JP5599188B2 - 電気的に中性の分散液及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ラテックスとしても知られるポリマー分散液、特に、例えばアニオン性又はカチオン性のポリマー分散液を製造するために用いることができる、電気的に中性又はわずかにアニオン性であるポリマー分散液に関する。
小粒子のポリマーからなるポリマー分散液又はラテックスは、通常、60nm〜250nmのサイズの範囲で水中に分散している。それらは、通常、乳化重合を用いて製造され、塗料、紙加工、シールコーティング、防水層、接着剤、カーペット裏地、印刷用インク、不織布、革の仕上げ、浸漬物品、アスファルト及びコンクリートの改良、医療用途、及びプラスチック材料の改良を含む、広範囲の産業用途において用いることができる。スチレン−ブタジエンコポリマー、ポリアクリレート、及び酢酸ビニルポリマーは、世界中の全ポリマー分散液の生産95%の割合を占める。ポリマー分散液の最低造膜温度を超える温度で乾燥した場合、ポリマー分散液は、ポリマー分散液の特定の性質によって、透明又は不透明であり、硬いか又は接着性であり、可塑性又は弾性であり得るポリマーフィルムを形成する。ポリマーフィルムは、乾燥後は可視ではないが、最終製品に対する決定的性質をもたらす場合がある。
ほとんどの市販のポリマー分散液は、乳化重合の間に処方に加えられるアニオン性界面活性剤及び共重合可能ビニル酸の存在のため、負に帯電している。アニオン性に帯電したポリマー分散液の製造方法は、カルボキシル化と呼ばれる場合がある。カルボキシル化は、紙加工、塗料、カーペット裏地、及び接着剤を含む、広範囲の用途において用いられているアニオン性に帯電したポリマー分散液の製造に広範囲に用いられている。
製紙、ペーパーサイジング、及びエマルションをベースとするアスファルト舗装のような、ある特定の用途においては、アニオン性帯電よりも、むしろカチオン性帯電のポリマー分散液が望ましい。カチオン性に帯電したポリマー分散液を製造するための1つの公知の方法は、ポリマー分散液を製造するために、カチオン性界面活性剤、カチオン性高分子電解質、及びスチレン、ジエン及びアクリレート誘導体のような他の主要なモノマーと共重合し得るカチオン性官能基を有する少量のモノマーを用いる。しかし、2種の異なる電荷のポリマー分散液の交差汚染は即時の凝固形成を起こし得るので、このカチオン性ポリマーの製造方法を用いる製造設備は、アニオン性ポリマーを製造する製造設備から隔離しなければならない。
カチオン性に帯電したポリマー分散液の他の製造方法は、カチオン性界面活性剤を加えることにより、負に帯電したポリマー分散液をカチオン性に帯電したものに変えることである。「フリッピング(flipping)」と呼ばれる場合もある、この方法は、アニオン性ポリスチレンブタジエンゴム(SBR)ラテックスを用いて、少なくとも30年間商業的に実施されてきた。このフリッピング法は、非常に狭い範囲のポリマー分散液に限定され、ほとんどのカルボキシル化ポリマー分散液に用いるのは困難である。Dow Chemicalに独占権が与えられた米国特許第5,045,576号は、カルボキシル化ポリ(スチレン−ブタジエン)ラテックスを反転させ、アスファルト用途に用いることのできるカチオン性ポリマー分散液を製造する方法を記載している。米国特許第5,045,576号に記載されたフリッピング法においては、カチオン性乳化剤を加える前に、ポリマー分散液に大量の高分子量のポリエチレンオキシド((EO)m、ここで、m>20)を有する非イオン性乳化剤を加えている。次いで、無機酸水溶液を加えることにより、分散液のpHを下げている。
記載のフリッピング法により製造されたポリマー分散液の1つの不利な点は、前記ポリマー分散液から製造されたポリマーフィルムが水に対して非常に反応性があり、結果的に、高度の水吸着性を有し、低い湿潤引張強度をもたらすことである。アスファルト用途における、記載のフリッピング法を用いて製造されたポリマー分散液の他の不利な点は、界面活性剤の存在がアスファルトの凝集体への接着力を低下させることである。この接着力の低下は、舗装道路の耐用年限の間の交通量による凝集体表面からのアスファルトの早すぎる剥離を引き起こす。
ポリマー分散液、特にポリ(エチレン−酢酸ビニル)又はポリクロロプレン分散液の他の製造方法としては、水溶性で高分子量の非イオン性ポリマーの存在下でモノマーを重合することを含む。これらの非イオン性ポリマー分子は、乳化重合工程の間にポリマー粒子表面に吸着し、分散液の安定性を維持するための保護コロイドとして作用する。しかし、このようなタイプの保護コロイドを用いる不利な点は、このような保護コロイドを含むポリマー分散液から調製されたポリマーフィルムが水に対して反応性があり、高い吸水率及び低い湿潤引張強度を示すことである。従って、このような保護コロイドを用いて製造されたポリマー分散液は、フリッピング法を用いて製造されたポリマー分散液のように、同じ問題が起こる。このような保護コロイド(DuPont DlastomersのNeoprene)を用いて製造されたポリクロロプレン分散液は、1950年代から種々の用途において用いられてきた。
前記方法による保護コロイドを用いて安定化されたポリマー分散液を、カチオン性界面活性剤と組み合わせてカチオン性エマルションを製造することができる。しかし、この方法でカチオン性エマルションを製造することの不利な点は、ポリマー分散液を製造するために、限られたタイプのカチオン性界面活性剤のみが使用できるということである。更に、得られたエマルションは実際にあまりに安定であり、過剰な安定性は、急結アスファルトエマルションのような特定の用途のためのポリマー分散液の硬化する能力を妨害してしまう。
カチオン性ポリマー分散液の製造方法における、前記限界のために、得られる乾燥ポリマーフィルムが非常に耐水性(非常に少量の水を吸収し、高い湿潤引張強度を維持する)であるカチオン性ポリマー分散液を製造することが望ましい。このようなポリマー分散液が、広いpH範囲、酸性からアルカリ性条件まで用いることができることも望ましい。更に、通常、製紙、ペーパーサイジング、及び道路舗装の用途のために用いられるような、種々のタイプのカチオン性界面活性剤及びカチオン性高分子電解質の存在下にコロイド安定性を維持できるポリマー分散液を製造することが望ましい。本明細書に記載の所望の特性を有するカチオン性ポリマー分散液に溶解することのできるポリマー分散液を製造するために、アニオン性ポリマー分散液のための既存の製造設備を使用できることも望ましい。
本発明は、少なくとも1種の非イオン性界面活性剤の存在下に、重合温度において1種以上の非イオン性モノマーを重合することを含む、基本的に電気的に中性のポリマー分散液の製造方法を提供することにより、先行技術の問題を克服する。好ましくは、重合工程はイオン性(すなわち、アニオン性又はカチオン性)界面活性剤の非存在下、好ましくはイオン性モノマーの非存在下に実施される。好ましい一実施形態においては、少なくとも1種の非イオン性界面活性剤は、アルキレンオキシド基の数が14以下である、アルキルアルコール、アルキルベンゼンアルコール、ジアルキルベンゼンアルコールのアルキレンオキシド付加物を含む非イオン性界面活性剤を含む。更に好ましくは、少なくとも1種の非イオン性界面活性剤は、(m+n)≦14であるアルキルアルコール、アルキルベンゼンアルコール、又はジアルキルベンゼンアルコールのエチレンオキシド(EO)m及び/又はプロピレンオキシド(PO)n付加物を含む非イオン性界面活性剤を含む。他の好ましい実施形態においては、非イオン性界面活性剤の曇点温度は、重合工程において用いられる重合温度よりも低い。本発明の非イオン性界面活性剤を用いることにより、コロイド安定なポリマー分散液を、例えば乳化重合によって製造することができる。
乳化重合において通常に用いられるアニオン性界面活性剤を除外し、非イオン性界面活性剤、特に、アルキレンオキシド基の数が14以下である、アルキルアルコール、アルキルベンゼンアルコール又はジアルキルベンゼンアルコールのアルキレンオキシド付加物、更に特には(m+n)≦14である、アルキルアルコール、アルキルベンゼンアルコール又はジアルキルベンゼンアルコールのエチレンオキシド(EO)m及び/又はプロピレンオキシド (PO)n付加物を含む非イオン性界面活性剤を用いることにより、特に重合反応が非イオン性界面活性剤の曇点よりも高い温度で実施される場合に、乳化重合工程の間のポリマー分散液の不安定性を引き起こさないことは意外かつ予想外であった。
本発明において用いられる非イオン性界面活性剤は、好ましくは、(m+n)≦14であり、更に好ましくは(m+n)≦12であり、最も好ましくは(m+n)≦10である(例えば、6≦(m+n)≦10)、アルキルアルコール、アルキルベンゼン又はジアルキルベンゼンアルコールのエチレンオキシド(EO)m及び/又はプロピレンオキシド(PO)n付加物を含む。少なくとも1種の両性界面活性剤を、重合工程においても用いることができる。本発明によりポリマーを製造するために用いられるモノマーには、好ましくは、スチレン、(メタ)アクリレートモノマーからなる群から選択される少なくとも1種のモノマー、好ましくは(メタ)アクリルアミド又はその誘導体を含み得る。また、モノマーは、好ましくはスチレン及びブタジエンを含み得、(メタ)アクリレートモノマー、及び好ましくは(メタ)アクリルアミド又はその誘導体からなる群から選択少なくとも1種のモノマーを含んでいてもよい。重合工程における分散媒体は、好ましくは水を含み、それ故に水性ポリマー分散液を生成する。更に、本発明のポリマー分散液を製造するために乳化重合工程が好ましく用いられ、ポリスチレンをベースとするシードラテックスのようなシードラテックスは、乳化重合工程において好ましく用いられる。
本発明により製造される、基本的に電気的に中性のポリマー分散液は、アニオン性及びカチオン性ポリマー分散液のいずれをも製造するために用いることができる。従って、アニオン性及びカチオン性ポリマー分散液のいずれもが、凝集、及び交差汚染に関連する他の問題を起こすことなく、同じ製造設備で、ほとんどの同じ通常の乳化重合装置を用いて製造することができる。
特に、本発明は、(m+n)≦14であるアルキルアルコール、アルキルベンゼン又はジアルキルベンゼンアルコールのエチレンオキシド(EO)m及び/又はプロピレンオキシド(PO)n付加物が含まれる非イオン性界面活性剤の存在下に、重合温度において1種以上のモノマーを重合する(重合はアニオン性界面活性剤の非存在下に実施する)ことにより、基本的に電気的に中性のポリマーを製造する工程、及び前記分散液に1種以上のカチオン性乳化剤及びカチオン性電解質を加えてカチオン性に帯電したポリマー分散液を製造する工程を含む、カチオン性に帯電したポリマー分散液の製造方法を含む。更に、本発明は、記載されているように基本的に電気的に中性のポリマー分散液を製造する工程(重合はアニオン性界面活性剤の非存在下に実施する)、及び前記分散液に1種以上のアニオン性乳化剤及びアニオン性電解質を加えてアニオン性に帯電したポリマー分散液を製造する工程を含む、アニオン性に帯電したポリマー分散液の製造方法をも含む。
本発明は、前記方法により製造されたポリマー分散液をも含む。更に、本発明は、前記方法により、基本的に電気的に中性のカチオン性又はアニオン性のポリマー分散液を製造し、前記ポリマー分散液中の分散媒体を蒸発させることを含む、ポリマーフィルムの製造方法を含む。
本発明のこのような、及び他の特徴及び利点は、本発明の好ましい実施形態及び他の実施形態の両方を記載する以下の詳細な説明を考慮し、当業者に容易に明らかになるであろう。
以下に、一部であり、全てではない本発明の実施形態を記載するところにより、本発明を更に詳細に説明する。実際は、本発明は多くの異なる形態で具体化することができ、本明細書に示される実施形態に限定するように解釈すべきでない。どちらかといえば、これらの実施形態は、この開示が適用可能な法的必要条件を満たすように提供される。本明細書に示される本発明の多くの修飾及び他の実施形態は、これらの発明が前記記載において教示の利点を示しながら関連する当業者に思い浮かばせるだろう。従って、発明が記載された特定の実施形態に限定されないことが理解され、修飾及び他の実施形態は、添付された請求の範囲内に含まれることが意図される。本明細書において特定の用語が用いられるが、それらは一般的及び記述的意味でのみ用いられ、限定する目的で用いられない。本明細書で用いられる場合、「含む(comprising)」なる用語及びその変形は、「含有する(including)」なる用語及びその変形と同義語として用いられ、確定していない、非限定的な用語である。
本発明の基本的に電気的に中性のポリマー分散液は、分散、ミニエマルション、又は乳化重合工程を用いて調製することができ、好ましくは乳化重合工程が用いられる。本発明により、乳化重合工程は、連続的、バッチ処理、又はセミバッチであり得、好ましくはセミバッチ工程である。本発明の方法は、当業者によって容易に理解される単一反応器又は一連の反応器を用いることができる。例えば、異相重合法の総説が、M.Antonelli and K.Tauer,Macromol.Chem.Phys.2003,vol.204,p.207−219において提供される。
本発明のポリマー分散液は、好ましくは最初に、シードラテックス、水、及び任意に少なくとも1種の非イオン性界面活性剤及び/又は少なくとも1種のモノマー及び/又はその一部を用いて、反応器を充填することによって調製される。シードラテックスは初期重合を補助し、一貫性のある粒径を有するポリマー製造するのに役立つ。特定のモノマーの反応に適切なあらゆるシードラテックスを用いることができ、好ましくはポリスチレンシードが用いられる。通常、初期充填は、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)のようなキレート剤又は錯化剤をも含んでいる。乳化重合反応のために所望のpHを与えるために、反応器にバッファーのような他の化合物を加えることができる。pHを上昇させるために、KOH又はピロリン酸四ナトリウムのような塩基又は塩基性塩を用いることができ、酸又は酸性塩を、pHを低下させるために用いることができる。次いで、初期充填を、反応温度又は反応温度の近く、例えば、50℃〜100℃まで加熱する。好ましくは、初期充填を70℃〜95℃の温度に加熱する。
初期チャージ後、重合において用いられるモノマーを、1種以上のモノマーフィードストリーム中に入れて反応器に連続的に供給することができる。モノマーは、重合においてアクリレートモノマーが用いられる場合、水性媒体中のプレエマルションとして供給することができる。工程において用いられる場合、モノマープレエマルションを加える前に、開始剤溶液の少なくとも一部を反応器に加えることを含むことも望ましいが、通常、モノマーフィードストリームを加える時に、開始剤フィードストリームも反応器に連続的に加えられる。モノマー及び開始剤フィードストリームは、通常、予め決められた時間内(例えば、1.5〜5時間)に反応器に連続的に加えられ、モノマーの重合をもたらし、その結果としてポリマー分散液を生成する。通常、本発明の非イオン性界面活性剤、及び任意の他の界面活性は、別々のフィードストリーム中に入れて供給することができるが、モノマーストリーム又は開始剤フィードストリームのいずれかの一部としてこの時にそれらも加えられる。更に、1種以上のバッファーは、モノマー又は開始剤フィードストリームのいずれかに含まれてもよく、又は別々のフィードストリーム中に入れて供給され、反応器のpHを変化させ、又は維持することができる。
前述したように、モノマーフィードストリームは1種以上のモノマーを含み得る。モノマーは1以上のフィードストリーム中にいれて供給することができ、各ストリームは、重合工程に用いられる1種以上のモノマーを含む。例えば、スチレン及びブタジエンは、通常、別々のモノマーフィードストリーム中に入れて供給され、本発明において用いられる場合、プレエマルションとして加えることもできる。特定のポリマー特性を与えるか、又は層状構造(例えば、コア/シェル構造)を与えるために、特定のモノマーの供給を遅らせることも有利であり得る。本発明によれば、1種のモノマーは重合工程において供給され、ホモポリマーを生成することができるが、通常、2種以上のモノマーが共重合してコポリマーを生成する。
本発明において用いられるモノマーは、好ましくは非イオン性モノマーである。具体的な非イオン性モノマーには、スチレン、アクリル酸及びメタクリル酸のC1−C8アルキル及びC2−C8ヒドロキシアルキルエステル(例えば、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、メチルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ジメチルヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、及び2−ヒドロキシブチルメタクリレート)、2−アセトアセトキシエチルメタクリレート(AAEM)、1,4−ブタンジイルジアクリレート、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N−t−ブチルアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルメチルアセトアミド、ビニルエステル(例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、及びカプロン酸ビニル)、ジビニルベンゼン、ビニルトリエトキシシラン、t−ブチルスチレン、イソプロピルスチレン、p−クロロスチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、C4−C8ジエン(例えば、ブタジエン)、イソプレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン等、及びそれらの混合物が含まれる。本発明において用いられるモノマーには、ブタンジエン、1,4−ブタンジイルジアクリレート、及びジビニルベンゼンのような架橋性モノマーが含まれ得る。
本発明において用いられるモノマーに、少量(全モノマー質量を基準とし、0.5質量%未満)の1種以上のイオン性モノマーを含むこともできる。具体的なモノマーには、カルボン酸モノマー(例えば、イタコン酸、フマル酸及び(メタ)アクリル酸)が含まれる。
本発明の好ましい一実施形態においては、モノマーには、スチレン−アクリル系ラテックスを製造するために、スチレン、及び(メタ)アクリレートモノマーからなる群から選択される少なくとも1種のモノマーが含まれる。更に好ましくは、本発明のメタ(アクリレート)モノマーには、2−エチルヘキシルアクリレート、n−ブチルアクリレート、及びメチルメタクリレートからなる群から選択される1種以上のモノマーが含まれる。モノマーには、分散液の安定性を向上させるために、アクリルアミド、メタクリルアミド及びそれらの誘導体(例えば、N−メチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N−t−ブチルアクリルアミド、及びN−メチロールアクリルアミド)が含まれることが好ましい。
本発明の他の好ましい実施形態においては、重合されるモノマーには、スチレン−ブタジエンラテックスを製造するために、スチレン及びブタジエンが含まれる。スチレン及びブタジエンに加え、この実施形態において重合されるモノマーは、任意に少なくとも1種の追加のモノマーを含んでもよい。分散液の分散又はコロイド安定性を向上させるために、好ましくは、(メタ)アクリルアミド又はそれらの誘導体を加えることができる。更に、2−エチルヘキシルアクリレート、n−ブチルアクリレート、及びメチルメタクリレートを含む、(メタ)アクリレートエステルモノマーのようなモノマーを加えることができる。
本発明の更に好ましい実施形態においては、前述のアクリレート及びメタクリレートモノマーを用いて、直鎖状のアクリル系ポリマーを製造することができる。直鎖状のアクリルについては、分散液の安定性を向上させるために、メタクリルアミド又はその誘導体を加えることができる。
本発明により製造されるポリマーの分子量は、少量、一般には、重合されるモノマーを基準とし、2質量%以下の分子量調整剤を加えることにより調製することができる。用いることのできる特定の調整剤は、有機チオ化合物、好ましくは、tert−ドデシルメルカプタン、また、アリルアルコール類及びアルデヒド類である。
本発明において用いられる開始剤フィードストリームには、モノマーフィードストリーム中でモノマーの重合を起こすために用いられる、少なくとも1種の開始剤又は開始剤系が含まれ得る。開始剤ストリームは、水、及びモノマーの反応の開始に適した他の所望の成分をも含み得る。開始剤は、アゾ開始剤;過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム又は過硫酸ナトリウム;又は通常、酸化剤及び還元剤を含む酸化還元系のような乳化重合において用いられる当該技術分野において公知のあらゆる開始剤であり得る。一般に用いられる酸化還元系は、例えば、A.S.Sarac in Progress in Polymer Science 24,1149−1204(1999)に記載されている。好ましい開始剤には、アゾ開始剤及び過硫酸ナトリウムの水溶液が含まれる。この開始剤ストリームは、任意に、前述したような1種以上のバッファー又はpH調整剤が含まれていてもよい。
モノマー及び開始剤に加え、非イオン性界面活性剤を反応器に加える。非イオン性界面活性剤は、反応器の初期チャージ中に供給され、モノマーフィードストリーム中に供給され、水性フィードストリーム中に供給され、プレエマルション中に供給され、開始剤ストリーム中に供給され、又はそれらの組み合わせに供給され得る。非イオン性界面活性剤は、反応器に、別個の連続的ストリームとして供給することもできる。非イオン性界面活性剤は、通常、モノマー及び界面活性剤の全質量を基準とし、1〜5質量%の量で供給され、好ましくは、2質量%未満の量で供給される。
本発明の好ましい非イオン性界面活性剤は、14個以下のアルキレンオキシド基、好ましくは12個以下のアルキレンオキシド基、更に好ましくは10個以下のアルキレンオキシド基(例えば、6〜10個のアルキレンオキシド基)を有するアルキルアルコール、アルキルベンゼンアルコール又はジアルキルベンゼンアルコールのアルキレンオキシド付加物を含む。更に好ましい非イオン性界面活性剤は、(m+n)≦14であり、好ましくは(m+n)≦12であり、更に好ましくは(m+n)≦10である(例えば、6≦(m+n)≦10)、アルキルアルコール、アルキルベンゼンアルコール又はジアルキルベンゼンアルコールのエチレンオキシド(EO)m及び/又はプロピレンオキシド (PO)n付加物を含む。非イオン性界面活性剤は、アルコールのエチレンオキシド付加物(n=0である)、アルコールのプロピレンオキシド付加物(m=0である)、又はアルコールのエチレンオキシド付加物及びプロピレンオキシド付加物の混合物(m>0及びn>0である)を含み得る。m>0、n>0の場合、エチレンオキシド及びプロピレンオキシドはランダム又はブロックコポリマーとして供給され得る。更に好ましくは、好ましい非イオン性界面活性剤は、n=0である、アルキルアルコールのエチレンオキシド付加物である。アルキルアルコールは、好ましくは、1個のヒドロキシル基、好ましくは、エトキシル化された末端のヒドロキシル基を有する、分岐又は直鎖状の炭化水素である。アルキル基は、好ましくは10〜22個の炭素原子、更に好ましくは10〜16個の炭素原子を含む。特に好ましい非イオン性乳化剤は、BASFからICONOL(登録商標)の商標で入手できるもののような、m=6、8又は10である、トリデシルアルコールのエチレンオキシド(EO)m付加物である。本明細書で用いられる場合、「非イオン性」なる用語は、分散液中で正及び負に帯電した種に解離しない物質を意味する。
本発明においては、重合が水溶液中で実施される場合、本発明の非イオン性界面活性剤は、好ましくは、ポリマー分散液を製造するために用いられる重合温度よりも低い曇点温度を有する。曇点、曇り温度(cloud temperature)、又は溶解度逆転温度としても知られる曇点温度は、非イオン性界面活性剤溶液が曇る温度である(すなわち、この温度以上の温度では、溶液は、濁るか、不透明に見える)。本明細書で用いられる場合、曇点温度は、界面活性剤の1%水溶液の曇点を意味する。曇点温度は、広範囲の温度にわたる溶液の目視観測、又は光散乱測定により測定することができる。本明細書で用いられる場合、曇点温度はASTM D2024−65R03を用いて測定される。好ましくは、非イオン性界面活性剤の1%水溶液の曇点温度は30℃〜90℃であり、更に好ましくは35℃〜85℃である。好ましい、m=6、8又は10である、トリデシルアルコールのエチレンオキシド(EO)m付加物については、曇点温度は、それぞれ38〜43℃、40〜45℃、及び73〜82℃である。非イオン性界面活性剤は、好ましくは、室温で8<HLB(親水性親油性バランス)<15のようなHLBを有する。更に好ましくは、HLBは14以下である。
本発明の非イオン性界面活性剤に加え、追加の非イオン性界面活性剤を含ませることも望ましい。適切な非イオン性界面活性剤には、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル及びポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル(例えば、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、及びポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル);オキシエチレンオキシプロピレンブロックコポリマー;ソルビタン脂肪酸エステル(Merck Schuchardt OHGからSPAN(登録商標)20として入手できるソルビタンモノラウレート、Merck Schuchardt OHGからSPAN(登録商標)80として入手できるソルビタンモノオレエート、及びMerck Schuchardt OHGからSPAN(登録商標)85として入手できるソルビタントリオレエート);ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(例えば、UniqemaからTWEEN(登録商標)20及びTWEEN(登録商標)21として入手できるポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、UniqemaからTWEEN(登録商標)40として入手できるポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、UniqemaからTWEEN(登録商標)60、TWEEN(登録商標)60K、及びTWEEN(登録商標)61として入手できるポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、UniqemaからTWEEN(登録商標)80、TWEEN(登録商標)80K、及びTWEEN(登録商標)81として入手できるポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、及びUniqemaからTWEEN(登録商標)85として入手できるポリオキシエチレンソルビタントリオレエート);ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル(例えば、テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビトール);グリセリン脂肪酸エステル(例えば、グリセロールモノオレエート);ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル(例えば、モノステアリン酸ポリオキシエチレングリセリン及びモノオレイン酸ポリオキシエチレングリセリン);ポリオキシエチレン脂肪酸エステル(例えば、ポリエチレングリコールモノラウレート及びポリエチレングリコールモノオレエート);ポリオキシエチレンアルキルアミン;及びアセチレングリコールが含まれる。
重合工程において、1種以上の両性界面活性剤を含むことが有用であるかもしれない。適切な両性界面活性剤には、参考として本明細書で援用される、米国特許第6,540,822号に開示されたものが含まれる。本発明において用いられる具体的な両性界面活性剤は、Akzo Nobelから入手できるREDICOTE(登録商標)E−7000界面活性剤である。
更なる非イオン性又は両性界面活性剤を本発明の非イオン性界面活性剤と併用することができるが、アニオン性界面活性剤は、通常、乳化重合反応中に含まれない。更に、カチオン性界面活性剤は、好ましくは、本発明の乳化重合反応中で用いられない。
重合が完了すると、好ましくは、ポリマー分散液を化学的に揮散させ、その結果、残りのモノマー含有量を減少させる。この揮散工程には、化学的揮散工程及び/又は物理的揮散工程が含まれ得る。好ましくは、ポリマー分散液は、過酸化物(例えば、t−ブチルヒドロペルオキシド)のような酸化剤及び還元剤(例えば、亜硫酸ナトリウムアセトン)、又は他の酸化還元対を、前もって決めた時間(例えば、0.5時間)、高温で反応器に連続的に加えることによって、化学的に揮散される。適切な酸化還元対は、A.S.Sarac in Progress in Polymer Science 24,1149−1204(1999)に記載されている。必要に応じて、任意の消泡剤を、揮散工程の前又は間に加えることもできる。物理的揮散工程においては、分散液中の重合していないモノマーを更に取り除くために、水又はスチームフラッシュを用いる。揮散工程が完了すると、ポリマー分散液のpHを調整し、殺生物剤又は他の添加剤を加えることができる。所望であれば、カチオン性又はアニオン性ポリマー分散液を得るために、揮発工程の後、又はあとになって最終製品にカチオン性、アニオン性及び/又は両性界面活性剤を加えてもよい。得られたポリマー分散液のポリマー粒子は、好ましくは100〜500nm、更に好ましくは130〜250nmの平均粒径を有する。本発明によって調製されたポリマー粒子は、狭い粒径分布を有することによって特徴づけられる。特に、ポリマー分散液中のポリマー粒子の結果として得られる体積−平均分布は、好ましくは30%未満の標準偏差を有する。
重合反応が完了し、揮散工程が完了すると、反応温度が下がり、これによって非イオン性界面活性剤を水溶性にする。理論に拘泥されることを望まないが、非イオン性界面活性剤の炭化水素鎖が、膨張したモノマー粒子中に界面活性剤を固定化し、界面活性剤はポリマー鎖中に物理的に捕捉されるようになると信じられている。一方、親水性の(EO)m及び/又は(PO)n鎖は、ポリマー粒子/水の界面に残存し、水相まで伸長し、ポリマー分散液のためのコロイド安定性をもたらす。従って、温度は非イオン性界面活性剤の曇点温度よりも低いが、界面活性剤分子は水相に向かって移動しない。従って、ラテックスの水相中に、限られた量の遊離非イオン性界面活性剤があるので、乾燥フィルムの機械的特性は非イオン性界面活性剤の存在により不利に影響を及ぼされないと信じられている。
本発明の重合工程の後のポリマー分散液は、ポリマー中に基本的に荷電群がないか、又は基本的にポリマー中のアニオン性及びカチオン性の荷電群の釣り合いがあるという点において、基本的に電気的に中性である。ポリマー分散液が基本的に電気的に中性であるとしても、測定がアニオン性の特徴を示すかもしれないことに留意するが、ポリマー分散液の電気泳動移動度(μ)は、ポリマー分散液の電荷を示すゼータ電位を測定するために用いることができる。例えば、得られたポリマー分散液は、過硫酸開始剤を用いた場合、又は水分子のポリマー表面への吸収のため、グラフト化硫酸基の存在のため、低い負の表面電荷を有し得る。しかし、本発明のポリマー分散液は、分散安定性に関して中性及び非イオン性であるように、基本的に電気的に中性なポリマー分散液として分類され、アニオン性又はカチオン性界面活性剤、電解質、又は高原子価の電解質の添加により、非イオン性の特徴を備えているように振る舞う。分散安定性に関して基本的に電気的に中性であり、非イオン性の特徴を備えているように振る舞うが、イオン性のゼータ電位の測定結果を有する分散液の具体例は、S.Usui,Y.Imamura and E.Barouch,Destabilization of oil−in−water emulsion with inorganic electrolytes in the absence and in the presence of sodium dodecyl sulfate,J.Dispersion Science and Technology 8(4),359−384(1987)(電解質濃度の関数としてのデカン粒子の測定されたゼータ電位は、アニオン性界面活性剤の非存在下でも強い負電荷を示す)及びS.Usui and H.Sasaki,Zeta potential measurements of bubbles in aqueous surfactant solutions,J.Colloid and Interface Science,65(1),36−45(1978)(非イオン性界面活性剤C12POEの存在下におけるアルゴンガスの気泡のゼータ電位は、非常に負であることが測定される)において提供される。
本発明により、非イオン性界面活性剤及び非イオン性の共重合可能なモノマーを用いて調製されたポリマー分散液は、凝集を起こすことなく、広いpH範囲で、カチオン性又はアニオン性界面活性剤溶液又は電解質と混合することができる。従って、アニオン性(負に帯電)及びカチオン性(正に帯電)ポリマー分散液のいずれもが、凝集、及び交差汚染に関連する他の問題を起こすことなく、同じ製造設備で、ほとんどの同じ従来の乳化重合装置を用いて製造することができる。本発明のポリマー分散液は、カチオン性又はアニオン性の電荷を有するポリマー分散液と、本発明の基本的に電気的に中性のポリマー分散液に対して、帯電した分散液0%〜30%を超える混合比率で混合し、カチオン性又はアニオン性ポリマーエマルションを製造することができる。
本発明の一実施形態においては、得られた、基本的に電気的に中性のポリマー分散液は、1種以上のカチオン性界面活性剤溶液又はカチオン性高分子電解質と混合し、カチオン性ポリマーエマルションを製造することができる。適切なカチオン性界面活性剤及び高分子電解質には、アルキルアミン塩、4級アンモニウム塩、REDICOTE(登録商標)の商標(REDICOTE(登録商標)4819、REDICOTE(登録商標)E−64R、REDICOTE(登録商標)E−5、REDICOTE(登録商標)E−9、REDICOTE(登録商標)E9A、REDICOTE(登録商標)E−11、REDICOTE(登録商標)E−16、REDICOTE(登録商標)E−44、REDICOTE(登録商標)E−120、REDICOTE(登録商標)E−250、REDICOTE(登録商標)E−2199、REDICOTE(登録商標)E−4868、REDICOTE(登録商標)C−346、REDICOTE(登録商標)C−404、REDICOTE(登録商標)C−450、及びREDICOTE(登録商標)C−471等)でAkzo Nobelから入手できるカチオン性界面活性剤、INDULIN(登録商標)及びAROSURF(登録商標)の商標(INDULIN(登録商標)814、INDULIN(登録商標)AMS、INDULIN(登録商標)DF−30、INDULIN(登録商標)DF−40、INDULIN(登録商標)DF−42、INDULIN(登録商標)DF−60、INDULIN(登録商標)DF−80、INDULIN(登録商標)EX、INDULIN(登録商標)FRC、INDULIN(登録商標)MQK、INDULIN(登録商標)MQK−1M、INDULIN(登録商標)MQ3、INDULIN(登録商標)QTS、INDULIN(登録商標)R−20、INDULIN(登録商標)SBT、INDULIN(登録商標)W−I、及びINDULIN(登録商標)W−5等)でMeadWestvacoから入手できるカチオン性界面活性剤、Kao Specialties Americasから入手できるASFIER(登録商標)N480、Cytec Industriesから入手できるCYPRO(商標)514、POLYMIN(登録商標)の商標(POLYMIN(登録商標)SK、POLYMIN(登録商標)SKA、POLYMIN(登録商標)131、POLYMIN(登録商標)151、POLYMIN(登録商標)8209、POLYMIN(登録商標)P、及びPOLYMIN(登録商標)PL等)でBASFから入手できるもののようなポリエチレンイミン、CATIOFAST(登録商標)の商標(CATIOFAST(登録商標)CS、CATIOFAST(登録商標)FP、CATIOFAST(登録商標)GM、及びCATIOFAST(登録商標)PL)でBASFから入手できるもののようなポリビニルアミンが含まれる。他の適切なカチオン性高分子電解質及び界面活性剤には、米国特許第5,096,495号、第5,160,453号、及び第5,443,632号に記載されたものが含まれる。用いられるカチオン性界面活性剤及び高分子電解質のタイプは、ポリマー分散液の最終用途を含む、多くの因子に依存するであろう。得られたカチオン性ポリマー分散液は、例えば、製紙用途、ペーパーサイジング用途、及びポリマー修飾アスファルト及びコンクリートの製造に用いることができる。
本発明の他の実施形態においては、得られた、基本的に電気的に中性のポリマー分散液は、1種以上のアニオン性界面活性剤及びアニオン性電解質と混合し、カチオン性ポリマーエマルションを製造することができる。適切なアニオン性界面活性剤には、アルキル硫酸ナトリウム及びカリウムのような有機硫酸塩及びスルホン酸塩;リン酸エステル;及びショ糖エステルが含まれる。適切なアニオン性高分子電解質には、酒石酸塩、ホウ酸塩、シュウ酸塩及びリン酸塩が含まれ得る。更なる適切なアニオン性界面活性剤及び高分子電解質には、M28、及びINDULIN(登録商標)の商標(INDULIN(登録商標)AMS、INDULIN(登録商標)SA−L、INDULIN(登録商標)ISE、INDULIN(登録商標)201、INDULIN(登録商標)202、及びINDULIN(登録商標)206等)でMeadWestvacoから入手できる他のアニオン性界面活性剤;REDICOTE(登録商標)の商標(REDICOTE(登録商標)E−15及びREDICOTE(登録商標)E−62C等)でAkzo Nobelから入手できるアニオン性界面活性剤;及びMARASPERSE(登録商標)の商標(MARASPERSE(商標)CBOS−3及びMARASPERSE(商標)N22等)で入手できるようなリグノスルホン酸塩が含まれるがこれらに限定されない。用いられるアニオン性界面活性剤又は高分子電解質のタイプは、ポリマー分散液の最終用途を含む、多くの因子に依存するであろう。得られたアニオン性ポリマー分散液は、例えば、塗料、紙加工、接着剤、カーペット裏地、印刷用インク、不織布、革の仕上げ、浸漬物品、アスファルト及びコンクリートの修飾、医療用途、及びプラスチック材料の修飾において用いることができる。
本発明の一実施形態においては、重合工程は、重合工程に非イオン性モノマー及び界面活性剤のみが用いられる非イオン性プロセスであり得る。また、重合工程は、前記ポリマー分散液に全体として電荷を付与しない、1種以上の両性界面活性剤を含んでいてもよい。基本的に電気的に中性の性質のため、本発明により得られるポリマー分散液は帯電した化学種に対する耐性を示し、1モル塩化カルシウム溶液のような高電解質媒体中でコロイド安定である。次いで、得られたポリマーを、カチオン性又はアニオン性界面活性剤又は電解質と混合し、帯電したポリマー分散液を製造することができる。
本発明の一実施形態においては、ポリマー分散液は、水再分散性ポリマー粉末のようなポリマー粉末を製造するために用いることができる。ポリマー粉末は、凍結乾燥又は噴霧乾燥のような当該技術分野で公知の手段、好ましくは噴霧乾燥を介して、水を除去することにより、水性ポリマー分散液から製造することができる。噴霧乾燥においては、ポリマー分散液は、通常、乾燥塔中の温風の流れの中に噴霧される。例えば、温風の流れは、乾燥塔中に100〜200℃、好ましくは120〜160℃で入り、30〜90℃、好ましくは60〜80℃で排出される。ポリマー分散液は、好ましくは、温風の流れと同時に導入される。ポリマー分散液及び/又は他の添加物の噴霧は、単一物質又は多成分物質ノズルによって、又は回転円盤を用いることにより実施できる。ポリマー粉末は、サイクロン又はフィルターセパレータを用いて分離することができる。
ポリマー粉末の製造の好ましい実施形態においては、噴霧の補助として、及び/又は再分散性を確実にするために、噴霧乾燥前に、水性ポリマー分散液に水溶性コロイド安定剤を加える。噴霧のために好ましい水溶性コロイド安定剤はポリビニルアルコール(PVA’s)である。用いることのできる、他の噴霧補助剤には、ポリビニルピロリドン、セルロース誘導体、デンプン誘導体、及びメラミン及びホルムアルデヒドから、又はナフタレンスルホン酸及びホルムアルデヒドから製造される水溶性縮合物が含まれる。通常用いられる噴霧補助剤の量は、分散液中のポリマーの質量を基準とし、1〜40質量%、好ましくは2〜30質量%、最も好ましくは5〜25質量%である。
噴霧乾燥前に、消泡剤を、好ましくは1.5質量%以下で水性分散液に加えてもよい。高分散性のケイ酸のようなブロッキング防止剤又は凝固防止剤を加えてもよい。例えば、凝固防止剤は、分離ノズルを介して乾燥塔に凝固防止剤を噴霧することにより、噴霧乾燥プロセス中に加えてもよい。また、乾燥ポリマー粉末を、ポリマーの全質量を基準として、好ましくは30質量%以下でブロッキング防止剤又は凝固防止剤と混合してもよい。
本発明により調製された、非イオン性、カチオン性及びアニオン性ポリマーを、分散液中の分散媒体を蒸発させることにより乾燥し、フィルムを形成することができる。本発明によりポリ(スチレン−ブタジエン)、ポリ(スチレン−アクリレート)又はポリアクリル酸ポリマー分散液から製造されたフィルムは耐水性を示し、15%未満の水を吸収する。更に、本発明の40%を超えるスチレンを有するポリ(スチレン−ブタジエン)ポリマー分散液から製造されたフィルムも、優れた湿潤引張強度を維持している。以下の実施例に示すように、本発明の好ましい実施形態から製造されたフィルムは、特に40%を超えるスチレンを有するポリマーについて、10%未満の水、5%未満の水でさえ吸収することができる。親水性界面活性剤の使用は、非常に疎水性で、水との接触角が90°を超える初期前進接触角を有する乾燥フィルムを製造することができることは意外であった。更に、極性の共重合可能なモノマー(例えば、アクリルアミド又はメタクリルアミド)の存在が、得られるフィルムの有利な疎水性をもたらすことは更に意外であった。高い防湿性を有するフィルムをもたらす本発明のポリマー分散液のように、ポリマー分散液は、コーティングのような防湿機能が要求される用、及び種々の高水分用途において用いることができる。
更に、本発明によるポリ(スチレン−ブタジエン)又はポリ(スチレン−アクリレート)又はポリアクリル酸ポリマー分散液から製造されたフィルムは、ポリマーが2%以下の(メタ)アクリルアミド又はその誘導体を含む場合は、従来の架橋剤の非存在下でも比較的に高い機械的強度を示す。これは、以下の実施例に示すように、10%未満のスチレンを含む、低いTgのポリ(スチレン−ブチルアクリレート)系において最も明らかである。
更に、アニオン帯電した界面活性剤及びビニル酸が存在しないので、本発明のポリマー分散液は広pH範囲でコロイド的に安定であり、電解質を含まないか、低濃度の電解質を含むことができ、Ca2+、Mg2+、及びAl3+イオンのような高原子価のカチオンの存在下で安定である。従って、ポリマー分散液は、混合物内での凝集を防止するか、促進しない。更に、本発明の電気的に中性のポリマー分散液は、腐食保護のためのプライマーペイントにおける、又は防湿バリアとして作用するためのセメントに対する添加剤としての用途において望ましい、低電気伝導度及び高電気抵抗を有する。
本発明は、帯電した分散剤に変換することができ、金属塩防カビ剤、殺菌剤、及び他の殺生物剤のような、カチオン性又はアニオン性に帯電した添加剤に対して耐性である、基本的に電気的に中性のポリマー分散液を提供する。本発明は、高電解質媒体中でコロイド安定であり、優れた耐水性及び湿潤機械特性を有する、基本的に電気的に中性のポリマー分散液をも提供する。40%を超えるスチレンを有する本発明のポリマー分散液は、20%に近い通常のシステムについて比較し、5%未満と低い吸水率で例示される、並はずれて高い耐水性を示す。意外にも、架橋をもたらす傾向のあるブタジエン及び他のモノマーの非存在下でさえ、また、−20℃未満のポリマーTを有するシステムを用いる場合でさえ、ポリマーが少量の(メタ)アクリルアミドを含む場合に、得られるポリマー被覆の機械的強度が向上することがわかった。更に、本発明の基本的に電気的に中性のポリマー分散液が、HEUR−タイプの増粘剤のような結合性増粘剤と固有の相互作用をすることがわかった。従って、本発明の基本的に中性のポリマー分散液は、物質又は混合物のレオロジーに影響を及ぼすために用いることができる。
以下の実施例において、本発明を更に詳細に説明する。実施例は説明にすぎず、多少なりとも、記載された、及び特許請求されたような本発明の範囲を限定するものではない。特に示さない限り、部は質量部である。
実施例
以下に記載するポリマーラテックスは、機械的撹拌機を備えた反応器を用いてシードセミバッチ乳化重合工程において製造した。全固体含有量は、CEM Labware 9000 Microwave Moisture/Solids Analyzerを用いて70%のパワーのセッティングにより測定した。pHは、使用前にキャリブレーションを行ったOrion 310 pHメーターを用いて測定した。粒径は、25℃において角度90°で、NICOMP(登録商標)308Submicron Prticle Sizer、及び動的光散乱法を用いて測定した。各試料の粘度は、Brookfield RV BF−I DVII粘度計を用いて測定した
具体的なラテックスの合成−アクリル系ラテックス
実施例1
以下の成分:320.3gの水、14.3gの32%の活性シード水性エマルション(ポリスチレン)、0.7gの40%エチレンジアミン四酢酸(EDTA)水溶液、0.7gの10%水酸化カリウム(KOH)水溶液を反応容器内で帯電させた。混合物を80℃に加熱した。17.8gの水及び1.9gの過硫酸ナトリウムの開始剤原材料から12%を取り除き、反応混合物に加えた。2つに分けた原材料を、一定の供給速度で容器に加えた。開始剤原材料の残りを、4.5時間かけて一定の供給速度で加えた。543.1gの水、21.3gのトリデシルアルコールの8モルエチレンオキシド付加物からなる90%の活性化非イオン性界面活性剤、5.8gの10%KOH水溶液、27.2gの53%アクリルアミド水溶液、96.0gのスチレン、240.0gの2−エチルヘキシルアクリレート(2−EHA)、及び609.6gのn−ブチルアクリレート(n−BA)を含むモノマーエマルション原材料を、4.0時間かけて反応器に加えた。供給の間、温度を80℃に維持した。供給が完了した後、モノマーエマルションタンクを28.8gの水で洗い流した。30分の後反応後、80℃の一定温度で、1時間かけて、以下の2種の混合物:(a)2.6gの70%tert−ブチルヒドロペルオキシド溶液及び24.0gの水、及び(b)2.0gのメタ重亜硫酸ナトリウム、1.2gのアセトン、及び23.4gの水を2つの別の原材料として加えることにより、分散液を後揮散した。2種原材料の追加後、温度を15分間維持した後、ポリマー分散液を冷却し、任意の後添加剤(殺生剤等)を加えた。最終生成物は49.5%の全固形分、175nmの平均粒径、3.4のpH、及び210cPの粘度を有していた。
実施例2
実施例2は、初期反応器帯電及びモノマーエマルション混合物フィードを以下のように変化させた以外は、実施例1に記載された方法を用いて調製した。初期反応器帯電は23.4gの32%ポリスチレンシードエマルション水溶液を有していた。モノマーエマルション混合物フィードは、4.8gの10%KOH、76.0gのスチレン、35.9gの53%アクリルアミド水溶液、855.0gのn−ブチルアクリレートからなり、2−エチルヘキシルアクリレートを含まなかった。最終生成物は49.6%の全固形分、156nmの平均粒径、3.0のpH、及び470cPの粘度を有していた。
実施例3
実施例3は、プレエマルションフィードを以下のように変化させた以外は、実施例1に記載された方法を用いて調製した。モノマーエマルション混合物フィードは、849.6gのn−ブチルアクリレートを含み、2−エチルヘキシルアクリレートを含まない以外は、実施例1の通りであった。最終生成物は49.6%の全固形分、196nmの平均粒径、3.2のpH、及び400cPの粘度を有しており、得られたポリマーは−42℃のガラス転移温度(T)を有していた。
実施例4
実施例4は、以下の変化以外は、実施例1に記載された方法を用いて調製した。モノマーエマルション混合物フィードは、518.4gの水、637.0gのn−ブチルアクリレートを含み、アクリルアミドを含まなかった。最終生成物は49.0%の全固形分、179nmの平均粒径、2.6のpH、及び50cPの粘度を有していた。
実施例5
実施例5は、以下の変化以外は、実施例1に記載された方法を用いて調製した。モノマーエマルション混合物フィードは、531.5gの水、19.4gの、トリデシルアルコールの6モルエチレンオキシド付加物からなり、8モルエチレンオキシド付加物を含まない100%活性非イオン性界面活性剤からなる。ポリマー分散液は49.9%の全固形分、185nmの平均粒径、3.2のpH、及び550cPの粘度を有していた。
実施例6
実施例6は、以下の変化以外は、実施例1に記載された方法を用いて調製した。初期帯電は346.7gの水を有していた。モノマーエマルション混合物フィードは、501.9gの水、4.9gの10%KOH水溶液、37.0gの53%アクリルアミド水溶液、441.0gのスチレン、519.4gのn−ブチルアクリレートを含み、2−エチルヘキシルアクリレートを含まなかった。開始剤フィードは、26.0gの水及び1.9gの過硫酸ナトリウムからなる。ポリマー分散液は49.8%の全固形分、201nmの平均粒径、4.4のpH、及び1130cPの粘度を有していた。
実施例7
実施例7は、以下の変化以外は、実施例1に記載された方法を用いて調製した。モノマーエマルション混合物フィードは、531.5gの水、19.4gの、トリデシルアルコールの10モルエチレンオキシド付加物からなる100%活性非イオン性界面活性剤、及び849.6gのn−ブチルアクリレートを含む。トリデシルアルコールの8モルエチレンオキシド付加物及び2−エチルヘキシルアクリレートを用いなかった。ポリマー分散液は49.2%の全固形分、175nmの平均粒径、3.0のpH、及び370cPの粘度を有していた。
実施例8
実施例8は、以下の変化以外は、実施例1に記載された方法を用いて調製した。モノマーエマルション混合物フィードは、533.5gの水、19.6gの、トリデシルアルコールの10モルエチレンオキシド付加物からなる100%活性非イオン性界面活性剤、4.9gの10%KOH水溶液、37.0gの53%アクリルアミド水溶液、499.8gのn−ブチルアクリレート、460.6gのメチルメタクリレート(MMA)を含み、トリデシルアルコールの8モルエチレンオキシド付加物を含まなかった。ポリマー分散液は49.2%の全固形分、160nmの平均粒径、2.7のpH、及び134cPの粘度を有していた。
比較例1
比較例1は、以下の変化以外は、実施例1に記載された方法を用いて調製した。モノマーエマルション混合物フィードは、アクリルアミドより、14.4gのアクリル酸を含んでいた。ポリマー分散液は49.6%の全固形分、172nmの平均粒径、3.0のpH、及び140cPの粘度を有していた。
実施例1〜8及び比較例1(CE1)において用いられるモノマー及び界面活性剤組成を下記第1表に要約する。
第1表 モノマー及び界面活性剤濃度(100モノマーあたりの部)
Figure 0005599188
実施例1〜3により調製されたラテックスは、約−40〜−45℃のTを有し、1.5〜2.0%のアクリルアミドを含む、低Tのポリマーであった。実施例4のラテックスは、アクリルアミドを含まない低Tのポリマーであった。実施例5のラテックスは、短いEO−鎖の界面活性剤を用いた。実施例6のラテックスは、スチレン及びn−ブチルアクリレートをベースとする高Tのポリマーであった。実施例7及び8のラテックスは、長いEO−鎖の界面活性剤を用いた。実施例8のラテックスは、メチルメタクリレート及びn−ブチルアクリレートをベースとする高Tのポリマーも用いた。比較例1のラテックスは、アクリルアミドに代えてアクリル酸を含む低Tのポリマーを含む。
具体的なラテックスの合成−スチレンブタジエンラテックス
実施例9
以下の成分:1076.3gの水、36.6gの32%アクティブシード水性ポリスチレンエマルション、1.3gの40%EDTA水溶液、及び1.7gのピロリン酸四ナトリウムを、反応容器内で帯電させた。混合物を90℃まで加熱した。166.2gの水及び12.8gの過硫酸ナトリウムの開始剤原材料から、28.5%を取り除き、反応混合物に加えた。次いで、以下の4つに分けた原材料を、一定の供給速度で加えた。原材料(a)は開始剤原料の残部であり、5.0時間かけて加えた。原材料(b)は、549.6gの水、41.5gのトリデシルアルコールの8モルエチレンオキシド付加物(水中、90%活性)、1.9gのピロリン酸四ナトリウム、及び70.5gの53%アクリルアミド水溶液からなる水性原材料であり、2.5時間かけて加えた。原材料(c)は、595.0gの1,3−ブタジエンからなり、4.0時間かけて加えた。原材料(d)は、1130.3gのスチレン及び13.5gのtert−ドデシルメルカプタンの混合物からなり、4.0時間かけて加えた。供給が完全に持続する間、温度を90℃に維持した。60分間の後反応時間の後、得られた分散液を冷却し、10%KOH水溶液を用いてpHを6.5に調整した。蒸気の入口を備える揮散反応器中で、生成物をモノマー除去処理にかけた。温度を74℃に制御しながら、蒸気を分散液に通し、2種類の溶液:(e)56mLのtert−ブチルヒドロパーオキシド水溶液、及び(f)56mLの5%メタ重亜硫酸ナトリウム水溶液を、2時間以内に、2本の蒸気に同時に供給した。得られたポリマー分散液は50.6%の全固形分、156nmの平均粒径、4.6のpHを有していた。
実施例10
1069.5gの水、33.4gの32%アクティブシード水性エマルション(ポリスチレン)、1.3gの40%EDTA水溶液、及び1.7gのピロリン酸四ナトリウムを反応容器内で帯電させた。混合物を90℃に加熱した。166.2gの水及び12.8gの過硫酸ナトリウムの開始剤原材料から、28.5%を取り除き、反応混合物に加えた。次いで、以下の4つに分けた原材料を、一定の供給速度で加えた。原材料(a)は開始剤原料の残部からなり、5.0時間かけて加えた。原材料(b)は、550.1gの水、37.4gのトリデシルアルコールの10モルエチレンオキシド付加物、1.9gのピロリン酸四ナトリウム、及び77.5gの53%アクリルアミド水溶液からなる水性原材料からなり、2.5時間かけて加えた。原材料(c)は、591.6gの1,3−ブタジエンからなり、4.0時間かけて加えた。原材料(d)は、1130.3gのスチレン及び13.5gのtert−ドデシルメルカプタンの混合物からなり、4.0時間かけて加えた。供給が完全に持続する間、温度を90℃に維持した。30分間の後反応時間の後、得られた分散液を冷却した。蒸気の入口を備える揮散反応器中で、生成物をモノマー除去処理にかけた。温度を74℃に制御しながら、蒸気を分散液に通し、2種類の溶液:(e)56mLの5%tert−ブチルヒドロパーオキシド水溶液、及び(f)56mLの5%メタ重亜硫酸ナトリウム水溶液を、2時間以内に、2本の蒸気に同時に供給した。得られたポリマー分散液は49.9%の全固形分、157nmの平均粒径、3.9のpHを有しており、得られたポリマーは+7℃のガラス転移温度(T)を有していた。
実施例11
880.6gの水、27.8gの32%アクティブシード水性エマルション(ポリスチレン)、1.1gの40%EDTA水溶液、及び1.4gのピロリン酸四ナトリウムを反応容器内で帯電させた。混合物を90℃に加熱した。146.7gの水及び11.3gの過硫酸ナトリウムの開始剤原材料から、28.5%を取り除き、反応混合物に加えた。次いで、以下の4つに分けた原材料を、一定の供給速度で加えた。原材料(a)は開始剤原料の残部からなり、5.0時間かけて加えた。原材料(b)は、457.2gの水、31.3gのトリデシルアルコールの10モルエチレンオキシド付加物、1.6gのピロリン酸四ナトリウム、及び73.9gの53%アクリルアミド水溶液からなる水性原材料からなり、2.5時間かけて加えた。原材料(c)は、441.0gの1,3−ブタジエンからなり、4.0時間かけて加えた。原材料(d)は、982.4gのスチレン及び26.8gのtert−ドデシルメルカプタンの混合物からなり、4.0時間かけて加えた。供給が完全に持続する間、温度を90℃に維持した。30分間の後反応時間の後、得られた分散液を冷却した。蒸気の入口を備える揮散反応器中で、生成物をモノマー除去処理にかけた。温度を74℃に制御しながら、蒸気を分散液に通し、2種類の溶液:(e)56mLの5%tert−ブチルヒドロパーオキシド水溶液、及び(f)56mLの5%メタ重亜硫酸ナトリウム水溶液を、2時間以内に、2本の蒸気に同時に供給した。得られたポリマー分散液は50.3%の全固形分、164nmの平均粒径、3.2のpHを有しており、得られたポリマーは+8℃のガラス転移温度(T)を有していた。
実施例9〜11において用いられるモノマー及び界面活性剤組成を下記第2表に要約する。
第2表 モノマー及び界面活性剤濃度(100モノマーあたりの部)
Figure 0005599188
実施例9及び10のラテックスは、低濃度の連鎖移動剤(t−ドデシルメルカプタン)を含み、実施例11のラテックスは、比較的に高濃度の連鎖移動剤を含んでいた。実施例9〜11のポリスチレンブタジエンラテックスは、全て同じガラス転移温度Tを有していた。
1滴の各ラテックスを2〜3mLの1.0M塩化カルシウム(CaCl2)溶液に滴下した時、実施例1〜11の各ラテックスは安定であり、凝集を示さなかった。アクリル酸を含む比較例1のラテックスは、CaCl2溶液の存在下に直ちに凝集した。
ラテックスフィルムの製造、及びこのフィルムの機械的特性試験
最初に、各ポリマー分散液に、40%の全固形分含有量を得るのに十分な水を加えることにより、実施例1〜11及び比較例1により調製された各ラテックスからラテックスフィルムを調製した。次いで、得られた希釈分散液をテフロン鋳型に注ぎ入れ、50%の湿度、25℃で7日間風乾した。2〜3日の初期乾燥相後に、フィルムを逆さまにひっくり返し、両面を空気にさらした。各乾燥ラテックスフィルムの厚みは、約0.02インチであった。
各フィルム試料の両面に剥離紙を置くことにより、引張実験のためのフィルム試料を調製した。0.158インチ幅に相当する「犬の骨」の形態の試料を切り取った。22ポンドのロードセルを備えたInstron 4505を用いて、各フィルムの3個の試料を試験した。7.9インチ/分の速度で試料を伸長し、最大強度及び破断点伸びを記録した。
フィルムの吸水率は、試料フィルムを2インチ×2インチに切り取り、各試料の乾燥質量を測定し、各試料を脱イオン水中に24時間浸し、次いで水分から除去した後に試料の質量を測定することにより、測定した。吸水率は、得られる質量の割合として表わし、ラテックスあたり、3〜5個の試料の平均である。
下記の第3表は、実施例1〜6及び比較例1のラテックスの機械的特性を示す。
第3表 アクリル系ラテックスポリマーフィルムの機械的特性
Figure 0005599188
−40〜−45℃の範囲である、実施例1〜3の低Tのアクリル系ポリマーは、第3表に示すように、約80〜140ポンド/平方インチ(psi)の高い引張強度を示した。実施例4及び比較例1のアクリル系ポリマーは比較的弱く、これは、アクリルアミドの存在がラテックスの強度を向上させることを示す。
下記の第4表は、実施例9〜11のラテックスの機械的特性を示す。
第4表.スチレン−ブタジエンラテックスポリマーフィルムの機械的特性
Figure 0005599188
第4表に示すように、実施例9〜11の3種のスチレン−ブタジエンポリマーからの吸水率は非常に低く、約2%であった。実施例11のラテックスは、実施例9及び10よりもわずかに高い吸水率を示した。この特定のラテックスは、実施例9及び10のラテックスと比較し、2倍量の連鎖移動剤を用いて製造された。
追加のポリマーフィルムを製造し、下記の第5表に示すように、実施例6及び9の乾燥及び湿潤フィルムについて更に広範囲の試験を実施した。ポリマーフィルムを水中に24時間浸し、ペーパータオルで押さえて水気を切り、次いで水浴から除去した直後に引張強度及び伸びについて試験した(「湿潤ポリマーフィルム」として示す)。実施例6及び9のポリマーフィルムの他のセットを水中に24時間浸し、24時間風乾し、次いで、引張強度及び伸びについて試験した(「再乾燥湿潤ポリマーフィルム」として示す)。実施例6により調製したアクリル系ラテックスから形成したフィルムと同様に、実施例9のスチレン−ブタジエンラテックス由来のフィルムは、水中に24時間浸した後に結合力を失っていなかった。
第5表 湿潤及び乾燥ポリマーフィルムの機械的特性
Figure 0005599188
本発明の前記記載を読むことにより、当業者はそれらの変形及び修飾できることが理解される。これらの変形及び変化は、以下に添付する請求の範囲の趣旨及び範囲に含まれる。

Claims (10)

  1. 少なくとも1種の非イオン性界面活性剤の存在下に、重合温度において1種以上の非イオン性モノマーを重合することを含む、基本的に電気的に中性のポリマー分散液の製造方法であって、
    前記少なくとも1種の非イオン性界面活性剤の曇点温度は重合温度よりも低く、
    前記重合工程がイオン性界面活性剤の非存在下に実施され、
    前記重合工程において、1種以上のイオン性モノマーの量が、全モノマー質量を基準とし、0.5質量%未満であり、
    前記少なくとも1種の非イオン性界面活性剤が、トリデシルアルコールのエチレンオキシド付加物を含み、前記エチレンオキシド基の数が14以下である、前記方法。
  2. 前記重合工程が、シードラテックスの存在下に実施される、請求項1に記載の方法。
  3. 前記非イオン性界面活性剤が、モノマー及び界面活性剤の全質量を基準とし、2質量%未満の量で存在する、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記1種以上の非イオン性モノマーが、スチレン、ブタジエン、及び(メタ)アクリレートモノマーからなる群から選択される少なくとも1種のモノマーを含む、請求項1からまでのいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記1種以上の非イオン性モノマーが、(メタ)アクリルアミド及びその誘導体からなる群から選択される少なくとも1種のモノマーを含む、請求項に記載の方法。
  6. 前記重合工程が、少なくとも1種の両性界面活性剤の存在下で更に実施される、請求項1からまでのいずれか1項に記載の方法。
  7. 前記重合工程が、更に過硫酸塩開始剤の存在下で実施される、請求項1からまでのいずれか1項に記載の方法。
  8. 請求項1からまでのいずれか1項に記載の方法によって製造されたポリマー分散液。
  9. 請求項1からまでのいずれか1項に記載の方法によって製造されたポリマー分散液を製造し、前記ポリマー分散液中の分散媒体を蒸発させることを含む、ポリマーフィルムの製造方法。
  10. 請求項1からまでのいずれか1項に記載の方法によって製造されたポリマー分散液を噴霧乾燥するか、又は凍結乾燥することを含む、ポリマー粉末の製造方法。
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