JP5598270B2 - 車両用照明装置およびその制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、室内ランプを主とする車両用照明装置およびその制御方法に関する。
特許文献1には、複数のLED光源によって運転席、助手席、後部席等、固有のエリアを照明可能としたルーフ設置タイプの車両用照明装置が開示されている。
特開2003−165383号公報
特許文献1の開示技術は、単一のランプユニットにおける複数のLED光源のうち、特定エリア照明用のLED光源によって運転席、助手席、後部席等を切り換えて照明する構成としたものである。このため、車両状況や乗員状況によって照度分布等を可変制御することは不可能である。
そこで、本発明は車両状況や乗員状況に応じて車室内の照度分布や配光分布等を自動的に制御できて、状況に応じた照明演出によって、乗員に大きな視覚効果を与えることができる車両用照明装置とその制御方法を提供するものである。
本発明の車両用照明装置にあっては、少なくとも車室内の予め設定した照明位置に光軸を向けてそれぞれ配光する複数の室内ランプと、ドア開閉状況、ドアロック状況、イグニッション状況、シフトレバー状況等の車両状況を検出する検出手段と、この検出手段の検出作用にもとづいてこれら複数の室内ランプを作動制御するコントローラと、を備えている。
そして、このコントローラは、前記検出手段の検出作用にもとづいて乗車時から降車時に亘って乗員の動向を判断し、その都度、予めプログラムされた複数の照明モードの中から乗員が要望する照明モードを推定して、これに対応した室内ランプを作動させる。さらに、このコントローラは、イグニッションスイッチをオン作動させてからシフトノブを操作するまで、室内ランプのうち、シフトノブ周りを照明する室内ランプを点灯して、その照度を高めることを主要な特徴としている。
本発明によれば、車両状況検出手段の検出作用にもとづいて乗車時から降車時に亘って乗員の動向を判断することによって、乗員が要望する照明モードを推定している。そして、車室内の複数の室内ランプのうち、推定選択された照明モードに対応した室内ランプを作動するようにしている。
これにより、乗員が車両に乗り込むシーンから降車するシーンに移行する過程で、変化する状況毎に車室内の照度分布や配光分布等を自動的に制御することが可能となる。
この結果、状況に応じた照明演出によって、乗員に与える視覚効果を高めることができて、乗降の際の安心感、走行中における運転操作性等を向上することができる。
本発明に係る車両用照明装置における室内ランプおよびコントローラの配置状況を示す略示的平面説明図。 本発明の車両用照明装置の一実施形態のシステム構成図。 後席における配光分布および照度分布状況を示す説明図。 前席における配光分布および色温度分布状況を示す説明図。 乗車に際してドアロック装置を遠隔操作によりアンロックした時の配光分布を示す説明図。 前席における配光分布を示す説明図。 センターコンソールにおける配光分布を示す説明図。 コントローラの制御動作の一例を示すフローチャート図(その1) コントローラの制御操作の一例を示すフローチャート図(その2) 室内ランプの作動を示すタイムチャート図。
以下、本発明の一実施形態を図面と共に詳述する。
図1に示す実施形態の車両1は、運転席2および助手席3用の左右一対のマップランプ11と、該マップランプ11に併設したコンソールランプ12と、後席4用の左右一対のパーソナルランプ13等の室内ランプを備えている。
これらの室内ランプ11,12,13は、例えば、エンジンルームに搭載したコントローラ20によって作動制御するようにしている。
マップランプ11とコンソールランプ12は、フロントルーフレールの車両センター部に配設してある。また、パーソナルランプ13は、左右のルーフサイドレールの後席近傍位置に配設してある。
室内ランプ11,12,13は、何れもLEDやELなど、半導体に電圧を印加することによって得られるルミネッセンスを利用した1つまたは複数の半導体型光源を用いている。
そして、これら室内ランプ11,12,13を、コントローラ20によって後述するように点・消灯、PWM制御による照度調整や輝度調整、色温度調整、光束量調整、配光パターン調整、等の各種の作動制御を行うようにしている。
運転席2用の右側のマップランプ11Rは、例えば、複数の半導体型光源を備えていて、図4、図6に示すようにシートクッション2aの中央部に光軸を向けて、該シートクッション2aを中心としてシートバック2bの下側部からシートクッション2aの前方の乗員足元部に亘る領域を照射範囲とするビーム角θaの光束形態と、図5に示すようにシートバック2bのヘッドレストに光軸を向けて、該シートバック2bの上端部前面を照射範囲とするビーム角θaの光束形態と、の2つの配光パターンを形成可能としている。
助手席3用の左側のマップランプ11Lも同様に複数の半導体型光源を備えて、シートクッション3aを中心としてシートバック3bの下側部から乗員足元部に亘る領域を照射範囲とするビーム角θaの光束形態(図4、図6参照)と、シートバック3bの上端部前面を照射範囲とするビーム角θaの光束形態(図5参照)と、の2つの配光パターンを形成可能としている。
これらのマップランプ11R、11Lは、各ランプユニットに付設したスイッチの手動操作によっても点・消灯可能としていることは勿論で、この手動操作による点灯時は、ビ
ーム角θaの光束形態の配光が得られるようにしている。
コンソールランプ12は、例えば、1つの半導体型光源を備えていて、図7に示すようにフロアセンターコンソール7のシフトノブ8周りに光軸を向けて、該シフトノブ8を中心として前後方向の広い領域を照射範囲とするビーム角θbの光束形態と、シフトノブ8を中心としてその周囲の狭い領域を照射範囲とするビーム角θbの光束形態と、の2つの配光パターンを形成可能としている。
後席4の右側のパーソナルランプ13Rは、例えば、複数の半導体型光源を備えていて、図3に示すように後席右側の乗員足元部に光軸を向けて、その周辺のシートクッション4a上と、リャドア6Rの下側部、および運転席2のシートバック2bの背面を照射範囲とするビーム角θc(図6参照)の光束形態と、図5に示すように運転席2のシートバック2bの上端部後面を照射範囲とするビーム角θcの光束形態と、後席右側のシートバック4bの上端部前面を照射範囲とするビーム角θcの光束形態と、の3つの配光パターンを形成可能としている。
後席4の左側のパーソナルランプ13Lも同様に複数の半導体型光源を備えて、後席左側の乗員足元部を中心としてその周辺のシートクッション4a上と、リャドア6Lの下側部、および助手席3のシートバック3bの背面を照射範囲とするビーム角θcの光束形態(図3、図6参照)と、助手席3のシートバック3bの上端部後面を照射範囲とするビーム角θcの光束形態、および後席左側のシートバック4bの上端部前面を照射範囲とするビーム角θcの光束形態(θc、θcは何れも図5参照)と、の3つの配光パターンを形成可能としている。
これらのパーソナルランプ13R、13Lは、各ランプユニットに付設したスイッチの手動操作によっても点・消灯可能としていることは勿論で、この手動操作による点灯時は、ビーム角θcの光束形態の配光が得られるようにしている。
図2は、本実施形態の車両用照明装置のシステム構成を示している。
この車両用照明装置は、上述のマップランプ11、コンソールランプ12、およびパーソナルランプ13等の室内ランプと、これら室内ランプ11〜13を作動制御するコントローラ20と、車両状況の各種情報をコントローラ20に提供する車両状況検出手段21と、を備えている。
車両状況検出手段21は、例えば、左右フロントドアの開・閉を検出するフロントドアセンサ22R・22L、左右リャドアの開・閉を検出するリャドアセンサ23R・23L、インテリジェントキー(イモビキーを含む)の遠隔(接近)操作によるドアロックのロック・アンロックを検出するI−KEYセンサ24(インテリジェントキー仕様)もしくはメカニカルキーによるドアロックのロック・アンロックを検出するKEY−LOCKセンサ25と、シフトノブ8のレンジポジションを検出するシフトポジションセンサ26と、イグニッションスイッチのオン・オフを検出するIGNセンサ27、等を列挙することができる。
コントローラ20は、各種センサ21〜27からの情報信号を入力し、この情報信号にもとづいて乗車時から降車時に亘って乗員の動向を判断し、予めプログラムされた複数の照明モードの中から乗員が要望する照明モードを推定して、これに対応した室内ランプ11〜13の作動制御を行うようにしている。
この照明モードは、後述するように車両状況に応じて予めプログラムされ、配光パター
ン、照度差、色温度差等を基準として任意に設定される。
図8,図9にコントローラ20の制御動作の一例をフローチャートにして示す。
ステップS1では、I−KEYセンサ24によりインテリジェントキーを所持した乗員の車両への接近状況を確認し、ステップS2においてインテリジェントキーの接近でドアロック装置がアンロックされたかを判断する。
ステップS2で肯定の場合、ステップS3でAモード照明を現出する。このAモード照明では、マップランプ11およびパーソナルランプ13を図5に示すビーム角θa、θc,θcの光束形態の配光パターンで点灯して、運転席2,助手席3のシートバック2b,3bの上端部と、後席4のシートバック4bの左右側部の上端部とを照明する。また、コンソールランプ12は、図7に示すビーム角θbの光束形態の配光パターンで点灯して、フロアセンターコンソール7を照明する。
このとき、図10のタイムチャートに示すように、アンロック時における室内ランプ11,12,13の照度は50%に調整される。
これにより、車室内が明るく見えて、車外から車室内の様子,状況の確認を行い易くする。
次に、ステップS4でドアセンサ22,23により、ドア5,6が開かれたかを判断する。
ステップS4で否定の場合、ステップS5に進み、ステップS3で点灯したAモード照明をタイマー回路の設定時定数により消灯する。
ステップS4で肯定の場合、ステップS6に進んでBモード照明を現出する。このBモード照明では、マップランプ11およびパーソナルランプ13を図6および図3,図4に示すビーム角θa,θcの光束形態の配光パターンで点灯して、対応する座席のシートクッション2a,3a,4aを中心として、シートバック2b,3b,4bの下側部から乗員足元部周りを照明する。また、コンソールランプ12は消灯する。
このとき、図10のタイムチャートに示すように、運転席側のドア5Rまたは助手席側のドア5Lを開いた場合、開いたドア側のマップランプ11Rまたは11Lの照度を100%とし、開いたドアと反対側のマップランプ11Lまたは11Rの照度を25%に調整すると共に、パーソナルランプ13の照度を50%に調整する。また、リャドア6R,6Lの一方を開いた場合、開いたドア側のパーソナルランプ6Rまたは6Lの照度を100%とし、開いたドアと反対側のパーソナルランプ6Lまたは6Rの照度を25%に調整する。
これにより、開いたドアに近い座席を明るく目立たせて乗員の乗り込みを促す。
次に、ステップS7でドアセンサ22,23により、開かれたドア5,6が閉められたかを判断する。ステップS7で否定の場合、ステップS8に進み、ステップS6で点灯したBモード照明をタイマー回路の設定時定数により消灯する。
ステップS7で肯定の場合、ステップS9に進んで、Cモード照明を現出する。このCモード照明では、マップランプ11およびパーソナルランプ13を図6および図3,図4に示すビーム角θa,θcの光束形態の配光パターンで点灯して、対応する座席のシ
ートクッション2a,3a,4aを中心として、シートバック2b,3b,4bの下側部から乗員足元部周りを照明すると共に、コンソールランプ12をビーム角θbの光束形態の配光パターンで点灯する。このとき、これら室内ランプ11〜13の照度は、図10のタイムチャートに示すように全て50%に調整する。
これにより、マップランプ11およびパーソナルランプ13のビーム角θa,θcでの配光によって、着座した乗員D(図6参照)の手元,足元を明るく照明すると共に、フロアセンターコンソール7上を明るく照明してシフトノブ8を始めとする周辺機器の確認を行い易くする。
また、上述のビーム角θa,θcでの配光により、着座した乗員の顔が車外から見られにくいようにする。
このステップS9で点灯したCモード照明は、タイマー回路の設定時定数により消灯し、あるいはアクセサリースイッチのオン作動により消灯する。
次に、ステップS10でIGNセンサ27により、イグニッションスイッチをオン作動したかを判断する。
ステップS10で肯定の場合、ステップS11に進んでDモード照明を現出する。このDモード照明では、コンソールランプ12のみをビーム角θbの光束形態の配光パターンで点灯する。このとき、図10のタイムチャートに示すように照度を100%に調整し、シフトノブ8周りを格段に明るく照明して発進の準備を促す。
このDモード照明はシフトノブ8を走行レンジに操作するまで維持され、シフトノブ8およびその周辺機器の操作性を確保する。
ステップS11でDモード照明を現出すると、次にステップS12に進み、シフトポジションセンサ26により、シフトノブ8をパーキングレンジまたはニュートラルレンジから走行レンジへ操作したかを判断する。
ステップS12で肯定の場合、ステップS13に進んでEモード照明を現出する。このEモード照明ではステップS11で点灯したコンソールランプ12をビーム角θbの光束形態の配光パターンに変更すると共に、図10のタイムチャートに示すように照度を25%に調整して、シフトノブ8をピンポイントで低照度で照明する。
このEモード照明は、シフトノブ8を走行レンジにして車両を運転している間、維持される。
そして、車両の運転を終了すると、ステップS14でIGNセンサ27によりイグニッションスイッチをオフ作動したかを判断する。
ステップS14で肯定の場合、ステップS15に進んで再び前述のCモード照明を現出し、車室内を確認し易い明るさの照度,配光パターンで照明する(図10参照)。
次に、ステップS16でドアセンサ22,23により乗員が降車のためドア5,6を開いたかを判断する。
ステップS16で否定の場合、ステップS17に進み、ステップS15で点灯したCモード照明をタイマー回路の設定時定数により消灯する。
ステップS16で肯定の場合、ステップS18に進んで、Fモード照明を現出する。このFモード照明では、マップランプ11,コンソールランプ12,パーソナルランプ13をビーム角θa,θb,θcでの配光パターンとすると共に、図10のタイムチャートに示すように何れも照度100%に調整する。
これにより、車室内を確認し易いように十分に明るく照明し、降車に際して乗員に車室内への忘れ物等がないように促す。
次に、ステップ19に進んでドアセンサ22,23により乗員が降車してドア5,6を閉めたかを判断する。
ステップS19で否定の場合、ステップS20に進み、ステップS18で点灯したFモード照明をタイマー回路の設定時定数により消灯する。
ステップS19で肯定の場合、ステップS21に進んで、再びCモード照明を現出し、乗員が車両から離れる際の再度の車室内確認を促す。
そして、ステップS22に進んでI−KEYセンサ24によりドアロック装置がロックされたかを判断する。
ステップS22で否定の場合、ステップS23に進み、ステップS21で点灯したCモード照明をタイマー回路の設定時定数により消灯する。また、肯定の場合はステップS24で同様にCモード照明を消灯して一連の処理を終了する。
以上のように本実施形態の車両用照明装置およびその制御方法によれば、乗員が乗車のために車両に接近した時から降車して車両から離れるまでの時間軸で、車両状況検出手段21を構成する各種センサ22〜27によって乗員の動向を判断し、各シーン毎に適切な照明モードA〜Fを推定してこれを自動的に点灯照明することができる。
一般に、乗員の乗車から降車に亘る一連の行動は一定方向に進んで行くので、それぞれのシーンで照明モードA〜Fが滑らかにつながることで、照明位置が移動しているように感じさせることができ、この照明演出によって乗員に与える視覚効果を高めることが可能となる。
ここで、特に本実施形態では、マップランプ11R,11Lおよびパーソナルランプ13R,13Lのうち、乗員が乗車する際に開いたドアに近い座席を照明するランプと、他のランプとで照度差を付与するようにしている。これにより、乗員がこれから座る座席のみを他の座席よりも際立たせることができる。即ち、この照度差の付与によって、開いたドアに近い座席を他の座席よりも明るくすることで、乗員がこれから座ろうとして見る視野の中心であるシートクッション周りがスポット的に明るく見えるため、照度以上に明るく感じさせることが可能となる。
この照度差の付与に関しては、室内ランプ11〜13のうち、開いたドアに近い座席を照明するランプの照度を上げる一方、他のランプの照度を下げることによって行っているので、相対的な明るさの変化が大きくなり、上げられた照度以上に明るく感じることが可能となる。即ち、相対的な明るさ変化は周辺の照度が下がったと認識されず、周辺の照度が下がった分、開いたドアに近い座席の照度が上がったように認識される。
また、マップランプ11およびパーソナルランプ13は、ビーム角θa,θcの設
定によって、シートクッション2a,3aおよび4aに対して、シートバック2b,3bおよび4bを照明する光量が低くなるようにしている。このため、開いたドアと反対側のドアとその近傍のシートクッションが明るく見えて、車両に乗り込む際の不安感を解消することができる。つまり、ドアを開けると乗員の視線方向は、車両前後方向に対して横切る方向となる。このため、乗員にとっての視線方向は、開けたドアと反対側のドア側を奥行き方向ととらえることができる。このため、乗員にとって奥にあたる反対側のドア近くのシートクッションおよびそのドア付近を明るくすることで、一般にサバンナ効果と言われている照明効果によって通路内へ進入する不安感が解消され、車室内への乗り込みを安心して積極的に誘導されることができる。因みに、奥の座席のシートバックまでも明るくしてしまうと、相対的に明るく感じなくなってしまうので、奥の方が明るいという感覚が生じなくなってしまう。
このマップランプ11およびパーソナルランプ13のビーム角θa,θcの設定は、着座した乗員の顔を照射しない配光角度をなる。従って、乗員にとっては、手元や足元を明るく見え易い環境を整えながら、車両外側からは乗員の顔がはっきりと見えない環境を作り出すことができ、乗員に対して安心感を与えることができる。
更に、このマップランプ11およびパーソナルランプ13は、ビーム角θaおよびθc,θcの設定によって、ドアロック装置が遠隔操作でアンロックされると、座席のシートバックの上端部分のみを照明するようにしている。このため、車両への乗り込みに際して、車両から離れた位置から車室内が見える部分のみを照明して安全確認を行え、必要部分以外への照明を止めることで電力消費を抑えることができる。
また、一般の車両では車室内に乗り込んでイグニッションスイッチをオン作動させるまでの所要時間は室内ランプが点灯し、イグニッションスイッチをアクセサリー位置を経由してオン作動させると室内ランプを消灯するようにしている。一方、本実施形態では、イグニッションスイッチをアクセサリー位置を経由してオン作動させると、その過程でマップランプ11,パーソナルランプ13を消灯する一方、シフトノブ8を操作するまでの間は、コンソールランプ12を点灯し、その照度を高めるようにしている。
これにより、マップランプ11,パーソナルランプ13の消灯で車室内が急激に暗くなって、乗員の目が暗闇に慣れるまで時間を要するような事態を回避できる。そして、このように車室内全体は暗くしつつも、フロアセンターコンソール7を明るくすることで、運転に備えた暗順応時間を確保でき、シフトノブ操作やナビゲーションの確認等を行い易くすることができる。
また、このコンソールランプ12は、シフトノブ8を走行レンジに操作してからイグニッションスイッチがオフ作動されるまでの間は、ビーム角θbの配光パターンで、しかも、低照度でシフトノブ8を照明するようにしている。このため、照明による運転性への影響をおよぼすことなく、暗い中でのシフトノブ8の操作性を高めることが可能となる。
更に、乗員の降車に際してドアを開いた際には、室内ランプ11〜13の全てを点灯し、かつ、照度を高めるため、乗員に忘れ物等の確認を促すことができる。
ここで、前記実施形態では室内ランプ11,13間での照度差を付けてドアを開いた側の座席の照明効果を際立たせるようにしているが、色温度差によって当該座席の照明を引き立てるようにすることも可能である。
この場合、例えば、対象とする座席の照明色温度を4500Kに設定し、その他の座席を2800〜3500Kの色温度で照明することによって、照度差が小さくても対象座席
をスポット的に照明していると感じさせることが可能である。これは、一般的に、スポット的に特定の部位を照らして目立たせる場合、周辺照度の少なくとも3倍以上、通常、10倍以上の照度差が必要とされるが、色温度に差をつけることで、低照度でスポット的な照明が可能となり、電力消費を抑えることができる。
また、前記実施形態では乗員が乗車する際に開いたドアに近い座席の照度または色温度を高めるようにしているが、これとは逆に、開いたドアと反対側のドアに近い座席の照度または色温度を高めて、上述のサバンナ効果を得るようにすることも可能である。
更に、インテリジェントキーを所持した乗員が車両に接近すると、室内ランプ11,13により車室内の照明(シートバック上端部の照明)を行っているが、これと併せて、ドア下側の室外ランプを点灯してドア下側の路面を照明するようにすることも可能である。
1…車両
2…運転席
2a…シートクッション
2b…シートバック
3…助手席
3a…シートクッション
3b…シートバック
4…後席
4a…シートクッション
4b…シートバック
5…フロントドア
6…リャドア
7…フロアセンターコンソール
8…シフトノブ
11…マップランプ(室内ランプ)
12…コンソールランプ(室内ランプ)
13…パーソナルランプ(室内ランプ)
20…コントローラ
21…車両状況検出手段

Claims (11)

  1. 少なくとも車室内の予め設定した照明位置に光軸を向けてそれぞれ配光する複数の室内ランプと、
    ドア開閉状況、ドアロック状況、イグニッション状況、シフトレバー状況等の車両状況を検出する検出手段と、
    前記検出手段の検出作用にもとづいて前記室内ランプを作動制御するコントローラと、を備え、
    前記コントローラは、前記検出手段の検出作用にもとづいて乗車時から降車時に亘って乗員の動向を判断し、その都度、予めプログラムされた複数の照明モードの中から乗員が要望する照明モードを推定して、これに対応した前記室内ランプを作動させる車両用照明装置であって、
    前記コントローラは、イグニッションスイッチをオン作動させてからシフトノブを操作するまで、前記室内ランプのうち、該シフトノブ周りを照明する室内ランプを点灯して、その照度を高めることを特徴とする車両用照明装置。
  2. 前記シフトノブ周りを照明する室内ランプは、シフトノブを操作してからイグニッションスイッチがオフ作動されるまでの間は、照度を低めて点灯状態が維持されることを特徴とする請求項に記載の車両用照明装置。
  3. 少なくとも車室内の予め設定した照明位置に光軸を向けてそれぞれ配光する複数の室内ランプと、
    ドア開閉状況、ドアロック状況、イグニッション状況、シフトレバー状況等の車両状況を検出する検出手段と、
    前記検出手段の検出作用にもとづいて前記室内ランプを作動制御するコントローラと、を備え、
    前記コントローラは、前記検出手段の検出作用にもとづいて乗車時から降車時に亘って乗員の動向を判断し、その都度、予めプログラムされた複数の照明モードの中から乗員が要望する照明モードを推定して、これに対応した前記室内ランプを作動させる車両用照明装置であって、
    前記コントローラおよび座席を照明する室内ランプは、乗員が乗車する際にドアロック装置が遠隔操作でアンロックされると、シートバックの上端部分のみの照明を可能としたことを特徴とする車両用照明装置。
  4. 前記コントローラは、前記室内ランプのうち、乗員が乗車する際に開いたドアに近い座席を照明する室内ランプと、他の室内ランプとで照度差を付与することを特徴とする請求項1ないし3の何れか1つに記載の車両用照明装置。
  5. 前記照度差の付与を、前記開いたドアに近い座席を照明する室内ランプの照度を上げる一方、他の室内ランプの照度を下げることによって行うことを特徴とする請求項に記載の車両用照明装置。
  6. 前記室内ランプのうち、座席を照明する室内ランプは、シートクッションを照明する光量に対して、シートバックを照明する光量を低くしたことを特徴とする請求項1〜5の何れか1つに記載の車両用照明装置。
  7. 前記コントローラは、前記室内ランプのうち、乗員が乗車する際に開いたドアに近い座席を照明する室内ランプの色温度を、他の室内ランプの色温度よりも大きくすることを特徴とする請求項1〜6の何れか1つに記載の車両用照明装置。
  8. 前記座席を照明する室内ランプは、着座した乗員の顔を照射しない配光角度に設定したことを特徴とする請求項1〜の何れか1つに記載の車両用照明装置。
  9. 前記コントローラは、乗員が降車する際にイグニッションスイッチをオフ作動してからドアを開,閉する期間、前記室内ランプの全てを点灯し、かつ、ドアの開期間はその他の時よりも該室内ランプの照度を高めることを特徴とする請求項1〜の何れか1つに記載の車両用照明装置。
  10. 少なくとも車室内の予め設定した照明位置に光軸を向けてそれぞれ配光する複数の室内ランプを、ドア開閉状況、ドアロック状況、イグニッション状況、シフトレバー状況等の車両状況を検出する検出手段の検出作用にもとづいて、コントローラによって作動制御する方法であって、
    前記コントローラは、前記検出手段の検出作用にもとづいて乗車時から降車時に亘って乗員の動向を判断し、その都度、予めプログラムされた複数の照明モードの中から乗員が要望する照明位置を推定して、これに対応した前記室内ランプを作動させ
    前記コントローラは、イグニッションスイッチをオン作動させてからシフトノブを操作するまで、前記室内ランプのうち、該シフトノブ周りを照明する室内ランプを点灯して、その照度を高めることを特徴とする車両用照明装置の制御方法。
  11. 少なくとも車室内の予め設定した照明位置に光軸を向けてそれぞれ配光する複数の室内
    ランプを、ドア開閉状況、ドアロック状況、イグニッション状況、シフトレバー状況等の車両状況を検出する検出手段の検出作用にもとづいて、コントローラによって作動制御する方法であって、
    前記コントローラは、前記検出手段の検出作用にもとづいて乗車時から降車時に亘って乗員の動向を判断し、その都度、予めプログラムされた複数の照明モードの中から乗員が要望する照明位置を推定して、これに対応した前記室内ランプを作動させ、
    前記コントローラおよび座席を照明する室内ランプは、乗員が乗車する際にドアロック装置が遠隔操作でアンロックされると、シートバックの上端部分のみの照明を可能としたことを特徴とする車両用照明装置の制御方法。
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