JPH1116194A - 光ヘッド装置 - Google Patents

光ヘッド装置

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JPH1116194A
JPH1116194A JP9167463A JP16746397A JPH1116194A JP H1116194 A JPH1116194 A JP H1116194A JP 9167463 A JP9167463 A JP 9167463A JP 16746397 A JP16746397 A JP 16746397A JP H1116194 A JPH1116194 A JP H1116194A
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JP
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lens
laser light
light source
grating
recording medium
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JP9167463A
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English (en)
Inventor
Masahiko Sato
昌彦 佐藤
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NEC Corp
Original Assignee
NEC Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 厚みの異なる基板を有する数種の媒体を対象
とする光ヘッド装置において、レーザ光の利用率が高
く、低消費電力のものを提供すること。 【解決手段】 2つのレーザ光源1,2と、記録媒体上
に回折限界のレーザスポットを集光する対物レンズ5と
を備える。また、レーザ光源1,2の発光点と記録媒体
6との間に位相型回折格子で構成される格子レンズ4を
有する。格子レンズ4は、第1のレーザ光源1に対しレ
ンズ効果を持たず、第2のレーザ光源2に対し他の所定
の厚さの保護基板で発生する球面収差を補正するレンズ
効果を持つ。そして、対物レンズ5によって、第1のレ
ーザ光源1のレーザ光を所定の厚さの保護基板を持つ記
録媒体上に集光し、また、対物レンズ5と格子レンズ4
によって、第2のレーザ光源2のレーザ光を他の所定の
厚さの保護基板を持つ記録媒体上に集光する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ヘッド装置に係
り、特に、記録媒体上に情報を記録・再生あるいは消去
するための光記録再生装置に用いられる光ヘッド装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】光記録においては、ディスク上に形成さ
れた同心円状またはスパイラル状のトラック上の情報を
光学的に記録・再生する光磁気ディスクやコンパクトデ
ィスク(CD)などの光記録再生装置がすでに実用化さ
れている。
【0003】近年では記憶容量増大の要請に伴い、CD
と同じ直径で高密度化・大容量化を目的としたデジタル
バーサタイルディスク(DVD)の再生装置が実用化さ
れた。このような高密度化を図る光記録再生装置におい
ては、記録媒体上に集光するスポット径を縮小化するこ
とが要求される。しかし、集光スポットの大きさはレー
ザ光源の波長、対物レンズのNA(開口数)によって決
定されるものの、半導体レーザの短波長化には限界がき
ている。また、対物レンズのNAを大きくすると光軸の
傾きや記録媒体の傾きによる収差発生量が増大し、光ヘ
ッド装置に許容される光軸の傾きが減少してしまう。そ
こで、このような光記録再生装置では、記録媒体の保護
基板(光ビームの入射面から情報記録面までの透明基
板)の厚さを薄くすることで光軸の傾きや記録媒体の傾
きによる収差発生量を減少させる方法が採られており、
次世代の高密度光記録再生装置においても保護基板の厚
さは薄くなると考えられる。
【0004】しかしながら、光記録再生装置における光
ヘッド装置では、記録媒体の情報記録面上での集光スポ
ット径を回折限界まで縮小化するために、保護基板で発
生する収差を含めて対物レンズが設計されている。その
ため、保護基板の厚さが規定された範囲(約±0.1m
m)以上異なる場合には球面収差等の収差が発生し、記
録再生が不可能となってしまう。
【0005】そこで、CDなど保護基板の厚さが1.2
mmの従来の光記録媒体と保護基板の厚さの異なる高密
度光記録媒体の両方を記録・再生可能な光ヘッド装置が
提案されている(特開平8−240718号公報参
照)。これを従来例の光ヘッド装置として説明する。
【0006】図11に従来の光ヘッド装置の光学系の構
成図を示す。
【0007】レーザ光源20から出射されたレーザ光2
0aは、ビームスプリッタ21を透過し、ホログラムレ
ンズ22に入射する。ホログラムレンズ22は回折によ
るレンズ効果を持つ素子であり、0次回折光(透過光)
20bおよび+1次回折光20cを発生する。ホログラ
ムレンズ22から発生した0次回折光20bおよび+1
次回折光20cは対物レンズ23により集光されて、同
時に2つのスポット7および8を発生する。ここで、対
物レンズ23は、0次回折光20bのスポット7が記録
媒体6の所定の情報記録面6a(保護基板の厚みT1)
上に発生するよう設計されており、ホログラムレンズ2
2は、+1次回折光20cのスポット8が記録媒体6の
所定の情報記録面6b(保護基板の厚みT2)上に発生
するよう焦点距離が決定されている。また、記録媒体6
の情報記録面6aあるいは6bから反射した情報信号光
は、対物レンズ23,ホログラムレンズ22を通り、ビ
ームスプリッタ21で反射され、シリンドリカルレンズ
10で非点収差を発生させて、焦点合わせ用のレンズ1
1を通過した後、光検出器24で受光するように構成さ
れている。
【0008】次に動作について説明する。
【0009】保護基板の厚みがT1の記録媒体6を再生
する場合には、ホログラムレンズ22の0次回折光20
bを用いる。0次回折光20bは、対物レンズ23によ
り集光され、その集光されたスポット7が情報記球面6
aに一致するように対物レンズ23を光軸方向に移動す
る。情報記録面6a上に集光されたスポット7は、情報
記録面6aに記録された記録情報に応じて変調されて光
検出器24で受光され、光検出器24の出力変化から情
報を再生する。このとき、ホログラムレンズ22の+1
次回折光20cは情報記録面6a上に焦点を結ばないた
め、光検出器24の位置では受光素子より大きなスポッ
トとなり、情報記録面6aの情報再生に影響を与えな
い。
【0010】また、保護基板の厚みがT2の記録媒体6
を再生する場合には、ホログラムレンズ22の+1次回
折光20cを用いる。+1次回折光20cは、対物レン
ズ23により集光され、その集光されたスポット8が情
報記録面6bに一致するように対物レンズ23を光軸方
向に移動する。情報記録面6b上に集光されたスポット
8は、情報記録面6bに記録された記録情報に応じて変
調されて光検出器24で受光され、光検出器24の出力
変化から情報を再生する。このとき、ホログラムレンズ
22の0次回折光20bは情報記録面6b上に焦点を結
ばないため、光検出器24の位置では受光素子より大き
なスポットとなり、情報記録面6bの情報再生に影響を
与えない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら従来の光
ヘッド装置では、ホログラムレンズの回折光を用いて同
時に2つのスポットを形成するため、レーザ光の利用率
が低下し、光出力の大きなレーザ光源を必要とすると共
に消費電力も大きくなるという問題がある。さらにま
た、レーザ光の利用率が低いため、高出力のレーザ出力
が必要な情報の記録や消去を行う光ヘッド装置には不向
きであるという問題点がある。
【0012】
【発明の目的】それ故に、本発明の目的はレーザ光の利
用率が高い、低消費電力の光ヘッド装置を提供すること
である。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載の発明では、厚さの異なる保護基板を
持つ数種の記録媒体上に回折限界のレーザスポットを集
光し、情報の記録・再生・消去を行う光ヘッド装置にお
いて、2つのレーザ光源と、所定の厚さの保護基板を持
つ記録媒体上に回折限界のレーザスポットを集光する対
物レンズとを備える。また、前記2つのレーザ光源の発
光点と前記記録媒体との間に位相型回折格子で構成され
る格子レンズを有する。このうち、前記格子レンズは、
第1のレーザ光源に対してレンズ効果を持たず、第2の
レーザ光源に対して他の所定の厚さの保護基板で発生す
る球面収差を補正するレンズ効果を持つものとする。そ
して、前記対物レンズによって、前記第1のレーザ光源
のレーザ光を前記所定の厚さの保護基板を持つ記録媒体
上に回折限界のレーザスポットとして集光することで情
報の記録・再生・消去を行う。また、前記対物レンズと
前記格子レンズによって、前記第2のレーザ光源のレー
ザ光を前記他の所定の厚さの保護基板を持つ記録媒体上
に回折限界のレーザスポットとして集光することで情報
の記録・再生・消去を行う、という構成を採っている。
【0014】請求項2記載の発明では、前記格子レンズ
は、波長によって屈折率の変化する材料で構成される位
相型回折格子である、という構成を採っている。
【0015】請求項3記載の発明では、前記格子レンズ
は、偏光方向によって屈折率の変化する材料で構成され
る位相型回折格子である、という構成を採っている。
【0016】請求項4記載の発明では、前記格子レンズ
の凹部と凸部の位相差が、前記第1のレーザ光源のレー
ザ光に対して概略0ラジアンあるいは概略2π×nラジ
アン(nは自然数)となるように構成された、という構
成を採っている。
【0017】請求項5記載の発明では、前記格子レンズ
の凹部と凸部の位相差が、前記第2のレーザ光源のレー
ザ光に対して概略πラジアンあるいは概略π+2π×n
ラジアン(nは自然数)となるように構成された、とい
う構成を採っている。
【0018】請求項6記載の発明では、前記格子レンズ
から前記第1のレーザ光源の発光点位置までの光学的距
離と、前記格子レンズから前記第2のレーザ光源の発光
点位置までの光学的距離とが、概略等しい、という構成
を採っている。
【0019】請求項7記載の発明では、前記第1のレー
ザ光源と、前記第2のレーザ光源とが、一体構造をなす
レーザ光源を具備する、という構成を採っている。
【0020】請求項8記載の発明では、前記格子レンズ
と前記対物レンズとが一体構造をなす複合対物レンズを
具備する、という構成を採っている。
【0021】これらの発明によれば、対物レンズは第1
のレーザ光源に対して所定の厚さの保護基板を持つ記録
媒体で発生する収差を含めて設計され、格子レンズは第
2のレーザ光源に対して他の所定の厚さの保護基板で発
生する球面収差を補正するように構成されている。その
ため、第1のレーザ光源のレーザ光は対物レンズを用い
て所定の厚さの保護基板を持つ記録媒体上に回折限界の
レーザスポットとして集光することができ、第2のレー
ザ光源のレーザ光は対物レンズと格子レンズを用いて他
の所定の厚さの保護基板を持つ記録媒体上に回折限界の
レーザスポットとして集光することができる。したがっ
て、複数種類の厚さの保護基板を持つ記録媒体上に回折
限界のレーザスポットを集光できるため、CDなど保護
基板の厚さが1.2mmの従来の光記録媒体と保護基板
の厚さの異なる高密度光記録媒体の互換性の問題を解決
している。
【0022】また、従来のホログラムレンズのように1
つのレーザ光源から同時に2つのスポットを形成しない
ため、レーザ光の利用率が低下し、高出力のレーザ光源
を必要とするという問題も同時に解決している。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して詳細に説明する。
【0024】まず、図1を参照して本発明の光ヘッド装
置の第1の実施の形態の構成について説明する。
【0025】レーザ光源1から出射されたレーザ光1a
は、ビームスプリッタ9,波長選択手段3を透過し、格
子レンズ4に入射する。レーザ光源1と波長が異なるレ
ーザ光源2から出射されたレーザ光2aは、ビームスプ
リッタ13を透過し、波長選択手段3で反射されて格子
レンズ4に入射する。このとき、格子レンズ4はレーザ
光源1の波長に対してはレンズ効果を持たず、レーザ光
源2の波長に対しては凹レンズ効果を持つように設計さ
れている。そこで、レーザ光源1から出射されたレーザ
光1aおよびレーザ光源2から出射されたレーザ光2a
は、対物レンズ5により集光されて、異なる2つのスポ
ット7およびスポット8を発生する。ここで、対物レン
ズ5は、レーザ光源1のスポット7が記録媒体6の所定
の情報記録面6a(保護基板の厚みT1)上に発生する
よう設計されており、格子レンズ4は、レーザ光源2の
スポット8が記録媒体6の所定の情報記録面6b(保護
基板の厚みT2)上に発生するよう焦点距離が決定され
ている。
【0026】記録媒体6の情報記録面6aから反射した
情報信号光は、対物レンズ5,格子レンズ4,波長選択
手段3を通り、ビームスプリッタ9で反射され、シリン
ドリカルレンズ10で非点収差を発生させて、焦点合わ
せ用のレンズ11を通過した後、光検出器12で受光す
る。また、記録媒体6の情報記録面6bから反射した情
報信号光は、対物レンズ5,格子レンズ4を通り、波長
選択手段3およびビームスプリッタ13で反射され、シ
リンドリカルレンズ14で非点収差を発生させて、焦点
合わせ用のレンズ15を通過した後、光検出器16で受
光するように光学系が構成されている。
【0027】次に動作について説明する。
【0028】保護基板の厚みがT1の記録媒体6を再生
する場合には、レーザ光源1のレーザ光1aを用いる。
レーザ光1aは格子レンズ4によるレンズ効果を持たな
いため、そのまま透過され、対物レンズ5により集光さ
れ、その集光されたスポット7が情報記録面6aに一致
するように対物レンズ5を光軸方向に移動する。情報記
録面6a上に集光されたスポット7は、情報記録面6a
に記録された記録情報に応じて変調されて光検出器12
で受光され、光検出器12の出力変化から情報を再生す
る。記録媒体6の情報記録面6aに集光されたスポット
7の焦点を合わせる方法としては、情報記録面6aで反
射したビームから、シリンドリカルレンズ10を用いて
非点収差を発生させ、光検出器12上で受光される非点
収差量からフォーカスエラー信号を検出する公知の非点
収差法によって行われる。また、記録媒体6の情報記録
面6a上の所定のトラックに追従させる方法としては、
光検出器12上で受光されるスポットの部分的な光量の
差を検出することによってトラックエラー信号を検出す
る公知の位相差法によって行われる。
【0029】保護基板の厚みがT2の記録媒体6を再生
する場合には、レーザ光源2のレーザ光2aを用いる。
レーザ光2aは格子レンズ4による凹レンズ効果を持つ
ため、格子レンズ4の入射光より少し発散した出射光と
なり、対物レンズ5に入射し集光される。その集光され
たスポット8が情報記録面6bに一致するように対物レ
ンズ5を光軸方向に移動する。情報記録面6b上に集光
されたスポット8は、情報記録面6bに記録された記録
情報に応じて変調されて光検出器16で受光され、光検
出器16の出力変化から情報を再生する。記録媒体6の
情報記録面6bに集光されたスポット7の焦点を合わせ
る方法としては、情報記録面6bで反射したビームか
ら、シリンドリカルレンズ14を用いて非点収差を発生
させ、光検出器16上で受光される非点収差量からフォ
ーカスエラー信号を検出する公知の非点収差法によって
行われる。また、記録媒体6の情報記録面6b上の所定
のトラックに追従させる方法としては、光検出器16上
で受光されるスポットの部分的な光量の差を検出するこ
とによってトラックエラー信号を検出する公知の位相差
法によって行われる。
【0030】ここで、本実施形態に採用される格子レン
ズの第1の構成と動作について図2(a)および図2
(b)を参照して説明する。
【0031】まず、格子レンズ4の構成について説明す
る。格子レンズ4は、基板4a上に位相膜4bおよび位
相補償膜4cを同心円状に配した位相型回折格子であ
る。輪帯状の位相膜4bは、所定半径の球面波と平面波
の干渉によって得られた干縞を2値化したものであり、
外周部に行くに従って輪帯の幅は狭くなる、いわゆるゾ
ーン・プレートの形状をなすものである。この輪帯のn
番目の半径Rnは、ゾーン・プレートの焦点距離をf,
設計波長をλとすれば、Rn=√(n・f・λ):n=
1,2,3,・・・,nで与えられる。
【0032】位相膜4bは波長によって屈折率が大きく
変わる薄膜物質であることが望ましく、例えばアンチモ
ン化アルミニウム(AlSb),ヒ素化アルミニウム
(Al2As3),テルル化亜鉛(ZnTe)などで構成
することで、635nmと780nmのレーザ波長に対
して0.05〜0.1程度の屈折率差が得られる。ま
た、位相補償膜4cは波長による屈折率差が少ない薄膜
物質であることが望ましく、例えばフッ化マグネシウム
(MgF2),二酸化シリコン(SiO2),二酸化チタ
ン(TiO2)など一般的な薄膜物質で構成すればよ
い。
【0033】位相膜4bおよび位相補償膜4cは、第一
波長に対して、位相膜4bを通過するレーザ光401の
光学的光路長と位相補償膜4cを通過するレーザ光40
2の光学的光路長の差が概略0ラジアンとなり、第二波
長に対して、位相膜4bを通過するレーザ光401の光
学的光路長と位相補償膜4cを通過するレーザ光402
の光学的光路長の差が0ラジアンより大きく2πラジア
ンより小さい範囲となる様に厚さを決定し構成する。
【0034】次に、この格子レンズ4の動作について説
明する。格子レンズ4に入射するレーザ光が、第一波長
の時には、位相膜4bを通過するレーザ光401と位相
補償膜4cを通過するレーザ光402の光学的光路長の
差はほとんど無いため、位相型回折格子として働かず、
透明基板となる。一方、第二波長の時には、位相膜4b
を通過するレーザ光401と位相補償膜4cを通過する
レーザ光402に光学的光路長の差が生じるため、位相
型回折格子として働きレンズ効果を有する。
【0035】上述した位相膜4bおよび位相補償膜4c
による光学的光路長の差について、1波長以内(2πラ
ジアン以内)の場合について説明したが、2π×nラジ
アン:n=1,2,3,・・・,n異なっていても同じ
事である。また、第二波長に対して0次回折光の発生を
極小にするためには、位相膜4bを通過するレーザ光4
01の光学的光路長と位相補償膜4cを通過するレーザ
光402の光学的光路長の差をπ+2π×nラジアン:
n=0,1,2,・・・nとなる様に厚さを決定すれば
良い。さらに、第一波長および第二波長の位相差が上述
の条件を満たせば、位相補償膜4cを削除することも可
能である。
【0036】続いて、本実施形態に採用される格子レン
ズの第2の構成と動作について図3(a)および図3
(b)を参照して説明する。
【0037】まず、格子レンズ34の構成について説明
する。格子レンズ34は、基板34a上に位相膜34b
および位相補償膜34cを同心円状に配した位相型回折
格子であり、先に説明した格子レンズ4の位相補償膜を
位相膜上に配した形態である。
【0038】輪帯状の位相膜34bおよび位相補償膜3
4cの半径および材質は既述の格子レンズ4と同様に決
定する。また、位相膜34bおよび位相補償膜34cの
厚さは、位相膜34b及び位相補償膜34cを通過する
レーザ光401の光学的光路長と、位相膜34b及び位
相補償膜34cの厚さ部分の空気中を通過するレーザ光
402の光学的光路長との差が、第1波長では0ラジア
ンとなり、第2波長では0ラジアンより大きく2πラジ
アンより小さい範囲となるように決定する。
【0039】続いて、この格子レンズ34の動作につい
て説明する。格子レンズ34に入射するレーザ光が、第
一波長の時には、位相膜34b,位相補償膜34cを通
過するレーザ光401と位相膜34b,位相補償膜34
cの厚さの空気中を通過するレーザ光402の光学的光
路長との差は2π×nラジアンn=0,1,2,・・・
nずれているため、位相型回折格子として働かず、透明
基板となる。一方、第二波長の時には、位相膜34b,
位相補償膜34cを通過するレーザ光401と位相膜3
4b,位相補償膜34cの厚さの空気中を通過するレー
ザ光402に光学的光路長の差が生じるため、位相型回
折格子として働きレンズ効果を有する。
【0040】この第1の実施形態によれば、第1のレー
ザ光源のレーザ光は対物レンズを用いて所定の厚さの保
護基板を持つ記録媒体上に回折限界のレーザスポットと
して集光することができ、第2のレーザ光源のレーザ光
は対物レンズと格子レンズを用いて他の所定の厚さの保
護基板を持つ記録媒体上に回折限界のレーザスポットと
して集光することができ、複数種類の厚さの保護基板を
持つ記録媒体上に回折限界のレーザスポットを集光でき
るため、CDなど保護基板の厚さが1.2mmの従来の
光記録媒体と保護基板の厚さの異なる高密度光記録媒体
の互換性の問題が解決される。
【0041】次に、本発明の光ヘッド装置の第2の実施
の形態について図4を参照して説明する。レーザ光源1
から出射されたレーザ光1aは、ビームスプリッタ9,
波長選択手段3を透過し、格子レンズ44に入射する。
レーザ光源1と波長が異なるレーザ光源2から出射され
たレーザ光2aは、ビームスプリッタ13を透過し、波
長選択手段3で反射されて格子レンズ44に入射する。
このとき、格子レンズ44はレーザ光源2の波長に対し
てはレンズ効果を持たず、レーザ光源1の波長に対して
は凸レンズ効果を持つように設計されている。そこで、
レーザ光源1から出射されたレーザ光1aおよびレーザ
光源2から出射されたレーザ光2aは、対物レンズ45
により集光されて、異なる2つのスポット7およびスポ
ット8を発生する。ここで、対物レンズ45は、レーザ
光源2のスポット8が記録媒体6の所定の情報記録面6
b(保護基板の厚みT2)上に発生するよう設計されて
おり、格子レンズ44は、レーザ光源1のスポット7が
記録媒体6の所定の情報記録面6a(保護基板の厚みT
1)上に発生するよう焦点距離が決定されている。
【0042】記録媒体6の情報記録面6aから反射した
情報信号光は、対物レンズ45,格子レンズ44,波長
選択手段3を通り、ビームスプリッタ9で反射され、シ
リンドリカルレンズ10で非点収差を発生させて、焦点
合わせ用のレンズ11を通過した後、光検出器12で受
光する。また、記録媒体6の情報記録面6bから反射し
た情報信号光は、対物レンズ45,格子レンズ44を通
り、波長選択手段3およびビームスプリッタ13で反射
され、シリンドリカルレンズ14で非点収差を発生させ
て、焦点合わせ用のレンズ15を通過した後、光検出器
16で受光するように光学系が構成されている。
【0043】次に動作について説明する。
【0044】保護基板の厚みがT1の記録媒体6を再生
する場合には、レーザ光源1のレーザ光1aを用いる。
レーザ光1aは格子レンズ44による凸レンズ効果を持
つため、格子レンズ44の入射光より少し収束した出射
光となり、対物レンズ45に入射し集光される。その集
光されたスポット7が情報記録面6aに一致するように
対物レンズ45を光軸方向に移動する。保護基板の厚み
がT2の記録媒体6を再生する場合には、レーザ光源2
のレーザ光2aを用いる。レーザ光2aは格子レンズ4
4によるレンズ効果を持たないため、そのまま透過さ
れ、対物レンズ45により集光され、その集光されたス
ポット8が情報記録面6bに一致するように対物レンズ
45を光軸方向に移動する。
【0045】また、情報記録面に記録された記録情報の
再生方法,情報記録面に集光されたスポットの焦点を合
わせる方法,情報記録面上の所定のトラックに追従させ
る方法は、光ヘッド装置の第1の実施の形態と同様に行
われるため説明を省略する。
【0046】このようにしても、上記第1の実施形態と
同様の作用効果を奏することができる。
【0047】次に、本発明の光ヘッド装置の第3の実施
の形態について図5を参照して説明する。
【0048】レーザ光源51から出射されたレーザ光5
1aは、ビームスプリッタ9,偏光ビームスプリッタ5
3を透過し、偏光性格子レンズ54に入射する。レーザ
光源51と偏光方向が直交するレーザ光源52から出射
されたレーザ光52aは、ビームスプリッタ13を透過
し、偏光ビームスプリッタ53で反射されて偏光性格子
レンズ54に入射する。このとき、偏光性格子レンズ5
4はレーザ光源51の偏光に対してはレンズ効果を持た
ず、レーザ光源52の偏光に対しては凹レンズ効果を持
つように設計されている。そこで、レーザ光源51から
出射されたレーザ光51aおよびレーザ光源52から出
射されたレーザ光52aは、対物レンズ5により集光さ
れて、異なる2つのスポット7およびスポット8を発生
する。ここで、対物レンズ5は、レーザ光源51のスポ
ット7が記録媒体6の所定の情報記録面6a(保護基板
の厚みT1)上に発生するよう設計されており、偏光性
格子レンズ54は、レーザ光源2のスポット8が記録媒
体6の所定の情報記録面6b(保護基板の厚みT2)上
に発生するよう焦点距離が決定されている。
【0049】記録媒体6の情報記録面6aから反射した
情報信号光は、対物レンズ5,偏光性格子レンズ54,
偏光ビームスプリッタ53を通り、ビームスプリッタ9
で反射され、シリンドリカルレンズ10で非点収差を発
生させて、焦点合わせ用のレンズ11を通過した後、光
検出器12で受光する。また、記録媒体6の情報記録面
6bから反射した情報信号光は、対物レンズ5,偏光性
格子レンズ54を通り、偏光ビームスプリッタ53およ
びビームスプリッタ13で反射され、シリンドリカルレ
ンズ14で非点収差を発生させて、焦点合わせ用のレン
ズ15を通過した後、光検出器16で受光するように光
学系が構成されている。
【0050】次に、本実施形態の動作について説明す
る。
【0051】保護基板の厚みがT1の記録媒体6を再生
する場合には、レーザ光源51のレーザ光51aを用い
る。レーザ光51aは偏光性格子レンズ54によるレン
ズ効果を持たないため、そのまま透過され、対物レンズ
5により集光され、その集光されたスポット7が情報記
録面6aに一致するように対物レンズ5を光軸方向に移
動する。保護基板の厚みがT2の記録媒体6を再生する
場合には、レーザ光源52のレーザ光52aを用いる。
レーザ光52aは偏光性格子レンズ54による凹レンズ
効果を持つため、偏光性格子レンズ54の入射光より少
し発散した出射光となり、対物レンズ5に入射し集光さ
れる。その集光されたスポット8が情報記録面6bに一
致するように対物レンズ5を光軸方向に移動する。
【0052】また、情報記録面に記録された記録情報の
再生方法,情報記録面に集光されたスポットの焦点を合
わせる方法,情報記録面上の所定のトラックに追従させ
る方法は、光ヘッド装置の第1の実施の形態と同様に行
われるため説明を省略する。
【0053】なお、偏光性格子レンズを光ヘッド装置の
第2の実施の形態のように凸レンズとして構成すること
も可能であり、レーザ光源51とレーザ光源52の波長
を変えることも可能である。
【0054】本実施形態に採用される偏光性格子レンズ
の第1の構成と動作について図6(a)および図6
(b)を参照して説明する。
【0055】まず、偏光性格子レンズ64の構成につい
て説明する。偏光性格子レンズ64は、基板64a上に
位相差発生領域64bおよび位相補償膜64cを同心円
状に配した位相型回折格子である。輪帯状の位相差発生
領域64bおよび位相補償膜64cの半径は先の格子レ
ンズ4と同様に決定する。
【0056】基板64aおよび位相差発生領域64bに
は偏光によって屈折率が変化する複屈折性材料を用い
る。例えば、基板64aの材料をニオブ酸リチウム(L
iNbO3)とし、位相差発生領域64bをプロトン交
換によって生成することで位相差発生領域64bは偏光
によって屈折率の異なる領域となる。位相補償膜64c
は偏光による屈折率差が無い薄膜物質であることが望ま
しく、例えばフッ化マグネシウム(MgF2),二酸化
シリコン(SiO2),二酸化チタン(TiO2)など一
般的な薄膜物質で構成すればよい。
【0057】位相差発生領域64bおよび位相補償膜6
4cは、第一偏光に対し、基板64a及び位相差発生領
域64bを通過するレーザ光401の光学的光路長と基
板64a及び位相補償膜64cを通過するレーザ光40
2の光学的光路長との差が概略0ラジアンとなり、第一
偏光と直交する第二偏光に対し、基板64a及び位相差
発生領域64bを通過するレーザ光401の光学的光路
長と基板64a及び位相補償膜64cを通過するレーザ
光402の光学的光路長との差が0ラジアンより大きく
2πラジアンより小さい範囲となる様に厚さを決定し構
成する。
【0058】次に、偏光性格子レンズ64の動作につい
て説明する。偏光性格子レンズ64に入射するレーザ光
が、第一偏光の時には、基板64a,位相差発生領域6
4bを通過するレーザ光401と基板64a,位相補償
膜64cを通過するレーザ光402の光学的光路長の差
はほとんど無いため、位相型回折格子として働かず、透
明基板となる一方、第二偏光の時には、基板64a,位
相差発生領域64bを通過するレーザ光401と基板6
4a,位相補償膜64cを通過するレーザ光402に光
学的光路長の差が生じるため、位相型回折格子として働
きレンズ効果を有する。
【0059】上述した基板64および位相差発生領域6
4bおよび位相補償膜64cによる光学的光路長の差に
ついて、1波長以内(2πラジアン以内)の場合につい
て説明したが、2π×nラジアン:n=1,2,3.・
・・,n異なっていても同じ事である。また、第二偏光
について0次回折光の発生を極小にするためには、基板
64a及び位相差発生領域64bを通過するレーザ光4
01の光学的光路長と基板64a及び位相補償膜64c
を通過するレーザ光402の光学的光路長との差をπ+
2π×nラジアン:n=0,1,2,・・・nとなる様
に膜厚を決定すれば良い。さらに、第一偏光および第二
偏光の位相差が上述の条件を満たせば、位相補償膜64
cを削除することも可能である。
【0060】続いて、本実施形態に採用される偏光性格
子レンズの第2の構成と動作について図7(a)および
図7(b)を参照して説明する。
【0061】まず、偏光性格子レンズ74の構成につい
て説明する。偏光性格子レンズ74は、基板74a上に
位相差発生領域74bおよび位相補償膜74cを同心円
状に配した位相型回折格子であり、偏光性格子レンズ6
4の第1の構成における位相補償膜を位相差発生領域上
に配した形態である。
【0062】輪帯状の位相差発生領域74bおよび位相
補償膜74cの半径および材質は偏光性格子レンズ64
の第1の構成と同様に決定する。また、位相差発生領域
74bおよび位相補償膜74cの厚さは、第一偏光およ
び第一偏光と直交する第二偏光に対し、基板71a,位
相差発生領域74b及び位相補償膜74cを通過するレ
ーザ光401の光学的光路長と、基板74aを通過する
レーザ光402の光学的光路長との差を、偏光性格子レ
ンズ64の第1の構成と同様に決定し構成する。
【0063】次に、偏光性格子レンズ74の動作につい
て説明する。偏光性格子レンズ74に入射するレーザ光
が、第一偏光の時には、基板74a,位相差発生領域7
4b,位相補償膜74cを通過するレーザ光401と基
板74aを通過するレーザ光402の光学的光路長の差
はほとんど無い、あるいは2π×nラジアン:n=0,
1,2,・・・nずれているため、位相型回折格子とし
て働かず、透明基板となる。一方、第二偏光の時には、
基板74a,位相差発生領域74b,位相補償膜74c
を通過するレーザ光401と基板74aを通過するレー
ザ光402に光学的光路長の差が生じるため、位相型回
折格子として働きレンズ効果を有する。
【0064】このようにしても、上記各実施形態と同様
の作用効果を奏することができる。
【0065】次に、本発明にかかる光ヘッド装置の第4
の実施の形態について図8を参照して説明する。
【0066】レーザ光源1から出射されたレーザ光1a
は、波長選択手段3,ビームスプリッタ9を透過し、格
子レンズ84に入射する。レーザ光源1と波長が異なる
レーザ光源2から出射されたレーザ光2aは、波長選択
手段3で反射し、ビームスプリッタ9を透過して格子レ
ンズ84に入射する。このとき、格子レンズ84はレー
ザ光源1の波長に対してはレンズ効果を持たず、レーザ
光源2の波長に対しては凹レンズ効果を持つように設計
されている。そこで、レーザ光源1から出射されたレー
ザ光1aおよびレーザ光源2から出射されたレーザ光2
aは、対物レンズ5により集光されて、異なる2つのス
ポット7およびスポット8を発生する。ここで、対物レ
ンズ5は、レーザ光源1のスポット7が記録媒体6の所
定の情報記録面6a(保護基板の厚みT1)上に発生す
るよう設計されており、格子レンズ84は、レーザ光源
2のスポット8が記録媒体6の所定の情報記録面6b
(保護基板の厚みT2)上に発生し、且つ、レーザ光源
1から格子レンズ84までの光学的な距離とレーザ光源
2から格子レンズ84までの光学的な距離が概略等しく
なるように焦点距離が決定されている。
【0067】記録媒体6の情報記録面6aから反射した
情報信号光は、対物レンズ5,格子レンズ84を通り、
ビームスプリッタ9で反射され、シリンドリカルレンズ
10で非点収差を発生させて、焦点合わせ用のレンズ1
1を通過した後、光検出器17で受光する。また、記録
媒体6の情報記録面6bから反射した情報信号光も同様
に光検出器17で受光するように光学系が構成されてい
る。
【0068】次に、動作について説明する。
【0069】保護基板の厚みがT1の記録媒体6を再生
する場合には、レーザ光源1のレーザ光1aを用いる。
レーザ光1aは格子レンズ84によるレンズ効果を持た
ないため、そのまま透過され、対物レンズ5により集光
され、その集光されたスポット7が情報記録面6aに一
致するように対物レンズ5を光軸方向に移動する。保護
基板の厚みがT2の記録媒体6を再生する場合には、レ
ーザ光源2のレーザ光2aを用いる。レーザ光2aは格
子レンズ84による凹レンズ効果を持つため、格子レン
ズ84の入射光より少し発散した出射光となり、対物レ
ンズ5に入射し集光される。その集光されたスポット8
が情報記録面6bに一致するように対物レンズ5を光軸
方向に移動する。
【0070】また、情報記録面に記録された記録情報の
再生方法,情報記録面に集光されたスポットの焦点を合
わせる方法,情報記録面上の所定のトラックに追従させ
る方法は、光ヘッド装置の第1の実施の形態と同様に行
われるため説明を省略する。
【0071】この実施の形態においては、上記各実施形
態と同様の作用効果を奏することに加え、レーザ光源1
から格子レンズ84までの光学的な距離とレーザ光源2
から格子レンズ84までの光学的な距離とが等しくなる
ように格子レンズ84の焦点距離が決定されているた
め、情報記録面6aで反射したレーザ光源1のレーザ光
と情報記録面6bで反射したレーザ光源2のレーザ光の
収束位置が概略等しくなる。このため、光検出器が共通
化できるという効果を有する。さらに、光学系が簡略化
されるため、小型の光ヘッド装置が実現できるという効
果を有する。
【0072】ここで、本実施形態では、格子レンズ84
を波長型の凹レンズ作用を持つ格子レンズの例として記
載したが、偏光性格子レンズおよび凸レンズ作用を持つ
格子レンズにも適用可能である。
【0073】次に、本発明にかかる光ヘッド装置の第5
の実施の形態について図9を参照して説明する。
【0074】独立した発光点を持つマルチレーザ光源1
8から出射されたレーザ光18aは、ビームスプリッタ
9を通過し、格子レンズ84に入射する。レーザ光18
aと波長が異なるレーザ光18bは、ビームスプリッタ
9を透過して格子レンズ84に入射する。このとき、格
子レンズ84はレーザ光18aの波長に対してはレンズ
効果を持たず、レーザ光源18bの波長に対しては凹レ
ンズ効果を持つように設計されている。そこで、レーザ
光18aおよびレーザ光18bは、対物レンズ5により
集光されて、異なる2つのスポット7およびスポット8
を発生するここで、対物レンズ5は、レーザ光18aの
スポット7が記録媒体6の所定の情報記録面6a(保護
基板の厚みT1)上に発生するよう設計されており、格
子レンズ84は、レーザ光18bのスポット8が記録媒
体6の所定の情報記録面6b(保護基板の厚みT2)上
に発生するように焦点距離が決定されている。
【0075】記録媒体6の情報記録面6aから反射した
情報信号光は、対物レンズ5,格子レンズ84を通り、
ビームスプリッタ9で反射され、シリンドリカルレンズ
10で非点収差を発生させて、焦点合わせ用のレンズ1
1を通過した後、光検出器19で受光する。また、記録
媒体6の情報記録面6bから反射した情報信号光も同様
に光検出器19で受光するように光学系が構成されてい
る。
【0076】次に、動作について説明する。
【0077】保護基板の厚みがT1の記録媒体6を再生
する場合には、マルチレーザ光源18のレーザ光18a
を用いる。レーザ光18aは格子レンズ84によるレン
ズ効果を持たないため、そのまま透過され、対物レンズ
5により集光され、その集光されたスポット7が情報記
録面6aに一致するように対物レンズ5を光軸方向に移
動する。保護基板の厚みがT2の記録媒体6を再生する
場合には、マルチレーザ光源18のレーザ光18bを用
いる。レーザ光18bは格子レンズ84による凹レンズ
効果を持つため、格子レンズ84の入射光より少し発散
した出射光となり、対物レンズ5に入射し集光される。
その集光されたスポット8が情報記録面6bに一致する
ように対物レンズ5を光軸方向に移動する。また、情報
記録面に記録された記録情報の再生方法,情報記録面に
集光されたスポットの焦点を合わせる方法,情報記録面
上の所定のトラックに追従させる方法は、光ヘッド装置
の第1の実施の形態と同様に行われるため説明を省略す
る。
【0078】この光ヘッド装置においては、上記各実施
形態と同様の作用効果を奏することに加え、レーザ光源
および光検出器が1個となるため、光学系が簡略化さ
れ、小型の光ヘッド装置が実現できるという効果を有す
る。
【0079】ここで、この実施の形態では、格子レンズ
84を波長型の凹レンズ作用を持つ格子レンズの例とし
て記載したが、偏光性格子レンズおよび凸レンズ作用を
持つ格子レンズにも適用可能である。
【0080】次に、上記各実施形態において、格子レン
ズと対物レンズを一体可した構成例を図10に基づいて
説明する。
【0081】複合対物レンズ50は、上述した第1およ
び第2の構成による格子レンズ4,34あるいは第1お
よび第2の構成による偏光性格子レンズ64,74と対
物レンズを複合化したもので、複合対物レンズ50の基
材50a上に位相差発生領域50bおよび位相補償膜5
0cが形成された構成となっている。
【0082】この複合対物レンズ50を用いることによ
って、上記各実施形態の効果を維持しつつ、更に、格子
レンズの調整が不要になると共に、光ヘッド装置の小型
化が容易に行えるという効果を有する。
【0083】ここで、上述した種々の実施の形態は再生
専用の記録媒体、追記型の記録媒体、あるいは書換型の
記録媒体に用いられる全ての光ヘッド装置に対しても適
用可能である。
【0084】また、上述した光ヘッド装置の実施の形態
の例では、記録媒体に対するフォーカスエラー検出方
法,トラックエラー検出方法について一方法のみを例示
したが、他の公知のいずれの方法でも適用可能である。
【0085】さらにまた、上述した光ヘッド装置の実施
の形態の例では、有限系の対物レンズを用いた光学構成
について説明を行ったが、コリメートレンズを用いる無
限系の対物レンズを用いた光学構成についても適用可能
である。
【0086】
【発明の効果】本発明は、以上のように構成され機能す
るので、これによると、2つのレーザ光源と、所定の厚
さの保護基板を持つ記録媒体上に回折限界のレーザスポ
ットを集光する対物レンズと、厚さの異なる保護基板で
発生する球面収差を補正するレンズ効果を持つ位相型回
折格子で構成された格子レンズとを用い、2つのレーザ
光源を記録媒体の保護基板の厚さに応じて選択的に使用
することで、複数種類の厚さの保護基板を持つ記録媒体
に情報の記録・再生・消去を安定して行えるという効果
を有する。
【0087】さらに、2つのレーザ光源を記録媒体の保
護基板の厚さに応じて選択的に使用することで、2つの
レーザ光源に応じて格子レンズの回折効率を高められる
ため、レーザ光源の低出力化によるレーザ長寿命化,低
消費電力化という効果を有する。さらにまた、高出力の
レーザ出力が必要な情報の記録や消去を行う装置に適用
可能となるという効果も併せ持つ。
【0088】また、波長の異なる2つのレーザ光源を用
いた場合は、追記型コンパクトディスク(CD−R)の
ように波長依存性のある記録媒体と高密度記録媒体の記
録再生が可能になるという、従来にない優れた光ヘッド
装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による光ヘッド装置の光学系の第1の実
施の形態を示す構成図である。
【図2】図1の実施形態に採用される格子レンズの第1
の構成を示す構成図であって、(a)が正面図、(b)
がA−A断面図である。
【図3】図1の実施形態に採用される格子レンズの第2
の構成を示す構成図であって、(a)が正面図、(b)
がB−B断面図である。
【図4】本発明による光ヘッド装置の光学系の第2の実
施の形態を示す構成図である。
【図5】本発明による光ヘッド装置の光学系の第3の実
施の形態を示す構成図である。
【図6】図5の実施形態に適用される偏光性格子レンズ
の第1の構成を示す構成図であって、(a)が正面図、
(b)がC−C断面図である。
【図7】図5の実施形態に適用される偏光性格子レンズ
の第2の構成を示す構成図であって、(a)が正面図、
(b)がD−D断面図である。
【図8】本発明による光ヘッド装置の光学系の第4の実
施の形態を示す構成図である。
【図9】本発明による光ヘッド装置の光学系の第5の実
施の形態を示す構成図である。
【図10】格子レンズと対物レンズを一体化した構成例
を示す構成図であって、(a)が正面図、(b)がE−
E断面図である。
【図11】従来例の光ヘッド装置の光学系の構成図であ
る。
【符号の説明】
1,2 レーザ光源 1a,2a レーザ光 3 波長選択手段 4 格子レンズ 5 対物レンズ 6 記録媒体 6a,6b 情報記録面 7,8 スポット 9,13 ビームスプリッタ 10,14 シリンドリカルレンズ 11,15 レンズ 12,16 光検出器 17 光検出器 18 マルチレーザ光源 18a,18b レーザ光 19 光検出器 20 レーザ光源 20a レーザ光 20b 0次回折光 20c +1次回折光 21 ビームスプリッタ 22 ホログラムレンズ 23 対物レンズ 24 光検出器 34 格子レンズ 34a 基板 34b 位相膜 34c 位相補償膜 44 格子レンズ 45 対物レンズ 50 複合対物レンズ 50a 基材 50b 位相差発生領域 50c 位相補償膜 51,52 レーザ光源 51a,52a レーザ光 53 偏光ビームスプリッタ 54,64,74 偏光性格子レンズ 64a,74a 基板 64b,74b 位相差発生領域 64c,74c 位相補償膜 84 偏光性格子レンズ 401,402 レーザ光

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 厚さの異なる保護基板を持つ数種の記録
    媒体上に回折限界のレーザスポットを集光し、情報の記
    録・再生・消去を行う光ヘッド装置において、 2つのレーザ光源と、前記所定の厚さの保護基板を持つ
    記録媒体上に回折限界のレーザスポットを集光する対物
    レンズとを備え、前記2つのレーザ光源の発光点と前記
    記録媒体との間に位相型回折格子で構成される格子レン
    ズを有し、 前記格子レンズは、第1のレーザ光源に対してレンズ効
    果を持たず、第2のレーザ光源に対して他の所定の厚さ
    の保護基板で発生する球面収差を補正するレンズ効果を
    持つものであって、 前記対物レンズによって、前記第1のレーザ光源のレー
    ザ光を前記所定の厚さの保護基板を持つ記録媒体上に回
    折限界のレーザスポットとして集光することで情報の記
    録・再生・消去を行い、 前記対物レンズと前記格子レンズによって、前記第2の
    レーザ光源のレーザ光を前記他の所定の厚さの保護基板
    を持つ記録媒体上に回折限界のレーザスポットとして集
    光することで情報の記録・再生・消去を行うことを特徴
    とする光ヘッド装置。
  2. 【請求項2】 前記格子レンズは、波長によって屈折率
    の変化する材料で構成される位相型回折格子であること
    を特徴とする請求項1記載の光ヘッド装置。
  3. 【請求項3】 前記格子レンズは、偏光方向によって屈
    折率の変化する材料で構成される位相型回折格子である
    ことを特徴とする請求項1記載の光ヘッド装置。
  4. 【請求項4】 前記格子レンズの凹部と凸部の位相差
    が、前記第1のレーザ光源のレーザ光に対して概略0ラ
    ジアンあるいは概略2π×nラジアン(nは自然数)と
    なるように構成されたことを特徴とする請求項2又は3
    記載の光ヘッド装置。
  5. 【請求項5】 前記格子レンズの凹部と凸部の位相差
    が、前記第2のレーザ光源のレーザ光に対して概略πラ
    ジアンあるいは概略π+2π×nラジアン(nは自然
    数)となるように構成されたことを特徴とする請求項
    2,3又は4記載の光ヘッド装置。
  6. 【請求項6】 前記格子レンズから前記第1のレーザ光
    源の発光点位置までの光学的距離と、前記格子レンズか
    ら前記第2のレーザ光源の発光点位置までの光学的距離
    とが、概略等しいことを特徴とする請求項2,3,4又
    は5記載の光ヘッド装置。
  7. 【請求項7】 前記第1のレーザ光源と、前記第2のレ
    ーザ光源とが、一体構造をなすレーザ光源を具備するこ
    とを特徴とする請求項6記載の光ヘッド装置。
  8. 【請求項8】 前記格子レンズと前記対物レンズとが一
    体構造をなす複合対物レンズを具備することを特徴とす
    る請求項2,3,4,5,6又は7記載の光ヘッド装
    置。
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