JP5597301B2 - 階段構造、固定具、及び階段構造の組立方法 - Google Patents
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図20は、従来の露出階段の構成を示す斜視図である。
従来の露出階段は、建築物の例えば1階の床面と2階との間に夫々斜めに架け渡されている2枚の桁板91,91と、桁板91,91に階段状に固定されている複数枚の踏板92,92,…とを備える。
次いで、作業者は、左右一対の踏板支持部911,911に接着剤を塗布してから、図中二点鎖線で示す踏板92の下面が踏板載置面91aに載置され、切り欠き部921が嵌合部91bに嵌合されるよう踏板92を桁板91,91に図中白抜矢符方向へ嵌め込み、固定する。
更に、ささら桁に一体に設けられている受け部に踏板を載置してなる露出階段が提案されている(特許文献7参照)。
また、1個の切り欠き部921に対応する踏板支持部911は、桁板91の長辺部の端面と両面夫々とを加工することによって形成しなければならないため、工数が多く、生産性が悪いという問題がある。
更に、踏板支持部911と切り欠き部921とが嵌合する部分で、桁板91が踏板92に干渉するかたちとなるため、踏板92の上面の面積が実際よりも小さいように錯覚し、足場が狭いという印象を使用者が受けるという問題がある。
しかも、固定具がビス留めのみで桁板に固定されているため、踏板に加えられて固定具に伝達された荷重を、ビスのみで支える必要がある。即ち、荷重に対する強度に不安がある。
特許文献4に記載されている露出階段は、固定具(踏板受け具)がビス留めのみで桁板(桁)に固定されているため、踏板に加えられて固定具に伝達された荷重を、ビスのみで支える必要がある。即ち、このような露出階段は、荷重に対する強度に不安がある。
特許文献7に記載されている露出階段は、固定具を使用しない分、桁板(ささら桁)の形状が複雑である。
従って、特許文献5,7に記載の露出階段には、生産性が悪いという問題がある。
また、桁板の凹部内下面は、固定具の板厚に等しい深さしか有していないため、面積が狭い。このため、踏板に加えられて固定具に伝達された荷重を、広い面積で支えることができるように工夫して、荷重に対する強度を更に向上させることが望ましい。
嵌合溝の開口面積は狭いため、桁板の加工は容易である。また、嵌合溝の内下面の広い面積で、踏板に加えられた荷重を支えることができる。
しかしながら、露出階段の美観を向上させるためには、桁板の側端面に嵌合溝が開口していない構成であることが望ましい。
更に、特許文献6に記載の露出階段には、踏板の左右両端部と、固定具が有する踏板位置決め片及び踏板浮上がり防止片夫々との間に空隙が生じた場合に、露出階段の美観が悪化するという問題がある。
被覆部材は、固定具の一側面部と踏板の端部(具体的には、一側面部に対向配置される端部)との間を被覆する構成であれば、その形状は限定されない。
以上のような固定具は、固定具本体の形状が簡易であり、被覆部材の設計の自由度が高いため、生産性が高い。
板部材は、建築物の上段と下段(例えば2階と1階)との間にて、縦姿勢で配設される。このような板部材は、例えば側板又は壁パネル等であり、板部材が2枚である場合、これらの組み合わせは限定されない(例えば側板同士、又は壁パネルと側板との組み合わせ等)。また、板部材と壁、柱、又は桁板等とが組み合わせられることがある。このように、板部材の種類及び枚数等が限定されないため、階段構造の設計の自由度が高い。
板部材が、例えば工場で生産される場合は、挿入穴が高精度に形成されるため、挿入穴に突出部を挿入することによって、固定具本体の正確な位置決めが容易になされる。つまり、挿入穴は、施工性の向上に寄与する。
なお、挿入穴の深さは、突出部の突出量以上であればよい。
階段構造を組み立てる作業者は、固定具の突出部夫々の先端部から基端部までを、対応する挿入穴へ挿入する。
また、このとき、固定具の一側面部と、踏板の一端部とが対向配置される。以下では、踏板の、固定具の一側面部に対向配置される端部を対向端部という。
以上のような階段構造は、建築物の上段から下段に亘って配設されている露出階段であってもよく、一部が露出階段であり、残部がボックス階段である階段の一部分であってもよい。また、上段から下段までの中途に、方向転換のための折り返し部分を有する回り階段状の階段構造であってもよい。
挿入穴は、板部材のビス面にのみ開口している。換言すれば、挿入穴は、板部材の側端面には開口していない。この結果、挿入穴の長さは各突出部分の長さに対応する必要最小限のものであればよいため、板部材の生産性が更に向上され、板部材の強度劣化が抑制され、更に、階段構造の美観が向上する。
このとき、作業者は、板部材のビス面に交差する方向へ固定具を移動させることによって、突出部を挿入穴に挿入する。
2枚の板部材夫々を、建築物の上段と下段との間にて配設する際に、作業者は、板部材を建築物にビス留めする。このとき、作業者は、挿入穴を利用して、板部材を建築物(例えば、壁又は柱等の躯体)にビス留めする。
従って、作業者は、挿入穴の内奥面の適宜の位置を、ビス留め位置として利用することができる。
このように、板部材を、挿入穴の内奥面にて建築物にビス留めした場合、ビスの頭部は挿入穴の内部に配置される。挿入穴の内部に配置されている物を使用者が視認することは困難である。換言すれば、板部材を建築物に取り付けているビスは、使用者が容易に視認可能な位置に存在しない。
また、固定具1個につき、板部材の両面を加工する必要がないため、工数が少なく、生産性が高い。
また、固定具の一側面部と、踏板の対向端部との間に空隙が生じた場合であっても、この空隙を被覆部材で目隠しすることができる。従って、階段構造の美観を向上させることができる。
更にまた、踏板に加えられて固定具に伝達された荷重を、ビスと挿入穴の内下面とで支えることができるため、安定して荷重を支持することができる。
また、本発明の階段構造は、特許文献5,7に記載されているような複雑な構成の桁板を必要とする露出階段に比べて、板部材の構成が簡単である。
以上の結果、本発明の階段構造は、生産性及び施工性を向上させることができる。
また、板部材の側端面に開口が存在しないため、階段構造の美観を更に向上させることができる。
しかも、広い面積で荷重を受けることができるため、荷重に対する強度を更に向上させることができる。
また、板部材を建築物に取り付けているビスが、使用者が容易に視認可能な位置には存在しないため、階段構造の美観を更に向上させることができる。
図1及び図2は、本発明の実施の形態1に係る階段構造S1の構成を示す斜視図及び縦断面図である。ただし、図2には、図1におけるII−II線の断面図が示されている。また、図1及び図2には、側板11,12の間に、2枚の踏板10,10が、夫々横姿勢で階段状に固定されている状態が示されている。
図3は、本発明の実施の形態1に係る一の固定具2の後述する鉛直面部21(図4参照)と、踏板10の一端部(対向端部)10cとが対向配置される部分の構成を示す正面図である。図3には、建築物の壁W、後述する石膏ボードP1,P2(図1参照)、及び側板11の縦断面図として、挿入穴51の形成位置における縦断面図が含まれている。
図5は、本発明の実施の形態1に係る階段構造S1の組立方法の説明図である。ただし、図5には、側板11の壁Wに対する取り付け、固定具本体20の側板11に対する取り付け、踏板10の固定具本体20に対する取り付け、及び、被覆部材31の固定具本体20に対する取り付けが説明されている。
ここで、建築物の2階及び1階は、本発明の実施の形態における建築物の上段及び下段として機能する。
石膏ボードP1,P2夫々は、遮音性及び断熱性等を有する板材であり、壁Wの一面を化粧する。
階段構造S1は、2枚の側板11,12と、N枚の踏板10,10,…と、{N×2}個の固定具2,2,…とを備えている。ここで、“N”はN≧2の自然数である。
また、以下では、階段構造S1を組み立てるためのビスV,V,…のサイズは互いに等しいものとする。なお、例えば側板11,12を壁W,Wにビス留めするためのビスV,V,…夫々と、固定具2を側板11,12にビス留めするためのビスV,V,…夫々と、踏板10を固定具2にビス留めするためのビスV,V,…夫々とは、互いにサイズが異なっていてもよい。
各踏板10は、上面10a及び下面10bを有する矩形板状になしてあり、木材又は木質材を用いてなる。上面10a及び下面10b夫々は、水平に配される。
なお、上面10aに、滑り止めが設けられていてもよい。また、下面10bに、2個の位置決め凹部が形成されていてもよい。各位置決め凹部の寸法及び形状は、後述する水平面部22(図4参照)の寸法及び形状に略等しく、2個の位置決め凹部に水平面部22,22を嵌め込むことによって、水平面部22,22が正確に位置決めされるように配置されている。
更に、踏板10は、木材又は木質材に限定されず、例えばアルミニウム又はガラス等を用いてなる構成でもよい。
側板11は、本発明の実施の形態における板部材に相当し、木材又は木質材を用いてなる。側板11は、縦横比が大きい長方形の長手方向両端部を切断して台形にしたような形状を有する。
側板11の2つの短辺部の内、一方の端面は、床面Fに沿って配される。
側板11の下側に配される短辺部と、上辺部とがなす角度は、階段構造S1の傾斜角度に等しい。
側板11の一面は、ビス面11aとして用いられる。このために、ビス面11aには、N枚の踏板10,10,…の固定位置に対応する位置に、階段状に配置されたN個の挿入穴51,51,…が形成されている。
各挿入穴51において、内上面及び内下面夫々は水平面であり、内前面、内後面、及び内奥面51a夫々は鉛直面である。
このような挿入穴51は、ビス面11aにのみ開口しており、側板11の他面(例えば側板11の上辺部及び下辺部夫々の端面。以下、即ち、側板11の側端面)には開口していない。
換言すれば、挿入穴51の内部において、突出部23が挿入される空間を除いた空間(即ち、突出部23が挿入されない空間)は、ビスV,Vを用いたビス留めに適したサイズを有する。更に、挿入穴51の開口は、固定具2及び踏板10に被覆されて、使用者の視界には露出し難いようにしてある。
このような挿入穴51,51,…夫々の形状及び形成位置等は、例えば板材を生産する工場で、NCルータを用いて高精度に形成することができる。
以上のような側板11は、建築物の1階と2階との間に、ビス面11aが縦姿勢で配設される。
側板12の一面は、ビス面12aとして用いられ、ビス面12aが、側板11のビス面11aに相当する。従って、ビス面12aには、N枚の踏板10,10,…の固定位置に対応する位置に、階段状に配置されたN個の挿入穴51,51,…が形成されている。
このとき、側板11のビス面11aと側板12のビス面12aとは、夫々鉛直に、且つ、互いに平行に対面配置される。即ち、階段構造S1のビス面11a,12aは内向きである。
なお、側板11,12は、木材又は木質材を用いてなる構成に限定されるものではない。
固定具2は、金属製の固定具本体20と合成樹脂製の被覆部材31とを備え、踏板10を側板11又は側板12に固定する。踏板10を側板11に固定する固定具2(即ち踏板10の左側に配される固定具2)と、踏板10を側板12に固定する固定具2(即ち踏板10の右側に配される固定具2)とは、同一の構成を有する。このため、以下では、側板11に係る固定具2を例示する。
なお、固定具本体20は金属製のものに限定されるものではなく、被覆部材31は合成樹脂製のものに限定されるものではない。
鉛直面部21,21は、アングルの一側面部として機能し、鉛直に配される。水平面部22は、アングルの他側面部として機能し、水平に配される。
図1〜図3に示すように、被覆部材31は、鉛直面部21,21と踏板10の対向端部10c(即ち、踏板10の鉛直面部21,21に対向配置されている端部)との間を、前後に挟むようにして上側から被覆する。
階段構造S1を組み立てる作業者は、側板11、側板12、N枚の踏板10,10,…、{N×2}個の固定具2,2,…、石膏ボードP1,P2、及び複数本のビスV,V,…を準備する。これらは、予め工場で生産されて、階段設置場所へ搬入される。
ところで、本実施の形態では、作業者は、壁W,Wに側板11,12を取り付けてから石膏ボードP1,P2を取り付けている(ボード後貼り)が、これに限定されず、石膏ボードP1,P2を取り付けてから側板11,12を取り付けてもよい(ボード先付け)。
この状態で、作業者は、鉛直面部21,21夫々に形成されている各ビス孔にビスV,V,…を通して、鉛直面部21,21を側板11にビス留めする。
このような固定具本体20の取り付け作業を、作業者はN回繰り返す。
ところで、側板11を壁Wにビス留めしているビスV,Vは、挿入穴51の内部に配されているため、このビスV,Vが、鉛直面部21,21を側板11にビス留めするビスV,V,…に干渉することはない。
この状態で、作業者は、鉛直面部21,21夫々に形成されている各ビス孔にビスV,V,…を通して、鉛直面部21,21を側板12にビス留めする。
このような固定具本体20の取り付け作業を、作業者はN回繰り返す。
以上の結果、左右2個の固定具本体20,20の水平面部22,22は、床面Fから同一の高さに、且つ床面Fに対して平行に配される。
この状態で、作業者は、水平面部22,22夫々に形成されている各ビス孔にビスV,V,…を通して、水平面部22,22を踏板10にビス留めする。
また、従来の階段構造同様、ボックス階段に比べて、装飾性が高く、開放感を有する。更に、切り欠き部を有する踏板を、踏板支持部を有する桁板に嵌め込み固定する従来の嵌め込み型の階段構造とは異なり、左右一対の固定具2,2を用いて各踏板10を側板11,12に固定するため、嵌め込み型の階段構造に関して生じる各種の問題(切り欠き部によって踏板の強度が弱くなること、桁板の加工工数が多いこと等)が生じることはない。
また、側板11,12における挿入穴51,51の形成位置が正確であるため、突出部23,23を挿入穴51,51に挿入し、水平面部22,22に踏板10を載置することによって、固定具2,2に取り付けられる踏板10も正確な位置に配置される。つまり、突出部23,23及び挿入穴51,51は、踏板10の位置決めにも利用される。
更に、石膏ボードP1,P2夫々の表面からの側板11の突出量は、壁Wの一面からの側板11の突出量よりも、石膏ボードP1,P2の厚みの分だけ少ない。このため、使用者には、側板11の厚みが薄く見える。従って、使用者は、石膏ボードP1,P2が存在しない場合よりも、空間を広く感じる。
また、側板11,12は、壁Wに取り付けられる構成に限定されず、建築物の柱に取り付けられる構成でもよい。
図6、図7、及び図8は、本発明の実施の形態1に係る他の固定具201,201、固定具202,202、及び固定具2L,2Rの構成を示す斜視図である。
固定具201、固定具202、及び固定具2L,2R夫々における鉛直面部21,21、水平面部22、及び突出部23の構造は、固定具2の鉛直面部21,21、水平面部22、及び突出部23の構造と同様である。このため、側板11,12に形成される挿入穴51,51の形状及び寸法は、固定具2に係る挿入穴51,51の形状及び寸法と同じでよい。
以下では、まず、図6を参照しつつ固定具201について説明する。
踏板10の左側に配される固定具201と、踏板10の右側に配される固定具201とは、同一の構成を有する。各固定具201は、固定具本体20と、2個の被覆部材32,32とを備える。
更に詳細には、被覆部材32は、鉛直面部21,21の前端面(又は後端面)と踏板10の対向端部10cの前端面(又は後端面)とを覆う被覆部321と、水平片24の外面及び水平面部22の外面に係止する係止部322,322とを一体に有する。係止部322,322は、被覆部321の長手方向両端部から同一方向に直角に突出している。
また、水平片24は、鉛直面部21,21と踏板10の対向端部10cとの間を上側から目隠しする。
また、使用者が背面側から階段構造S1を見る可能性が低い場合には、固定具201は、背面側の被覆部材32を備えていなくてもよい。
被覆部材33は、大略コ字状に形成された帯状になしてあり、弾性を有する。また、被覆部材33は、鉛直面部21,21と踏板10の対向端部10cとの間を、上下に挟むようにして前側から被覆する。ただし、被覆部材33は、鉛直面部21,21と踏板10の対向端部10cとの間を、上側及び正面側から目隠しし、背面側からは目隠ししない。しかしながら、背面側は人目に付き難いため、階段構造S1の美観が悪化することは抑制される。
踏板10の左側に配される固定具2Lと、踏板10の右側に配される固定具2Rとは、同一の構成ではないが、互いに鏡像の関係にある。固定具2L(又は固定具2R)は、固定具本体20と、1個の被覆部材32とを備える。
固定具2L,2R夫々が備える固定具本体20は、鉛直面部21,21、水平面部22、突出部23、水平片24、及び鉛直片25を一体に有する。このような固定具本体20も、適宜の形状に切り出された金属平板に曲げ加工を施すことによって形成されるが、金属を用いた成型加工によって形成されてもよい。
また、鉛直片25は、鉛直面部21,21と踏板10の対向端部10cとの間を背面側から目隠しする。
なお、固定具2L,2R夫々は、被覆部材32に替えて、被覆部材31又は被覆部材33を備える構成でもよい。
図9、図10、図11、図12、及び図13は、本発明の実施の形態2に係る固定具61、固定具62、固定具63、固定具64、及び固定具65の構成を示す斜視図である。
固定具61〜65夫々は、実施の形態1の固定具201又は固定具202に係る固定具本体20と略同様の固定具本体20を備えるが、突出部23の形状は異なる。この場合、側板11,12の挿入穴51は、実施の形態1の挿入穴51と同一形状でよい。
踏板10の左側に配される固定具61〜65と、踏板10の右側に配される固定具61〜65とは、同一の構成を有する。
なお、各固定具本体20は、実施の形態1の鉛直片25を備えていてもよい。この場合には、左側に配置すべき固定具本体20と右側に配置すべき固定具本体20とは、同一の構成ではないが、互いに鏡像の関係になる。
その他、実施の形態1に対応する部分には同一符号を付してそれらの説明を省略する。
図9に示す固定具61に係る突出部23は、実施の形態1の突出部23と同様の下側舌片部231と、水平片24の基端部から下側舌片部231の上方へ下側舌片部231に平行に突出している上側舌片部232とを有する。
ここで、図6を参照すればわかるように、水平片24の基端部は、本発明の実施の形態における一側面部の外面に相当する。このため、上側舌片部232は、本発明の実施の形態における一側面部の外面に一体的に設けられている突出部として機能する。
このような固定具61(又は固定具62)に係る突出部23は、挿入穴51へ挿入された場合に、挿入穴51の上内面及び下内面(又は前内面及び後内面)夫々に接触するため、ガタつき難いという利点を有する。
図11に示す固定具63に係る突出部23は、図9に示す下側舌片部231と略同様の第1舌片部分235と、図10に示す第1及び第2の舌片部233,234と略同様の第2舌片部分236,237とを有する。ただし、第1舌片部分235と第2舌片部分236,237とは一体に設けられている。
つまり、固定具63に係る突出部23は、側面視が、上向きに開口するよう横転したコ字状になしてある。
なお、第1舌片部分235と第2舌片部分236,237とは別体に設けられていてもよい。
つまり、固定具64に係る突出部23は、側面視が、下向きに開口するよう横転したコ字状になしてある。
なお、第1舌片部分238と第2舌片部分236,237とは別体に設けられていてもよい。
つまり、固定具65に係る突出部23は、側面視がロ字状になしてある。
なお、第1舌片部分235,238と第2舌片部分236,237とは別体に設けられていてもよい。
以上のような固定具61〜65夫々は、実施の形態1の固定具2,201,202,2L,2Rと同様にして、階段構造S1を構成することができる。
図14及び図15は、本発明の実施の形態3に係る階段構造S2の構成を示す斜視図及び縦断面図である。ただし、図15には、図14におけるXV−XV線の断面図が示されている。
図16は、本発明の実施の形態3に係る固定具4L,4Rの構成を示す斜視図である。
図17は、本発明の実施の形態3に係る階段構造S2の組立方法の説明図である。ただし、図17には、固定具4Lの桁板13に対する取り付けが説明されている。
階段構造S2は、左右2枚の桁板13,14と、N枚の踏板10,10,…と、左側に配されるN個の固定具4L,4L,…及び右側に配されるN個の固定具4R,4R,…とを備え、これらは左右対称に配される。
各踏板10は、桁板13,14に、夫々横姿勢で階段状に固定される。
桁板13は、木材又は木質材を用いてなる板材であり、縦横比が大きい長方形の長手方向両端部を切断して台形にしたような形状を有する。また、桁板13の板厚は、第1及び第2の嵌合溝53,54の深さよりも厚い。
桁板13の2つの短辺部の内、一方の端面は、床面Fに沿って配され、他方の端面は、例えば躯体Bに沿って配される。
桁板13の下側に配される短辺部と、上辺部とがなす角度は、階段構造S2の傾斜角度に等しい。
桁板13の一面は、ビス面13aとして用いられる。このために、ビス面13aには、N枚の踏板10,10,…の固定位置に対応する位置に、階段状に配置された各N本の第1の嵌合溝53,53,…及び第2の嵌合溝54,54,…が形成されている。
一方、第2の嵌合溝54,54,…は、互いに同一形状の縦溝状になしてあり、各第2の嵌合溝54において、内前面及び内後面夫々は鉛直面である。
第1及び第2の嵌合溝53,54夫々は、ビス面13aにのみ開口しており、桁板13の他面(例えば桁板13の上辺部の端面)には開口していない。
更に、第1及び第2の嵌合溝53,54の位置関係は、固定具4Lの第1及び第2の突出片43,44の位置関係に対応している。
以上のような桁板13は、建築物の1階と2階との間に、長手方向が傾斜し、且つビス面13aが縦姿勢で斜設される。
桁板13,14のビス面13a,14aは、夫々鉛直に、且つ互いに対面する向きに平行に配置される。即ち、階段構造S2のビス面13a,14aは内向きである。
なお、桁板13,14は、木材又は木質材を用いてなる構成に限定されるものではない。
固定具4Lは、約5mmの厚みを有するL字型のアングル状になしてあり、鉛直面部41と、水平面部42と、第1及び第2の突出片43,44とを一体に有する。固定具4Lは、適宜の形状に切り出された金属平板に曲げ加工を施すことによって形成されるが、金属を用いた成型加工によって形成されてもよい。
鉛直面部41は、アングルの一側面部として機能し、鉛直に配される。水平面部42は、アングルの他側面部として機能し、水平に配される。
第1及び第2の突出片43,44は、長方形の一方の長辺部が第1及び第2の突出片43,44の基端部に相当する。また、第1及び第2の突出片43,44の厚みは、鉛直面部41の厚みに等しく、第1及び第2の突出片43,44の鉛直面部41からの突出量は、互いに略等しく、約15mmである。
なお、固定具4Lのアングルの内側に、鉛直面部41と水平面部42とを連結して固定具4Lを補強する補強板部が設けられていてもよい。
階段構造S2を組み立てる作業者は、桁板13,14、N枚の踏板10,10,…、各N個の固定具4L,4R、及び複数本のビスV,V,…を準備する。これらは、予め工場で生産されて、階段設置場所へ搬入される。
この状態で、作業者は、鉛直面部41を桁板13にビス留めする。
このような固定具4Lの取り付け作業を、作業者はN回繰り返す。
このような固定具4Rの取り付け作業を、作業者はN回繰り返す。
以上の結果、固定具4L,4Rの水平面部42,42は、床面Fから同一の高さに、且つ床面Fに対して平行に配される。
この状態で、作業者は、水平面部42,42を踏板10にビス留めする。
このような踏板10の取り付け作業を、作業者はN回繰り返す。
なお、床面Fに直近の踏板10を桁板13,14に取り付ける場合には、作業者は、固定具4L及び固定具4Rの水平面部42,42を踏板10の下面10bにビス留めしてから、固定具4L及び固定具4Rの鉛直面部41,41を桁板13,14のビス面13a,14aにビス留めしてもよい。
しかも、固定具4L,4Rと踏板10の両端部とが対向配置されないため、固定具4L,4Rと踏板10の両端部との間に見苦しい空隙が生じることがない。従って、この空隙を目隠しするための部材は不要である。
また、従来の階段構造同様、ボックス階段に比べて、装飾性が高く、開放感を有する。更に、切り欠き部を有する踏板を、踏板支持部を有する桁板に嵌め込み固定する従来の嵌め込み型の階段構造とは異なり、左右一対の固定具4L,4Rを用いて各踏板10を桁板13,14に固定するため、嵌め込み型の階段構造に関して生じる各種の問題(切り欠き部によって踏板の強度が弱くなること、桁板の加工工数が多いこと等)が生じることはない。
また、桁板13,14における第1及び第2の嵌合溝53,54の形成位置が正確であるため、固定具4L,4R夫々の第1及び第2の突出片43,44を、桁板13,14夫々の第1及び第2の嵌合溝53,54に嵌入することによって、固定具4L,4Rに載置される踏板10も正確な位置に配置される。つまり、第1及び第2の突出片43,44及び第1及び第2の嵌合溝53,54は、踏板10の位置決めにも利用される。
更に、固定具4L,4Rが踏板10の中央部近傍を支持し、固定具4L,4R間の距離が短いため、踏板に荷重が加えられた場合の踏板10の中央部の撓みが小さいという利点もある。
なお、桁板13,14を左右逆に配置した状態(即ち、ビス面13a,14aが外向きに配される状態)で、各固定具4L,4R及び踏板10を固定する構成でもよい。この場合、固定具4L,4Rが桁板13,14の外側に配されるため、桁板13,14間にビス留め用の工具を配置する必要がない。従って、固定具4L,4Rをビス留めする作業に支障が出ないという利点がある。
図18は、本発明の実施の形態4に係る階段構造S3の構成を示す斜視図である。
階段構造S3は、各1枚の側板11及び桁板14と、N枚の踏板10,10,…とを備えている。図18には、側板11と桁板14と間に、2枚の踏板10,10が、夫々横姿勢で階段状に固定されている状態が示されている。
一方が側板、他方が桁板という組み合わせの場合、側板側にはL字状の固定具が取り付けられ、桁板側には逆L字状の固定具を取り付けられる。
その他、実施の形態1〜3に対応する部分には同一符号を付してそれらの説明を省略する。
なお、階段構造S3は、各1枚の側板12及び桁板13と、N枚の踏板10,10,…と、各N個の固定具2及び固定具4Lとを備えている構成でもよい。この場合、各踏板10は、右端部が固定具2によって側板12に固定され、左端部が固定具4Lによって桁板13に固定される。
図19は、本発明の実施の形態5に係る固定具66の構成を示す斜視図である。
固定具66は、図9に示す固定具本体20に類似した固定具本体20を備え、更に、図6に示す被覆部材32,32に類似した被覆部材32,32を備える。
踏板10の左側に配される固定具66と、踏板10の右側に配される固定具66とは、同一の構成を有する。
その他、実施の形態1〜4に対応する部分には同一符号を付してそれらの説明を省略する。
なお、各固定具本体20は、図8に示す鉛直片25を備えていてもよい。この場合には、左側に配置すべき固定具本体20と右側に配置すべき固定具本体20とは、同一の構成ではないが、互いに鏡像の関係になる。
被覆部材32が被係止突起26に取り付けられた場合、上側(又は下側)の係止部323の外面は、水平片24(又は水平面部22)の外面に面一に配される。
また、本発明の効果がある限りにおいて、階段構造S1〜S3又は固定具2,4L,4R等に、実施の形態1〜5に開示されていない構成要素が含まれていてもよい。
11,12 側板(板部材,他の物体)
13,14 桁板(他の物体)
51 挿入穴
2,201,202,2L,2R,4L,4R,61〜66 固定具
21,41 鉛直面部(一側面部)
22,42 水平面部(他側面部)
23 突出部
235 第1舌片部分
233,234 第2舌片部分
31,32,33 被覆部材
43,44 第1及び第2の突出片
53,54 第1及び第2の嵌合溝
S1,S2,S3 階段構造
W 壁(建築物)
Claims (5)
- 上段と下段とを有する建築物の前記上段と前記下段との間にて、一面が縦姿勢で配設されている1枚又は2枚の板部材と、
該板部材に、夫々横姿勢で階段状に固定されている複数枚の踏板と、
各踏板を前記板部材に固定しており、一側面部が前記一面にビス留めされており、他側面部が前記踏板の下面にビス留めされているアングル状の固定具と
を備える階段構造において、
前記固定具は、
前記他側面部が、該他側面部の内面と前記下面とが対面した状態で、前記下面にビス留めされており、
アングルの厚みよりも長く前記アングルの外側へ突出している突出部が、前記他側面部の基端部及び/又は前記一側面部の外面に一体的に設けられており、
前記突出部は、
前記他側面部に沿う方向に配されている第1舌片部分と、
前記他側面部に交差する方向に配されており、前記第1舌片部分に一体に設けられている第2舌片部分とを有し、
前記一側面部と前記踏板の前記一側面部に対向配置されている端部との間を被覆している被覆部材を有し、
前記板部材は、
前記突出部が挿入されている挿入穴が、前記一面に形成されており、
前記挿入穴は、前記一面にのみ開口していることを特徴とする階段構造。 - 一の物体を他の物体に固定すべく、アングル状になしてある固定具において、
前記他の物体にビス留めされるアングルの一側面部と、
その内面が前記一の物体に対面した状態で該一の物体にビス留めされる前記アングルの他側面部と、
前記一側面部と前記一の物体との間を被覆する被覆部材と
を有し、
前記アングルの厚みよりも長く前記アングルの外側へ突出している突出部が、前記他側面部の基端部及び/又は前記一側面部の外面に一体的に設けられており、
前記突出部は、
前記他側面部に沿う方向に配されている第1舌片部分と、
前記他側面部に交差する方向に配されており、前記第1舌片部分に一体に設けられている第2舌片部分とを有することを特徴とする固定具。 - 前記一の物体は、階段構造が備えるべき踏板であり、
前記他の物体は、前記階段構造が備えるべき側板であることを特徴とする請求項2に記載の固定具。 - 上段と下段とを有する建築物の前記上段と前記下段との間にて、一面が縦姿勢で配設されている1枚又は2枚の板部材と、
該板部材に、夫々横姿勢で階段状に固定されている複数枚の踏板と、
各踏板を前記板部材に固定しており、一側面部が前記一面にビス留めされており、他側面部が前記踏板の下面にビス留めされているアングル状の固定具と
を備える階段構造の組立方法において、
前記固定具として、前記他側面部に沿う方向に配されている第1舌片部分と、前記他側面部に交差する方向に配されており、前記第1舌片部分に一体に設けられている第2舌片部分とを有し、アングルの厚みよりも長く前記アングルの外側へ突出している突出部が、前記他側面部の基端部及び/又は前記一側面部の外面に一体的に設けられており、前記一側面部と前記踏板の前記一側面部に対向配置される端部との間を被覆する被覆部材を有する固定具を準備し、
前記板部材として、前記突出部が挿入される挿入穴が、前記一面のみに形成されている1枚又は2枚の板部材を準備し、
該板部材を、前記上段と前記下段との間にて、前記一面が縦姿勢になるよう配設し、
前記突出部を、前記挿入穴へ挿入し、
前記一側面部を、前記一面にビス留めし、
前記他側面部の内面と前記下面とを対面させて、前記踏板を前記他側面部に載置し、
前記他側面部を、前記下面にビス留めし、
前記被覆部材を用いて、前記一側面部と前記踏板の前記一側面部に対向配置されている端部との間を被覆することを特徴とする階段構造の組立方法。 - 前記板部材として、前記挿入穴の内奥面が、前記突出部の前記板部材に対する投影面積よりも広い面積を有する板部材を準備し、
該板部材を、前記上段と前記下段との間にて、前記一面が縦姿勢になるよう配設する場合に、前記板部材を、前記内奥面にて前記建築物にビス留めすることを特徴とする請求項4に記載の階段構造の組立方法。
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