JP2014078418A - 二次電池用正極とその製造方法及び非水系二次電池 - Google Patents

二次電池用正極とその製造方法及び非水系二次電池 Download PDF

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Abstract

【課題】高電圧駆動に耐え得るとともに、熱暴走の懸念も払拭できる非水系二次電池用の正極を提供する。
【解決手段】正極活物質層の該集電体に結着された側の表面と反対側表面を、平均孔径が80nm〜2μmの貫通孔をもつ多孔質膜で覆った。この多孔質膜は、リチウムイオンなどのイオンは通過させ易いものの、電解液は通過しにくい。したがって正極活物質と電解液との反応を抑制でき、高電圧駆動における釘刺し試験などの過酷な条件下でも熱暴走が生じるのを防止できる。また電解液の分解も防止できるので、高電圧駆動における電池特性の低下も防止できる。
【選択図】なし

Description

本発明は、リチウムイオン二次電池などに用いられる正極及びその製造方法と、その正極を用いた非水系二次電池に関するものである。
リチウムイオン二次電池は、充放電容量が高く、高出力化が可能な二次電池である。現在、主として携帯電子機器用の電源として用いられており、更に、今後普及が予想される電気自動車用の電源として期待されている。リチウムイオン二次電池は、リチウム(Li)を挿入および脱離することができる活物質を正極及び負極にそれぞれ有する。そして、両極間に設けられた電解液内をリチウムイオンが移動することによって動作する。リチウムイオン二次電池には、正極の活物質として主にリチウムコバルト複合酸化物等のリチウム含有金属複合酸化物が用いられ、負極の活物質としては多層構造を有する炭素材料が主に用いられている。
リチウムイオン二次電池はさらなる高容量化が求められ、正極電位の高電圧化が検討されている。しかし高電圧で駆動された場合には、繰り返し充放電後の電池特性が極端に悪化するという問題があった。この原因としては、充電時に正極近傍で電解液、電解質の酸化分解が生じるためと考えられている。また、リチウムイオン二次電池の高電圧での駆動は、釘刺し試験などの過酷な試験を行った際に熱暴走が生じる懸念がある。熱暴走を防止するための対策として、アルミナなどのセラミックスをセパレータに塗布することが検討されているが、急激な熱暴走には対応できていないのが現状であった。
熱暴走は、主に正極と電解液との反応によって生じると考えられており、正極の電位が高いほど発生する熱量が増加する傾向がある。また高電圧駆動時の電池特性の悪化は、正極近傍において電解質が酸化分解することでリチウムイオンが消費され、容量が低下するためと考えられている。さらに電解液、電解質の分解物が電極内部やセパレータの空隙に堆積し、リチウムイオン伝導の抵抗となるため出力が低下すると考えられている。したがって、このような問題を解決するには、正極と電解液との反応を抑制するとともに電解液の分解を抑制することが必要である。
そこで特開平11-097027号公報、特表2007-510267号公報などには、正極表面にイオン伝導性高分子などからなる被覆層を形成した非水電解質二次電池が提案されている。被覆層を形成することで、正極活物質の溶出、分解などの劣化を抑制することができる。
ところがこれらの公報には、4.3V以上の高電圧で充電した場合の評価が記載されておらず、そのような高電圧駆動に耐え得るのか不明であった。
特開平11-097027号公報 特表2007-510267号公報
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、高電圧駆動に耐え得るとともに熱暴走の懸念も払拭できる非水系二次電池用の正極を提供することを解決すべき課題とする。
上記課題を解決する本発明の二次電池用正極の特徴は、集電体と集電体に結着された正極活物質層とからなり、セパレータを介して負極と対向するように配置される二次電池用正極であって、正極活物質層の集電体に結着された側の表面と反対側表面は平均孔径が80nm〜2μmの貫通孔をもつ多孔質膜で覆われていることにある。
また本発明の二次電池用正極を製造できる本発明の製造方法の特徴は、正極活物質と、バインダーと、を含む塗剤を集電体の表面に塗布して平均表面粗さが1μm〜10μmである正極活物質層を形成する活物質層形成工程と、
第一溶媒にポリマーを溶解したポリマー溶液を正極活物質層の表面に塗布して湿塗膜を形成する塗布工程と、
第一溶媒を溶解するとともにポリマーを溶解しない第二溶媒を湿塗膜に接触させて正極活物質層の表面にポリマーを析出させる析出工程と、
正極活物質層の表面上でポリマーを乾燥して平均孔径が80μm〜2μmの貫通孔をもつ多孔質膜を形成する乾燥工程と、をこの順で行うことにある。
本発明の二次電池用正極では、正極活物質層の表面は、平均孔径が80nm〜2μmの貫通孔をもつ多孔質膜で覆われている。この多孔質膜は、正極活物質層と強固に結着しているために正極活物質と電解液との接触面積を大幅に低減することができるため、反応性が低下できる。したがって正極活物質と電解液との反応を抑制できるので、高電圧駆動における釘刺し試験などの過酷な条件下でも熱暴走が生じるのを防止することができる。また電解液の分解も防止できるので、高電圧駆動における電池特性の低下も防止することができる。
そして本発明の製造方法では、正極活物質層の平均表面粗さを1μm〜10μmとしている。こうすることで、析出工程においてポリマーを多孔質状に析出させることができ、多孔質膜を確実にかつ容易に形成することができる。またディッピング法を用いて多孔質膜を形成できるので、生産性が高い。
実施例1で作製した正極表面のSEM画像である。 実施例1で作製した正極表面のSEM画像である。
本発明の二次電池用正極は、集電体と集電体に結着された正極活物質層とからなる。集電体としては、リチウムイオン二次電池用正極などに一般に用いられるものを使用すれば良い。例えば、アルミニウム箔、アルミニウムメッシュ、パンチングアルミニウムシート、アルミニウムエキスパンドシート、ステンレススチール箔、ステンレススチールメッシュ、パンチングステンレススチールシート、ステンレススチールエキスパンドシート、発泡ニッケル、ニッケル不織布、銅箔、銅メッシュ、パンチング銅シート、銅エキスパンドシート、チタン箔、チタンメッシュ、カーボン不織布、カーボン織布等が例示される。
正極活物質層は、正極活物質と、バインダとからなる。正極活物質としては、LixNiaCobMncO2、LixCobMncO2、LixNiaMncO2、LixNiaCobO2及びLi2MnO3(但し0.5≦x≦1.5、0.1≦a≦1、0.1≦b≦1、0.1≦c≦1)から選ばれるLi化合物又は固溶体、リチウム(Li)元素および4価のマンガン(Mn)元素を含み結晶構造が層状岩塩構造に属するリチウムマンガン系酸化物からなるもの、硫黄変性ポリアクリロニトリル、などが例示される。中でもLixNiaCobMncO2、LixCobMncO2、LixNiaMncO2、LixNiaCobO2及びLi2MnO3(但し0.5≦x≦1.5、0.1≦a≦1、0.1≦b≦1、0.1≦c≦1)から選ばれるLi化合物又は固溶体が特に好ましい。これらのうち一種であってもよいし、複数種が混合されていてもよい。複数種の場合には、固溶体を形成していてもよい。中でもLixNiaCobMncO2(0.5≦x≦1.5、但し0.2≦a≦1、0.2≦b≦1、0.2≦c≦1)が特に好ましい。また、活物質中に異種元素がドープされていてもよい。
バインダーとしては、ポリフッ化ビニリデン(PolyVinylidene DiFluoride:PVdF)、ポリ四フッ化エチレン(PTFE)、スチレン-ブタジエンゴム(SBR)、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリ塩化ビニル(PVC)、メタクリル樹脂(PMA)、ポリアクリロニトリル(PAN)、変性ポリフェニレンオキシド(PPO)、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等が例示される。正極用バインダーとしての特性を損なわない範囲で、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ポリブロックイソシアナート、ポリオキサゾリン、ポリカルボジイミド等の硬化剤、エチレングリコール、グリセリン、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、アクリルオリゴマ、フタル酸エステル、ダイマー酸変性物、ポリブタジエン系化合物等の各種添加剤を単独で又は二種以上組み合わせて配合してもよい。
また正極活物質層には、導電助剤を含むことも好ましい。導電助剤は、電極の導電性を高めるために添加される。導電助剤として、炭素質微粒子であるカーボンブラック、黒鉛、アセチレンブラック(AB)、ケッチェンブラック(KB)、気相法炭素繊維(Vapor Grown Carbon Fiber:VGCF)等を単独でまたは二種以上組み合わせて添加することができる。導電助剤の使用量については、特に限定的ではないが、例えば、活物質100質量部に対して、1〜100質量部程度とすることができる。導電助剤の量が1質量部未満では効率のよい導電パスを形成できず、100質量部を超えると電極の成形性が悪化するとともにエネルギー密度が低くなる。
正極活物質層の集電体に結着された側の表面と反対側表面は、平均孔径が80nm〜2μmの貫通孔をもつ多孔質膜で覆われている。この多孔質膜は、有機物からなることが好ましいが、無機物を含有していてもよい。有機物としては溶媒に可溶性のポリマーが好ましく、特に好ましくは融点が120℃を超えるものであって、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリ四フッ化エチレン(PTFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(CTFE)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリメチルメタクリル酸(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリアミド(PA)、変性ポリフェニレンオキシド(PPO)などが例示される。
中でも、正極活物質層に含まれるバインダーと表面エネルギーの差が小さい、ポリマーフィルム上に純水を接触させたときの接触角である純水接触角が小さいポリマーを用いることが望ましい。特に、ポリマーとバインダーとの純水接触角の差が20度以下であるのが好ましい。こうすることで多孔質膜と正極活物質層との接合強度が格段に向上する。
多孔質膜の平均孔径は80nm〜2μmである。平均孔径が80nm未満であると、イオンの通過に対する抵抗が大きくなり電池特性が低下する。また平均孔径が2μmを超えると、正極活物質と電解液との反応が生じ易くなり、熱暴走や電解液の分解が生じ易くなる。80nm〜800nmの範囲が特に望ましく、80nm〜500nmがさらに好ましい。
多孔質膜の膜厚は、1μm〜30μmの範囲が好ましい。膜厚が1μm未満では多孔質膜を形成した意味をなさず、熱暴走や電解液の分解が生じ易くなる。また膜厚が30μmを超えると、リチウムイオンなどに対する抵抗となってしまう。1μm〜10μmの範囲が特に望ましい。
本発明の二次電池用正極を製造できる本発明の製造方法を説明する。先ず活物質層形成工程において、正極活物質とバインダーとを含む塗剤を集電体の表面に塗布して、平均表面粗さが1μm〜10μmである正極活物質層を形成する。集電体、正極活物質、バインダーは前述したとおりである。平均表面粗さを1μm〜10μmに制御するには、正極活物質の粒径で制御するのが簡便であるが、例えば櫛歯状のドクターブレードで塗布することで制御することも可能である。
塗布工程では、第一溶媒にポリマーを溶解したポリマー溶液を正極活物質層の表面に塗布して湿塗膜を形成する。そして次の析出工程において、第一溶媒を溶解するとともにポリマーを溶解しない第二溶媒を湿塗膜に接触させて正極活物質層の表面にポリマーを析出させる。ポリマーには前述したものを用いることができ、第一有機溶媒にはこのポリマーを溶解できるものが用いられる。例えばポリマーがポリフッ化ビニリデン(PVdF)の場合には、第一溶媒としてN-メチル-2-ピロリドン(NMP)を用いることができる。すると第二溶媒としてはアルコール類、水などを用いることができる。
第一溶媒あるいは第二溶媒として、有機溶剤を用いることができる。この有機溶剤には特に制限はなく、複数の溶剤の混合物でも構わない。例えば、メタノール、エタノール、プロパノールなどのアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類、ベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素、DMF、N-メチル-2-ピロリドン、N-メチル-2-ピロリドンとエステル系溶媒(酢酸エチル、酢酸n-ブチル、ブチルセロソルブアセテート、ブチルカルビトールアセテート等)あるいはグライム系溶媒(ジグライム、トリグライム、テトラグライム等)の混合溶媒などを用いることができる。
第二溶媒の沸点は、第一溶媒の沸点より低いことが望ましい。こうすることで、最終的に得られる正極中に残留する溶媒の濃度を大きく低減することができ、正極の抵抗を低減することができる。
ここで、正極活物質層の平均表面粗さを1μm〜10μmとしたことにより、その凸形状が析出するポリマーに凹状に転写され、多孔質膜が形成される。平均表面粗さが大きいほど、形成される多孔質膜の孔径も大きくなると考えられる。平均表面粗さが1μm未満では、多孔質膜の孔径が小さくなり過ぎて、リチウムイオンなどの通過が困難となり抵抗となってしまう。
塗布工程は、スプレー、ディッピングなど種々の塗布方法を採用することができる。また湿塗膜の厚さは、目的とする多孔質膜の膜厚に応じて決められる。そして第二溶媒を湿塗膜に接触させる方法は、スプレーなどで塗布してもよいが、湿塗膜をもつ正極を第二有機溶媒中に浸漬するのが望ましい。こうすれば、湿塗膜中に含まれる第一溶媒量に対して第二溶媒量が格段に過剰となるので、第一溶媒が効率よく第二溶媒中に抽出され、均質性の高い多孔質膜を得ることができる。
ポリマー溶液には無機粒子が含まれていてもよい。多孔質膜に無機粒子を含むことによって、充放電のサイクル特性が向上する。この無機粒子としては、アルミニウム、チタン、マグネシウム及びジルコニウムから選ばれる金属の酸化物、フッ化物、リン酸化物、硫酸化物、硫化物、窒化物、酢酸塩、炭酸塩、硝酸化物、ホウ化物などの金属化合物が例示される。リチウムイオン二次電池の正極に用いる場合には、中でも耐酸化性が高いフッ化物が望ましく、フッ化アルミニウムが望ましい。
多孔質膜中の無機粒子の含有量は、少しでも含まれればその分効果があるので、ゼロ質量%を超える量と云える。上限も特に制限されないが、多くなり過ぎるとコート層の成膜が困難となるので、成膜可能な量が上限と云える。
また無機粒子の粒径は、正極活物質の粒径より小さいことが望ましく、特に1μm未満であるのがよい。無機粒子の粒径が大きくなると、活物質表面における抵抗を増加させ、容量や出力特性が低下する場合がある。正極活物質の粒径はたとえばD50が2〜20μmである。
本発明の非水系二次電池は、本発明の正極を備えている。負極及び電解液は、公知のものを用いることができる。負極は、集電体と、集電体に結着された負極活物質層とからなる。負極活物質層は、負極活物質とバインダとを少なくとも含み、導電助剤を含んでもよい。負極活物質としては、グラファイト、ハードカーボン、ケイ素、炭素繊維、スズ(Sn)、酸化ケイ素など公知のものを用いることができる。またSiOx(0.3≦x≦1.6)で表されるケイ素酸化物を用いることもできる。このケイ素酸化物粉末の各粒子は、不均化反応によって微細なSiと、Siを覆うSiO2とに分解したSiOxからなる。xが下限値未満であると、Si比率が高くなるため充放電時の体積変化が大きくなりすぎてサイクル特性が低下する。またxが上限値を超えると、Si比率が低下してエネルギー密度が低下するようになる。0.5≦x≦1.5の範囲が好ましく、0.7≦x≦1.2の範囲がさらに望ましい。
一般に、酸素を断った状態であれば800℃以上で、ほぼすべてのSiOが不均化して二相に分離すると言われている。具体的には、非結晶性のSiO粉末を含む原料酸化ケイ素粉末に対して、真空中または不活性ガス中などの不活性雰囲気中で800〜1200℃、1〜5時間の熱処理を行うことで、非結晶性のSiO2相および結晶性のSi相の二相を含むケイ素酸化物粉末が得られる。
またケイ素酸化物として、SiOxに対し炭素材料を1〜50質量%で複合化したものを用いることもできる。炭素材料を複合化することで、サイクル特性が向上する。炭素材料の複合量が1質量%未満では導電性向上の効果が得られず、50質量%を超えるとSiOxの割合が相対的に減少して負極容量が低下してしまう。炭素材料の複合量は、SiOxに対して5〜30質量%の範囲が好ましく、5〜20質量%の範囲がさらに望ましい。SiOxに対して炭素材料を複合化するには、CVD法などを利用することができる。
ケイ素酸化物粉末は平均粒径が1μm〜10μmの範囲にあることが望ましい。平均粒径が10μmより大きいと非水系二次電池の充放電特性が低下し、平均粒径が1μmより小さいと凝集して粗大な粒子となるため同様に非水系二次電池の充放電特性が低下する場合がある。
負極における集電体、バインダ及び導電助剤は、正極活物質層で用いられるものと同様のものを用いることができる。
上記した正極及び負極を用いる本発明の非水系二次電池は、特に限定されない公知の電解液、セパレータを用いることができる。例えばリチウムイオン二次電池の場合には、電解液は、有機溶媒に電解質であるリチウム金属塩を溶解させたものである。電解液は、特に限定されない。有機溶媒として、非プロトン性有機溶媒、たとえばプロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)等から選ばれる一種以上を用いることができる。また、溶解させる電解質としては、LiPF6、LiBF4、LiAsF6、LiI、LiClO4、LiCF3SO3等の有機溶媒に可溶なリチウム金属塩を用いることができる。
例えば、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネートなどの有機溶媒にLiClO4、LiPF6、LiBF4、LiCF3SO3等のリチウム金属塩を0.5mol/lから1.7mol/l程度の濃度で溶解させた溶液を使用することができる。
セパレータは、正極と負極とを分離し電解液を保持するものであり、ポリエチレン、ポリプロピレン等の薄い微多孔膜を用いることができる。
本発明の非水系二次電池は、形状に特に限定はなく、円筒型、積層型、コイン型等、種々の形状を採用することができる。いずれの形状を採る場合であっても、正極および負極にセパレータを挟装させ電極体とし、正極集電体および負極集電体から外部に通ずる正極端子および負極端子までの間を、集電用リード等を用いて接続した後、この電極体を電解液とともに電池ケースに密閉して電池となる。
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明する。
<正極の作製>
活物質としてのLiNi1/3Co1/3Mn1/3O2が(D50が5.5μm)88質量部と、導電助剤としてのアセチレンブラック(AB)が6質量部と、バインダとしてのポリフッ化ビニリデン(PVdF)が6質量部と、を含む混合スラリーをアルミニウム箔(集電体)の表面にドクターブレードを用いて塗布し、乾燥させて約15μmの厚さで正極活物質層を作製した。この正極活物質層の平均表面粗さは2.4μmであった。
次にポリフッ化ビニリデン(PVdF)をNMP(第一溶媒)に8質量%の濃度で溶解したポリマー溶液を用意し、上記の正極活物質層をもつ集電体を浸漬して約10分間保持した。これを引き上げ、数秒後にエタノール(第二溶媒)中に浸漬して5分間保持した。引き上げて室温で15分間乾燥させ、120℃で1時間熱処理して多孔質膜が形成された正極を得た。
正極表面のSEM像を図1及び図2に示す。最大200nmの貫通孔が無数に存在する多孔質膜が形成されていることがわかる。なお無作為に孔を10点抽出し、画像処理により算出された平均孔径は94nmであり、多孔質膜の膜厚は5.4±0.8μmであった。
<負極の作製>
グラファイトが97質量部と、導電助剤としてのケッチェンブラック(KB)粉末1質量部と、スチレンブタジエンゴム(SBR)とカルボキシメチルセルロース(CMC)の混合物よりなるバインダ2質量部を混合し、スラリーを調製した。このスラリーを、厚さ18μmの電解銅箔(集電体)の表面にドクターブレードを用いて塗布し、銅箔上に約15μmの厚さで負極活物質層を形成した。
<リチウムイオン二次電池の作製>
エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)とを3:7(体積比)で混合した混合溶媒に、LiPF6を1Mの濃度で溶解させ、非水電解液を調製した。
そして上記の正極および負極の間に、セパレータとして厚さ20μmの微孔性ポリプロピレン/ポリエチレン/ポリプロピレン積層フィルムを挟装して電極体とした。この電極体をポリプロピレン製ラミネートフィルムで包み込み、周囲を熱融着させてフィルム外装電池を作製した。最後の一辺を熱融着封止する前に上記の非水電解液を注入し、電極体に含浸させた。そして最後の一辺を熱融着封止して、リチウムイオン二次電池を得た。
本発明の二次電池用正極は、電気自動車やハイブリッド自動車のモータ駆動用、パソコン、携帯通信機器、家電製品、オフィス機器、産業機器などに利用されるリチウムイオン二次電池用正極として有用であり、そのリチウムイオン二次電池は特に、大容量、大出力が必要な電気自動車やハイブリッド自動車のモータ駆動用に最適に用いることができる。

Claims (8)

  1. 集電体と該集電体に結着された正極活物質層とからなり、セパレータを介して負極と対向するように配置される二次電池用正極であって、
    該正極活物質層の該集電体に結着された側の表面と反対側表面は平均孔径が80nm〜2μmの貫通孔をもつ多孔質膜で覆われていることを特徴とする二次電池用正極。
  2. 前記多孔質膜の膜厚は1μm〜30μmである請求項1に記載の二次電池用正極。
  3. 前記正極活物質層は、Li-Ni-Co-Mn系酸化物よりなる正極活物質を含む請求項1又は請求項2に記載の二次電池用正極。
  4. 正極活物質と、バインダーと、を含む塗剤を集電体の表面に塗布して平均表面粗さが1μm〜10μmである正極活物質層を形成する活物質層形成工程と、
    第一溶媒にポリマーを溶解したポリマー溶液を該正極活物質層の表面に塗布して湿塗膜を形成する塗布工程と、
    該第一溶媒を溶解するとともに該ポリマーを溶解しない第二溶媒を該湿塗膜に接触させて該正極活物質層の表面に該ポリマーを析出させる析出工程と、
    該正極活物質層の表面上で該ポリマーを乾燥して平均孔径が80nm〜2μmの貫通孔をもつ多孔質膜を形成する乾燥工程と、をこの順で行うことを特徴とする二次電池用正極の製造方法。
  5. 前記ポリマーの純水接触角と前記バインダーの純水接触角との差が20度以下である請求項4に記載の二次電池用正極の製造方法。
  6. 前記第二溶媒の沸点は前記第一溶媒の沸点より低い請求項4又は請求項5に記載の二次電池用正極の製造方法。
  7. 前記析出工程は、前記湿塗膜をもつ前記正極を前記第二有機溶媒中に浸漬して行う請求項4〜6のいずれかに記載の二次電池用正極の製造方法。
  8. 請求項1〜3のいずれかに記載の正極を有することを特徴とする非水系二次電池。
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