JP2005050433A - 対物レンズ及び光ヘッド装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 それぞれ厚さの異なる第1の光ディスクと第2の光ディスクを記録又は再生するとき、軸上、軸外の収差とも良好に補正し、かつ樹脂成形時に転写不良となるのを回避して生産性を向上させることのできる対物レンズ及び光ヘッド装置を提供する。
【解決手段】 対物レンズにおいて、光軸により近い第1の輪帯状非球面11aが、光軸4からより遠い第2の輪帯状非球面12aよりも突き出ているとき、光軸4から第1の輪帯状非球面11aの外周までの距離と、光軸4から第2の輪帯状非球面12aの内周までの距離との差wが、0μmより大きく、20μm以下であるように設定し、段差部11を光軸に対して傾ける。
【選択図】 図2
【解決手段】 対物レンズにおいて、光軸により近い第1の輪帯状非球面11aが、光軸4からより遠い第2の輪帯状非球面12aよりも突き出ているとき、光軸4から第1の輪帯状非球面11aの外周までの距離と、光軸4から第2の輪帯状非球面12aの内周までの距離との差wが、0μmより大きく、20μm以下であるように設定し、段差部11を光軸に対して傾ける。
【選択図】 図2
Description
本発明は、保護用の透明基板厚さの異なる2つの光ディスク等の記録又は再生に適し、回折限界性能を有する対物レンズ及び光ヘッド装置に関する。
従来の対物レンズは、それぞれ厚さの異なる第1の光ディスクと第2の光ディスクを記録又は再生するために、第1の光ディスクの記録又は再生には第1の波長λ1の光源からの光を用い、第2の光ディスクの記録又は再生には第2の波長λ2の光源からの光を用いる場合、対物レンズの片面には、光軸を中心とする輪状の段差部を有する第1の位相シフタを設け、対物レンズの残る片面には、光軸を中心とする輪状の段差部を有する第2の位相シフタを設け、第1の位相シフタが、第1の波長の光に対して第1の光ディスクの記録又は再生時の収差を低減させる位相差を生じさせ、第2の位相シフタが、第2の波長の光に対して第2の光ディスクの記録又は再生時の収差を低減させる位相差を生じさせるようにしている。また、前記段差部は、光軸と平行にしているが、なだらかな傾斜があってもよいとしている。(例えば、特許文献1参照)。
特開2001‐344798号公報(第8頁から第19頁まで、図1、図5等)
しかしながら、従来の対物レンズにおいては、樹脂成形時に前記段差部の転写性を損なわずに成形時間を短縮する点についてさらに改善の余地がある。
例えば、特許文献1の対物レンズのように、前記段差部が光軸と平行である場合には、前記段差部において樹脂成形時の転写不良が生じると、所望の波面収差特性が得られず、また、前記段差部では光の散乱等により対物レンズの透過光量の損失が生じる。さらに、このような対物レンズを用いた光記録再生装置においては、ジッタ特性の劣化や光量不足が生じることとなる。ここで、前記段差部の転写不良を回避するために、樹脂成形の成形条件の1つである成形時間を充分にとると、生産性が低下するおそれがある。そこで、前記段差部の転写性を損なわずに成形時間を短縮することが望まれている。なお、特許文献1には、前記なだらかな傾斜をどのように形成するかについて、具体的に記載されていない。
本発明は、従来の問題を解決するためになされたもので、それぞれ厚さの異なる第1の光ディスクと第2の光ディスクを記録又は再生するとき、軸上、軸外の収差とも良好に補正し、かつ樹脂成形時に転写不良となるのを回避して生産性を向上させることのできる対物レンズ及び光ヘッド装置を提供することを目的とする。
本発明は、第1の光ディスクの記録又は再生時には、第1の光ディスクの情報記録面に対して第1の波長の光源からの光を集光させ、第2の光ディスクの記録又は再生時には、第2の光ディスクの情報記録面に対して第2の波長の光源からの光を集光させ、双方の光ディスクの情報記録面からの反射光を受光素子に受光させる光学系に用いる、両面に非球面を有する対物レンズであって、対物レンズの少なくとも片面には、光軸を中心とする輪帯状の輪帯状非球面を複数有し、隣り合う輪帯状非球面間には、光軸を中心とする輪状の段差部を有し、隣り合う2つの輪帯状非球面のうち、光軸により近い第1の輪帯状非球面が、光軸からより遠い第2の輪帯状非球面よりも突き出ているとき、第1の輪帯状非球面の外径に相当する、段差部の第1の径が、第2の輪帯状非球面の内径に相当する、段差部の第2の径よりも小さくなるようにして、段差部を光軸に対して傾け、段差部が、第1の波長の光に対して第1の光ディスクの記録又は再生時の収差を低減させる位相差を生じさせるか、又は第2の波長の光に対して第2の光ディスクの記録又は再生時の収差を低減させる位相差を生じさせるようにしたことを特徴とする対物レンズを提供する。
また、上記の対物レンズにおいて、光源からの光線は円錐状に広がっており、光線の円錐面に対し、第1の輪帯状非球面と第2の輪帯状非球面との段差部の面が平行になるようにした対物レンズを提供する。
また、上記の対物レンズにおいて、光軸から第1の輪帯状非球面の外周までの距離と、光軸から第2の輪帯状非球面の内周までの距離との差が、0μmより大きく、20μm以下であるように設定した対物レンズを提供する。
また、上記の対物レンズにおいて、隣り合う2つの輪帯状非球面のうち、光軸により近い第1の輪帯状非球面が、光軸からより遠い第2の輪帯状非球面よりもへこんでいるとき、第1の輪帯状非球面の外径に相当する、段差部の第1の径が、第2の輪帯状非球面の内径に相当する、段差部の第2の径よりも大きくなるようにして、段差部を光軸に対して傾けた対物レンズを提供する。
また、上記の対物レンズにおいて、光軸から第1の輪帯状非球面の外周までの距離と、光軸から第2の輪帯状非球面の内周までの距離との差が、0μmより大きく、20μm以下であるように設定した対物レンズを提供する。
さらに、第1の光ディスクの記録又は再生時には、第1の光ディスクの情報記録面に対して第1の波長の光源からの光を集光させ、第2の光ディスクの記録又は再生時には、第2の光ディスクの情報記録面に対して第2の波長の光源からの光を集光させ、双方の光ディスクの情報記録面からの反射光を受光素子に受光させる光ヘッド装置において、前記対物レンズに、上記のいずれかに記載の対物レンズを用いた光ヘッド装置を提供する。
本発明は、対物レンズに、段差を有する複数の輪帯状非球面を設け、隣り合う二つの輪帯状非球面のうち、光軸により近い第1の輪帯状非球面が、光軸からより遠い第2の輪帯状非球面よりも突き出ているとき、第1の輪帯状非球面の外径に相当する、段差部の第1の径が、第2の輪帯状非球面の内径に相当する、段差部の第2の径よりも小さくなるようにして、段差部を光軸に対して傾けることにより、段差部が光軸に対して平行である場合に比べ、それぞれ厚さの異なる第1の光ディスクと第2の光ディスクを記録又は再生するとき、軸上、軸外とも波面収差を良好に補正し、かつレンズ用の樹脂成形時に段差部が転写不良となるのを回避して生産性を向上させるという効果を有する対物レンズを提供することができる。
以下、本発明の実施形態に係る対物レンズ及びこれを用いた光ヘッド装置について、図面を用いて説明する。ここで、特に記載のない場合、距離、間隔、長さ、厚さ等、寸法の単位はmmとする。
前記対物レンズを図1に示す。図1は、光軸に平行で、かつ光軸を通る断面を示し、光軸に垂直な方向から見たものである。なお、図1中、左側が光源側、右側が光ディスク側である。前記対物レンズは、保護用の透明基板の厚さの異なる第1の光ディスクと第2の光ディスクに対する記録又は再生を行う光学系に用いられるものである。この光学系は、第1の光ディスクの記録又は再生を行うとき、第1の波長λ1の光源からの光を第1の光ディスクの情報記録面に集光させ、この情報記録面からの反射光を受光素子に受光させ、第2の光ディスクの記録又は再生を行うときには、第2の波長λ2の光源からの光を第2の光ディスクの情報記録面に集光させ、この情報記録面からの反射光を受光素子に受光させるように構成されている。
図1において、対物レンズ3の第1面(「光源側」の面に相当する)には、第1面の頂点を含む光源側頂点非球面11a(「非球面」に相当する)、光軸4を中心とする光源側輪帯状非球面12a〜16a(「輪帯状非球面」に相当する)、光軸4を中心とする輪状の段差部11〜15を有し、対物レンズ3の第2面(「光ディスク側」の面に相当する)には、第2面の頂点を含む光ディスク側頂点非球面21a(「非球面」に相当する)、光軸4を中心とする光ディスク側輪帯状非球面22a〜27a(「輪帯状非球面」に相当する)、光軸4を中心とする輪状の段差部21〜26を有している。なお、φ11〜φ15は、段差部11〜15の内側の径(直径)、φ16は、第1面の有効径(直径)、φ21〜φ26は、段差部21〜26の内側の径(直径)、φ27は、第2面の有効径(直径)、である。
このように、対物レンズ3の両面に段差を有する非球面を設け、位相差を持つように段差を設定しているのは、集光精度を向上させるためである。ここで、第1面の輪状の段差部11〜15は、第1の位相シフタを形成している。第1の位相シフタは、第2の波長λ2の光源からの光の位相をシフトさせるものである。ここで生じた位相差により、第2の光ディスクの記録又は再生時の収差が低減されるようにしている。さらに、第2面の輪状の段差部21〜26は、第2の位相シフタを形成している。第2の位相シフタは、第1の波長λ1の光源からの光の位相をシフトさせるものである。ここで生じた位相差により、第1の光ディスクの記録又は再生時の収差が低減されるようにしている。
なお、第1の位相シフタにおける輪状の段差部11〜15の寸法及び形状は、第1の波長λ1の光について生じる位相差が、距離に換算した場合に「0.9λ2〜1.1λ2」のi倍(i:自然数)となるように設定している。かつ、第2の位相シフタにおける輪状の段差部21〜26の寸法及び形状は、第2の波長λ2の光について生じる位相差が、距離に換算した場合に「0.9λ1〜1.1λ1」のj倍(j:自然数)となるように設定している。このように設定するためには、輪状の段差部11〜15が有する落差γ1と、第2の波長λ2と、第2の波長λ2の光を透過するときの対物レンズ3の素材の屈折率n2と、が次式(1)を満たし、かつ、輪状の段差部21〜26が有する落差γ2と、第1の波長λ1と、第1の波長λ1の光を透過するときの対物レンズ3の素材の屈折率n1と、が次式(2)を満たすことを要する。
さらに好ましくは、第1の位相シフタにおける輪状の段差部11〜15の寸法及び形状は、第1の波長λ1の光について生じる位相差が、距離に換算した場合に「(i−0.1)λ2〜(i+0.1)λ2」となるように設定し、かつ、第2の位相シフタにおける輪状の段差部21〜26の寸法及び形状は、第2の波長λ2の光について生じる位相差が、距離に換算した場合に「(j−0.1)λ1〜(j+0.1)λ1」となるように設定する。このように設定するためには、落差γ1と、第2の波長λ2と、屈折率n2と、が次式(3)を満たし、かつ、落差γ2と、第1の波長λ1と、屈折率n1と、が次式(4)を満たすことを要する。
ここで、「落差」とは、輪帯状非球面を後述の式(5)に従い、光軸4に向かって延長し、その延長線と光軸4の交点と、輪帯状非球面が設けられている対物レンズ3の面の頂点との間隔をいい、γ11等が相当する。この間隔は、光軸4に沿っている。
さらに、本実施形態では、対物レンズ3の第1面、第2面とも、光源側頂点非球面11a、光ディスク側頂点非球面21aとこれに隣接する光源側輪帯状非球面12a、光ディスク側輪帯状非球面22aとの境界の段差部11、21、隣接する輪帯状非球面同士の境界の段差部は、テーパ状に形成され、光軸4に対して傾いた形状となっている。ここでは、光源側の第1面について図2の(B)、(C)、図3の(C)に一例を示すが、光ディスク側の第2面についても、第1面に準じた構成を有するようにしているために図示及び説明を省略する。
図2は、対物レンズ3の光軸4に近い非球面が、光軸4からより遠い非球面よりも光源側(図中、左側)に突出している場合の段差部の形状を示す。ここでは、光源側頂点非球面11aが、これと隣り合う光源側輪帯状非球面12a(請求項1記載の「第2の輪帯状非球面」に相当する)よりも光源側に突出している場合を示している。境界間隔w(μm)は、光軸4から光源側頂点非球面11aの外周までの距離w1(μm)と、光軸4から光源側輪帯状非球面12aの内周までの距離w2(μm)との差を示す。ここで、光源側頂点非球面11aの径は、段差部11の光源側周縁の径(請求項1記載の「段差部の第1の径」に相当する)と同一であり、光源側輪帯状非球面12aの内径は、段差部11の光ディスク側周縁の径(請求項1記載の「段差部の第2の径」に相当する)と同一である。また、隣り合う光源側輪帯状非球面同士についての境界間隔w(μm)は、請求項3記載の「光軸から第1の輪帯状非球面の外周までの距離と、光軸から第2の輪帯状非球面の内周までの距離との差」に相当する。なお、光源側頂点非球面11aが、輪帯状非球面である場合は、これが請求項1記載の「第1の輪帯状非球面」に相当することとなる。
図2の(B)は、光源から入射する光線が円錐状に広がっており、この円錐面と段差部11の面とが平行となるように、境界間隔wの値を設定した場合を示す。この場合、段差部11は光軸4に対して傾いており、「境界間隔w≠0」となっている。以下、「入射光線」という場合は、円錐面を有する光線を意味する。図2の(C)は、(B)よりも更に境界間隔wの値を大きく設定した場合を示す。この場合、段差部11は光軸4に対して(B)よりも大きく傾いている。ここで、光源側頂点非球面11aの外周部に対する入射光線の入射角度を「α」とし、光源側輪帯状非球面12aと段差部11との傾斜角度の余角を「β」とすると、「α>β」という関係が成立している。また、図2の(B)では、「α=β」という関係が成立している。なお、図2の(A)は、段差部11の面が光軸4と平行な場合を示し、「境界間隔w=0」となっている。これに対し、本実施形態では、段差部11の形状を図2の(B)又は(C)のようにする。図2の(A)に比べ、段差部11の形状を図2の(B)又は(C)とすることにより、樹脂成形時に金型から対物レンズ3を離型し易く、転写不良による形状の乱れも低減する。このように形状の乱れが低減するので、対物レンズ3における波面収差を低減し、透過光量の損失を抑制できることとなる。
図3は、対物レンズ3の光軸4から遠い非球面が、光軸4により近い非球面よりも光源側(図中、左側)に突出している場合の段差部の形状を示す。ここでは、光源側輪帯状非球面15a(請求項4記載の「第1の輪帯状非球面」に相当する)が隣り合う光源側輪帯状非球面14a(請求項4記載の「第2の輪帯状非球面」に相当する)よりも光源側に突出している場合を示している。境界間隔w(μm)は、光軸4から光源側輪帯状非球面14aの外周までの距離w1(μm)と、光軸4から光源側輪帯状非球面15aの内周までの距離w2(μm)との差を示す。ここで、光源側輪帯状非球面15aの内径は、段差部14の光源側周縁の径(請求項4記載の「段差部の第2の径」に相当する)と同一であり、光源側輪帯状非球面14aの外径は、段差部14の光ディスク側周縁の径(請求項4記載の「段差部の第1の径」に相当する)と同一である。また、境界間隔w(μm)は、請求項5記載の「光軸から第1の輪帯状非球面の外周までの距離と、光軸から第2の輪帯状非球面の内周までの距離との差」に相当する。
図3の(B)は、段差部14と光軸4とが平行となるようにした場合を示す。この場合「境界間隔w=0」である。また、光源側輪帯状非球面15aの外周部に対する入射光線の円錐面と段差部14の面は平行となっていない。図3の(C)は、段差部14の面と光軸4とが非平行、かつ光源側輪帯状非球面15aの外周部に対する入射光線の円錐面と段差部14の面とが非平行、となるようにした場合を示す。ここで、光源側輪帯状非球面15aの外周部に対する入射光線の入射角度を「α′」とし、光源側輪帯状非球面14aと段差部14との傾斜角度の余角を「β′」とすると、「α′>β′」という関係が成立している。したがって、図3の(C)では、「境界間隔w≠0、かつα′>β′」となっている。なお、図3の(A)は、光源側輪帯状非球面15aの外周部に対する入射光線の円錐面と、段差部14の面とが平行となるようにした場合を示し、「境界間隔w≠0、かつα′=β′」となっている。この場合は、対物レンズ3における透過率の点からみて好ましい形状となるが、樹脂成形時に金型と対物レンズ3の離型が困難であり、仮に離型したとしても、光源側輪帯状非球面15aと段差部14とが交わる付近が変形し易い。これに対し、本実施形態では、段差部14の形状を図3の(B)又は(C)のようにする。図3の(A)に比べ、段差部14の形状を図3の(B)又は(C)とすることにより、樹脂成形時に金型と対物レンズ3の離型が容易で、転写不良による形状の乱れも低減する。このように形状の乱れが低減するので、対物レンズ3における波面収差を低減し、透過光量の損失を抑制できることとなる。特に、段差部14の形状を図3の(C)のようにすると、樹脂成形における離型時に光源側輪帯状非球面15a付近が変形することが回避され、対物レンズ3の離型がより容易となる。
なお、前述のように光ディスク側の第2面についても第1面に準じた構成を有しているので、光ディスク側頂点非球面21aと隣り合う光ディスク側輪帯状非球面22aとの段差部21、光ディスク側輪帯状非球面26aと隣り合う光ディスク側輪帯状非球面25aとの段差部25、を含む光ディスク側の各段差部についても第1面の段差部と同様の作用効果が得られるものである。
図4は、図1の対物レンズ3を用いた光ヘッド装置を示す。ここで、前記光ヘッド装置の光学系は、有限系の光学系である。
図4において、光ヘッド装置には、第1の波長λ1、第2の波長λ2の光を照射する光源1と、反射機能を有する光学媒体2と、光源1からの光を第1の光ディスク6、第2の光ディスク7の情報記録面に集光する対物レンズ3と、第1の光ディスク6と、第2の光ディスク7と、絞り9と、受光素子10と、を有している。さらに、第1の光ディスク6には、保護用の第1の透明基板6aと、第1の情報記録面6bと、を有し、第2の光ディスク7には、保護用の第2の透明基板7aと、第2の情報記録面7bと、を有している。
また、例えば、第1の光ディスク6がディジタルビデオディスク(以下「DVD」という)であり、第2の光ディスク7がコンパクトディスクレコーダブル(CD‐R)等のコンパクトディスク(以下「CD」という)である場合、光源1としては、DVD用に波長650nm(「第1の波長」に相当する)のレーザ光源等を用い、CD用に波長780nm(「第2の波長」に相当する)のレーザ光源等を用いるようにしている。なお、光源1の波長については、前述の波長650nm、780nmに限定されない。
また、光学媒体2とは、例えば、ビームスプリッタ、ハーフミラー、プリズム等である。なお、光学媒体2を設けず、光源1からの光が直接、対物レンズ3に照射されるようにしてもよい。また、光ディスク6、7の情報記録面6b、7bのデータを受光素子10に読み込む手段は、図4に示す手段に限定されない。
また、対物レンズ3は、光ディスク6、7からみて有限の距離範囲に位置する光源の光を情報記録面6b、7bに収束させるため、有限系のレンズで構成されている。なお、対物レンズ3は、無限系として設計され、有限系としても使用可能なレンズであってもよい。また、対物レンズ3の材料として合成樹脂を使用しているが、これに限定せず、ガラス等の他材料を用いもよい。
さらに、対物レンズ3は、第1の透明基板6aの厚さt1に対して、第1の波長λ1の光が第1の情報記録面6bに収束し、かつ、第2の透明基板7aの厚さt2に対して、第2の波長λ2の光が第2の情報記録面7bに収束するように最適化されている。換言すれば、対物レンズ3においては、第1の波長λ1、物像間距離(物体と像との距離)及び第1の透明基板6aの厚さt1に対して収差が適正に補正されており、対物レンズ3を含む光学系の収差特性は、第1の波長λ1の光を用いて第1の光ディスク6の記録又は再生を行うとき、軸外、軸上ともに最適化されている。かつ、対物レンズ3においては、第2の波長λ2、物像間距離及び第2の透明基板7aの厚さt2に対して収差が適正に補正されており、対物レンズ3を含む光学系の収差特性は、第2の波長λ2の光を用いて第2の光ディスク7の記録又は再生を行うとき、軸外、軸上ともに最適化されている。
また、絞り9は、開口数(NA)を変化させる機能を有する。この機能により、第1の光ディスク6の記録又は再生時に使用される開口数(NA1)と、第2の光ディスク7の記録又は再生時に使用される開口数(NA2)とが異なる場合に、開口数を適宜、変更するようにしている。なお、絞り9として、機械的絞り、光学的絞りのいずれを用いてもよく、特に限定しない。
以上のように構成された光ヘッド装置において、光源1からの第1の波長λ1の光は、順に光学媒体2、対物レンズ3を介して第1の情報記録面6bに導かれ、収束する。また、光源1からの第2の波長λ2の光は、順に光学媒体2、対物レンズ3を介して第2の情報記録面7bに導かれ、収束する。ここで、第1の情報記録面6bによって反射された第1の波長λ1の光と、第2の情報記録面7bによって反射された第2の波長λ2の光とは、共に入射してきた光路を戻り、光学媒体2によって反射され、受光素子10に受光される。
なお、本実施形態に係る光ヘッド装置では、第1の波長λ1の光に対して、対物レンズ3の片面の頂点を含む面の非球面(例えば、「光源側頂点非球面11a」に相当する)と、対物レンズ3の残る片面の頂点を含む面の非球面(例えば、「光ディスク側頂点非球面21a」に相当する)との組合せが、第1の光ディスク6の情報記録面6bのデータを記録又は再生する場合に、像高0.05mmにおける軸外コマ収差がRMS値で0.03λ1以下となるように設定され、かつ、第2の波長λ2の光に対して、対物レンズ3の片面の頂点を含む面の非球面(例えば、「光源側頂点非球面11a」に相当する)と、対物レンズ3の残る片面の頂点を含む面の非球面(例えば、「光ディスク側頂点非球面21a」に相当する)との組合せが、第2の光ディスク7の情報記録面7bのデータを記録又は再生する場合に、像高0.05mmにおける軸外コマ収差がRMS値で0.03λ2以下となるように設定されることが好ましい。
さらに、本実施形態に係る光ヘッド装置では、第1の波長λ1の光に対して、対物レンズ3の片面の各輪帯状非球面(例えば、「光源側輪帯状非球面12a、13a、14a、15a、16a」に相当する)と、対物レンズ3の残る片面の頂点を含む面の非球面(例えば、「光ディスク側頂点非球面21a」に相当する)との組合せが、第1の光ディスク6の情報記録面6bのデータを記録又は再生する場合に、像高0.05mmにおける軸外コマ収差がRMS値で0.03λ1以下となるように設定され、かつ、第2の波長λ2の光に対して、対物レンズ3の片面の頂点を含む面の非球面(例えば、「光源側頂点非球面11a」に相当する)と、対物レンズ3の残る片面の各輪帯状非球面(例えば、「光ディスク側輪帯状非球面22a、23a、24a、25a、26a、27a」に相当する)との組合せが、第2の光ディスク7の情報記録面7bのデータを記録又は再生する場合に、像高0.05mmにおける軸外コマ収差がRMS値で0.03λ2以下となるように設定されることがより好ましい。
このように設定することで、像高0.05mmにおける軸外コマ収差がRMS値で0.03λ以下となった場合は、0.03λ超の場合に比べ、光源1、対物レンズ3又は光ディスク6、7の、光軸4からの傾き又は軸ずれに対する許容範囲が0.1%以上拡大する。
前述した実施形態では、両面に非球面を有する対物レンズ3に、光軸を中心とする輪帯状非球面(「光軸側輪帯状非球面」、「光ディスク側輪帯状非球面」に相当する)、及び光軸を中心とする輪状の段差部を有し、例えば、第1面で光軸により近い光軸側輪帯状非球面11a(請求項1記載の「第1の輪帯状非球面」に相当する)が、光軸からより遠い光軸側輪帯状非球面12a(請求項1記載の「第2の輪帯状非球面」に相当する)よりも突き出ているとき、光軸側輪帯状非球面11aの外径に相当する、段差部11の第1の径が、光軸側輪帯状非球面12aの内径に相当する、段差部11の第2の径よりも小さくなるようにして、段差部11を光軸4に対して傾け、段差部11が、第1の波長λ1の光に対して第1の光ディスク6の記録又は再生時の収差を低減させる位相差を生じさせるか、又は第2の波長λ2の光に対して第2の光ディスク7の記録又は再生時の収差を低減させる位相差を生じさせるようにしたので、特に輪帯状非球面間の段差部における樹脂成形時の転写性を向上させ、かつ対物レンズ3における波面収差を低減し、透過光量の損失を抑制できる。なお、頂点非球面(「光源側頂点非球面」、「光ディスク側頂点非球面」に相当する)と、これに隣り合う輪帯状非球面との段差部についても、前述のように傾斜させることにより、樹脂成形時の転写性をさらに向上させることとなる。
また、前述した実施形態では、光源1からの入射光線の円錐面に対し、例えば、段差部11面が平行になるようにしたので、前述のように樹脂成形時の転写性を向上させ、かつ対物レンズ3における波面収差を低減し、反射、散乱による透過光量の損失を抑制できる。
また、前述した実施形態では、例えば、段差部11における境界間隔w(請求項1記載の「光軸から第1の輪帯状非球面の外周までの距離と、光軸から第2の輪帯状非球面の内周までの距離との差」に相当する)が、0μmより大きく、20μm以下であるように設定したので、後述の実施例に示すように、段差部を光軸4に対して傾けて樹脂成形時の転写性を向上させるようにしても、対物レンズ3における波面収差を低減し、透過光量の損失を許容範囲内に留めることができる。
また、前述した実施形態では、例えば、第1面で光軸4により近い光源側輪帯状非球面14a(請求項4記載の「第1の輪帯状非球面」に相当する)が、光軸4からより遠い光源側輪帯状非球面15a(請求項4記載の「第2の輪帯状非球面」に相当する)よりもへこんでいるとき、光源側輪帯状非球面14aの外径に相当する、段差部14の第1の径が、光源側輪帯状非球面15aの内径に相当する、段差部14の第2の径よりも大きくなるようにして、段差部14を光軸4に対して傾けたので、特に輪帯状非球面間の段差部における樹脂成形時の転写性を向上させ、かつ対物レンズ3における波面収差を低減し、透過光量の損失を抑制できる。
また、前述した実施形態では、例えば、段差部14における境界間隔w(請求項5記載の「光軸から第1の輪帯状非球面の外周までの距離と、光軸から第2の輪帯状非球面の内周までの距離との差」に相当する)が、0μmより大きく、20μm以下であるように設定したので、後述の実施例に示すように、段差部を光軸4に対して傾けて樹脂成形時の転写性を向上させるようにしても、対物レンズ3における波面収差を低減し、透過光量の損失を許容範囲内に留めることができる。
本実施例は、第1の光ディスク6として、保護用の第1の透明基板6aの厚さt1=0.60mmのDVDを用い、第2の光ディスク7として、保護用の第2の透明基板7aの厚さt2=1.20mmのCDを用い、これらの光ディスクの記録又は再生を有限系の光ヘッド装置(図4に示す)で行う場合を示す。ここでは、光源1として、DVDの記録又は再生には波長650nm(「第1の波長λ1」に相当する)のレーザ光源を用い、CDの記録又は再生には波長780nm(「第2の波長λ2」に相当する)のレーザ光源を用いた。光学媒体2としては、厚さ3mm、材料がホウケイ酸クラウンガラス(BK)であるビームスプリッタを用いた。また、DVDの保護用の透明基板は、波長650nmでの屈折率が1.580であり、CDの保護用の透明基板は、波長780nmでの屈折率が1.573であるように設計した。なお、前記光ヘッド装置の光学系において有限系の対物レンズ3(図1に示す)を用いた。
また、対物レンズ3の形状及び寸法は、前述の式(1)、(2)、及び次式(5)により決定した。ここで、iは「2、4、6、8」であり、jは「1、2」であり、hは「光軸からの高さ」であり、zjは「第j面の非球面の頂点の接平面からその非球面上の高さhの点までの距離」であり、rj、kj、ai,jは「第j面の各係数」である。
本実施例では、対物レンズ3の光源側面(第1面)に7つの輪帯状非球面を有し、対物レンズ3の光ディスク側面(第2面)に6つの輪帯状非球面を有するようにした。前記7つの輪帯状非球面による位相補正により、CDの記録又は再生を行うときの光軸上の球面収差特性を補正し、前記6つの輪帯状非球面による位相補正により、DVDの記録又は再生を行うときの光軸上の球面収差特性を補正するようにした。また、対物レンズ3は、CD用、DVD用とも軸外コマ収差が適正となるようにした。
ここで、本実施形態の対物レンズ及び光ヘッド装置の基本仕様を表1に示す。
表1の上段において、f1は、波長650nmにおける対物レンズの焦点距離、f2は、波長780nmにおける対物レンズの焦点距離、d1は、対物レンズの中心厚、n1は、波長650nmにおける対物レンズの屈折率、n2は、波長780nmにおける対物レンズの屈折率、である。表1の下段において、P1は、波長650nmにおける、対物レンズの第2面と第1の光ディスクの対物レンズ側の面との距離(作動距離)、P2は、波長780nmにおける、対物レンズの第2面と第2の光ディスクの対物レンズ側の面との距離(作動距離)、である。
次いで、本実施例の対物レンズの光源側の非球面を決定する諸係数を表2に示す。ここでは、対物レンズの光源側面の頂点を含む非球面を光源側頂点非球面と称し、この光源側頂点非球面に最も近い輪帯状非球面を第1の光源側輪帯状非球面と称し、対物レンズの外周に向かって、第2の光源側輪帯状非球面、第3の光源側輪帯状非球面、・・・、のように順に称する。
表2において、左上段に光源側頂点非球面の諸係数を示し、右上段に第1の光源側輪帯状非球面の諸係数を示し、左中上段に第2の光源側輪帯状非球面の諸係数を示し、右中上段に第3の光源側輪帯状非球面の諸係数を示し、左中下段に第4の光源側輪帯状非球面の諸係数を示し、右中下段に第5の光源側輪帯状非球面の諸係数を示し、左下段に第6の光源側輪帯状非球面の諸係数を示す。なお、「E−m」(m:自然数)は、「10−m」を意味する。
次いで、本実施例の対物レンズの光ディスク側の非球面を決定する諸係数を表3に示す。ここでは、対物レンズの光ディスク側面の頂点を含む非球面を光ディスク側頂点非球面と称し、この光ディスク側頂点非球面に最も近い輪帯状非球面を第1の光ディスク側輪帯状非球面と称し、対物レンズの外周に向かって、第2の光ディスク側輪帯状非球面、第3の光ディスク側輪帯状非球面、・・・、のように順に称する。
表3において、左上段に光ディスク側頂点非球面の諸係数を示し、右上段に第1の光ディスク側輪帯状非球面の諸係数を示し、左中段に第2の光ディスク側輪帯状非球面の諸係数を示し、右中段に第3の光ディスク側輪帯状非球面の諸係数を示し、左下段に第4の光ディスク側輪帯状非球面の諸係数を示し、右下段に第5の光ディスク側輪帯状非球面の諸係数を示す。なお、「E−m」(m:自然数)は、「10−m」を意味する。
次いで、本実施例の対物レンズの光源側の面の落差を表4に示す。ここでは、各光源側輪帯状非球面は光源側頂点より光ディスク側に向かって設けられている。
次いで、本実施例の対物レンズの光ディスク側の面の落差を表5に示す。ここでは、各光ディスク側輪帯状非球面は光ディスク側頂点より光源側に向かって設けられている。
次いで、本実施例の対物レンズの非球面の外周の直径を表6に示す。
本実施例では、対物レンズの仕様を表1〜表6に従って決定するとともに、前述した境界間隔wが20μmとなるように設定し、樹脂を射出成形して前記対物レンズを作製した。ここで、境界間隔w(μm)とは、光源側においては、「光軸から光源側頂点非球面の外周までの距離と、光軸から第1の光源側輪帯状非球面の内周までの距離との差」、「光軸から第1の光源側輪帯状非球面の外周までの距離と、光軸から第2の光源側輪帯状非球面の内周までの距離との差」、「光軸から第2の光源側輪帯状非球面の外周までの距離と、光軸から第3の光源側輪帯状非球面の内周までの距離との差」、「光軸から第3の光源側輪帯状非球面の外周までの距離と、光軸から第4の光源側輪帯状非球面の内周までの距離との差」、「光軸から第4の光源側輪帯状非球面の外周までの距離と、光軸から第5の光源側輪帯状非球面の内周までの距離との差」、「光軸から第5の光源側輪帯状非球面の外周までの距離と、光軸から第6の光源側輪帯状非球面の内周までの距離との差」である。また、光ディスク側においては、「光軸から光ディスク側頂点非球面の外周までの距離と、光軸から第1の光ディスク側輪帯状非球面の内周までの距離との差」、「光軸から第1の光ディスク側輪帯状非球面の外周までの距離と、光軸から第2の光ディスク側輪帯状非球面の内周までの距離との差」、「光軸から第2の光ディスク側輪帯状非球面の外周までの距離と、光軸から第3の光ディスク側輪帯状非球面の内周までの距離との差」、「光軸から第3の光ディスク側輪帯状非球面の外周までの距離と、光軸から第4の光ディスク側輪帯状非球面の内周までの距離との差」、「光軸から第4の光ディスク側輪帯状非球面の外周までの距離と、光軸から第5の光ディスク側輪帯状非球面の内周までの距離との差」である。境界間隔wを20μmとすることにより、対物レンズの段差部が光軸4に対してなだらかに傾くようにした。
ここで、本実施例の対物レンズ3を有する光学系の軸外波面収差特性と、対物レンズの段差部を光軸4に対して平行にした場合の光学系の軸外波面収差特性とを、RMS(root mean square)値で示す。なお、図5には対物レンズ3の段差部を光軸4に対して平行にした場合のDVD用光学系のRMS波面収差を示す。図6には本実施例のDVD用光学系のRMS波面収差を示す。図7には対物レンズ3の段差部を光軸4に対して平行にした場合のCD用光学系のRMS波面収差を示す。図8には本実施例のCD用光学系のRMS波面収差を示す。図5〜図8により、像高0.05mmでの軸外コマ収差(点線で示す)がいずれも0.03λ以下に抑えられていることがわかる。
本実施例によれば、前述のように対物レンズ3の段差部を光軸4に対してなだらかに傾け、樹脂成形時の転写性を向上させるようにして、波面収差を低減し、透過光量の損失を許容範囲内に留めることができる。すなわち、本実施例によれば、前記段差部を光軸4に対して平行にした場合に比べ、軸上、軸外とも波面収差を低減し、透過光量の損失を抑制しながら、前記段差部の境界部分の転写性を維持し、生産性を向上させることができる。本実施例の対物レンズ3を有する光ヘッド装置は、光ディスク等の光情報記録媒体を良好に記録又は再生できる。
なお、前述の実施例では境界間隔wを20μmとした場合について説明したが、本発明はこのほかに、「0μm<w≦20μm」としても同様の効果が得られた。よって、境界間隔wを「0μm<w≦20μm」の範囲とすることが好ましい。なお、境界間隔wを「0μm<w≦10μm」とした場合には、「0μm<w≦20μm」とした場合に比べ、さらに波面収差を低減し、透過光量の損失を抑えることができた。これに対し、「20μm<w≦30μm」とした場合には、対物レンズ3における透過光量の損失が著しく、光ヘッド装置の記録又は再生には好ましくないことが判明した。
また、前述の実施例では有限系の光ヘッド装置の対物レンズについて説明したが、本発明はこのほかに、無限系の光ヘッド装置の対物レンズに適用しても同様の効果が得られた。
また、前述した実施例では対物レンズ3の形状及び寸法を、式(1)、(2)、(5)により決定した場合について説明したが、本発明はこのほかに、対物レンズ3の形状及び寸法を、式(3)、(4)、(5)により決定しても同様の効果が得られた。
以上のように、本発明に係る対物レンズは、この対物レンズに設けた段差部が光軸に対して平行である場合に比べ、それぞれ厚さの異なる第1の光ディスクと第2の光ディスクを記録又は再生するとき、軸上、軸外とも波面収差を良好に補正し、かつレンズ用の樹脂成形時に前記境界部分が転写不良となるのを回避して生産性を向上させるという効果を有し、CD、DVD等の光ディスクの記録又は再生に用いられ、回折限界性能を有する対物レンズ、及びこれを備えた光ヘッド装置等として有用である。
3 対物レンズ
11 段差部
11a 光源側頂点非球面
12a、13a、14a、15a、16a 光源側輪帯状非球面
21a 光ディスク側頂点非球面
22a、23a、24a、25a、26a、27a 光ディスク側輪帯状非球面
γ11 落差
w 境界間隔
11 段差部
11a 光源側頂点非球面
12a、13a、14a、15a、16a 光源側輪帯状非球面
21a 光ディスク側頂点非球面
22a、23a、24a、25a、26a、27a 光ディスク側輪帯状非球面
γ11 落差
w 境界間隔
Claims (6)
- 第1の光ディスクの記録又は再生時には、第1の光ディスクの情報記録面に対して第1の波長の光源からの光を集光させ、第2の光ディスクの記録又は再生時には、第2の光ディスクの情報記録面に対して第2の波長の光源からの光を集光させ、双方の光ディスクの情報記録面からの反射光を受光素子に受光させる光学系に用いる、両面に非球面を有する対物レンズであって、
対物レンズの少なくとも片面には、光軸を中心とする輪帯状の輪帯状非球面を複数有し、隣り合う輪帯状非球面間には、光軸を中心とする輪状の段差部を有し、隣り合う2つの輪帯状非球面のうち、光軸により近い第1の輪帯状非球面が、光軸からより遠い第2の輪帯状非球面よりも突き出ているとき、第1の輪帯状非球面の外径に相当する、段差部の第1の径が、第2の輪帯状非球面の内径に相当する、段差部の第2の径よりも小さくなるようにして、段差部を光軸に対して傾け、
段差部が、第1の波長の光に対して第1の光ディスクの記録又は再生時の収差を低減させる位相差を生じさせるか、又は第2の波長の光に対して第2の光ディスクの記録又は再生時の収差を低減させる位相差を生じさせるようにしたことを特徴とする対物レンズ。 - 請求項1に記載の対物レンズにおいて、
光源からの光線は円錐状に広がっており、光線の円錐面に対し、第1の輪帯状非球面と第2の輪帯状非球面との段差部の面が平行になるようにした対物レンズ。 - 請求項1又は2に記載の対物レンズにおいて、
光軸から第1の輪帯状非球面の外周までの距離と、光軸から第2の輪帯状非球面の内周までの距離との差が、0μmより大きく、20μm以下であるように設定した対物レンズ。 - 請求項1から3のいずれか1項に記載の対物レンズにおいて、
隣り合う二つの輪帯状非球面のうち、光軸により近い第1の輪帯状非球面が、光軸からより遠い第2の輪帯状非球面よりもへこんでいるとき、第1の輪帯状非球面の外径に相当する、段差部の第1の径が、第2の輪帯状非球面の内径に相当する、段差部の第2の径よりも大きくなるようにして、段差部を光軸に対して傾けた対物レンズ。 - 請求項4に記載の対物レンズにおいて、
光軸から第1の輪帯状非球面の外周までの距離と、光軸から第2の輪帯状非球面の内周までの距離との差が、0μmより大きく、20μm以下であるように設定した対物レンズ。 - 第1の光ディスクの記録又は再生時には、第1の光ディスクの情報記録面に対して第1の波長の光源からの光を集光させ、第2の光ディスクの記録又は再生時には、第2の光ディスクの情報記録面に対して第2の波長の光源からの光を集光させ、双方の光ディスクの情報記録面からの反射光を受光素子に受光させる光ヘッド装置において、
前記対物レンズに、請求項1から5のいずれか1項に記載の対物レンズを用いた光ヘッド装置。
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JP2003281955A JP2005050433A (ja) | 2003-07-29 | 2003-07-29 | 対物レンズ及び光ヘッド装置 |
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JP2003281955A JP2005050433A (ja) | 2003-07-29 | 2003-07-29 | 対物レンズ及び光ヘッド装置 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2011033785A1 (ja) * | 2009-09-17 | 2011-03-24 | パナソニック株式会社 | 光学素子及びそれを用いた光ピックアップ装置 |
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-
2003
- 2003-07-29 JP JP2003281955A patent/JP2005050433A/ja active Pending
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