JP4780091B2 - 車両の照明装置 - Google Patents

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Description

この発明は、スライドドアを備えた車両の照明装置に関する。
従来、自動車等の車両に装備されるドアとして、車体側面に略沿うようにして前後方向へスライドさせながら開閉する所謂スライドドアは一般に良く知られおり、例えば、ワゴンタイプの自動車や所謂ワンボックスカーなどの後席用のドアとして、幅広く採用されている。かかるスライドドアを車室側部に装備することで、車室側部の乗降口をより大きく確保でき、乗員の乗降時あるいは荷物の積み降ろし時などの利便性を大いに高めることができる。
例えば、特許文献1には、このようなスライドドアを備えた自動車について、スライドドアの周辺を明るく照らす発光装置を当該スライドドアに設け、スライドドアが開状態とされた際には、スライドドアの下方もしくは後方を明るく照らすことにより、歩行者や側方車もしくは後方車の運転者が、当該スライドドアが開状態であることを容易に視認できるようにした構成が開示されている。
ところで、近年では、車両に装備される車室内用などの照明装置について、単に車室内などの所要領域を照らし出すだけでなく、各照明ランプをそれぞれ個別に又は連動して好適に制御することによって、照明による種々の演出効果を醸し出すようにすることが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2003−327041号公報 特開2003−327042号公報
また、近年では、プライバシー保護に対する意識の高まりに応じて、車両の照明装置についても、乗員のプライバシーを有効に保護できるようにすることが望まれるようになって来ている。例えば、夜間に人気の少ない駐車場などで、車両を止めて乗員が降車するような場合、降車する乗員のプライバシー保護が望まれる場合がある。特に、降車する乗員が女性や高齢者あるいは子供などの弱者であれば、そのことを周囲に気付かれない方が防犯上も好ましい。特に、上述のスライドドアを備えた車両の場合、ドアを開くことにより、乗降口は、通常の回動開閉式のドアのようにドア自体で遮られることなく、周囲の広範な角度から略完全に視認できるので、乗員のプライバシー保護に配慮することがより強く望まれる。
しかしながら、従来の車両用照明装置では、前述の特許文献1や特許文献2に見られるように、乗員降車時の利便性や安全性あるいは照明による演出効果に配慮することはあっても、乗員のプライバシー保護については殆ど念頭に置かれていないのが実情である。
そこで、本発明は、スライドドアを備えた車両の照明装置について、乗員降車時の利便性を確保するだけでなく、乗員のプライバシーの有効な保護をも実現することができる照明装置を提供することを、基本的な目的とする。
このため、本願の請求項1に係る発明(第1の発明)は、車室側部の乗降口を開閉するスライドドアを備え、前記乗降口に近接してシートが配設された車両に装備される照明装置であって、前記車両は、少なくとも運転者による停車操作を検出する停車操作検出手段と、前記乗降口からの乗員の降車動作を検出する降車動作検出手段とを備え、前記照明装置は、前記乗降口周辺の車室内および車室外の領域を照明する複数の照明部と、該複数の照明部の点灯を制御する照明制御部とを備えており、前記複数の照明部は、乗員の上半身を照らさないように車両のベルトラインよりも下方の領域を指向するよう照射方向が制限された下部照明部と、前記ベルトラインよりも上方の車室内の所定範囲を照明する車内上部照明部とを備え、前記照明制御部は、前記停車操作検出手段による停車操作の検出に基づいて、前記車内上部照明部による照明を禁止し、且つ、前記下部照明部による照明を開始させ、前記降車動作検出手段による降車動作の検出に基づいて、乗員が前記車内上部照明部の照明範囲外に出たことを検出すると、該車内上部照明部による照明を開始させる、制御手段を備えている、ことを特徴としたものである。
また、本願の請求項2に係る発明(第2の発明)は、前記第1の発明において、前記下部照明部は、前記ベルトラインよりも下方に設けられている、ことを特徴としたものである。
更に、本願の請求項3に係る発明(第3の発明)は、前記第1又は第2の発明において、前記下部照明部は、前記ベルトラインよりも下方の車外の領域を指向するよう照射方向が制限された車外下部照明部と、前記ベルトラインよりも下方の車室内の領域を指向するよう照射方向が制限された車内下部照明部とを備え、前記制御手段は、前記降車動作検出手段による降車動作の検出に基づいて、前記車内下部照明部による照明を開始させた後、前記車外下部照明部による照明を開始させる、ことを特徴としたものである。
また更に、本願の請求項4に係る発明(第4の発明)は、前記第3の発明において、前記車外下部照明部は、前記乗降口近傍の車外の下方領域を照明する車両周辺照明部と、前記スライドドアのアウタハンドルを照明するアウタハンドル照明部とを備え、前記車内下部照明部は、前記シートの前方の車室フロアを照明するフット照明部と、前記スライドドアのインナハンドルを照明するインナハンドル照明部とを備えている、ことを特徴としたものである。
また更に、本願の請求項5に係る発明(第5の発明)は、前記第1から第4の発明の何れかにおいて、前記車内下部照明部は、乗降口に沿って上下方向に延設されたピラーの車室内面を照明するピラー照明部を備えている、ことを特徴としたものである。
また更に、本願の請求項6に係る発明(第6の発明)は、前記第4の発明において、前記車両周辺照明部は、車体フロア部の左右側端部において車体前後方向に延びるサイドシルの外方への膨出部よりも内側下部に位置する下部フランジの車外側近傍で、且つ、前記下部フランジの下端よりも上方に配設されている、ことを特徴としたものである。
また更に、本願の請求項7に係る発明(第7の発明)は、前記第1から第6の発明の何れかにおいて、前記スライドドアは、車室側部の後部乗降口を開閉するリヤドアであることを特徴としたものである。
本願の第1の発明によれば、停車操作検出手段により停車操作が検出されると、その検出に基づいて、ベルトラインよりも上方の車室内の所定範囲を照明する車内上部照明部による照明が禁止される。そして、この車内上部照明部による照明は、降車動作検出手段による降車動作の検出に基づいて乗員が前記車内上部照明部の照明範囲外に出たことが検出されるまでは、開始されることはない。従って、車両停車時および乗員降車時に乗員の上半身が照明で照らし出されることはなく、乗員のプライバシーを有効に保護することができる。
また、停車操作検出手段により停車操作が検出されると、その検出に基づいて、乗員の上半身を照らさないように車両のベルトラインよりも下方の領域を指向するよう照射方向が制限された下部照明部による照明が開始される。従って、乗員が降車する際には、ベルトラインよりも下方の領域が照らし出され、そして、上部照明部は、乗員が照明範囲外に出たことが検出されると照明が開始されるので、乗員は自身の足元やその周辺を容易に確認でき、降車時に不便さを覚えることもない。すなわち、乗員降車時の利便性を確保した上で、上述のように乗員のプライバシーを有効に保護することができる。
また、本願の第2の発明によれば、基本的には前記第1の発明と同様の作用効果を奏することができる。特に、前記(乗員の上半身を照らさないように車両のベルトラインよりも下方の領域を指向するよう照射方向が制限された)下部照明部を、ベルトラインよりも下方に設けることにより、下部照明部が乗員の上半身を照らさないことをより容易かつ確実に保証できる。換言すれば、下部照明部の配設領域をベルトラインよりも下方とすることで、かかる領域内で下部照明部の高いレイアウトの自由度が得られる。
更に、本願の第3の発明によれば、基本的には前記第1又は第2の発明と同様の作用効果を奏することができる。特に、降車動作検出手段により降車動作が検出されると、その検出に基づいて、ベルトラインよりも下方の車室内の領域を指向するよう照射方向が制限された車内下部照明部による照明を開始された後、ベルトラインよりも下方の車外の領域を指向するよう照射方向が制限された車外下部照明部による照明を開始される。つまり、降車する乗員の降車動作の順序に従って、車内および車外の下部照明部による照明を順に行うことができ、所謂「お見送り感」を醸し出す演出効果を得ることができる。
また更に、本願の第4の発明によれば、基本的には前記第3の発明と同様の作用効果を奏することができる。特に、乗員降車時には、フット照明部によってシートの前方の車室フロアを照明し、インナハンドル照明部によってスライドドアのインナハンドルを照明した後、車両周辺照明部によって乗降口近傍の車外の下方領域を照明し、アウタハンドル照明部によってスライドドアのアウタハンドルを照明することができる。すなわち、照明による「お見送り感」の演出効果を実現した上で、降車する乗員の足元領域の確認を容易に行えるようにし、また、降車時に操作する操作部材(インナ及びアウタのドアハンドル等)の視認性を高め、降車時の利便性を向上させることができる。
また更に、本願の第5の発明によれば、基本的には前記第1から第4の発明の何れかと同様の作用効果を奏することができる。特に、車内下部照明部が、乗降口に沿って上下方向に延設されたピラーの車室内面を照明するピラー照明部を備えることにより、乗降口の輪郭の一部を成す前記ピラーの視認性を高めて、乗員の降車動作を容易で円滑にすることができる。
また更に、本願の第6の発明によれば、基本的には前記第4の発明と同様の作用効果を奏することができる。特に、車体フロア部の左右側端部において車体前後方向に延びるサイドシルの外方への膨出部よりも内側下部に位置する下部フランジの車外側近傍に車両周辺照明部を配設することにより、車両走行中の車両中央側からの跳石から車両周辺照明部を保護することができ、しかも、前記下部フランジの下端よりも上方に車両周辺照明部を配設することにより、車両走行中の底摺から車両周辺照明部を保護することができる。しかも、下部フランジはサイドシルの外方への膨出部よりも内側下部に位置しているので、車両周辺照明部から乗降口近傍の車外の下方領域に向けて照射される照明光は、サイドシルの外方への膨出部に遮られるので、ベルトラインLbよりも上方を照らすことが確実に防止される。
また更に、本願の第7の発明によれば、特に、前記スライドドアは車室側部の後部乗降口を開閉するリヤドアであるので、車室前端部に配設されるインストルメントパネルに近いフロントドア側よりも照明数が乏しいリヤドア側において、基本的には前記第1から第6の発明の何れかと同様の作用効果を奏することができる。
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は本実施形態に係る照明装置を装備した自動車の側面を概略的に示す側面図、また、図2はこの自動車の車室内を概略的に示す平面図である。
これらの図に示すように、本実施形態に係る自動車1は所謂ワゴンタイプのもので、車室内には、前側から順に、フロント(最前列)シート11,セカンド(2列目)シート12及びリヤ(最後列)シート13の3列のシートが配列されている。また、自動車の車室後部の側面には、後席(セカンドシート12及びリヤシート13)用のドアとして、車体側面に略沿うようにして前後方向へスライドさせながら開閉する所謂スライドドア20が装備されている。該スライドドア20は、車室側部の乗降口Hsを開閉可能に覆うもので、スライドドア20を後方へ移動させて開くことで開放される乗降口Hsには、セカンドシート12の側端部が近接するように位置している。
前記自動車1には、車室内の所要領域および乗降口Hsの周辺やドアノブ等の車室外の所要領域などを照明するために、多数の照明ランプを備えた照明装置が装備されている。以下、この照明装置を構成する照明ランプについて説明する。
本実施形態では、乗員の上半身を照らさないように車両のベルトラインLbよりも下方の領域を指向するよう照射方向が制限された「下部照明ランプ」と、前記ベルトラインLbよりも上方の車室内の所定範囲を照明する「車内上部照明ランプ」とを備えている。また、前記下部照明ランプは、ベルトラインLbよりも下方の車外の領域を指向するよう照射方向が制限された「車外下部照明ランプ」と、ベルトラインLbよりも下方の車室内の領域を指向するよう照射方向が制限された「車内下部照明ランプ」とに区分けされる。
前記ベルトラインLbは、車両側部のウインドウ部W1,W2の下辺の直下方にて該下辺に略沿って車両前後方向に延びるように設定された仮想のラインで、別名ウエストラインとも称される。一般に、このベルトラインLbよりも下方の領域を指向するようにランプの照射方向を制限することにより、乗員の上半身が照らし出されることを回避できる。
カーテシランプE1は、車両周辺照明としてスライドドア20の乗降口Hs近傍の車外の下方領域S1を照明するランプで、前記「車外下部照明ランプ」の一種として設けられている。このカーテシランプE1は、後で詳しく説明するように、車体フロア部4の左右両端部にて前後方向に延設されているサイドシル5の下端フランジ部の外側に取り付けられている。
アウタハンドルランプE2は、スライドドア20のアウタハンドル23及びその近傍の領域S2を照明するランプで、やはり前記「車外下部照明ランプ」の一種として設けられている。このアウタハンドルランプE2は、後で詳しく説明するように、アウタハンドル23の裏面側に取り付けられており、アウタハンドル23自体は、いわゆる間接照明で照らし出されるようになっている。
フットランプE3は、車室フロア部4のセカンドシート12の前方領域(つまりセカンドシート12の足元領域)S3を照明するランプで、前記「車内下部照明ランプ」の一種として設けられている。このフットランプE3は、後で詳しく説明するように、セカンドシート12のシートクッション12cの前端下部に位置するスライドレバーに埋め込むようにして設けられている。
中間ピラーランプE4は、フロントシート11の略側方でセカンドシート12の斜め前方に位置し、乗降口Hsの前縁に略沿って上下方向に延設された中間ピラー6(所謂Bピラー)の車室内面領域S4を照らし出して中間ピラー6の位置を視認容易とするランプで、前記「車内下部照明ランプ」の一つを構成している。この中間ピラーランプE4は、後で詳しく説明するように、中間ピラー6の内装トリム内に設けられたピラー集中照明部50に配置されている。
シートダウンライト・ランプE5は、セカンドシート12のシートクッション12cの座面領域S5を照らし出して座席位置を視認容易とするランプで、やはり前記「車内下部照明ランプ」の一つを構成している。後で詳しく説明するように、このシートダウンライト・ランプE5も前記ピラー集中照明部50に配置されている。
コンソールダウンライト・ランプE6は、セカンドシート12に着座した乗員の手元を照らし出すためのランプで、セカンドシート12の前方における車幅方向の略中央領域S6に向けて照射される。このコンソールダウンライト・ランプE6は、指向性の比較的高い所謂スポットライト用のランプで、セカンドシート12に着座した乗員の手元を視認し易くするために、その照射方向が調整可能に設けられている。このコンソールダウンライト・ランプE6は、後で詳しく説明するように、車室天井部7に取り付けられ、「車内上部照明ランプ」の一つを構成している。
ルームランプE7は、後で詳しく説明するように、車室天井部7の略中央部分に取り付けられ、車室内を広範囲に照らし出すランプで、やはり「車内上部照明ランプ」の一つを構成している。
インナハンドルランプE8は、スライドドア20が閉じられている場合において該スライドドア20のインナハンドル25及びその近傍の領域S8を照らし出し、インナハンドル25の位置を視認容易とするランプで、前記「車内下部照明ランプ」の一つを構成している。後で詳しく説明するように、このインナハンドルランプE8も前記ピラー集中照明部50に配置されている。
尚、前記スライドドア20は車室側部の後部乗降口Hsを開閉するリヤドアを構成しており、車室前端部に配設されるインストルメントパネル10(図2参照)に近いフロントドア19側に比して、照明数はかなり少なくなっている。
図3は、前記カーテシランプE1の取付構造を概略的に示す図で、図1のY3−Y3線に沿った断面図である。
この図に示すように、車体フロア部4の左右両端部にて前後方向に延設されているサイドシル5は、その外面を構成するアウタパネル31と、内方への膨出部の上部を形成するインナパネル32と、前記内方への膨出部の下部を形成するアンダーパネル33とを備えている。前記アウタパネル31は、その下部が外方へ膨出しており、この外方への膨出部31cの内側にはレインフォースメント(第2レインフォースメント)35が配設され、更にその内側に第1レインフォースメント34が配設されている。第2レインフォースメント35は、その上端部35aがアウタパネル31の上下方向における途中部の内面に接合され、下端部35bはアウタパネル31の最内側に位置する下端縦壁31bの内面に接合されている。第1レインフォースメント34は、その上端部34aがインナパネル32の外側縦壁32aの外面に接合され、下端部34bは第2レインフォースメント35の下部内面に接合されている。
前記インナパネル32の内側縦壁32bはフロアパネル4の外側端部4aに接合されている。また、アウタパネル31の上端縦壁31aには、断面形状が逆L字形のレール保持パネル36の下部が接合され、このレール保持パネル36の上部下面側に、スライドドア20(図3では仮想線のみ図示)を車体前後方向にスライドさせるレール37が固定されている。
アンダーパネル33の外側端部は下方に折り曲げられて縦壁33aを形成している。このアンダーパネル33の外側縦壁33aと第2レインフォースメント35の下端部35bとアウタパネル31の下端縦壁31bとは、3枚重ねの状態で接合され、サイドシル5の下端部に所定長さの下部フランジ5fを形成している。
カーテシランプE1は、この下部フランジ5fの外側にて、該フランジ5fの下端から所定寸法Dだけ上方に取り付けられている。従って、車両走行中に車両中央側から跳石があった場合でも、カーテシランプE1は下部フランジ5fにより確実に保護される。また、カーテシランプE1は、下部フランジ5fの下端よりも(所定寸法Dだけ)上方に配設されているので、車両走行中の底摺からも有効に保護される。
しかも、前記下部フランジ5fはサイドシル5の外方への膨出部31cよりもかなり内方下部に位置しているので、カーテシランプE1から乗降口Hs近傍の車外の下方領域S1に向けて照射される照明光は、その照射範囲の上限(上限ラインLc参照)がサイドシル5の外方への膨出部31cに遮られて制限される。従って、ベルトラインLbよりも上方を照らすことが確実に防止される。
図4は、前記アウタハンドルランプE2の取付構造を概略的に示す図で、図1のY4−Y4線に沿った断面図である。
この図に示すように、スライドドア20のドアアウタパネル21には、アウタハンドル23の把手部23gに対応して内方(車室側)へ窪んだ凹部21cが形成されている。把手部23gを掴んでアウタハンドル23を引き操作することにより、該アウタハンドル23が所定角度だけ外方へ回動し(図4における2点鎖線表示参照)、スライドドア20の開閉操作が行えるようになる。
アウタハンドルランプE2は、アウタハンドル23の把手部23gの裏面側の一方の端部(本実施形態では後方端部)に取り付けられ、アウタハンドルの非操作状態(図4における実線表示参照)においても、把手部23gの内面とドアアウタパネル21の凹部21c表面との間の空間部に支障なく収納されている。
アウタハンドルランプE2からの照明光は内方に向かって照射され、ドアアウタパネル21の凹部21c表面で反射し、この反射光によってアウタハンドル23が照明される。つまり、アウタハンドル23自体は、いわゆる間接照明で照らし出されるようになっている。
図5及び図6は、前記フットランプE3の取付構造を概略的に示す図で、図5はセカンドシート下部の側面図、図6はセカンドシート下部の斜め前方からの斜視図である。
これらの図に示すように、セカンドシート12のシートクッション12cの下部側方には、当該シート12用のスライド機構41が配設され、このスライド機構42には、当該セカンドシート12の前後方向へのスライド動作をロック・アンロック操作するためのスライドレバー42が備えられている。
このスライドレバー42は平面視で略コ字状に形成され、その中央の真直部分42cは、シートクッション12cの前端下部で正面部に位置している。フットランプE3は、このスライドレバー42の真直部分42cの前面側に、好ましくは2箇所について埋め込むようにして設けられている。そして、車室フロア部4のセカンドシート12の前方領域(つまりセカンドシート12の足元領域)S3を照明するようになっている。
図7及び図8は、前記ピラー集中照明部の構成を概略的に示す図で、図7は中間ピラー及びその周辺の斜め後方からの斜視図、図8はその要部を拡大して示す斜視図である。
これらの図に示すように、中間ピラー6は、その車室内側を合成樹脂製の内装部材51(ピラートリム)で覆われており、このピラートリム51と中間ピラー6との間には空間部(トリム空間)が形成されている。このトリム空間内に、前記中間ピラーランプE4,シートダウンライト・ランプE5及びインナハンドルランプE8が収容されている。これらランプE4,E5及びE8が、ピラー集中照明部50の発光部を構成しており、何れも前記ベルトラインLbよりも下方に配置されている。
前記ピラートリム51は、ピラー集中照明部50に対応する部分が車室内側へ若干膨出するように形成され、その膨出部分52の上下に所定幅のスリット部53,54が設けられている。中間ピラーランプE4は、これら上下のスリット部53,54の上下方向における略中間に配設され、スリット53,54を通ってピラートリム51の上部領域S4’および下部領域S4を照射する。
膨出部分52の上方には、乗員乗降時に把持されるアシストグリップ57が設けられており、上側スリット53を通る照明光は、前記アシストグリップ57を指向するよう照射方向が設定されている。また、この照明光により、フロントシート11用のシートベルトアンカ58及び収納状態のシートベルトタング59も照明される。
尚、上側スリット53を通る照明光は、ベルトラインLbよりも上方を指向することになるが、あくまでもピラートリム51に沿ってその上部領域S4’を照らすものであり、乗員の上半身を照らし出すことはない。
一方、下側スリット54を通る照明光はピラートリム51の下部領域S4を照射しており、乗降口Hsに沿って上下方向に延設され乗降口Hsの輪郭の一部を成す中間ピラー6の車室内面を照明して、その視認性を高めることができ、乗員の降車動作を容易で円滑にすることができる。また、上側スリット53を通る照明光も、ピラートリム51の上部領域S4’について、同様の作用効果を奏することができる。
また、前記膨出部分52の比較的下部の後側には所定直径の下部開口55が形成されており、前記シートダウンライト・ランプE5は、トリム空間内でこの下部開口55の斜め前上方に配置されている。シートダウンライト・ランプE5からの照明光は、下部開口55を通って斜め後下方に向けて照射され、セカンドシート12のシートクッション12cの座面領域S5を指向するように設定されている。このように座面領域S5を照らし出すことで、乗員は座席位置を容易に視認することができる。
更に、前記膨出部分52の比較的上部の後側には所定直径の上部開口56が形成されており、前記インナハンドルランプE8は、トリム空間内でこの上部開口56の側方に配置されている。インナハンドルランプE8からの照明光は、上部開口56を通って後方略水平方向に向けて照射される。
ピラートリム51の前記膨出部分52の直後方には、スライドドア20を車室内側から開閉操作するインナハンドル25が位置しており、インナハンドルランプE8からの照明光は、前記インナハンドル25を指向するよう照射方向が設定されている。スライドドア20が閉じられている場合において該スライドドア20のインナハンドル25及びその近傍の領域S8を照らし出すことで、乗員はインナハンドル25の位置を容易に視認することができ、降車動作を行う際の利便性が高められている。
図9は、ピラー集中照明部の変形例について、図8と同様に、要部を拡大して示す斜視図である。
この変形例では、トリム空間内には光源E4’が1個だけ配設され、この光源E4’から、上下のスリット53,54並びに上部および下部の開口56,55を通して照明光が照射される。これら上下のスリット53,54並びに上部および下部の開口56,55と光源E4’との位置関係は、それぞれの所要の照射方向に応じて好適に設定される。この場合、1個の光源E4’で効率の良い照明が行える。また、ピラー集中照明部50’の構造を簡素化できる。前記光源E4’としては、例えば、中間ピラーランプ用の光源E4をそのまま用いてもよい。
尚、上下のスリット53,54並びに上部および下部の開口56,55を、ガラス等の透明体もしくは半透明体で覆うようにしてもよい。この場合、トリム空間内への塵埃等の侵入を防止でき、また、内部の光源E4,E5,E8,E4’を有効に保護できる。
また、上述のピラー集中照明部50,50’を中間ピラー6だけでなく、乗降口Hsの
後縁に略沿って上下方向に延設された後部ピラー9(所謂Cピラー:図2,図10参照)にも、ピラー集中照明部50”を設けるようにしても良い。この場合には、インナハンドルランプE8及びピラートリム51の上部開口56は不要である。
以上の説明から明らかなように、乗員の上半身を照らさないように車両のベルトラインLbよりも下方の領域を指向するよう照射方向が制限された下部照明ランプであるカーテシランプE1,アウタハンドルランプE2,フットランプE3,中間ピラーランプE4,シートダウンライト・ランプE5,インナハンドルランプE8は何れも、ベルトラインLbよりも下方に配設されている。これにより、下部照明ランプE1〜E5,E8が乗員の上半身を照らさないことをより容易かつ確実に保証できる。換言すれば、下部照明ランプE1〜E5,E8の配設領域をベルトラインLbよりも下方とすることで、かかる領域内で下部照明ランプE1〜E5,E8のレイアウトの自由度が高められている。
図10は、コンソールダウンライト・ランプE6及びルームランプE7の取付構造を概略的に示す前記自動車の拡大側面図である。
セカンドシート12に着座した乗員の手元を照らし出すコンソールダウンライト・ランプE6は、車室天井部7に配設され、車幅方向については略中央部で、前後方向については中間ピラー6の配設位置に略対応する位置に取り付けられており、セカンドシート12の前方における車幅方向の略中央領域S6(図1,図2参照)に向けて照射される。このコンソールダウンライト・ランプE6は、前述のように、指向性の比較的高い所謂スポットライト用のランプで、セカンドシート12に着座した乗員の手元を視認し易くするために、その照射方向が調整可能に設けられている。
また、ルームランプE7は、前記コンソールダウンライト・ランプE6よりも若干後方の車室天井部7の略中央部分に取り付けられ、車室内を広範囲に照らし出す。
次に、前記自動車1の照明システムについて説明する。
図11は、本実施形態に係る照明システムの構成の概略を説明するためのブロック構成図である。この図に示すように、自動車1には、本照明システムを制御し得る制御装置として、例えば、マイクロコンピュータを主要部として構成された制御ユニットCUが備えられている。前述の各ランプE1〜E8は、この制御ユニットCUに信号授受可能に接続されている。制御ユニットCUには、ランプE1〜E8の他、以下のデバイスやセンサ類が、それぞれ信号授受可能に接続されている。
ドアロックアクチュエータ27は、スライドドア20のドアロックを自動でロック(施錠)/アンロック(解錠)動作させるアクチュエータで、通常、スライドドア20の開閉動作が行われる前および行われた後に、後述するドアスイッチ63のスイッチ操作によって駆動される。ドア開閉アクチュエータ28は、スライドドア20を自動で開閉動作させるアクチュエータで、ドア開閉スイッチ(不図示)のスイッチ操作によって駆動される。
セカンドシート着座センサ61は、セカンドシート12に着座した乗員の有無を検出するセンサである。ドアポジションセンサ62は、スライドドア12の位置や開度によりその開閉状態を検出するセンサである。ドアスイッチ63は、前述のドアロックアクチュエータ27をON/OFFし、スライドドア20のドアロックを自動でロック/アンロック動作させるスイッチである。アウタハンドル操作センサ64,インナハンドル操作センサ65はそれぞれ、スライドドア20のアウタハンドル23,インナハンドル25の手動操作があった場合に、これを検出するセンサである。
また、ドア開閉スイッチ(SW)操作センサ66は、アウタハンドル23,インナハンドル25の手動操作を行うことなく、前記ドア開閉アクチュエータ28を作動させてスライドドア20を自動で開閉動作させるドア開閉スイッチ(不図示)の操作があった場合に、これを検出するセンサである。このドア開閉スイッチは、例えば運転席の近傍あるいは運転席等に着脱可能に備えられたリモートコントローラ(所謂リモコン)などに設けられている。
パーキングブレーキセンサ67は、パーキングブレーキ(不図示)が操作された場合にこれを検出するセンサであり、ギアレンジセンサ68は変速機のギアレンジを検出するセンサである。また、速度センサ69は、当該自動車1の車速を検出するセンサである。これらパーキングブレーキセンサ67,ギアレンジセンサ68及び速度センサ69の検出結果により、車両が停車されているか否かを検出することができる。
キーレスアンテナ70は、所謂キーレスエントリシステムのキーレス端末71からの制御信号を受信するアンテナで、キーレス端末71の操作により、ドアロックアクチュエータ27及びドア開閉アクチュエータ28を駆動し、スライドドア20を自動で開閉動作させる場合には、キーレスアンテナ70の受信信号により、かかるドア操作を検出することができる。
また、ドアロックセンサ72は、スライドドア20のドアロックのロック(施錠)/アンロック(解錠)状態を検出するセンサである。
制御ユニットCUには、照明システムの制御に関連する種々の検出部(検出回路)が備えられている。
乗員検出部81は、スライドドア20が開かれて形成される乗降口Hsに近接して設けられている前記セカンドシート12に着座した乗員が居る場合に、これを検出するもので、前記セカンドシート着座センサ61からの入力信号に基づいて検出が行われる。
ドア開閉状態検出部82は、スライドドア20の開閉状態を検出するもので、前記ドアポジションセンサ62からの入力信号に基づいて検出が行われる。
ドア操作検出部83は、スライドドア20の開閉操作があった場合に、これを検出するもので、アウタハンドル操作センサ64,インナハンドル操作センサ65,ドア開閉SW操作センサ66,キーレスアンテナ70及びドアロックセンサ72からの入力信号に基づいて検出が行われる。
停車検出部84は、車両が停車されている場合にはこれを検出するもので、パーキングブレーキセンサ67,ギアレンジセンサ68及び速度センサ69からの入力信号に基づいて検出が行われる。
また、制御ユニットCUには、以上の検出部81〜84に加えて,ドア開閉SW操作センサ66,キーレスアンテナ70からの入力信号に基づいて、前記ドアロックアクチュエータ27及びドア開閉アクチュエータ28を駆動し、スライドドア20を自動で開閉動作させるドア駆動機構制御部85が備えられている。このドア駆動機構制御部85及び前記検出部81〜84は何れも、照明制御部80に信号授受可能に接続されている。
この照明制御部80は、ドア駆動機構制御部85及び前記検出部81〜84からの入力信号に基づいて、前述のランプE1〜E8の点灯を制御するものである。
以上のように構成された照明システムの制御の一例を、図12のフローチャートを参照しながら説明する。この制御例は、後席(本制御例ではセカンドシート12)の乗員が、自身の手動操作によりスライドドア20を開操作し、降車した後、同じく手動操作によりスライドドア20を閉操作する場合に、前記制御ユニットCUの主として照明制御部80により行われる制御の一例を示すものである。
図12に示されるように、まず、車両の停車操作が検出されると(ステップ#1)、ステップ#2で、後席(セカンドシート12)に乗員が居るか否かが判定される。尚、車両が停車した場合には、ルームランプE7が点灯されるように制御するシステムが一般に良く知られているが、本実施形態では、車両が停止されても所定のタイミングまでは、ルームランプE7が点灯されることはないように設定されている。
ステップ#1での停車操作の検出は前記停車検出部84によって行われ、速度センサ69(車速センサ)による検出速度が0(ゼロ:零)km/hrであることに加えて、パーキングブレーキセンサ67によりパーキングブレーキ(不図示)が制動操作されたことが検出される、及び/又はギアレンジセンサ68により変速機(不図示)のギアレンジがパーキングレンジにシフトされたことが検出される、ことにより車両の停車操作がなされたことが検出される。前記停車検出部84が、本願請求項に記載した「停車操作検出手段」に相当している。
また、ステップ#2でのセカンドシート12上の乗員の有無は、セカンドシート着座センサ61からの入力信号に基づいて、前記乗員検出部81により検出される。
セカンドシート12上に乗員が居ない場合(ステップ#2:NO)には、通常制御に戻る。一方、セカンドシート12上に乗員が居る場合(ステップ#2:YES)には、ステップ#3で、コンソールダウンライト・ランプE6及びルームランプE7による照明が禁止される。つまり、このコンソールダウンライト・ランプE6及びルームランプE7が点灯されることが禁止され、その時点で点灯されていた場合には直ちに消灯されて、その後の点灯が禁止される。これにより、車両停車状態で、コンソールダウンライト・ランプE6及びルームランプE7による上方からの照明光で乗員の上体が照らし出されることが防止される。
続いて、ステップ#4でインナハンドルランプE8が点灯される。これにより、インハンドル25が照らし出されて視認し易くなり、乗員が降車する際の利便性が向上する。この場合、照明光はベルトラインLbよりも下方に位置するインナハンドルランプE8から略水平方向に照射されるので、乗員の上体が照らし出されることはない。
次に、ステップ#5で、セカンドシート12の乗員が降車動作を開始したか否かが判定される。この降車動作の開始は、インナハンドル操作センサ65からの入力信号に基づいて、前記ドア操作検出部83により検出される。このドア操作検出部83が、本願請求項に記載した「降車動作検出手段」に相当している。
インナハンドル25が開操作されず乗員の降車動作が開始されていない場合(ステップ#5:NO)には、インナハンドルランプE8はタイマ消灯される(ステップ#15)。つまり、タイマ(不図示)で計時された所定時間内にインナハンドル25の開操作が検出されず、前記所定時間が経過した場合には、乗員は降車の意志がないものと考えることができ、インナハンドルランプE8が消灯され、その後、通常制御に戻る。
一方、インナハンドル25が操作されて乗員の降車動作開始が検出された場合(ステップ#5:YES)には、ステップ#6で、フットランプE3,中間ピラーランプE4,シートダウンライト・ランプE5が点灯され、次いで、ステップ#7で、カーテシランプE1,アウタハンドルランプE2が点灯される。
このように、乗員の降車動作の開始が検出されると、その検出に基づいて、ベルトラインLbよりも下方の車室内の領域を指向するよう照射方向が制限された車内下部照明ランプであるインナハンドルランプE8,フットランプE3,中間ピラーランプE4,シートダウンライト・ランプE5による照明が開始された後、ベルトラインLbよりも下方の車外の領域を指向するよう照射方向が制限された車外下部照明ランプであるカーテシランプE1,アウタハンドルランプE2による照明が開始される。つまり、降車する乗員の降車動作の順序に従って、車内および車外の下部照明ランプによる照明を順に行うことができ、乗員が降車する場合の所謂「お見送り感」を醸し出す演出効果を得ることができる。
特に、乗員降車時には、インナハンドルランプE8によってスライドドア20のインナハンドル25を照明し、フットランプE3によってセカンドシート12の前方の車室フロア4を照明した後、カーテシランプE1によって乗降口Hs近傍の車外の下方領域を照明し、アウタハンドルランプE2によってスライドドア20のアウタハンドル23が照明される。すなわち、照明による「お見送り感」の演出効果を実現した上で、降車する乗員の足元領域の確認を容易に行えるようにし、また、降車時に操作する操作部材(インナ及びアウタのドアハンドル25,23等)の視認性を高め、降車時の利便性を向上させることができるのである。
尚、前記の制御例では、中間ピラーランプE4,シートダウンライト・ランプE5は、乗員の降車動作が開始(ステップ#5)された後に、フットランプE3と共に点灯されるようになっているが、この代わりに、乗員の降車動作開始の検出前に、インナハンドルランプE8と共に点灯するようにしても良い。
前記ステップ#7が実行された後、ステップ#8で、セカンドシート12の乗員の降車動作が完了したか否かが判定される。この降車動作の完了は、アウタハンドル操作センサ64からの入力信号に基づいて、前記ドア操作検出部83により検出される。
所定時間以上経過してもアウタハンドル23が閉操作されず乗員の降車動作が完了しない場合(ステップ#7:NO)には、何らかの異常が発生したものと考えられるので、ステップ#16で、ランプE1〜E5が点滅動作を行って周囲へ報知され、その後、通常制御に戻る。また、アウタハンドル23の閉操作が検出されても、ドアポジションセンサ62からの入力信号に基づいて、ドア開閉状態検出部82が一定期間以上にわたってスライドドア20の閉状態を検出しない場合には、ドア20が完全に閉じられていない所謂半ドア状態と考えられるので、この場合は、ランプE1〜E5に加えてインナハンドルランプE8も点滅させて、乗員に警告を発するようにしても良い。
一方、アウタハンドル23が操作されて乗員の降車動作完了が検出された場合(ステップ#8:YES)には、まずステップ#9で中間ピラーランプE4,シートダウンライト・ランプE5,インナハンドルランプE8が残光消灯され、その後、フットランプE3,アウタハンドルランプE2,カーテシランプE1が、順次、残光消灯される(ステップ#10〜ステップ#12)。この消灯順序は、点灯の場合と同じく概ね車室内側から順に設定されており、降車して車両から遠ざかる際のスマート感を周囲にアピールする演出効果が得られるように設定されている。これらランプE1〜E5,E8の消灯態様を、好ましくは残光消灯とすることで、演出効果をより高めることができる。
ステップ#12でのカーテシランプE1の消灯を終えた後、換言すれば、乗員が降車して車内上部照明ランプE6,E7の照明範囲外に出た後、ステップ#13でコンソールダウンライト・ランプE6及びルームランプE7が点灯され、同時にタイマがONされる。このタイミングで両ランプE6,E7を点灯させてセカンドシート12の着座面や床面を照明することにより、車内への忘れ物などについて乗員に注意を喚起することができる。タイマ設定時間が経過すると当該タイマがOFFされ、これに伴ってコンソールダウンライト・ランプE6及びルームランプE7が消灯される(ステップ#14)。
以上、説明したように、本実施形態によれば、車両の停車状態が検出されると、その検出に基づいて、ベルトラインLbよりも上方の車室内の所定範囲を照明する車内上部照明ライトとしてのコンソールダウンライト・ランプE6及びルームランプE7による照明が禁止される。そして、このコンソールダウンライト・ランプE6およびルームランプE7による照明は、乗員が降車してその照明範囲外に出るまでは、開始されることはない。従って、車両停車時および乗員降車時に乗員の上半身が照明で照らし出されることはなく、乗員のプライバシーを有効に保護することができる。
また、車両の停車状態が検出されると、その検出に基づいて、乗員の上半身を照らさないように車両のベルトラインLbよりも下方の領域を指向するよう照射方向が制限された下部照明ランプE1〜E5,E8による照明が開始される。従って、乗員が降車する際には、ベルトラインLbよりも下方の領域が照らし出されるので、乗員は自身の足元やその周辺を容易に確認でき、降車時に不便さを覚えることもない。すなわち、乗員降車時の利便性を確保した上で、上述のように乗員のプライバシーを有効に保護することができるのである。
本発明は、スライドドアを備えた車両の照明装置に関し、乗員降車時の利便性を確保するだけでなく、乗員のプライバシーの保護も両立して達成でき、ワゴンタイプの自動車やワンボックスカーなどに装備される照明装置として、有効に利用することができる。
本発明の実施形態に係る照明装置を装備した自動車の側面を概略的に示す側面図である。 前記自動車の車室内を概略的に示す平面図である。 カーテシランプの取付構造を概略的に示す図で、図1のY3−Y3線に沿った断面図である。 アウタハンドルランプの取付構造を概略的に示す図で、図1のY4−Y4線に沿った断面図である。 フットランプの取付構造を概略的に示すためのセカンドシート下部の側面図である。 前記フットランプの取付構造を概略的に示すためのセカンドシート下部の斜め前方からの斜視図である。 ピラー集中照明部の構成を概略的に示すための中間ピラー及びその周辺の斜め後方からの斜視図である。 図7の要部を拡大して示す斜視図である。 ピラー集中照明部の変形例について、図8と同様に要部を拡大して示す斜視図である。 コンソールダウンライト・ランプ及びルームランプの取付構造を概略的に示す前記自動車の拡大側面図である。 前記自動車に備えられた照明システムの構成の概略を説明するためのブロック構成図である。 前記照明システムの制御の一例を説明するためのフローチャートである。
符号の説明
1 自動車
4 車室フロア部
5 サイドシル
5f (サイドシルの)下部フランジ
6 中間ピラー
12 セカンドシート
20 スライドドア
23 アウタハンドル
25 インナハンドル
31c (サイドシルの)膨出部
50 ピラー集中照明部
80 照明制御部
83 ドア操作検出部
84 停車検出部
CU 制御ユニット
E1 カーテシランプ
E2 アウタハンドルランプ
E3 フットランプ
E4 中間ピラーランプ
E5 シートダウンライト・ランプ
E6 コンソールダウンライト・ランプ
E7 ルームランプ
E8 インナハンドルランプ
Hs 乗降口
Lb ベルトライン
S1 カーテシランプによる照明領域
S2 アウタハンドルランプによる照明領域
S3 フットランプによる照明領域
S4 中間ピラーランプによる照明領域
S5 シートダウンライト・ランプによる照明領域
S6 コンソールダウンライト・ランプによる照明領域
S8 インナハンドルランプによる照明領域

Claims (7)

  1. 車室側部の乗降口を開閉するスライドドアを備え、前記乗降口に近接してシートが配設された車両に装備される照明装置であって、
    前記車両は、少なくとも運転者による停車操作を検出する停車操作検出手段と、前記乗降口からの乗員の降車動作を検出する降車動作検出手段とを備え、
    前記照明装置は、前記乗降口周辺の車室内および車室外の領域を照明する複数の照明部と、該複数の照明部の点灯を制御する照明制御部とを備えており、
    前記複数の照明部は、乗員の上半身を照らさないように車両のベルトラインよりも下方の領域を指向するよう照射方向が制限された下部照明部と、前記ベルトラインよりも上方の車室内の所定範囲を照明する車内上部照明部とを備え、
    前記照明制御部は、前記停車操作検出手段による停車操作の検出に基づいて、前記車内上部照明部による照明を禁止し、且つ、前記下部照明部による照明を開始させ、前記降車動作検出手段による降車動作の検出に基づいて、乗員が前記車内上部照明部の照明範囲外に出たことを検出すると、該車内上部照明部による照明を開始させる、制御手段を備えている、
    ことを特徴とする車両の照明装置。
  2. 前記下部照明部は、前記ベルトラインよりも下方に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の車両の照明装置。
  3. 前記下部照明部は、前記ベルトラインよりも下方の車外の領域を指向するよう照射方向が制限された車外下部照明部と、前記ベルトラインよりも下方の車室内の領域を指向するよう照射方向が制限された車内下部照明部とを備え、
    前記制御手段は、前記降車動作検出手段による降車動作の検出に基づいて、前記車内下部照明部による照明を開始させた後、前記車外下部照明部による照明を開始させる、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の車両の照明装置。
  4. 前記車外下部照明部は、前記乗降口近傍の車外の下方領域を照明する車両周辺照明部と、前記スライドドアのアウタハンドルを照明するアウタハンドル照明部とを備え、
    前記車内下部照明部は、前記シートの前方の車室フロアを照明するフット照明部と、
    前記スライドドアのインナハンドルを照明するインナハンドル照明部とを備えている、
    ことを特徴とする請求項3に記載の車両の照明装置。
  5. 前記車内下部照明部は、乗降口に沿って上下方向に延設されたピラーの車室内面を照明するピラー照明部を備えている、ことを特徴とする請求項1から4の何れかに記載の車両の照明装置。
  6. 前記車両周辺照明部は、車体フロア部の左右側端部において車体前後方向に延びるサイドシルの外方への膨出部よりも内側下部に位置する下部フランジの車外側近傍で、且つ、前記下部フランジの下端よりも上方に配設されている、ことを特徴とする請求項4に記載の車両の照明装置。
  7. 前記スライドドアは、車室側部の後部乗降口を開閉するリヤドアであることを特徴とする請求項1から6の何れかに記載の車両の照明装置。
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