JP4780091B2 - 車両の照明装置 - Google Patents
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Description
また、停車操作検出手段により停車操作が検出されると、その検出に基づいて、乗員の上半身を照らさないように車両のベルトラインよりも下方の領域を指向するよう照射方向が制限された下部照明部による照明が開始される。従って、乗員が降車する際には、ベルトラインよりも下方の領域が照らし出され、そして、上部照明部は、乗員が照明範囲外に出たことが検出されると照明が開始されるので、乗員は自身の足元やその周辺を容易に確認でき、降車時に不便さを覚えることもない。すなわち、乗員降車時の利便性を確保した上で、上述のように乗員のプライバシーを有効に保護することができる。
図1は本実施形態に係る照明装置を装備した自動車の側面を概略的に示す側面図、また、図2はこの自動車の車室内を概略的に示す平面図である。
これらの図に示すように、本実施形態に係る自動車1は所謂ワゴンタイプのもので、車室内には、前側から順に、フロント(最前列)シート11,セカンド(2列目)シート12及びリヤ(最後列)シート13の3列のシートが配列されている。また、自動車の車室後部の側面には、後席(セカンドシート12及びリヤシート13)用のドアとして、車体側面に略沿うようにして前後方向へスライドさせながら開閉する所謂スライドドア20が装備されている。該スライドドア20は、車室側部の乗降口Hsを開閉可能に覆うもので、スライドドア20を後方へ移動させて開くことで開放される乗降口Hsには、セカンドシート12の側端部が近接するように位置している。
この図に示すように、車体フロア部4の左右両端部にて前後方向に延設されているサイドシル5は、その外面を構成するアウタパネル31と、内方への膨出部の上部を形成するインナパネル32と、前記内方への膨出部の下部を形成するアンダーパネル33とを備えている。前記アウタパネル31は、その下部が外方へ膨出しており、この外方への膨出部31cの内側にはレインフォースメント(第2レインフォースメント)35が配設され、更にその内側に第1レインフォースメント34が配設されている。第2レインフォースメント35は、その上端部35aがアウタパネル31の上下方向における途中部の内面に接合され、下端部35bはアウタパネル31の最内側に位置する下端縦壁31bの内面に接合されている。第1レインフォースメント34は、その上端部34aがインナパネル32の外側縦壁32aの外面に接合され、下端部34bは第2レインフォースメント35の下部内面に接合されている。
アンダーパネル33の外側端部は下方に折り曲げられて縦壁33aを形成している。このアンダーパネル33の外側縦壁33aと第2レインフォースメント35の下端部35bとアウタパネル31の下端縦壁31bとは、3枚重ねの状態で接合され、サイドシル5の下端部に所定長さの下部フランジ5fを形成している。
しかも、前記下部フランジ5fはサイドシル5の外方への膨出部31cよりもかなり内方下部に位置しているので、カーテシランプE1から乗降口Hs近傍の車外の下方領域S1に向けて照射される照明光は、その照射範囲の上限(上限ラインLc参照)がサイドシル5の外方への膨出部31cに遮られて制限される。従って、ベルトラインLbよりも上方を照らすことが確実に防止される。
この図に示すように、スライドドア20のドアアウタパネル21には、アウタハンドル23の把手部23gに対応して内方(車室側)へ窪んだ凹部21cが形成されている。把手部23gを掴んでアウタハンドル23を引き操作することにより、該アウタハンドル23が所定角度だけ外方へ回動し(図4における2点鎖線表示参照)、スライドドア20の開閉操作が行えるようになる。
アウタハンドルランプE2からの照明光は内方に向かって照射され、ドアアウタパネル21の凹部21c表面で反射し、この反射光によってアウタハンドル23が照明される。つまり、アウタハンドル23自体は、いわゆる間接照明で照らし出されるようになっている。
これらの図に示すように、セカンドシート12のシートクッション12cの下部側方には、当該シート12用のスライド機構41が配設され、このスライド機構42には、当該セカンドシート12の前後方向へのスライド動作をロック・アンロック操作するためのスライドレバー42が備えられている。
これらの図に示すように、中間ピラー6は、その車室内側を合成樹脂製の内装部材51(ピラートリム)で覆われており、このピラートリム51と中間ピラー6との間には空間部(トリム空間)が形成されている。このトリム空間内に、前記中間ピラーランプE4,シートダウンライト・ランプE5及びインナハンドルランプE8が収容されている。これらランプE4,E5及びE8が、ピラー集中照明部50の発光部を構成しており、何れも前記ベルトラインLbよりも下方に配置されている。
尚、上側スリット53を通る照明光は、ベルトラインLbよりも上方を指向することになるが、あくまでもピラートリム51に沿ってその上部領域S4’を照らすものであり、乗員の上半身を照らし出すことはない。
ピラートリム51の前記膨出部分52の直後方には、スライドドア20を車室内側から開閉操作するインナハンドル25が位置しており、インナハンドルランプE8からの照明光は、前記インナハンドル25を指向するよう照射方向が設定されている。スライドドア20が閉じられている場合において該スライドドア20のインナハンドル25及びその近傍の領域S8を照らし出すことで、乗員はインナハンドル25の位置を容易に視認することができ、降車動作を行う際の利便性が高められている。
この変形例では、トリム空間内には光源E4’が1個だけ配設され、この光源E4’から、上下のスリット53,54並びに上部および下部の開口56,55を通して照明光が照射される。これら上下のスリット53,54並びに上部および下部の開口56,55と光源E4’との位置関係は、それぞれの所要の照射方向に応じて好適に設定される。この場合、1個の光源E4’で効率の良い照明が行える。また、ピラー集中照明部50’の構造を簡素化できる。前記光源E4’としては、例えば、中間ピラーランプ用の光源E4をそのまま用いてもよい。
また、上述のピラー集中照明部50,50’を中間ピラー6だけでなく、乗降口Hsの
後縁に略沿って上下方向に延設された後部ピラー9(所謂Cピラー:図2,図10参照)にも、ピラー集中照明部50”を設けるようにしても良い。この場合には、インナハンドルランプE8及びピラートリム51の上部開口56は不要である。
セカンドシート12に着座した乗員の手元を照らし出すコンソールダウンライト・ランプE6は、車室天井部7に配設され、車幅方向については略中央部で、前後方向については中間ピラー6の配設位置に略対応する位置に取り付けられており、セカンドシート12の前方における車幅方向の略中央領域S6(図1,図2参照)に向けて照射される。このコンソールダウンライト・ランプE6は、前述のように、指向性の比較的高い所謂スポットライト用のランプで、セカンドシート12に着座した乗員の手元を視認し易くするために、その照射方向が調整可能に設けられている。
また、ルームランプE7は、前記コンソールダウンライト・ランプE6よりも若干後方の車室天井部7の略中央部分に取り付けられ、車室内を広範囲に照らし出す。
図11は、本実施形態に係る照明システムの構成の概略を説明するためのブロック構成図である。この図に示すように、自動車1には、本照明システムを制御し得る制御装置として、例えば、マイクロコンピュータを主要部として構成された制御ユニットCUが備えられている。前述の各ランプE1〜E8は、この制御ユニットCUに信号授受可能に接続されている。制御ユニットCUには、ランプE1〜E8の他、以下のデバイスやセンサ類が、それぞれ信号授受可能に接続されている。
また、ドアロックセンサ72は、スライドドア20のドアロックのロック(施錠)/アンロック(解錠)状態を検出するセンサである。
乗員検出部81は、スライドドア20が開かれて形成される乗降口Hsに近接して設けられている前記セカンドシート12に着座した乗員が居る場合に、これを検出するもので、前記セカンドシート着座センサ61からの入力信号に基づいて検出が行われる。
ドア開閉状態検出部82は、スライドドア20の開閉状態を検出するもので、前記ドアポジションセンサ62からの入力信号に基づいて検出が行われる。
ドア操作検出部83は、スライドドア20の開閉操作があった場合に、これを検出するもので、アウタハンドル操作センサ64,インナハンドル操作センサ65,ドア開閉SW操作センサ66,キーレスアンテナ70及びドアロックセンサ72からの入力信号に基づいて検出が行われる。
停車検出部84は、車両が停車されている場合にはこれを検出するもので、パーキングブレーキセンサ67,ギアレンジセンサ68及び速度センサ69からの入力信号に基づいて検出が行われる。
この照明制御部80は、ドア駆動機構制御部85及び前記検出部81〜84からの入力信号に基づいて、前述のランプE1〜E8の点灯を制御するものである。
また、ステップ#2でのセカンドシート12上の乗員の有無は、セカンドシート着座センサ61からの入力信号に基づいて、前記乗員検出部81により検出される。
インナハンドル25が開操作されず乗員の降車動作が開始されていない場合(ステップ#5:NO)には、インナハンドルランプE8はタイマ消灯される(ステップ#15)。つまり、タイマ(不図示)で計時された所定時間内にインナハンドル25の開操作が検出されず、前記所定時間が経過した場合には、乗員は降車の意志がないものと考えることができ、インナハンドルランプE8が消灯され、その後、通常制御に戻る。
所定時間以上経過してもアウタハンドル23が閉操作されず乗員の降車動作が完了しない場合(ステップ#7:NO)には、何らかの異常が発生したものと考えられるので、ステップ#16で、ランプE1〜E5が点滅動作を行って周囲へ報知され、その後、通常制御に戻る。また、アウタハンドル23の閉操作が検出されても、ドアポジションセンサ62からの入力信号に基づいて、ドア開閉状態検出部82が一定期間以上にわたってスライドドア20の閉状態を検出しない場合には、ドア20が完全に閉じられていない所謂半ドア状態と考えられるので、この場合は、ランプE1〜E5に加えてインナハンドルランプE8も点滅させて、乗員に警告を発するようにしても良い。
4 車室フロア部
5 サイドシル
5f (サイドシルの)下部フランジ
6 中間ピラー
12 セカンドシート
20 スライドドア
23 アウタハンドル
25 インナハンドル
31c (サイドシルの)膨出部
50 ピラー集中照明部
80 照明制御部
83 ドア操作検出部
84 停車検出部
CU 制御ユニット
E1 カーテシランプ
E2 アウタハンドルランプ
E3 フットランプ
E4 中間ピラーランプ
E5 シートダウンライト・ランプ
E6 コンソールダウンライト・ランプ
E7 ルームランプ
E8 インナハンドルランプ
Hs 乗降口
Lb ベルトライン
S1 カーテシランプによる照明領域
S2 アウタハンドルランプによる照明領域
S3 フットランプによる照明領域
S4 中間ピラーランプによる照明領域
S5 シートダウンライト・ランプによる照明領域
S6 コンソールダウンライト・ランプによる照明領域
S8 インナハンドルランプによる照明領域
Claims (7)
- 車室側部の乗降口を開閉するスライドドアを備え、前記乗降口に近接してシートが配設された車両に装備される照明装置であって、
前記車両は、少なくとも運転者による停車操作を検出する停車操作検出手段と、前記乗降口からの乗員の降車動作を検出する降車動作検出手段とを備え、
前記照明装置は、前記乗降口周辺の車室内および車室外の領域を照明する複数の照明部と、該複数の照明部の点灯を制御する照明制御部とを備えており、
前記複数の照明部は、乗員の上半身を照らさないように車両のベルトラインよりも下方の領域を指向するよう照射方向が制限された下部照明部と、前記ベルトラインよりも上方の車室内の所定範囲を照明する車内上部照明部とを備え、
前記照明制御部は、前記停車操作検出手段による停車操作の検出に基づいて、前記車内上部照明部による照明を禁止し、且つ、前記下部照明部による照明を開始させ、前記降車動作検出手段による降車動作の検出に基づいて、乗員が前記車内上部照明部の照明範囲外に出たことを検出すると、該車内上部照明部による照明を開始させる、制御手段を備えている、
ことを特徴とする車両の照明装置。 - 前記下部照明部は、前記ベルトラインよりも下方に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の車両の照明装置。
- 前記下部照明部は、前記ベルトラインよりも下方の車外の領域を指向するよう照射方向が制限された車外下部照明部と、前記ベルトラインよりも下方の車室内の領域を指向するよう照射方向が制限された車内下部照明部とを備え、
前記制御手段は、前記降車動作検出手段による降車動作の検出に基づいて、前記車内下部照明部による照明を開始させた後、前記車外下部照明部による照明を開始させる、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の車両の照明装置。 - 前記車外下部照明部は、前記乗降口近傍の車外の下方領域を照明する車両周辺照明部と、前記スライドドアのアウタハンドルを照明するアウタハンドル照明部とを備え、
前記車内下部照明部は、前記シートの前方の車室フロアを照明するフット照明部と、
前記スライドドアのインナハンドルを照明するインナハンドル照明部とを備えている、
ことを特徴とする請求項3に記載の車両の照明装置。 - 前記車内下部照明部は、乗降口に沿って上下方向に延設されたピラーの車室内面を照明するピラー照明部を備えている、ことを特徴とする請求項1から4の何れかに記載の車両の照明装置。
- 前記車両周辺照明部は、車体フロア部の左右側端部において車体前後方向に延びるサイドシルの外方への膨出部よりも内側下部に位置する下部フランジの車外側近傍で、且つ、前記下部フランジの下端よりも上方に配設されている、ことを特徴とする請求項4に記載の車両の照明装置。
- 前記スライドドアは、車室側部の後部乗降口を開閉するリヤドアであることを特徴とする請求項1から6の何れかに記載の車両の照明装置。
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