JP5602383B2 - 固形描画材およびそれを用いた描画方法 - Google Patents
固形描画材およびそれを用いた描画方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5602383B2 JP5602383B2 JP2009096683A JP2009096683A JP5602383B2 JP 5602383 B2 JP5602383 B2 JP 5602383B2 JP 2009096683 A JP2009096683 A JP 2009096683A JP 2009096683 A JP2009096683 A JP 2009096683A JP 5602383 B2 JP5602383 B2 JP 5602383B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- gel
- forming agent
- microcapsule
- microcapsules
- solid
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)
Description
すなわち、本発明は、
「1.少なくともマイクロカプセルとゲル形成剤と溶媒からなる固形描画材であって、前記ゲル形成剤が、炭素原子8〜36個有する脂肪族カルボン酸の金属塩である水性のゲル形成剤、または、脂肪酸類、アミド類から選ばれる油性のゲル形成剤であり、少なくとも前記ゲル形成剤と溶媒とでゲル状態の賦形材を形成し、前記マイクロカプセルが機能性材料を内包してなり、その平均粒径が1〜800μmであり、該マイクロカプセルが、前記賦形材中に分散され、かつ描画する際に破壊されることのない強度を有することを特徴とする固形描画材。
2.ゲル形成剤が水性のゲル形成剤であり、溶媒が水であることを特徴とする、第1項に記載の固形描画材。
3.マイクロカプセルとゲル形成剤と溶媒を含む固形描画材を用いた描画方法であって、前記ゲル形成剤が、炭素原子8〜36個有する脂肪族カルボン酸の金属塩である水性のゲル形成剤、または、脂肪酸類、アミド類から選ばれる油性のゲル形成剤であり、少なくとも前記ゲル形成剤と溶媒とでゲル状態の賦形材を形成し、該賦形材中に機能性材料を内包してなり、その平均粒径が1〜800μmであるマイクロカプセルを分散した固形描画材を用いて描画する際に、固形描画材がチクソトロピック現象を発現することにより、前記マイクロカプセルが破壊を起こさずに描画可能となるよう、賦形材のゲル強度とマイクロカプセル強度を制御することを特徴とする、固形描画材を用いた描画方法。」に関する。
(マイクロカプセルの製造)
実施例1
製造例1で製造したマイクロカプセル 6質量部
パルミチン酸ナトリウム(ゲル形成剤) 20質量部
グリセリン(保湿剤) 23質量部
イオン交換水(溶媒) 37質量部
上記成分を85℃にて加熱混合し、得られたゾル状の液状物を内径8mmの型に流し込んだ後、室温まで冷却し、ゲル状態の固形物を得た。この円筒状のゲル状態の固形物を型より取り出し、外径8mmで長さ40mmのパルミチン酸ナトリウムとイオン交換水とでゲル状態の賦形材を形成し、該賦形材中にマイクロカプセルが分散された固形描画材を得た。この固形描画材をマイクロスコープ(250倍)にて観察したところ、固形描画材中にマイクロカプセルが破壊されることなく分散されていることが確認できた。
製造例2で製造したマイクロカプセル 6質量部
ステアリン酸ナトリウム(ゲル形成剤) 18質量部
グリセリン(保湿剤) 23質量部
イオン交換水 (溶媒) 37質量部
上記成分を90℃にて加熱混合し、得られたゾル状の液状物を内径8mmの型に流し込んだ後、室温まで冷却し、ゲル状態の固形物を得た。この円筒状のゲル状態の固形物を型より取り出し、外径8mmで長さ40mmのステアリン酸ナトリウムとイオン交換水とでゲル状態の賦形材を形成し、該賦形材中にマイクロカプセルが分散された固形描画材を得た。この固形描画材をマイクロスコープ(250倍)にて観察したところ、固形描画材中にマイクロカプセルが破壊されることなく分散されていることが確認できた。
製造例3で製造したマイクロカプセル 6質量部
12−ヒドロキシステアリン酸(ゲル形成剤) 15質量部
カルバナワックス 15質量部
ポリプロピレングリコール 15質量部
(旭硝子(株)社製 エクセノール1020 溶媒)
上記成分を95℃にて加熱混合し、得られたゾル状の液状物を内径8mmの型に流し込んだ後、室温まで冷却し、ゲル状態の固形物を得た。この円筒状のゲル状態の固形物を型より取り出し、外径8mmで長さ40mmの12−ヒドロキシステアリン酸とポリプロピレングリコールとでゲル状態の賦形材を形成し、該賦形材中にマイクロカプセルが分散された固形描画材を得た。この固形描画材をマイクロスコープ(250倍)にて観察したところ、固形描画材中にマイクロカプセルが破壊されることなく分散されていることが確認できた。
製造例4で製造したマイクロカプセル 6質量部
N−ヒドロキシエチル−12−ヒドロキシステアリン酸アミド 15質量部
(伊藤製油(株)社製 ITOHWAXJ−420 ゲル形成剤)
カルバナワックス 15質量部
ポリブテン(新日本石油(株)製 日石ポリブテンLV−50 溶媒)15質量部
上記成分を90℃にて加熱混合し、得られたゾル状の液状物を内径8mmの型に流し込んだ後、室温まで冷却し、ゲル状態の固形物を得た。この円筒状のゲル状態の固形物を型より取り出し、外径8mmで長さ40mmのN−ヒドロキシエチル−12−ヒドロキシステアリン酸アミドとポリブテンとでゲル状態の賦形材を形成し、該賦形材中にマイクロカプセルが分散された固形描画材を得た。この固形描画材をマイクロスコープ(250倍)にて観察したところ、固形描画材中にマイクロカプセルが破壊されることなく分散されていることが確認できた。
実施例1〜4で得た固形描画材を用い、上質紙に手書きによる描画を行った。その際、該固形描画材は、賦形材のゲル強度とマイクロカプセル強度を制御したものであり、固形描画材がチクソトロピック現象を発現し、マイクロカプセルを破壊しないように描画することができた。
また、描画後1週間経時した描画物に描画圧より高い擦過圧を指で加えてマイクロカプセルを破壊し、中の香料を出し、香料の香りを発現させることができた。
すなわち、ゲル形成剤と溶媒とでゲル状態の賦形材を形成し、該賦形材中にマイクロカプセルを分散した固形描画材を用いて描画する際に、固形描画材がチクソトロピック現象を発現することにより、前記マイクロカプセルが破壊を起こさずに描画可能となるよう、賦形材ゲル強度とマイクロカプセル強度を制御した、固形描画材を用いた描画方法を達成することができた。
比較例1
製造例1で製造したマイクロカプセル 6質量部
パラフィンワックス 15質量部
(日本精蝋(株)社製 パラフィンワックス135°F 賦形材)
流動パラフィン 25質量部
上記成分を90℃にて加熱混合し、得られた液状物を内径8mmの型に流し込み、冷却固化をした。この円筒状の固形物を型より取り出し、外径8mmで長さ40mmの固形描画材を得た。この固形描画材をマイクロスコープ(250倍)にて観察したところ、固形描画材中にマイクロカプセルが破壊されることなく分散されていることが確認できた。
製造例2で製造したマイクロカプセル 6質量部
パラフィンワックス 15質量部
(日本精蝋(株)社製 パラフィンワックス135°F 賦形材)
流動パラフィン 25質量部
上記成分を90℃にて加熱混合し、得られた液状物を内径8mmの型に流し込み、冷却固化をした。この円筒状の固形物を型より取り出し、外径8mmで長さ40mmの固形描画材を得た。この固形描画材をマイクロスコープ(250倍)にて観察したところ、固形描画材中でマイクロカプセルの形状を保っておらず、マイクロカプセル中の材料とパラフィンワックス、流動パラフィンが一部相溶状態にあり、マイクロカプセル材料がマイクロカプセル外に流出していることが確認された。
製造例3で製造したマイクロカプセル 6質量部
低密度ポリエチレン 10質量部
(住友化学(株)社製 スミカセンG801 賦形材)
パラフィンワックス 15質量部
(日本精蝋(株)社製 パラフィンワックス135°F 賦形材)
ポリエチレンワックス 15質量部
(三井化学(株)社製 ハイワックス420P 賦形材)
上記成分を100℃に加熱したニーダーで加熱混練をした後押出成形をし、外径8mmで長さ40mmの固形描画材を得た。この固形描画材をマイクロスコープ(250倍)にて観察したところ、マイクロカプセルの破壊が見られ、製造例3でマイクロカプセルに内包した香料の香りがしており、固形描画材中にマイクロカプセルの一部が破壊された状態で分散されていることが確認できた。
比較例1〜3で得た固形描画材を用い、上質紙に手書きによる描画を行った。その際、該固形描画材は、賦形材のゲル強度とマイクロカプセル強度を制御したものではなかったため、固形描画材がチクソトロピック現象を発現せず、描画圧が高くなり、描画時にマイクロカプセルが破壊されてしまった。
すなわち、固形描画材が実質的にチクソトロピック現象を発現しないので、前記マイクロカプセルが破壊を起こさずに描画可能となるような、賦形材のゲル強度とマイクロカプセル強度の関係を制御することができず、好適な固形描画材を用いた描画方法を達成することができなかった。
○:固形描画材がチクソトロピック現象を発現しており、書き味が滑らかであり、描画に強い力を必要としない。上質紙への描画性は良好。
×:固形描画材がチクソトロピック現象を発現しておらず、書き味が硬く、描画に強い力を必要とする。上質紙への描画性は悪く、かすれる。
初期性能評価2:徐放性により機能を発現し持続するマイクロカプセルを用いた描画物から、香料の香りがするか、直接臭いをかぐ官能試験で評価した。
○:初期同等に香る。
△:初期に比べ、香りが弱い。
×:香らない。
Claims (3)
- 少なくともマイクロカプセルとゲル形成剤と溶媒からなる固形描画材であって、前記ゲル形成剤が、炭素原子8〜36個有する脂肪族カルボン酸の金属塩である水性のゲル形成剤、または、脂肪酸類、アミド類から選ばれる油性のゲル形成剤であり、少なくとも前記ゲル形成剤と溶媒とでゲル状態の賦形材を形成し、前記マイクロカプセルが機能性材料を内包してなり、その平均粒径が1〜800μmであり、該マイクロカプセルが、前記賦形材中に分散され、かつ描画する際に破壊されることのない強度を有することを特徴とする固形描画材。
- ゲル形成剤が炭素原子8〜36個有する脂肪族カルボン酸の金属塩である水性のゲル形成剤であり、溶媒が水であることを特徴とする、請求項1に記載の固形描画材。
- マイクロカプセルとゲル形成剤と溶媒を含む固形描画材を用いた描画方法であって、前記ゲル形成剤が、炭素原子8〜36個有する脂肪族カルボン酸の金属塩である水性のゲル形成剤、または、脂肪酸類、アミド類から選ばれる油性のゲル形成剤であり、少なくとも前記ゲル形成剤と溶媒とでゲル状態の賦形材を形成し、該賦形材中に機能性材料を内包してなり、その平均粒径が1〜800μmであるマイクロカプセルを分散した固形描画材を用いて描画する際に、固形描画材がチクソトロピック現象を発現することにより、前記マイクロカプセルが破壊を起こさずに描画可能となるよう、賦形材のゲル強度とマイクロカプセル強度を制御することを特徴とする、固形描画材を用いた描画方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009096683A JP5602383B2 (ja) | 2009-04-13 | 2009-04-13 | 固形描画材およびそれを用いた描画方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009096683A JP5602383B2 (ja) | 2009-04-13 | 2009-04-13 | 固形描画材およびそれを用いた描画方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2010248305A JP2010248305A (ja) | 2010-11-04 |
JP5602383B2 true JP5602383B2 (ja) | 2014-10-08 |
Family
ID=43311010
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2009096683A Active JP5602383B2 (ja) | 2009-04-13 | 2009-04-13 | 固形描画材およびそれを用いた描画方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5602383B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE102012212085A1 (de) * | 2012-07-11 | 2014-01-16 | Evonik Industries Ag | Lipase stabiler Verdicker |
JP7257757B2 (ja) * | 2018-08-29 | 2023-04-14 | 株式会社パイロットコーポレーション | 可逆熱変色性固形描画体及びそれを用いた可逆熱変色性固形描画体セット |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2607390B2 (ja) * | 1989-07-07 | 1997-05-07 | オリエンタル産業 株式会社 | 香料入り色鉛筆用芯 |
JP2003026986A (ja) * | 2001-07-11 | 2003-01-29 | Pilot Precision Co Ltd | 固形描画材 |
JP4789283B2 (ja) * | 2004-07-06 | 2011-10-12 | 株式会社パイロットコーポレーション | 固形描画材 |
JP2008119841A (ja) * | 2006-11-08 | 2008-05-29 | Toppan Forms Co Ltd | 香り付きペン |
-
2009
- 2009-04-13 JP JP2009096683A patent/JP5602383B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2010248305A (ja) | 2010-11-04 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
RU2636510C2 (ru) | Капсулы-коацерваты с твердым ядром | |
CN110062779B (zh) | 包括光聚合步骤的制备可控尺寸微胶囊的方法 | |
JP2009509750A (ja) | マイクロカプセル及びその製造方法 | |
JPH0352293B2 (ja) | ||
US6858666B2 (en) | Organogel particles | |
CA2460436A1 (en) | Stabilization of active agents by formulation into nanoparticulate form | |
JP5602383B2 (ja) | 固形描画材およびそれを用いた描画方法 | |
CA2553699A1 (en) | Material incapsulation system | |
JP2009270033A (ja) | 可逆感熱変色性マーキングペン用油性インキ | |
JP5602527B2 (ja) | 固形描画材 | |
JP2964181B2 (ja) | 浴用剤組成物 | |
JP5602583B2 (ja) | 固形描画材 | |
JP2003128971A (ja) | 香気性水性インキ組成物及びそれを用いた筆記又は塗布具 | |
JP2012092244A (ja) | 固形描画材 | |
KR20140126972A (ko) | 복합 코아세르베이션을 이용한 매크로 젤라틴 캡슐의 제조방법 및 이에 의해 제조된 매크로 젤라틴 캡슐 | |
JP4584824B2 (ja) | 芳香性塗装鋼板及びその製造方法 | |
JPS5849150A (ja) | 防虫、防臭性芳香剤 | |
JP2017176395A (ja) | 紙管の製造方法 | |
JPS62249653A (ja) | ゲル状芳香剤組成物 | |
JP2009160526A (ja) | ゲル製品の製造方法 | |
JP2000272290A (ja) | 熱変色性字消体 | |
JP3961326B2 (ja) | ゲル状芳香・消臭剤組成物 | |
JP2008119841A (ja) | 香り付きペン | |
JP2001046482A (ja) | 透明ゲル状芳香・消臭剤組成物 | |
JP2007119556A (ja) | 透明ゲル化剤組成物、透明ゲルおよび透明ゲルの製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20120307 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20131108 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20131125 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20140123 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20140819 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20140820 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 5602383 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |