JP5594247B2 - 非水電解液リチウム空気二次電池の正極およびその製造方法 - Google Patents

非水電解液リチウム空気二次電池の正極およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、非水電解液リチウム空気二次電池の正極およびその製造方法に関し、さらに詳しくは特定の炭素材料を含有することによって高いクーロン効率[初回の充電容量と放電容量との比率(充電容量/放電容量)を示す。]を与え得る非水電解液リチウム空気二次電池の正極およびその製造方法に関する。
近年、放電できる電気容量が大きく小型化や軽量化が容易であり、外部からの酸素を用いるため資源的な制約が少なく環境負荷も一般的に用いられているリチウム二次電池に比べて小さい非水電解液リチウム空気電池が注目され、様々な研究が行われている。
この非水電解液リチウム空気電池は、外部からの酸素を正極活物質とする電池であり、主要な構成材として正極、非水電解液、セパレータ、負極および酸素拡散層を有するものである。
そして、このような非水電解液リチウム空気電池において前記の主要な構成材のうちで従来のリチウム二次電池と比較して大きく機能が異なるものの1つが正極であり、非水電解液リチウム空気電池の正極について様々な検討がなされている。
しかし、従来技術による非水電解液リチウム空気電池の正極を用いた空気電池では、クーロン効率が低く、二次電池化ができていない。
一方、前記正極に含有される炭素材料は、炭素骨格を有し通常表面に細孔を有するもので、その性能向上の検討がなされている。
例えば、特許文献1には、触媒や空気電池に用い得る多孔体として、固体骨格部と細孔とを有する多孔体を含む、ナノ粒子含有複合多孔体、およびさらに有機凝集体、例えばデンドリマーを含むナノ粒子含有複合多孔体が記載されている。そして、具体例として、多孔体の固体骨格部としてのポリフェノール系高分子からなるカーボン前駆体ゲル、ポリアミドアミンデンドリマーを含むナノ粒子含有複合多孔体を600℃以上の温度で熱処理してデンドリマーを除去するとともにカーボン前駆体の炭化処理をして見掛け密度、比表面積および細孔直径が特定の数値であるカーボン多孔体からなる複合多孔体を得た例が示されているが、電極を作製した例は示されていない。
また、特許文献2には、金属空気電池用のカソード(正極)であって、酸と接触していない炭素粒子と、第1有機ポリマーとを含む第1層と、酸素と接触した炭素粒子と第2有機ポリマーとを含む第2層とを備え、第1層と第2層とが交互に接触しているカソードが記載されている。そして、具体例として、炭素粒子と硝酸と水とを攪拌下に加熱して得られた炭素粒子を用いて形成したカソード、亜鉛粒子、電解質としての水酸化カリウムの水溶液、空気を取り込む孔を覆う取り外し可能なシートを用いて金属空気電池を得た例が示されている。しかし、亜鉛/空気電池は性能面から基本的には一次電池に属すると考えられている。
また、特許文献3には、微粒子カーボンおよびポリマーエマルジョンを含む液体含有前駆体を形成する工程と、前記の液体含有前駆体から前駆体エアロゾルの小滴を生成する工程と、前記前駆体エアロゾルの小滴を加熱して、小滴から液体を除去して前記粒子を形成する工程を含む、ポリマー相を含む粒子の製造方法が記載されている。そして、前記微粒子が亜鉛−空気電池や燃料電池などのエネルギーデバイス作製のための電極触媒粉末などの微粒子材料であることが示されている。
また、特許文献4には、正極活物質として酸素と、負極活物質として鉄および鉄イオンとを有し、電解液が酸性である二次空気電池が記載されている。そして、具体例として、電解液に酸性添加剤として酸性のカーボンの微粉末を使用した二次空気電池が示されている。
また、特許文献5には、Co、Ni、Feの1以上の遷移金属を含み該遷移金属が担体である炭素材料に10重量%以上40重量%以下の担持量で担持されており該遷移金属の粒子径が2.5nm以上20nm以下である触媒を酸素の酸化還元触媒として有する正極と、負極活物質を有する負極と、イオン伝導体とを備えたリチウム空気電池が記載されている。そして、具体例として、蟻酸コバルトとカーボン材料とを窒素気流中、300℃で熱処理してコバルトナノ粒子が5重量%担持された炭素材料を得た例が示されている。
さらに、特許文献6には、導電性材料を含有する空気極層、空気極集電体を有する空気極と、負極層、および負極と、非水電解質とを有する金属空気二次電池であって、前記導電性材料として平均アスペクト比が10以上の針状炭素を用いた金属空気二次電池が記載されている。そして、具体例として、平均アスペクト比が100の気相成長炭素繊維(VGCF)を用いた金属空気二次電池が示されている。
国際特許公開2004−110930号公報 特表2005−510829号公報 特開2008−173635号公報 特開2010−140736号公報 特開2010−176907号公報 特開2010−287390号公報
しかし、これらの従来技術を適用して非水電解液リチウム空気電池の正極を作製しても高いクーロン効率(充電容量/放電容量)を与え得る非水電解液リチウム空気二次電池の正極を得ることはできない。
従って、本発明の目的は、高いクーロン効率(充電容量/放電容量)を与え得る非水電解液リチウム空気二次電池の正極を提供することである。
また、本発明の目的は、前記非水電解液リチウム空気二次電池の正極の製造方法を提供することである。
本発明者らは、前記目的を達成することを目的として鋭意検討を行った結果、従来技術による炭素材料を正極材として用いたのでは、充電時に、放電析出物(Li)が分解し得ず、クーロン効率が低く、二次電池化が困難であることを見出し、さらに検討を行った結果、本発明を完成した。
本発明は、炭素材料を含有する非水電解液リチウム空気二次電池の正極であって、前記炭素材料が、酸処理後に焼成されたものであって且つ酸量が0.04mmol/gより多いことを特徴とする、前記正極に関する。
また、本発明は、炭素材料を含有する非水電解液リチウム空気二次電池の正極の製造方法であって、前記炭素材料として、
多孔質炭素材料を50℃以上100℃未満の温度で0.1〜10時間酸処理する工程、および
得られた酸処理した炭素材料を150℃以上600℃未満の温度で焼成(加熱処理ともいう)する工程、
を含む方法によって得られる酸量が0.04mmol/gより多い炭素材料を用いる、前記方法に関する。
本発明における酸量とは、後述の実施例の欄に詳述する測定法によって求められる炭素材料1g当たりの酸量(mmol)を示す。
また、本発明において酸処理とは、多孔質酸素材料を酸と接触させることを意味する。
また、本発明において酸処理後に焼成されたものとは、酸処理された炭素材料が加熱処理されたものであることを意味する。
本発明によれば、高いクーロン効率[初回の充電容量と放電容量との比率(充電容量/放電容量)を与え得る非水電解液リチウム空気二次電池の正極を得ることができる。
また、本発明によれば、高いクーロン効率(充電容量/放電容量)を与え得る非水電解液リチウム空気二次電池の正極を容易に得ることができる。
本明細書において、高いクーロン効率とは85%以上のクーロン効率であることを意味する。
図1は、実施例および比較例で得られた正極を用いた非水電解液リチウム空気二次電池における炭素材料の調製時の焼成温度と電池のクーロン効率および放電容量との関係を示すグラフである。 図2は、実施例および比較例で得られた正極を用いた非水電解液リチウム空気二次電池における炭素材料の酸量と電池のクーロン効率との関係を示すグラフである。 図3は、実施例および比較例で得られた正極に用いた炭素材料の調製時焼成温度と炭素材料の酸量との関係を示すグラフである。 図4は、非水電解液リチウム空気二次電池の電極構造を説明するための模式図である。 図5は、非水電解液リチウム空気二次電池の正極における充電後の状態を示す断面SEM写真の写しである。 図6は、非水電解液リチウム空気二次電池のクーロン効率の原理を説明するための模式図である。 図7は、本発明の製造方法の実施態様における炭素材料の製造工程を示す模式図である。 図8は、本発明の製造方法の実施態様における炭素材料を用いて正極を製造する工程を示す模式図である。 図9は、非水電解液リチウム空気二次電池の正極を適用した評価空気電池の概略図を示す。
特に、本発明において、以下の実施態様を挙げることができる。
1)前記酸量が、0.04mmol/gより多く2mmol/g未満である前記正極。
2)さらに、バインダーを含有する前記正極。
3)150℃以上600℃未満の温度で焼成する前記製造方法。
4)前記焼成が、不活性雰囲気下に行われる前記製造方法。
5)前記酸処理が、無機酸と多孔質炭素材料との接触によって行われる前記製造方法。
6)前記酸処理した炭素材料を大気中で仮焼成する工程、をさらに含む、前記製造方法。
本発明において、炭素材料を含有する非水電解液リチウム空気二次電池の正極は、前記炭素材料が、酸処理後に焼成されたものであって且つ酸量が0.04mmol/gより多いことが必要であり、これによって高いクーロン効率を与え得る非水電解液リチウム空気二次電池の正極を得ることができる。
前記の炭素材料を含有する非水電解液リチウム空気二次電池の正極は、例えば、前記炭素材料として、
多孔質炭素材料を酸処理する工程、および
酸処理した炭素材料を焼成する工程、
を含む方法によって得られる材料を用いることによって得ることができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳説する。
図1から、空気電池正極に用いて85%以上のクーロン効率を与え得る炭素材料は、酸処理した炭素材料を焼成したものであり、さらに焼成温度が高くなるとクーロン効率が低下する傾向にあること、および酸処理した炭素材料であっても焼成しないものはクーロン効率が低いことが理解される。図1における酸処理しただけの炭素材料が低いクーロン効率を示す理論的な解明はなされていないが、1つには細孔内に残存する微量の水分が悪影響を及ぼしていると考えられる。
また、本発明の実施態様の空気電池正極においては、図2に示すように、正極に含有される炭素材料として、酸処理した炭素材料を焼成したものであって且つ酸価が0.04mmol/gより多いことが85%以上のクーロン効率を達成するために必要であること、そして酸価が0.04mmol/gより多くても焼成していないものはクーロン効率が低いことが理解される。
また、図3から、酸処理した炭素材料を焼成して酸量が0.04mmol/gより多い炭素材料を得るためには、焼成温度としては150℃以上600℃未満の温度が適していることが理解される。
本発明の前記炭素材料を含有する非水電解液リチウム二次電池の正極によって高いクーロン効率を示す空気電池が得られる理論的な解明は未だ十分になされていないが、以下のように考え得る。
先ず、非水電解液リチウム二次電池においては、図4に示すように、電極上に生成物Liを堆積させる構造となっている。そして、正極と電解液と空気相との3相界面上で放電時に生成物であるLiを生成し、充電時に生成物Liを分解する反応が進む。このため、電池特性は3相界面に依存することになる。
そして、従来の炭素材料を用いた非水電解液リチウム電池の正極では、図5および図6に示すように、充電時に、放電析出物(Li)が分解せず、クーロン効率を低くし、二次電池化が困難であった。
これに対して、本願発明における酸処理後に焼成されたものであって且つ0.04mmol/gより多酸量を有する炭素材料を用いると、電池反応における酸化の際にCOOH基がLi交換をもたらし、COOH基が近接して存在するため、放電析出物の成長が抑制され、放電析出物を高分散に生成し得ることにより、クーロン効率が高くなると考えられる。
本発明の実施態様における炭素材料は、例えば、図7に示すように、多孔質炭素材料を酸処理する工程、および
酸処理した炭素材料を通常は150℃以上600℃未満の温度で焼成する工程、
を含む方法によって得られる。
前記の焼成する温度は、好適には175℃以上600℃未満、特に200℃以上600℃未満、その中でも200℃以上500℃以下、さらには200℃以上400℃以下であり得る。
前記の酸処理は、通常、多孔質炭素材料を水中に分散させた状態で無機酸、例えば硝酸、硫酸、塩酸と多孔質炭素材料との接触によって行われ得る。前記の無機酸と多孔質炭素材料との接触は、室温以上100℃未満の温度、好適には50℃以上100℃未満の温度で実施し得る。前記の接触の時間は0.1〜10時間程度であり得る。また、前記の無機酸は、無機酸の濃度として多孔質炭素材料が分散される水中、0.5〜2mol/Lであり得る。
前記の炭素材料の酸処理によって、炭素材料の表面にCOOHあるいはCOO−M[M:リチウム、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属、マグネシウムやカルシウムなどのアルカリ土類金属などの炭素材料(カーボン)の賦活元素の残渣成分]が生成されると考えられる。
前記の酸処理後、通常、酸処理した炭素材料を水で洗浄して残存する酸を除去する。
前記の焼成工程は、好適には不活性雰囲気、例えば、Ar、N、He雰囲気中で行い得る。また、前記の焼成工程は、温度によって変わり得るが通常10分間以上、好適には0.5〜10時間程度、特に0.5〜5時間程度行い得る。
前記の焼成(加熱処理)工程によって、炭素材料の表面の酸量が調整され得る。
前記の焼成による酸量が変化する理由としては、温度が高くなるほど炭素材料に結合したCOOH基が炭素材料から離脱し、200℃前後の温度では加熱によりCOOH基が炭素材料に付加されと考えられる。
前記の工程に、さらに、前記酸処理した炭素材料を大気中で仮焼成する工程、をさらに加え得る。
前記の酸処理工程および焼成工程によって、出発材料である多孔質炭素材料の多孔質である特性を少なくとも一部維持し、且つ前記の酸量を有する炭素材料が得られる。
本発明の正極は、前記の酸処理後に焼成されていて特定の酸量を有する炭素材料を用いることが必須要件であり、通常は例えば、バインダー(結着材)と混合することによって得られる。
本発明の正極は、例えば、図8に示すように、本発明における前記の炭素材料、バインダー、さらに必要であれば溶媒、例えば沸点が200℃以下のアセトン、NMPや、エタノール、エタノールあるいはプロパノールなどのアルコールを混ぜ合わせ、ロールプレスし、前乾燥、切り出し、最終乾燥を含む工程によって得ることができる。
また、本発明の正極には必要であればさらに触媒を加え得る。
本発明における前記の炭素材料の出発材料である多孔質炭素材料としては、炭素骨格を有し表面に細孔を有する炭素材料が挙げられ、例えば炭素元素含有化合物、例えば炭化水素を加熱処理により炭化して得られる疎水性の特性を有し、4〜20μm程度の平均粒径を有する炭素粒子が挙げられる。また、前記多孔質炭素材料としては表面処理がされていてもよいが表面処理されていないものが好適である。
前記の多孔質炭素材料としては、例えばケッチェンブラック、ブルカンブラック、プリンテックス、ブラックパール、活性炭、アセチレンブラック、デンカブラック、カーボンブラックなどが挙げられ、例えば、比表面面積が1270m/gのケッチェンブラックEC600JD(ライオン社製)、800m/gのケッチェンブラックEC300J(ライオン社製)などのケッチェンブラック、比表面積が214m/gのバルカンXC−72(キャボット社製)、スーパーP(活性炭)などが単独で又は組み合わせて用いられ得る。
前記のバインダーとしては、PTFE、PVdF、SBRなどのそれ自体周知の材料を挙げることができる。
前記のバインダーは、全成分の合計量中に1〜40質量%、特に5〜30質量%含み得る。
本発明の非水電解液リチウム空気電池の正極は、例えば集電体、例えば多孔質構造体、例えばカーボンペーパー、カーボンクロス、金属メッシュなどや、非多孔質体、例えば金属箔に、前記の炭素材料およびバインダーを溶媒に分散させたスラリーを塗工し、乾燥、切断することによって得ることができる。
また、前記のスラリーを塗工する際には、ドクターブレード法、インクジェット法などを用い得る。
本発明の非水電解液リチウム空気電池の正極を用いた空気電池は、前記の空気電池の正極を用いて、例えば負極、非水電解液を含んだセパレータ、酸素拡散層の各部材を複数の酸素孔がシールされた固定部材とともに積層することによって得ることができる。
前記負極は、負極材料種として金属を含有する負極活物質を有する負極層を備えたものであり得る。
前記負極材料種としては、Li、Na、K、Mg、Ca、Al、Zn、Feなど、エネルギー密度の高い電池が得られることから好適にはLiが挙げられる。
そして、Liの場合、Li金属やLi炭素質物、Li酸化物、Li硫化物、Li窒化物などが挙げられる。
前記負極は、集電体、例えばSUS、Niなどの任意の金属箔を用いてそれ自体周知の技術によって調製し得る。
前記セパレータは電解質を含むものであり得る。
前記のセパレータとしては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、PP/PE/PP製の1層〜3層構造の多孔膜、樹脂不織布、ガラス繊維不織布等の不織布が挙げられる。
前記の電解質は、負極層および正極層の間で金属イオンの伝導を行うためのものである。この電解質としては、負極金属種に応じたイオン伝導性を示す非水電解液である。
特に、前記セパレータは、本発明の空気電池の正極が高い放電容量を与え得るため、電解質がイオン液体を含むものであり得て、通常イオン液体とともにリチウム塩を含むものであり得る。
前記のリチウム塩としては、例えばLiPF、LiBF、LiClOおよびLiAsF等の無機リチウム塩;およびLiCFSO、LiN(CFSO、LiN(CSO、LiC(CFSO等が挙げられる。
また、前記イオン液体としては、カチオンとアニオンとを組み合わせたイオン分子のみから成る物質であり、且つ、常温(15℃〜25℃)において液体である物質が挙げられる。
前記イオン液体のカチオン種としては、2−エチルイミダゾリウム、3−プロピルイミダゾリウム、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム、1,3−ジメチルイミダゾリウム等のイミダゾリウム;ジエチルメチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、シクロヘキシルトリメチルアンモニウム、メチルトリ−n−オクチルアンモニウム、トリエチル(2−メトキシエトキシメチル)アンモニウム、ベンジルジメチルテトラデシルアンモニウム、ベンジルトリメチルアンモニウム等のアンモニウム;その他にもアルキルピリジニウム、ジアルキルピロリジニウム、テトラアルキルフォスフォニウム、トリアルキルスルフォニウム等が挙げられる。
前記イオン液体のアニオン種としては、Cl、Br、Iなどのハロゲン化物アニオン;BF 、B(CN) 、B(C 等のホウ素化物アニオン;(CN)、[N(CF、[N(SOCF等のアミドアニオン又はイミドアニオン;RSO (以下、Rは脂肪族炭化水素基又は芳香族炭化水素基を指す)、RSO 、RSO (以下、Rは含フッ素ハロゲン化炭化水素基を指す)、RSO 等のスルフェートアニオン又はスルフォネートアニオン;R P(O)O、PF 、R PF 等のリン酸アニオン;SbF等のアンチモンアニオン;その他、ラクテート、硝酸イオン、トリフルオロアセテート等が挙げられる。
前記酸素拡散層は、前記正極に積層されていて外部から酸素孔を通じて取り込まれた酸素を正極に拡散させる機能を有するもので、例えば酸素透過膜から構成され得る。
前記酸素透過膜として、空孔率が5%以上60%以下にするのが好ましい。空孔率が5%より小さい場合、酸素分子が拡散することができる細孔空間が不十分となり、酸素の透過速度が著しく低下してしまう。空孔率が60%より大きい場合、膜の強度が著しく低下してしまう。より最適な空孔率の範囲は、8%以上50%以下であり得る。
前記酸素拡散層は、高分子材料、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−4−メチル−1−ペンテン、ポリ−3−メチル−1−ブテン、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ナイロン6、ナイロン66、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリテトラフルオロエチレン、セルロース、酢酸セルロース、ポリイミドなど、好適にはポリテトラフルオロエチレンから形成され得る。
前記固定部材としては、孔を備えていればその形態は特に限定されるものではなく、例えば、金属又は炭素材料によって構成される繊維状部材、不織布、及び、発泡材等の形態を採ることができる。これらの中でも、カーボンペーパーや金属メッシュによって構成される固定部材を用いることが好ましく、孔の大きさや分布等を制御しやすい形態にする等の観点からは、金属メッシュ(例えば、エキスパンドメタルやパンチングメタル等)によって構成される固定部材を用いることがより好ましい。また、本発明の空気電池の正極に備えられる固定部材は、絶縁性材料によって構成されていても良い。ただし、電子伝導性を向上させることにより高性能の空気電池の正極を提供可能にする等の観点からは、導電性材料によって構成される固定部材が備えられる形態としてもよい。
前記固定部材には、正極に酸素を取り込むために複数の酸素孔(空気孔ともいう)が設けられている。
前記の酸素孔は、通常直径0.1〜3mmの範囲、好適には0.3〜1mmの範囲、例えば直径0.5mmの貫通孔を可能な限り多い複数個、例えば5〜10個程度の貫通孔を固定部材に設けられ得る。
前記の非水電解液リチウム空気電池は、前記の各部材を積層して組立てて作製し得るものであるが、さらに外部からの水分の導入を阻止するために撥水膜が積層されていてもよい。
また、前記の空気電池において、導入される酸素は乾燥された空気中の酸素であってもよいが好適には純酸素であり得る。
以下、本発明の実施例を示す。
以下の実施例は単に説明するためのものであり、本発明を限定するものではない。
以下の各例において、炭素材料についての測定および電池の評価は以下に記載の測定法により行った。なお、以下の測定は例示であって当業者が同等と考える測定法も同様に用い得る。
酸量の測定
試料0.5gを秤量(n=2)し、0.1NのNaOH水溶液20mLを添加し、超音波を20分間加え、ろ過(ろ紙:No.5C)し、5mL分取し、溶媒として純水40mLを用い、0.1M−HClで、自動滴定装置を用いて中和滴定して求めた。
自動滴定装置条件:Standard File (Acid−Ba、mV−HCl)
充放電評価方法
充放電試験機:ナガノ製充放電装置(BTS2004H)
電流密度:0.05mA/cm
放電終始電圧:2.0V
充電終始電圧:3.8V
測定温度:60℃
実施例1
多孔質炭素材料としてSuper P(TIMCAL社製、特性:疎水性、平均粒径:5μm)を用い、図7に示す工程に従って1mol/L硝酸により70℃で1時間の酸処理を行った。次いで、水洗した後、得られた酸処理した炭素材料を、大気雰囲気中、120℃で12時間(昇温速度:10℃/分)仮焼成した後、Ar雰囲気中、200℃で2時間(昇温速度:10℃/分)焼成した。
得られた酸処理後に焼成した炭素材料について酸量測定を行った。酸量は1.06mmol/gであった。なお、得られた炭素材料について常法により測定した比表面積は101m/gであり、多孔質炭素材料であることが確認された。
得られた酸処理後に焼成した炭素材料を用いて、図8に示す工程に従って、炭素材料(90質量%)とバインダー(PTFE、10質量%)とを混合してペレット化し、乾燥して正極を作製した。
得られた正極を用いて、図9に断面構造を示す放電評価用セルを下記のセル条件で作製した。
負極:金属リチウム(厚み:200μm、φ15mm)
電解液:PP13−TFSA/0.32mol/kgLi−TFSA
セパレータ:ポリプロピレン不織布(JH1004N)
セル:F型セル(北斗電工社)
容器:ガス置換コック付ガラスデシケータ(500mL)
ガス:酸素、アルゴン
得られた放電評価用セルを用いて評価を行った。得られた結果を他の結果とまとめて図1、図2および図3に示す。
比較例1
酸処理後に焼成しないで室温乾燥のみを行った炭素材料について酸量測定を行った。酸量は0.90mmol/gであった。
この酸処理後に焼成処理を行わなかった炭素材料を用いた他は実施例1と同様にして正極を作製した。
得られた正極を用いた他は実施例1と同様にして、放電評価用セルを作製した。
得られた放電評価用セルを用いて評価を行った。得られた結果を他の結果とまとめて図1および図2に示す。
実施例2
焼成温度を200℃から400℃(昇温速度:10℃/分)に変えた他は実施例1と同様にして酸処理、焼成を行った。
得られた酸処理後に焼成した炭素材料について酸量測定を行った。酸量は0.08mmol/gであった。
得られた酸処理後に焼成した炭素材料を用いた他は実施例1と同様にして、正極を作製した。
得られた正極を用いた他は実施例1と同様にして、放電評価用セルを作製した。
得られた放電評価用セルを用いて評価を行った。得られた結果を他の結果とまとめて図1、図2および図3に示す。
比較例2〜3
本焼成の温度を200℃から600℃(昇温速度:10℃/分)(比較例2)又は800℃(昇温速度:10℃/分)(比較例3)に変えた他は実施例1と同様にして酸処理、焼成を行った。
得られた酸処理後に焼成した炭素材料について酸量測定を行った。酸量はいずれも0.01mmol/g未満であった。
得られた酸処理後に焼成した炭素材料を用いた他は実施例1と同様にして、正極を作製した。
得られた正極を用いた他は実施例1と同様にして、放電評価用セルを作製した。
得られた放電評価用セルを用いて評価を行った。得られた結果を他の結果とまとめて図1、図2および図3に示す。
図1および図2から、正極に含有される炭素材料として酸処理した炭素材料を焼成したものであって酸価が0.04mmol/gより多いと、85%以上のクーロン効率を達成し得ることが示された。
また、図3から、酸処理した炭素材料を200℃又は400℃で焼成することによって、酸量が0.04mmol/gより多い炭素材料が容易に得られることが示された。
本発明の正極によって、85%以上の高いクーロン効率[初回の充電容量と放電容量との比率(充電容量/放電容量)を示す。]を与え得る非水電解液リチウム空気二次電池の正極を得ることができる。

Claims (7)

  1. 炭素材料を含有する非水電解液リチウム空気二次電池の正極であって、前記炭素材料が、酸処理後に焼成されたものであって且つ酸量が0.04mmol/gより多いことを特徴とする、前記正極。
  2. 前記酸量が、0.04mmol/gより多く2mmol/g未満である請求項1に記載の正極。
  3. さらに、バインダーを含有する請求項1又は2に記載の正極。
  4. 炭素材料を含有する非水電解液リチウム空気二次電池の正極の製造方法であって、前記炭素材料として、
    多孔質炭素材料を50℃以上100℃未満の温度で0.1〜10時間酸処理する工程、および
    得られた酸処理した炭素材料を150℃以上600℃未満の温度で焼成する工程、
    を含む方法によって得られる酸量が0.04mmol/gより多い炭素材料を用いる、前記方法。
  5. 前記焼成が、不活性雰囲気下に行われる請求項4に記載の製造方法。
  6. 前記酸処理が、無機酸と多孔質炭素材料との接触によって行われる請求項4又は5に記載の製造方法。
  7. 前記酸処理した炭素材料を大気中で仮焼成する工程、をさらに含む、請求項4〜6のいずれか1項に記載の製造方法。
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