JP5601131B2 - ポリアリーレンスルフィド組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、ウェルド強度、曲げ強度等の機械的強度、耐熱性はもとより、熱伝導性、電気絶縁性にも優れるポリアリーレンスルフィド組成物に関するものであり、さらに詳しくは、機械的強度、耐熱性はもとより、熱伝導性、電気絶縁性にも優れることから、電気・電子部品、自動車電装部品などの電気部品用途に特に有用なポリアリーレンスルフィド組成物に関するものである。
ポリアリーレンスルフィドは、耐熱性、耐薬品性、成形性等に優れた特性を示す樹脂であり、その優れた特性を生かし、電気・電子機器部材、自動車機器部材およびOA機器部材等に幅広く使用されている。
しかしながら、ポリアリーレンスルフィドは熱伝導性が低いことから、例えば発熱を伴うような電子部品を封止すると、発生する熱を効率よく拡散することができず、熱膨張による寸法変化、熱による変形、ガス発生などの不具合を生じることがあった。その一方で、ポリアリーレンスルフィドは、本来電気絶縁性に優れていることから、電気絶縁性と熱伝導性とを兼ね備えることも求められていた。
ポリアリーレンスルフィドの優れた電気絶縁性を維持しつつ熱伝導性を改良する試みについては、これまでにもいくつかの検討がなされ、例えば(a)ポリフェニレンスルフィド、(b)800℃以上で焼成後表面処理されてなる酸化マグネシウム粉末、及び(c)電気絶縁性無機充填材を配合する樹脂組成物(例えば特許文献1参照。)、(a)ポリアリーレンスルフィド、(b)アルミナ、及び(c)板状フィラーを配合する樹脂組成物(例えば特許文献2参照。)、(a)ポリフェニレンスルフィド、(b)タルク、及び(c)扁平形状の断面を有するガラス繊維を配合する樹脂組成物(例えば特許文献3参照。)、(a)ポリアリーレンスルフィド、(b)板状充填材、及び(c)粒状充填剤を配合する樹脂組成物(例えば特許文献4参照。)、等が提案されている。
また、ポリアリーレンスルフィド(a)、金属ケイ素粉末(b)及び繊維状充填剤(c)からなるポリアリーレンスルフィド組成物(例えば特許文献5参照。)、ポリアリーレンスルフィド(A)、混合炭素繊維(B)及び熱伝導性フィラー(C)からなるポリアリーレンスルフィド組成物(例えば特許文献6参照。)、ポリアリーレンスルフィド(A)、収束剤未添着炭素繊維(B)、熱伝導性フィラー(C)及びシラン化合物(D)からなるポリアリーレンスルフィド組成物(例えば特許文献7参照。)、等も提案されている。
特開2002−038010号公報(特許請求の範囲参照。) 特開2002−256147号公報(特許請求の範囲参照。) 特開2008−260830号公報(特許請求の範囲参照。) 特開2010−053350号公報(特許請求の範囲参照。) 特開2007−146105号公報(特許請求の範囲参照。) 特開2007−291220号公報(特許請求の範囲参照。) 特開2007−291300号公報(特許請求の範囲参照。)
しかし、特許文献1に提案されている方法においては、組成物の電気絶縁性は1015Ω・cm以上で優れるものの、熱伝導率は概ね1〜3W/m・Kと低く、また熱伝導率が3.8W/m・Kと高いものは曲げ強度が92MPaと低く、高い熱伝導性と高い機械的強度の両立が成されていなかった。特許文献2に提案されている方法においては、組成物の熱伝導率が1.1〜2W/m・Kであり、曲げ強度は概ね100MPa未満であり、熱伝導性と機械的強度は共に低いものであった。特許文献3に提案されている方法においては、組成物の電気絶縁性は1014Ω・cm以上で優れるものの、熱伝導率は1.5〜3W/m・Kと低いものであった。特許文献4に提案されている方法においては、組成物の耐ヒートサイクル性に優れていることからウェルド強度等の機械的強度には優れるものの、熱伝導率は概ね0.7〜3W/m・Kと低いものであった。また、特許文献5〜7に提案されたポリアリーレンスルフィド組成物は、高い熱伝導性を有するものの、電気絶縁性という点においては課題を有する可能性のあるものであり、高い熱伝導性と高い電気絶縁性、優れた機械的強度を同時に満足する組成物の登場が期待されるものであった。
そこで、本発明は、ウェルド強度、曲げ強度等の機械的強度、耐熱性はもとより、熱伝導性、電気絶縁性にも優れるポリアリーレンスルフィド組成物を提供することを目的とし、さらに詳しくは、電気・電子部品又は自動車電装部品などの電気部品用途に特に有用なポリアリーレンスルフィド組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、ポリアリーレンスルフィドに、特定の板状充填剤、金属ケイ素粉末及び電気絶縁性を有する繊維状充填剤を配合し、板状充填剤と金属ケイ素粉末との配合比率を特定の割合とし、更に必要に応じて炭素繊維を配合し、炭素繊維を配合する場合の金属ケイ素粉末と炭素繊維との合計配合量を特定量とするポリアリーレンスルフィド組成物が、高い熱伝導性、高い電気絶縁性と優れた機械的強度とを同時に満足する組成物となりうることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、ポリアリーレンスルフィド(A)20〜50重量%、レーザー回折散乱法により測定した平均粒子径(D 50 )5〜20μmを有するタルク、マイカ及び平均粒子径(D 50 )10〜20μmを有する鱗片状ガラス鱗片状ガラスよりなる群より選択される1種以上の板状充填剤(B)10〜50重量%、ケイ素含有率98重量%以上であり、レーザー回折散乱法により測定した平均粒子径(D 50 )1μm以上を有する金属ケイ素粉末(C)10〜50重量%、及び、電気絶縁性を有する繊維状充填剤(D)10〜30重量%からなり、金属ケイ素粉末(C)/(板状充填剤(B)+金属ケイ素粉末(C))=0.25〜0.75(wt/wt)の範囲にあることを特徴とするポリアリーレンスルフィド組成物に関するものである。
以下、本発明に関し詳細に説明する。
本発明のポリアリーレンスルフィド組成物は、ポリアリーレンスルフィド(A)20〜50重量%、タルク、マイカ、鱗片状ガラスより選択される1種以上の板状充填剤(B)10〜50重量%、金属ケイ素粉末(C)10〜50重量%、及び、電気絶縁性を有する繊維状充填剤(E)10〜30重量%からなり、金属ケイ素粉末(C)/(板状充填剤(B)+金属ケイ素粉末(C))=0.25〜0.75(wt/wt)の範囲にあるものである。
本発明のポリアリーレンスルフィド組成物を構成するポリアリーレンスルフィド(A)としては、ポリアリーレンスルフィドと称される範疇に属するものであれば如何なるものを用いてもよく、その中でも、得られるポリアリーレンスルフィド組成物が機械的強度、成型加工性に優れたものとなることから、測定温度315℃、荷重10kgの条件下、直径1mm、長さ2mmのダイスを装着した高化式フローテスターで測定した溶融粘度が50〜3000ポイズのポリアリーレンスルフィドが好ましく、特に60〜1500ポイズであるものが好ましい。
また、該ポリアリーレンスルフィド(A)としては、その構成単位として、p−フェニレンスルフィド単位を70モル%以上、特に90モル%以上含有しているものが好ましい。
そして、他の構成成分としては、例えば、m−フェニレンスルフィド単位、o−フェニレンスルフィド単位、フェニレンスルフィドスルホン単位、フェニレンスルフィドケトン単位、フェニレンスルフィドエーテル単位、ジフェニレンスルフィド単位、置換基含有フェニレンスルフィド単位、分岐構造含有フェニレンスルフィド単位、等を含有していてもよく、中でもポリ(p−フェニレンスルフィド)が好ましい。
該ポリアリーレンスルフィド(A)の製造方法としては、特に限定はなく、例えば一般的に知られている重合溶媒中で、アルカリ金属硫化物とジハロ芳香族化合物とを反応する方法により製造することが可能であり、アルカリ金属硫化物としては、例えば硫化リチウム、硫化ナトリウム、硫化カリウム、硫化ルビジウム、硫化セシウム及びそれらの混合物が挙げられ、これらは水和物の形で使用しても差し支えない。これらアルカリ金属硫化物は、水硫化アルカリ金属とアルカリ金属塩基とを反応させることによって得られ、ジハロ芳香族化合物の重合系内への添加に先立ってその場で調整されても、また系外で調整されたものを用いても差し支えない。また、ジハロ芳香族化合物としては、p−ジクロロベンゼン、p−ジブロモベンゼン、p−ジヨードベンゼン、m−ジクロロベンゼン、m−ジブロモベンゼン、m−ジヨードベンゼン、1−クロロ−4−ブロモベンゼン、4、4’−ジクロロジフェニルスルフォン、4,4’−ジクロロジフェニルエーテル、4、4’−ジクロロベンゾフェノン、4、4’−ジクロロジフェニル等が挙げられる。また、アルカリ金属硫化物及びジハロ芳香族化合物の仕込み比は、アルカリ金属硫化物/ジハロ芳香族化合物(モル比)=1.00/(0.90〜1.10)の範囲とすることが好ましい。
重合溶媒としては、極性溶媒が好ましく、特に非プロトン性で高温でのアルカリに対して安定な有機アミドが好ましい溶媒である。該有機アミドとしては、例えばN,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ヘキサメチルホスホルアミド、N−メチル−ε−カプロラクタム、N−エチル−2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、テトラメチル尿素及びその混合物、等が挙げられる。また、該重合溶媒は、重合によって生成するポリマーに対し150〜3500重量%で用いることが好ましく、特に250〜1500重量%となる範囲で使用することが好ましい。重合は200〜300℃、特に220〜280℃にて0.5〜30時間、特に1〜15時間攪拌下にて行うことが好ましい。
さらに、該ポリアリーレンスルフィド(A)は、直鎖状のものであっても、酸素存在下高温で処理し、架橋したものであっても、トリハロ以上のポリハロ化合物を少量添加して若干の架橋または分岐構造を導入したものであっても、窒素等の非酸化性の不活性ガス中で加熱処理を施したものであってもかまわないし、さらにこれらの構造の混合物であってもかまわない。
本発明のポリアリーレンスルフィド組成物を構成するポリアリーレンスルフィド(A)の配合量は、20〜50重量%である。該ポリアリーレンスルフィド(A)の配合量が20重量%未満である場合、得られる組成物は機械的強度に劣るものとなる。一方、該ポリアリーレンスルフィド(A)の配合量が50重量%を越える場合、得られる組成物は熱伝導性に劣るものとなる。
本発明のポリアリーレンスルフィド組成物を構成する板状充填剤(B)は、タルク、マイカ、鱗片状ガラスより選択される1種以上の板状充填剤であり、タルク、マイカ、鱗片状ガラスより選択される板状充填剤を配合することにより本発明のポリアリーレンスルフィド組成物は、高い熱伝導性と高い電気絶縁性を有するものとなる。
ここで、タルクとは、MgSi10(OH)で表される天然の粘土鉱物の一種であり、一般的には産地により不純物の種類及びその量が異なる。本発明で用いられるタルクとは、従来からタルクとして知られ販売されているものであれば如何なるものを用いることも可能であり、産地、不純物の種類及びその量に制限を設けるものではない。また、タルクの粒子径は、レーザー回折散乱法等により測定した平均粒子径(D50)で、0.6〜30μmの範囲のものが市販されており、その中でも、本発明においては、特に機械的強度と熱伝導性に優れたポリアリーレンスルフィド組成物となることから、平均粒子径(D50)が5〜20μmであるものが好ましい。
マイカとは、層状ケイ酸塩鉱物の一種で、白雲母(KAlSi10(OH))、金雲母(KMgSiAlO10(OH))等の天然マイカや、フッ素金雲母(KMgAlSi10)、カリウム四珪素雲母(KMg2.5Si10)等の合成マイカがある。本発明で用いられるマイカとは、これらの種類に特に制限を設けるものではなく、従来からマイカとして知られ販売されているものであれば如何なるものを用いることも可能である。またマイカの粒子径は、レーザー回折散乱法等により測定した平均粒子径(D50)で、3〜50μmの範囲のものが市販されており、その中でも、本発明においては、特に機械的強度と熱伝導性に優れたポリアリーレンスルフィド組成物となることから、平均粒子径(D50)が5〜20μmであるものが好ましい。
鱗片状ガラスとは、鱗状、板状のガラスであり、例えば(登録商標)ガラスフレーク(日本板硝子(株))等が知られており、該鱗片状ガラスには、アルカリ成分を含むCガラスからなるものと、アルカリ成分を含まないEガラスからなるものとがあり、その中でも、本発明においては、特に機械的強度に優れたポリアリーレンスルフィド組成物となることからEガラスからなる鱗片状ガラスが好ましい。また、鱗片状ガラスの粒子径は、レーザー回折散乱法等により測定した平均粒子径(D50)で、10〜4000μmの範囲のものが市販されており、本発明においては、特に機械的強度と熱伝導性に優れたポリアリーレンスルフィド組成物となることから、平均粒子径(D50)が10〜20μmであるものが好ましい。
本発明のポリアリーレンスルフィド組成物を構成する板状充填剤(B)の配合量は、10〜50重量%である。該板状充填剤(B)の配合量が10重量%未満である場合、得られる組成物は熱伝導性に劣るものとなる。一方、該板状充填剤の配合量が50重量%を越える場合、得られる組成物はウェルド強度に劣るばかりか熱伝導性も劣るものとなる。
本発明のポリアリーレンスルフィド組成物を構成する金属ケイ素粉末(C)とは、珪石(ケイ酸質の鉱石や岩石の総称)を還元して製造され、アルミ合金、シリコン樹脂、高純度シリコン等の原料として従来から知られ販売されている金属ケイ素の粉末を言い、この範疇に属するものであれば如何なるものを用いることも可能である。該金属ケイ素粉末(C)におけるケイ素含有率は、特に制限はなく、その中でも、特に熱伝導性に優れたポリアリーレンスルフィド組成物となることから、ケイ素含有率が95重量%以上であるものが好ましく、特に98重量%以上であるものが更に好ましい。また、該金属ケイ素粉末(C)は、特に機械的強度、熱伝導性に優れたポリアリーレンスルフィド組成物となることから、レーザー回折散乱法により測定した平均粒子径(D50)が1μm以上であるものが好ましい。
該金属ケイ素粉末(C)の形状に特に制限はなく、例えば樹枝状粉、片状粉、角状粉、球状粉、粒状粉、針状粉、不定形状粉、海綿状粉等が挙げられる。また、これら形状の混合物であっても良い。該金属ケイ素粉末(C)の製造方法としては、例えば電解法、機械的粉砕法、アトマイズ法、熱処理法、化学的製法等が挙げられ、これらの製法に限定されるものではない。
本発明のポリアリーレンスルフィド組成物を構成する金属ケイ素粉末(C)の配合量は、10〜50重量%である。該金属ケイ素粉末(C)の配合量が10重量%未満である場合、得られる組成物は熱伝導性に劣るものとなる。一方、該金属ケイ素粉末(C)の配合量が50重量%を越える場合、得られる組成物は電気絶縁性に劣るものとなる。
そして、本発明のポリアリーレンスルフィド組成物は、該板状充填剤(B)と該金属ケイ素粉末(C)との配合比率は、金属ケイ素粉末(C)/(板状充填剤(B)+金属ケイ素粉末(C))=0.25〜0.75(wt/wt)の範囲からなるものである。ここで、該金属ケイ素粉末(C)の配合比率が0.25未満である場合、得られる組成物は熱伝導性に劣るものとなる。一方、該金属ケイ素粉末(C)の配合比率が0.75を越える場合、得られる組成物は熱伝導性に劣るばかりか電気絶縁性にも劣るものとなる。
本発明のポリアリーレンスルフィド組成物を構成する電気絶縁性を有する繊維状充填剤(D)は、ポリアリーレンスルフィド組成物に機械的強度を付与するものであり、該繊維状充填剤(D)としては一般的に繊維状充填剤として知られている、例えばガラス繊維、アラミド繊維、ボロン繊維、アルミナ繊維、チタン酸カリウムウィスカー、硼酸アルミニウムウィスカー、酸化亜鉛ウィスカー、等を挙げることができ、その中でも特に機械的強度に優れるポリアリーレンスルフィド組成物となることから、ガラス繊維が好ましい。また、該繊維状充填剤(D)の形状としては、例えば繊維径3〜20μm、繊維長2〜8mmのチョップドファイバー;繊維径3〜20μm、繊維長30〜900μmのミルドファイバー、等が例示でき、その中でも特に機械的強度に優れたポリアリーレンスルフィド組成物となることからチョップドファイバーが好ましい。
本発明のポリアリーレンスルフィド組成物を構成する電気絶縁性を有する繊維状充填剤(D)の配合量は、10〜30重量%である。該繊維状充填剤(D)の配合量が10重量%未満である場合、得られる組成物は機械的強度に劣るものとなる。一方、該繊維状充填剤(D)の配合量が30重量%を越える場合、得られる組成物は熱伝導性に劣るものとなる。
また、本発明のポリアリーレンスルフィド組成物は、特に熱伝導性に優れたものとなることから、炭素繊維(E)を1〜10重量%配合したものであることが好ましい。そして、該炭素繊維(E)を配合してなるものである場合には、熱伝導性と電気絶縁性を高バランスで有するポリアリーレンスルフィド組成物となることから、該金属ケイ素粉末(C)と該炭素繊維(E)の合計配合量は11〜30重量%の範囲であることが好ましい。
該炭素繊維(E)としては、炭素繊維の範疇に属するものであれば如何なるものを用いることも可能であり、特に熱伝導性に優れるポリアリーレンスルフィド組成物となることから、100W/m・K以上の熱伝導率を有する炭素繊維であることが好ましい。該100W/m・K以上の熱伝導率を有する炭素繊維としては、熱伝導率が該条件を満たすものであれば如何なる制限を受けることなく用いることが可能である。炭素繊維には大別して、ポリアクリロニトリル系、ピッチ系、レーヨン系、ポリビニルアルコール系等があり、好ましくはピッチ系炭素繊維である。また、炭素繊維の形状としては、例えば繊維径5〜20μm、繊維長2〜8mmのチョップドファイバー、繊維径5〜20μm、繊維長30〜600μmのミルドファイバー等が例示でき、その中でも特に機械的強度に優れたポリアリーレンスルフィド組成物となることからチョップドファイバーが好ましい。
さらに、本発明のポリアリーレンスルフィド組成物は、本発明の目的を逸脱しない範囲で、各種熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、例えばエポキシ樹脂、シアン酸エステル樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド、シリコン樹脂、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、ポリフェニレンオキサイド、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン等の1種以上を混合して使用することができる。
本発明のポリアリーレンスルフィド組成物の製造方法としては、従来使用されている加熱溶融混練方法を用いることができる。例えば単軸または二軸押出機、ニーダー、ミル、ブラベンダー等による加熱溶融混練方法が挙げられ、特に混練能力に優れた二軸押出機による溶融混練方法が好ましい。また、この際の混練温度は特に限定されるものではなく、通常280〜400℃の中から任意に選ぶことが出来る。また、本発明のポリアリーレンスルフィド組成物は、射出成形機、押出成形機、トランスファー成形機、圧縮成形機等を用いて任意の形状に成形することができる。
さらに、本発明のポリアリーレンスルフィド組成物は、本発明の目的を逸脱しない範囲で、従来公知の滑剤、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、結晶核剤、発泡剤、金型腐食防止剤、難燃剤、難燃助剤、染料、顔料等の着色剤、帯電防止剤等の添加剤を1種以上併用しても良い。
本発明のポリアリーレンスルフィド組成物は、発熱性の高い半導体素子、抵抗などの封止用樹脂、あるいは高い摩擦熱が発生する部品に特に好適である他、発電機、電動機、変圧器、変流器、電圧調整器、整流器、インバーター、継電器、電力用接点、開閉器、遮断機、ナイフスイッチ、他極ロッド、電気部品キャビネット、ソケット、抵抗器、リレーケースなどの電気機器部品用途に特に適している他、センサー、LEDランプ、コネクター、小型スイッチ、コイルボビン、コンデンサー、バリコンケース、光ピックアップ、発振子、各種端子板、変成器、プラグ、プリント基板、チューナー、スピーカー、マイクロフォン、ヘッドフォン、小型モーター、磁気ヘッドベース、パワーモジュール、半導体、液晶、FDDキャリッジ、FDDシャーシ、ハードディスクドライブ部品(ハードディスクドライブハブ、アクチュエーター、ハードディスク基板など)、DVD部品(光ピックアップなど)、モーターブラッシュホルダー、パラボラアンテナ、コンピューター関連部品などに代表される電子部品;VTR部品、テレビ部品、アイロン、ヘアードライヤー、炊飯器部品、電子レンジ部品、音響部品、オーディオ・レーザーディスク(登録商標)・コンパクトディスクなどの音声機器部品、照明部品、冷蔵庫部品、エアコン部品、タイプライター部品、ワードプロセッサー部品などに代表される家庭、事務電気製品部品;オフィスコンピューター関連部品、電話器関連部品、ファクシミリ関連部品、複写機関連部品、洗浄用治具、モーター部品、ライター、タイプライターなどに代表される機械関連部品;顕微鏡、双眼鏡、カメラ、時計などに代表される光学機器、精密機械関連部品;オルタネーターターミナル、オルタネーターコネクター,ICレギュレーター、ライトディヤー用ポテンシオメーターベース、排気ガスバルブなどの各種バルブ、燃料関係・排気系・吸気系各種パイプ、エアーインテークノズルスノーケル、インテークマニホールド、燃料ポンプ、エンジン冷却水ジョイント、キャブレターメインボディー、キャブレタースペーサー、排気ガスセンサー、冷却水センサー、油温センサー、ブレーキパットウェアーセンサー、スロットルポジションセンサー、クランクシャフトポジションセンサー、エアーフローメーター、ブレーキパッド摩耗センサー、エアコン用サーモスタットベース、暖房温風フローコントロールバルブ、ラジエーターモーター用ブラッシュホルダー、ウォーターポンプインペラー、タービンベイン、ワイパーモーター関係部品、デュストリビューター、スタータースイッチ、スターターリレー、トランスミッション用ワイヤーハーネス、ウィンドウォッシャーノズル、エアコンパネルスイッチ基板、燃料関係電磁気弁用コイル、ヒューズ用コネクター、ホーンターミナル、電装部品絶縁板、ステップモーターローター、ランプソケット、ランプリフレクター、ランプハウジング、ブレーキピストン、ソレノイドボビン、エンジンオイルフィルター、点火装置ケースなどの自動車・車両関連部品などの各種用途にも適用できる。
本発明は、耐熱性、ウェルド強度、曲げ強度等の機械的強度はもとより、熱伝導性、電気絶縁性にも優れるポリアリーレンスルフィド組成物を提供するものである。
以下に、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの例になんら制限されるものではない。
実施例及び比較例において、ポリアリーレンスルフィド(A)、板状充填剤(B)、金属ケイ素粉末(C)、電気絶縁性を有する繊維状充填剤(D)、及び炭素繊維(E)として以下のものを用いた。
<ポリアリーレンスルフィド(A)>
ポリ(p−フェニレンスルフィド)(A−1)(以下、単にPPS(A−1)と記す。):溶融粘度110ポイズ。
ポリ(p−フェニレンスルフィド)(A−2)(以下、単にPPS(A−2)と記す。):溶融粘度300ポイズ。
ポリ(p−フェニレンスルフィド)(A−3)(以下、単にPPS(A−3)と記す。):溶融粘度350ポイズ。
<板状充填剤(B)>
板状充填剤(B1−1)(以下、タルク(B1−1)と記す。);日本タルク(株)製、(商品名)MS、平均粒子径14μm。
板状充填剤(B1−2)(以下、タルク(B1−2)と記す。);浅田製粉(株)製、(商品名)SW−AC、平均粒子径15μm。
板状充填剤(B2−1)(以下、マイカ(B2−1)と記す。);コープケミカル(株)製、(商品名)MK−300、平均粒子径10〜20μm。
板状充填剤(B3−1)(以下、鱗片状ガラス(B3−1)と記す。);日本板硝子(株)製、(商品名)REF−15、平均粒子径15μm。
<金属ケイ素粉末(C)>
金属ケイ素粉末(C−1);キンセイマテック(株)製、(商品名)金属シリコン#200(98%);ケイ素含有率98.4重量%、平均粒子径17μm、不定形状粉末。
金属ケイ素粉末(C−2);キンセイマテック(株)製、(商品名)金属シリコン#600;ケイ素含有率98.5重量%、平均粒子径6μm、不定形状粉末。
<電気絶縁性を有する繊維状充填剤(D)>
電気絶縁性を有する繊維状充填剤(D−1)(以下、ガラス繊維(D−1)と記す。);エヌエスジー・ヴェトロテックス(株)製、(商品名)RES03−TP91;チョップドファイバー、繊維径9μm、繊維長3mm。
<炭素繊維(E)>
炭素繊維(E−1);三菱樹脂(株)製、(商品名)ダイアリードK6371T;熱伝導率140W/m・K、チョップドファイバー、繊維径10μm、繊維長6mm。
炭素繊維(E−2);三菱樹脂(株)製、(商品名)ダイアリードK223HE;熱伝導率600W/m・K、チョップドファイバー、繊維径10μm、繊維長6mm。
実施例及び比較例で用いた評価・測定方法を以下に示す。
〜曲げ強度の測定〜
射出成形により長さ127mm、幅12.7mm、厚み3.2mmの試験片を作製し、該試験片を用いて、ASTM D−790 Method−1(三点曲げ法)に準じ、曲げ強度を測定した。測定装置(島津製作所製、(商品名)AG−5000B)を用い、支点間距離50mm、測定速度1.5mm/分の試験条件で行った。
〜ウェルド強度の測定〜
射出成形機(住友重機械工業(株)製、(商品名)SE−75S)によってウェルド強度測定用の試験片を作製し、その試験片を引張試験機((株)島津製作所製、(商品名)オートグラフAG−5000B)を用いて、ASTM D638に準拠し測定を行った。
〜熱伝導率の測定〜
熱伝導率測定装置(アルバック社製、(商品名)TC7000;ルビーレーザー)を用い、23℃の条件下で、レーザーフラッシュ法にて測定した。熱伝導率は、一次元法により熱容量Cpを求め、二次元法により平面方向の熱拡散率αを求めて、次式より熱伝導率を算出した。
熱伝導率=ρ×Cp×α
(ここでρは密度であり、ASTM D−792 A法(水中置換法)に準じ測定した。)また、測定に供する試験片は、長さ70mm、幅70mm、厚み2mmの平板を射出成形により作製し、該平板から切削加工した。
〜体積固有抵抗率〜
射出成形により直径50mm、厚み2mmの円盤状試験片を作製し、該円盤状試験片を用いて、ASTM D−257に準じ、体積固有抵抗率を測定した。測定装置(絶縁抵抗試料箱;タケダ理研製、(商品名)TR−42型、絶縁抵抗計;タケダ理研製、(商品名)TR−8601型)を用い、測定印加電圧500V、23℃の試験条件下で行った。
<合成例1(PPS(A−1)、PPS(A−2)の合成)>
攪拌機を装備する15リットルオートクレーブに、NaS・2.8HO1866g及びN−メチル−2−ピロリドン(以下、NMPと記す。)5リットルを仕込み、窒素気流下攪拌しながら徐々に205℃まで昇温して、407gの水を溜出させた。この系を140℃まで冷却した後、p−ジクロロベンゼン2280gとNMP1500gを添加し、窒素気流下に系を封入した。この系を225℃に昇温し、225℃にて2時間重合を行った。重合終了後、室温まで冷却し、ポリマーを遠心分離器により単離した。温水でポリマーを繰り返し洗浄し、100℃で一昼夜乾燥し、ポリ(p−フェニレンスルフィド)を得た。
得られたポリ(p−フェニレンスルフィド)(PPS(A−1))の溶融粘度は110ポイズであった。
更にPPS(A−1)を、空気雰囲気下235℃で加熱硬化処理を行った。得られたポリ(p−フェニレンスルフィド)(PPS(A−2))の溶融粘度は300ポイズであった。
<合成例2(PPS(A−3)の合成)>
攪拌機を装備する15リットルチタン製オートクレーブにNMP3232g、47%硫化水素ナトリウム水溶液1682g及び48%水酸化ナトリウム水溶液1142gを仕込み、窒素気流下攪拌しながら徐々に200℃まで昇温して、1360gの水を溜出させた。この系を170℃まで冷却し、p−ジクロロベンゼン2118gとNMP1783gを添加し、窒素気流下に系を封入した。この系を225℃に昇温し、225℃にて1時間重合し、続けて250℃まで昇温し、250℃にて2時間重合した。更に、250℃で水451gを圧入し、再度255℃まで昇温し、225℃にて2時間重合を行った。重合終了後、室温まで冷却し、重合スラリーを固液分離した。ポリマーをNMP、アセトン及び水で順次洗浄し、100℃で一昼夜乾燥し、ポリ(p−フェニレンスルフィド)を得た。
得られたポリ(p−フェニレンスルフィド)(PPS(A−3))は直鎖状のものであり、その溶融粘度は350ポイズであった。
合成例1及び2により得られたポリアリーレンスルフィドの評価・測定方法を以下に示す。
〜溶融粘度測定〜
直径1mm、長さ2mmのダイスを装着した高化式フローテスター((株)島津製作所製、(商品名)CFT−500)にて、測定温度315℃、荷重10kgの条件下で溶融粘度の測定を行った。
実施例1
PPS(A−1)33.3重量%、タルク(B1−1)50重量%及び金属ケイ素粉末(C−1)16.7重量%の割合で配合して、二軸押出機(東芝機械製、(商品名)TEM−35−102B)のホッパーに、一方、ガラス繊維(D−1)を二軸押出機サイドフィーダーのホッパーに、それぞれ投入し、シリンダー温度320℃、スクリュー回転数200rpmにて溶融混練し、ダイより流出する溶融組成物を冷却後裁断し、ペレット状のポリアリーレンスルフィド組成物を作製した。その際のポリアリーレンスルフィド組成物の構成割合は、PPS(A−1)/タルク(B1−1)/金属ケイ素粉末(C−1)/ガラス繊維(D−1)=30/45/15/10(重量%)であった。
該ポリアリーレンスルフィド組成物を、射出成形機(住友重機械工業製、(商品名)SE75S)のホッパーに投入し、シリンダー温度330℃にて、曲げ強度を測定するための試験片、ウェルド強度を測定するための試験片、熱伝導率を測定するための平板、及び体積固有抵抗率を測定するための円盤状試験片を、それぞれ成形した。
該試験片及び該平板から、曲げ強度、ウェルド強度、熱伝導率、体積固有抵抗率を測定した。これらの結果を表1に示した。
得られたポリアリーレンスルフィド組成物は、曲げ強度、ウェルド強度は十分に大きく、熱伝導率、体積固有抵抗率も十分に高いものであり、機械的強度とともに、熱伝導性、電気絶縁性にも優れるものであった。
実施例2〜7
PPS(A−1)、タルク(B1−1)、マイカ(B2−1)、鱗片状ガラス(B3−1)、金属ケイ素粉末(C−1)、及びガラス繊維(D−1)を用い、実施例1と同様の方法により、表1に示す構成割合のポリアリーレンスルフィド組成物を作製後、実施例1と同様の方法により評価用試験片を作製し、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表1に示した。
得られた全てのポリアリーレンスルフィド組成物は、曲げ強度、ウェルド強度は十分に大きく、熱伝導率、体積固有抵抗率も十分に高いものであり、機械的強度とともに、熱伝導性、電気絶縁性にも優れるものであった。
実施例8
PPS(A−1)25.0重量%、鱗片状ガラス(B3−1)56.2重量%及び金属ケイ素粉末(C−1)18.8重量%の割合で配合して、二軸押出機(東芝機械製、(商品名)TEM−35−102B)のホッパーに、一方、ガラス繊維(D−1)75重量%、炭素繊維(E−1)25重量%の割合で混合したものを二軸押出機サイドフィーダーのホッパーに、それぞれ投入した他は実施例1と同様の方法により、PPS(A−1)/鱗片状ガラス(B3−1)/金属ケイ素粉末(C−1)/ガラス繊維(D−1)/炭素繊維(E−1)=20/45/15/15/5(重量%)である構成割合のポリアリーレンスルフィド組成物を作製後、実施例1と同様の方法により評価用試験片を作製し、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表1に示した。
得られたポリアリーレンスルフィド組成物は、曲げ強度、ウェルド強度は十分に大きく、熱伝導率、体積固有抵抗率も十分に高いものであり、機械的強度とともに、熱伝導性、電気絶縁性にも優れるものであった。
Figure 0005601131
実施例9〜20
PPS(A−1,2,3)、タルク(B1−1,2)、マイカ(B2−1)、鱗片状ガラス(B3−1)、金属ケイ素粉末(C−1,2)、ガラス繊維(D−1)及び炭素繊維(E−1,2)を用い、実施例9及び実施例20については実施例8と同様の方法により、実施例10〜19については実施例1と同様の方法により、表2に示す構成割合のポリアリーレンスルフィド組成物を作製後、実施例1と同様の方法により評価用試験片を作製し、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表2に示した。
得られた全てのポリアリーレンスルフィド組成物は、曲げ強度、ウェルド強度は十分に大きく、熱伝導率、体積固有抵抗率も十分に高いものであり、機械的強度とともに、熱伝導性、電気絶縁性にも優れるものであった。
Figure 0005601131
比較例1〜9
PPS(A−1)、タルク(B1−1)、マイカ(B2−1)、鱗片状ガラス(B3−1)、金属ケイ素粉末(C−1)、ガラス繊維(D−1)、及び炭素繊維(E−1)を用い、比較例1〜4及び比較例7〜10については実施例1と同様の方法により、比較例5及び比較例6については実施例8と同様の方法により、表3に示す構成割合のポリアリーレンスルフィド組成物を作製後、実施例1と同様の方法により評価用試験片を作製し、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表3に示した。
比較例1により得られた組成物は、ウェルド強度、熱伝導性に劣るものであり、比較例2により得られた組成物は、熱伝導性、電気絶縁性に劣るものであり、比較例3により得られた組成物は、ウェルド強度、熱伝導性に劣るものであり、比較例4により得られた組成物は、熱伝導性、電気絶縁性に劣るものであり、比較例5により得られた組成物は、ウェルド強度、電気絶縁性に劣るものであり、比較例6により得られた組成物は、曲げ強度、ウェルド強度に劣るものであり、比較例7により得られた組成物、熱伝導性に劣るものであり、比較例8により得られた組成物は、曲げ強度、ウェルド強度に劣るものであり、比較例9により得られた組成物は、熱伝導性に劣るものであった。
Figure 0005601131
本発明のポリアリーレンスルフィド組成物は、機械的強度、耐熱性はもとより、熱伝導性、電気絶縁性にも優れることから、電気・電子部品、自動車電装部品などの電気部品用途に特に有用性が期待されるものである。

Claims (4)

  1. ポリアリーレンスルフィド(A)20〜50重量%、レーザー回折散乱法により測定した平均粒子径(D 50 )5〜20μmを有するタルク、マイカ及び平均粒子径(D 50 )10〜20μmを有する鱗片状ガラスよりなる群より選択される1種以上の板状充填剤(B)10〜50重量%、ケイ素含有率98重量%以上であり、レーザー回折散乱法により測定した平均粒子径(D 50 )1μm以上を有する金属ケイ素粉末(C)10〜50重量%、及び、電気絶縁性を有する繊維状充填剤(D)10〜30重量%からなり、金属ケイ素粉末(C)/(板状充填剤(B)+金属ケイ素粉末(C))=0.25〜0.75(wt/wt)の範囲であることを特徴とするポリアリーレンスルフィド組成物。
  2. さらに、炭素繊維(E)1〜10重量%を含んでなることを特徴とする請求項1に記載のポリアリーレンスルフィド組成物。
  3. 金属ケイ素粉末(C)と炭素繊維(E)との合計配合量が11〜30重量%であることを特徴とする請求項に記載のポリアリーレンスルフィド組成物。
  4. 炭素繊維(E)が、100W/m・K以上の熱伝導率を有する炭素繊維であることを特徴とする請求項2又は3に記載のポリアリーレンスルフィド組成物。
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