、一体化する前の仮想的な母非球面の屈折面は、図3(b)のように、波長λ1では球面収差がオーバー、波長λ2では球面収差がオーバーであるように形成されているのが良い。光路差付与機能で最終的に、波長λ1では球面収差が最適、波長λ2では球面収差がオーバーとなる。この様子を示したのが図5(b)であり、CD,CD'は最終的なCDの球面収差の変化を示している。光路差付与機能は回折構造とすることも可能である。
【0039】
具体的には回折構造の場合、レンズ入射面において光軸からの垂直距離がhである入射光線に対して、
【0040】
【数2】
m:回折次数、λ:使用波長、Ci:定数。少なくとも1つは、Ci≠0で表される光路長を付加するように形成されている。
【0041】
回折構造による回折作用を十分に得るためには、輪帯数が少なくては不十分であり、逆に多すぎると精度が低下して光学的性能を達成できなくなる。このような回折構造を形成する場合の輪帯数は、7〜100、好ましくは11〜30である。
【0042】
さらにまた専用領域Bは、屈折面だけから構成していてもよい。そうすると、光学素子の製造が容易になる。
【0043】
なお、この第一の発明を、単一のレンズで実現したレンズの設計データを図7〜14に示す。専用領域は屈折面となっている。
【0044】
図7に示すのは、各輪帯の内周・外周半径と光軸方向の変位量である。図8に示すのは、レンズデータであり、図9に示す式は非球面形状式である。また図10に示すのは非球面データである。
【0045】
そして、このレンズによる球面収差の改善効果を図11〜14に示す。
【0046】
図11及び12に示すのは、レンズ1に相当する「屈折機能」あるいは「仮想的な母非球面屈折面」の、DVD/CD共用領域の球面収差である。これは図2(a)に仮想的に示したものと同様であり、CDに関する縦球面収差はオーバーになり、DVDに関する縦球面収差はアンダーになっている。
【0047】
これに対して、位相差板2に相当する「光路差付与機能」あるいは「光路差付与構造」を経た光束の、DVD/CD共用領域の球面収差は、図13及び14に示すようになる。
【0048】
図から明らかなとおり、CDに関する縦球面収差はアンダーになり、DVDに関する縦球面収差はオーバーとなり、両方ともほぼ収差が最適となり、改善されている。
【0049】
【発明の効果】
以上、請求項1または請求項7の発明によれば、母非球面(屈折面)による共有領域の球面収差が、λ1についてはアンダー、λ2についてはオーバーであったものが、所定波長λs(λ1<λs<λ2)の略整数倍の光路差を生じる光路差付与機能(光路差付与構造)によってそれぞれ無収差状態となり、共有領域では良好な波面を得ることが出来る。
【0050】
請求項2の発明によれば、母非球面(屈折面)と光路差付与機能(光路差付与構造)とが一体に形成されているので、位置合わせのための精度出しなどの手間が掛からず、単一の素子で取り扱いやすい光ピックアップ装置の光学素子を得ることが出来る。
【0051】
請求項3または請求項8の発明によれば、周辺領域が屈折面から構成されているため、形成が容易である。
【0052】
請求項4または請求項5の発明によれば、無収差でスポット効率の良い光ピックアップ装置の光学素子を得ることが出来る。
【0053】
請求項6または請求項9の発明によれば、光路差付与構造(光路差付与機能)を有する輪帯数が3〜7であるので、成形が容易で収差性能を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に関わる光学系の、母非球面(屈折面)に相当する光学素子と、光路差付与構造(光路差付与機能)に相当する位相差板との位置関係を模式的に示したものである。
【図2】(a)本発明のDVD/CD共用領域において、屈折機能と光路差付与機能が別体素子に設けられている場合の、母非球面(屈折面)の縦球面収差を模式的に示したものである。(b)本発明のDVD/CD共用領域において、屈折機能と光路差付与機能が一体素子に設けられている場合の、母非球面(屈折面)の縦球面収差を模式的に示したものである。
【図3】(a)本発明のDVD専用領域において、屈折機能と光路差付与機能が別体素子に設けられている場合の、母非球面(屈折面)の縦球面収差を模式的に示したものである。(b)本発明のDVD専用領域において、屈折機能と光路差付与機能が一体素子に設けられている場合の、母非球面(屈折面)の縦球面収差を模式的に示したものである。
【図4】(a)本発明のDVD/CD共用領域において、屈折機能と光路差付与機能が別体素子に設けられている場合に、光路差付与構造(光路差付与機能)によって縦球面収差が無収差状態に近づけられる作用を模式的に示したものである。(b)本発明のDVD/CD共用領域において、DVD/CD共用領域に対して屈折機能と光路差付与機能が一体素子に設けられている場合に、光路差付与構造(光路差付与機能)によって縦球面収差が無収差状態に近づけられる作用を模式的に示したものである。
【図5】(a)本発明のDVD専用領域において、屈折機能と光路差付与機能が別体素子に設けられている場合に、光路差付与構造(光路差付与機能)によって縦球面収差が無収差状態に近づけられる作用を模式的に示したものである。(b)本発明のDVD専用領域において、屈折機能と光路差付与機能が一体素子に設けられている場合に、光路差付与構造(光路差付与機能)によって縦球面収差が無収差状態に近づけられる作用を模式的に示したものである。
【図6】本発明に関わる光学系について、屈折機能と光路差付与機能が一体化して設けられている対物レンズの形状の一例である。
【図7】本発明に関わる実施例。屈折機能と光路差付与機能が一体化した場合の対物レンズにおける、各輪帯の内周・外周半径と光軸方向の変位量である。
【図8】本発明に関わる実施例。屈折機能と光路差付与機能が一体化した場合の対物レンズにおけるレンズデータである。
【図9】本発明に関わる実施例。屈折機能と光路差付与機能が一体化した場合の対物レンズ形状を示す非球面係数形状式である。
【図10】本発明に関わる実施例。屈折機能と光路差付与機能が一体化した場合の対物レンズ形状を示す非球面データである。
【図11】本発明に関わる実施例。DVD/CD共用領域におけるCD波長の光束が母非球面(屈折面)を通過した際の縦球面収差図である。
【図12】本発明に関わる実施例。DVD/CD共用領域共用領域におけるDVD波長の光束が母非球面(屈折面)を通過した際の縦球面収差図である。
【図13】本発明に関わる実施例。CD開口内領域におけるCD波長の光束が光路差付与構造(光路差付与機能)によって無収差状態に近づけられた状態を示したものである。
【図14】本発明に関わる実施例。DVD開口内領域におけるにおけるDVD波長の光束が光路差付与構造(光路差付与機能)によって無収差状態に近づけられた状態を示したものである。
【符号の説明】
1 レンズ
2 位相差板
【特許請求の範囲】
【請求項1】波長λ1の第1光源からの光束を、厚さt1の保護基板を介して第1光情報記録媒体の情報記録面に集光させることによって、情報の記録及び/又は再生が可能であると共に、波長λ2(λ1<λ2)の第2光源からの光束を、厚さt2(t1<t2)の保護基板を介して第2光情報記録媒体の情報記録面に集光させることによって、情報の記録及び/又は再生が可能な光ピックアップ装置の光学系において、
前記光学系の光学機能面のうち、前記第1光情報記録媒体と前記第2光情報記録媒体の両方に対して情報の記録及び/又は再生に用いられる領域は、屈折面による屈折機能と、光軸を中心とした複数の輪帯に分割し、隣り合う輪帯間で所定波長λs(λ1<λs<λ2)の光路差を生じるように、互いに光軸方向位置を異ならせて構成した光路差付与構造とを有し、
前記光路差付与構造が無い状態において前記屈折面は、
前記波長λ1の第1光源からの光束を、前記厚さt1の保護基板を介して第1光情報記録媒体の情報記録面に集光させたときの球面収差がアンダーとなり、
前記波長λ2の第2光源からの光束を、前記厚さt2の保護基板を介して第2光情報記録媒体の情報記録面に集光させたときの球面収差がオーバーとなるように形成された屈折面であることを特徴とする光ピックアップ装置の光学系。
【請求項2】前記光ピックアップ装置は、前記屈折面と光学的に等価な屈折機能と、前記光路差付与構造とを一体に備えた光学素子を含むことを特徴とする請求項1記載の光ピックアップ装置の光学系。
【請求項3】前記光学素子の光学機能面のうち、前記第1光情報記録媒体と前記第2光情報記録媒体の両方に対して情報の記録及び/又は再生に用いられる領域の周辺に位置する、前記第1光情報記録媒体に対して情報の記録及び/又は再生に用いられる領域は、屈折面からなることを特徴とする請求項2記載の光ピックアップ装置の光学系。
【請求項4】前記光ピックアップ装置は、前記屈折面と光学的に等価な屈折機能と、前記光路差付与構造とを一体に備えた光学素子を有し、前記光学素子が、対物用光学素子であることを特徴とする請求項1記載の光ピックアップ装置の光学系。
【請求項5】前記光学素子が、対物用光学素子であることを特徴とする請求項2又は3記載の光ピックアップ装置の光学系。
【請求項6】前記光路差付与構造は、前記輪帯数が3〜7であることを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項記載の光ピックアップ装置の光学系。
【請求項7】波長λ1の第1光源からの光束を、厚さt1の保護基板を介して第1光情報記録媒体の情報記録面に集光させることによって、情報の記録及び/又は再生が可能であると共に、波長λ2(λ1<λ2)の第2光源からの光束を、厚さt2(t1<t2)の保護基板を介して第2光情報記録媒体の情報記録面に集光させることによって、情報の記録及び/又は再生が可能な光ピックアップ装置の対物レンズにおいて、
前記対物レンズの光学機能面のうち、前記第1光情報記録媒体と前記第2光情報記録媒体の両方に対して情報の記録及び/又は再生に用いられる領域は、屈折面による屈折機能と、光軸を中心とした複数の輪帯に分割し、隣り合う輪帯間で所定波長λs(λ1<λs<λ2)の光路差を生じるように、互いに光軸方向位置を異ならせて構成した光路差付与構造とを有し、
前記光路差付与構造が無い状態においては、
前記波長λ1の第1光源からの光束を、前記厚さt1の保護基板を介して第1光情報記録媒体の情報記録面に集光させたときの球面収差がアンダーとなり、
前記波長λ2の第2光源からの光束を、前記厚さt2の保護基板を介して第2光情報記録媒体の情報記録面に集光させたときの球面収差がオーバーとなることを特徴とする光ピックアップ装置の対物レンズ。
【請求項8】前記光学機能面のうち、前記第1光情報記録媒体と前記第2光情報記録媒体の両方に対して情報の記録及び/又は再生に用いられる領域の周辺に位置する、前記第1光情報記録媒体に対して情報の記録及び/又は再生に用いられる領域は、屈折面からなることを特徴とする請求項7記載の光ピックアップ装置の対物レンズ。
【請求項9】前記光路差付与構造は、前記輪帯数が3〜7であることを特徴とする請求項7又は8記載の光ピックアップ装置の対物レンズ。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ピックアップ装置に使用される対物レンズ、光ピックアップ装置の光学系に関し、特に、異なる種類の光情報記録媒体に対して情報の記録及び/又は再生を行うことができる光ピックアップ装置用の対物レンズ及び光ピックアップ装置の光学系に関する。
【0002】
【従来の技術】
DVDとCDなど異なる種類の光情報記録媒体に対して情報を記録し、又再生することができる光ピックアップ装置が開発され、様々な用途で用いられている。このような光ピックアップ装置においては、両方の記憶媒体(以後、光ディスクともいう)に対して好適な情報の再生・記録が可能であることが求められる。
【0003】
ここで、光ピックアップ装置の光源としては、半導体レーザが用いられているが、DVDに対して情報の記録又は再生に用いるための最適な波長は635nm又は650nm前後であり、CDに対して情報の記録又は再生に用いるための最適な波長は780nm前後であることから、通常DVD用の光源とCD用の光源と2つ備えることが行われている。
【0004】
また、CD−Rを含むCD系の光情報記録媒体(以後、光ディスクともいう)の記録及び/又は再生のために、NA(開口数)が0.45ないし0.55の対物レンズ、及び、保護基板厚が1.2mmの光ディスクが使用される。一方、DVD系の光ディスクの記録及び/又は再生には、NAが0.6ないし0.65の対物レンズ、及び、保護基板厚が0.6mmの光ディスクが使用される。
【0005】
そのため、たとえばどちらか一方の波長や保護基板厚に特化したレンズを作成した場合、他方の保護基板厚に対して球面収差が発生してしまうという問題がある。
【0006】
このような問題を解決し、好適な情報の記録・再生を可能とするために、様々な方法が提案されており、そのうちの1つとして位相補正方式がある。
【0007】
これは輪帯位相補正対物レンズ方式と、対物レンズとは別に、基板上に複数の同心円状の輪帯面を形成した素子を配置する位相制御素子方式とに大別される。
【0008】
輪帯位相補正対物レンズ方式は、例えば特開平11−2759号や特開平11−16190号にその実施例が記載されている。
【0009】
特開平11−2759号に記載されているのは、上述の通り基本的な対物レンズの面形状をDVDの記録再生において最適となるように設定し、CDの記録再生のために位相補正方式による補正を行う場合である。つまりDVD系で波面収差が最小となるように設計された対物レンズの表面に輪帯状に段差を形成し、DVD系での波面収差増大を抑制しつつCD系での波面収差を減少させるものである。
【0010】
この技術ではDVD波長に対して位相制御素子は位相分布をほとんど変化させないため、RMS波面収差はDVD系に最適設計された対物レンズの値を維持し、CD系のRMS波面収差を低減するように作用するため、記録再生性能が波面収差に敏感なDVD系に対して有効である。
【0011】
またこれとは逆に基本的な対物レンズの光学性能を、CDの記録再生において最適となるように設定し、DVDの記録再生のために位相補正方式による補正を行う場合が特開平10−334504号に記載されている。
【0012】
これらは何れも、DVDの記録再生、CDの記録再生共に、そのRMS(Root Mean Square)波面収差は改善されている。
【0013】
輪帯位相補正対物レンズの場合、例えば特開平11−16190号には、CDとDVDとの中間の基板厚の光ディスクを想定して、このような光ディスクの記録再生に最適となるように基本的な対物レンズの面形状を設定し、さらに位相補正方式によりDVDとCDの両方のRMS(Root Mean Square)波面収差補正を行う場合について記載されている。
【0014】
また特開2001−51192号では、各輪帯の段差量と面形状とを変えることで、RMS(Root Mean Square)波面収差を小さくし、光線の集光位置を一点にする技術が開示されている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
上記に挙げた各技術はいずれも対物レンズの面形状はDVD,CD,又はその中間厚の光ディスクを介して集光させた場合に光線収差が最適になるように設計され、その他の使用する光ディスクに対応するための補正技術として、レンズ面の一部を光軸方向にスライドさせて位相差を生ぜしめたり、あるいは位相差板を光路中に置いて位相補正を行うものである。
【0016】
ピックアップレンズには、光ディスクからの情報を確実に記録再生するために、RMS波面収差と、光ディスクのピット位置に光を集光させるため、S字特性及びフォーカスオフセットが良好であることが必要となる。S字特性及びフォーカスオフセットはピックアップレンズの光線収差に起因する特性である。
【0017】
このような性能が必要である中で、上記の各技術ではいずれもレンズ面の一部を光軸方向にシフトすることで、DVD,CD共にRMS波面収差を低減することを可能にしている。一方、光線収差はDVD,CDを同時に補正することができない。
【0018】
そこで本願発明は、対物レンズを含む光学素子のDVDとCDの両方に用いられる領域において、レンズ面の一部を光軸方向にシフトするという同手段を用いながら、DVD,CD共に、RMS波面収差と光線収差を満足する技術を見出して実現されたものである。
【0019】
とくに対物レンズを含む光学素子の光学機能面のうち、CDとDVDの両方に用いられる領域に着目し、この領域について球面収差を安定にし、かつマクロな波面を補正すれば、DVD、CDのそれぞれに対して好適な光学性能を達成できることを見いだして実現されたものである。
【0020】
本願発明は、波長毎に異なる光路差を選択的に与え、それぞれの波長の光線を好適な球面収差状態にして、DVDとCDの互換を達成する技術を提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
(1)波長λ1の第1光源からの光束を、厚さt1の保護基板を介して第1光情報記録媒体の情報記録面に集光させることによって、情報の記録及び/又は再生が可能であると共に、波長λ2(λ1<λ2)の第2光源からの光束を、厚さt2(t1<t2)の保護基板を介して第2光情報記録媒体の情報記録面に集光させることによって、情報の記録及び/又は再生が可能な光ピックアップ装置の光学系において、前記光学系の光学機能面のうち、前記第1光情報記録媒体と前記第2光情報記録媒体の両方に対して情報の記録及び/又は再生に用いられる領域は、屈折面による屈折機能と、光軸を中心とした複数の輪帯に分割し、隣り合う輪帯間で所定波長λs(λ1<λs<λ2)の光路差を生じるように、互いに光軸方向位置を異ならせて構成した光路差付与構造とを有し、前記光路差付与構造が無い状態において前記屈折面は、前記波長λ1の第1光源からの光束を、前記厚さt1の保護基板を介して第1光情報記録媒体の情報記録面に集光させたときの球面収差がアンダーとなり、前記波長λ2の第2光源からの光束を、前記厚さt2の保護基板を介して第2光情報記録媒体の情報記録面に集光させたときの球面収差がオーバーとなるように形成された屈折面であることを特徴とする光ピックアップ装置の光学系。
(2)前記光ピックアップ装置は、前記屈折面と光学的に等価な屈折機能と、前記光路差付与構造とを一体に備えた光学素子を含むことを特徴とする(1)記載の光ピックアップ装置の光学系。
(3)前記光学素子の光学機能面のうち、前記第1光情報記録媒体と前記第2光情報記録媒体の両方に対して情報の記録及び/又は再生に用いられる領域の周辺に位置する、前記第1光情報記録媒体に対して情報の記録及び/又は再生に用いられる領域は、屈折面からなることを特徴とする(2)記載の光ピックアップ装置の光学系。
(4)前記光ピックアップ装置は、前記屈折面と光学的に等価な屈折機能と、前記光路差付与構造とを一体に備えた光学素子を有し、前記光学素子が、対物用光学素子であることを特徴とする(1)記載の光ピックアップ装置の光学系。
(5)前記光学素子が、対物用光学素子であることを特徴とする(2)又は(3)記載の光ピックアップ装置の光学系。
(6)前記光路差付与構造は、前記輪帯数が3〜7であることを特徴とする(1)乃至(5)の何れか一項記載の光ピックアップ装置の光学系。
(7)波長λ1の第1光源からの光束を、厚さt1の保護基板を介して第1光情報記録媒体の情報記録面に集光させることによって、情報の記録及び/又は再生が可能であると共に、波長λ2(λ1<λ2)の第2光源からの光束を、厚さt2(t1<t2)の保護基板を介して第2光情報記録媒体の情報記録面に集光させることによって、情報の記録及び/又は再生が可能な光ピックアップ装置の対物レンズにおいて、前記対物レンズの光学機能面のうち、前記第1光情報記録媒体と前記第2光情報記録媒体の両方に対して情報の記録及び/又は再生に用いられる領域は、屈折面による屈折機能と、光軸を中心とした複数の輪帯に分割し、隣り合う輪帯間で所定波長λs(λ1<λs<λ2)の光路差を生じるように、互いに光軸方向位置を異ならせて構成した光路差付与構造とを有し、前記光路差付与構造が無い状態においては、前記波長λ1の第1光源からの光束を、前記厚さt1の保護基板を介して第1光情報記録媒体の情報記録面に集光させたときの球面収差がアンダーとなり、前記波長λ2の第2光源からの光束を、前記厚さt2の保護基板を介して第2光情報記録媒体の情報記録面に集光させたときの球面収差がオーバーとなることを特徴とする光ピックアップ装置の対物レンズ。
(8)前記光学機能面のうち、前記第1光情報記録媒体と前記第2光情報記録媒体の両方に対して情報の記録及び/又は再生に用いられる領域の周辺に位置する、前記第1光情報記録媒体に対して情報の記録及び/又は再生に用いられる領域は、屈折面からなることを特徴とする(7)記載の光ピックアップ装置の対物レンズ。
(9)前記光路差付与構造は、前記輪帯数が3〜7であることを特徴とする(7)又は(8)記載の光ピックアップ装置の対物レンズ。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下図面に基づいて本発明の内容を詳細に説明するが、本発明の実施形態はこれらに限定されるものではない。
【0023】
最初に、本発明の光学的作用の概要について図1、2乃至図4を用いて説明する。
【0024】
図1中、1は屈折面である母非球面を有するレンズ、2は光路差付与機能を有する位相差板であり、両方が組み合わされることにより、DVD/CDの両方に対して情報の記録及び/又は再生が可能な光ピックアップ光学系の対物用光学系を構成している。図示しない光源は、DVDに対して情報の記録及び/又は再生を行う光源は655nm(λ1)、CDに対して情報の記録及び/又は再生を行う光源は785nm(λ2)のものを使用している。
【0025】
レンズ1の光学機能面のうち、光軸を中心としたNA(開口数)0.45の領域は、DVD/CDの両方に対して情報の記録及び/又は再生を行うのに用いられる共用領域Aであり、その周辺に位置するNA(開口数)0.45〜0.6の領域は、DVDのみに対して情報の記録及び/又は再生を行うのに用いられる専用領域Bとなっている。
【0026】
この例におけるレンズ1は、λ1、λ2の両方に対して球面収差が生じるような屈折面(非球面)が形成されている。具体的には、図2(a)に示すように、レンズ1単独に対して光線を通過させた場合、共用領域Aを通過したλ1の光束は、球面収差がアンダーになり、λ2の光束は、球面収差がオーバーになるような屈折面が形成されている。
【0027】
2の位相差板は、光軸を中心とした複数の同心円状の輪帯に分割されていて、光軸から離れるに従って、厚みが増すように形成されている。それらの輪帯間の段差は、ある輪帯を通過する光束と、その隣の輪帯を通過する光束とが、所定波長の略整数倍の光路差を生じるが、波面ずれが生じない長さに設定されている。ここで所定波長は、λ1とλ2との中間の波長に設定してある。
【0028】
このため、この位相差板に波長λ1の波面が入射すると、同位相の波面を結んだ包絡線を新たな波面とする光線は収束光となり、他方、この位相差板に波長λ2の波面が入射すると、同位相の波面を結んだ包絡線を新たな波面とする光線は発散光になるようにすることができる。
【0029】
よって、レンズ1と位相差板2とを組み合わせて一つの光学系としてみた場合、図4(a)に示すように、レンズ1の共用領域Aを通過した光束についてみると、波長λ1の光束は当初非球面によって球面収差がアンダーであったところ、位相差板2の作用によって球面収差がオーバーとなる作用をうけ、無収差状態に近づけられ、最適な球面収差状態となる。
【0030】
そして波長λ2の光束は当初非球面によって球面収差がオーバーであったところ、位相差板2の作用によって球面収差がアンダーとなる作用をうけ、無収差状態に近づけられ、最適な球面収差状態となり、いずれの波長の光束も好適な球面収差を得ることが出来る。一方、屈折機能と光路差付与機能を対物レンズに一体化した場合のレンズ形状を示したのが図6である。図2(b)はこの対物レンズの屈折機能による波長λ1とλ2の光束の球面収差であり、図4(b)は対物レンズを通過した光束の最終的な波長λ1とλ2の光束の球面収差を表している。そして所定波長がλ1とλ2の中間の波長である場合に、波長λ1、λ2で共に無収差となるための屈折面形状は特定される。共用領域の境界を通過する波長λ1の光線が、近軸光線が光軸と交わる位置から0.013mm以内の領域で交わるように設計されるのが望ましい。これらの光学的作用を請求項1の文言にあてはめると、レンズ1が「屈折機能」を有しており、位相差板2が「光路差付与機能」を有している。
【0031】
屈折機能と光路差付与機能を対物レンズに一体化した場合、屈折機能を有する母非球面の面形状を、単に光路長分、光軸方向にシフトさせてしまうことにより、単体の光学素子として両方の光学的作用を兼ね備えるものが得られる場合があるが、開口数が大きくなると、光路長を厳密に考慮する必要があるため、単に光軸方向に面を移動させただけでは意味をなさない場合がある。このような場合、屈折面の形状をも変化させて、当初の屈折機能と光路差付与機能とを両立させる。
【0032】
そして光路差付与機能、あるいは光路差付与構造を有する共用領域Aの輪帯数は、3〜7であることが好ましい。
【0033】
輪帯数がこれより少ないと、位相差板を通過した波面は同位相の波面を結ぶ包絡線で近似することができないため、特に光線収差性能が未達になる恐れがある。逆に輪帯数が増えると、光軸から離れるに従い輪帯の幅が小さくなり成形が困難となる。
【0034】
この光学機能はいわゆる回折構造であっても良い。回折構造の場合は上記性能を満足しながら、付与される光路差が全領域でなだらかに変化するよう輪帯の各面形状を変化させているため、スポットの集光効率が高い。
【0035】
具体的には回折構造の場合、レンズ入射面において光軸からの垂直距離がhである入射光線に対して、
【0036】
【数1】
m:回折次数、λ:使用波長、Ci:定数。少なくとも1つは、Ci≠0で表される光路長を付加するように形成されていることにより、無収差とすることができる。
【0037】
またこのような回折構造を形成する場合の輪帯数は、7〜100、好ましくは11〜30である。
【0038】
回折構造による回折作用を十分に得るためには、輪帯数が少なくては不十分であり、逆に多すぎると精度が低下して光学的性能を達成できなくなる。専用領域Bにおいても、共用領域Aと同様効果をもつレンズ1の屈折面が形成され、共用領域Aと同様効果をもつ位相差板2とが設けられている場合、波長λ1、λ2で共に無収差となる。この場合には波長λ2の光線が入射しないように、波長λ1の光はそのまま透過し波長λ2の光を遮断するような波長選択性素子を位相差板より光源側に設けたり、あるいは位相差板に一体化して、DVDとCDのNAの違いを満足することができる。また波長選択性素子を用いず、DVDとCDのNAの違いを満足することもできる。専用領域Bのレンズ1の屈折面は、図3(a)のように、波長λ1では球面収差が無収差、波長λ2では球面収差がオーバーであるように形成されていても良い。専用領域Bの位相差板は上記所定波長がλ1であれば、位相差板によって波長λ1の光束は収束する作用も発散する作用も受けず、無収差のまま集光する。波長λ2の光束は、位相差板の光路差付与機能によって収束する又は発散する作用を受けるが依然として収差が残留しているために、専用領域を通過した光束は焦点位置に集光しない。この様子を示したのが図5(a)であり、CD,CD'は最終的なCDの球面収差の変化を示している。レンズと位相差板が一体化している場合には、一体化する前の仮想的な母非球面の屈折面は、図3(b)のように、波長λ1では球面収差がオーバー、波長λ2では球面収差がオーバーであるように形成されているのが良い。光路差付与機能で最終的に、波長λ1では球面収差が最適、波長λ2では球面収差がオーバーとなる。この様子を示したのが図5(b)であり、CD,CD'は最終的なCDの球面収差の変化を示している。光路差付与機能は回折構造とすることも可能である。
【0039】
具体的には回折構造の場合、レンズ入射面において光軸からの垂直距離がhである入射光線に対して、
【0040】
【数2】
m:回折次数、λ:使用波長、Ci:定数。少なくとも1つは、Ci≠0で表される光路長を付加するように形成されている。
【0041】
回折構造による回折作用を十分に得るためには、輪帯数が少なくては不十分であり、逆に多すぎると精度が低下して光学的性能を達成できなくなる。このような回折構造を形成する場合の輪帯数は、7〜100、好ましくは11〜30である。
【0042】
さらにまた専用領域Bは、屈折面だけから構成していてもよい。そうすると、光学素子の製造が容易になる。
【0043】
なお、この第一の発明を、単一のレンズで実現したレンズの設計データを図7〜14に示す。専用領域は屈折面となっている。
【0044】
図7に示すのは、各輪帯の内周・外周半径と光軸方向の変位量である。図8に示すのは、レンズデータであり、図9に示す式は非球面形状式である。また図10に示すのは非球面データである。
【0045】
そして、このレンズによる球面収差の改善効果を図11〜14に示す。
【0046】
図11及び12に示すのは、レンズ1に相当する「屈折機能」あるいは「仮想的な母非球面屈折面」の、DVD/CD共用領域の球面収差である。これは図2(a)に仮想的に示したものと同様であり、CDに関する縦球面収差はオーバーになり、DVDに関する縦球面収差はアンダーになっている。
【0047】
これに対して、位相差板2に相当する「光路差付与機能」あるいは「光路差付与構造」を経た光束の、DVD/CD共用領域の球面収差は、図13及び14に示すようになる。
【0048】
図から明らかなとおり、CDに関する縦球面収差はアンダーになり、DVDに関する縦球面収差はオーバーとなり、両方ともほぼ収差が最適となり、改善されている。
【0049】
【発明の効果】
以上、請求項1または請求項7の発明によれば、母非球面(屈折面)による共有領域の球面収差が、λ1についてはアンダー、λ2についてはオーバーであったものが、所定波長λs(λ1<λs<λ2)の略整数倍の光路差を生じる光路差付与機能(光路差付与構造)によってそれぞれ無収差状態となり、共有領域では良好な波面を得ることが出来る。
【0050】
請求項2の発明によれば、母非球面(屈折面)と光路差付与機能(光路差付与構造)とが一体に形成されているので、位置合わせのための精度出しなどの手間が掛からず、単一の素子で取り扱いやすい光ピックアップ装置の光学素子を得ることが出来る。
【0051】
請求項3または請求項8の発明によれば、周辺領域が屈折面から構成されているため、形成が容易である。
【0052】
請求項4または請求項5の発明によれば、無収差でスポット効率の良い光ピックアップ装置の光学素子を得ることが出来る。
【0053】
請求項6または請求項9の発明によれば、光路差付与構造(光路差付与機能)を有する輪帯数が3〜7であるので、成形が容易で収差性能を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に関わる光学系の、母非球面(屈折面)に相当する光学素子と、光路差付与構造(光路差付与機能)に相当する位相差板との位置関係を模式的に示したものである。
【図2】(a)本発明のDVD/CD共用領域において、屈折機能と光路差付与機能が別体素子に設けられている場合の、母非球面(屈折面)の縦球面収差を模式的に示したものである。(b)本発明のDVD/CD共用領域において、屈折機能と光路差付与機能が一体素子に設けられている場合の、母非球面(屈折面)の縦球面収差を模式的に示したものである。
【図3】(a)本発明のDVD専用領域において、屈折機能と光路差付与機能が別体素子に設けられている場合の、母非球面(屈折面)の縦球面収差を模式的に示したものである。(b)本発明のDVD専用領域において、屈折機能と光路差付与機能が一体素子に設けられている場合の、母非球面(屈折面)の縦球面収差を模式的に示したものである。
【図4】(a)本発明のDVD/CD共用領域において、屈折機能と光路差付与機能が別体素子に設けられている場合に、光路差付与構造(光路差付与機能)によって縦球面収差が無収差状態に近づけられる作用を模式的に示したものである。(b)本発明のDVD/CD共用領域において、DVD/CD共用領域に対して屈折機能と光路差付与機能が一体素子に設けられている場合に、光路差付与構造(光路差付与機能)によって縦球面収差が無収差状態に近づけられる作用を模式的に示したものである。
【図5】(a)本発明のDVD専用領域において、屈折機能と光路差付与機能が別体素子に設けられている場合に、光路差付与構造(光路差付与機能)によって縦球面収差が無収差状態に近づけられる作用を模式的に示したものである。(b)本発明のDVD専用領域において、屈折機能と光路差付与機能が一体素子に設けられている場合に、光路差付与構造(光路差付与機能)によって縦球面収差が無収差状態に近づけられる作用を模式的に示したものである。
【図6】本発明に関わる光学系について、屈折機能と光路差付与機能が一体化して設けられている対物レンズの形状の一例である。
【図7】本発明に関わる実施例。屈折機能と光路差付与機能が一体化した場合の対物レンズにおける、各輪帯の内周・外周半径と光軸方向の変位量である。
【図8】本発明に関わる実施例。屈折機能と光路差付与機能が一体化した場合の対物レンズにおけるレンズデータである。
【図9】本発明に関わる実施例。屈折機能と光路差付与機能が一体化した場合の対物レンズ形状を示す非球面係数形状式である。
【図10】本発明に関わる実施例。屈折機能と光路差付与機能が一体化した場合の対物レンズ形状を示す非球面データである。
【図11】本発明に関わる実施例。DVD/CD共用領域におけるCD波長の光束が母非球面(屈折面)を通過した際の縦球面収差図である。
【図12】本発明に関わる実施例。DVD/CD共用領域共用領域におけるDVD波長の光束が母非球面(屈折面)を通過した際の縦球面収差図である。
【図13】本発明に関わる実施例。CD開口内領域におけるCD波長の光束が光路差付与構造(光路差付与機能)によって無収差状態に近づけられた状態を示したものである。
【図14】本発明に関わる実施例。DVD開口内領域におけるにおけるDVD波長の光束が光路差付与構造(光路差付与機能)によって無収差状態に近づけられた状態を示したものである。
【符号の説明】
1 レンズ
2 位相差板
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