JP5600216B2 - 架橋剤 - Google Patents

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Description

本発明は、第一級アミノ基を含むオリゴマーおよびポリマー、例えばオリゴアミドおよびポリアミドならびにオリゴイミドおよびポリイミドのための、ならびにヒドロキシル基を含むオリゴマーおよびポリマー、例えばオリゴエステルおよびポリエステルのための新規な架橋性末端封鎖剤に関する。この末端封鎖剤は、炭素−炭素三重結合を含む。さらには、本発明は、末端封鎖されたオリゴマーまたはポリマーに関する。また、本発明は、当該オリゴマーまたはポリマーが加熱によって架橋されていてもよい、このオリゴマーまたはポリマーを含む物品に関する。
熱可塑性脂肪族ポリアミドは、ナイロンと呼ばれることが多い。ナイロンは、典型的には、ジアミンおよびジカルボン酸を反応させることにより形成される縮合系コポリマー、またはラクタム類、例えばアミノカプロン酸の重合によって形成される開環ポリマーである。最も一般的なナイロンの種類のうちの1つは、PA66としても知られるナイロン66であり、この名称は、ジアミン(ヘキサメチレンジアミン)および二塩基酸(アジピン酸)が、各々、6個の炭素をポリマー鎖に供与するということを意味する。
ナイロンは、絹の合成代用品として開発され、第二次世界大戦中に絹が乏しくなった後には、パラシュートなど多くの異なる製品において絹に代わって使用された。今日では、ナイロン繊維は、織物、絨毯、音楽用の弦、およびロープなどの多くの用途で使用されている。中実のまたは強化されたナイロン(エンジニアリングポリマー)は、機械部品、歯車類、容器類、チューブ類、一次設計要素および二次設計要素ならびに金属の中で予め注型された他の低応力〜中応力の構成要素などの機械的な部品に使用される。エンジニアリンググレードのナイロンは、押出、注型、および/または射出成形によって加工される。
機械的強度を改善するために、アラミドなどの芳香族ポリアミドが開発されている。さらには、芳香族ポリアミドは、脂肪族ポリアミドよりも水を吸収する傾向が低い。水の吸収は機械的強度に悪影響を及ぼすであろう。しかしながら、芳香族ポリアミドの加工性は、脂肪族ポリアミドの加工性よりも劣る。さらには、芳香族ポリアミドは、脂肪族ポリアミドと比べると、脆く、化学溶媒に対する抵抗性が低い。
従って、芳香族ポリアミドが通常使用される用途において脂肪族ポリアミドを使用することが可能になることが望ましいと考えられる。
当該技術分野で、芳香族ポリアミドに関連するポリイミドの機械的強度を改善するという試みがある。
特許文献1は、PEPA(フェニルエチニルフタル酸無水物)で末端封鎖されたオリゴイミドを開示する。このPEPA末端封鎖オリゴイミドは、約400℃で硬化、すなわち架橋、される。同様に、特許文献2は、オリゴイミド用の末端封鎖剤としてのEPA(エチニルフタル酸無水物)の使用を開示する。開示されたEPA末端封鎖オリゴイミドは、200℃で4時間、250℃で2時間、290℃で1時間、そして最後に320℃で6時間加熱することを含む、段階的なやり方で硬化、すなわち架橋、された。
さらには、当該技術分野で、芳香族ポリアミドの機械的強度を改善するという試みがある。特許文献3は、PEPAで末端封鎖された全芳香族ポリエーテルアミドを開示する。全芳香族ポリアミドは、熱的に安定であり、架橋性末端封鎖剤PEPAを硬化させるために必要とされる熱に耐える。
しかしながら、当該技術分野で周知のとおり、種々の種類のナイロンなどの脂肪族ポリアミドは、熱的安定性がより低く、PEPAを架橋するために通常使用される温度では分解すると考えられる。このように、ポリアミドにおけるPEPAの架橋は、より低い温度での、触媒反応または長時間の架橋を必要とすると考えられる。従って、PEPAは、脂肪族ポリアミドのための架橋性末端封鎖剤としては使用されていない。
PEPAに代わるものとして、エチニルフタル酸無水物(EPA)も、ポリイミドにおける架橋剤として使用されてきた(非特許文献1を参照)。
EPAを含むポリイミドはより低い温度で、すなわち約250℃で架橋されうるが、EPAを含むポリイミドは、他の欠点を抱えている。フェニルエチニル基をエチニル基に交換したことは、所望の硬化機構以外の反応経路、例えば鎖伸長、が有利になるということを暗示する。結果として、EPAは、低温硬化性末端封鎖剤としての、PEPAの置き換え物としての幅広い使用を見出していない。さらには、EPAの製造は保護基の化学を必要とし、これは、EPAの商業的潜在性を阻む。
EPAは、ポリアミドのための末端封鎖剤としても好適ではない。上記の短所に加えて、EPAの架橋は、ナイロン66の通常の加工温度、典型的には290〜310℃、未満の温度で開始されるであろう。これは、架橋剤としての使用の可能性を制限する。というのも、EPAで末端封鎖されたナイロン66は、加工中に少なくともある程度は架橋すると考えられるからである。
PEPAまたはEPAで末端封鎖されたポリアミド酸、およびその対応するポリイミドが、当該技術分野の種々の用途において使用するために示唆されてきた。一例として、特許文献4は、光塩基発生剤(A)およびポリアミド酸(B)を含有する感光性樹脂であって、ポリアミド酸(B)は末端重合性基を有してもよい、感光性樹脂を開示する。この末端重合性基は、当該技術分野で公知の重合性基、例えば炭素−炭素二重結合もしくは三重結合を含むアニリンまたは二無水物、から選択される。重合性末端封鎖剤の具体的に開示された例としては、無水マレイン酸、4−アミノケイ皮酸、4−エチルアニリン、3a,4,7,7a−テトラヒドロイソベンゾフラン−1,3−ジオン、3a,4,7,7a−テトラヒドロ−4,7−メタノイソベンゾフラン−1,3−ジオン、3a,4,7,7a−テトラヒドロ−4,7−エポキシイソベンゾフラン−1,3−ジオン、EPAおよびPEPAが挙げられる。
Wollfら(非特許文献2を参照)によれば、3位に炭素置換基を持つN−フェニルフタルイミド、例えば(4−(1−オクチン−1−イル)−2−フェニル−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオン、4−(1−ヘキシン−1−イル)−2−フェニル−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオン、および4−(3,3−ジメチル−1−ブチン−1−イル)−2−フェニル−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオンは、対応するブロモ誘導体のSonogashiraカップリング反応によって入手することができる。3−アルキル置換N−フェニルフタルイミドが、超分子の親和性分子の合成のための予め組織化した水素結合性ドナーの生成のための合成中間体として使用されてもよい。
特許文献5は、上で論じたPEPAの硬化温度が高すぎるという短所に対処し、硬化促進剤として硫黄または有機硫黄誘導体を使用すると、フェニルエチニル末端化イミドオリゴマーの硬化温度が下げられうるということを開示する。しかしながら、このような促進剤の導入は他の短所を抱える。特に、硬化は、架橋よりも鎖延長を生じる。なぜなら、2つのエチニル基が1つの硫黄ラジカルと反応して、最終的にチオフェン構造を形成するからである。
米国特許第5,493,002号明細書 米国特許第5,066,771号明細書 欧州特許第1 988 114号明細書 特開2010−186134号公報 米国特許第6,344,523号明細書
Hergenrother,P.M.、「Acetylene−terminated Imide Oligomers and Polymers Therefrom」、Polymer Preprints,Am.Chem.Soc、1980年、第21巻、第1号、81−83頁 Synthesis、2007年、第5号、761−765頁
従って、当該技術分野で、PA66などの脂肪族ポリアミドのための架橋性単量体として使用するための、上記の不備を克服する代替の架橋性単量体についてのニーズがある。
結果として、本発明は、式(I)もしくは(II)の化合物
(式中、
R1およびR2は、独立に、OH、ハロ、OC1−C8アルキル、NH2、NHC1−8アルキル、N(C1−8アルキル)(このアルキルは、同じであってもよいし異なっていてもよい)、OC(O)C1−8アルキル、OC0−1アルキレンフェニル、およびNHC0−1アルキレンフェニルからなる群から選択され、
「Ak」はC1−10アルキルもしくはC0−1アルキレンシクロヘキシルであり、
「X」は、「O」(酸素)、NH、NC1アルキレンフェニル、およびNC1−8アルキルからなる群から選択される)
または
式(II)の化合物であって、
「Ak」はC1−10アルキルもしくはC0−1アルキレンシクロヘキシルであり、
「X」はNHフェニルであるが、ただし当該化合物は、(4−(1−オクチン−1−イル)−2−フェニル−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオン、4−(1−ヘキシン−1−イル)−2−フェニル−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオン、もしくは4−(3,3−ジメチル−1−ブチン−1−イル)−2−フェニル−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオンではない、式(II)の化合物、
を提供することにより、当該技術分野の上記の不備および短所のうちの1以上を、単独に、またはいずれかの組み合わせで、軽減、緩和、解消または回避しようとする。
とりわけ、式(I)の化合物において、R1およびR2は、独立に、OH、ハロ、OC1−C8アルキルからなる群から選択されてもよい。さらには、式(II)の化合物において、「X」は「O」(酸素)であってもよい。さらには、式(I)または(II)の化合物において「Ak」はメチルであってもよい。アルキン残基、すなわちAk−≡−、は、当該式(I)または(II)の化合物のベンゼン残基の4位または5位に結合されていてもよい。
従って、1つの代表的な式(II)の化合物は、5−(プロパ−1−イン−1−イル)イソベンゾフラン−1,3−ジオンである。
本発明の別の態様は、式(I)または(II)の化合物の使用によって得られうる化合物に関する。従って、このような化合物は、式(I)または(II)の化合物の少なくとも1つの残基を含む化合物であって、その残基が、式(III)または(IV)の残基
(式中、波線は、当該化合物の残部への結合点を示し、
「Ak」は、請求項1もしくは請求項3のいずれか1項に記載の残基であり、
「A」は「O」(酸素)もしくはNHであり、
R3は、OH、OC1−C8アルキル、NH2、NHC1−8アルキル、N(C1−8アルキル)(このアルキルは、同じであってもよいし異なっていてもよい)、OC0−1アルキレンフェニル、NHC0−1アルキレンフェニル、
(式中、波線は、当該化合物の残部への結合点を示す)、もしくは
(式中、波線は、当該化合物の残部への結合点を示す)であるが、ただしこの式(III)の化合物は、(4−(1−オクチン−1−イル)−2−フェニル−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオン、4−(1−ヘキシン−1−イル)−2−フェニル−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオン、もしくは4−(3,3−ジメチル−1−ブチン−1−イル)−2−フェニル−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオンではない)
である、式(I)または(II)の化合物の少なくとも1つの残基を含む化合物であってもよい。
式(III)または(IV)の残基を含む化合物は、オリゴアミドまたはポリアミド、例えば、ヘキサメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、2,2,4−トリメチル−ヘキサメチレンジアミン、2,4,4−トリメチル−ヘキサメチレンジアミン、1,4−ジアミノブタン、1,2−ジアミノベンゼン、1,3−ジアミノベンゼン、および1,4−ジアミノベンゼンからなる群から選択される単量体の少なくとも1つの残基、例えば少なくとも10、25、もしくは50の残基、ならびにシュウ酸、マロン酸、アジピン酸、セバシン酸、イソフタル酸、テレフタル酸および2,5−フランジカルボン酸からなる群から選択される単量体の少なくとも1つの残基、例えば少なくとも10、25、もしくは50の残基を含む脂肪族オリゴアミドもしくはポリアミド;またはカプロラクタム、11−アミノウンデカン酸、12−アミノデカン酸、およびアミノカプロン酸からなる群から選択される単量体の少なくとも1つの残基を含むオリゴアミドもしくはポリアミドであってもよい。このオリゴアミドまたはポリアミドが式(IV)の残基を含む場合、「A」はNHであってもよい。
さらには、式(III)の残基を含む化合物は、ピロメリト酸二無水物もしくは一般式(XV)の二無水物
(式中、「G」は、直接の結合、もしくはカルボニル基、メチレン基、スルホン基、スルフィド基、エーテル基、−C(O)−フェニレン−C(O)−基、イソプロピリデン基、ヘキサフルオロイソプロピリデン基、3−オキシフェノキシ基、4−オキシフェノキシ基、4’−オキシ−4−ビフェノキシ基、および4−[1−(4−オキシフェニル)−1−メチルエチル]フェノキシ基からなる群から選択される二価基を表し、「G」は、このイソベンゾフラン−1,3−ジオン残基の、それぞれ4位もしくは5位および4’位もしくは5’位に結合されていてもよい)
の少なくとも1つの残基、例えば2〜40の残基、ならびに
1,4−ジアミノベンゼン、1,3−ジアミノベンゼン、もしくは一般式(XVI)のジアミン
(式中、このアミノ基は、当該ベンゼン残基の中の任意の置換可能な炭素原子、すなわちそれぞれ2位、3位もしくは4位、および2’位、3’位もしくは4’位に結合されていてもよく、「L」は、直接の結合、もしくは−O−、−S−、−SO−、−C(O)−、−C(CH−、−C(CF−、−CH−、3−オキシフェノキシ基、4−オキシフェノキシ基、4’−オキシ−4−ビフェノキシ基、および4−[1−(4−オキシフェニル)−1−メチルエチル]フェノキシ基からなる群から選択される部分である)の少なくとも1つの残基、例えば2〜40の残基を含むオリゴイミドまたはポリイミドであってもよい。
さらには、「A」が「O」酸素である式(IV)の残基を含む化合物は、オリゴエステルまたはポリエステルであってもよい。
加えて、式(I)または(II)の化合物の反応性は、第1の第一級アミノ基を含む化合物との反応によって変えられうる。変えられた反応性を持つこのような化合物は、式(III)の残基に加えて、NH2、OH、COR4(式中、R4はOHである)、ハロ、OC1−C8アルキル、OC(O)C1−8アルキル、OC0−1アルキレンフェニル、ビニル、およびCOHからなる群から選択される少なくとも1つの基を含んでもよい。
本発明の別の態様は、式XXの化合物
(式中、
「Ak」は、C1−10アルキル、例えばメチル、またはC0−1アルキレンシクロヘキシルであり、
Qは、C2−12アルキレン、フェニレン、C1−4アルキレン−フェニレン−C1−4アルキレン、またはC0−4アルキレン−シクロヘキサンジイル−C0−4アルキレンからなる群から選択される)に関する。
本発明の別の態様は、式(III)もしくは(IV)の残基を含むオリゴマーまたはポリマーを含む組成物に関する。このようなオリゴマーまたはポリマーは、さらなるポリマー、ならびに/または少なくとも1つの充填剤、強化材、色素、外添難燃剤、安定剤、および/もしくは可塑剤をさらに含んでもよい。そのような組成物の中の式(III)もしくは(IV)の残基を含むオリゴマーまたはポリマーの量は少なくとも10重量%であってもよい。
本発明の別の態様は、式(I)または(II)の化合物の製造方法に関する。このような方法は、
クロロフタル酸無水物、ブロモフタル酸無水物、もしくはヨードフタル酸無水物、例えば4−ブロモフタル酸無水物、または式(V)もしくは(VI)の化合物
(式中、
「Hal」は、クロロ、ブロモ、もしくはヨード、例えばブロモであり、
R10は、H、C1−8アルキルもしくはC0−1アルキレンフェニルであり、
R11およびR12は、独立に、OC1−8アルキル、OC0−1アルキレンフェニル、NH2、NHC1−8アルキル、N(C1−8アルキル)(このアルキルは、同じであってもよいし異なっていてもよい)、およびNHC0−1アルキレンフェニルからなる群から選択される)
を、式(VII)の化合物
(式中、
「Ak」は請求項1もしくは請求項3のいずれか1項に記載の残基である)
と反応させ、式(I)または(II)の化合物を得る工程と、
任意に、得られた式(I)または(II)の化合物を、クロマトグラフィーまたは再結晶化を使用して精製する工程と
を含む。
本発明の別の態様は、式(II)の化合物
(式中、
「Ak」はC1−10アルキルもしくはC0−1アルキレンシクロヘキシルであり、
「X」は「O」(酸素)である)
を、オリゴアミドまたはポリアミドに導入する方法であって、
式(II)の化合物と反応させるオリゴアミドまたはポリアミドを融解させる工程と、
このオリゴアミドまたはポリアミドを式(II)の化合物と混合する工程と、
このオリゴアミドまたはポリアミドを式(II)の化合物と反応させる工程と
を含む方法、に関する。
本発明のさらなる有利な特徴は、従属請求項に明記されている。加えて、本発明の有利な特徴は、本願明細書に開示される実施形態で詳述される。
定義
本願および本発明に関しては、以下の定義が適用される。
本願明細書で使用する場合、「ハロ」または「ハロゲン」は、フルオロ、クロロ、ブロモ、およびヨードを指す。
本願明細書で使用する場合、単独で、または接尾辞もしくは接頭辞として使用される「アルキル」は、1〜12個の炭素原子を有する分枝状および直鎖の両方の飽和脂肪族炭化水素基を包含することが意図されており、炭素原子の特定数が与えられている場合には、その特定数が意図されている。例えば「C1−6アルキル」は、1個、2個、3個、4個、5個または6個の炭素原子を有するアルキルを表す。アルキル基を表す特定数が整数0(ゼロ)であるとき、水素原子が、そのアルキル基の位置における置換基として意図されている。例えば、「N(C0アルキル)」は「NH2」(アミノ)と等価である。
本願明細書で使用する場合、単独で、または接尾辞もしくは接頭辞として使用される「アルキレニル」または「アルキレン」は、1〜12個の炭素原子を有する直鎖飽和脂肪族炭化水素基を包含することが意図されており、炭素原子の特定数が与えられている場合には、その特定数が意図されている。例えば「C1−6アルキレニル」、「C1−6アルキレン」は、1個、2個、3個、4個、5個または6個の炭素原子を有するアルキレニルまたはアルキレンを表す。アルキレニル基またはアルキレン基を表す特定数が整数0(ゼロ)であるとき、そのアルキレニル基またはアルキレン基が置換している基をつなぐための結合が意図されている。例えば、「NH(C0アルキレン)NH」は「NHNH」(ヒドラジノ)と等価である。本願明細書で使用する場合、アルキレン基またはアルキレニル基によってつながれた基は、そのアルキレン基またはアルキレニル基の最初の炭素および最後の炭素に結合されていることが意図されている。メチレンの場合は、最初の炭素および最後の炭素は同じである。例えば、「HN(C2アルキレン)NH」、「HN(C3アルキレン)NH」、「N(C4アルキレン)」、「N(C5アルキレン)」および「N(C2アルキレン)NH」は、それぞれ、1,2−ジアミノエタン、1,3−ジアミノプロパン、ピロリジニル、ピペリジニルおよびピペラジニルと等価である。
アルキルの例としては、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、ペンチル、およびヘキシルが挙げられるが、これらに限定されない。
アルキレンまたはアルキレニルの例としては、メチレン、エチレン、プロピレン、およびブチレンが挙げられるが、これらに限定されない。
本願明細書で使用する場合、用語「アリール」は、5〜14個の炭素原子から構成される少なくとも1つの芳香環を含む環構造を指す。5個、6個、7個および8個の炭素原子を含有する環構造は、単環式芳香族基、例えばフェニルであろう。8個、9個、10個、11個、12個、13個、または14個の炭素原子を含有する環構造は、多環式、例えばナフチルであろう。この芳香環は、1以上の環位置で置換されていてもよい。用語「アリール」は、2個以上の炭素が2つの隣り合う環に共通である2以上の環式環(これらの環は「縮合環」である)を有する多環式環系であって、それら環のうちの少なくとも1つが芳香族であり、例えば、この他の環式環はシクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、および/またはアリールであってもよいものも包含する。
用語「オルト(ortho)」、「メタ(meta)」および「パラ(para)」は、それぞれ1,2−、1,3−および1,4−二置換ベンゼンに当てはまる。例えば、化合物名1,2−ジメチルベンゼンおよびオルト−ジメチルベンゼンは同義である。
本願明細書で使用する場合、用語「置換可能な」は、水素が共有結合で結合されていてもよく、かつその水素の代わりに別の置換基が存在してもよい原子を指す。置換可能な原子の非限定的な例としては、ピリジンの炭素原子が挙げられる。ピリジンの窒素原子は、この定義によれば、置換可能ではない。
実施形態
式(I)もしくは(II)の化合物
(式中、R1およびR2は、独立に、OH、ハロ、OC1−C8アルキル、例えばメトキシおよびエトキシ、NH2、NHC1−8アルキル、N(C1−8アルキル)(このアルキルは、同じであってもよいし異なっていてもよい)、OC(O)C1−8アルキル、OC0−1アルキレンフェニル、ならびにNHC0−1アルキレンフェニルからなる群から選択され、Akは、C1−10アルキル、例えばメチル、もしくはC0−1アルキレンシクロヘキシルであり、「X」は、「O」(酸素)、NH、NC1アルキレンフェニル、およびN−C1−8アルキルからなる群から選択される)
の残基を含むポリアミド、例えばそのような化合物で末端封鎖された化合物、または
式(II)の化合物(式中、「Ak」はC1−10アルキルもしくはC0−1アルキレンシクロヘキシルであり、「X」はNHフェニルであるが、ただしこの化合物は、(4−(1−オクチン−1−イル)−2−フェニル−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオン、4−(1−ヘキシン−1−イル)−2−フェニル−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオン、もしくは4−(3,3−ジメチル−1−ブチン−1−イル)−2−フェニル−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオンではない)
の残基を含むポリアミドが、PEPAの残基を含むポリアミドよりもわずかに低い温度で、すなわち約310℃で架橋されうるということが、予想外にも明らかになった。
この温度は、実質的に何ら硬化、すなわち架橋、を開始することなく、式(I)もしくは(II)の化合物の残基を含む脂肪族オリゴアミドまたはポリアミド、例えばPA66、の通常の加工を許容するのに十分高い。しかしながら、式(I)もしくは(II)の化合物の残基を含む脂肪族オリゴアミドまたはポリアミドは、PEPAの残基を含むオリゴアミドまたはポリアミドとは対照的に、そのオリゴアミドまたはポリアミドの顕著な熱分解はなしに、硬化、すなわち架橋、されうる。
従って、本発明の一実施形態は、本願明細書に開示される式(I)または(II)の化合物に関する。
式(I)の化合物において、R1およびR2は、さらには、互いに独立に、OH、ハロ、例えばクロロ、ならびにOC1−C8アルキル、例えばメトキシおよびエトキシからなる群から選択されてもよい。式(II)の化合物において、「X」は、さらに「O」(酸素)であってもよい。
1つの実施形態によれば、式(I)または(II)の化合物の中の「Ak」は、メチル、エチル、プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、ネオペンチルであってもよい。好ましくは、式(I)または(II)の化合物において「Ak」はメチルである。
式(I)または(II)の化合物において、アルキン残基、すなわちAk−≡−、は、当該ベンゼン残基の置換可能な炭素原子のいずれに結合されていてもよい。このアルキン残基が当該ベンゼン残基の4位または5位に連結され、1位および2位がフラン−1,3−ジオン部分と縮合している炭素原子である場合が好ましい。
従って、本発明の一実施形態は、下記の化合物
(5−(プロパ−1−イン−1−イル)イソベンゾフラン−1,3−ジオン;本願明細書中ではMEPA(メチルエチニルフタル酸無水物)とも表される)
である式(II)の化合物に関する。
式(I)または(II)の化合物は、式(I)または(II)の化合物の残基を含む化合物を得るために使用されてもよい。従って、一実施形態は、式(I)または(II)の化合物の少なくとも1つの残基が式(III)または(IV)の残基
(式中、
波線は、当該化合物の残部への結合点を示し、
「Ak」は、C1−10アルキル、例えばメチル、もしくはC0−1アルキレンシクロヘキシルであり、すなわち式(III)もしくは(IV)の中の「Ak」は、式(I)もしくは(II)の中の「Ak」に対応する残基であり、
「A」は「O」(酸素)もしくはNHであり、
R3は、OH、OC1−C8アルキル、NH2、NHC1−8アルキル、N(C1−8アルキル)(このアルキルは、同じであってもよいし異なっていてもよい)、OC0−1アルキレンフェニル、NHC0−1アルキレンフェニル、
(式中、波線は、当該化合物の残部への結合点を示す)、もしくは
(式中、波線は、当該化合物の残部への結合点を示す)であるが、ただし上記式(III)の残基を含む化合物は(4−(1−オクチン−1−イル)−2−フェニル−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオン、4−(1−ヘキシン−1−イル)−2−フェニル−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオン、もしくは4−(3,3−ジメチル−1−ブチン−1−イル)−2−フェニル−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオンではない)
である、式(I)または(II)の化合物の少なくとも1つの残基を含む化合物に関する。
式(I)または(II)の化合物は、カルボン酸無水物、例えば式(II)の化合物、またはそのカルボン酸もしくは誘導体、例えば式(I)の化合物と反応しうる官能基を含むオリゴマーおよびポリマーのための末端封鎖剤として好適である。このような官能基は、第一級アミノ基、ヒドロキシ基およびエポキシ基からなる群から選択されてもよい。
従って、別の実施形態は、本願明細書に開示される式(I)もしくは(II)の化合物の少なくとも1つの残基を含む、オリゴアミドもしくはポリアミド、オリゴイミドもしくはポリイミド、オリゴエステルもしくはポリエステル、またはエポキシ樹脂に関する。同様に、一実施形態は、本願明細書に開示される式(I)もしくは(II)の化合物をオリゴアミドもしくはポリアミド、オリゴイミドもしくはポリイミド、オリゴエステルもしくはポリエステル、またはエポキシ樹脂と反応させることにより得ることができるオリゴアミドもしくはポリアミド、オリゴイミドもしくはポリイミド、オリゴエステルもしくはポリエステル、またはエポキシ樹脂に関する。従って、このような末端封鎖されたオリゴアミドもしくはポリアミド、オリゴイミドもしくはポリイミド、オリゴエステルもしくはポリエステルまたはエポキシ樹脂は、式(III)または(IV)の残基、
(式中、波線は、当該オリゴマーもしくはポリマーの残部への結合点を示し、「Ak」は、本願明細書中でこれまでに開示されたとおり、C1−10アルキル、例えばメチル、もしくはC0−1アルキレンシクロヘキシルであり、「A」は「O」(酸素)もしくはNHであり、R3は、OH、OC1−C8アルキル、NH2、NHC1−8アルキル、N(C1−8アルキル)(このアルキルは、同じであってもよいし異なっていてもよい)、OC0−1アルキレンフェニル、NHC0−1アルキレンフェニル、
(式中、波線は、当該化合物の残部への結合点を示す)、もしくは
(式中、波線は、当該オリゴマーもしくはポリマーの残部への結合点を示す)を含んでもよい。
R3が
または
である式(IV)の残基を含む化合物は、鎖延長の結果物と見ることができ、すなわち式(I)または(II)の化合物は、少なくとも2つのオリゴマーまたはポリマー鎖を一緒に連結し、これにより三重結合をペンダントとして配置しオリゴマーまたはポリマー鎖の末端には配置しないために、使用されてもよい。
式(I)または(II)の化合物と反応する第一級アミノ基は、「A」がNHである式(IV)の残基を含む化合物を最初に生じるであろう。安定性を改善するために、このあと式(IV)の残基を含む化合物は、水を脱離させる脱水によるなどでイミド化されて、式(III)の残基を含む化合物を形成してもよい。
式(I)もしくは(II)の化合物と反応するヒドロキシ基、または式(I)の化合物(R1およびR2のうちの少なくとも1つがヒドロキシルである場合)、もしくは式(II)の化合物(「X」が「O」(酸素)である場合)と反応するエポキシ基は、「A」が「O」(酸素)である式(IV)の残基を含む化合物を生じるであろう。
式(I)もしくは(II)の化合物で末端封鎖または鎖伸長されうるオリゴアミドおよびポリアミドの一般的な例としては、ナイロン6、66、46、69、610、612、11、12、6T、6I、6DT、またはこれらの混合物が挙げられる。好ましくは、このオリゴアミドまたはポリアミドは、高アミノオリゴアミドまたは高アミノポリアミドである。1つの実施形態によれば、高アミノオリゴアミドまたは高アミノポリアミドは、アミノ基である末端基の統計的百分率が50%を超えるオリゴアミドまたはポリアミド、例えばアミノ基である末端基の統計的百分率が75%を超えるオリゴアミドまたはポリアミドである。
1つの実施形態によれば、式(I)または(II)の化合物で末端封鎖または鎖伸長されることになるオリゴアミドおよびポリアミドは、220℃の融点を有するPA6、260℃の融点を有するPA66、および295℃の融点を有するPA46などの脂肪族オリゴアミドまたはポリアミドであってもよい。好ましくは、この脂肪族オリゴアミドまたはポリアミドはPA66であってもよい。さらには、複数の種類のオリゴアミドおよびポリアミドの混合物が使用されてもよい。当業者に公知のように、ポリマーのブレンドの融点は、ブレンドの中に存在するポリマーの含有量およびポリマーの種類を変えることによって調整されうる。
さらには、式(I)もしくは(II)の化合物で末端封鎖または鎖伸長されてもよいオリゴアミドおよびポリアミドは、半芳香族オリゴアミドまたはポリアミド、例えばPA6Iであってもよい。
本願明細書中でこれまでに開示されたこのような架橋可能なオリゴアミドまたはポリアミドは、オリゴアミドまたはポリアミドを得るために通常使用される単量体の、少なくとも1つの残基、例えば少なくとも10、25、もしくは50の残基を含んでもよい。縮合コポリマーとしてのオリゴアミドまたはポリアミドを得るために通常使用される単量体は、ヘキサメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、2,2,4−トリメチル−ヘキサメチレンジアミン、2,4,4−トリメチル−ヘキサメチレンジアミン、1,4−ジアミノブタン、1,2−ジアミノベンゼン、1,3−ジアミノベンゼン、および1,4−ジアミノベンゼンなどのジアミン、ならびにシュウ酸、マロン酸、アジピン酸、セバシン酸、イソフタル酸、テレフタル酸および2,5−フランジカルボン酸などのジカルボン酸を含む。開環ポリマーとしてのオリゴアミドまたはポリアミドを得るために通常使用される単量体は、カプロラクタムなどのラクタムを含む。また、オリゴアミドおよびポリアミドを得るために、11−アミノウンデカン酸、12−アミノデカン酸、およびアミノカプロン酸などの直鎖状のアミノ酸も使用されてもよい。
式(III)もしくは(IV)に係る架橋性末端封鎖剤を含むオリゴアミドまたはポリアミドは、脂肪族オリゴアミドまたはポリアミドであってもよい。縮合コポリマーとしてのこのような脂肪族オリゴアミドまたはポリアミドを得るために通常使用される単量体は、ヘキサメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、2,2,4−トリメチル−ヘキサメチレンジアミン、2,4,4−トリメチル−ヘキサメチレンジアミン、1,4−ジアミノブタンなどの脂肪族ジアミン、ならびにシュウ酸、マロン酸、アジピン酸、セバシン酸などの脂肪族ジカルボン酸を含む。開環ポリマーとしての脂肪族オリゴアミドまたはポリアミドを得るために通常使用される単量体は、カプロラクタムなどのラクタムを含む。また、直鎖状のアミノ酸、例えば11−アミノウンデカン酸、12−アミノデカン酸、およびアミノカプロン酸が、脂肪族オリゴアミドまたはポリアミドを得るために使用されてもよい。
当業者に公知のように、ポリアミドは難溶性である。従って、溶液中での化学反応によって式(I)または(II)の化合物を導入することは、可能ではあるが、不利である可能性がある。さらには、溶液中でのポリマーの修飾は、製造プロセスに溶解および蒸発というさらなる工程を導入するので、この溶液中でのポリマーの修飾はできる限り回避されるのが一般的である。
式(I)または(II)の化合物をオリゴアミドおよびポリアミドに導入するための1つの選択肢は、式(I)または(II)の化合物を、重合の際のさらなる構成成分として存在させることである。しかしながら、式(I)または(II)の化合物は鎖延長剤として作用する可能性はあるが、いずれにせよ重合度は、悪影響を受ける可能性が非常に高い。さらには、非常に長い重合反応時間によって、分解が原因で、導入される架橋剤の利用率が低下する傾向がある。
しかしながら、式(I)または(II)の化合物、とりわけ「X」が「O」(酸素)である式(II)の化合物は、溶融変性、すなわち式(I)または(II)の化合物を溶融したポリアミドに混ぜ込むこと、によってポリアミドへと導入されうるということが、予想外にも見出された。充填剤、色素、外添難燃剤、安定剤、可塑剤をポリアミドにブレンドするためのポリアミドの溶融変性は当該技術分野で公知であるが、ポリアミドまたは式(I)もしくは(II)の化合物自体を分解することなく、式(I)または(II)の化合物がポリアミドに効果的に導入されうるということは予想外である。
一例として、5−(プロパ−1−イン−1−イル)イソベンゾフラン−1,3−ジオンは、単軸混合機もしくは二軸混合機、例えばコンパウンダー、または押出機を使用することにより、ポリアミド、例えばPA66、に組み込まれてもよい。混合機は、典型的には、特定のポリアミドについての通常の加工温度、例えば標準的なポリアミド66については290℃〜300℃で運転される。好ましくは、スクリュー長/直径比は、例えば290℃、3分で、反応の十分な収率を成し遂げるために十分大きくあるべきである。より低い加工温度では、十分な収率を成し遂げるために、滞留時間は延ばされる必要がある。従って、一例として、スクリュー長/直径比は、少なくとも15、例えば15〜40であってもよい。あるいは溶融混合機を使用して、組み込みが完結するまで混合時間をわずかでも延ばすことができる。
従って一実施形態は、炭素−炭素三重結合を含む架橋可能な芳香族カルボン酸無水物、例えば「X」が「O」(酸素)である式(II)の化合物、例えばMEPA、をオリゴアミドまたはポリアミド、例えばPA66、に導入する方法に関する。このような方法は、典型的には、
芳香族カルボン酸無水物と反応させるオリゴアミドまたはポリアミドを溶融させる工程と、
このオリゴアミドまたはポリアミドを芳香族カルボン酸無水物と混合する工程と、
このポリアミドを当該芳香族カルボン酸無水物と反応させる工程と
を含む。
ポリアミドは、芳香族カルボン酸無水物と混合される前、混合される間、または混合された後に溶融されてもよい。上に示したように、溶融および混合は、単軸混合機または二軸混合機、例えばコンパウンダー押出機で実施されてもよい。得られた架橋可能なポリアミドは、本願明細書中でこれまでに開示された式(III)または(IV)の残基を含んでもよい。
溶融混合によって導入されてもよい炭素−炭素三重結合を含む架橋可能な芳香族カルボン酸無水物の例は、「X」が「O」(酸素)である式(II)の化合物に限定されない。炭素−炭素三重結合を含む架橋可能な芳香族カルボン酸無水物のさらなる例としては、EPA、PEPA、5−(3−フェニルプロパ−2−イノイル)イソベンゾフラン−1,3−ジオンおよび関連する誘導体が挙げられる。
一実施形態によれば、溶融混合によって導入されてもよい炭素−炭素三重結合を含む架橋可能な芳香族カルボン酸無水物の例は、式XXVの化合物
(式中、R5は−≡−C1−5アルキル、例えば−≡−Me、−≡−H、−≡−Ph(このフェニル基は、独立にフルオロ、ニトロ、フェニル、フェノキシ、トリフルオロメチル、アルキル、SO3H、もしくはSO3からなる群から選択される1つまたは複数の置換基で置換されていてもよい)である)
である。式(XXV)の化合物では、R1は、ベンゼン残基の置換可能な炭素原子のいずれに結合されていてもよい。それぞれのアルキン残基がそれぞれのベンゼン残基の4位または5位に連結され、1位および2位はそれぞれのフラン−1,3−ジオン部分と縮合している炭素原子である場合が好ましい。
さらには、オリゴアミドまたはポリアミドだけが、溶融混合によって、炭素−炭素三重結合を含む架橋可能な芳香族カルボン酸無水物で末端封鎖されうるわけではない。カルボン酸無水物と反応しうる官能基を含み、かつ架橋が開始される温度よりも低い温度で溶融しうる他のポリマーも、溶融混合によって末端封鎖されてもよい。このような官能基は、第一級アミノ基、ヒドロキシ基およびエポキシ基からなる群から選択されてもよい。一例として、エポキシドおよびポリエステルも溶融混合によって末端封鎖されてもよい。
式(I)もしくは(II)の化合物で末端封鎖または鎖延長されうるオリゴエステルおよびポリエステルの一般的な例は、ポリ(エチレンテレフタレート)(PET)、ポリ(エチレンナフタレート)(PEN)、ポリ(プロピレンテレフタレート)(PPT)およびポリ(ブチレンテレフタレート)(PBT)を含む。
本願明細書中でこれまでに開示された架橋可能なオリゴエステルまたはポリエステルは、オリゴエステルまたはポリエステルを得るために典型的に使用される単量体の、少なくとも1つの残基、例えば少なくとも5、10、もしくは20の残基を含んでもよい。オリゴエステルまたはポリエステルを得るために典型的に使用される単量体は、テレフタル酸無水物および脂肪族ジオール類、例えばエチレングリコール、2,3−ブタンジオールおよび1,3−プロパンジオールを含む。
本願明細書中でこれまでに開示された架橋可能なオリゴイミドまたはポリイミドは、オリゴイミドまたはポリイミドを得るために典型的に使用される単量体の、少なくとも1つの残基、例えば2〜40もしくは4〜20の残基を含んでもよい。縮合コポリマーとしてのオリゴイミドまたはポリイミドを得るために典型的に使用される単量体は、芳香族カルボン酸二無水物、例えばピロメリト酸二無水物、4,4’−オキシジフタル酸無水物、2,2−ビス−[4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]−プロパン二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−テトラカルボキシビフェニル二無水物、4,4’,5,5’−スルホニルジフタル酸無水物、および5,5’−(ペルフルオロプロパン−2,2−ジイル)ビス(イソベンゾフラン−1,3−ジオン)、ならびに芳香族ジアミン、例えば4,4’−オキシジアニリン、1,4−ジアミノベンゼン、1,3−ジアミノベンゼン、1,3−ビス−(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス−(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、メチレンジアニリン、および3,4’−オキシジアニリンを含む。
1つの実施形態によれば、オリゴイミドまたはポリイミドを得るために使用される芳香族二無水物は、ピロメリト酸二無水物または一般式(XV)の二無水物、
(式中、「G」は、直接の結合、もしくはカルボニル基、メチレン基、スルホン基、スルフィド基、エーテル基、−C(O)−フェニレン−C(O)基、イソプロピリデン基、ヘキサフルオロイソプロピリデン基、3−オキシフェノキシ基、4−オキシフェノキシ基、4’−オキシ−4−ビフェノキシ基、および4−[1−(4−オキシフェニル)−1−メチルエチル]フェノキシ基からなる群から選択される二価基を表し、「G」は、当該イソベンゾフラン−1,3−ジオン残基の中の、それぞれ4位もしくは5位および4’位もしくは5’位に連結されていてもよい)
であってもよい。
1つの実施形態によれば、オリゴイミドまたはポリイミドを得るために使用される芳香族ジアミンは、1,4−ジアミノベンゼン、1,3−ジアミノベンゼン、または一般式(XVI)のジアミン
(式中、アミノ基は、ベンゼン残基の中のいずれの置換可能な炭素原子に、すなわちそれぞれ2位、3位もしくは4位、および2’位、3’位、もしくは4’位に連結されていてもよく、「L」は、直接の結合、もしくは−O−、−S−、−SO−、−C(O)−、−C(CH−、−C(CF−、−CH−、3−オキシフェノキシ基、4−オキシフェノキシ基、4’−オキシ−4−ビフェノキシ基、および4−[1−(4−オキシフェニル)−1−メチルエチル]フェノキシ基からなる群から選択される部分である)
であってもよい。好ましくは、このアミノ基は、それぞれのベンゼン残基の3位または4位に連結されている。対称性ジアミン、例えば、一般式(XVI)の3,3’−および4,4’−置換ジアミン、ならびに非対称性ジアミン、例えば、一般式(XVI)の3,4’−、または4,3’−置換ジアミン、が等しく可能である。
当該技術分野で周知のように、屈曲し回転が妨げられた構造を有し、その結果、高いTgだけでなく改善された加工性および高い溶融流動性ならびに有機溶媒に対する樹脂の溶解性を生じるポリイミドを調製するために非対称性の芳香族ジアミンおよび芳香族二無水物が使用されてもよい。対称性芳香族二無水物および非対称性芳香族二無水物が等しく可能である。
式(III)もしくは(IV)の残基を含むオリゴマーまたはポリマーは、一実施形態によれば、約1,000〜40,000、例えば約10,000〜30,000の数平均分子量を有してもよい。この数平均分子量は、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)、例えばゲル透過クロマトグラフィー(GPC)を用いて決定されてもよい。
別の実施形態は、式(III)もしくは(IV)の残基を含むオリゴマーまたはポリマーを含む組成物に関する。さらには、当該組成物は、複数の種類の式(III)もしくは(IV)の残基を含むオリゴマーまたはポリマー、例えば少なくとも2種の異なる種類のポリアミドを含んでもよい。当該組成物は、少なくとも1つのさらなるポリマー、例えば少なくとも1つのさらなるオリゴアミドもしくはポリアミド、少なくとも1つのさらなるオリゴイミドもしくはポリイミド、もしくは少なくとも1つのさらなるオリゴエステルもしくはポリエステル、ならびに/または少なくとも1つの充填剤、強化材、色素、外添難燃剤、安定剤、可塑剤および/もしくは当該技術分野で公知のいずれかの他の添加剤をさらに含んでもよい。式(III)もしくは(IV)の残基を含むオリゴマーまたはポリマーは、好ましくは、当該組成物の少なくとも10重量%、例えば少なくとも25重量%、40重量%、60重量%、または80重量%に対応する量で存在する。さらには、このような組成物は、式(I)または(II)の化合物をも含んでもよい。
別の実施形態は、式(III)もしくは(IV)の残基を含むオリゴマーまたはポリマーを含む物品に関する。任意に、当該物品中のオリゴマーまたはポリマーは、それを加熱することにより架橋されている。典型的には、このようなオリゴマーまたはポリマーを含む物品の例としては、メタアラミドおよびパラアラミド、ポリベンゾイミダゾール(PBI)、ポリエチレン、ポリイミド、ポリアミドイミド(PAI)、液晶ポリマー繊維などの特殊有機繊維が挙げられる。
別の実施形態は、式(III)もしくは(IV)の残基を含むオリゴマーまたはポリマーを含む物品に関する。任意に、当該物品中のオリゴマーまたはポリマーは、それを加熱することにより架橋されている。
典型的には、式(III)もしくは(IV)の残基を含むオリゴイミドまたはポリイミドを含む物品の例としては、電子機器用のフレキシブルフィルム、ワイヤー絶縁部(wire isolation)、ワイヤーコーティング、ワイヤーエナメル、インク、および耐力構造要素が挙げられる。
典型的には、式(III)もしくは(IV)の残基を含むオリゴアミドまたはポリアミドを含む物品の例としては、合成繊維、自動車用パーツ、産業用機械、電子機器、フィルム類、ワイヤー類、ケーブル類、チューブ状のもの、パイプ類および加工用母材(ストックシェイプ)が挙げられる。
典型的には、式(III)もしくは(IV)の残基を含むオリゴエステルまたはポリエステルを含む物品の例としては、合成繊維および容器、例えば飲料用の瓶が挙げられる。
PEPAおよびEPAと同様に、式(I)または(II)の化合物、およびこのような化合物の残基を含む化合物も、それらを加熱することにより、架橋されてもよい。何らかの理論に結び付けられるわけではないが、エチニル部分を含む化合物の混合物の加熱の際に、これらの部分は、いずれは反応し始めるであろうと考えられる。別々の分子の2つのエチニル部分の反応により、鎖が伸長された生成物が与えられることになり、他方、別々の分子の3つのエチニル部分の反応により、3本の「腕」を持つベンゼン部分が与えられると考えられる。その後、そのような「腕」上に存在する2つまたは3つのエチニル部分は反応して、架橋生成物を形成する可能性がある。鎖伸長、しかしとりわけ架橋、は、当該技術分野で示されているとおり、エチニル部分を含むオリゴマーまたはポリマーの特性を改善するであろう。エチニル部分を含むオリゴマーまたはポリマーの、熱によって開始される鎖伸長、しかしとりわけ架橋は、硬化と呼ばれることが多い。
式(III)または(IV)の残基を含む化合物、例えばオリゴアミドまたはポリアミド、および式(III)もしくは(IV)の残基を含むオリゴアミドもしくはポリアミドを含む組成物または物品の硬化は、加熱によって成し遂げられてもよい。
このような加熱は、等温の多段階プロセスで実施されてもよい。一例として、このような等温の多段階プロセスは、硬化させる対象の材料を250℃〜350℃に、例えば約280℃で、いくらかの時間、典型的には1〜2時間加熱することにより始まってもよい。しかしながら、より短い時間、例えば1時間未満、または30分未満、も使用されてもよい。さらには、より長い時間、例えば10時間まで、も使用されてもよい。その後、温度が段階的に上げられてもよい。各工程は、5℃〜25℃の温度の上昇に対応してもよい。さらには、各工程は、30分〜10時間、例えば1〜2時間の継続期間を有してもよい。最後の工程は、300〜350℃の温度、例えば約350℃での硬化であってもよい。
長時間の350℃を超える温度は回避されるべきであるが、そのような温度での硬化は、短時間、例えば1分未満であれば許容されうる。とりわけ、ポリマーフィルムは、350℃を超える温度で、短時間硬化されてもよい。
等温の多段階プロセスでは、各等温工程の継続期間は、温度が高くなるにつれて短縮されてもよい。等温の多段階プロセスを用いることにより、硬化は、分解よりも促進される可能性があり、とりわけ、温度が高められるにつれて各工程の時間が短縮される場合には、硬化は、分解よりも促進される可能性がある。等温の多段階プロセスのさらなる例は、200℃で始まり、350℃に到達するまで1時間ごとに25℃ずつ温度が高められるプロセスである。
硬化は、250℃〜350℃、例えば280℃〜330℃、の温度での等温加熱によって成し遂げられてもよい。等温加熱の時間は、1〜24時間、例えば5〜15時間であってもよい。
硬化は、温度を連続的に上昇させる加熱プロセスであってもよい。好ましくは、加熱速度は、最初はゆっくりであるが、温度が上昇するにつれて徐々に高められる。
式(III)もしくは(IV)の残基を含むオリゴアミドまたはポリアミドについての硬化サイクルは、硬化段階に加えて、前硬化段階および/または後硬化段階も包含しうる。
当該技術分野で周知のとおり、オリゴイミドおよびポリイミドの調製は、好ましくは、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミドまたはN−メチルピロリドンなどの非プロトン性溶媒(これらに限定されない)の中で実施される。典型的には、オリゴイミドおよびポリイミドは、約10〜40重量%に対応する単量体の乾燥重量で調製される。
オリゴイミドおよびポリイミドの調製においては、常温でまたはわずかに高温で、典型的には約25℃〜50℃で、単量体が混合され、オリゴアミド酸またはポリアミド酸が中間体として得られる。次いで、この中間体のオリゴアミド酸またはポリアミド酸は、はるかに高い温度で、例えば約180℃で、水を脱離させる脱水によってイミド化される。
当業者は容易に理解するように、PEPAおよびEPAと同様に、式(I)または(II)の化合物、例えばMEPA、は、様々な方法でオリゴイミドおよびポリイミドへと組み込まれてもよい。
一例として、式(I)または(II)の化合物は、重合させる対象のジアミン単量体および二無水物単量体を含む反応混合物に、最初からまたは初期に加えることによって、ポリイミドに共重合されてもよい。芳香族ジアミンおよび芳香族二無水物の例は、本願明細書中にこれまでに与えられている。
オリゴイミドおよびポリイミドの形成には中間体のオリゴアミド酸またはポリアミド酸の形成が伴うので、式(I)もしくは(II)の化合物で末端封鎖されたオリゴアミド酸またはポリアミド酸中間体、ならびに式(I)もしくは(II)の化合物で末端封鎖されたオリゴイミドまたはポリイミドが単離されてもよい。
式(I)または(II)の化合物は、アミノ末端化オリゴアミド酸もしくはポリアミド酸またはアミノ末端化オリゴイミドもしくはポリイミドが調製された後に、それぞれ、アミノ末端化オリゴアミド酸もしくはポリアミド酸またはアミノ末端化オリゴイミドもしくはポリイミドとの反応に供されてもよい。
Virginia Polytechnic Institute and State UniversityのDebra Lynn Dunsonによる学位論文「Synthesis and characterization of thermosetting polyimide oligomers for microelectronics packaging」(2000年)は、PEPAで末端封鎖されたオリゴイミドおよびポリイミドの調製に関する情報を提供する。同様の手順を用いて、本願明細書に開示される式(I)または(II)の化合物の残基を含むオリゴイミドおよびポリイミドを調製してもよい。従って、Virginia Polytechnic Institute and State UniversityのDebra Lynn Dunsonによる学位論文「Synthesis and characterization of thermosetting polyimide oligomers for microelectronics packaging」(2000年)は、出典を明記することにより本願明細書に援用したものとする。
当業者にとっては周知であるとおり、種々のポリアミドおよびポリエステルが、本願明細書にこのあと開示されるようにして、得られうる。
ナイロン66を調製する際には、アジピン酸(シクロヘキサンから誘導される)およびヘキサメチレンジアミン(最も一般的には、ブタジエンまたはアクリロニトリルから誘導される)が予備反応に供され、精製に特によく適合したナイロン塩が形成される。その後、精製されたナイロン塩が加熱され、そして水が除去されるにつれて、重縮合が進行し、現行の製造ユニットは、連続的にもバッチ手順によっても稼働する。
ナイロン6を調製する際には、カプロラクタム(シクロヘキサンまたはフェノールから誘導される)が、融解した状態で、制御された量の水との反応に供され、中間体であるε−アミノカプロン酸が得られ、このε−アミノカプロン酸は、温度および圧力の制御された条件下で水が除去されるにつれて、対応するポリアミド6へと直ちに縮合する。
ナイロン46樹脂は、1,4−ジアミノブタンをアジピン酸と反応させることにより製造される。1,4−ジアミノブタンは、アクリロニトリルをシアン化水素と反応させ、そのあと中間体を還元することにより誘導される。
ナイロン69樹脂は、ヘキサメチレンジアミンおよびアゼライン酸から(中間体を経て)製造される。アゼライン酸は、典型的には、獣脂から(オレイン酸を経て)誘導される。
ナイロン610樹脂は、ヘキサメチレンジアミンおよびセバシン酸から(中間体を経て)製造される。セバシン酸は、通常、ヒマシ油から誘導される。
ナイロン612樹脂は、ヘキサメチレンジアミンおよびドデカン二酸(DDDA)から(中間体を経て)製造される。ドデカン二酸(DDDA)は、ブタジエンから(シクロドデカンを経て)誘導されることが最も多い。
共重合体6/12樹脂は、DDDA、カプロラクタム、ヘキサメチレンジアミン、アジピン酸および/または他の物質から調製される。
ナイロン11樹脂は、代表的にはヒマシ油から誘導される11−アミノ−ウンデカン酸の自己縮合から得られる。
ナイロン12樹脂は、カプロラクタムからナイロン6が得られるのとほぼ同様にして、ラウロラクタムから得られる。ラウロラクタムは、通常は、ブタジエンから(シクロドデカンを経て)誘導される。
PPA(ポリフタルアミド)は、テレフタル酸、イソフタル酸、およびアジピン酸およびヘキサメチレンジアミンから製造される共重合体である。
上で開示されたように、式(I)または(II)の化合物は、アミノ末端化オリゴアミドまたはポリアミドが調製された後に、そのアミノ末端化オリゴアミドまたはポリアミドのアミノ末端すなわちそのアミノ末端基との反応に供されてもよい。
ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂は、およそ等モル比の1,4−ブタンジオールおよびテレフタル酸ジメチル(DMT)の重縮合によって製造される。この反応の第1の工程は、下に示すように、1,4−ブタンジオールがDMT分子の中のメチル基と置換してビス−(4−ヒドロキシブチル)−テレフタレート(BHBT)およびメチルアルコールが形成されるエステル交換反応である。この交換をほぼ完結まで進めるために、遊離したメチルアルコールは、反応系から除去される。PBTは、通常は触媒(一般にはチタンに基づく)の存在下、減圧下、240〜260℃でのBHBTの重縮合によって製造される。重縮合が起こるにつれて、1,4−ブタンジオールが生成し、これは、蒸気として重縮合反応から除去される。
未使用のポリエチレンテレフタレート(PET)ポリマーは、エチレングリコールとテレフタル酸ジメチル(DMT)またはテレフタル酸(TPA)のいずれかとの、中間体ビス−(2−ヒドロキシエチル)−テレフタレート(BHET)を経る重縮合によって製造される。
式(I)または(II)の化合物は、ヒドロキシ末端化オリゴエステルまたはポリエステルが調製された後に、そのヒドロキシ末端化オリゴエステルまたはポリエステルのヒドロキシ末端すなわちそのヒドロキシ末端基との反応に供されてもよい。
式(I)または(II)の化合物の反応性は、第1の第一級アミノ基を含む化合物との反応によって変えられてもよい。第1の第一級アミノ基に加えて、−NH2、−OH、−COR4(式中、R4はOHである)、ハロ、OC1−C8アルキル、OC(O)C1−8アルキル、OC0−1アルキレンフェニル、ビニル、およびCOHからなる群から選択される官能基をも含む化合物の使用によって、式(I)または(II)の化合物は、末端ヒドロキシルまたはカルボキシ基を有するオリゴマーおよびポリマー、例えばポリカーボネートおよびポリエステル用の架橋剤、炭素−炭素二重結合を含む単量体、例えばスチレン、アクリル酸、メタクリル酸、エテン、およびプロペンの重合によって製造されるオリゴマーおよびポリマー用の架橋剤、フェノールおよびアルデヒドの重合によって製造されるオリゴマーおよびポリマー用の架橋剤、などを得るために使用されてもよい。
当業者は容易に理解するように、式(I)または(II)の化合物をこの第1の第一級アミノ基を含む化合物と反応させる際に、このような化合物の官能基のうちの1つを保護することが必要である可能性がある。
さらには、反応性を高めるために、当業者は容易に理解するように、R4は、末端ヒドロキシル基を有するオリゴマーまたはポリマーへと組み込まれる前に、活性化されたカルボキシ基へと変換されてもよい。
第1の第一級アミノ基を含みかつ式(I)または(II)の化合物の反応性を変えるために好適である芳香族化合物の例は、アミノフェノール類またはアミノレゾルシノール類、O−アセチル化アミノフェノール類またはO−アセチル化アミノレゾルシノール類、アミノ安息香酸もしくはそのエステルまたはアミノフタル酸もしくはそのエステルを含む。
式(I)または(II)の化合物の反応性を変えるための脂肪族化合物の例は、アミノアルコール類、例えばエタノールアミン、ジエタノールアミン、および2−アミノ−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール、アミノ酸、例えばグリシン、アラニン、β−アラニン、4−アミノブタン酸、6−アミノ−ヘキサン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノデカン酸、およびアミノカプロン酸、5−アミノ−4−オキソ−ペンタン酸、およびグリシル−グリシンを含む。
一実施形態は、
からなる群から選択される化合物に関する。
さらには、式(I)または(II)の化合物は、2つの炭素−炭素三重結合を含む化合物を得るために使用されてもよい。このような化合物は、架橋度を高めるために使用されてもよい。このような化合物の例は、
である。
典型的には、このような2つの炭素−炭素三重結合を含む化合物は、式(III)もしくは(IV)の残基を含むオリゴマーまたはポリマーを含む組成物に混ぜ込まれる。そのような組成物で使用されるとき、2つの炭素−炭素三重結合を含む化合物は、架橋剤の量を減らすことなく加工性を改善するための反応性溶媒および/または可塑剤として作用する可能性がある。このような混合は、溶融混合によって実施されてもよい。本願明細書に記載されるように、「X」が「O」(酸素)である式(II)の化合物は、溶融混合によってオリゴアミドおよびポリアミドへと組み込まれてもよい。「X」が「O」(酸素)である式(II)の化合物を溶融混合によってオリゴアミドおよびポリアミドへと組み込む前、組み込む最中、または組み込んだ後に、このオリゴアミドおよびポリアミドは、2つの炭素−炭素三重結合を含む化合物と溶融混合されてもよい。
さらには、2つの炭素−炭素三重結合を含みかつ架橋度を高めるために使用されてもよい化合物のさらなる例は、2当量の式(I)または(II)の化合物を1当量のジアミン、例えばフェニレンジアミンまたはヘキサメチレンアミンと反応させることによって得られうる化合物である。
一実施形態は、式XXの化合物
(式中、
「Ak」は、C1−10アルキル、例えばメチル、またはC0−1アルキレンシクロヘキシルであり、
Qは、C2−12アルキレン、フェニレン、C1−4アルキレン−フェニレン−C1−4アルキレン、またはC0−4アルキレン−シクロヘキサンジイル−C0−4アルキレンからなる群から選択される)
に関する。好ましくは、「Ak」は、C1−3アルキルであり、例えばメチルである。さらには、Qは、好ましくは、テトラメチレン、ヘキサメチレン、またはフェニレンである。式(XX)の化合物では、アルキン残基、すなわちAk−≡−、は、それぞれのベンゼン残基の置換可能な炭素原子のいずれに結合されていてもよい。それぞれのアルキン残基がそれぞれのベンゼン残基の4位または5位に連結され、1位および2位はそれぞれのフラン−1,3−ジオン部分と縮合している炭素原子である場合が好ましい。
一実施形態によれば、この式(II)の化合物は2,2’−(ヘキサン−1,6−ジイル)ビス(5−(プロパ−1−イン−1−イル)イソインドリン−1,3−ジオン)である。
さらなる実施形態は、式(XX)の化合物
(式中、
「Ak」は、C1−10アルキル、例えばメチル、またはC0−1アルキレンシクロヘキシルであり、
「Q」は、
(式中、「A」は、直接の結合、または−O−、−S−、−SO−、−C(O)−、−C(CH3)2−、−C(CF3)2−、−CH2−、3−オキシフェノキシ基、4−オキシフェノキシ基、4’−オキシ−4−ビフェノキシ基、および4−[1−(4−オキシフェニル)−1−メチルエチル]フェノキシ基からなる群から選択される部分である)からなる群から選択されるラジカルである)
に関する。
さらには、2つの炭素−炭素三重結合を含みかつ架橋度を高めるために使用されてもよくかつ本願明細書中でこれまでに記載されたこのような化合物は、本発明の式(III)もしくは(IV)の残基を含むオリゴマーまたはポリマーを含む組成物の中に存在してもよい。
さらなる実施形態は、本願明細書に開示される式(I)または(II)の化合物の製造方法に関する。このような方法は、
クロロフタル酸無水物、ブロモフタル酸無水物、もしくはヨードフタル酸無水物、例えば4−ブロモフタル酸無水物、これらの誘導体、または式(V)もしくは(VI)の化合物
(式中、「Hal」は、クロロ、ブロモ、もしくはヨード、例えばブロモであり、R10はH、C1−8アルキルもしくはC1アルキレンフェニルであり、R11およびR12は、独立に、OC1−8アルキル、OC0−1アルキレンフェニル、NH2、NHC1−8アルキル、N(C1−8アルキル)(このアルキルは同じであってもよいし異なっていてもよい)、およびNHC0−1アルキレンフェニルからなる群から選択される)
を、式(VII)の化合物
(式中、「Ak」はC1−10アルキル、例えばメチル、またはC0−1アルキレンシクロヘキシルである)
と反応させ、式(I)または(II)の化合物を得る工程と、
任意に、得られた式(I)または(II)の化合物を精製する工程と
を含む。好ましい実施形態では、4−ブロモフタル酸無水物がプロピンとの反応に供され、MEPAが得られる。
このクロロフタル酸無水物、ブロモフタル酸無水物、またはヨードフタル酸無水物と、式(V)の化合物との間の反応は、典型的には、パラジウム触媒によるカップリング反応、例えばSonagashiraカップリングであってもよい。従って、一実施形態によれば、この反応は、パラジウムを含む化合物、例えばビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムクロリド、および銅を含む化合物、例えばCuIの存在下で実施されてもよい。ホスフィン、例えばトリフェニルホスフィンも、反応混合物に加えられてよい。
さらには、粗生成物は、標準的な技法、例えばクロマトグラフィーまたは再結晶化によって精製されてもよい。クロマトグラフィーは、典型的には、シリカでの順相クロマトグラフィーであってもよい。再結晶化は、任意にカルボン酸、例えばギ酸または酢酸を添加して、芳香族炭化水素などの溶媒中で実施されてもよい。
一実施形態によれば、式(II)の化合物、例えば上記の方法を経て得られる化合物は、有機溶媒または有機溶媒の混合物、例えばヘプタン/酢酸エチル(80/20)を使用して、シリカでの順相クロマトグラフィーによって精製されてもよい。
別の実施形態によれば、式(II)の化合物、例えば上記の方法を経て得られる化合物は、溶媒、例えば芳香族炭化水素、例えばトルエンまたはキシレン、の中での再結晶化によって精製されてもよい。このような再結晶化では、カルボン酸、例えばギ酸または酢酸の添加によって収率が上昇する可能性がある。
本発明は特定の実施形態を参照して上に記載されてきたが、本発明は、本願明細書中に示された特定の形態に限定されることは意図されていない。むしろ、本発明は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定され、上記の特定のもの以外の他の実施形態は、例えば上記のものとは異なる実施形態は、これらの添付の特許請求の範囲の中で等しく可能である。
特許請求の範囲では、用語「含む」は、他の要素または工程の存在を排除しない。加えて、個々の特徴は異なる請求項に含まれていてもよいが、これらは、可能であれば、有利に組み合わされてもよく、異なる請求項に含まれることは、特徴の組み合わせが実行可能ではなくかつ/または有利ではないということを暗示するわけではない。
加えて、単数の参照語句は複数を排除しない。用語「1つの」、「第1の」、「第2の」などは複数を排除しない。
それぞれ、フェニレンジアミンでイミド化したEPA、MEPAおよびPEPAのDSCスキャンを示す。 ニートのPA66およびMEPAで末端封鎖したPA66の粘度/温度スキャンを示す。 ニートのPA66およびPEPAで末端封鎖したPA66の粘度/温度スキャンを示す。 示差走査熱量測定(DSC)によって測定したPA66−MEPA−HDMEPA化合物のサーモグラムを示す。 平行板粘度測定法によって測定した、PA66−MEPA−HDMEPA化合物の、温度の関数としての複素溶融粘度およびtan δを示す。
以下の例は、単なる例であり、本発明の範囲を限定するとは決して解釈されるべきではない。むしろ、本発明は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。
略語
PEPA フェニルエチニルフタル酸無水物
EPA エチニルフタル酸無水物
MEPA 5−(プロパ−1−イン−1−イル)イソベンゾフラン−1,3−ジオン
PD−MEPA 2,2’−(1,3−フェニレン)ビス(5−(プロパ−1−イン−1−イル)イソインドリン−1,3−ジオン)
HD−MEPA 2,2’−(ヘキサン−1,6−ジイル)ビス(5−(プロパ−1−イン−1−イル)イソインドリン−1,3−ジオン)
5−(プロパ−1−イン−1−イル)イソベンゾフラン−1,3−ジオン(MEPA)
窒素(g)雰囲気のガラス反応器の中で、室温でブロモフタル酸無水物(50.0g、0.22mol)、トリエチルアミン(33.8mL、0.24mol)およびトルエン(220mL)を混合した。ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムクロリド(0.77g、0.001mol)、CuI(0.42g、0.002mol)およびトリフェニルホスフィン(0.87g、0.003mol)を加え、温度を50℃に上げた。プロピン(18.0g、0.45mol)を、ガス注入口を通して3時間にわたってゆっくり加えた。この反応混合物をガラスフィルター漏斗に通して濾過し、溶液を乾固するまで濃縮し、粗製の固体生成物(40.1g、98%)を得た。この生成物をトルエンから再結晶し、淡黄色固体(24.7g、60%)を得た。
MEPAの融点
109−110℃(DSCを用いて求めた)
MEPAのH−NMR
1H NMR(400MHz,d−DMSO): δ=2.15(s,3H),7.94−8.05(m,3H)。
メタノール分解したMEPAのHPLC−MS
およそ3mgのMEPAを、1mg/mLの濃度で無水MeOHに溶解させた。この溶液を、30分間、超音波処理した。200μLのMEPA溶液を、300μLのMeOH:HOAc(100:0.1)、(A)、および300μLのHO:MeOH:HOAc(95:5:0.1)、(B)と混合した。得られた混合物をLC/UV/MSに注入した(注入量2μL)。分離は、Dr. Maisch Reprosphere C18 AQカラム(100×2.1mm;dp 3μm)で実施した。移動相は、40% Aおよび60% Bから構成されており、流量は0.100mL/分であった。UV検出は254nmで実施し、MSは、正イオン走査モード m/z 190〜260で動作させた。メチルエチニルフタル酸(MH 205およびMNa 227)に対応するR 15.6分のピーク、ならびにそれぞれメチルエチニルフタル酸モノメチルエステルの2つの位置異性体(MH−HO 201およびMNa 241)に対応するR 26.7および29.4の2つのピークが観察された。
MEPAで末端封鎖したフェニレンジアミン(PD−MEPA;2,2’−(1,3−フェニレン)ビス(5−(プロパ−1−イン−1−イル)イソインドリン−1,3−ジオン))
MEPA(1.8g、9.7mmol)、フェニレンジアミン(0.48g、4.4mmol)および酢酸(12mL)を混合し、40℃で10分間加熱した。次いでこの反応液を加熱して24時間還流させ、室温まで冷却した。この反応混合物を、ブフナー漏斗を通して濾過し、沈殿物をメタノール(5mL)で2回洗浄した。生成物を50mbar、50℃の真空オーブン中で一晩乾燥し、灰色の生成物を得た(1.6g、82%)。
MEPAで末端封鎖したフェニレンジアミンの融点
DSC Q2000によって求めたところ、融点は280℃であることがわかった。
MEPAで末端封鎖したフェニレンジアミンのH−NMR
1H−NMR(d−DMSO) δ: 2.15ppm(6H,s);7.53−7.58(3H,m);7.67−7.73(1H,m);7.87−7.97(6H,m)。
得られたMEPAで末端封鎖したフェニレンジアミン、ならびに対応する、それぞれEPAおよびPEPAで末端封鎖したフェニレンジアミンを、TA instrument DSC Q2000を使用する示差走査熱量測定(DSC)によって分析した。用いた加熱プロファイルは、加熱:35℃ → 400℃(10°/分)、であった。
図1からわかるように、MEPAで末端封鎖しフェニレンジアミンについての硬化の開始は300℃を超えていたが、PEPAで末端封鎖したフェニレンジアミンについての硬化の開始よりも低かった。従って、図1の結果から、MEPAで末端封鎖したポリアミドは、EPAで末端封鎖した対応する系と比べて高い温度で架橋される可能性があり、従って、末端封鎖したPA 66の通常の加工が、架橋を開始することなく可能になる可能性があるということが確かめられる。
MEPAで末端封鎖したPA66
PA66を、Brabender Plasticoderを使用して、溶融混合によって、それぞれMEPA(1.5重量%)およびPEPA(1.5重量%)で末端封鎖した。バレル/混合機の温度を290℃に設定し、溶融したポリマーにMEPAを加えた。この混合物を2分間混合した。
温度の関数としての、MEPAで末端封鎖したPA66についての溶融粘度を、TA Instrument Ares G2を使用して測定し、ニートのPA66の溶融粘度と比較した。さらには、温度の関数としての、MEPAで末端封鎖したPA66についてのtan δを、ニートのPA66についてのtan δと比較した。
図2からわかるように、架橋は約310℃で活性化される。このことから、MEPAで末端封鎖したPA66が、かなりの程度まで架橋を開始することは何らなく、加工される可能性があるということが確認される。さらには、上記の結果から、顕著な熱分解がなく、MEPAで末端封鎖したポリアミドが架橋される可能性があるということが確認される。
温度の関数としての、それぞれPEPAで末端封鎖したPA66およびニートのPA66についての溶融粘度を示す図3から、PEPAで末端封鎖したPA66の架橋は350℃で活性化されるが、このような高温ではポリマーが分解するため、粘度の上昇は見られないということが結論されうる。
従って、図2および図3から、PEPAで末端封鎖したPA66とは対照的に、MEPAで末端封鎖したPA66は、顕著な熱分解は何らなく、架橋されうるということが結論されうる。
溶融したPA66の粘度がEPAの添加によって非常に高くなるため、溶融混合によってEPAでPA66を末端封鎖する試みは達成できなかった。これは、加工中に架橋がすでに始まっていたということを示す。
MEPAで末端封鎖したヘキサメチレンジアミン(HD−MEPA;2,2’−(ヘキサン−1,6−ジイル)ビス(5−(プロパ−1−イン−1−イル)イソインドリン−1,3−ジオン))
281gのヘキサメチレンジアミンを4200mLの酢酸に加えた。この混合物を50℃に加熱し、そのあと900gのMEPAを加えた。得られた混合物を67℃加熱し、120分間撹拌した。次いで、この混合物を17時間加熱還流し、そのあと混合物を、120分かけて30℃に冷却した。得られた懸濁液を濾過し、固形分を500mLの酢酸で2回洗浄した。この生成物を、真空中、75℃で一晩乾燥し、1038g(95%収率)のHD−MEPAを淡ベージュ色の固体生成物として得た。
HD−MEPAの融点
115−116℃(DSCを用いて求めた)
HD−MEPAのH−NMR
1H NMR(400MHz,DMSO−d6): δ 7.81−7.76(4H,m),7.73(2H,bs),3.52(4H,t,J=6.8),2.12(6H,s),1.57−1.53(4H,m),1.29−1.25(4H,m)。
PA66/MEPA/HD−MEPAコンパウンドの調製
運搬、混練および混合の要素を具える、スクリュー直径D=26mm、スクリュー長さL=40Dおよび標準的なスクリューの構成を有する同方向回転二軸押出機(Coperion、ZSK26)を使用して、PA66/MEPA/HD−MEPAコンパウンド(1.0重量% MEPA、10.0重量% HD−MEPA)を調製した。バレル温度は270℃に設定した。ベースポリマー(PA66)、およびMEPAを、2つの重量式フィーダー(Brabender Technologie)を使用して、それぞれ8900g/時間および100g/時間でメイン供給口にて供給した。メイン供給口の26D下流に位置する直列に連結した重量式フィーダー(Brabender Technologie)およびサイドフィーダーを使用して、1000g/hで、押出機にHD−MEPAを供給した。押出機ダイから出たあとに、水槽(L=4m)および空気ナイフを使用してコンパウンドのストランド(より線)を冷却して乾燥した。最後に、このストランドをペレタイザーへと供給し、顆粒状のコンパウンドを得た。
PA66/MEPA/HD−MEPAコンパウンドの熱的およびレオロジー的特性解析
PA66/MEPA/HD−MEPAコンパウンドを示差走査熱量測定(DSC)によって分析した。この分析では、最初に当該物質を10℃/分の加熱速度で室温から350℃まで加熱し、そのあと5℃/分で50℃まで冷却し、最後に350℃まで℃/分で加熱した。図4は、PA66/MEPA/HD−MEPAコンパウンドの典型的なサーモグラムを示す。硬化発熱についての開始温度は285℃と測定され、硬化ピークは324℃と測定された。
平行板レオメータ(TA Instruments、ARES−G2)を使用して、歪み振動によってPA66/MEPA/HD−MEPAコンパウンドの複素溶融粘度を測定した。板間距離は1mmであり、発振周波数は1rad/s、ひずみは10%であり、溶融温度は、5℃/分で270℃から350℃まで勾配をつけた。温度の関数としての複素粘度およびtan δは、図5で見ることができる。硬化開始温度は287℃と測定された。

Claims (7)

  1. 式(I)もしくは(II)の化合物の少なくとも1つの残基を含む化合物であって、
    (式中、
    R1は、OH、ハロ、OC1−C8アルキルおよびOC(O)C1−8アルキルからなる群から選択され、
    R2は、OH、ハロ、OC1−C8アルキル、OC(O)C1−8アルキルおよびOC0−1アルキレンフェニルからなる群から選択され
    「Ak」はC1−10アルキルもしくはC0−1アルキレンシクロヘキシルであり、
    「X」は、「O」(酸素)である)
    前記式(I)もしくは(II)の化合物の少なくとも1つの残基を含む化合物は、式XXの化合物
    (式中、「Ak」は、メチルであり、
    Qは、C2−12アルキレン、フェニレン、C1−4アルキレン−フェニレン−C1−4アルキレン、またはC0−4アルキレン−シクロヘキサンジイル−C0−4アルキレンからなる群から選択される)である、化合物。
  2. Q」はテトラメチレン、ヘキサメチレン、またはフェニレンである、請求項に記載の式(I)もしくは(II)の化合物の少なくとも1つの残基を含む化合物。
  3. 前記式(I)もしくは(II)の化合物の少なくとも1つの残基を含む化合物は2,2’−(ヘキサン−1,6−ジイル)ビス(5−(プロパ−1−イン−1−イル)イソインドリン−1,3−ジオン)である、請求項に記載の式(I)もしくは(II)の化合物の少なくとも1つの残基を含む化合物。
  4. 請求項1に記載の式(I)もしくは(II)の化合物の少なくとも1つの残基を含むオリゴアミドまたはポリアミドであって、前記残基は、式(III)または(IV)の残基
    (式中、波線は、前記オリゴアミドまたはポリアミドの残部への結合点を示し、
    「Ak」はC1−10アルキルもしくはC0−1アルキレンシクロヘキシルであり、
    「A」はNHであり、
    R3は、OH、OC1−C8アルキル、OC0−1アルキレンフェニル、もしくは
    (式中、波線は、前記オリゴアミドまたはポリアミドの残部への結合点を示す))
    であり、
    前記オリゴアミドまたはポリアミドは、ヘキサメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、2,2,4−トリメチル−ヘキサメチレンジアミン、2,4,4−トリメチル−ヘキサメチレンジアミン、1,4−ジアミノブタン、1,2−ジアミノベンゼン、1,3−ジアミノベンゼン、および1,4−ジアミノベンゼンからなる群から選択される単量体の少なくとも1の残基、ならびにシュウ酸、マロン酸、アジピン酸、セバシン酸、イソフタル酸、テレフタル酸および2,5−フランジカルボン酸からなる群から選択される単量体の少なくとも1の残基を含むオリゴアミドまたはポリアミドであるか、または
    前記オリゴアミドまたはポリアミドは、カプロラクタム、11−アミノウンデカン酸、12−アミノデカン酸、およびアミノカプロン酸からなる群から選択される単量体の少なくとも1の残基を含むオリゴアミドまたはポリアミドであるオリゴアミドまたはポリアミドを含み、前記オリゴアミドまたはポリアミドは、少なくとも10重量%に対応する量で存在し;および
    式XXの化合物
    (式中、「Ak」は、C1−10アルキルもしくはC0−1アルキレンシクロヘキシルであり、
    Qは、C2−12アルキレン、フェニレン、C1−4アルキレン−フェニレン−C1−4アルキレン、またはC0−4アルキレン−シクロヘキサンジイル−C0−4アルキレンからなる群から選択される)
    を含み、前記式XXの化合物は、少なくとも1重量%に対応する量で存在し;
    請求項1に記載の式(I)もしくは(II)の化合物を含み;および/または
    さらなるポリマー、ならびに/または少なくとも1つの充填剤、強化材、色素、外添難燃剤、安定剤、および/もしくは可塑剤をさらに含む、組成物。
  5. 請求項1に記載の式(I)もしくは(II)の化合物が、式(II)の化合物である、請求項4に記載の組成物。
  6. 請求項1に記載の式(I)もしくは(II)の化合物が、5−(プロパ−1−イン−1−イル)イソベンゾフラン−1,3−ジオンである、請求項4に記載の組成物。
  7. 前記オリゴアミドまたはポリアミドが、ヘキサメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、2,2,4−トリメチル−ヘキサメチレンジアミン、2,4,4−トリメチル−ヘキサメチレンジアミン、1,4−ジアミノブタンからなる群から選択される単量体の少なくとも1の残基、ならびにシュウ酸、マロン酸、アジピン酸、セバシン酸からなる群から選択される単量体の少なくとも1の残基を含む脂肪族オリゴアミドもしくはポリアミドであるか、または
    前記オリゴアミドまたはポリアミドが、カプロラクタム、11−アミノウンデカン酸、12−アミノデカン酸、およびアミノカプロン酸からなる群から選択される単量体の少なくとも1の残基を含む脂肪族オリゴアミドもしくはポリアミドである、請求項4から6いずれかに記載の組成物。
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