JP5739715B2 - 熱硬化性樹脂組成物 - Google Patents
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Description
[1]一般式(1):
(式中Arは4価の有機基、R1は2価の有機基を表し、nは1〜5である)
で表わされるイミドオリゴマーと、
下記式(2)及び/または下記一般式(3):
(式中、R2及びR3はそれぞれ独立して、同一であっても、異なっていてもよく、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基である。)
で示されるエチニルフタル酸誘導体とを含む熱硬化性樹脂組成物。
(ここでXはそれぞれ独立して、同一であっても、異なってもよく、−O−、−C(CH3)2−及び−C(CF3)2−からなる群から選択される2価の基を示す)
のいずれかで示される4価の有機基を含むことを特徴とする[1]記載の熱硬化性樹脂組成物。
(ここでYはそれぞれ独立して、同一であっても、異なってもよく、−O−、−SO2−、−C(CH3)2−及び−C(CF3)2−からなる群から選択される2価の基を示す)
のいずれかで示される2価の有機基を含むことを特徴とする[1]または[2]記載の熱硬化性樹脂組成物。
(式中Arは4価の有機基、R1は2価の有機基を表し、nは1〜5である)
で示されるイミドオリゴマーと下記式(2)及び/または下記一般式(3):
(式中、R2及びR3はそれぞれ独立して、同一であっても異なっていてもよく、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基である。)
で示されるエチニルフタル酸誘導体とを含むことを特徴とする熱硬化性樹脂組成物である。
(式中Arは4価の有機基である)
で示される化合物である。一般式(5)中のArは、加工性を考慮すると、下記一般式群(I):
(式中、Xはそれぞれ独立して、同一であっても、異なってもよく、−O−、−C(CH3)2−及び−C(CF3)2−からなる群から選択される2価の基を示す。)
から選択される二〜四環式の4価の有機基であることが特に好ましい。アミド酸オリゴマーの製造に用いられるテトラカルボン酸二無水物は、Arが一般式群(I)のいずれかで示されるテトラカルボン酸二無水物を含むことが好ましい。Arが一般式群(I)のいずれかで示されるテトラカルボン酸二無水物の量は、使用する全テトラカルボン酸二無水物のうち50モル%以上、特に70モル%以上であることが好ましい。
(式中R1は2価の有機基である)
で示される化合物である。加工性を考慮して、一般式(6)中のR1は、下記一般式群(II):
(式中Yはそれぞれ独立して、同一であっても、異なってもよく、−O−、−SO2−、−C(CH3)2−及び−C(CF3)2−からなる群から選択される2価の基を示す。)
から選択される二〜四環式の2価の有機基であることが特に好ましい。アミド酸オリゴマーの製造に用いられるジアミン化合物は、R1が一般式群(II)のいずれかで示されるジアミン化合物を含むことが好ましい。R1が一般式群(II)のいずれかで示されるジアミン化合物の量は、使用する全ジアミン化合物のうち50モル%以上、特に70モル%以上であることが好ましい。
本発明における式(1)のイミドオリゴマーにおいては、Arの50モル%以上が一般式群(I)のいずれかで示される基であり、かつ、R1の50モル%以上が一般式群(II)のいずれかで示される基であることが好ましく;Arの70モル%以上が一般式群(I)のいずれかで示される基であり、かつ、R1の50モル%以上が一般式群(II)のいずれかで示される基であること、又は、Arの50モル%以上が一般式群(I)のいずれかで示される基であり、かつ、R1の70モル%以上が一般式群(II)のいずれかで示される基ことがより好ましく;Arの70モル%以上が一般式群(I)のいずれかで示される基であり、かつ、R1の70モル%以上が一般式群(II)のいずれかで示される基であることが特に好ましい。
本発明における式(2)で示される化合物は、試薬(東京化成工業製:4−エチニルフタル酸無水物)として入手ことができる。また、工業的には、公知の方法(J.Org.Chem. 48,5135(1983))を参考にして製造することができる。
+(n+1)×ジアミン化合物の分子量
−2×n×水の分子量
ここで、nは理論重合度を示し、1〜5である。具体的には、テトラカルボン酸二無水物及びジアミン化合物の使用量から、以下の式より算出することができる。テトラカルボン酸二無水物の使用量(mol)/ジアミン化合物の使用量(mol)=n/(n+1)
示差走査熱量計(島津製作所製:DSC−60)を用い、窒素雰囲気下で20℃/分の昇温の条件で測定を行った。解析ソフトによりDSC曲線の外挿点からガラス転移温度(Tg)を算出した。また、DSC曲線の約180〜220℃における発熱挙動の低温側の直線部分と高温側の直線部分とをそれぞれ補外した交点より末端アセチレン基の架橋開始温度を算出した。
島津製作所製オートグラフAGS−Jを用い、室温にて、引張速度1cm/分で行い、引張弾性率、破断強度、破断伸びを解析ソフトにて算出した。試験片形状は、測定長10cm、幅1cmのフィルムとした。
粉末状の試料を圧力20MPaで5分間圧縮成型し、直径15mm、厚さ1.2mmのペレット作成した。得られたペレットを測定試料とし、TA Instruments製AR−2000を用い、以下の条件で測定した。
測定温度:100〜300℃
昇温速度:4℃/min
測定周波数:100rad/sec
法線応力:1.0N
ジオメトリー:直径15mmパラレルプレート
温度計、冷却器、撹拌機を備えた四つ口フラスコに4−エチニルフタル酸無水物(東京化成工業(株)製)17.21g(0.1mol)、水75ml、アセトニトリル50ml、酢酸2.5gを投入し、60℃で1晩撹拌した。得られた溶液をフッ素コーティングされたステンレスバットに取り出し、60℃で8時間減圧乾燥させ、固体の4−エチニルフタル酸18.94g(0.996mol)を得た。
[実施例1]
窒素ガス導入管、温度計、冷却器、撹拌機、ディーンスターク管を備えた四つ口フラスコにN−メチル−2−ピロリドン(NMP)74.1g、および2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン(BAPP)12.3152g(30mmol)を投入し、次いで3,4’−オキシジフタル酸二無水物(3,4’−ODPA)6.2043g(20mmol)を添加し室温で3時間撹拌した。その後キシレンを15g投入し、キシレン還流温度まで徐々に昇温させ、イミド化脱水反応により生成する水を系外に除去しながら、210℃にて5時間撹拌した。得られたイミドオリゴマー溶液を室温まで冷却し、メタノール300ml中に投入しイミドオリゴマー懸濁液を得た。この懸濁液を濾過して結晶を得、これをメタノールで洗浄した。濾過およびメタノール洗浄を2回繰り返して結晶を得、これを150℃で5時間乾燥させ、黄色の粉末状イミドオリゴマーを得た。(理論分子量:1779.95)
得られた粉末状イミドオリゴマー8.90g(5mmol)に合成例1で得られた4−エチニルフタル酸のメタノール溶液(溶質:1.90g(10mmol)、濃度10質量%)を加え乳鉢を用いて混合し、40℃で1時間乾燥させ粉末状の熱硬化性樹脂組成物を得た。
ジアミンを1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン(TPE−R)8.7699g(30mmol)に変更し、NMPの使用量を59.9gに変更した以外は実施例1と同様の方法で粉末状のイミドオリゴマーを得た。(理論分子量:1425.52)
得られた粉末状イミドオリゴマー7.13g(5mmol)に合成例1で得られた4−エチニルフタル酸のメタノール溶液(溶質:1.90g(10mmol)、濃度10質量%)を加え乳鉢を用いて混合し、40℃で1時間乾燥させ粉末状の熱硬化性樹脂組成物を得た。
テトラカルボン酸二無水物を2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物(6−FDA)8.8848g(20mmol)に変更し、NMPの使用量を84.8gに変更した以外は実施例1と同様の方法で粉末状のイミドオリゴマーを得た。(理論分子量:2048.00)
得られた粉末状イミドオリゴマー10.24g(5mmol)に合成例1で得られた4−エチニルフタル酸のメタノール溶液(溶質:1.90g(10mmol)、濃度10質量%)を加え乳鉢を用いて混合し、40℃で1時間乾燥させ粉末状の熱硬化性樹脂組成物を得た。
テトラカルボン酸二無水物を6−FDA8.8848g(20mmol)に変更し、ジアミンをTPE−R8.7699g(30mmol)に変更し、NMPの使用量を70.6gに変更した以外は実施例1と同様の方法で粉末状のイミドオリゴマーを得た。(理論分子量:1693.47)
得られた粉末状イミドオリゴマー8.47g(5mmol)に合成例1で得られた4−エチニルフタル酸のメタノール溶液(溶質:1.90g(10mmol)、濃度10質量%)を加え乳鉢を用いて混合し、40℃で1時間乾燥させ粉末状の熱硬化性樹脂組成物を得た。
テトラカルボン酸二無水物を2,2−ビス[4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物(BSAA)g(30mmol)に変更し、ジアミンを4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(4,4’−DPE)8.0095g(40mmol)に変更し、NMPの使用量を94.4gに変更した以外は実施例1と同様の方法で粉末状のイミドオリゴマーを得た。(理論分子量:2254.41)
得られた粉末状イミドオリゴマー11.27g(5mmol)に合成例1で得られた4−エチニルフタル酸のメタノール溶液(溶質:1.90g(10mmol)、濃度10質量%)を加え乳鉢を用いて混合し、40℃で1時間乾燥させ粉末状の熱硬化性樹脂組成物を得た。
合成例1で得られた4−エチニルフタル酸を4−エチニルフタル酸無水物(東京化成工業(株)製)1.72g(10mmol)に変更した以外は実施例5と同様の方法で粉末状の熱硬化性樹脂組成物を得た。
[試験例1]
実施例1〜6で得られた熱硬化性樹脂組成物1gを、厚さ50μmのユーピレックスS(宇部興産製)で作成した型に入れ、熱プレス機(アズワン製:AH−2003)を用いて、180℃、2分(荷重1.5〜6.0MPa)の熱プレス(前処理)の後、250℃、30分(荷重6.0MPa)の熱プレス(本プレス)を行い硬化物フィルムを得た。得られたフィルムの機械特性を表1に示す。
ポットにBAPP12.3152g(30mmol)、3,4’−ODPA6.2043g(20mmol)、4−エチニルフタル酸3.8030g(20mmol)、ジルコニアビーズ(直径2mm)を入れ、8時間ポットミル混合し、粉末状の低分子量の熱硬化性樹脂組成物を合成した。これを用いて試験例1と同様の方法で硬化物フィルムを得ようとしたところ、発泡が激しく、自立したフィルムは得られなかった(表1参照)。
[試験例2]
実施例5で得られた粉末状の熱硬化性樹脂組成物0.5gをアルミカップに入れ、加熱温度、加熱時間を変更して熱処理を行った。熱処理後のガラス転移温度(Tg)を表2に示す。
[試験例3]
実施例1〜6で得られた粉末状の熱硬化性樹脂組成物のガラス転移温度及び末端アセチレン基の架橋開始温度を測定した。結果を表3に示す。
国際公開WO2008/044382号パンフレット、合成例1と同様の方法で粉末状の樹脂組成物を合成した。すなわち、500mlのナス形フラスコに、4,4’−(4,4’−イソプロピリデンジフェノキシ)ビス(フタル酸無水物)15.6146g(30mmol)、4−エチニルフタル酸無水物3.4428g(20mmol)及びメタノール100mlを仕込み、80℃のオイルバス中で還流させながら3時間加熱撹拌を行い均一溶液とした;次に、この溶液を50℃まで冷却した後、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル8.0094g、(40mmol)及びメタノール40mlを加えて均一溶液とした;この溶液をエバポレーターで濃縮し、さらに、160℃まで温度を上げ、1時間減圧、加熱を行い、固形物を得た;さらに、この固形物を乳鉢で粉砕した後、150℃で5時間乾燥し、熱硬化性のイミドオリゴマー粉末を得、これを樹脂組成物とした。この樹脂組成物のガラス転移温度(Tg)及び末端アセチレン基の架橋開始温度を測定した。結果を表3に示す。
国際公開WO2008/044382号パンフレット、合成例2と同様の方法で粉末状の樹脂組成物を合成した。すなわち、500mlのナス形フラスコに、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物12.4386g(28mmol)、4−エチニルフタル酸無水物4.8198g(28mmol)及びメタノール100mlを仕込み、80℃のオイルバス中で還流させながら3時間加熱撹拌を行い均一溶液とした;次に、この溶液を50℃まで冷却した後、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニル8.0094g(42mmol)、メタノール40mlを加えて均一溶液とした;この溶液をエバポレーターで濃縮し、さらに、150℃まで温度を上げ、1時間減圧、加熱を行い、固形物を得た;さらに、この固形物を乳鉢で粉砕した後、150℃で5時間乾燥し、熱硬化性のイミドオリゴマー粉末を得、これを樹脂組成物とした。この樹脂組成物のガラス転移温度(Tg)及び末端アセチレン基の架橋開始温度を測定した。結果を表3に示す。
[試験例4]
実施例5及び比較例2で得られた樹脂組成物の溶融粘度を測定した。結果を表4に示す。
Claims (7)
- 前記エチニルフタル酸誘導体の含有量が、前記イミドオリゴマーに対して100〜400モル%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載の熱硬化性樹脂組成物。
- 0.1〜20MPaの圧力下、200〜250℃で30分の熱プレスにより得られる硬化物フィルムのガラス転移温度が250℃以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項記載の熱硬化性樹脂組成物。
- 前記熱硬化性樹脂組成物が粉末状であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項記載の熱硬化性樹脂組成物。
- 前記熱硬化性樹脂組成物が溶液状であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項記載の熱硬化性樹脂組成物。
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